JP3052430B2 - 重合性モノマ―の製造法 - Google Patents

重合性モノマ―の製造法

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JP3052430B2 JP3142542A JP14254291A JP3052430B2 JP 3052430 B2 JP3052430 B2 JP 3052430B2 JP 3142542 A JP3142542 A JP 3142542A JP 14254291 A JP14254291 A JP 14254291A JP 3052430 B2 JP3052430 B2 JP 3052430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和カルボン酸のシ
リルエステル化物からなる重合性モノマ―を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和カルボン酸のシリルエステル化物
からなる重合性モノマ―の製造は、米国特許第4,59
3,055号明細書に示されているように、従来、一般
的に、不飽和カルボン酸とモノクロロシランとを、塩基
の存在下で、脱塩化水素する方法で行われている。
【0003】たとえば、マレイン酸モノエステルのカル
ボキシル基をシリルエステル化して、分子内にシリル基
を導入した重合性モノマ―は、特開昭63−21578
0号公報に示されているように、マレイン酸モノエステ
ルとモノクロロシランとを、三級アミンからなる塩基の
存在下で脱塩化水素する方法で製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、シリルエス
テル化物は、一般に加水分解を容易に起こすため、反応
生成物中の水易溶性の副生成物を水洗によつて除去する
ことができなかつた。このため、従来技術では、蒸留精
製時においてもなお、結晶性の低沸点副生成物が主生成
物中へ混入し、シリルエステル化物からなる主生成物の
高純度化および高収率化に問題が残されていた。
【0005】本発明は、上記従来の事情に鑑み、不飽和
カルボン酸のシリルエステル化物からなる重合性モノマ
―を、高純度でしかも高収率で得る方法を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、不飽和カル
ボン酸と反応させるべきモノクロロシランとして特定の
トリオルガノクロロシランを用いたときには、生成する
シリルエステル化物が加水分解しにくいものとなつて、
反応生成物中の副生成物を水洗によつて簡単に取り除
け、これにより上記シリルエステル化物の高純度化およ
び高収率化を容易に図れるものであることを知り、本発
明を完成するに至つた。
【0007】すなわち、本発明は、不飽和カルボン酸に
三級アミンとモノクロロシランとを反応させて、不飽和
カルボン酸のシリルエステル化物を主成分とする反応生
成物を得たのち、これを精製して上記のシリルエステル
化物からなる重合性モノマ―を製造する方法において、
上記のモノクロロシランとして、3個の有機基のうちの
少なくともひとつが分岐状または環状のアルキル基であ
るトリオルガノクロロシランを用いるとともに、反応生
成物の精製工程中に水洗工程を付加したことを特徴とす
る重合性モノマ―の製造法に係るものである。
【0008】
【発明の構成・作用】本発明において、不飽和カルボン
酸のシリルエステル化物を主成分とする反応生成物は、
不飽和カルボン酸に三級アミンとモノクロロシランとを
反応させることにより、調製される。
【0009】ここで、上記各原料の反応順序は、特に限
定されず、任意に選ぶことができるが、一例として、
イ)不飽和カルボン酸にまず三級アミンを作用させて、
不飽和カルボン酸のアミン塩を形成し、ついで、ロ)こ
のアミン塩にモノクロロシランを作用させて、不飽和カ
ルボン酸のシリルエステル化物を主成分とする反応生成
物を得る方法につき、以下に説明する。
【0010】イの工程において、用いる不飽和カルボン
酸としては、分子内にカルボキシル基と重合性不飽和二
重結合とを有する化合物であればよく、たとえば、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
アルキル(C1 〜C12)マレイン酸モノエステル、フマ
―ル酸、アルキル(C1 〜C12)フマ―ル酸モノエステ
ル、イタコン酸、クロトン酸などが挙げられる。また、
三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、イミダゾ―ル、トリエチレンジアミンなどが用い
られる。この三級アミンに代えて、一級や二級のアミン
を用いると、不飽和カルボン酸への付加反応が生じた
り、モノクロロシランとの副反応が起こりやすくなるた
め、好ましくない。
【0011】イの工程の反応方法としては、不飽和カル
ボン酸の単独または有機溶剤溶液に、攪拌下、60℃以
下、通常は−80〜60℃、好ましくは−80〜50℃
で、不飽和カルボン酸1当量に対し、三級アミン1〜5
当量を1〜2時間かけて滴下すると、無色透明な不飽和
カルボン酸のアミン塩の溶液となる。
【0012】ロの工程に用いるモノクロロシランは、既
述のように、3個の有機基のうちの少なくともひとつが
分岐状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロ
ロシランである。分岐状のアルキル基としては、イソプ
ロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなどの炭
素数が3個以上、通常は3〜21個のアルキル基が挙げ
られ、また環状のアルキル基としては、シクロプロピ
ル、シクロヘキシルなどの炭素数が3個以上、通常は3
〜21個のアルキル基が挙げられる。
【0013】このようなトリオルガノクロロシランにお
ける3個の有機基は、互いに同一の基であつても異なる
基であつてもよい。また、1個または2個が分岐状また
は環状のアルキル基以外の有機基となる場合があるが、
このような有機基としては、炭素数が1〜12個の直鎖
状のアルキル基、アリ―ル基または置換アリ―ル基が挙
げられる。置換アリ―ル基としては、ハロゲン、炭素数
が10個程度までのアルキル基、アシル基、ニトロ基ま
たはアミノ基などで置換されたアリ―ル基が挙げられ
る。
【0014】ロの工程の反応方法としては、イの工程で
生成した不飽和カルボン酸のアミン塩の溶液に、60℃
以下、通常は−80〜60℃にて攪拌しながら、上記の
トリオルガノクロロシラン1〜5当量を反応させて、不
飽和カルボン酸のシリルエステル化物(不飽和カルボン
酸がモノカルボン酸であればモノシリルエステル化物、
ジカルボン酸であればジシリルエステル化物)を主成分
とする反応生成物を得る。このとき、アミン塩酸塩結晶
の析出が観察される。
【0015】なお、上記イ,ロの反応工程に代えて、不
飽和カルボン酸に対し、まずトリオルガノクロロシラン
を加え、ついでこれに三級アミンを加えて反応させると
いつた方法などによつても、上記同様の不飽和カルボン
酸のシリルエステル化物を主成分とする反応生成物を得
ることができる。
【0016】このようにして得られる反応生成物は、つ
いで精製工程に供される。本発明では、この精製工程
に、水洗工程を加えたことを特徴としており、これはモ
ノクロロシランとして前記特定のトリオルガノクロロシ
ラン、つまり3個の有機基のうちの少なくともひとつが
分岐状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロ
ロシランを用いたことにより、主生成物であるシリルエ
ステル化物の耐加水分解性が向上したことに基づくもの
である。
【0017】このような精製工程の手順としては、室温
にてまずアミン塩酸塩結晶をろ別したのち、適当な中和
剤溶液で中和し、つづいて水洗する。さらに適当な脱水
剤を加えて一夜放置し、微量の水分を除去する。脱水剤
をろ別したのち、溶剤を留去してから最後に減圧蒸留、
またはアルミナカラムにて精製して、目的とする不飽和
カルボン酸のシリルエステル化物からなる重合性モノマ
―を得る。
【0018】上記の精製工程で使用する中和剤として
は、炭酸水素ナトリウムやほう酸が挙げられ、たとえば
1規定の水溶液として用いられる。また、水洗工程で使
用する水としては、蒸留水、イオン交換水または上水道
水が使用可能である。さらに、水洗後に用いる脱水剤と
しては、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、
シリカゲル、モレキユラ―シ―ブスなどが挙げられる。
【0019】このようにして精製される不飽和カルボン
酸のシリルエステル化物は、通常80重量%以上、好ま
しくは90重量%以上の高収率で得られ、その純度(ガ
スクロマトグラフイ―による)も通常93重量%以上、
好ましくは95重量%以上という高い値を示す。なお、
上記シリルエステル化物であることの確認は、核磁気共
鳴スペクトル(NMR)またはこれと赤外線吸収スペク
トル(IR)により、容易に行える。
【0020】本発明の方法にて得られる不飽和カルボン
酸のシリルエステル化物は、重合性モノマ―として既知
のラジカル重合法などの任意の方法で高分子ポリマ―と
され、主鎖中にシリル基を有するものとして、加水分解
性プラスチツク、水中防汚被覆剤、医療用高分子材料な
どの用途に幅広く利用することができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、目的と
する不飽和カルボン酸のシリルエステル化物を主成分と
して含む反応生成物を水洗することが可能で、この水洗
によつて副生成物を効率よく除去できるため、上記シリ
ルエステル化物からなる重合性モノマ―を高い収率でか
つ高い純度で得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。
【0023】実施例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中にイソ
アミルマレイン酸モノエステル1モルを加え、30℃で
攪拌しながら、トリエチルアミン1モルを2時間かけて
滴下した。滴下部は一時黄色を呈するが、攪拌すること
により無色透明の液体となつた。
【0024】つぎに、この液体を20〜30℃に保ちな
がら、継続して攪拌し、トリイソプロピルクロロシラン
1.1モルを50分かけて滴下した。滴下直後からトリ
エチルアミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了
後、常温にてさらに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗
溶液を得た。
【0025】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つ
づいて、ろ液を分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナ
トリウム水溶液各300mlにて2回洗浄後、さらにイオ
ン交換水各300mlにて3回洗浄を行つた。
【0026】このろ液に脱水剤として無水硫酸マグネシ
ウム150gを加え、1夜放置して水分を除去した。そ
の後、ガラスフイルタ―にて脱水剤をろ別し、ロ―タリ
―エバポレ―タ―にて反応生成物溶液からトルエンを留
去したのち、減圧蒸留に供した。圧力1.5mmHgにて1
55〜157℃までを本留として取り出した。
【0027】このようにして得られた重合性モノマ―
は、その収率が96.5重量%、純度が99.4重量%
であつた。純度は、ガスクロマトグラフイ―により、下
記の条件にて測定した。 機種:HP社 5890 SERIES II カラム:G−100(化学品検査協会製) カラム温度:230℃(固定) インジエクシヨン・デイジエクシヨン温度:250℃ 流量:19.8ml/分 リテンシヨンタイム:30分
【0028】なお、上記の実施例1で得た重合性モノマ
―が、イソアミルマレイン酸モノエステルのシリルエス
テル化物であることについては、NMRにより、 1H−
NMR特性吸収:δ(ppm )を調べることによつて、確
認した。
【0029】表1に上記の特性吸収を、図1にそのNM
Rスペクトルを、それぞれ示す。図2は図1の特性吸収
の一部を拡大して示したものである。NMRの測定条件
としては、CDCl3 溶液中、内部標準CHCl3 (δ
=7.27)である。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、ベンゼン2リツトルを入れ、その中にメタ
クリル酸1モル(重合禁止剤としてヒドロキノンを20
0ppm含む)を加え、冷却装置にて0〜5℃にし、攪
拌しながら、トリメチルアミン1.1モルを2時間かけ
て滴下した。滴下部は一時黄色を呈するが、攪拌するこ
とにより無色透明の液体となつた。
【0032】つぎに、この液体を10〜15℃に保ちな
がら、継続して攪拌し、トリイソプロピルクロロシラン
1.2モルを20分かけて滴下した。滴下直後からトリ
メチルアミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了
後、常温にてさらに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗
溶液を得た。
【0033】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つ
づいて、ろ液を分液ロ―トを用いて、1Nのホウ酸水溶
液300mlにて1回洗浄後、さらにイオン交換水各30
0mlにて3回洗浄を行つた。
【0034】このろ液に脱水剤としての無水硫酸マグネ
シウム150gおよびヒドロキノン0.2gを加え、1
夜放置して水分を除去した。その後、ガラスフイルタ―
にて脱水剤をろ別し、ロ―タリ―エバポレ―タ―、つづ
いて真空ポンプにて、反応生成物溶液からベンゼンを完
全に留去したのち、アルミナカラムにて精製した。
【0035】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ、
収率は95.5重量%、純度は99.2重量%であつ
た。なお、この重合性モノマ―が、メタクリル酸のシリ
ルエステル化物であることについては、前記の実施例1
の場合と同様にして、NMRにより確認同定した。表2
にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例3 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中にメタ
クリル酸1モル(重合禁止剤としてヒドロキノンを20
0ppm含む)を加え、冷却装置にて0〜5℃にし、攪
拌しながら、イミダゾ―ル1.5モルをトルエン0.5
リツトルに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。滴下
部は一時黄色を呈するが、攪拌することにより無色透明
の液体となつた。
【0038】つぎに、この液体を0〜5℃に保ちなが
ら、継続して攪拌し、t−ブチルジメチルクロロシラン
1.1モルを40分かけて滴下した。滴下直後からイミ
ダゾ―ルの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常
温にてさらに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗溶液を
得た。
【0039】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つ
づいて、ろ液を蒸留水各1リツトルにて5回洗浄後、こ
の洗浄されたトルエン溶液を分液ロ―トにより分別し
た。
【0040】この溶液にシリカゲル150gおよびヒド
ロキノン0.2gを加え、1夜放置して水分を除去し
た。その後、ガラスフイルタ―にて脱水剤として加えた
シリカゲルをろ別し、ロ―タリ―エバポレ―タ―、つづ
いて真空ポンプにて、反応生成物溶液からトルエンを完
全に留去したのち、アルミナカラムにて精製した。
【0041】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ、
収率は96.1重量%、純度は99.0重量%であつ
た。なお、この重合性モノマ―が、メタクリル酸のシリ
ルエステル化物であることについては、前記の実施例1
の場合と同様にして、NMRにより確認同定した。表3
にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示す。
【0042】
【表3】
【0043】実施例4 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、ジオキサン2リツトルを入れ、その中にマ
レイン酸1モルを加え、冷却装置にて45℃にし、攪拌
しながら、トリエチルアミン2.1モルを1時間かけて
滴下した。滴下部は一時黄色を呈するが、攪拌すること
により無色透明の液体となつた。
【0044】つぎに、この液体を50℃に保ちながら、
継続して攪拌し、トリイソプロピルクロロシラン2.0
モルを40分かけて滴下した。滴下直後からトリエチル
アミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常温
にてさらに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗溶液を得
た。
【0045】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。そ
の後、ろ液中にトルエン2リツトルを加え、攪拌後、蒸
留水各1リツトルにて15回洗浄して、副生成塩および
ほとんどのジオキサンを除去した。この水洗浄されたト
ルエン溶液を分液ロ―トにより分別した。
【0046】この溶液に脱水剤としてモレキユラ―シ―
ブス150gを加え、1夜放置して水分を除去した。そ
の後、ガラスフイルタ―にて脱水剤をろ別し、ロ―タリ
―エバポレ―タ―、つづいて真空ポンプにて、上記溶液
からトルエンおよび一部残つていたジオキサンを完全に
留去したのち、アルミナカラムにて精製した。
【0047】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ、
収率は96.1重量%、純度は99.2重量%であつ
た。なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸のジシリ
ルエステル化物であることについては、前記の実施例1
の場合と同様にして、NMRにより確認同定した。表4
にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示す。
【0048】
【表4】
【0049】実施例5 攪拌機および加温冷却装置付きの5リツトルの4つ口フ
ラスコにトルエン2リツトルを入れ、その中にイソアミ
ルマレイン酸モノエステル1モルを加え、20℃にて溶
解させたのち、トリイソプロピルクロロシラン1モルを
30分かけて滴下した。その後、冷却装置にて反応液を
−30℃に冷却維持し、攪拌しながらトリエチルアミン
1モルを1時間かけて滴下した。滴下部は黄変するが、
攪拌することにより無色透明になつた。反応温度は−1
5℃以下を維持した。得られた透明液体を0℃以下に保
ちながら、継続して攪拌した。滴下直後からトリエチル
アミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常温
にてさらに2時間攪拌を続けた。
【0050】その後、ガラスフイルタ―にて吸引ろ過
し、ろ過残渣をトルエン0.5リツトルにて洗浄し、各
ろ液を得た。そのろ液を分液ロ―トを用いて1Nの炭酸
水素ナトリウム水溶液各300mlにて2回洗浄後、さら
にイオン交換水各300mlにて2回洗浄を行つた。この
洗浄液に無水硫酸マグネシウム150gを加え、1夜放
置して水分を除去した。
【0051】その後、ガラスフイルタ―にて脱水剤とし
て加えた無水硫酸マグネシウムを除去し、反応物のトル
エン溶液を得た。その溶液からロ―タリ―エバポレ―タ
―にてトルエンを留去した液を減圧蒸留に供した。圧力
1.5mmHgにて155〜157℃までを本留として取り
出した。
【0052】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を実施例1の場合と同様に測定した結
果、収率は95.6重量%、純度は99.2重量%であ
つた。なお、この重合性モノマ―がイソアミルマレイン
酸モノエステルのシリルエステル化物であることについ
ては、前記の実施例1の場合と同様にしてNMRにより
確認同定した。NMR特性吸収は実施例1とほとんど同
じであつた。
【0053】比較例1 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン2リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、溶解させたのち、さらにメチ
ルアルコ―ル1モルを加えた。その後、冷却装置にて0
〜5℃にし、攪拌しながら、トリエチルアミン1モルを
1時間かけて滴下した。滴下部は一時黄色を呈するが、
攪拌することにより無色透明の液体となつた。
【0054】つぎに、この液体を5〜10℃に保ちなが
ら、継続して攪拌し、トリメチルクロロシラン1モルを
30分かけて滴下した。滴下直後からトリエチルアミン
の塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常温にてさ
らに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗溶液を得た。
【0055】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。つ
づいて、ろ液を分液ロ―トを用いて、1Nの炭酸水素ナ
トリウム水溶液各300mlにて2回洗浄後、さらにイオ
ン交換水各300mlにて3回洗浄を行つた。
【0056】この洗浄液に脱水剤としての無水硫酸マグ
ネシウム150gを加え、1夜放置して水分を除去し
た。その後、ガラスフイルタ―にて脱水剤をろ別し、ロ
―タリ―エバポレ―タ―にて、反応生成物溶液からトル
エンを留去したのち、減圧蒸留に供した。圧力2.5mm
Hgにて57〜58℃までを本留として取り出した。
【0057】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ、
収率は56.3重量%、純度が91.5重量%であつ
た。なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸モノエス
テルのシリルエステル化物であることについては、前記
の実施例1の場合と同様にして、NMRにより確認同定
した。表5にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示
す。
【0058】
【表5】
【0059】比較例2 攪拌機および加温冷却装置を付けた5リツトルの4つ口
フラスコに、トルエン1リツトルを入れ、その中に無水
マレイン酸1モルを加え、溶解させたのち、さらにメチ
ルアルコ―ル1モルを加えた。その後、冷却装置にて0
〜5℃にし、攪拌しながら、トリエチルアミン1モルを
1時間かけて滴下した。滴下部は一時黄色を呈するが、
攪拌することにより無色透明の液体となつた。
【0060】つぎに、この液体を5〜10℃に保ちなが
ら、継続して攪拌し、t−ブチルジメチルクロロシラン
1モルを15分かけて滴下した。滴下直後からトリエチ
ルアミンの塩酸塩の析出が観察された。滴下終了後、常
温にてさらに2時間攪拌を続け、反応生成物の粗溶液を
得た。
【0061】この反応生成物の粗溶液をガラスフイルタ
―にて吸引ろ過した。ろ過残渣をさらにトルエン0.5
リツトルにて洗浄し、この洗浄溶剤をろ液に加えた。こ
のろ液から、ロ―タリ―エバポレ―タ―にて、トルエン
を留去したのち、減圧蒸留に供した。圧力8.0mmHgに
て112〜115℃までを本留として取り出した。蒸留
物には、一部白色針状晶がみられた。
【0062】このようにして得られた重合性モノマ―の
収率および純度を、実施例1と同様に測定したところ、
収率は71.5重量%、純度は82.2重量%であつ
た。なお、この重合性モノマ―が、マレイン酸モノエス
テルのシリルエステル化物であることについては、前記
の実施例1の場合と同様にして、NMRにより確認同定
した。表6にこの重合性モノマ―のNMR特性吸収を示
す。
【0063】
【表6】
【0064】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜5においては、いずれも収率は95重量%以上であ
り、純度も99重量%以上のものが得られ、すぐれた方
法であることがわかる。
【0065】一方、比較例1では、使用したトリオルガ
ノクロロシランが直鎖状のアルキル基しか有していない
ために、水洗浄で主生成物の分解が起こつたものと考え
られ、収率が極端に低下した。
【0066】また、比較例2では、使用したトリオルガ
ノクロロシランは分岐状のアルキル基をひとつ有してい
るものの、水洗浄を行わなかつたため、蒸留物に副生成
物である白色針状晶が観察され、純度の低下がみられ
た。収率も結果として、実施例1〜5に比べて低いもの
となつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合性モノマ―の核磁気共
鳴スペクトルを示す特性図である。
【図2】図1の核磁気共鳴スペクトルの一部を拡大して
示す特性図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸に三級アミンとモノク
    ロロシランとを反応させて、不飽和カルボン酸のシリル
    エステル化物を主成分とする反応生成物を得たのち、こ
    れを精製して上記のシリルエステル化物からなる重合性
    モノマ―を製造する方法において、上記のモノクロロシ
    ランとして、3個の有機基のうちの少なくともひとつが
    分岐状または環状のアルキル基であるトリオルガノクロ
    ロシランを用いるとともに、反応生成物の精製工程中に
    水洗工程を付加したことを特徴とする重合性モノマ―の
    製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012512219A (ja) * 2008-12-16 2012-05-31 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア モノカルボン酸のシリル化法

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