JPH0434567B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0434567B2
JPH0434567B2 JP59264608A JP26460884A JPH0434567B2 JP H0434567 B2 JPH0434567 B2 JP H0434567B2 JP 59264608 A JP59264608 A JP 59264608A JP 26460884 A JP26460884 A JP 26460884A JP H0434567 B2 JPH0434567 B2 JP H0434567B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
temperature
formula
mol
intrinsic viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59264608A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61143438A (ja
Inventor
Isaburo Fukawa
Haruyuki Yoneda
Hisaya Sakurai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP59264608A priority Critical patent/JPS61143438A/ja
Priority to CA000497423A priority patent/CA1260187A/en
Priority to AT85115853T priority patent/ATE102968T1/de
Priority to DE3587778T priority patent/DE3587778T2/de
Priority to EP85115853A priority patent/EP0185317B1/en
Priority to US06/808,502 priority patent/US4772679A/en
Publication of JPS61143438A publication Critical patent/JPS61143438A/ja
Publication of JPH0434567B2 publication Critical patent/JPH0434567B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は新規な結晶性ポリ−(エーテルチオエ
ーテル芳香族ケトン)及びその製造方法に関する
ものである。さらに詳しくいえば、本発明は、エ
ーテル基、チオエーテル基、及びケトン基を介し
てフエニレン基が連結されている化学構造を有す
る、耐熱性、耐溶剤性、難燃性、機械的性質など
が優れた新規な結晶性重合体及びそれを工業的に
製造するための方法に関するものである。 従来の技術 これまで、エーテル基及びケトン基を介してフ
エニレン基が連結されている構造を有する高分子
化合物としては、構造式 をもつものや、構造式 をもつものが知られており、これらは優れた耐熱
性、成形安定性、機械的強度を有するため、成形
材料として注目されている。 しかしながら、これらの高分子化合物は製造に
際して入手しにくい原料を用いなければならない
とか、常温で固体の溶媒を用いなければならない
ため設備上、操作上の難点を伴うなどの問題があ
り、大量に生産するのに適した製造方法はまだ知
られていない。 例えば、前記式()で示される高分子量ポリ
エーテル芳香族ケトンは、ジハロベンゾフエノン
とヒドロキノンとの縮合反応により製造されてい
るが、実用的な物質を有するものとするには、ジ
ハロベンゾフエノンとしてジフルオロベンゾフエ
ノンを用いることが必要となり(特開昭54−
90296号公報)、原料コストが高くなるのを免れな
い。また、結晶性で高分子量のポリエーテル芳香
族ケトン類を得るには、ジフエニルスルホン(融
点128〜129℃)のような常温で固体の化合物を重
合溶媒として用いなければならないが(特公昭56
−2091号公報、特開昭54−90296号公報、特公昭
57−22938号公報)、このような溶媒を用いる製造
方法は、特別な設備を必要とする上に、生成物の
分離、溶媒の回収、精製などがはん雑であり工業
的に実施するには不適当である。 また、液体の重合溶媒としてN−アルキルカプ
ロラクタムを使用する方法も提案されているが
(特公昭51−8439号公報)、この溶媒は高温アルカ
リ条件下で不安定であつて、アルカリ金属炭酸塩
中での高温重合に使用すると、分解して黒変する
ため、生成する重合体が着色されるという欠点が
ある。 他方、ヒドロキシチオフエノールのアルカリ金
属塩と芳香族ジハライドからポリ−(エーテルチ
オエーテル)を製造する方法が知られているが
(特公昭49−44954号公報)、この方法で得られる
重合体は、エーテル結合とチオエーテル結合とが
不規則に配列された内部構造を有するために、非
晶性であり、耐熱性、耐溶剤性、機械的性質など
に関して必ずしも満足しうるものではない。 また、炭酸カリウムの存在下、2個の−XH基
(ただし、Xは酸素原子又は硫黄原子である)を
有する化合物とジハロベンゼノイド化合物とか
ら、ポリエーテル又はポリチオエーテルを製造す
る方法も提案されている(特公昭47−21595号公
報)。しかしながら、この方法においては、重合
温度が低く、前記の場合と同様結晶性の重合体を
得ることはできない。 このように、これまでは、エーテル基及びケト
ン基を介して芳香環が連結した構造を有する結晶
性の重合体を、入手しやすい原料から、しかも簡
単な手段で製造する方法は知られていなかつた。 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、入手しやすい原料を用いしか
も簡単な手段で製造することができ、かつ優れた
耐熱性、耐溶剤性、機械的性質を有する新規な結
晶性ポリ−(エーテルチオエーテル芳香族ケトン)
を提供することである。 問題点を解決するための手段 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、原料とし
て4,4′−ジハロベンゾフエノンと、従来非晶性
重合体しか得られないと考えられていた4−ヒド
ロキシチオフエノールとを用い、特定の条件で重
合させることにより、意外にも特定構造を有する
結晶性の重合体が得られ、前記目的を達成しうる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至つた。 すなわち、本発明は、式 で示される構成単位と、式 で示される構成単位とが交互に結合した線状高分
子構造を有し、かつ0.4〜1.8の極限粘度を有する
結晶性ポリ−(エーテルチオエーテル芳香族ケト
ン)、及びこの高分子化合物を、溶媒として脂肪
族又は芳香族スルホを用い、アルカリ金属の炭酸
塩及び重炭酸塩の中から選ばれた少なくとも1種
の存在下、200〜400℃の温度範囲において、実質
上等モルの4−ヒドロキシチオフエノールと4,
4′−ジハロベンゾフエノンとを重縮合させること
によつて製造する方法を提供するものである。 本発明で使用される原料の単量体は、4−ヒド
ロキシチオフエノールと、次の一般式 (式中のX1及びX2はハロゲン原子を表わし、
それらは同一であつても、異なつていてもよい)
で表わされる4,4′−ジハロベンゾフエノンであ
る。4,4′−ジハロベンゾフエノンの具体例とし
ては、4,4′−ジクロロベンゾフエノン、4,
4′−ジフロロベンゾフエノン、4−クロロ−4′−
フロロベンゾフエノンなどが挙げられる。これら
の単量体は単独で用いてもよいし、2種以上組み
合わせて用いてもよい。 このように、本発明においては、必ずしも入手
しにくいフツ素化合物を原料として用いる必要は
なく、X1とX2の両方が塩素原子であるような入
手しやすい化合物を用いてもフツ素化合物を用い
た場合と、ほとんど変らない重合時間で高分子量
の重合体を得ることができる。 本発明において、溶媒として使用する脂肪族ス
ルホン又は芳香族スルホンは、一般式 R1−SO2−R2 …() (式中のR1及びR2は脂肪族残基又は芳香族残
基であり、それらは同一でも異なつてもよく、ま
たR1とR2は炭素−炭素結合で直接結合していて
もよく、また酸素原子を介して結合していてもよ
い)で表わされる化合物であり、具体例として
は、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スル
ホラン、ジフエニルスルホン、ジトリルスルホ
ン、メチルフエニルスルホン、ジベンゾチオフエ
ンオキシド、フエノキサチンジオキシド、4−フ
エニルスルホニルビフエニルなどが挙げられる。
これらの中で特にスルホラン及び芳香族スルホン
が高温重合においても安定で、好適である。 このように、本発明においては、常温で液体の
スルホラン(融点27〜28℃)などの溶媒を用いて
も、十分に高分子量の結晶性ポリエーテルチオエ
ーテル芳香族ケトンが得られるので、工業的に極
めて有利である。 本発明に用いられるアルカリ金属炭酸塩、アル
カリ金属重炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
ルビジウム、炭酸水素セシウムが挙げられ、これ
らはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組
み合わせて用いてもよい。また、これらの中で、
特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウムが好適である。 次に、本発明の製造方法における好適な実施態
様について説明すると、まず、脂肪族スルホン又
は芳香族スルホン溶媒中に、所要量の、アルカリ
金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩の中から選
ばれた少なくとも1種のアルカリ金属塩、4−ヒ
ドロキシチオフエノール及び4,4′−ジハロベン
ゾフエノンを添加する。この際、溶媒は、通常4
−ヒドロキシチオフエノールと4,4′−ジハロベ
ンゾフエノンとの合計100重量部当り10〜1000重
量部の範囲で用いられる。またアルカリ金属塩
は、そのアルカリ金属原子の量が、4−ヒドロキ
シチオフエノール1/2モル当り0.3〜2グラム原
子、好ましくは0.5〜1.2グラム原子になるような
割合で用いられる。該アルカリ金属塩を過剰に使
用すると、反応が激しくなりすぎて、有害な副反
応が起る原因になる上に、コスト面でも不利にな
るからできるだけ少ない量の使用が望ましい。し
かし、該アルカリ金属原子の量が0.3グラム原子
未満になると、重合時間を長くすることが必要で
あり、また所望の高分子量の重合体が得られにく
くなる。 該アルカリ金属塩は無水のものが好ましいが、
含水塩の場合は、重合反応系中から共沸溶媒と共
に水分を留去することにより、その使用が可能で
ある。 また、4−ヒドロキシチオフエノールと4,
4′−ジハロベンゾフエノンとの使用割合について
は、実質的に等モルであることが必要で、前者1
モル当り、後者は0.95〜1.05モルの範囲で選ば
れ、この範囲を逸脱すると高分子量重合体が得ら
れにくくなる。重合体末端を安定な芳香族ジハラ
イド単位とするためには、4−ヒドロキシチオフ
エノール1モル当り、1.00〜1.05モルの4,4′−
ジハロベンゾフエノンを用いることが特に好まし
い。 次に、前記の溶媒、アルカリ金属塩、単量体の
混合物を、例えば窒素、アルゴンなどの不活性ガ
ス雰囲気下で加熱し、200〜400℃、好ましくは
250〜350℃の温度範囲で重合反応を行う。この温
度が200℃未満では重合中にポリマーが析出して
高分子量ポリマーが得られず、一方400℃を超え
ると生成ポリマーの劣化による着色がひどくな
る。また、急激な温度上昇は副反応を起こし、ポ
リマーの着色、ゲル化などの原因となつて好まし
くない。したがつて、段階的に又は徐々に温度を
上昇させ、できるだけ重合系が均一な温度に保た
れるように工夫することが重要である。 極限粘度0.4〜1.8の高分子量ポリマーを得るに
は、重合温度は最終的には200℃以上にすること
が必要であるが、それ以下の温度で予備重合を行
うのが有利である。また、重合中に発生する水分
は、系外に除去することが好ましいが、除去する
方法としては、単に重合系のガス相を乾燥した不
活性ガスで置換したり、あるいは、重合溶媒より
低沸点の溶媒を系に導入し、これと共に系外へ留
去する方法などが用いられる。 重合反応は、適当な末端停止剤、例えば単官能
若しくは多官能ハロゲン化物、具体的には塩化メ
チル、tert−ブチルクロリド、4,4′−ジクロロ
ジフエニルスルホン、4,4′−ジフロロベンゾフ
エノン、4,4′−ジフロロテレフタロフエノン、
4−フロロベンゾフエノンなどを前記重合温度に
おいて反応系に添加、反応させることにより停止
させことができる。また、これによつて末端に熱
的に安定なアルキル基や芳香族ハロゲン基や芳香
族基を有する重合体を得ることができる。 このようにして得られた本発明の重合体は、構
成単位()
【式】と、構 成単位()−O− −S−とが交互に連結した
ものである。 これらの構成単位は、構成単位()の酸素原
子と硫黄原子の構成単位()に対する結合形式
に基づいて、式 に相当する構成ユニツトと、式 に相当する構造ユニツトを形成するが、本発明の
高分子化合物は、これらのいずれか一方の構造ユ
ニツトを含むものであつてもよいし、また両方を
ランダム又は規則的に含むものであつてもよい。 通常、特にコントロールしない場合、連結形式
に規則性がなく、ランダム構造になると思われ
る。また、メルカプト基はヒドロキシル基よりも
かなり反応性が高いのであらかじめ低温で予備重
合したのち、高温で重合した場合は、前記式
()で表わされる連結形式の構造ユニツトが優
先的に生成するし、またあらかじめ1モルの4−
ヒドロキシチオフエノールに0.5モルの4,4′−
ジハロベンゾフエノンを反応させたのち、残りの
0.5モルの4,4′−ジハロベンゾフエノンを反応
させた場合は、前記()で表わされる連結形式
の構造ユニツトが優先的に生成する。 このように、重合温度やモノマーの添加方法に
より、同一モノマーの組み合わせでも、種々の規
則性、不規則性の重合体が製造できる。このう
ち、比較的規則性が高く、結晶性の高いものが望
ましい。 このようにして製造された連結形式の異なる構
成単位を種々の割合で含有する重合体は、それぞ
れ異なる結晶融点(Tm)、ガラス転移温度
(Tg)、結晶化速度をもつため、用途に応じて適
当な製造方法を選択することが可能である。 また、本発明の重合体の極限粘度は0.4〜1.8で
あることが必要である。この極限粘度が0.4未満
の重合体は脆くて、フイルム、射出成形品として
不適当である。また、1.8よりも大きいものは、
成形性の点で実用的でない。 発明の効果 本発明の高分子化合物は、従来のポリエーテル
芳香族ケトンを製造する場合に比べて、単量体の
1成分であるジハロ芳香族化合物として安価なも
のを用いることができ、また重合溶媒として、分
離、回収、精製などが容易な、スルホランなどの
常温で液体のものを用いることができるので、工
業的に有利に製造し得る上に、重合条件の選択に
より、構成単位()と()との連結形式によ
り、種々の規則性やランダム性を有する重合体と
することができるため、用途に応じ、結晶融点、
ガラス転移温度、結晶化速度などの異なる重合体
を提供できるという利点がある。 さらに、本発明のポリ−(エーテルチオエーテ
ル芳香族ケトン)は高融点、高分子量で、かつ結
晶性の熱可塑性重合体であり、優れた耐熱性と難
燃性に加えて、優れた機械的性質を有し、また、
濃硫酸以外の溶剤には室温ではほとんど溶解せ
ず、極めて優れた耐溶剤性を示す。 したがつて、本発明の結晶性ポリ−(エーテル
チオエーテル芳香族ケトン)は、高温での厳しい
条件で使用される成形材料として好適である。こ
の重合体は任意の所望の形状、例えば成形品、被
覆、フイルム、繊維などにして用いることがで
き、さらに各種のエンジニアリングプラスチツ
ク、耐熱樹脂、ガラス繊維、炭素繊維、無機質な
どと混合し、アロイ化やコンポジツト化して使用
することができる。 実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によつてなんら制限さ
れるものではない。 なお、本発明の重合体は、わずかに濃硫酸にと
けるのみで、一般の有機溶媒には不溶であるの
で、平均分子量を求めることが困難である。した
がつて、極限粘度をもつて分子量の尺度とする。 また、重合体の物性は次のようにして測定し
た。 (1) 極限粘度 密度1.84g/cm3の濃硫酸を使用し、溶液100cm3
り重合体0.1gを含む溶液と溶液100cm3当り重合体
0.5gを含む溶液を調製し、その粘度を25℃で測
定し、式 極限粘度={(ηrel−1)/C}CO 〔ただし、ηrelは相対粘度、Cは濃度(g/100
ml)であり、C→Oは(ηrel−1)/Cの値を濃
度CがOの点に外挿したことを意味する〕 を用いて求めた。 (2) 結晶融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg) DSC(示差走査熱量計)により昇温速度10℃/
minで測定した。 (3) 結晶性 広角X線回折と結晶融点(Tm)とから判定し
た。 実施例 1 かきまぜ機、窒素導入管及び冷却器を備えたセ
パラブル四つ口フラスコを窒素置換したのち、こ
れに4,4′−ジクロロベンゾフエノン17.58g
(0.070モル)、4−ヒドロキシチオフエノール
8.82g(0.070モル)、無水炭酸カリウム9.66g
(0.070モル)、スルホラン70ml、トルエン50mlを
入れ、窒素雰囲気下に加熱を開始した。トルエン
が還流する温度で1時間保持したのち、生成する
水をトルエンと共沸で除去した。次に2時間で
200℃まで昇温させ、さらに1時間で260℃まで昇
温し、この温度で6時間保持したところ、反応液
は粘ちような液体となつた。次に、この温度で塩
化メチルを20分間吹き込んだのち、冷却して水を
添加した。得られた固形物を粉砕し、温アセトン
で2回、温水で2回さらに温アセトンで1回洗浄
して白色固形物を定量的に得た。 このものは結晶性であり、その極限粘度は
0.75、Tmは276℃、Tgは143℃であつた。 また、この重合体は塩化メチレン、クロロホル
ム、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラ
ン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
リツクトリアミド、ヘキサン、トルエンなどの溶
媒に室温では溶解しなかつた。 重合体の元素分析の結果は、 C H O
S 測定値
75.0 % 4.0 % 10.4 % 10.4 % 理論値 74.99〃 3.97〃 10.51〃 10.53〃 であつた。 第1図、第2図及び第3図に、それぞれこの重
合体のX線回折チヤート、IR分析チヤート、固
13C−NMRチヤートを示す。なお、X線回折
分析、IR分析、固体13C−NMR分析には重合で
得られた粉末をそのまま用いた。 この重合体を360℃で5分間プレスして得られ
たフイルムは、繰り返し折り曲げに対して極めて
丈夫なものであり、このフイルムの引張強度は
810Kg/cm2、伸びは110%であつた(測定方法
ASTMD882)。 実施例 2 実施例1と同様の装置を用い、これに4,4′−
ジフロロベンゾフエノン15.26g(0.070モル)、
4−ヒドロキシチオフエノール8.82g(0.070モ
ル)、無水炭酸カリウム7.73g(0.056モル)、ジ
フエニルスルホン50gを入れ、窒素雰囲気下に加
熱を開始した。150℃で1時間、180℃で1時間、
250℃で1時間保持したのち、280℃に昇温し、こ
の温度で3時間保持した、これを冷却し、粉砕し
たのち、温アセトンで2回、温水で2回、さらに
温アセトンで1回洗浄して定量的に重合体を得
た。 このものは結晶性であり、極限粘度0.83、
Tm275℃、Tg143℃であつた。 実施例 3 実施例1と同様の装置を用い、これに4,4′−
ジクロロベンゾフエノン8.79g(0.035モル)、4
−ヒドロキシチオフエノール8.82g(0.070モ
ル)、無水炭酸カリウム4.83g(0.035モル)、ジ
フエニルスルホン60gを入れ、窒素雰囲気下に加
熱を開始した。150℃で1時間、220℃で40分間保
持したのち、室温まで放冷した。次に4,4′−ジ
クロロベンゾフエノン8.79g(0.035モル)、無水
炭酸カリウム4.83g(0.035モル)を加え、再び
加熱し、150℃で1時間、180℃で1時間、250℃
で1時間保持したのち、310℃に昇温して、この
温度で3時間保持した。次いで反応混合物を冷却
し、粉砕したのち、温アセトンで2回、温水で2
回、さらに温アセトンで1回洗浄して、定量的に
重合体を得た。 このものは結晶性であり、極限粘度1.0、
Tm270℃、Tg140℃であつた。 実施例1と比較して、Tm,Tgが異なるのは、
本文中に記載したように、構成単位()と
()の連結形式が異なるためと思われる。 すなわち、実施例1では の構造ユニツトが優先的に生成しているのに対
し、実施例3では の構造ユニツトが優先的に生成しているためと考
えられる。 実施例1と同様にして得たフイルムは、繰り返
し折り曲げに対して極めて丈夫なものであつた。 実施例 4 実施例1と同様の装置を使用し、これに4,
4′−ジフロロベンゾフエノン7.64g(0.035モル)、
4−ヒドロキシチオフエノール8.82g(0.070モ
ル)、無水炭酸ナトリウム3.71g(0.035モル)、
スルホラン70ml、トルエン20mlを入れ、窒素雰囲
気下に加熱を開始した。トルエンが還流する温度
で1時間保持したのち、生成する水をトルエンと
共沸で除去した。次に、150℃で1時間、200℃で
1時間保持したのち冷却した。次いで、さらに
4,4′−ジフロロベンゾフエノン7.64g(0.035モ
ル)、無水炭酸ナトリウム3.71g(0.035モル)、
トルエン20mlを添加し、トルエンが還流する温度
で1時間保持して、生成水をトルエンと共沸で除
去したのち、150℃で1時間、180℃で1時間、
250℃で3時間保持後、放冷し、実施例1と同様
の操作を行つて固形物を得た。 このものは結晶性であり、極限粘度1.1、
Tm270℃、Tg140℃であつた。 実施例 5 実施例1と同様な装置を用い、これに4,4′−
ジフロロベンゾフエノン15.26g(0.070モル)、
4−ヒドロキシチオフエノール8.82g(0.070モ
ル)、4−ヒドロキシチオフエノール8.82g
(0.070モル)、ジフエニルスルホン40gを入れ、
窒素雰囲気下に加熱を開始した。反応溶液が220
℃に達した時点で無水炭酸カリウム7.73g
(0.056モル)を添加し重合を開始させ、最終的に
は300℃まで昇温し、この温度で3時間保持した。
次いで、冷却して粉砕したのち、温アセトンで2
回、温湯で2回、さらに温アセトンで1回洗浄し
て定量的に重合体を得た。 重合体は極限粘度0.75であり、X線回折により
結晶性であることが分つた。 実施例 6 実施例1と同様の装置を使用し、これに4,
4′−ジフルオロベンゾフエノン7.64g(0.035モ
ル)、4−ヒドロキシチオフエノール8.82g
(0.070モル)、無水炭酸ナトリウム2.97g(0.028
モル)、ジフエニルサルホン30gを入れ、窒素雰
囲気下に加熱を開始した。140℃で4時間保持し
た後100℃まで冷却し、次に4,4′−ジフルオロ
ベンゾフエノン7.64g(0.035モル)、無水炭酸カ
リウム3.86g(0.028モル)を加え再び加熱して
290℃まで昇温し、この温度で4時間保持した、
次いで放冷したのち実施例1と同様な操作を行
い、固体を得た。 このものは極限粘度1.10、Tm299℃、Tg143℃
であつた。 比較例 1 実施例1において、重合条件を150℃で1時間、
180℃で3時間に代える以外は、実施例1と同様
にして反応を行つた。この場合、重合反応中に固
形物が析出した。 反応終了後、実施例1と同様にして重合体を取
り出した。このものは極限粘度0.19であり、ま
た、実施例1と同様にコンプレツシヨン成形でフ
イルムを作成しようとしたが、フイルムは得られ
なかつた。 比較例 2 4−ヒドロキシチオフエノール5.04g(0.040
モル)、トルエン30ml、8.0モル/l濃度の水酸化
ナトリウム水溶液10ml(0.080モル)を使用して、
4−ヒドロキシチオフエノールの二ナトリウム塩
を製造し、これに4,4′−ジクロロベンゾフエノ
ン10.05(0.040モル)とスルホラン40mlを加えて、
窒素雰囲気下に重縮合を180℃で3時間行つた、
この際、180℃の重合の途中で固形物が析出し、
3時間後も該固形物は溶解しなかつた。反応終了
後、実施例1と同様にして重合体を取り出した。 得られた重合体は、極限粘度0.15であり、ま
た、実施例1と同様にコンプレツシヨン成形でフ
イルムを作成しようとしたが、フイルムは得られ
なかつた。 比較例 3 実施例1において、スルホラン、トルエンの代
りにN−メチルカプロラクタム200mlを用い、230
℃で生成する水を除き、その後、その温度で保持
したところ、固形物が析出した。反応終了後、実
施例1と同様にして重合体を取り出した。このも
のは極限粘度0.20であり、実施例1と同様にコン
プレツシヨン成形でフイルムを作成しようとした
が、フイルムは得られなかつた。 参考例 1 実施例2と同様の方法により製造した重合体及
び比較として市販のPEEK樹脂(ICI社製ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂(Victrex PEEK
45P))及びポリフエニレンスルフイド樹脂(フ
イリツプス社製ライトンPPS P−4)を用い限
界酸素指数、熱減量を測定した。 結果を第1表、第2表に示す。
【表】 サンプルを用い、東洋精機製キヤンドル燃
焼試験装置D−タイプにて測定した。
第1表より明らかなように本発明の重合体は
PEEK樹脂に比べ難燃性に優れ、またポリフエニ
レンスルフイド樹脂と同等である。
【表】 第2表から明らかなように、本発明の重合体
は、ポリフエニレンスルフイド樹脂に比べ、55℃
も熱安定性がよいことが分る。 また本発明の重合体は、400℃で30分間、プレ
スしても安定で、重合体の極限粘度は変わらずゲ
ルの生成は認められなかつた。 参考例 2 実施例2の10倍量のスケールで同様にして製造
した重合体及び比較として市販のPEEK樹脂
(ICI社製ポリエーテルエーテルケトン樹脂
(Victrex PEEK 45P))及びポリフエニレンス
ルフイド樹脂(フイリツプス社製、ライトンPPS
R−4)を用い、限界酸素指数を測定した。結果
を第3表に示す。
【表】
【表】 この表より明らかなように、A−1号試験片
(厚み3.0mm)では、フイルムのB−1号より差が
明確に表われた。すなわち、本発明の重合体は
PEEK樹脂に比べ難燃性が極めてすぐれ、また、
難燃性がすぐれているといわれているポリフエニ
レンスルフイド樹脂よりもすぐれた値を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図及び第3図は、それぞれ本発明
重合体のX線回折チヤート、IR分析チヤート及
び固体13C−NMRチヤートの1例である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 で示される構成単位と、式 で示される構成単位とが交互に結合した線状高分
    子構造を有し、かつ0.4〜1.8の極限粘度を有する
    結晶性ポリ−(エーテルチオエーテル芳香族ケト
    ン)。 2 溶媒として脂肪族又は芳香族スルホンを用
    い、アルカリ金属の炭酸塩及び重炭酸塩の中から
    選ばれた少なくとも一種の存在下、200〜400℃の
    温度範囲において、実質上等モルの4−ヒドロキ
    シチオフエノールと4,4′−ジハロベンゾフエノ
    ンとを重縮合させることを特徴とする、式 で示される構成単位と、式 で示される構成単位とが交互に結合した線状高分
    子構造を有し、かつ0.4〜1.8の極限粘度を有する
    結晶性ポリ−(エーテルチオエーテル芳香族ケト
    ン)の製造方法。
JP59264608A 1984-12-14 1984-12-17 ポリ−(エ−テルチオエ−テル芳香族ケトン)及びその製造方法 Granted JPS61143438A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59264608A JPS61143438A (ja) 1984-12-17 1984-12-17 ポリ−(エ−テルチオエ−テル芳香族ケトン)及びその製造方法
CA000497423A CA1260187A (en) 1984-12-14 1985-12-11 Crystalline aromatic polyketone and process for producing the same
AT85115853T ATE102968T1 (de) 1984-12-14 1985-12-12 Kristallines aromatisches polyketon und verfahren zu seiner herstellung.
DE3587778T DE3587778T2 (de) 1984-12-14 1985-12-12 Kristallines aromatisches Polyketon und Verfahren zu seiner Herstellung.
EP85115853A EP0185317B1 (en) 1984-12-14 1985-12-12 Crystalline aromatic polyketone and process for producing the same
US06/808,502 US4772679A (en) 1984-12-14 1985-12-13 Crystalline aromatic polyketone and process for producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59264608A JPS61143438A (ja) 1984-12-17 1984-12-17 ポリ−(エ−テルチオエ−テル芳香族ケトン)及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61143438A JPS61143438A (ja) 1986-07-01
JPH0434567B2 true JPH0434567B2 (ja) 1992-06-08

Family

ID=17405683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59264608A Granted JPS61143438A (ja) 1984-12-14 1984-12-17 ポリ−(エ−テルチオエ−テル芳香族ケトン)及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61143438A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115926097A (zh) * 2022-12-27 2023-04-07 建滔(广州)电子材料制造有限公司 一种覆铜板用聚氨酯胶黏剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61143438A (ja) 1986-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4654410A (en) Aromatic polysulfone ether/polythioether sulfone copolymer and process for its preparation
EP0185317B1 (en) Crystalline aromatic polyketone and process for producing the same
JPH0433294B2 (ja)
JPH0434567B2 (ja)
JPH0433295B2 (ja)
EP4006079B1 (en) Polyarylene ether ketone resin, manufacturing method therefor, and molded body
JPH0417971B2 (ja)
JPH02117921A (ja) 新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体及びその製造方法
JPH0417211B2 (ja)
JPS62530A (ja) 結晶性ポリ−(エ−テルチオエ−テル芳香族ケトン)共重合体及びその製造方法
JPH0433297B2 (ja)
JPH0417212B2 (ja)
JP2540521B2 (ja) 熱可塑性芳香族ポリエ−テルピリジンおよびその製造方法
JPH0412728B2 (ja)
JPH0475251B2 (ja)
US4804735A (en) Crystalline aromatic polyketone copolymer produced from 4-mercaptophenol, dihaloterephtalophenone, and hydroquinone or dihydroxybenzophenone
JPH0433296B2 (ja)
JPH0417972B2 (ja)
JPH0412892B2 (ja)
JPH0417970B2 (ja)
JPH0433293B2 (ja)
JPH0686519B2 (ja) 耐熱性樹脂及びその製法
JPH07116297B2 (ja) 芳香族ポリスルホン共重合体およびその製造方法
JPS6053534A (ja) 新規重合体およびその製造法
JPH0277426A (ja) 結晶性新規芳香族ポリスルホン及びその製造方法