JP2016117979A - 洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸 - Google Patents
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Abstract
Description
特にポリアミド繊維はその独特な柔らかさ、高い引っ張り強度、染色時の発色性、高い耐熱性等の特性に加え、吸湿性に優れており、インナーウエア、スポーツウエアなどの用途に広く使用されている。しかしながら、ポリアミド繊維は綿などの天然繊維と比べると吸湿性は十分とはいえず、また、ムレやべたつきといった問題点を有し、快適性の面で天然繊維に劣ることが問題となっている。
そこで、ポリアミド繊維に親水性化合物を添加する方法が一般には最も多く検討されてきた。例えば、特許文献1には、親水性ポリマーとしてポリビニルピロリドンをポリアミドにブレンドして紡糸することで吸湿性能を向上させる方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、芯部と鞘部からなり芯部が繊維表面に露出しない形状の芯鞘複合繊維であり、ハードセグメントが6−ナイロンであるポリエーテルブロックアミド共重合物を芯部とし、6−ナイロン樹脂を鞘部とした、繊維横断面における芯部と鞘部の面積比率が3/1〜1/5である芯鞘複合繊維が記載されている。
また、特許文献2〜4の芯鞘複合繊維は、天然繊維と同等かそれ以上の吸放湿性を有しているものの、芯部が繰り返しの実使用によって劣化し、繰り返し使用による吸湿性能の低下が課題であった。また、芯部の高吸放湿性ポリマーは染料の出入りが容易な高分子構造であるため、染色堅牢性が劣る欠点があった。
(1)鞘部ポリマーがポリアミド、芯部が熱可塑性ポリマーであり、ΔMRが5.0%以上、かつ、洗濯20回後のΔMR保持率が90%以上100%以下である洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
鞘複合糸。
(3)鞘部ポリマーがポリアミドのα結晶配向パラメーターが1.9以上2.7以下であり、かつ芯部の熱可塑性ポリマーがポリエーテルエステルアミド共重合体である(1)または(2)に記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
(4)芯鞘複合糸の鞘部ポリマーのアミノ末端基量が3.5×10−5mol/g以上8.0×10−5mol/g以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
(5)鞘部ポリマーがポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸を少なくとも一部に有する布帛。
例えば、ポリアミド(鞘部)と高い吸湿性能を有する熱可塑性ポリマー(芯部)を別々に溶融しギヤポンプにて計量・輸送し、そのまま通常の方法で芯鞘構造をとるように複合流を形成して紡糸口金から吐出し、チムニー等の糸条冷却装置によって冷却風を吹き当てることにより糸条を室温まで冷却し、給油装置で給油するとともに集束し、第1流体交絡ノズル装置で交絡し、引き取りローラー、延伸ローラーを通過し、その際引き取りローラーと延伸ローラーの周速度の比に従って延伸する。さらに、糸条を延伸ローラーにより熱セットし、ワインダー(巻取装置)で巻き取る。
本発明の芯鞘複合糸は、布帛、衣料品に好ましく用いられ、布帛形態としては、織物、編物、不織布など目的に応じて選択でき、衣料も含まれる。また、衣料品としては、インナーウエア、スポーツウエアなどの各種衣料用製品とすることができる。
試料0.25gを濃度98wt%の硫酸100mlに対して1gになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃での流下時間(T1)を測定した。引き続き、濃度98wt%の硫酸のみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度とした。
試料0.5gをオルトクロロフェノール100mlに対して1gになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃での流下時間(T1)を測定した。引き続き、オルトクロロフェノールのみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度とした。
ポリビニルピロリドンを濃度1%の水溶液とし、その相対粘度を測定し、Fikentscherの式により求める。
logZ=C[75k2 /(1+1.5kC)+k]
但し、Z:濃度Cの水溶液の相対粘度、k:K値×10−3、C:水溶液濃度(%)である。
1.125m/周の検尺器に繊維試料をセットし、200回転させて、ループ状かせを作成し、熱風乾燥機にて乾燥後(105±2℃×60分)、天秤にてかせ質量を量り、公定水分率を乗じた値から繊度を算出した。なお、芯鞘複合糸の公定水分率は、4.5%とした。
繊維試料を、オリエンテック(株)製“TENSILON”(登録商標)、UCT−100でJIS L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法、2010年)に示される定速伸長条件で測定した。伸度は、引張強さ−伸び曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。また、強度は、最大強力を繊度で除した値を強度とした。測定は10回行い、平均値を強度および伸度とした。
繊維試料を、レーザーラマン分光法にて測定し、1120cm−1付近に認められるナイロンのα晶に由来するラマンバンドの平行偏光での強度比(I1120)平行)と、垂直偏光での強度比(I1120)垂直)の比をとることで、配向度評価のパラメーターとした。また、配向に対する異方性が小さいCH変角バンド(1440cm−1付近)のラマンバンド強度を基準とし、各偏光条件(平行/垂直)の散乱強度を規格化した。
α晶配向パラメーター=(I1120/I1440)平行/(I1120/I1440)垂直 。
レーザーラマン分光法
装置:T−64000(Joobin Yvon/愛宕物産)
条件:測定モード;顕微ラマン
対物レンズ;×100
ビーム径;1μm
光源;Ar+レーザー/514.5nm
レーザーパワー;50mW
回折格子;Single 600gr/mm
スリット;100μm
検出器;CCD/Jobin Yvon 1024×256 。
試料1gを50mLのフェノール/エタノール混合溶液(フェノール/エタノール=80/20)に、30℃で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸量を求めた。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そしてその差から試料1gあたりのアミノ末端基量を求めた。
A.鞘部の重量比率測定
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、芯鞘複合糸を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の原糸を横断面方向に切断したものを東京電子(株)製のCCDカメラ(CS5270)にて繊維横断面を撮影し、その単糸中で任意に選定した10本(単糸数が10以下の場合は全て)の芯鞘複合糸について、三菱電機製のカラービデオプロセッサー(SCT−CP710)にて1500倍でプリントアウトした断面写真を鞘部および芯部に切り抜き、重量測定後、以下の式にて算出した。
鞘部の重量比率=鞘部の重量/(鞘部の重量+芯部の重量)×100
B.芯鞘複合糸のアミノ末端基濃度
上記(6)記載の方法にてアミノ末端基量を求めた。
C.鞘部ポリマーのアミノ末端基濃度
上記Bで得られたアミノ末端基量を、上記Aで得られた鞘部の重量比率にて除し、算出した。
=芯鞘複合糸のアミノ末端基量/鞘部の重量比率/100 。
A.筒編地の作製
筒編機にて度目が50となるように調整して作製した。繊維の正量繊度が低い場合は、筒編機に給糸する繊維の総繊度が50〜100dtexとなるように適宜合糸し、総繊度が100dtexを超える場合は、筒編機への給糸を1本で行い、前記同様度目が50となるように調整して作製した。
B.筒編み地の精錬
上記Aで得られた筒編み地をノニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ノイゲンSS)2g/l水溶液を編み地1gに対し100ml用意し、60℃にて30分洗浄した後、流水にて20分水洗し、脱水機にて脱水、風乾した。
C.筒編み地の染色
上記A,Bで得られた筒編み地を、以下の染料及び染色助剤を用いて染色した。
酸性染料:Erionyl Blue A−R 2.0質量%
染色助剤:酢酸 1.5%
酸性染料、染色助剤を含む染色浴に常圧98℃設定で45分間染色した後、流水にて20分水洗し、脱水機にて脱水、風乾した。
D.発色性
上記Cにて得られた、染色後の筒編み地の発色性について、以下の4段階で評価した。
◎:均一に全体が濃色に着色。
○:均一に全体が中色(淡〜濃色)〜濃色に着色
△:均一に全体が淡色〜中色(淡〜濃色)に着色
×:均一に全体が淡色に着色 。
筒編み地(A)を、秤量瓶に1〜2g程度はかり取り、110℃に2時間保ち乾燥させ重量を測定し(W0)、次に対象物質を20℃、相対湿度65%に24時間保持した後重量を測定する(W65)。そして、これを30℃、相対湿度90%に24時間保持した後重量を測定する(W90)。そして、以下の式にしたがい計算した。
MR1=[(W65−W0)/W0]×100% ・・・・・ (1)
MR2=[(W90−W0)/W0]×100% ・・・・・ (2)
ΔMR=MR2−MR1 ・・・・・・・・・・・・ (3) 。
筒編み地(A)を、JIS L0217(2010)付表1記載の番号103記載の方法にて、繰り返し20回洗濯を実施した後、上記記載の吸放湿性を測定し算出した。
△MRが5.0%以上の場合、着用時に良好な快適性が得られると判断した。
洗濯前後のΔMRの変化指標として、洗濯後のΔMR保持率を下記式にて算出した。
洗濯処理後のΔMR/洗濯処理前のΔMR × 100
△MR保持率が90%以上の場合は、洗濯耐久性有りと判断した。
染色筒編み地(C)を、JIS L0844(2009)7.1項A法に従い、表7中のA−2条件にて測定した。判定はJIS L0801(2009)10項(a)の視感法に従って、変退色および色落ちについて級判定を実施した。変退色および色落ち判定のいずれも3級以上の場合は選択牢度は合格、少なくとも変退色か色落ち判定の1つが2−3級以下の場合は染色堅牢度は不合格とした。
洗濯堅牢度、洗濯後△MR、洗濯後ΔMR保持率の評価を行い、以下の3段階で評価した。
◎:洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4級以上、洗濯後△MRが7.0%以上、洗濯後△MR保持率が95%以上の項目が3項目当てはまる。
○:洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3級以上、洗濯後△MRが5.0%、洗濯後△MR保持率が90%以上の項目が3項目当てはまる。
×:洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも2−3級以下、洗濯後△MRが5.0%未満、洗濯後△MR保持率が90%未満の項目が1項目以上当てはまる。
◎と○は、天然繊維を超える快適性と、実使用に耐えうる洗濯耐久性に優れ合格とした。
筒編み地(A)を、JIS L1094(織物及び編物の帯電性試験方法、2014年)A法(半減期測定法)、B法(摩擦帯電圧測定法)に従い測定した。尚、環境条件は20℃×40%RH、摩擦布は綿(金巾3号)、たて方向で測定した。
摩擦耐電圧が1500V以下の場合、着用時に良好な制電性能が得られると判断した。
筒編み地(A)を、JIS L0217(2010)付表1記載の番号103記載の方法にて、繰り返し20回洗濯を実施した後、上記記載の制電性を測定した。
ポリアミド成分がナイロン6、ポリエーテル成分(ポリ(アルキレンオキシド)グリコール)が分子量1500のポリエチレングリコールであり、ポリエーテル成分の構成比率はmol比にて約76%であるポリエーテルエステルアミド共重合体(アルケマ社製、MH1657、オルトクロロフェノール相対粘度:1.69)を芯部とし、硫酸相対粘度が2.71、アミノ末端基量が5.95×10−5mol/gであるナイロン6を鞘部とし、270℃にて溶融し、同心円芯鞘複合用口金(24ホール)から芯/鞘比率(重量部)=50/50になるように紡糸した。なお、アミノ末端基量は重合時にヘキサメチレンジアミンおよび酢酸にて調整した。
この時、得られる芯鞘複合糸の総繊度が56dtexとなるようにギヤポンプの回転数を選定し、それぞれ22g/minの吐出量とした。そして糸条冷却装置で糸条を冷却固化し、給油装置により非含水油剤を給油したのち、第1流体交絡ノズル装置で交絡を付与し、第1ロールである引き取りローラーの周速度を3368m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を4210m/minで延伸、延伸ローラー150℃により熱セットを行い、巻き取り速度を4000m/minで巻き取り、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは12.4%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4級、洗濯後ΔMRは12.4%、洗濯後ΔMR保持率は100%と極めて良好であった。すなわち、得られた芯鞘複合糸を用いた布帛および衣料品は、実使用に耐えうる洗濯耐久性に優れた快適性衣料が得られる。
また、20℃×40%RH環境下での摩擦帯電圧は800V、洗濯後摩擦帯電圧は800Vと優れた制電性能を有し、実使用に耐えうる洗濯耐久性を持った制電性能に優れた快適衣料が得られる。
第1ロールである引き取りローラーの周速度を2381m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を3571m/min、巻き取り速度を3500m/minで巻き取った以外実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは11.6%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3−4級、洗濯後ΔMRは11.1%であり、洗濯後ΔMR保持率は95.7%と良好であった。
第1ロールである引き取りローラーの周速度を2245m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を3367m/min、巻き取り速度を3300m/minで巻き取った以外実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは10.8%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3級、洗濯後ΔMRは9.9%であり、洗濯後ΔMR保持率は91.7%と良好であった。
第1ロールである引き取りローラーの周速度を4474m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を4474m/min、巻き取り速度を4250m/min、で巻き取った以外実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは13.1%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4−5級、洗濯後ΔMRは13.1%であり、洗濯後ΔMR保持率は100%と極めて良好であった。
芯/鞘比率(重量部)=30/70になるように紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは7.5%と高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3−4級、洗濯後ΔMRは7.2%であり、洗濯後ΔMR保持率は96.0%と良好であった。
また、20℃×40%RH環境下での摩擦帯電圧は850V、洗濯後摩擦帯電圧は850Vと優れた制電性能を有し、実使用に耐えうる洗濯耐久性を持った制電性能に優れた快適衣料が得られる。
芯/鞘比率(重量部)=20/80になるように紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは5.9%と十分な吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3−4級、洗濯後ΔMRは5.5%であり、洗濯後ΔMR保持率は93.2%と良好であった。
芯/鞘比率(重量部)=70/30になるように紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは15.1%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3−4級、洗濯後ΔMRは15.0%であり、洗濯後ΔMR保持率は99.3%と良好であった。
芯/鞘比率(重量部)=80/20になるように紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。
得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは16.9%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3級、洗濯後ΔMRは16.7%であり、洗濯後ΔMR保持率が99.4%と良好であった。
硫酸相対粘度が2.40、アミノ末端基量が3.95×10−5mol/gであるナイロン6を鞘部とし紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは11.1%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3級、洗濯後ΔMRは10.1%であり、洗濯後ΔMR保持率は90.1%と良好であった。
硫酸相対粘度が2.63、アミノ末端基量が5.20×10−5mol/gであるナイロン6を鞘部とし紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは12.0%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4級、洗濯後ΔMRは11.6%であり、洗濯後ΔMR保持率は96.7%と極めて良好であった。
硫酸相対粘度が3.30、アミノ末端基量が4.78×10−5mol/gであるナイロン6を鞘部とし紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは13.1%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4−5級、洗濯後ΔMRは13.1%であり、洗濯後ΔMR保持率は100%と極めて良好であった。
硫酸相対粘度が2.63、アミノ末端基量が7.40×10−5mol/gであるナイロン6を鞘部とし紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは12.7%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4−5級、洗濯後ΔMRは12.2%であり、洗濯後ΔMR保持率は96.1%と極めて良好であった。
硫酸相対粘度が2.63、アミノ末端基量が4.15×10−5mol/gであるナイロン6を鞘部とし紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは11.5%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3級、洗濯後ΔMRは10.5%であり、洗濯後ΔMR保持率は91.3%と良好であった。
同心円芯鞘複合用口金を68ホールとしたこと、第1ロールである引き取りローラーの周速度を3508m/min以外実施例1と同様の方法で56デシテックス68フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは13.6%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4級、洗濯後ΔMRは13.6%であり、洗濯後ΔMR保持率は100%と良好であった。
同心円芯鞘複合用口金を68ホールとしたこと、第1ロールである引き取りローラーの周速度を3508m/min以外実施例5と同様の方法で56デシテックス68フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは8.3%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3−4級、洗濯後ΔMRは7.9%であり、洗濯後ΔMR保持率は95.2%と良好であった。
添加物を含まない相対粘度2.71のナイロン6とポリビニルピロリドン(BASF社製“ルビスコール”K30SP,K値=30)を20重量%添加した相対粘度2.71のナイロン6を1:5の比率で、ポリビニルピロリドン添加率3.3重量%となるようにチップブレンドしたナイロン6ブレンドポリマーを鞘部とし紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表3に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは13.3%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4級、洗濯後ΔMRは13.3%、洗濯後ΔMR保持率は100%と極めて良好であった。すなわち、得られた芯鞘複合糸を用いた布帛および衣料品は、実使用に耐えうる洗濯耐久性に優れた快適性衣料が得られる。また、鞘部に吸湿剤としてポリビニルピロリドンを含有させたことにより、吸湿性能が向上しただけでなく、着用時に肌から水分を繊維鞘側に素早く移動させ、実施例1と比較してサラッとした風合いが得られた。
添加物を含まない相対粘度2.71のナイロン6とポリビニルピロリドン(BASF社製“ルビスコール”K30SP,K値=30)を20重量%添加した相対粘度2.71のナイロン6を1:2の比率で、ポリビニルピロリドン添加率6.7重量%となるようにチップブレンドした以外は実施例14と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表3に示す。
得られた芯鞘複合糸は、ΔMRは13.6%と極めて高い吸湿性能を有していた。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも4級、洗濯後ΔMRは13.6%、洗濯後ΔMR保持率は100%と極めて良好であった。
硫酸相対粘度が2.15、アミノ末端基量が4.70×10−5mol/gであるナイロン6を鞘部成分とし紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表4に示す。
また得られた芯鞘複合糸のΔMRは10.5%と極めて高い吸湿性能を有していたが、洗濯後ΔMR保持率は73.3%で、実使用に耐えうる吸湿性能の洗濯耐久性を有していなかった。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも2−3級で、染色堅牢性に劣っていた。すなわち、得られた芯鞘複合糸を用いた布帛および衣料品は、実使用に耐えうる洗濯耐久性(吸湿性能、染色性)を有していないことがわかる。また、20℃×40%RH環境下での摩擦帯電圧は1000Vであったが、洗濯後摩擦帯電圧は1700Vと制電性能に劣っていた。すなわち、得られた芯鞘複合糸を用いた布帛および衣料品は、低温低湿度の環境下において着用時のまつわり付きやほこり付着しやすく快適性に劣ることがわかる。
芯/鞘比率(重量部)=10/90になるように紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表4に示す。
また得られた芯鞘複合糸の洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも3−4級と染色堅牢性は良好であった。また、ΔMRは4.2%であり、十分な吸湿性能を有していなかった。また、洗濯後ΔMR保持率は84.4%で実使用に耐えうる吸湿性能の洗濯耐久性を有していなかった。すなわち、得られた芯鞘複合糸を用いた布帛および衣料品は、天然繊維を超える快適性は得られないことがわかる。
芯/鞘比率(重量部)=90/10になるように紡糸した以外、実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表4に示す。
また得られた芯鞘複合糸のΔMRは17.8と極めて高い吸湿性能を有し、洗濯後ΔMR保持率は92.7%で、実使用に耐えうる吸湿性能の洗濯耐久性を有していた。しかし、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも2−3級で、染色堅牢性に劣っていた。すなわち、得られた芯鞘複合糸を用いた布帛および衣料品は、実使用に耐えうる洗濯耐久性(染色性)を有していないことがわかる。
さらに、原糸の採取中、糸切れが多発し、安定した紡糸が困難であった。また、巻き取られた繊維パッケージを観察すると毛羽の発生が見られ不良品が多く発生し、生産性に劣っていた。
第1ロールである引き取りローラーの周速度を2020m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を3030m/min、巻き取り速度を3000m/minで巻き取った以外実施例1と同様の方法で56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合糸を得た。得られた繊維の物性を表4に示す。
また得られた芯鞘複合糸のΔMRは10.0%と極めて高い吸湿性能を有していたが、洗濯後ΔMR保持率は88.0%で、実使用に耐えうる吸湿性能の洗濯耐久性を有していなかった。また、洗濯堅牢度変退色および汚染判定いずれも2級で、染色堅牢性に劣っていた。すなわち、得られた芯鞘複合糸を用いた布帛および衣料品は、実使用に耐えうる洗濯耐久性(吸湿性能、染色性)を有していないことがわかる。
Claims (6)
- 鞘部ポリマーがポリアミド、芯部が熱可塑性ポリマーであり、ΔMRが5.0%以上、かつ、洗濯20回後のΔMR保持率が90%以上100%以下である洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
- 洗濯堅牢度が3級以上5級以下である請求項1に記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
- 鞘部のポリマーのα結晶配向パラメーターが1.9以上2.7以下であり、かつ芯部の熱可塑性ポリマーがポリエーテルエステルアミド共重合体である請求項1または2に記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
- 芯鞘複合糸の鞘部ポリマーのアミノ末端基量が3.5×10−5mol/g以上8.0×10−5mol/g以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
- 鞘部ポリマーがポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯耐久性に優れた吸湿性芯鞘複合糸を少なくとも一部に有する布帛。
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