JPH04342706A - 重合性モノマ―の製造法 - Google Patents

重合性モノマ―の製造法

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JPH04342706A
JPH04342706A JP3142544A JP14254491A JPH04342706A JP H04342706 A JPH04342706 A JP H04342706A JP 3142544 A JP3142544 A JP 3142544A JP 14254491 A JP14254491 A JP 14254491A JP H04342706 A JPH04342706 A JP H04342706A
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JP
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polymerizable monomer
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reaction
product
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JP3142544A
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English (en)
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▲ます▼岡 茂
Shigeru Masuoka
Masayasu Ito
雅康 伊藤
Yoshihiro Honda
本田 芳裕
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Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マレイン酸モノエステ
ルのシリルエステル化物からなる重合性モノマ―を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイン酸モノエステルのカルボキシル
基をシリルエステル化して、分子内にシリル基を導入し
た重合性モノマ―は、たとえば、特開昭63−2157
80号公報に開示されているように、一般に、マレイン
酸モノエステルとモノクロロシランとを、三級アミンか
らなる塩基の存在下で、脱塩化水素する方法で製造され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、三級アミン
からなる塩基を用いた脱塩化水素による方法では、一般
に、まずマレイン酸モノエステルのアミン塩を中間体と
して形成したのちに、モノクロロシランと反応させるこ
とになるため、反応工程が多段階となり、また三級アミ
ンの塩酸塩が副生するため、上記の塩酸塩を取り除く工
程が必要となるなど、製造工程上の不利を免れなかつた
【0004】しかも、この方法で得られるシリルエステ
ル化物は、一般に加水分解を容易に起こすため、反応生
成物中の水易溶性の副生成物を水洗によつて除去するこ
とができなかつた。このため、従来技術では、蒸留精製
時においてもなお、結晶性の低沸点副生成物が主生成物
中へ混入し、シリルエステル化物からなる主生成物の高
純度化および高収率化に問題が残されていた。
【0005】本発明は、上記従来の事情に鑑み、マレイ
ン酸モノエステルのシリルエステル化物からなる重合性
モノマ―を製造する方法において、三級アミンからなる
塩基を用いないで脱塩化水素を行わせることにより、上
記塩基の使用に伴う製造工程上の不利を回避するととも
に、得られる重合性モノマ―の高純度化および高収率化
を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化における脱塩化水素が
、反応系内を所定温度に加熱することで達成でき、この
加熱で発生した塩化水素ガスを、適宜の手段、たとえば
塩基性水溶液からなるトラツプ剤で捕捉して、反応系か
ら効率よく除去するようにすると、上記の脱塩化水素反
応、つまりはシリルエステル化反応を容易に促進できる
ものであることを知つた。
【0007】また、この加熱による脱塩化水素反応にお
いて、マレイン酸モノエステルと反応させるべきモノク
ロロシランとして特定のトリオルガノクロロシランを用
いたときには、生成するシリルエステル化物が加水分解
しにくいものとなつて、反応生成物中の副生成物を水洗
によつて簡単に取り除け、これにより上記シリルエステ
ル化物の高純度化および高収率化を容易に図れるもので
あることを知つた。
【0008】本発明は、上記の知見をもとにして完成さ
れたものであり、その要旨とするところは、無水マレイ
ン酸に一価アルコ―ルおよびモノクロロシランを加え、
加熱による脱塩化水素を伴うエステル化反応を行わせて
、マレイン酸モノエステルのシリルエステル化物を主成
分とする反応生成物を得たのち、これを精製して上記の
シリルエステル化物からなる重合性モノマ―を製造する
方法であつて、かつ上記のモノクロロシランとして、3
個の有機基のうちの少なくともひとつが分岐状または環
状のアルキル基であるトリオルガノクロロシランを用い
るとともに、反応生成物の精製工程中に水洗工程を付加
したことを特徴とする重合性モノマ―の製造法にある。
【0009】
【発明の構成・作用】本発明に用いる一価アルコ―ルと
しては、炭素数が通常1〜12個である、直鎖状、分岐
状または環状のアルキルアルコ―ルが挙げられ、その1
種を単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0010】本発明に用いるモノクロロシランは、既述
のように、3個の有機基のうちの少なくともひとつが分
岐状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロロ
シランである。分岐状のアルキル基としては、イソプロ
ピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなどの炭素
数が3個以上、通常は3〜21個のアルキル基が挙げら
れ、また環状のアルキル基としては、シクロプロピル、
シクロヘキシルなどの炭素数が3個以上、通常は3〜2
1個のアルキル基が挙げられる。
【0011】このようなトリオルガノクロロシランにお
ける3個の有機基は、互いに同一の基であつても異なる
基であつてもよい。また、1個または2個が分岐状また
は環状のアルキル基以外の有機基となる場合があるが、
このような有機基としては、炭素数が1〜12個の直鎖
状のアルキル基、アリ―ル基または置換アリ―ル基が挙
げられる。置換アリ―ル基としては、ハロゲン、炭素数
が10個程度までのアルキル基、アシル基、ニトロ基ま
たはアミノ基などで置換されたアリ―ル基が挙げられる
【0012】本発明においては、無水マレイン酸に、上
記の一価アルコ―ルおよびモノクロロシランを加えて、
エステル化反応を行わせるが、このエステル化反応は、
言うまでもなく、無水マレイン酸と一価アルコ―ルとの
モノエステル化反応と、さらにモノクロロシランとの脱
塩化水素を伴うシリルエステル化反応との両反応を含む
ものである。
【0013】この両反応は、いずれを先に行つても、ま
た同時に行つてもよく、したがつて無水マレイン酸に対
する一価アルコ―ルおよびモノクロロシランの添加順序
は特に限定されない。しかし、通常は、まず一価アルコ
―ルを加え、つづいてモノクロロシランを加えるのが普
通である。
【0014】上記の一価アルコ―ルを加えるにあたり、
無水マレイン酸は、固体(結晶)状態のままであつても
、加温により溶融させた状態であつてもよく、さらに溶
剤に溶解させた溶液状態とされていてもよい。反応の均
一性という点では、後二者の方が望ましい。溶液状態と
するのに用いる溶剤としては、トルエン、酢酸エチルな
どの芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エ―テル
系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤などがあり、一価アルコ
―ルの種類や後で加えるモノクロロシランの種類などに
応じて適宜選択すればよい。
【0015】無水マレイン酸と一価アルコ―ルとのモノ
エステル化反応は、常温でも進行するが、吸熱反応のた
め加温するのも有効である。ここで、一価アルコ―ルは
、無水マレイン酸1モルに対し、通常1〜3モルの割合
で用いられる。
【0016】モノクロロシランを加える際には、反応系
は通常前記した溶剤溶液の状態とされているのが望まし
い。モノクロロシランの添加量は、無水マレイン酸1モ
ルに対し、通常1〜3モルとするのがよい。
【0017】このようにモノクロロシランを加えたのち
、あるいは加えながら、反応系内の温度を40℃以上、
好ましくは40〜150℃程度の温度に加熱すると、反
応系内に塩化水素ガスが発生して、シリルエステル化反
応の進行が認められる。ここで、発生した塩化水素ガス
をトラツプ剤で捕捉して、反応系内から効率よく除去す
ると、上記のシリルエステル化反応が容易に促進される
【0018】トラツプ剤としては、PHが7.1以上の
塩基性水溶液が好適で、たとえば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの塩基性無機塩
、アンモニアなどの塩基を水に溶解させてなる水溶液が
用いられる。
【0019】このようにして得られる反応生成物は、マ
レイン酸モノエステルのシリルエステル化物を主成分と
したものであつて、これには従来のようなアミン塩酸塩
の結晶が全く含まれていない。したがつて、引き続く精
製工程において、このような結晶を取り除くためのろ過
工程は不要である。
【0020】本発明においては、上記の反応生成物を、
ついで精製工程に供するが、この精製工程に、水洗工程
を加えたことをひとつの特徴としており、これはモノク
ロロシランとして前記特定のトリオルガノクロロシラン
、つまり3個の有機基のうちの少なくともひとつが分岐
状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロロシ
ランを用いたことにより、主生成物であるシリルエステ
ル化物の耐加水分解性が向上したことに基づくものであ
る。
【0021】このような精製工程の手順としては、まず
適当な中和剤溶液で中和し、つづいて水洗する。さらに
適当な脱水剤を加えて一夜放置し、微量の水分を除去す
る。脱水剤をろ別したのち、溶剤を留去してから最後に
減圧蒸留して、目的とするマレイン酸モノエステルのシ
リルエステル化物からなる重合性モノマ―を得る。
【0022】上記の精製工程に用いる中和剤としては、
炭酸水素ナトリウムやほう酸が挙げられ、たとえばPH
が5.0〜10.0の水溶液として用いられる。また、
水洗工程で使用する水としては、蒸留水、イオン交換水
または上水道水が使用可能である。さらに、水洗後に用
いる脱水剤としては、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸
ナトリウム、シリカゲル、モレキユラ―シ―ブスなどが
挙げられる。
【0023】このようにして精製されるマレイン酸モノ
エステルのシリルエステル化物は、通常80重量%以上
、好ましくは90重量%以上の高収率で得られ、その純
度(ガスクロマトグラフイ―による)も通常93重量%
以上、好ましくは95重量%以上という高い値を示す。 なお、シリルエステル化物であることの確認は、赤外線
吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴スペクトル(NM
R)にて行える。
【0024】本発明の方法にて得られるマレイン酸モノ
エステルのシリルエステル化物は、重合性モノマ―とし
て既知のラジカル重合法などの任意の方法で高分子ポリ
マ―とされ、主鎖中にシリル基を有するものとして、加
水分解性プラスチツク、水中防汚被覆剤、医療用高分子
材料などの用途に幅広く利用することができる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明の加熱による脱塩
化水素によれば、従来のようにマレイン酸モノエステル
のアミン塩を中間体として生成する必要がなく、また三
級アミンの塩酸塩の副生もないため、マレイン酸モノエ
ステルのシリルエステル化物からなる重合性モノマ―を
製造容易に得ることができる。さらに、本発明では、重
合性モノマ―の精製工程中に水洗工程を付加できるため
、副生成物を効率よく除去でき、重合性モノマ―の高収
率化と高純度化とを容易に図ることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。
【0027】実施例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、酢酸ブチル1リツトルを入れ、その中に無
水マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させたのち、
さらにメチルアルコ―ル1モルを加えた。その後、継続
して攪拌しながら、t−ヘキシルジメチルクロロシラン
1.5モルを40分かけて滴下した。滴下終了後、反応
液を120℃に加熱し、さらに2時間攪拌を継続した。 発生する塩化水素ガスは、3Nの水酸化ナトリウム水溶
液により、トラツプした。
【0028】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、2Nの炭酸水素ナトリウム水溶液
300mlにて1回洗浄後、さらにイオン交換水各30
0mlにて4回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤と
しての無水硫酸マグネシウム150gを加え、1夜放置
して脱水した。その後、ガラスフイルタ―にて上記の脱
水剤を除去した。
【0029】この除去後、反応生成物を含む溶液から、
ロ―タリ―エバポレ―タ―にて酢酸ブチルを留去したの
ち、減圧蒸留に供した。圧力2.0mmHgにて141
〜143℃までを本留として取り出した。得られた重合
性モノマ―の収率は94.3重量%、純度は99.7重
量%であつた。
【0030】なお、純度は、ガスクロマトグラフイ―に
より測定したものであるが、この測定条件は、下記のと
おりである。 機種:HP社  5890  SERIES  IIカ
ラム:G−100(化学品検査協会製)カラム温度:2
30℃(固定) インジエクシヨン・デイジエクシヨン温度:250℃流
量:19.8ml/分 リテンシヨンタイム:30分
【0031】また、上記の実施例1で得られた重合性モ
ノマ―が、マレイン酸モノエステルのシリルエステル化
物であることについては、IRにより、下記の特性吸収
を調べることにより、確認した。
【0032】さらに、NMRにより、 1H−NMR特
性吸収:δ(ppm )を調べることによつても、上記
のシリルエステル化物であることを確認した。表1に上
記の特性吸収を示す。NMRの測定条件としては、CD
Cl3 溶液中、内部標準CHCl3 (δ=7.27
)である。
【0033】
【表1】
【0034】なお、参考のために、図1に実施例1で得
た重合性モノマ―のIRスペクトルを、図2に同重合性
モノマ―のNMRスペクトルを、それぞれ示す。
【0035】実施例2 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、ベンゼン2リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させたのち、さ
らにメチルアルコ―ル1モルを加えた。その後、継続し
て攪拌しながら、t−ブチルジメチルクロロシラン1.
2モルを20分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を
80℃に加熱し、さらに2時間攪拌を継続した。発生す
る塩化水素ガスは、3Nの水酸化ナトリウム水溶液によ
り、トラツプした。
【0036】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、1Nのほう酸水溶液300mlに
て1回洗浄後、さらにイオン交換水各300mlにて3
回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤としての無水硫
酸マグネシウム150gを加え、1夜放置して脱水した
。その後、ガラスフイルタ―にて脱水剤を除去した。
【0037】この除去後、反応生成物を含む溶液から、
ロ―タリ―エバポレ―タ―にてベンゼンを留去したのち
、減圧蒸留に供した。圧力1.0mmHgにて68〜7
0℃までを本留として取り出した。得られた重合性モノ
マ―の収率および純度を、実施例1と同様に測定したと
ころ、収率は93.1重量%、純度は99.6重量%で
あつた。
【0038】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、前記の実施例1の場合と同様に、IRおよびNMR
により、確認同定した。表2にこの重合性モノマ―のN
MRの特性吸収を示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させたのち、さ
らにメチルアルコ―ル1モルを加えた。その後、継続し
て攪拌しながら、トリイソプロピルクロロシラン1.1
モルを40分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を8
0℃に加熱し、さらに2時間攪拌を継続した。発生する
塩化水素ガスは、3Nの水酸化ナトリウム水溶液により
、トラツプした。
【0041】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液
300mlにて1回洗浄後、さらにイオン交換水各30
0mlにて4回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤と
してのシリカゲル150gを加え、1夜放置して脱水し
た。 その後、ガラスフイルタ―にて脱水剤を除去した。
【0042】この除去後、反応生成物を含む溶液から、
ロ―タリ―エバポレ―タ―にてトルエンを留去したのち
、減圧蒸留に供した。圧力1.5mmHgにて85〜8
7℃までを本留として取り出した。得られた重合性モノ
マ―の収率および純度を、実施例1と同様に測定したと
ころ、収率は93.8重量%、純度は99.9重量%で
あつた。
【0043】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、前記の実施例1の場合と同様に、IRおよびNMR
により、確認同定した。表3にこの重合性モノマ―のN
MRの特性吸収を示す。
【0044】
【表3】
【0045】実施例4 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させたのち、さ
らにイソアミルアルコ―ル1モルを加えた。その後、継
続して攪拌しながら、トリイソプロピルクロロシラン1
モルを30分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を9
0℃に加熱し、さらに2時間攪拌を継続した。発生する
塩化水素ガスは、1Nの水酸化ナトリウム水溶液により
、トラツプした。
【0046】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液
各300mlにて2回洗浄後、さらにイオン交換水各3
00mlにて3回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤
としての無水硫酸マグネシウム150gを加え、1夜放
置して脱水した。その後、ガラスフイルタ―にて上記の
脱水剤を除去した。
【0047】この除去後、反応生成物を含む溶液から、
ロ―タリ―エバポレ―タ―にてトルエンを留去したのち
、減圧蒸留に供した。圧力1.5mmHgにて155〜
157℃までを本留として取り出した。得られた重合性
モノマ―の収率および純度を、実施例1と同様に測定し
たところ、収率は92.0重量%、純度は99.8重量
%であつた。
【0048】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、前記の実施例1の場合と同様に、IRおよびNMR
により、確認同定した。表4にこの重合性モノマ―のN
MRの特性吸収を示す。
【0049】
【表4】
【0050】実施例5 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、無水マレイン酸1モルを加え、さらにメチ
ルアルコ―ル1モルを加えて、常温にて1時間攪拌を続
けた。5℃以下に保ちながら、継続して攪拌し、トルエ
ン2リツトルを加入後、t−ブチルジフエニルクロロシ
ラン1モルを30分かけて滴下した。滴下終了後、反応
液を80℃に加熱し、さらに2時間攪拌を継続した。発
生する塩化水素ガスは、3Nの水酸化ナトリウム水溶液
により、トラツプした。
【0051】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液
300mlにて1回洗浄後、さらにイオン交換水各30
0mlにて4回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤と
しての無水硫酸マグネシウム120gを加え、1夜放置
して脱水した。その後、ガラスフイルタ―にて上記の脱
水剤を除去した。
【0052】この除去後、反応生成物を含む溶液から、
ロ―タリ―エバポレ―タ―にてトルエンを留去したのち
、減圧蒸留に供した。圧力1.0mmHgにて141〜
144℃までを本留として取り出した。得られた重合性
モノマ―の収率および純度を、実施例1と同様に測定し
たところ、収率は94.8重量%、純度は99.7重量
%であつた。
【0053】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、前記の実施例1の場合と同様に、IRおよびNMR
により、確認同定した。表5にこの重合性モノマ―のN
MRの特性吸収を示す。
【0054】
【表5】
【0055】実施例6 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、無水マレイン酸1モルを加え、80℃に加
温して溶融させたのち、攪拌しながら、さらにn−アミ
ルアルコ―ル1モルを加え、80℃に30分間保持した
。その後、継続して攪拌し、トルエン2リツトルを加入
後、トリイソプロピルクロロシラン1.1モルを40分
かけて滴下した。発生する塩化水素ガスは、3Nの水酸
化ナトリウム水溶液により、トラツプした。
【0056】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液
300mlにて1回洗浄後、さらにイオン交換水各30
0mlにて4回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤と
してのモレキユラ―シ―ブス150gを加え、1夜放置
して脱水した。その後、ガラスフイルタ―にて上記の脱
水剤を除去した。
【0057】この除去後、反応生成物を含む溶液から、
ロ―タリ―エバポレ―タ―にてトルエンを留去したのち
、減圧蒸留に供した。圧力2.0mmHgにて141〜
143℃までを本留として取り出した。得られた重合性
モノマ―の収率および純度を、実施例1と同様に測定し
たところ、収率は96.9重量%、純度は99.8重量
%であつた。
【0058】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、前記の実施例1の場合と同様に、IRおよびNMR
により、確認同定した。表6にこの重合性モノマ―のN
MRの特性吸収を示す。
【0059】
【表6】
【0060】比較例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン1リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加えて、溶解させたのち、さらにメ
チルアルコ―ル1モルを加えた。その後、冷却装置にて
反応液を5℃以下にし、攪拌しながら、トリエチルアミ
ン1モルを1時間かけて滴下した。滴下部は一時黄色を
呈するが、攪拌することにより無色透明になり、マレイ
ン酸モノエステルのアミン塩を生成した。反応温度は2
0℃以下に維持した。
【0061】つぎに、この透明液体を10℃以下に保ち
、継続して攪拌しながら、t−ブチルジメチルクロロシ
ラン1モルを15分かけて滴下した。滴下直後からトリ
エチルアミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後
、常温にてさらに2時間攪拌を続けた。
【0062】このようにして得た反応生成物の溶液を、
ガラスフイルタ―にて吸引ろ過してトリエチルアミンの
塩酸塩を除去した。ろ過残渣はトルエン0.5リツトル
にて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。ついで、ロ
―タリ―エバポレ―タ―にて、ろ液からトルエンを留去
したのち、減圧蒸留に供した。圧力8.0mmHgにて
112〜115℃までを本留として取り出したが、蒸留
物中に一部白色針状晶がみられた。この重合性モノマ―
の収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ
、収率は71.5重量%、純度は82.2重量%であつ
た。
【0063】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、前記の実施例1の場合と同様に、IRおよびNMR
により、確認同定した。このIR特性吸収およびNMR
特性吸収は、前記の実施例2の結果とほぼ同じであつた
【0064】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜6においては、いずれも反応工程が簡素化されており
、かつ反応中に副生成物の発生がみられず、しかも精製
工程に水洗工程を加えたため、目的とする重合性モノマ
―の収率および純度は、非常に高いものとなつた。
【0065】これに対し、比較例1では、マレイン酸モ
ノエステルのアミン塩からなる中間体を生成する工程が
必要であり、かつ反応中に副生成物であるトリエチルア
ミンの塩酸塩の発生がみられ、反応後にこれを取り除く
工程が必要となるなど、製造工程上の不利を免れなかつ
た。また、目的とする重合性モノマ―の収率および純度
は、実施例1〜6に比べ著しく低かつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合性モノマ―の赤外線吸
収スペクトルを示す特性図である。
【図2】実施例1で得られた重合性モノマ―の核磁気共
鳴スペクトルを示す特性図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  無水マレイン酸に一価アルコ―ルおよ
    びモノクロロシランを加え、加熱による脱塩化水素を伴
    うエステル化反応を行わせて、マレイン酸モノエステル
    のシリルエステル化物を主成分とする反応生成物を得た
    のち、これを精製して上記のシリルエステル化物からな
    る重合性モノマ―を製造する方法であつて、かつ上記の
    モノクロロシランとして、3個の有機基のうちの少なく
    ともひとつが分岐状または環状のアルキル基であるトリ
    オルガノクロロシランを用いるとともに、反応生成物の
    精製工程中に水洗工程を付加したことを特徴とする重合
    性モノマ―の製造法。
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