JPH04342595A - 重合性モノマ―の製造法 - Google Patents

重合性モノマ―の製造法

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JPH04342595A
JPH04342595A JP3142546A JP14254691A JPH04342595A JP H04342595 A JPH04342595 A JP H04342595A JP 3142546 A JP3142546 A JP 3142546A JP 14254691 A JP14254691 A JP 14254691A JP H04342595 A JPH04342595 A JP H04342595A
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polymerizable monomer
silyl
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unsaturated carboxylic
carboxylic acid
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▲ます▼岡 茂
Shigeru Masuoka
Masayasu Ito
雅康 伊藤
Yoshihiro Honda
本田 芳裕
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和カルボン酸のシ
リルエステル化物からなる重合性モノマ―を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和カルボン酸のシリルエステル化物
からなる重合性モノマ―の製造は、米国特許第4,59
3,055号明細書に示されているように、従来、一般
的に、不飽和カルボン酸とモノクロロシランとを、塩基
の存在下で、脱塩化水素する方法で行われている。
【0003】たとえば、マレイン酸モノエステルのカル
ボキシル基をシリルエステル化して、分子内にシリル基
を導入した重合性モノマ―は、特開昭63−21578
0号公報に示されているように、マレイン酸モノエステ
ルとモノクロロシランとを、三級アミンからなる塩基の
存在下で、脱塩化水素する方法で製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、三級アミン
からなる塩基を用いた脱塩化水素による方法では、一般
に、まず不飽和カルボン酸のアミン塩を中間体として形
成したのちに、モノクロロシランと反応させることにな
るため、反応工程が多段階となり、また三級アミンの塩
酸塩が副生するため、上記の塩酸塩を取り除く工程が必
要となるなど、製造工程上の不利を免れなかつた。
【0005】しかも、この方法で得られるシリルエステ
ル化物は、一般に加水分解を容易に起こすため、反応生
成物中の水易溶性の副生成物を水洗によつて除去するこ
とができなかつた。このため、従来技術では、蒸留精製
時においてもなお、結晶性の低沸点副生成物が主生成物
中へ混入し、シリルエステル化物からなる主生成物の高
純度化および高収率化に問題が残されていた。
【0006】本発明は、上記従来の事情に鑑み、不飽和
カルボン酸のシリルエステル化物からなる重合性モノマ
―を製造する方法において、三級アミンからなる塩基を
用いないで脱塩化水素を行わせることにより、上記塩基
の使用に伴う製造工程上の不利を回避するとともに、得
られる重合性モノマ―の高純度化および高収率化を図る
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、不飽和カル
ボン酸のシリルエステル化における脱塩化水素が、反応
系内を所定温度に加熱することで達成でき、この加熱で
発生した塩化水素ガスを、適宜の手段、たとえば塩基性
水溶液からなるトラツプ剤で捕捉して、反応系から効率
よく除去するようにすると、上記の脱塩化水素反応、つ
まりはシリルエステル化反応を容易に促進できるもので
あることを知つた。
【0008】また、この加熱による脱塩化水素反応にお
いて、不飽和カルボン酸と反応させるべきモノクロロシ
ランとして特定のトリオルガノクロロシランを用いたと
きには、生成するシリルエステル化物が加水分解しにく
いものとなつて、反応生成物中の副生成物を水洗によつ
て簡単に取り除け、これにより上記シリルエステル化物
の高純度化および高収率化を容易に図れるものであるこ
とを知つた。
【0009】本発明は、上記の知見をもとにして完成さ
れたものであり、その要旨とするところは、不飽和カル
ボン酸にモノクロロシランを加え、加熱による脱塩化水
素を伴うシリルエステル化反応を行わせて、不飽和カル
ボン酸のシリルエステル化物を主成分とする反応生成物
を得たのち、これを精製して上記のシリルエステル化物
からなる重合性モノマ―を製造する方法であつて、かつ
上記のモノクロロシランとして、3個の有機基のうちの
少なくともひとつが分岐状または環状のアルキル基であ
るトリオルガノクロロシランを用いるとともに、反応生
成物の精製工程に水洗工程を付加したことを特徴とする
重合性モノマ―の製造法にある。
【0010】
【発明の構成・作用】本発明に用いる不飽和カルボン酸
としては、分子内にカルボキシル基と重合性不飽和二重
結合とを有する化合物であればよく、たとえば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ア
ルキル(C1〜C12)マレイン酸モノエステル、フマ
―ル酸、アルキル(C1 〜C12)フマ―ル酸モノエ
ステル、イタコン酸、クロトン酸などが挙げられる。
【0011】本発明に用いるモノクロロシランは、既述
のように、3個の有機基のうちの少なくともひとつが分
岐状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロロ
シランである。分岐状のアルキル基としては、イソプロ
ピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなどの炭素
数が3個以上、通常は3〜21個のアルキル基が挙げら
れ、また環状のアルキル基としては、シクロプロピル、
シクロヘキシルなどの炭素数が3個以上、通常は3〜2
1個のアルキル基が挙げられる。
【0012】このようなトリオルガノクロロシランにお
ける3個の有機基は、互いに同一の基であつても異なる
基であつてもよい。また、1個または2個が分岐状また
は環状のアルキル基以外の有機基となる場合があるが、
このような有機基としては、炭素数が1〜12個の直鎖
状のアルキル基、アリ―ル基または置換アリ―ル基が挙
げられる。置換アリ―ル基としては、ハロゲン、炭素数
が10個程度までのアルキル基、アシル基、ニトロ基ま
たはアミノ基などで置換されたアリ―ル基が挙げられる
【0013】本発明においては、上記の不飽和カルボン
酸に、上記のモノクロロシランを加えて、シリルエステ
ル化反応を行うが、その際反応系は無溶剤であつてもよ
く、またトルエン、酢酸エチルなどの芳香族炭化水素系
溶剤、エステル系溶剤、エ―テル系溶剤、脂肪族炭化水
素系溶剤などの溶剤を用いた溶液状態とされていてもよ
い。
【0014】モノクロロシランの添加量は、不飽和カル
ボン酸の種類、特にカルボキシル基の数に応じて、適宜
選択されるが、通常は不飽和カルボン酸1当量に対し、
1〜5当量、好ましくは1〜3当量となるようにするの
がよい。
【0015】このようにモノクロロシランを加えたのち
、あるいは加えながら、反応系内の温度を40℃以上、
好ましくは40〜150℃程度の温度に加熱すると、反
応系内に塩化水素ガスが発生して、シリルエステル化反
応の進行が認められる。ここで、発生した塩化水素ガス
をトラツプ剤で捕捉して、反応系内から効率よく除去す
ると、上記のシリルエステル化反応が容易に促進される
【0016】トラツプ剤としては、PHが7.1以上の
塩基性水溶液が好適で、たとえば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの塩基性無機塩
、アンモニアなどの塩基を水に溶解させてなる水溶液が
用いられる。
【0017】このようにして得られる反応生成物は、不
飽和カルボン酸のシリルエステル化物(不飽和カルボン
酸がモノカルボン酸であればモノシリルエステル化物、
ジカルボン酸であればジシリルエステル化物)を主成分
としたものであつて、これには従来のようなアミン塩酸
塩の結晶が全く含まれていない。したがつて、引き続く
精製工程で、このような結晶を取り除くためのろ過工程
は不要である。
【0018】本発明においては、上記の反応生成物を、
ついで精製工程に供するが、この精製工程に、水洗工程
を加えたことをひとつの特徴としており、これはモノク
ロロシランとして前記特定のトリオルガノクロロシラン
、つまり3個の有機基のうちの少なくともひとつが分岐
状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロロシ
ランを用いたことにより、主生成物であるシリルエステ
ル化物の耐加水分解性が向上したことに基づくものであ
る。
【0019】このような精製工程の手順としては、まず
必要に応じて適当な中和剤溶液で中和し、つづいて水洗
する。さらに適当な脱水剤を加えて一夜放置し、微量の
水分を除去する。脱水剤をろ別したのち、溶剤を留去し
、最後に減圧蒸留またはアルミナカラムにて精製するこ
とにより、目的とする不飽和カルボン酸のシリルエステ
ル化物からなる重合性モノマ―を得る。
【0020】上記の精製工程に用いる中和剤としては、
炭酸水素ナトリウムやほう酸が挙げられ、たとえばPH
が3.0〜12.0の水溶液として用いられる。また、
水洗工程で使用する水としては、蒸留水、イオン交換水
または上水道水が使用可能である。さらに、水洗後に用
いる脱水剤としては、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸
ナトリウム、シリカゲル、モレキユラ―シ―ブスなどが
挙げられる。
【0021】このようにして精製される不飽和カルボン
酸のシリルエステル化物は、通常80重量%以上、好ま
しくは90重量%以上の高収率で得られ、その純度(ガ
スクロマトグラフイ―による)も通常93重量%以上、
好ましくは95重量%以上という高い値を示す。なお、
上記のシリルエステル化物であることの確認は、核磁気
共鳴スペクトル(NMR)またはこれと赤外線吸収スペ
クトル(IR)により、容易に行える。
【0022】本発明の方法にて得られる不飽和カルボン
酸のシリルエステル化物は、重合性モノマ―として既知
のラジカル重合法などの任意の方法で高分子ポリマ―と
され、主鎖中にシリル基を有するものとして、加水分解
性プラスチツク、水中防汚被覆剤、医療用高分子材料な
どの用途に幅広く利用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明の加熱による脱塩
化水素によれば、従来のように不飽和カルボン酸のアミ
ン塩を中間体として生成する必要がなく、また三級アミ
ンの塩酸塩の副生もないため、不飽和カルボン酸のシリ
ルエステル化物からなる重合性モノマ―を製造容易に得
ることができる。さらに、本発明では、重合性モノマ―
の精製工程に水洗工程を付加できるため、副生成物を効
率よく除去でき、重合性モノマ―の高収率化と高純度化
とを容易に図ることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。
【0025】実施例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中にメタ
クリル酸1モル(重合禁止剤としてヒドロキノンを20
0ppm含む)を加え、継続して攪拌しながら、t−ブ
チルジメチルクロロシラン1.1モルを40分かけて滴
下した。滴下終了後、反応液を80℃に加熱し、さらに
2時間攪拌を継続した。この間に発生する塩化水素は、
3Nの水酸化ナトリウム水溶液により、トラツプした。
【0026】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、蒸留水各1リツトルにて5回洗浄
を行つた。この洗浄液に、脱水剤としてのシリカゲル1
50gとヒドロキノン0.2gを加え、1夜放置して脱
水した。その後、ガラスフイルタ―にて上記の脱水剤を
除去した。
【0027】この洗浄後の反応生成物の溶液から、ロ―
タリ―エバポレ―タ―、つづいて真空ポンプにより、ト
ルエンを完全に留去したのち、アルミナカラムにて精製
した。このようにして得られた重合性モノマ―は、その
収率が96.4重量%、純度が99.7重量%であつた
【0028】なお、重合性モノマ―の純度については、
ガスクロマトグラフイ―により、下記の条件にて測定し
た。 機種:HP社  5890  SERIES  IIカ
ラム:G−100(化学品検査協会製)カラム温度:2
30℃(固定) インジエクシヨン・デイジエクシヨン温度:250℃流
量:19.8ml/分 リテンシヨンタイム:30分
【0029】また、上記の実施例1で得た重合性モノマ
―が、メタクリル酸のシリルエステル化物であることに
ついては、NMRにより、 1H−NMR特性吸収:δ
(ppm)を調べることによつて、確認した。表1に上
記の特性吸収を、図1にそのNMRスペクトルを、それ
ぞれ示す。NMRの測定条件としては、CDCl3 溶
液中、内部標準CHCl3 (δ=7.27)である。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、ベンゼン2リツトルを入れ、その中にメタ
クリル酸1モル(重合禁止剤としてヒドロキノンを20
0ppm含む)を加え、継続して攪拌しながら、トリイ
ソプロピルクロロシラン1.1モルを2時間かけて滴下
した。滴下終了後、反応液を80℃に加熱し、さらに2
時間攪拌を継続した。この間に発生する塩化水素は、3
Nの水酸化ナトリウム水溶液により、トラツプした。
【0032】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、1Nのほう酸水溶液300mlに
て1回洗浄後、さらにイオン交換水各300mlにて3
回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤としての無水硫
酸マグネシウム150gとヒドロキノン0.2gを加え
、1夜放置して脱水した。その後、ガラスフイルタ―に
て上記の脱水剤を除去した。
【0033】この洗浄後の反応生成物の溶液から、ロ―
タリ―エバポレ―タ―、つづいて真空ポンプにより、ベ
ンゼンを完全に留去したのち、アルミナカラムにて精製
した。このようにして得られた重合性モノマ―の収率お
よび純度を、実施例1と同様に測定したところ、収率は
95.1重量%、純度は99.7重量%であつた。
【0034】なお、この重合性モノマ―が、メタクリル
酸のシリルエステル化物であることについては、前記の
実施例1の場合と同様にして、NMRにより確認同定し
た。表2にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示す
【0035】
【表2】
【0036】実施例3 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中にイソ
アミルマレイン酸モノエステル1モルを加え、継続して
攪拌しながら、トリイソプロピルクロロシラン1.1モ
ルを50分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を90
℃に加熱し、さらに2時間攪拌を継続した。この間に発
生する塩化水素は、1Nの水酸化ナトリウム水溶液によ
り、トラツプした。
【0037】このようにして得た反応生成物の溶液を、
分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液
各300mlにて2回洗浄後、さらにイオン交換水各3
00mlにて3回洗浄を行つた。この洗浄液に、脱水剤
としての無水硫酸マグネシウム150gを加え、1夜放
置して脱水した。その後、ガラスフイルタ―にて上記の
脱水剤を除去した。
【0038】この洗浄後の反応生成物の溶液から、ロ―
タリ―エバポレ―タ―にてトルエンを留去したのち、減
圧蒸留に供した。圧力1.5mmHgにて155〜15
7℃までを本留として取り出した。このようにして得ら
れた重合性モノマ―の収率および純度を、実施例1と同
様にして測定したところ、収率は96.2重量%、純度
は99.6重量%であつた。
【0039】なお、この重合性モノマ―が、イソアミル
マレイン酸モノエステルのシリルエステル化物であるこ
とについては、前記の実施例1の場合と同様にして、N
MRにより確認同定した。表3にこの重合性モノマ―の
NMR特性吸収を示す。
【0040】
【表3】
【0041】実施例4 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、ジオキサン2リツトルを入れ、その中にマ
レイン酸1モルを加え、冷却装置にて45℃にし、その
後、継続して攪拌しながら、トリイソプロピルクロロシ
ラン2.0モルを40分かけて滴下した。滴下終了後、
反応液を100℃に加熱し、さらに2時間攪拌を継続し
た。この間に発生する塩化水素は、3Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液により、トラツプした。
【0042】このようにして得た反応生成物の溶液に、
トルエン2リツトルを加えて攪拌したのち、分液ロ―ト
を用いて、蒸留水各1リツトルにて15回洗浄して、副
生成塩およびほとんどのジオキサンを除去した。この洗
浄液に、脱水剤としてのモレキユラ―シ―ブス150g
を加え、1夜放置して脱水した。その後、ガラスフイル
タ―にて上記の脱水剤を除去した。
【0043】この洗浄後の反応生成物の溶液から、ロ―
タリ―エバポレ―タ―、つづいて真空ポンプにより、ト
ルエンおよび一部残つていたジオキサンを完全に留去し
たのち、アルミナカラムにて精製した。このようにして
得られた重合性モノマ―の収率および純度を、実施例1
と同様に測定したところ、収率は96.2重量%、純度
は99.6重量%であつた。
【0044】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
のジシリルエステル化物であることについては、前記の
実施例1の場合と同様にして、NMRにより確認同定し
た。表4にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示す
【0045】
【表4】
【0046】比較例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、溶解させたのち、さらにメチ
ルアルコ―ル1モルを加えた。その後、冷却装置にて5
℃以下にし、攪拌しながら、トリエチルアミン1モルを
1時間かけて滴下した。滴下部は一時黄色を呈するが、
攪拌することにより無色透明の液体となり、マレイン酸
モノエステルのアミン塩を生成した。反応温度は10℃
以下に維持した。
【0047】つぎに、この透明液体を10℃以下に保ち
ながら、継続して攪拌し、トリメチルクロロシラン1モ
ルを30分かけて滴下した。滴下直後からトリエチルア
ミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常温に
てさらに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗溶液を得た
【0048】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つ
づいて、ろ液を分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナ
トリウム水溶液各300mlにて2回洗浄後、さらにイ
オン交換水各300mlにて3回洗浄を行つた。
【0049】この洗浄液に脱水剤としての無水硫酸マグ
ネシウム150gを加え、1夜放置して水分を除去した
。その後、ガラスフイルタ―にて脱水剤をろ別し、ロ―
タリ―エバポレ―タ―にて、反応生成物溶液からトルエ
ンを留去したのち、減圧蒸留に供した。圧力2.5mm
Hgにて57〜58℃までを本留として取り出した。
【0050】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ、
収率は56.3重量%、純度が91.5重量%であつた
。なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸モノエステ
ルのシリルエステル化物であることについては、前記の
実施例1の場合と同様にして、NMRにより確認同定し
た。表5にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示す
【0051】
【表5】
【0052】比較例2 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン1リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、溶解させたのち、さらにメチ
ルアルコ―ル1モルを加えた。その後、冷却装置にて5
℃以下にし、攪拌しながら、トリエチルアミン1モルを
1時間かけて滴下した。滴下部は一時黄色を呈するが、
攪拌することにより無色透明の液体となり、マレイン酸
モノエステルのアミン塩を生成した。反応温度は20℃
以下に維持した。
【0053】つぎに、この透明液体を10℃以下に保ち
ながら、継続して攪拌し、t−ブチルジメチルクロロシ
ラン1モルを15分かけて滴下した。滴下直後からトリ
エチルアミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後
、常温にてさらに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗溶
液を得た。
【0054】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。こ
のろ液から、ロ―タリ―エバポレ―タ―にて、トルエン
を留去したのち、減圧蒸留に供した。圧力8.0mmH
gにて112〜115℃までを本留として取り出した。 蒸留物には、一部白色針状晶がみられた。
【0055】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ、
収率は71.5重量%、純度は82.2重量%であつた
。なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸モノエステ
ルのシリルエステル化物であることについては、前記の
実施例1の場合と同様にして、NMRにより確認同定し
た。表6にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示す
【0056】
【表6】
【0057】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜4においては、いずれも反応工程が簡素化されており
、かつ反応中に副生成物の発生がみられず、しかも精製
工程に水洗工程を加えたため、目的とする重合性モノマ
―の収率および純度は、非常に高いものとなつた。
【0058】これに対し、比較例1,2では、マレイン
酸モノエステルのアミン塩からなる中間体を生成する工
程が必要であり、かつ反応中に副生成物であるトリエチ
ルアミンの塩酸塩の発生がみられ、反応後にこれを取り
除く工程が必要となるなど、製造工程上の不利を免れな
かつた。また、比較例1では用いたモノクロロシランの
種類に起因し、また比較例2では精製工程に水洗工程を
付加しなかつたため、いずれも目的とする重合性モノマ
―の収率および純度は、実施例1〜4に比べ著しく低か
つた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合性モノマ―の核磁気共
鳴スペクトルを示す特性図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  不飽和カルボン酸にモノクロロシラン
    を加え、加熱による脱塩化水素を伴うシリルエステル化
    反応を行わせて、不飽和カルボン酸のシリルエステル化
    物を主成分とする反応生成物を得たのち、これを精製し
    て上記のシリルエステル化物からなる重合性モノマ―を
    製造する方法であつて、かつ上記のモノクロロシランと
    して、3個の有機基のうちの少なくともひとつが分岐状
    または環状のアルキル基であるトリオルガノクロロシラ
    ンを用いるとともに、反応生成物の精製工程に水洗工程
    を付加したことを特徴とする重合性モノマ―の製造法。
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