JP3064529B2 - 重合性モノマ―の製造法 - Google Patents

重合性モノマ―の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マレイン酸モノエステ
ルのシリルエステル化物からなる重合性モノマ―を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マレイン酸モノエステルのカ
ルボキシル基をシリルエステル化して、分子内にシリル
基を導入した重合性モノマ―は、たとえば、特開昭63
−215780号公報に示されているように、一般的に
は、マレイン酸モノエステルとトリオルガノクロロシラ
ンとを、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、脱塩
化水素する方法で製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、トリエチル
アミンなどの塩基を用いた脱塩化水素による方法では、
一般に、まずマレイン酸モノエステルのアミン塩を中間
体として形成したのちに、トリオルガノクロロシランと
反応させることになるため、反応工程が多段階となり、
またトリエチルアミン塩酸塩などの結晶性の塩酸塩が副
生するため、この塩酸塩を取り除く工程が必要となるな
ど、製造工程上の不利を免れなかつた。また、目的とす
るマレイン酸モノエステルのシリルエステル化物の収率
および純度が低いという問題もあつた。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、マレ
イン酸モノエステルのシリルエステル化物からなる重合
性モノマ―を製造する方法において、反応工程を簡素化
し、製造工程上の不利を回避するとともに、上記重合性
モノマ―の収率および純度を向上させることを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、マレイン酸モ
ノエステルのシリルエステル化が、特定の触媒を用いる
ことによつて、カルボキシル基とトリオルガノシランと
の脱水素反応により達成でき、これによると、反応工程
の簡素化とともに、目的とするシリルエステル化物の収
率および純度を大きく向上できることを知り、本発明を
完成するに至つた。
【0006】すなわち、本発明は、無水マレイン酸に、
一価アルコ―ル、分子内にロジウム、白金、コバルト、
パラジウム、バナジウムの中から選ばれる少なくとも1
の金属元素を含有する化合物からなる触媒(以下、触
媒Mという)およびトリオルガノシランを加えて、脱水
素反応を伴うエステル化反応を行わせて、マレイン酸モ
ノエステルのシリルエステル化物からなる重合性モノマ
―を製造することを特徴とする重合性モノマ―の製造法
に係るものである。
【0007】
【発明の構成・作用】本発明に用いる一価アルコ―ルと
しては、炭素数が通常1〜12個である、直鎖状、分岐
状または環状のアルキルアルコ―ルが挙げられ、その1
種を単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0008】本発明に用いる触媒Mとしては、ロジウ
ム、白金、コバルト、パラジウム、バナジウムの中から
選ばれる少なくとも1種の金属元素を、分子内に含有す
る化合物、たとえば、無機ハロゲン化物、有機ハロゲン
化物、有機および無機の錯体などが挙げられる。
【0009】本発明に用いるトリオルガノシランは、3
個の有機基が互いに同一の基であつても異なる基であつ
てもよい。有機基としては、炭素数が通常1〜21個の
直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられ、そ
の他アリ―ル基や置換アリ―ル基などであつてもよい。
【0010】上記のアルキル基としては、たとえば、メ
チル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチ
ル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、2−エチルヘキシル、シクロプロピル、シクロヘキ
シルなどがあり、置換アリ―ル基としては、ハロゲン、
炭素数が10程度までのアルキル基、アシル基、ニトロ
基またはアミノ基などで置換されたアリ―ル基がある。
【0011】本発明においては、無水マレイン酸に、上
記の一価アルコ―ル、触媒Mおよびトリオルガノシラン
を加えて、エステル化反応を行わせるが、このエステル
化反応は、言うまでもなく、無水マレイン酸と一価アル
コ―ルとのモノエステル化反応と、さらにトリオルガノ
シランとの脱水素反応を伴うシリルエステル化反応との
両反応を含むものである。
【0012】この両反応は、そのいずれを先に行つて
も、また同時に行つてもよく、したがつて無水マレイン
酸に対する一価アルコ―ルおよびトリオルガノシランの
添加順序は特に限定されない。しかし、通常は、まず一
価アルコ―ルを加え、つづいてトリオルガノシランを加
えるのが普通である。
【0013】上記の一価アルコ―ルを加えるにあたり、
無水マレイン酸は、固体(結晶)状態のままであつて
も、加温により溶融させた状態であつてもよく、さらに
溶剤に溶解させた溶液状態とされていてもよい。反応の
均一性という点では、後二者の方が望ましい。仮に固体
が残存していても、反応上特に支障はない。
【0014】無水マレイン酸と一価アルコ―ルとのモノ
エステル化反応は、常温でも進行するが、吸熱反応のた
め加温するのも有効である。一価アルコ―ルは、無水マ
レイン酸のカルボキシル基1当量に対し、通常1〜3モ
ルの割合で用いられる。
【0015】トリオルガノシランを加え、触媒Mの存在
下で行わせる脱水素反応は、触媒Mの種類によつても異
なるが、通常は−70〜300℃、好ましくは−30〜
250℃の温度で行うことができる。トリオルガノシラ
ンは、無水マレイン酸のカルボキシル基1当量に対し、
通常1〜5モルの割合とするのがよい。
【0016】脱水素反応において、発生する気体が水素
であることの確認は、この気体をトラツプし、別途用意
した酸素と混合後燃焼させたときに、水の生成のみがみ
られることにより、可能である。
【0017】上記の両反応において、無水マレイン酸を
溶解したり、溶液反応に使用したりする溶剤としては、
たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル系溶剤、ジエチルエ―テル、テトラヒドロフランなど
のエ―テル系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶
剤などがあり、一価アルコ―ルやトリオルガノシランの
種類などに応じて適宜選択すればよい。
【0018】このようにして得られる反応生成物は、マ
レイン酸モノエステルのシリルエステル化物を主成分と
したものであつて、これには、言うまでもなく、従来の
ようなアミン塩酸塩の結晶などが全く含まれていない。
このため、この反応生成物の溶液より、溶剤を留去して
から減圧蒸留することにより、目的とするマレイン酸モ
ノエステルのシリルエステル化物からなる重合性モノマ
―を、通常75重量%以上、好適には80重量%以上の
高収率で、かつ通常90重量%以上、好適には95重量
%以上の高純度で、得ることができる。
【0019】なお、上記シリルエステル化物であること
の確認は、赤外線吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴
スペクトル(NMR)にて、容易に行える。また、上記
シリルエステル化物の純度は、ガスクロマトグラフイ―
にて測定できる。
【0020】本発明の方法にて得られるマレイン酸モノ
エステルのシリルエステル化物は、重合性モノマ―とし
て、既知のラジカル重合法などの任意の重合方法にて、
高分子ポリマ―とされ、このポリマ―は、側鎖にシリル
基を有するものとして、加水分解性プラスチツク、水中
防汚被覆剤、医療用高分子材料などの各種の用途に、幅
広く使用することができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の重合性モノマ―
の製造法によれば、従来の塩基存在下での脱塩化水素に
よる方法とは異なり、アミン塩などの中間体を経ること
がないため、多段階の反応が軽減されて、反応工程の簡
素化を図ることができ、またトリエチルアミン塩酸塩な
どの固体の副生成物を分離除去する工程も不要になる。
さらに、上記従来の方法に比べて、得られるマレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物からなる重合性モノ
マ―の収率および純度を大きく向上できるなどの顕著な
効果が得られる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。
【0023】実施例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、テトラヒドロフラン2リツトルを入れ、そ
の中に無水マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させ
たのち、メチルアルコ―ル1モルを加えた。その後、継
続して攪拌し、トリス(トリフエニルホスフイン)クロ
ロロジウム10ミリモルを加えた。つぎに、トリイソプ
ロピルシラン1.1モルを40分かけて滴下した。滴下
終了後、反応液を80℃に加熱し、さらに2時間攪拌を
継続した。水素の発生がみられなくなつたのち、反応を
終了した。
【0024】このようにして得た反応生成物の溶液か
ら、ロ―タリ―エバポレ―タ―にてテトラヒドロフラン
を留去したのち、減圧蒸留に供した。圧力1.5mmHgに
て85〜87℃を本留として取り出した。得られた重合
性モノマ―の収率は85.4重量%、純度は99.7重
量%であつた。
【0025】なお、純度は、ガスクロマトグラフイ―に
より測定したものであるが、この測定条件は、下記のと
おりである。 機種:HP社 5890 SERIES II カラム:G−100(化学品検査協会製) カラム温度:230℃(固定) インジエクシヨン・デイジエクシヨン温度:250℃ 流量:19.8ml/分 リテンシヨンタイム:30分
【0026】また、上記の実施例1で得られた重合性モ
ノマ―が、マレイン酸モノエステルのシリルエステル化
物であることについては、IRにより、下記の特性吸収
を調べることにより、確認した。 −C(=O)− ; 1700〜1750cm-1 −Si−C− ; 1400〜1480cm-1 −Si−O− ; 1120〜1180cm-1 1200〜1260cm-1 1370〜1410cm-1
【0027】さらに、NMRにより、 1H−NMR特性
吸収:δ(ppm )を調べることによつても、上記のシリ
ルエステル化物であることを確認した。表1に上記の特
性吸収を示す。NMRの測定条件としては、CDCl3
溶液中、内部標準CHCl3 (δ=7.27)である。
【0028】
【表1】
【0029】なお、参考のために、図1に実施例1で得
た重合性モノマ―のIRスペクトルを、図2に同重合性
モノマ―のNMRスペクトルを、それぞれ示す。
【0030】実施例2 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、ベンゼン2リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させたのち、六
塩化白金酸0.2ミリモルを加えた。その後、継続して
攪拌し、t−ブチルジメチルシラン2モル、さらにメチ
ルアルコ―ル1モルを加えたのち、反応液を80℃に加
熱し、さらに1時間攪拌を継続した。水素の発生がみら
れなくなつたのち、反応を終了した。
【0031】このようにして得た反応生成物の溶液か
ら、ロ―タリ―エバポレ―タ―にてベンゼンを留去した
のち、減圧蒸留に供した。圧力1.0mmHgにて68〜7
0℃を本留として取り出した。得られた重合性モノマ―
の収率は82.3重量%、純度は98.5重量%であつ
た。
【0032】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、実施例1の場合と同様に、IRおよびNMRによ
り、確認同定した。表2にこの重合性モノマ―のNMR
の特性吸収を示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させたのち、イ
ソアミルアルコ―ル1モルを加えた。その後、常温にて
1時間攪拌したのち、0℃に冷却し、オクタコバルト二
カルボニルを2ミリモル加えた。つぎに、トリイソプロ
ピルシラン1モルを30分かけて滴下した。滴下終了
後、さらに1時間同温度に保持した。その後、50℃に
反応液を加熱し、さらに2時間攪拌を継続した。水素の
発生がみられなくなつたのち、反応を終了した。
【0035】このようにして得た反応生成物の溶液か
ら、ロ―タリ―エバポレ―タ―にてトルエンを留去した
のち、減圧蒸留に供した。圧力1.5mmHgにて155〜
157℃を本留として取り出した。得られた重合性モノ
マ―の収率は87.1重量%、純度は99.2重量%で
あつた。
【0036】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、実施例1の場合と同様に、IRおよびNMRによ
り、確認同定した。表3にこの重合性モノマ―のNMR
の特性吸収を示す。
【0037】
【表3】
【0038】実施例4 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、酢酸ブチル1リツトルを入れ、その中に無
水マレイン酸1モルを加え、常温にて溶解させたのち、
メチルアルコ―ル1モルを加えた。その後、継続して攪
拌し、三塩化ロジウム5ミリモルを加えた。つぎに、t
−ヘキシルジメチルシラン1.5モルを40分かけて滴
下した。滴下終了後、反応液を80℃に加熱し、さらに
2時間攪拌を継続した。水素の発生がみられなくなつた
のち、反応を終了した。
【0039】このようにして得た反応生成物の溶液か
ら、ロ―タリ―エバポレ―タ―にて酢酸ブチルを留去し
たのち、減圧蒸留に供した。圧力2.0mmHgにて141
〜143℃を本留として取り出した。得られた重合性モ
ノマ―の収率は90.3重量%、純度は99.8重量%
であつた。
【0040】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、実施例1の場合と同様に、IRおよびNMRによ
り、確認同定した。表4にこの重合性モノマ―のNMR
の特性吸収を示す。
【0041】
【表4】
【0042】実施例5 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、無水マレイン酸1モルを加え、常温にて溶
解させたのち、メチルアルコ―ル1モルを加え、常温に
て1時間攪拌を続けた。継続して攪拌しながら、5℃以
下に冷却し、t−ブチルジフエニルシラン1モルを30
分かけて滴下した。さらに、パラジウム黒1ミリモルを
加えた。反応液を同温度で1時間攪拌保持した。その
後、反応液を180℃に加温し、さらに1時間攪拌を継
続した。水素の発生がみられなくなつたのち、反応を終
了した。
【0043】このようにして得た反応生成物から、ロ―
タリ―エバポレ―タ―にて未反応物を留去したのち、減
圧蒸留に供した。圧力1.0mmHgにて141〜144℃
を本留として取り出した。得られた重合性モノマ―の収
率は81.5重量%、純度は99.6重量%であつた。
【0044】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、実施例1の場合と同様に、IRおよびNMRによ
り、確認同定した。表5にこの重合性モノマ―のNMR
の特性吸収を示す。
【0045】
【表5】
【0046】実施例6 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、無水マレイン酸1モルを加え、80℃に加
温して溶融させたのち、攪拌しながら、n−アミルアル
コ―ル1モルを加えて、上記温度に30分間保持した。
その後、継続して攪拌し、五塩化バナジウム0.01モ
ルを加えた。トルエン2リツトルを加入後、トリイソプ
ロピルシラン1.1モルを40分かけて滴下した。滴下
終了後、さらに2時間攪拌を継続した。水素の発生がみ
られなくなつたのち、反応を終了した。
【0047】このようにして得た反応生成物の溶液か
ら、ロ―タリ―エバポレ―タ―にてトルエンを留去した
のち、減圧蒸留に供した。圧力2.0mmHgにて141〜
143℃を本留として取り出した。得られた重合性モノ
マ―の収率は83.5重量%、純度は99.8重量%で
あつた。
【0048】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、実施例1の場合と同様に、IRおよびNMRによ
り、確認同定した。表6にこの重合性モノマ―のNMR
の特性吸収を示す。
【0049】
【表6】
【0050】比較例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン1リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、溶解させたのち、メチルアル
コ―ル1モルを加えた。その後、反応液を5℃にし、攪
拌しながら、トリエチルアミン1モルを1時間かけて滴
下した。滴下部は黄変するが、攪拌することにより無色
透明になつた。反応温度は20℃に維持した。
【0051】つぎに、この透明液体を10℃に保ち、継
続して攪拌しながら、t−ブチルジメチルクロロシラン
1モルを15分かけて滴下した。滴下直後からトリエチ
ルアミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常
温にてさらに2時間攪拌を続けた。
【0052】このようにして得た反応生成物の溶液を、
ガラスフイルタ―にて吸引ろ過してトリエチルアミンの
塩酸塩を除去した。ろ過残渣はトルエン0.5リツトル
にて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。ついで、ロ
―タリ―エバポレ―タ―にて、ろ液からトルエンを留去
したのち、減圧蒸留に供した。圧力8.0mmHgにて11
2〜115℃を本留として取り出した。この重合性モノ
マ―の収率は71.5重量%、純度は82.2重量%
で、一部白色針状晶がみられた。
【0053】なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸
モノエステルのシリルエステル化物であることについて
は、実施例1の場合と同様に、IRおよびNMRによ
り、確認同定した。このIR特性吸収およびNMR特性
吸収は、前記の実施例2の結果とほぼ同じであつた。
【0054】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜6においては、いずれも反応工程が簡素化されてお
り、かつ反応中に副生成物の発生がみられず、目的とす
る重合性モノマ―の収率および純度も良好であつた。
【0055】これに対し、比較例1では、マレイン酸モ
ノエステルのアミン塩からなる中間体を生成する工程が
必要であり、かつ反応中に副生成物であるトリエチルア
ミンの塩酸塩の発生がみられ、反応後にこれを取り除く
工程が必要となるなど、製造工程上の不利を免れなかつ
た。また、目的とする重合性モノマ―の収率および純度
が低かつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合性モノマ―の赤外線吸
収スペクトルを示す特性図である。
【図2】実施例1で得られた重合性モノマ―の核磁気共
鳴スペクトルを示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/18 B01J 27/08 B01J 27/128 B01J 27/185 B01J 31/28 C07B 61/00 300

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水マレイン酸に、一価アルコ―ル、分
    子内にロジウム、白金、コバルト、パラジウム、バナジ
    ウムの中から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有
    する化合物からなる触媒およびトリオルガノシランを加
    えて、脱水素反応を伴うエステル化反応を行わせて、マ
    レイン酸モノエステルのシリルエステル化物からなる重
    合性モノマ―を製造することを特徴とする重合性モノマ
    ―の製造法。
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