JPH08113582A - 二官能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法 - Google Patents

二官能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08113582A
JPH08113582A JP6248024A JP24802494A JPH08113582A JP H08113582 A JPH08113582 A JP H08113582A JP 6248024 A JP6248024 A JP 6248024A JP 24802494 A JP24802494 A JP 24802494A JP H08113582 A JPH08113582 A JP H08113582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
reaction
oxide
acid
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6248024A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Sugiya
杉矢  正
Tsutomu Watanabe
努 渡辺
Seiji Shimura
征爾 志村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP6248024A priority Critical patent/JPH08113582A/ja
Priority to GB9607238A priority patent/GB2311782B/en
Priority to US08/628,511 priority patent/US5663419A/en
Priority to DE19614577A priority patent/DE19614577A1/de
Publication of JPH08113582A publication Critical patent/JPH08113582A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/51Phosphorus bound to oxygen
    • C08K5/53Phosphorus bound to oxygen bound to oxygen and to carbon only
    • C08K5/5397Phosphine oxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/50Organo-phosphines
    • C07F9/53Organo-phosphine oxides; Organo-phosphine thioxides
    • C07F9/5304Acyclic saturated phosphine oxides or thioxides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 はtert-ブチル又は1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)で表される二官能アルキルホスフィンオキサイ
ド、及びその製造方法。 【効果】 難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、染色改良剤、
樹脂改質剤、防汚剤、防錆剤等に有用な有機リン化合物
である。またこの化合物を工業的に有利に製造すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な二官能アルキル
ホスフィンオキサイド及びその製造方法に関するもので
ある。とくに本発明は、繊維やプラスチック等に難燃
性、帯電防止性等を付与するために有用な、新規な二官
能アルキルホスフィンオキサイドに関するものである。
【0002】
【従来技術】繊維やプラスチック等に難燃性、樹脂改
質、帯電防止性等の高機能性が要求されている。これら
の用途には有機リン化合物、例えばメチルホスフィンか
ら誘導されるビス(カルボキシエチル)メチルホスフィ
ンオキサイドが使用されている。この化合物を共重合さ
せたポリエステルが良好な難燃性を示すことが開示され
ている(米国特許第4,127,566 号)。しかしながら、該
ポリエステル共重合体は、融点低下が大きく、かつ耐熱
性がやや低いという欠点を有している。しかも、原料に
用いるメチルホスフィンは、常温、常圧で気体であり、
空気に触れると容易に発火、爆発するという、非常に危
険で取り扱いが困難な物質であり、しかも毒性が極めて
高い。したがって、取り扱いが容易で、しかも毒性の低
いモノアルキルホスフィンが望まれている。また、最
近、難燃性ポリエステル共重合体の原料モノマーとして
下記一般式(5)
【0003】
【化5】
【0004】(式中、Lはアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、飽和脂環式化合物、Mは水素原子または炭
素原子数1〜4のアルキル基、Nは水素原子またはメチ
ル基を示す)で表されるホスフィンオキサイドの製造方
法が開示されている(特開平6−166692号公報、
特開平6−166693号公報)。
【0005】上記製造方法によれば、ホスフィンオキサ
イドは、まず1級ホスフィンとアクリロニトリルを反応
させた後、蒸留精製し、過酸化水素で酸化させた後、ア
ルカリで加水分解することにより合成されるか、また
は、工程の順序を変えて、アルカリで加水分解した後に
過酸化水素で酸化させることにより、合成されている。
しかしながら、これらの方法においては、合成に際して
の工程が長いことや、加水分解時に多量に副生する塩化
アンモニウムとの分離が困難で、純度の良いものが得ら
れない等の欠点を有している。また、上記一般式(5)
において、Lがブチルの場合も記載されているが、実施
例に記載されているんのではない。実際、Lがt−ブチ
ルや1,1,3,3−テトラメチルブチルであるような場
合には、上記先行技術のような方法では製造することが
できない(後記の比較例1参照)。また、実施例に具体
的に開示されている1級ホスフィンであるモノフェニル
ホスフィンは、入手が困難で、しかも値段が高価であ
る。しかも、本発明に係る具体的な化合物や合成法につ
いては何ら開示されてはいない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
実に鑑み、機能性有機リン化合物としての二官能アルキ
ルホスフィンオキサイドについて鋭意研究をおこなった
結果、新規な二官能アルキルホスフィンオキサイド化合
物を確認した。またその製造方法として、モノアルキル
ホスフィンと(メタ)アクリル酸またはそのエステルと
を酸触媒の存在下で反応し、次いで該溶液に酸化剤を添
加反応させることにより、高純度で且つ高収率で新規な
二官能アルキルホスフィンオキサイドを得ることを知見
し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式(1)
【0008】
【化6】
【0009】[式中、R1 は下記一般式(2)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、nは0〜1の整数を示す)で表さ
れるアルキル基、R2 は水素原子、炭素原子数1〜8の
アルキル基及びヒドロキシアルキル基、R3 は水素原
子、メチル基を示す。]で表される二官能アルキルホス
フィンオキサイドを提供するものである。また本発明
は、下記一般式(3)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、nは0〜1の整数を示す)で表さ
れるモノアルキルホスフィンと、下記一般式(4)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R2 は水素原子、炭素原子数1〜
8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、R3 は水素原
子またはメチル基を示す。)で表される(メタ)アクリ
ル酸またはそのエステル(以下、「アクリル酸エステル
等」という)を酸触媒の存在下で反応し、さらに該反応
液に酸化剤を添加して反応することを特徴とする一般式
(1)の二官能アルキルホスフィンオキサイドの製造方
法を提供するものである。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。 (本発明の化合物)本発明の二官能アルキルホスフィン
オキサイドである一般式(1)の化合物は、新規な化合
物である。本発明に含まれる化合物を例示すれば、ビス
−(2−カルボキシエチル)−1,1,3,3 −テトラメチル
ブチルホスフィンオキサイド、ビス−(2−カルベトキ
シエチル)−1,1,3,3 −テトラメチルブチルホスフィン
オキサイド、ビス−[2−カルボ(2−ヒドロキシエト
キシ)エチル]−1,1,3,3 −テトラメチルブチルホスフ
ィンオキサイド、ビス−(2−カルボキシプロピル)−
1,1,3,3 −テトラメチルブチルホスフィンオキサイド、
ビス−(2−カルボキシエチル)−tert−ブチルホスフ
ィンオキサイド、ビス−(2−カルベトシエチル)−te
rt−ブチルホスフィンオキサイド、ビス−[2−カルボ
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−tert−ブチルホ
スフィンオキサイド、ビス−(2−カルボキシプロピ
ル)−tert−ブチルホスフィンオキサイド等が挙げられ
る。
【0017】本発明に係る含リン化合物は、上記一般式
(1)からわかるように、2つのカルボキシ基を有する
ことから二官能性で単独または他のモノマーと重合性を
示す。また、この化合物は、この官能基中の炭素と燐と
がP−C結合を持つことから、他のP−O結合を持つ有
機含リン化合物に比べて化学的、熱的安定性に顕著に優
れているものである。本発明に係る化合物は、一般式
(1)におけるR1 が分枝構造を有するアルキル基、特
にt−ブチル、または1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルであることを特徴とするものである。また、枝分かれ
のあるアルキル基のような、かさ高い置換基を有する本
発明に係る化合物をポリエステル等に共重合させた場
合、重合体の内部回転に対する障害が大きくなるため
に、転化温度が高くなり、また耐熱温度が高くなるもの
である。本発明の化合物は、前記一般式(1)において
1 、R2 及びR3 の種類によって異なるが、常温では
通常、白色結晶乃至無色透明な液体である。R2 の炭素
数が1〜4のアルキル基であるエステルタイプが、経済
的、工業面から特に有用性があると言える。 (本発明の化合物の製造方法)本発明の二官能アルキル
ホスフィンオキサイドは、下記一般式(3)
【0018】
【化10】
【0019】(式中、nは0〜1の整数を示す)で表さ
れるモノアルキルホスフィンと、下記一般式(4)
【0020】
【化11】
【0021】(式中、R2 は水素原子、炭素原子数1〜
8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、R3 は水素原
子またはメチル基を示す。)で表される(メタ)アクリ
ル酸エステル等を酸触媒の存在下で反応し、さらに該反
応液に酸化剤を添加して反応することにより得ることが
できる。
【0022】(モノアルキルホスフィン)本発明の二官
能アルキルホスフィンオキサイドを製造するための原料
であるモノアルキルホスフィンは、一般式(3)で表さ
れるものであり、具体的には1,1,3,3 −テトラメチルブ
チルホスフィン、tert−ブチルホスフィンである。
【0023】(アクリル酸エステル等)他の原料として
使用する(メタ)アクリル酸エステル等は、(4)式に
あるものであれば特に限定はないが、例えばアクリル
酸、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエス
テル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシルエステル、メタクリル酸、メタアクリル酸メ
チルエステル、メタアクリル酸エチルエステル、メタア
クリル酸ブチルエステル、メタアクリル酸2−エチルヘ
キシルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエス
テル等が挙げられる。
【0024】(酸触媒)上記2つの化合物の反応は酸触
媒の存在下で進行する。使用する酸触媒は、例えば塩
酸、硫酸、硝酸、燐酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、フッ化
水素酸、メタンスルホン酸等のプロトン酸等が挙げられ
るが、特に塩酸が工業的に有利である。 (酸化剤)次工程で使用される酸化剤は、過酸化水素、
過酸化ベンゾイル等の過酸化物、硝酸、NO、N2
4 、N2O等の窒素酸化物、塩素等が挙げられるが、過
酸化水素が工業的に有利である。
【0025】(反応条件)本反応は、前記したように、
モノアルキルホスフィンとアクリル酸エステル等とのカ
ップリングと、次いで第1段の反応生成物を酸化させる
2段階の工程をとる。まず、第1段のカップリング反応
は、出発原料の物性及び酸触媒等によって条件は変化す
るが、多くの場合モノアルキルホスフィン1モルに対し
てアクリル酸エステル等2〜5モル、好ましくは2〜3
モルとアクリル酸エステル等が少過剰が適当である。ま
た、酸触媒は、その種類と反応条件等によっても異なる
が、多くの場合、モノアルキルホスフィン1モルに対し
て1〜5モル、好ましくは1〜2モルが適当である。
【0026】反応温度は−30〜30℃、好ましくは1
0〜20℃であり、撹拌下で0.5〜24時間、好まし
くは0.5〜10時間の反応時間である。反応操作とし
ては、反応容器内を窒素やヘリウム等の不活性ガスで十
分置換した後、多くの場合モノアルキルホスフィンと酸
を仕込んだ後、アクリル酸エステル等を滴下することに
より反応させる。反応終了後、該反応液を必要に応じて
濃縮して酸触媒を除去する。第1段の反応生成物を酸化
させる第2段反応は、第1段反応溶液に必要に応じて水
またはアルコール及びその混合液を添加した後、酸化剤
を滴下反応させればよい。
【0027】酸化剤は、選択される酸化剤によって異な
るが、酸化剤を当初仕込んだモノアルキルホスフィンに
対して1.0〜1.1モル、好ましくは1〜1.05モル
が適当である。水またはアルコール及びその混合液は、
必要に応じて添加すればよくその量は特に制限されな
い。なお、アルコールはアクリル酸エステル等のアルキ
ルエステル基に対応するアルコール、例えばアクリル酸
メチルエステルであればメタノール、アクリル酸エチル
エステルであればエタノールを適宜使用することが好ま
しい。
【0028】反応温度は、室温〜90℃、好ましくは6
0〜70℃で滴下反応させ、その後同温度で熟成反応を
0.5〜10時間、好ましくは1〜2時間おこなう。反
応操作は、第1反応で得られた該反応溶液に、必要に応
じて水またはアルコールを添加した後、撹拌下で酸化剤
を滴下し反応させればよい。反応終了後、反応液を濃縮
させ白色結晶乃至無色透明な液体である本発明の二官能
アルキルホスフィンオキサイドを得る。
【0029】
【作用】本発明に係る反応は、第1段反応として一般式
(3)と(4)を酸触媒の存在で反応させて、下記一般
式(6)の3級ホスフィン塩酸塩を生成させるものであ
る。
【0030】
【化12】
【0031】(式中、R1 、R2 、R3 は前記と同義を
示す。) 次いで、第2段反応として、一般式(5)の3級ホスフ
ィン塩酸塩を酸化剤により一般式(1)の二官能アルキ
ルホスフィンオキサイドを得る。
【0032】
【実施例】以下に実施例によってさらに本発明を具体的
に説明する。 実施例1 コンデンサー、温度計、撹拌機を備えた500mlの四
つ口フラスコを、十分に窒素で置換した。窒素気流下、
1,1,3,3-テトラメチルブチルホスフィン109.7g
(0.75モル)、濃塩酸105.7g(1.125モ
ル)を仕込んだ。撹拌しながらアクリル酸108.0g
(1.5モル)を30℃以下に保ちながら徐々に滴下し
た。反応液は、均一の無色透明液体となった。エバポレ
ーターで濃縮して、過剰の塩酸及び水を留去した。水1
00mlに溶解させ、30%過酸化水素87.6g(0.
77モル)を、60〜70℃に保ちながら滴下した。滴
下終了後、90℃で1時間熟成させた。除冷により約5
0℃付近から結晶析出が始まり、さらに液量を1/2ま
で濃縮した。析出した結晶を濾別し水で洗浄後、真空乾
燥することにより白色結晶202.1g(0.66モル)
を得た。
【0033】生成物は、融点142℃で、FAB−MA
SS、1H−NMR、FT−IRにより、ビス−(2−
カルボキシエチル)−1,1,3,3 −テトラメチルブチルホ
スフィンオキサイドと確認された。 FAB−MASS:m/z=307[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.08(s,9
H),1.37(d,6H,J=17.3Hz),1.65
(d,2H,J=8.93Hz),2.18(m,4
H),2.72(m,4H),8.48(s,2H) FT−IR分析結果は表1に示す。
【0034】実施例2 実施例1と同様の装置を用いて、窒素気流下、1,1,3,3
−テトラメチルブチルホスフィン73.1g(0.5モ
ル)、濃塩酸70.5g(0.75モル)を仕込んだ。撹
拌しながらアクリル酸エチル100.1g(1.0モル)
を30℃以下に保ちながら滴下し、さらに室温で20時
間反応させ、均一の無色透明液体を得た。エバポレータ
ーで濃縮して、過剰の塩酸及び水を留去した。エタノー
ル100mlに溶解させ、30%過酸化水素58.9g
(0.52モル)を、60〜70℃に保ちながら滴下し
た。滴下終了後、90℃で1時間熟成させた。反応液を
エバポレーターで溶媒等を除去することにより、無色透
明粘性液体137.7g(0.38モル)を得た。
【0035】生成物は、FAB−MASS、1H−NM
R、FT−IRにより、ビス−(2−カルベトキシエチ
ル)−1,1,3,3 −テトラメチルブチルホスフィンオキサ
イドと確認された。 FAB−MASS:m/z=363[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.06(s,9
H),1.29(t,6H,J=7.44Hz),1.41
(d,6H,J=17.3Hz),2.29(m,4
H),2.77(m,4H),4.19(q,4H.J=
7.14Hz) FT−IR分析結果は表1に示す。
【0036】実施例3 実施例1と同様の装置を用いて、窒素気流下、1,1,3,3
−テトラメチルブチルホスフィン73.1g(0.5モ
ル)、濃塩酸70.5g(0.75モル)を仕込んだ。撹
拌しながらアクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル1
16.1g(1.0モル)を30℃以下に保ちながら滴下
し、さらに室温で10時間反応させ、均一の無色透明液
体を得た。エバポレーターで濃縮して、過剰の塩酸及び
水を留去した。水100mlに溶解させ、30%過酸化
水素58.9g(0.52モル)を、室温に保ちながら滴
下した。反応液をエバポレーターで溶媒等を除去するこ
とにより、無色透明粘性液体161.7g(0.41モ
ル)を得た。
【0037】生成物は、FAB−MASS、1H−NM
R、FT−IRにより、ビス−[2−カルボ(2−ヒド
ロキシエトキシ)エチル]−1,1,3,3 −テトラメチルブ
チルホスフィンオキサイドと確認された。 FAB−MASS:m/z=395[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.06(s,9
H),1.36(d,6H,J=17.3Hz),1.53
(d,2H,J=8.33Hz),2.13(m,4
H),2.77(m,4H),3.70(s,2H),
3.80(m,4H),4.30(m,4H) FT−IR分析結果は表1に示す。
【0038】実施例4 実施例1と同様の装置を用いて、窒素気流下、1,1,3,3
−テトラメチルブチルホスフィン73.1g(0.5モ
ル)、濃塩酸70.5g(0.75モル)を仕込んだ。撹
拌しながらメタクリル酸86.1g(1.0モル)を30
℃以下に保ちながら滴下し、さらに室温で5時間反応さ
せ、均一の無色透明液体を得た。エバポレーターで濃縮
して、過剰の塩酸及び水を留去した。水100mlに溶
解させ、30%過酸化水素58.9g(0.52モル)
を、60〜70℃に保ちながら滴下し、さらに90℃で
1時間熟成した。反応液をエバポレーターで溶媒等を除
去することにより、無色透明粘性液体147.1g(0.
44モル)を得た。
【0039】生成物は、FAB−MASS、1H−NM
R、FT−IRにより、ビス−(2−カルボキシプロピ
ル)−1,1,3,3 −テトラメチルブチルホスフィンオキサ
イドと確認された。 FAB−MASS:m/z=335[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.05(s,9
H),1.32(d,6H,J=16.7Hz),1.34
(d,3H,J=7.14Hz),1.67(d,2H,
J=15.5Hz),2.11(m,1H),2.94
(m,2H),8.70(s,2H) FT−IR分析結果は表1に示す。
【0040】実施例5 温度計、撹拌機、圧力計を備えた500mlのガラス製
耐圧容器を十分に窒素で置換した。容器を減圧にして、
tert- ブチルホスフィン45.1g(0.5モル)、濃塩
酸70.5g(0.75モル)を仕込んだ。撹拌しながら
アクリル酸72.1g(1.0モル)を30℃以下に保ち
ながら圧入ポンプで添加し、さらに室温で1時間反応さ
せた。窒素雰囲気で、反応液を抜き取ったところ、均一
の無色透明液体を得た。エバポレーターで濃縮して、過
剰の塩酸及び水を留去した。水100mlに溶解させ、
30%過酸化水素58.9g(0.52モル)を、60〜
70℃に保ちながら滴下し、さらに90℃で1時間熟成
した。液量を1/2まで濃縮し、析出した結晶を濾別し
水で洗浄後、真空乾燥することにより、融点188℃の
白色結晶107.6g(0.43モル)を得た。
【0041】生成物は、FAB−MASS、1H−NM
R、FT−IRにより、ビス−(2−カルボキシエチ
ル)−tert−ブチルホスフィンオキサイドと確認され
た。 FAB−MASS:m/z=251[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.15(d,9H,
J=14.3Hz),2.32(m,4H),2.82
(m,4H),8.42(s,2H) FT−IR分析結果は表1に示す。
【0042】実施例6 実施例5と同様のガラス製耐圧容器を用いて、tert- ブ
チルホスフィン45.1g(0.5モル)、濃塩酸70.
5g(0.75モル)を仕込んだ。撹拌しながらアクリ
ル酸エチル100.1g(1.0モル)を30℃以下に保
ちながら圧入ポンプで添加し、さらに室温で20時間反
応させた。窒素雰囲気で、反応液を抜き取ったところ、
均一の無色透明液体を得た。エバポレーターで濃縮し
て、過剰の塩酸及び水を留去した。エタノール100m
lに溶解させ、30%過酸化水素58.9g(0.52モ
ル)を、60〜70℃に保ちながら滴下した。滴下終了
後、90℃で1時間熟成させた。反応液をエバポレータ
ーで溶媒等を除去することにより、無色透明粘性液体1
19.4g(0.39モル)を得た。
【0043】生成物は、FAB−MASS、1H−NM
R、FT−IRにより、ビス−(2−カルベトキシエチ
ル)−tert−ブチルホスフィンオキサイドと確認され
た。 FAB−MASS:m/z=307[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.15(d,9H,
J=14.2Hz),1.29(t,6H,J=7.45H
z),2.30(m,4H),2.75(m,4H),4.
20(q,4H,J=7.14Hz) FT−IR結果は表1に示す。
【0044】実施例7 実施例5と同様のガラス製耐圧容器を用いて、tert- ブ
チルホスフィン45.1g(0.5モル)、濃塩酸70.
5g(0.75モル)を仕込んだ。撹拌しながらアクリ
ル酸2−ヒドロキシエチルエステル116.1g(1.0
モル)を30℃以下に保ちながら圧入ポンプで添加し、
さらに室温で10時間反応させた。窒素雰囲気で、反応
液を抜き取ったところ、均一の無色透明液体を得た。エ
バポレーターで濃縮して、過剰の塩酸及び水を留去し
た。水100mlに溶解させ、30%過酸化水素58.
9g(0.52モル)を、室温に保ちながら滴下した。
反応液をエバポレーターで溶媒等を除去することによ
り、無色透明粘性液体135.4g(0.40モル)を得
た。
【0045】生成物は、FAB−MASS、1H−NM
R、FT−IRにより、ビス−[2−カルボ(2−ヒド
ロキシエトキシ)エチル]−tert−ブチルホスフィンオ
キサイドと確認された。 FAB−MASS:m/z=339[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.13(d,9H,
J=14.3Hz),2.30(m,4H),2.83
(m,4H),3.72(s,2H),3.75(m,4
H),4.32(m,4H) FT−IR結果は表1に示す。
【0046】実施例8 実施例5と同様のガラス製耐圧容器を用いて、tert- ブ
チルホスフィン45.1g(0.5モル)、濃塩酸70.
5g(0.75モル)を仕込んだ。撹拌しながらメタク
リル酸86.1g(1.0モル)を30℃以下に保ちなが
ら圧入ポンプで添加し、さらに室温で5時間反応させ
た。窒素雰囲気で、反応液を抜き取ったところ、均一の
無色透明液体を得た。エバポレーターで濃縮して、過剰
の塩酸及び水を留去した。水100mlに溶解させ、3
0%過酸化水素58.9g(0.52モル)を、60〜7
0℃に保ちながら滴下し、さらに90℃で1時間熟成し
た。反応液をエバポレーターで溶媒等を除去することに
より、無色透明粘性液体125.3g(0.45モル)を
得た。
【0047】生成物は、FAB−MASS、1H−NM
R、FT−IRにより、ビス−(2−カルボキシプロピ
ル)−tert−ブチルホスフィンオキサイドと確認され
た。 FAB−MASS:m/z=279[M+H]+1 H−NMR(CDCl3 ,δ):1.13(d,9H,
J=14.0Hz),1.32(d,3H,J=7.10H
z),2.15(m,1H),2.92(m,2H),8.
50(s,2H) FT−IR:(表1に記載)
【0048】比較例1 コンデンサー、温度計、撹拌機を備えた500mlの四
つ口フラスコを十分に窒素で置換した。窒素気流中、1,
1,3,3 −テトラメチルブチルホスフィン3.1g(0.5
モル)とアセトニトリル100mlを仕込んだが、混合
溶解せず二層に分離した。撹拌しながら10Nの水酸化
カリウム水溶液15mlを20℃以下に保ちながら滴下
した。さらに、氷冷して20℃以下に保ちながら、アク
リロニトリル106.1g(1.0モル)を徐々に滴下し
た。しかし、滴下するにしたがって、コンデンサー上部
から多量のホスフィンガスが留出していることを、硝酸
銀溶液を湿した濾紙が黒変することにより確認した。反
応終了後、フラスコ底部より赤黄色した粘性液体が得ら
れたが、目的とするビス(2−シアノエチル)−1,1,3,
3 −テトラメチルブチルホスフィンの生成は認められず
1,1,3,3 −テトラメチルブチルホスフィンは、アルカリ
に容易に分解してホスフィンガスとなった。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明は、繊維やプラスチック等に難燃
性、帯電防止性等を付与するために有用な、新規な二官
能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法を提
供するものである。また、モノアルキルホスフィンと
(メタ)アクリル酸エステルとを酸触媒の存在下で反応
し、次いで該溶液に酸化剤を添加反応させることによ
り、高選択的かつ高純度で二官能アルキルホスフィンオ
キサイドを工業的に有利に製造することができる。その
使用分野も難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、染色改良剤、
樹脂改質剤、防汚剤、防錆剤等と多岐にわたる、有用な
有機リン化合物である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1 は下記一般式(2) 【化2】 (式中、nは0〜1の整数を示す)で表されるアルキル
    基、R2 は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基及
    びヒドロキシアルキル基、R3 は水素原子、メチル基を
    示す。]で表される二官能アルキルホスフィンオキサイ
    ド。
  2. 【請求項2】 下記一般式(3) 【化3】 (式中、nは0〜1の整数を示す)で表されるモノアル
    キルホスフィンと、下記一般式(4) 【化4】 (式中、R2 は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキ
    ル基、ヒドロキシアルキル基、R3 は水素原子またはメ
    チル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸またはそ
    のエステルを酸触媒の存在下で反応し、さらに該反応液
    に酸化剤を添加して反応することを特徴とする請求項1
    記載の二官能アルキルホスフィンオキサイドの製造方
    法。
JP6248024A 1994-10-13 1994-10-13 二官能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法 Pending JPH08113582A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6248024A JPH08113582A (ja) 1994-10-13 1994-10-13 二官能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法
GB9607238A GB2311782B (en) 1994-10-13 1996-04-04 Bifunctional alkyl phosphine oxide and production method thereof
US08/628,511 US5663419A (en) 1994-10-13 1996-04-05 Bifunctional alkyl phosphine oxide and production method thereof
DE19614577A DE19614577A1 (de) 1994-10-13 1996-04-12 Bifunktionelles Alkylphosphinoxid und Herstellungsverfahren für dasselbe

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6248024A JPH08113582A (ja) 1994-10-13 1994-10-13 二官能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法
GB9607238A GB2311782B (en) 1994-10-13 1996-04-04 Bifunctional alkyl phosphine oxide and production method thereof
US08/628,511 US5663419A (en) 1994-10-13 1996-04-05 Bifunctional alkyl phosphine oxide and production method thereof
DE19614577A DE19614577A1 (de) 1994-10-13 1996-04-12 Bifunktionelles Alkylphosphinoxid und Herstellungsverfahren für dasselbe

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08113582A true JPH08113582A (ja) 1996-05-07

Family

ID=27438326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6248024A Pending JPH08113582A (ja) 1994-10-13 1994-10-13 二官能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5663419A (ja)
JP (1) JPH08113582A (ja)
DE (1) DE19614577A1 (ja)
GB (1) GB2311782B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106832963A (zh) * 2016-12-30 2017-06-13 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种含磷网络结构阻燃剂

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7767833B2 (en) * 2004-08-12 2010-08-03 Sigma-Aldrich Co. Stabilized borane-tetrahydrofuran complex
US7750168B2 (en) * 2006-02-10 2010-07-06 Sigma-Aldrich Co. Stabilized deuteroborane-tetrahydrofuran complex
US20070219558A1 (en) * 2006-03-15 2007-09-20 Allen Deutsch Method and apparatus for arthroscopic surgery using suture anchors

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4537993A (en) * 1984-03-19 1985-08-27 American Cyanamid Company Bis(β-carboxyethyl)isobutyl, sec. butyl and t-butyl phosphine oxide and polyamides containing the same
JP3014231B2 (ja) * 1992-12-01 2000-02-28 鐘紡株式会社 有機リン化合物の製造方法
JPH06166693A (ja) * 1992-12-01 1994-06-14 Kanebo Ltd 有機リン化合物の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106832963A (zh) * 2016-12-30 2017-06-13 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种含磷网络结构阻燃剂

Also Published As

Publication number Publication date
GB2311782A (en) 1997-10-08
GB2311782B (en) 1999-12-01
US5663419A (en) 1997-09-02
GB9607238D0 (en) 1996-06-12
DE19614577A1 (de) 1997-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4377537A (en) Preparation of alkane phosphonic and phosphinic acid aryl esters
JPH0249316B2 (ja)
US4332746A (en) Diphosphonodicarboxylic acid esters
JPH08113582A (ja) 二官能アルキルホスフィンオキサイド及びその製造方法
JP3128015B2 (ja) 2−ヒドロキシカルボニルエチルアルキルホスフィン酸の製造方法
JPH1036381A (ja) アルミニウムホスフィナートの製造方法
EP1810975B1 (en) Method for producing phosphonates having an alcoholic hydroxy group
JPS603317B2 (ja) 塩化ホスフアイトの製造方法
JP3481283B2 (ja) ホスフィニルカルボン酸の製造方法
EP0010368B1 (en) Process for production of benzene phosphonic dihalide
EP0383141B1 (en) Fluorine-containing alpha,omega-bifunctional compounds and process for their production
JP2001139951A (ja) 反応性難燃剤、難燃性ポリマーおよびポリエステル繊維
JPH1087678A (ja) 2−シアノエチルホスフィン酸エステルの製造方法
US5679849A (en) Method of producing a bis(2-carboxyethyl)alkyl phosphine oxide and a derivative thereof
JP2000007687A (ja) (メタ)アクリル基を有するホスホン酸化合物およびその製造方法
JPS6232188B2 (ja)
JPH0820593A (ja) 環状ビニルホスホン酸エステルの製造方法
JP3921642B2 (ja) ジクロロ化合物の製造方法
JP6766459B2 (ja) カルボン酸エステルの製造方法
JP4662649B2 (ja) 新規なホスフィン化合物
JPH08157584A (ja) 難燃性ポリエステル共重合体
JPH0415794B2 (ja)
JP3064529B2 (ja) 重合性モノマ―の製造法
JPH0350740B2 (ja)
JPH01311066A (ja) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050118