JPH04343712A

JPH04343712A - 芯鞘型複合繊維

Info

Publication number: JPH04343712A
Application number: JP10765791A
Authority: JP
Inventors: Yutaka Nishikawa; 西河　裕; Takuji Sato; 卓治佐藤
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 1991-05-13
Filing date: 1991-05-13
Publication date: 1992-11-30

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業用の利用分野】本発明は耐熱性、耐薬品性に優れ
た複合繊維に関するものであり、更に詳しくは、芯成分
がポリアミドからなり、鞘成分がポリフェニレンサルフ
ァイドからなる耐熱性、耐薬品性に優れ、しかも高強度
、高伸度特性を有する芯鞘型複合繊維に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】ポリフェニレンサルファイドは優れた耐
熱性および高耐薬品性を有しており、高性能エンジニア
リングプラスチックとして注目されている。また、溶融
成形が可能であることから、いわゆる成形品用途以外に
も、繊維やフィルムに応用する技術が従来から検討され
ており、繊維の製造については、例えば特開昭４９−５
４６１７号公報、特公昭５２−１２２４０号公報、特公
昭５２−３０６０９号公報、特開昭５７−１４３５１８
号公報、特開昭５８−１８４０９号公報、特開昭５８−
３１１１２号公報、特開昭６１−２１５７１５号公報お
よび特開平１−２３９１０９号公報などにより提案され
ている。

【０００３】そして、ポリフェニレンサルファイド繊維
は耐熱性、耐薬品性に優れているという特徴を有してい
るため、例えばバグフィルタースクリム基布、モーター
結節紐、モーターバインダーテープおよびゴム補強用繊
維などの耐熱、耐薬品性を必要とする産業用繊維として
の用途が期待されている。

【０００４】しかし、ポリフェニレンサルファイド繊維
は、汎用のポリエステル繊維やポリアミド繊維などに比
べ価格が高いため、低価格化が望まれている。この要求
を満足させるため、ポリエステルとポリフェニレンサル
ファイドとの複合繊維が、特開昭５９−２０４９２０号
公報および特開平２−９９６１４号公報に記載されてい
る。また、特開平３−４０８１３号公報にはポリアミド
とポリフェニレンサルファイドとの複合繊維が記載され
ている。

【０００５】しかるに、前記の特開昭４９−５４６１７
号公報、特公昭５２−１２２４０号公報、特公昭５２−
３０６０９号公報、特開昭５７−１４３５１８号公報、
特開昭５８−１８４０９号公報、特開昭５８−３１１１
２号公報、特開昭６１−２１５７１５号公報および特開
平１−２３９１０９号公報などに記載された技術によっ
て製造されるポリフェニレンサルファイド繊維は、耐熱
性および耐薬品性に優れ産業用繊維としての用途が期待
されるにもかかわらず、低強度、低伸度であり、しかも
剛直であるため屈曲に対する耐久性、すなわち耐屈曲疲
労性が低く、かつ価格が高いために、実質的に産業用繊
維として広く用いられていないのが実状である。

【０００６】また、前記特開昭５９−２０４９２０号公
報には、芯成分としてポリエステルポリマ、鞘成分とし
てポリフェニレンサルファイドポリマとポリエステルポ
リマとのブレンドポリマを用いた複合繊維が記載されて
いる。しかし、この複合繊維は耐熱性、耐薬品性に劣る
ポリエステルポリマの一部が繊維の表層に露出している
ので、耐熱性、耐薬品性が期待される程には向上しない
という問題を有していた。

【０００７】さらに、特開平２−９９６１４号公報には
、芯成分としてポリフェニレンサルファイドポリマとポ
リエステルポリマとのブレンドポリマ、鞘成分としてポ
リフェニレンサルファイドポリマを用いた複合繊維が記
載されている。しかし、この複合繊維は芯成分ポリマが
ポリフェニレンサルファイドポリマとポリエステルポリ
マとのブレンドポリマからなるため、その繊維の力学的
特性、特に引張り強度が５ｇ／ｄ程度と劣り、強度を必
要とする産業用繊維としては使用できないという問題を
有していた。

【０００８】しかも、上記の複合繊維はいずれもポリエ
ステルポリマとの複合繊維であるため、ポリフェニレン
サルファイドの剛直性を改善することができず、屈曲に
対する耐屈曲疲労性が劣るという欠点も改良されていな
い。

【０００９】また、特開平３−４０８１３号公報には、
芯成分がポリアミド、鞘成分がポリフェニレンサルファ
イドの複合繊維が記載されている。しかし、上記の複合
繊維はポリアミドとポリフェニレンサルファイドの相溶
性が良くないため、使用中に芯成分と鞘成分との界面で
剥離を起こし易く、耐久性に劣るという欠点がある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
、達成されたものである。

【００１１】したがって、本発明の目的は、耐熱性、耐
薬品性に優れ、しかも高強度、高伸度、耐屈曲疲労性、
芯鞘界面での剥離耐久性などの物理的特性に優れた産業
用繊維を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の構成は、芯鞘型
複合繊維において、芯成分がポリカプラミドまたはポリ
ヘキサメチレンアジパミドを主成分とするポリアミドに
５〜３０重量％のポリフェニレンサルファイドをブレン
ドしたポリマ、鞘成分がポリフェニレンサルファイドか
らなり、芯成分が複合繊維全体における８５〜２５重量
％の割合を占め、繊維の表面は全てポリフェニレンサル
ファイドによって形成されてなることを特徴とする芯鞘
型複合繊維にある。

【００１３】

【実施態様】本発明に係る芯鞘型複合繊維における芯成
分はポリカプラミドまたはポリヘキサメチレンアジパミ
ドを主成分とするポリアミドにポリフェニレンサルファ
イドをブレンドしたポリマである。

【００１４】上記のポリアミドは７０重量％以上がポリ
カプラミドまたはポリヘキサメチレンアジパミドのいず
れかである。ただし、ポリアミド全体に占める割合が３
０重量％未満の範囲であれば、他のポリマをブレンドま
たは一部共重合したポリマを用いてもよい。

【００１５】上記ポリアミドに占めるポリカプラミドお
よびポリヘキサメレンアジパミド以外の成分の割合が３
０重量％以上になると複合繊維の強度が低く、産業用途
としては実用に供し得ないものとなる。

【００１６】また、上記ポリアミドは複合繊維の強度を
産業用繊維として十分使用できるものとするためには高
重合度であることが好ましく、硫酸相対粘度（ηｒ）が
２．８以上、好ましくは３．０以上であることが適切で
ある。また、ポリアミド成分には熱酸化防止剤として銅
塩およびその他の有機、無機化合物が含有されていても
よい。

【００１７】上記のポリアミドにブレンドするポリフェ
ニレンサルファイド（以下ＰＰＳという）のブレンド量
は５〜３０重量％である。前記ブレンド量が５重量％未
満であると複合繊維の芯鞘界面での接着性が改善されず
、剥離が起こり易い。また、前記ブレンド量が３０重量
％より大きいと複合糸の強度が低くなり、産業用繊維と
して用いることができない。

【００１８】本発明に係る芯鞘型複合繊維の鞘成分は実
質的にＰＰＳである。鞘成分に他のポリマが存在すると
耐熱性、耐薬品性が大幅に低下することになる。

【００１９】前記ＰＰＳポリマは繊維形成性、耐熱性お
よび耐薬品性の面から、メルトフローレート（ＭＦＲ）
が１０〜６００の実質的に線状のポリマが好ましいが、
トリクロロベンゼン（ＴＣＢ）を０．１重量％以下含有
した架橋ポリマであってもよい。

【００２０】ここで言うメルトフローレート（ＭＦＲ）
とは、測定温度を３１６℃、荷重を５ＫｇｆとしたＡＳ
ＴＭ　　Ｄ１２３８−８２法によって測定されたポリマ
の溶融流れを意味する。

【００２１】また、鞘成分のＰＰＳは芯成分にブレンド
するＰＰＳと同じであってもよいが、異なるものを用い
てもよい。

【００２２】本発明に係る芯鞘型複合繊維の芯成分であ
るポリアミドとＰＰＳのブレンドポリマが複合繊維全体
に占める割合は、８５〜２５重量％であり、好ましくは
８０〜３０％である。

【００２３】上記芯成分が複合繊維全体に占める割合が
８５％を越えると、鞘成分のＰＰＳの厚みが薄くなり、
耐熱性、耐薬品性が悪くなるため好ましくない。また、
上記芯成分が複合繊維全体に占める割合が２５％未満で
あると、産業用繊維に要求される高強度、高伸度特性を
満足することが困難となり、また屈曲に対する耐久性、
すなわち耐屈曲疲労性も産業用繊維としての適性を満足
しない程度に低くなるため好ましくない。

【００２４】なお、芯成分の断面形状は円形であること
が好ましいが、本発明の効果を妨げない範囲で円形以外
の異形断面であっても良い。

【００２５】また、本発明に係る芯鞘型複合繊維は、産
業用繊維として十分使用できるものとするため、その強
度が５．５ｇ／ｄ以上であり、６ｇ／ｄ以上であること
がより好ましい。

【００２６】本発明に係る芯鞘型複合繊維は、例えば以
下に示す方法によって製造される。芯成分に使用するポ
リアミドポリマには硫酸相対粘度（ηｒ）が２．８以上
、好ましくは３．０以上のポリマを用いる。また、芯成
分にブレンドするＰＰＳおよび鞘成分のＰＰＳとしては
、繊維形成性、耐熱性、耐薬品性を有するメルトフロー
レート（ＭＦＲ）が１０〜６００の実質的に線状のポリ
マを用いる。

【００２７】ポリマの溶融紡糸には２基のエクストルー
ダー型紡糸機を用いる。芯成分および鞘成分それぞれの
ポリマは各々独立したエクストルーダーで溶融され、こ
れらのポリマを複合紡糸パックに導き、芯鞘複合紡糸口
金を通して、芯部にポリアミドとＰＰＳのブレンドポリ
マ、鞘部にＰＰＳを配した芯鞘型複合繊維として紡出す
る。

【００２８】なお、芯成分のポリアミドとＰＰＳのブレ
ンドは各ポリマのチップを上記エクストルーダーでブレ
ンドする方法、事前にエクストルーダーで各ポリマを溶
融ブレンドし、ブレンドチップとなしてこれを用いる方
法など公知の方法が用いられる。

【００２９】紡糸速度は５００ｍ／分以上、好ましくは
８００ｍ／分以上とする。紡糸口金直下には加熱筒ある
いは保温筒を設け、１０ｃｍ以上、１ｍ以内の範囲にわ
たって２００℃以上、好ましくは２６０℃以上の加熱雰
囲気とする。前記の紡出直後の糸条は、前記の加熱雰囲
気中を通過した後、冷風で急冷固化され、次いで油剤を
付与された後、紡糸速度を制御する引取りロールで引取
られる。前記口金直下の加熱雰囲気の制御は、曳糸性を
保持するために重要である。引取られた未延伸糸は、通
常一旦巻取ることなく、連続して延伸工程に供される。

【００３０】延伸は通常は２段以上の多段が用いられ、
延伸倍率は１．４〜４．５倍の範囲とする。２段延伸を
用いる場合、１段目の延伸は総延伸倍率の７０％以上、
通常は７５〜８５％とし、残りを２段目の延伸で行う。

【００３１】延伸を終了した繊維は、弛緩熱処理をした
後巻取られる。この場合の弛緩率は０〜１０％の範囲で
行うことが好ましい。

【００３２】本発明に係る芯鞘型複合繊維は、鞘成分と
してのＰＰＳが繊維表面を完全に覆っているため、ＰＰ
Ｓの特徴である耐熱性、耐薬品性を十分に活かすことが
できる。

【００３３】また、本発明に係る芯鞘型複合繊維は、芯
成分がポリアミドを主体とするポリマであるため、繊維
にかかる荷重を強度の高い芯成分が受け持って、複合繊
維全体の強度が高いものとなる。さらに、芯成分がポリ
アミドを主体とするポリマであることから、複合繊維全
体がＰＰＳ繊維と比較して柔軟となり、このため、屈曲
に対す耐久性、すなわち耐屈曲疲労性の高い繊維となる
。

【００３４】さらに芯成分にＰＰＳを含むために鞘成分
のＰＰＳの接着性が改良され、芯鞘界面での剥離が起こ
りにくい。そのため耐久性に優れるという特徴を有する
。

【００３５】以上の理由から、本発明に係る芯鞘型複合
繊維は耐熱性、耐薬品性に優れ、しかも強度、伸度およ
び耐屈曲疲労性芯鞘界面での剥離耐久性などの物理的特
性に優れており、バグフィルタースクリム基布、モータ
ー結節紐、モーターバインダーテープおよびゴム補強用
繊維などの産業用繊維としての用途に広く用いられる。

【００３６】以下に、実施例を挙げて本発明の構成およ
び効果についてさらに説明する。

【００３７】

【実施例】本発明に係る芯鞘型複合繊維の繊維特性およ
び測定方法は次の通りである。（イ）強度、伸度：強度、伸度はＪＩＳ−Ｌ１０１７の
定義および測定方法によった。なお、ＳＳ曲線を得るた
めの引張り試験の具体的な条件は次の通りである。試料
を綛状にとり、２０℃、６５％ＲＨの温室度調整された
部屋に２４時間以上放置後、“テンシロンＵＴＬ−４Ｌ
”型引張試験機（オリエンテック（株）製）を用い、試
長２５ｃｍ、引張速度３０ｃｍ／分で測定した。

【００３８】（ロ）耐アルカリ性：濃度４０重量％の水
酸化ナトリウム水溶液中で、複合糸のマルチフィラメン
トを９５℃で１００時間処理し、強度保持率で耐アルカ
リ性を評価した。耐アルカリ性強度保持率＝処理後の強度／処理前の強度
×１００（ハ）耐酸性：濃度４０重量％の硫酸水溶液中で、複合
糸のマルチフィラメントを９５℃で１００時間処理し、
強度保持率で耐酸性を評価した。耐酸性強度保持率＝処理後の強度／処理前の強度×１０
０（ニ）耐熱性：１５０℃の湿熱中で、２ｇ／ｄの荷重を
かけた複合糸のマルチフィラメントを１００時間処理し
、強度保持率で耐熱性を評価した。耐熱性強度保持率＝処理後の強度／処理前の強度×１０
０実施例１，２および比較例１，２硫酸相対粘度（ηｒ）が３．５のポリヘキサメチレンア
ジパミド（以下ナイロン６６と記す）とメルトフローレ
ートが３００のＰＰＳを９０：１０の割合でチップブレ
ンドしたポリマ、および前記ＰＰＳと同じＰＰＳポリマ
をそれぞれエクストルダー型紡糸機で溶融し、複合紡糸
パックに導き、芯鞘複合紡糸口金を通して芯成分がナイ
ロン６６とＰＰＳのブレンドポリマ、鞘成分がＰＰＳの
芯鞘型複合繊維として紡出した。芯成分および鞘成分の
割合は表１のように変化させた。口金は孔径０．６ｍｍ
φ、孔数１２０ホールを用いた。なお、ナイロン６６と
ＰＰＳのブレンドポリマは３００℃、ＰＰＳは３３０℃
でそれぞれ溶融し、複合紡糸パックの温度を３１０℃と
して紡糸した。口金直下には２０ｃｍの加熱筒を取り付
け、筒内雰囲気温度を３２０℃となるように加熱した。前記筒内雰囲気温度は、口金面より１０ｃｍ下の位置で
、かつ最外周糸条より１ｃｍ離れた位置で測定した温度
である。加熱筒の下には長さ４０ｃｍの環状型チムニー
を取り付け、糸条の周囲より２５℃で４０ｍ／分の冷風
を糸条の走行方向に対して略直角に吹き付けて冷却した
。次いで油剤を付与した後、６０℃に制御された引取ロ
ールで糸条速度を１０００ｍ／分に制御して引取り、一
旦巻取ることなく連続して延伸した。延伸は引取ロール
と１００℃に加熱した第１延伸ロールとの間で１段目の
延伸を行い、第１延伸ロールと所定の温度に加熱された
第２延伸ロールとの間で２段目の延伸を行った。１段目
の延伸倍率は全延伸倍率の７８％、残りを２段目で延伸
した。なお、吐出量などの条件は延伸糸の繊度が約５０
０デニールとなるよう変化させた。延伸糸の特性は表１
に示す通りであった。

【００３９】

【表１】

【００４０】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　比較例１　　実施例１　　実施例２　　比較
例２　　芯成分の割合（重量％）　　　　　　９５　　
　　　　７５　　　　　　５０　　　　　　１０　　延
伸倍率　　　　　　　　　　　　　　　　　　４．２　
　　　３．７　　　　３．５　　　　３．５　　複合糸
の特性　　　　繊度（デニール）　　　　　　　　５０４　　
　　５０８　　　　５１１　　　　５０５　　　　強度
（ｇ／ｄ）　　　　　　　　　　７．９　　　　７．７
　　　　６．９　　　　５．２　　　　伸度（％）　　
　　　　　　　　　　　　２６．０　　２５．５　　２
５．９　　２１．０　　　　耐アルカリ性保持率（％）
　　２１　　　　　　８８　　　　　　９５　　　　　
　９５　　　　耐酸性保持率（％）　　　　　　　　３
５　　　　　　８５　　　　　　９６　　　　　　９４
　　　　耐熱性保持率（％）　　　　　　　　４２　　
　　　　８３　　　　　　８５　　　　　　９０表１か
らわかるように、芯成分の割合が９０％を越えると（比
較例１）、鞘成分のＰＰＳが薄くなるため耐熱性が悪く
なる。また、芯成分の割合が１５％未満になると（比較
例２）、高強度の芯成分がわずかであるため、複合糸全
体の強度が低下する。

【００４１】また、各複合繊維に２００ｇの荷重をかけ
ながら、繊維上の１点で、片側１３０度づつ左右に１０
０回折曲げを繰返した。その結果、比較例２の複合繊維
にはフィブリル化が見られたが、他の複合繊維にはフィ
ブリル化は認められなかった。なお、この折曲げテスト
で芯鞘界面での剥離はいずれの複合繊維でも見られなか
った。

【００４２】実施例３および比較例３，４芯成分と鞘成
分の重量比率を５０：５０とし、芯成分のポリアミドと
ＰＰＳのブレンド割合以外は実施例１と同様に紡糸、延
伸した複合繊維を得た。延伸糸の特性は表２に示す通り
であった。

【００４３】

【表２】

【００４４】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　比較例３　　　　実施例３　　　　比較例２　　
芯成分構成割合　　　　　　　　　　　　１００：０　
　８０：２０　　６０：４０　　（ポリアミド：ＰＰＳ
）　　延伸倍率　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　４．３　　　　　　３．７　　　　　　３．２　　複
合糸の特性　　　　繊度（デニール）　　　　　　　　　　５０１
　　　　　　５０５　　　　　　５１２　　　　強度（
ｇ／ｄ）　　　　　　　　　　　　８．１　　　　　　
６．８　　　　　　４．９　　　　伸度（％）　　　　
　　　　　　　　　　　　２４．０　　　　２６．３　
　　　１８．８　　　　耐アルカリ性保持率（％）　　
８７　　　　　　　　９２　　　　　　　　９５　　　
　耐酸性保持率（％）　　　　　　　　７３　　　　　
　　　９７　　　　　　　　９７　　　　耐熱性保持率
（％）　　　　　　　　６５　　　　　　　　８６　　
　　　　　　８８　　繰返し曲げテスト結果　　　　フィブリル化　　　　　　　　　　　　　　な
し　　　　　　　　なし　　　　　　　　なし　　　　
芯鞘界面剥離　　　　　　　　　　　　　　有り　　　
　　　　　なし　　　　　　　　なし表２からわかるよ
うに芯成分にＰＰＳをブレンドしない複合繊維（比較例
３）では芯鞘界面が剥離し易く耐久性に劣る。しかしな
がら芯成分に本発明の範囲を越える割合のＰＰＳをブレ
ンドする（比較例４）と複合繊維の強度が低くなる。

【００４５】

【発明の効果】本発明に係る芯鞘型複合繊維は、鞘成分
がＰＰＳであり、該ＰＰＳが繊維の外側表面を完全に覆
っているため、ＰＰＳの特徴である優れた耐熱性、耐薬
品性が活かされている。また、本発明に係る芯鞘型複合
繊維は芯成分がポリアミドが主体であるため、繊維にか
かる張力のほとんどを芯成分が受け持って、高強度、高
伸度であり、物理的特性も優れたものである。さらに、
芯成分がポリアミド主体であるために、複合繊維全体が
ＰＰＳ単独の繊維に比較して柔軟であり、屈曲に対する
耐久性、すなわち耐屈曲疲労性にも優れている。さらに
芯成分にＰＰＳがブレンドされているため、鞘成分のＰ
ＰＳとの接着性が良く、複合繊維の芯鞘界面での剥離耐
久性に優れている。

【００４６】したがって、本発明に係る芯鞘型複合繊維
は、耐熱性、耐薬品性に優れ、しかも物理的特性にも優
れるため、産業用繊維、特にバグフィルタースクリム基
布、モーター結節紐、モーターバインダーテープおよび
ゴム補強用繊維などとして広く用いられることができる
。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】芯鞘型複合繊維において、芯成分がポリカ
プラミドまたはポリヘキサメチレンアジパミドを主成分
とするポリアミドに５〜３０重量％のポリフェニレンサ
ルファイドをブレンドしたポリマ、鞘成分がポリフェニ
レンサルファイドからなり、芯成分が複合繊維全体にお
ける８５〜２５重量％の割合を占め、繊維の表面は全て
ポリフェニレンサルファイドによって形成されてなるこ
とを特徴とする芯鞘型複合繊維。