JP3018609B2 - 重合性モノマーの製造法 - Google Patents

重合性モノマーの製造法

Info

Publication number
JP3018609B2
JP3018609B2 JP3177851A JP17785191A JP3018609B2 JP 3018609 B2 JP3018609 B2 JP 3018609B2 JP 3177851 A JP3177851 A JP 3177851A JP 17785191 A JP17785191 A JP 17785191A JP 3018609 B2 JP3018609 B2 JP 3018609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerizable monomer
maleic acid
acid monoester
reaction
monochlorosilane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3177851A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04316583A (ja
Inventor
茂 舛岡
芳裕 本田
雅康 伊藤
剛 木村
司郎 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP3177851A priority Critical patent/JP3018609B2/ja
Publication of JPH04316583A publication Critical patent/JPH04316583A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3018609B2 publication Critical patent/JP3018609B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マレイン酸モノエステ
ルのシリルエステル化物からなる重合性モノマーを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイン酸モノエステルのカルボン酸を
シリルエステル化して、分子内にシリル基を導入した重
合性モノマーは、たとえば特開昭63−215780号
公報に示されているように、一般に、マレイン酸モノエ
ステルとモノクロロシランとを、三級アミンからなる塩
基の存在下で脱塩化水素する方法で製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、シリルエス
テル化物は、一般に加水分解を容易に起こすため、反応
生成物中の水易溶性の副生成物を水洗によつて除去する
ことができなかつた。このため、従来技術では、蒸留精
製時においてもなお、結晶性の低沸点副生成物が主生成
物中へ混入し、シリルエステル化物からなる主生成物の
高純度化および高収率化に問題が残されていた。
【0004】本発明は、上記従来の事情に鑑み、マレイ
ン酸モノエステルのシリルエステル化物からなる重合性
モノマーを高純度でしかも高収率で得る方法を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、マレイン酸
モノエステルと反応させるべきモノクロロシランとして
特定のトリオルガノクロロシランを用いたときには、生
成するシリルエステル化物が加水分解しにくいものとな
つて、反応生成物中の副生成物を水洗によつて簡単に取
り除け、これにより上記シリルエステル化物の高純度化
および高収率化を容易に図れるものであることを知り、
本発明を完成するに至つた。
【0006】すなわち、本発明は、無水マレイン酸に一
価アルコール、三級アミンおよびモノクロロシランを反
応させて、マレイン酸モノエステルのシリルエステル化
物を主成分とする反応生成物を得たのち、これを精製し
て上記のシリルエステル化物からなる重合性モノマーを
製造する方法において、上記のモノクロロシランとし
て、3個の有機基のうちの少なくともひとつが分岐状ま
たは環状のアルキル基であるトリオルガノクロロシラン
を用いるとともに、反応生成物の精製工程中に水洗工程
を付加したことを特徴とする重合性モノマーの製造法に
係るものである。
【0007】
【発明の構成・作用】本発明において、マレイン酸モノ
エステルのシリルエステル化物を主成分とする反応生成
物は、無水マレイン酸に一価アルコール、三級アミンお
よびモノクロロシランを反応させることにより調製され
る。
【0008】ここで、上記各原料の反応順序は、特に限
定されず、任意に選ぶことができるが、一例として、
イ)無水マレイン酸に一価アルコールおよび三級アミン
を作用させてマレイン酸モノエステルのアミン塩を形成
し、ついで、ロ)このアミン塩にモノクロロシランを作
用させて、マレイン酸モノエステルのシリルエステル化
物を主成分とする反応生成物を得る方法につき、以下に
説明する。
【0009】イの工程において、用いる一価アルコール
としては、炭素数が通常1〜12個である、直鎖状、分
岐状または環状のアルコールが挙げられ、その1種を単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、イミダゾール、トリエチレンジアミンなど
が用いられる。この三級アミンに代えて、一級や二級の
アミンを用いると、無水マレイン酸への付加反応が生じ
たり、モノクロロシランとの副反応が起こりやすくなる
ため、好ましくない。
【0010】イの工程の反応方法としては、無水マレイ
ン酸を溶剤に溶解させて溶液とするか、あるいは結晶ま
たは溶融した状態で、無水マレイン酸1モルに対し、一
価アルコール1モルを混合し、100℃以下、通常は−
80〜100℃にて撹拌する。反応は常温でも進行する
が、吸熱反応のため加温することも有効な方法である。
その後、60℃以下、通常は−80〜60℃、好ましく
は50℃以下、通常は−80〜50℃に冷却し、撹拌し
ながら三級アミン1〜3モルを1〜2時間かけて滴下す
ると、無色透明なマレイン酸モノエステルのアミン塩の
溶液となる。
【0011】上記の反応工程で用いられる溶剤として
は、トルエン、酢酸エチルなどの芳香族炭化水素系溶
剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、脂肪族炭化水素
系溶剤などがあり、一価アルコールや三級アミンさらに
は後のロ工程で用いるモノクロロシランの種類などに応
じて適宜選択すればよい。
【0012】ロの工程に用いるモノクロロシランは、既
述のように、3個の有機基のうちの少なくともひとつが
分岐状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロ
ロシランである。分岐状のアルキル基としては、イソプ
ロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなどの炭
素数が3個以上、通常は3〜21個のアルキル基が挙げ
られ、また環状のアルキル基としては、シクロプロピ
ル、シクロヘキシルなどの炭素数が3個以上、通常は3
〜21個のアルキル基が挙げられる。
【0013】このようなトリオルガノクロロシランにお
ける3個の有機基は、互いに同一の基であつても異なる
基であつてもよい。また、1個または2個が分岐状また
は環状のアルキル基以外の有機基となる場合があるが、
このような有機基としては、炭素数が1〜12個の直鎖
状のアルキル基、アリール基または置換アリール基が挙
げられる。置換アリール基としては、ハロゲン、炭素数
が10個程度までのアルキル基、アシル基、ニトロ基ま
たはアミノ基などで置換されたアリール基が挙げられ
る。
【0014】ロの工程の反応方法としては、イの工程で
生成したマレイン酸モノエステルのアミン塩の溶液に、
60℃以下、通常は−80〜60℃にて撹拌しながら、
上記のトリオルガノクロロシラン1〜3モルを反応させ
て、マレイン酸モノエステルのシリルエステル化物を主
成分とする反応生成物を得る。このとき、アミン塩酸塩
結晶の析出が観察される。
【0015】なお、上記イ,ロの反応工程に代えて、無
水マレイン酸に対し、まずトリオルガノクロロシランを
加え、ついでこれに一価アルコールおよび三級アミンを
加えて反応させるといつた方法などによつても、上記同
様のマレイン酸モノエステルのシリルエステル化物を主
成分とする反応生成物を得ることができる。
【0016】このようにして得られる反応生成物は、つ
いで精製工程に供される。本発明では、この精製工程
に、水洗工程を加えたことを特徴としており、これはモ
ノクロロシランとして前記特定のトリオルガノクロロシ
ラン、つまり3個の有機基のうちの少なくともひとつが
分岐状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロ
ロシランを用いたことにより、主生成物であるシリルエ
ステル化物の耐加水分解性が向上したことに基づくもの
である。
【0017】このような精製工程の手順としては、室温
にてまずアミン塩酸塩結晶をろ別したのち、適当な中和
剤溶液で中和し、つづいて水洗する。さらに適当な脱水
剤を加えて一夜放置し、微量の水分を除去する。脱水剤
をろ別したのち、溶剤を留去してから最後に減圧蒸留し
て、目的とするマレイン酸モノエステルのシリルエステ
ル化物からなる重合性モノマーを得る。
【0018】上記の精製工程で使用する中和剤として
は、炭酸水素ナトリウムやほう酸が挙げられ、たとえば
1規定の水溶液として用いられる。また、水洗工程で使
用する水としては、蒸留水、イオン交換水または上水道
水が使用可能である。さらに、水洗後に用いる脱水剤と
しては、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、
シリカゲル、モレキユラーシーブスなどが挙げられる。
【0019】このようにして精製されるマレイン酸モノ
エステルのシリルエステル化物は、通常80重量%以
上、好ましくは90重量%以上の高収率で得られ、その
純度(ガスクロマトグラフイーによる)も通常93重量
%以上、好ましくは95重量%以上という高い値を示
す。なお、上記シリルエステル化物であることの確認
は、赤外線吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴スペク
トル(NMR)にて行える。
【0020】本発明の方法にて得られるマレイン酸モノ
エステルのシリルエステル化物は、重合性モノマーとし
て既知のラジカル重合法などの任意の方法で高分子ポリ
マーとされ、主鎖中にシリル基を有するものとして、加
水分解性プラスチツク、水中防汚被覆剤、医療用高分子
材料などの用途に幅広く利用することができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、目的と
するマレイン酸モノエステルのシリルエステル化物を主
成分として含む反応生成物を水洗することが可能で、こ
の水洗によつて副生成物を効率よく除去できるため、上
記シリルエステル化物からなる重合性モノマーを高い収
率でかつ高い純度で得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。
【0023】実施例1〜4 表1の条件および配合に準じて、撹拌機および加温冷却
装置を付けた5リツトルの4つ口フラスコに、温度
(1)にて反応溶剤を入れ、その中に無水マレイン酸を
溶解させたのち、さらに一価アルコールを加えた。
【0024】その後、反応液を冷却装置にて温度(2)
にし、撹拌しながら三級アミンを1〜2時間かけて滴下
した。滴下部は一時黄色を呈するが、撹拌することによ
り無色透明となり、マレイン酸モノエステルのアミン塩
を生成した。
【0025】さらに、この液体を温度(3)に保ち、撹
拌しながら、モノクロロシランを20〜60分かけて滴
下した。滴下直後からアミンの塩酸塩析出が観察され
た。滴下終了後、常温にてさらに2時間撹拌を続け、反
応生成物の粗溶液を得た。
【0026】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
ーにて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらに洗浄溶剤にて洗
浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つづいて、ろ液を
分液ロートを用いて、中和剤水溶液300mlにて1〜
2回洗浄後、さらにイオン交換水300mlにて3〜4
回洗浄を行つた。
【0027】このろ液に脱水剤を加え、十分振蕩してか
ら、一夜放置して水分を除去した。その後、ガラスフイ
ルターにて脱水剤をろ別し、ロータリ,エバポレーター
にて反応生成物溶液から溶剤を留去したのち、表1に示
した条件で減圧蒸留し、各重合性モノマーを得た。
【0028】このようにして得られた各重合性モノマー
の収率および純度は、表1に示されるとおりであつた。
なお、純度は、ガスクロマトグラフイーにより測定した
が、この測定条件は、下記のとおりである。 機種:HP社 5890 SERIES II カラム:G−100(化学品検査協会製) カラム温度:230℃(固定) インジエクシヨン・デイジエクシヨン温度:250℃ 流量:19.8ml/分 リテンシヨンタイム:30分
【0029】
【表1】
【0030】なお、上記の実施例1〜4で得られた各重
合性モノマーが、マレイン酸モノエステルのシリルエス
テル化物であることについては、IRにより、下記の特
性吸収を調べることにより、確認した。 −C(=O)− ; 1700〜1750cm−1 −Si−C− ; 1400〜1480cm
−1 −Si−O− ; 1120〜1180cm
−1 1200〜1260cm
−1 1370〜1410cm
−1
【0031】また、NMRにより、H−NMR特性吸
収:δ(ppm)を調べることによつても、上記のシリ
ルエステル化物であることを確認した。表2に実施例1
の重合性モノマーの上記特性吸収を、表3に実施例2の
重合性モノマーの同特性吸収を、表4に実施例3の重合
性モノマーの同特性吸収を、表5に実施例4の重合性モ
ノマーの同特性吸収を、それぞれ示す。NMRの測定条
件としては、CDCl溶液中、内部標準CHCl
(δ=7.27)である。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】なお、参考のために、図1に実施例1で得
た重合性モノマーのIRスペクトルを、図2に同重合性
モノマーのNMRスペクトルを、それぞれ示す。また、
図3は上記図2の特性吸収の一部を拡大して示したもの
である。
【0037】比較例1,2 条件および配合を表6の如く変更した以外は、実施例1
〜4と同様にして重合性モノマーを得た。ただし、比較
例2については、中和剤による洗浄工程、イオン交換水
による洗浄工程、脱水剤による水分除去工程を省略し
た。得られた重合性モノマーの収率および純度を実施例
1〜4の場合と同様に測定し、その結果を表6に示し
た。
【0038】
【表6】
【0039】なお、上記の比較例1,2で得られた各重
合性モノマーが、マレイン酸モノエステルのシリルエス
テル化物であることについては、前記の実施例1〜4の
場合と同様にしてIRおよびNMRにより確認した。表
7に比較例1で得た重合性モノマーのNMR特性吸収を
示す。
【0040】
【表7】
【0041】実施例5 表8の条件および配合に準じて、撹拌機および加温冷却
装置を付けた5リツトルの4つ口フラスコに、無水マレ
イン酸と一価アルコールとを入れ、常温にて混合した。
一部無水マレイン酸の結晶が残つている状態で反応液を
0〜5℃に保ち、撹拌しながら反応溶剤に溶解したイミ
ダゾール溶液を1時間かけて滴下した。滴下部は一時黄
色を呈するが、撹拌することにより無色透明になり、マ
レイン酸モノエステルのアミン塩を生成した。
【0042】さらに、この液体を温度(3)に保ち、撹
拌しながら、モノクロロシランを30分かけて滴下し
た。滴下直後からアミンの塩酸塩析出が観察された。滴
下終了後、常温にてさらに2時間撹拌を続け、反応生成
物の粗溶液を得た。
【0043】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
ーにて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらに洗浄溶剤にて洗
浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つづいて、ろ液を
分液ロートを用いて、中和剤水溶液300mlにて1回
洗浄後、さらにイオン交換水300mlにて4回洗浄を
行つた。このろ液に脱水剤を加え、十分振蕩してから、
一夜放置して水分を除去した。
【0044】その後、ガラスフイルターにて脱水剤をろ
別し、ロータリーエバポレーターにて反応生成物溶液か
ら溶剤を留去したのち、表8に示した条件で減圧蒸留
し、重合性モノマーを得た。得られた重合性モノマーの
収率および純度を実施例1〜4の場合と同様に測定し、
その結果を表8に示した。
【0045】実施例6 表8の条件および配合に準じて、撹拌機および加温冷却
装置を付けた5リツトルの4つ口フラスコに無水マレイ
ン酸を入れ、80℃にて加温して溶融させたのち、撹拌
しながら、一価アルコールを加え、80℃に30分保持
した。その後、反応液を冷却し、0〜5℃にて撹拌しな
がら三級アミンを1時間かけて滴下した。滴下部は一時
黄色を呈するが、撹拌することにより無色透明になり、
マレイン酸モノエステルのアミン塩を生成した。
【0046】さらに、この液体を温度(3)に保ち、反
応溶剤を加えたのち、撹拌しながら、モノクロロシラン
を40分かけて滴下した。滴下直後からアミンの塩酸塩
析出が観察された。滴下終了後、常温にてさらに2時間
撹拌を続け、反応生成物の粗溶液を得た。
【0047】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
ーにて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらに洗浄溶剤にて洗
浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つづいて、ろ液を
分液ロートを用いて、中和剤水溶液300mlにて1回
洗浄後、さらにイオン交換水300mlにて4回洗浄を
行つた。このろ液に脱水液を加え、十分振蕩してから、
一夜放置して水分を除去した。
【0048】その後、ガラスフイルターにて脱水剤をろ
別し、ロータリーエバポレーターにて反応生成物溶液か
ら溶剤を留去したのち、表8に示した条件で減圧蒸留
し、重合性モノマーを得た。得られた重合性モノマーの
収率および純度を実施例1〜4の場合と同様に測定し、
その結果を表8に示した。
【0049】
【表8】
【0050】なお、上記の実施例5,6で得られた各重
合性モノマーが、マレイン酸モノエステルのシリルエス
テル化物であることについては、前記の実施例1〜4の
場合と同様にしてIRおよびNMRにより確認同定し
た。表9に実施例5の重合性モノマーのNMR特性吸収
を、表10に実施例6の重合性モノマーのNMR特性吸
収を、それぞれ示す。
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】実施例7 撹拌機および加温冷却装置付きの5リツトルの4つ口フ
ラスコにトルエン2リツトルを入れ、その中に無水マレ
イン酸1モルを加え、50℃にて溶解させたのち、トリ
イソプロピルクロロシラン1モルを30分かけて滴下し
た。その後、イソアミルアルコール1モルを30分かけ
て滴下した。つぎに、冷却装置にて反応液を−78℃に
冷却維持し、撹拌しながらトリエチルアミン1モルを1
時間かけて滴下した。滴下部は黄変するが、撹拌するこ
とにより無色透明になつた。反応温度は−15℃以下を
維持した。得られた透明液体を10℃以下に保ちなが
ら、継続して撹拌した。滴下直後からトリエチルアミン
の塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常温にてさ
らに2時間撹拌を続けた。
【0054】その後、ガラスフイルターにて吸引ろ過
し、ろ過残渣をトルエン0.5リツトルにて洗浄し、各
ろ液を得た。そのろ液を分液ロートを用いて1Nの炭酸
水素ナトリウム水溶液各300mlにて2回洗浄後、さ
らにイオン交換水各300mlにて3回洗浄を行つた。
この洗浄液に無水硫酸マグネシウム150gを加え、1
夜放置して乾燥させた。
【0055】その後、ガラスフイルターにて乾燥剤とし
て加えた無水硫酸マグネシウムを除去し、反応物のトル
エン溶液を得た。その溶液からロータリーエバポレータ
ーにてトルエンを留去した液を減圧蒸留に供した。圧力
1.5mmHgにて155〜157℃までを本留として
取り出した。
【0056】このようにして得られた重合性モノマーの
収率および純度を実施例1〜4の場合と同様に測定した
結果、収率は96.4重量%、純度は99.5重量%で
あつた。なお、この重合性モノマーがマレイン酸モノエ
ステルのシリルエステル化物であることについては、前
記の実施例1〜4の場合と同様にしてIRおよびNMR
により確認同定した。ここで、IR特性吸収はもちろん
NMR特性吸収についても実施例1とほとんど同じであ
つた。
【0057】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜7においては、いずれも収率は95重量%以上であ
り、純度も99重量%以上のものが得られ、すぐれた方
法であることがわかる。
【0058】一方、比較例1では、使用したトリオルガ
ノクロロシランが直鎖状のアルキル基しか有していない
ために、水洗浄で主生成物の分解が起こつたものと考え
られ、収率が極端に低下した。
【0059】また、比較例2では、使用したトリオルガ
ノクロロシランは分岐状のアルキル基をひとつ有してい
るものの、水洗浄を行わなかつたため、蒸留物に副生成
物である白色針状晶が観察され、純度の低下がみられ
た。収率も結果として、実施例1〜7に比べて低いもの
となつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合性モノマーの赤外線吸
収スペクトルを示す特性図である。
【図2】実施例1で得られた重合性モノマーの核磁気共
鳴スペクトルを示す特性図である。
【図3】図2の核磁気共鳴スペクトルの一部を拡大して
示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 米国特許4593055(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水マレイン酸に一価アルコール、三級
    アミンおよびモノクロロシランを反応させて、マレイン
    酸モノエステルのシリルエステル化物を主成分とする反
    応生成物を得たのち、これを精製して上記のシリルエス
    テル化物からなる重合性モノマーを製造する方法におい
    て、上記のモノクロロシランとして、3個の有機基のう
    ちの少なくともひとつが分岐状または環状のアルキル基
    であるトリオルガノクロロシランを用いるとともに、反
    応生成物の精製工程中に水洗工程を付加したことを特徴
    とする重合性モノマーの製造法。
JP3177851A 1991-04-16 1991-04-16 重合性モノマーの製造法 Expired - Fee Related JP3018609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3177851A JP3018609B2 (ja) 1991-04-16 1991-04-16 重合性モノマーの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3177851A JP3018609B2 (ja) 1991-04-16 1991-04-16 重合性モノマーの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04316583A JPH04316583A (ja) 1992-11-06
JP3018609B2 true JP3018609B2 (ja) 2000-03-13

Family

ID=16038212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3177851A Expired - Fee Related JP3018609B2 (ja) 1991-04-16 1991-04-16 重合性モノマーの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3018609B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04316583A (ja) 1992-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01316346A (ja) エステルの製造法
JP3018609B2 (ja) 重合性モノマーの製造法
JP3052430B2 (ja) 重合性モノマ―の製造法
JP3064530B2 (ja) 重合性モノマ―の製造法
JPH0525188A (ja) 重合性モノマ―の製造法
US4625043A (en) Ethylidenenorbornyl dimethylmethacryloxysilane
JPH04134084A (ja) ケイ酸エステルおよびその製造方法
JP3052431B2 (ja) 重合性モノマ―の製造法
JP3193597B2 (ja) グリシン誘導体の製造方法
JPH0525186A (ja) 重合性モノマ―の製造法
US4178306A (en) Preparation of N-(phosphonoacetyl)-L-aspartic acid
JPH04342706A (ja) 重合性モノマ―の製造法
JP3064529B2 (ja) 重合性モノマ―の製造法
JPS59139392A (ja) リン酸モノエステルの製造法
JPH04342595A (ja) 重合性モノマ―の製造法
JP2688469B2 (ja) (メタ)アクリル官能基含有有機けい素化合物の製造方法
JP4788049B2 (ja) ジカルボン酸ジエステル誘導体およびその製造方法
JP3614481B2 (ja) フェニルシラントリオールの製造方法
JPH0632792A (ja) ホスフィニルカルボン酸エステルの製法
JP4250211B2 (ja) 新規なアミノカルボン酸エステル塩誘導体
GB2305432A (en) Method of purifying 1,3-bis(3-aminopropyl)-1,1,3,3-tetraorganodisiloxane
JP2849747B2 (ja) オキサゾリジン―2―オン類の製造法
JP2903487B2 (ja) シクロペンタジエニル基含有シラン化合物及びその製造方法
JPH04342705A (ja) 重合性モノマ―の製造法
JP2002265417A (ja) フマル酸モノエステルクロライドの製造方法及び反応試薬

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 11

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees