JPH04335867A - 加工食品の脱臭剤およびその製造方法、ならびに、加工食品 - Google Patents

加工食品の脱臭剤およびその製造方法、ならびに、加工食品

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JPH04335867A
JPH04335867A JP3106139A JP10613991A JPH04335867A JP H04335867 A JPH04335867 A JP H04335867A JP 3106139 A JP3106139 A JP 3106139A JP 10613991 A JP10613991 A JP 10613991A JP H04335867 A JPH04335867 A JP H04335867A
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deodorizing
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deodorizing agent
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Takeshi Sakima
崎間 武
Tadao Kawamura
川村 忠男
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加工食品の脱臭剤お
よびその製造方法ならびに加工食品に関し、詳しくは、
大豆蛋白質などを原料とする加工食品において、原料特
有の臭みなど、食品として好ましくない臭いを除去する
ために加工食品に添加して用いられる脱臭剤と、この脱
臭剤の製造方法、ならびに、この脱臭剤を用いた加工食
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、栄養が豊富で経済的に大量生産で
きる蛋白源として大豆蛋白質が注目されており、従来、
魚肉や畜肉が用いられていたソーセージやハム、水産練
製品、あるいはハンバーグやギョウザ、シュウマイなど
の加工食品に広く利用されようとしている。
【0003】しかし、大豆蛋白質は、原料となる大豆特
有の青臭さがあるため、製造された加工食品にも前記大
豆特有の臭いが残り、魚肉や畜肉を用いた加工食品に比
べて、品質が劣るとされていた。特に、高度な精製処理
などを行った比較的高価な良質の大豆蛋白質では、それ
ほど臭いが残らないが、経済性の点から広く使用されて
いる一般的な大豆蛋白質を使用すると、大豆臭が非常に
強く、商品価値を大きく損なっていた。また、良質の大
豆蛋白質を使用したとしても、ソーセージ等の加工食品
では、わずかな臭いの発生でも嫌われるので、量的に多
く使用することが出来なかった。
【0004】そのため、大豆蛋白質を用いた加工食品に
添加して、大豆蛋白質の臭いを消す脱臭剤の開発が必要
とされた。但し、加工食品に用いる脱臭剤としては、脱
臭効果が高いだけでなく、これを食したときに人体に悪
影響を生じない安全性の高いものが要求される。そのた
め、脱臭剤の原料としては、天然の材料を用いることが
好ましいとされている。
【0005】従来、加工食品に使用できる脱臭剤として
は、植物性のフラホノイド系抽出物やクロレラ抽出エキ
スなどがあり、また蛋白分解物系の脱臭剤としては、特
開昭60−5158号に開示されている技術がある。こ
の先行技術では、獣乳類、カゼイン、卵類、大豆、小麦
などの動植物性非硬質蛋白質系蛋白材料を原料として、
この原料を特定の微生物が生産したプロテアーゼを用い
て酵素加水分解し、得られた成分を脱臭剤の有効成分と
して使用している。そして、このようにして得られた脱
臭剤を、魚肉すり身や豆乳などに添加すると、これらの
原料特有の生臭みが除去されるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な、非硬質蛋白質材料を酵素加水分解して得られる脱臭
剤は、加工食品に添加したときに、脱臭作用と同時に、
原料由来の独特の風味やある種の呈味作用が生じる。こ
の呈味作用が、加工食品に求められる味を改善する方向
に作用する場合には、何ら問題はないのであるが、加工
食品本来の味とは異なる方向に作用すると、加工食品の
味を損なってしまう。前記先行技術公報では、脱臭剤に
よる呈味作用が、加工食品のコクや風味を向上させると
しているが、加工食品によって様々に異なる特有の味を
要求される現状では、脱臭剤による呈味作用が常に好ま
しい方向に作用することはあり得ない。
【0007】加工食品では、食品材料の持つ味と、そこ
に加える調味料の複合的な呈味作用により、それぞれの
加工食品にとって好ましい独特の味を発現させるのであ
るから、これらの材料とは全く異質な脱臭剤による呈味
作用が余分に付け加わると、却って味が悪くなる場合が
多い。また、脱臭剤による呈味作用と調味料による呈味
作用が重なると、くどい味になったり、目的とする味と
全く別の味になってしまう可能性が高い。
【0008】また、非硬質蛋白材料を用いた脱臭剤では
、加工食品に添加して、加熱調理や各種の処理を行った
ときに、脱臭剤自体の発生する臭いが問題となる場合が
ある。例えば、非硬質蛋白質材料として卵類を用いた場
合には、加工食品の材料である大豆臭は除去できても、
脱臭剤から原料である卵特有の硫黄臭が発生し、却って
加工食品の臭いを悪くしてしまうという欠点がある。特
に、加工食品として、レトルト包装により流通供給され
る食品など、密封状態で保管したり調理したりする加工
食品の場合には、脱臭剤から発生する臭いが食品内にこ
もってしまい、加工食品の商品価値を大きく減少させる
ことになる。
【0009】さらに、酵素による蛋白質材料の加水分解
は分解効率が悪いため、脱臭剤の生産能率が低く、製造
コストが高くつくという欠点がある。前記従来技術では
、このような酵素による加水分解の効率を向上させるた
めもあって、分解し易い非硬質蛋白質材料を用いている
のであるが、それでも、十分な生産効率は得られていな
い。また、酵素分解は、周囲の環境条件によって酵素の
活性あるいは分解作用が微妙に変化するため、環境条件
の設定など、処理操作が難しく、安定した製品を得難い
という問題もある。
【0010】上記のような問題は、大豆蛋白質を用いた
加工食品に顕著であるが、魚肉や畜肉などを用いた加工
食品においても、同様の問題が生じていた。そこで、こ
の発明の課題は、大豆蛋白質などからなる加工食品に添
加する脱臭剤として、脱臭作用に優れているとともに、
脱臭剤自体には呈味作用や臭いの発生がなく、しかも、
生産効率の高い脱臭剤を提供することにある。また、こ
のような脱臭剤を製造する方法を提供することにある。 さらに、このような脱臭剤を添加した、臭いがなく味の
良い加工食品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる脱臭剤は、硬蛋白質材料を分解率20〜
90%に酸加水分解処理してなる成分を有効成分とする
。硬蛋白質材料とは、畜獣の骨や皮など、動物組織に存
在して、それ自身は活発な生理作用をもたず、骨格構造
あるいは他の組織の保護的な役割を果たしている部分か
らなる蛋白質材料であり、動物の乳や卵、あるいは植物
の果実などに含まれる、いわゆる非硬質蛋白質材料は含
まれない。硬蛋白質材料は、一般に不溶性であるが、酸
やアルカリには溶解する。具体的には、コラーゲンやゼ
ラチン、エラスチンなどが挙げられる。硬蛋白質材料の
なかにも、脱臭効果および呈味作用などの特性に違いが
あり、脱臭効果が高く、しかも、呈味作用の少ないもの
として、ゼラチンおよびエラスチンが好ましいものであ
り、これらに比べてケラチンなどは上記性能が劣ってい
る。
【0012】硬蛋白質材料を分解するには、酸加水分解
処理を適用する。酸加水分解処理とは、主として塩酸を
使用し、高温で加熱して加水分解する方法であり、これ
によって、硬蛋白質材料を分解処理することである。分
解された硬蛋白質材料を含む溶液を、アルカリでpH調
整することによって、脱臭剤が得られる。酸加水分解処
理の処理条件は、硬蛋白質材料の種類や脱臭剤の使用目
的によって適宜設定されるが、通常、加熱温度は80〜
120℃、処理時間は1〜24時間程度で行うのが好ま
しく、さらに望ましくは、加熱温度100〜120℃、
処理時間2〜12時間で実施する。
【0013】酸加水分解処理によって得られた硬蛋白質
材料の分解率が、20〜90%の範囲になるように分解
処理を行う。また、より好ましくは、分解率を40〜5
0%に設定する。分解率の測定および算出方法には様々
な方法があり、それぞれの方法によって数値が異なる場
合がある。そのため、この発明においては、下記の算出
式に基づいて測定および算出された値を基準とする。
【0014】   分解率(%)=(分解処理物のホルモール態窒素量
                  /蛋白質材料の
完全加水分解物のホルモール態窒素量)       
                         
                         
 ×100…(1)   酸加水分解処理の酸濃度およ
び加熱温度、加熱時間などを調整することによって、上
記分解率を変更することができる。分解率が低すぎると
脱臭効果がなくなり、分解率が高くなり過ぎると、呈味
作用や分解臭が発生するので、前記したような分解率の
範囲設定が有効となる。
【0015】硬蛋白質材料を酸加水分解して得られた脱
臭剤は、そのまま加工食品に添加して使用することもで
きるし、従来の脱臭剤あるいは加工食品用添加剤と同様
の各種処理工程を経て、脱臭剤製品が製造される場合も
ある。この発明にかかる脱臭剤を添加して使用する加工
食品としては、豆乳や大豆ハンハーグ、ソーセージなど
、材料として大豆蛋白質を含む各種の加工食品に好まし
く適用される。しかし、この発明にかかる脱臭剤は、大
豆蛋白質の他に、魚肉や畜肉その他、加工食品に含まれ
る各種の好ましくない臭いを除去するためにも有効であ
る。加工食品の配合材料や調理方法などは、通常の加工
食品と同様でよい。
【0016】加工食品への脱臭剤の添加量は、多いほど
脱臭効果が高くなるが、あまり多過ぎると、呈味作用な
どの悪影響が生じる場合がある。したがって、加工食品
の種類によっても異なるが、通常、脱臭剤の添加量は約
0.05〜3.0%程度にしておくのが好ましい。
【0017】
【作用】卵などの非硬質蛋白質材料からは、酵素分解に
よって脱臭剤が得られるが、ゼラチンなどの硬蛋白質材
料は、酵素分解では分解は困難で、有効な脱臭成分を得
ることは難しい。しかし、硬蛋白質材料に酸加水分解処
理を施すと、極めて容易に効率良く分解されるとともに
、得られた加水分解物は、大豆蛋白質などの臭いを消す
作用を有する。この脱臭作用は、基本的には、従来の非
硬質蛋白質材料から得られた脱臭剤と同様のメカニズム
によるものと考えられる。
【0018】また、従来の非硬質蛋白質材料を加水分解
して得られた脱臭剤では、脱臭作用と同時に、脱臭剤自
体の臭いが発生したり、呈味作用を示すことになるが、
硬蛋白質材料を酸加水分解して得られた脱臭剤では、臭
いや呈味作用の発生がない。これは、硬蛋白質材料と非
硬質蛋白質材料とでは、加水分解により得られるアミノ
酸組成の違いによるものと考えられる。例えば、ゼラチ
ンのような硬蛋白質材料では、卵白のような非硬質蛋白
質材料に比べて、メチオニン(Met)、システィン(
Cys)などの含硫アミノ酸の含有量が非常に少なくな
っており、非硬質蛋白質材料ではこれらのアミノ酸が呈
味作用や臭いの発生を引き起こす一因になっているもの
と考えられる。
【0019】さらに、この発明にかかる脱臭剤は、加工
食品に対して、ゲル強度を増強させる作用もある。これ
は、加工食品に含まれる蛋白質材料と脱臭剤とが反応し
て結び付くことによるものと考えられる。
【0020】
【実施例】
−硬蛋白質材料の酵素加水分解− 従来、脱臭剤の製造方法として採用されていた酵素加水
分解が、硬蛋白質材料にも適用できるか否かを検討した
。硬蛋白質材料としては、ゼラチンを用いた。酵素とし
て、A〜Cの3種の市販プロテアーゼを用いて、試料を
加水分解させた。試験条件は以下の通りであった。
【0021】試料濃度:5% 酵素添加量:対試料0.5〜2%(力価により調整)反
応条件:温度50℃、24時間 比較のために、従来、脱臭剤の材料として使用されてい
た非硬蛋白質材料として、脱脂大豆、乳カゼイン、卵白
アルブミン、小麦グルテンを用いて、同様の試験を行っ
た。
【0022】何れの試料についても、分解率は約24時
間で最大値を示した。試験結果を表1に示している。           表1.酵素加水分解による蛋白質
分解度(%)  ─────────────────
───────────              
                酵素A    酵素
B    酵素C  ───────────────
─────────────  実施例1    ゼラ
チン          5.0    4.2   
 2.3  比較例1.1   脱脂大豆      
  23.5  22.0  27.2  比較例1.
2   乳カゼイン      44.4  36.0
  31.4  比較例1.3   卵白アルブミン 
 24.5  19.5  13.1  比較例1.4
   小麦グルテン    13.0  20.0  
15.2  ───────────────────
─────────上記試験結果をみれば、非硬質蛋白
質材料である各比較例に比べて、硬蛋白質材料であるゼ
ラチン(実施例1)は、酵素加水分解による分解率が格
段に低いことが判る。したがって、酵素加水分解を利用
する方法では、硬蛋白質材料から脱臭剤を製造すること
は困難である。
【0023】−酸加水分解による脱臭剤の製造−硬蛋白
質材料としてゼラチンを用い、酸加水分解により種々の
分解率に分解して脱臭剤を製造した。具体的には、ゼラ
チン200重量部、1.2N〜6.8N塩酸溶液700
重量部、活性炭40重量部を混合し、105℃で2〜1
2時間加熱して加水分解処理を行った。得られた分解液
は、けい藻土濾過し、これを全窒素含量7%になるよう
に濃縮中和処理して、脱臭剤を得た。
【0024】得られた脱臭剤を1〜7%の濃度に調整し
て、大豆蛋白質の10%溶液に添加し、よく攪拌混合し
たのち缶容器に充填密封し、120℃で10分間レトル
ト殺菌した。このようにして得られた試験品について、
脱臭効果および呈味性を、15名のパネラーにより、脱
臭剤を全く添加しないものと比較して官能評価した。表
2に試験結果を示している。
【0025】表中、脱臭効果および呈味性の評価基準は
下記のとおりである。 脱臭効果:◎…良好、○…有り、×…無し呈味性:±…
感じない、+…感じる(+の数により呈味性の強さを示
す) 分解率は、前記した定義に従って測定算出した。           表2.  脱臭効果および呈味作
用の官能試験結果  ───────────────
──────────────────       
                 脱  臭  剤 
 添  加  量  %  分解率      1  
        2          3     
     5          7      % 
 脱臭  呈味  脱臭  呈味  脱臭  呈味  
脱臭  呈味  脱臭  呈味  ─────────
──────────────────────── 
 100    ×    ++    ○   ++
+    ○   +++    ◎   +++  
  ◎   +++    90    ×    ±
    ○    ±    ○    +    ◎
    ++    ◎   +++    71  
  ×    ±    ○    ±    ○  
  ±    ◎    ±    ◎    ++ 
   50    ×    ±    ○    ±
    ◎    ±    ◎    ±    ◎
    ±    39    ×    ±    
○    ±    ○    ±    ◎    
±    ◎    ±    29    ×   
 ±    ×    ±    ×    ±   
 ○    ±    ○    ±      8 
   ×    ±    ×    ±    × 
   ±    ×    ±    ×    ± 
 ────────────────────────
─────────上記試験の結果、分解率が高くなる
と、脱臭効果が高まると同時に呈味性が強くなることが
判る。また、食品に対する添加量が増えると、脱臭効果
および呈味性が強くなることも判る。このことから、分
解率20〜90%の範囲であれば、脱臭効果に優れると
同時に呈味性のない脱臭剤が得られることが実証された
【0026】−各種蛋白分解物の性能比較−蛋白質材料
として、硬蛋白質であるゼラチン以外に、非硬質蛋白質
である大豆蛋白質、卵白蛋白質、カゼインを用いて、前
項と同様の酸加水分解による製造方法で、分解率約50
%、総窒素量7%に調整して、それぞれ脱臭剤を製造し
た。得られた脱臭剤を、前記同様に、10%大豆蛋白質
溶液に添加し、缶詰密封後120℃で10分間レトルト
加熱処理した後、風味の比較試験を行った。 なお、脱臭剤の使用量は何れも2%であった。表3に試
験結果を示している。               表3.各種蛋白質材料か
らなる脱臭剤の性能比較  ────────────
──────────────────────   
           蛋白質材料    分解率% 
   脱臭効果    呈味性その他        
  ───────────────────────
───────────  実施例3    ゼラチン
        50          ◎    
  ±  異味異臭のない、            
                         
                 大豆の旨さのある
味  比較例3.1   大豆蛋白質      48
          ○      ++  醤油様の
呈味  比較例3.2   卵白蛋白質      5
0          ○      +++ 硫黄臭
様の異臭  比較例3.3   カゼイン      
  51          ○      ++  
呈味と苦み  ──────────────────
────────────────−脱臭剤によるゲル
強度の増強作用− この発明にかかる脱臭剤には、蛋白質材料に対するゲル
強度の増強作用があることを確かめた。前記実施例と同
様の工程で、ゼラチンを酸加水分解して分解率50%の
脱臭剤を製造した。大豆蛋白質の10%溶液に、脱臭剤
(総窒素量7%)を1〜5%添加し、前記実施例と同様
の工程で、試験品を製造した。なお、比較のために、脱
臭剤を全く添加しない試験品を製造した。各試験品は、
放冷した後、レオメータ(不動工業株式会社製、プラン
ジャー:10mmφ球形を使用)でゲル強度を測定した
。 表4に試験結果を示している。表中の数値は、脱臭剤を
添加しない場合に比べたときのゲル強度の増加値を示し
ている。             表4.  脱臭剤によるゲル
強度の増強作用  ────────────────
──────────────────       
                 実施例4.1  
 実施例4.2   実施例4.3   実施例4.4
   ──────────────────────
────────────  脱臭剤添加量     
 %        1          2   
       3          5  ゲル強度
増加値 g/cm         2       
   3        25        50 
 ────────────────────────
──────────上記試験の結果、この発明にかか
る脱臭剤は、食品のゲル強度を向上させる効果もあるこ
とが実証された。
【0027】−加工食品の製造および脱臭効果の確認−
〔豆  乳〕硬蛋白質材料としてゼラチンを用い、前記
実施例と同様の製造工程で製造された、分解率50%の
脱臭剤を使用した。豆乳500gに脱臭剤2.5g(0
.5%に相当)を添加して、よく攪拌混合したのち缶容
器に充填密封し、85℃で15分間レトルト殺菌した。 得られた豆乳製品の臭いを、前記同様に15名のパネラ
ーにより官能試験で評価した。比較のために、脱臭剤を
全く添加しない豆乳についても同様の試験を行った。表
5に試験結果を示している。   以上の結果、この発明にかかる脱臭剤が豆乳の原料
である大豆の青臭みを良好に除去できることが実証され
た。 〔大豆ハンバーグ〕上記実施例と同じ脱臭剤を使用した
。下記の配合からなる大豆ハンバーグを製造した。 <大豆ハンバーグ配合> 材  料        配合量g 粒大豆          60 粉大豆          35 玉葱          140 パン粉          30 水            210 卵白粉            6 砂糖              5 ラード          10 塩                4合計     
     500 このハンバーグ材料に、脱臭剤(分解率50%)を5g
添加したもの(実施例6)と添加しないもの(比較例6
)を、下記の調理方法で調理した。
【0028】大豆ハンバーグ調理法:■  粒大豆に水
210ccを加え、ふやかしておく。■  玉葱をみじ
ん切りにし、サラダ油少々を熱して、玉葱を軽く炒めて
冷ましておく。■  ■■の材料を合わせ、パン粉、粉
大豆、卵白粉を少しづつ加えながら混ぜる。
【0029】■  100g大の小判型に丸め、フライ
パンで焼く。出来上がったハンバーグの臭いを、前記同
様の官能試験で評価した。表6にその結果を示している
。   以上の結果、この発明にかかる脱臭剤が、大豆ハン
バーグの製造にも有効であることが実証された。
【0030】〔ソーセージ〕上記実施例と同じ脱臭剤を
使用した。下記の配合からなるソーセージを製造した。 <ソーセージの配合> 材      料                 
 配合量g豚肉(豚脂を含む)          7
00水(氷水)                  
200馬鈴薯澱粉                 
   35食塩                  
        15トリポリリン酸Na      
    0.5アスコルビン酸Na         
 0.5ソルビン酸カリウム            
  3亜硝酸Na                 
 0.1ニッタージュHAP−E          
3砂糖                      
    15グルタミン酸ナトリウム      2.
5大豆蛋白質                   
 60水(蛋白質膨潤用)            9
0合計                      
  1124.6表中、ニッタージュHAP−Eは、新
田ゼラチン(株)製調味料である。
【0031】脱臭剤として、ゼラチンを1.4N塩酸を
用いて105℃で2時間加水分解して、得られた分解率
40%の脱臭剤を用いた。この脱臭剤を6g添加したも
の(実施例7)と添加しないもの(比較例7)について
、常法によりソーセージを製造し、その臭いおよび食感
を、前記同様の官能試験で評価した。食感は、ソーセー
ジの歯ごたえを、比較例と比べて評価した。表7に試験
結果を示している。   以上の結果、この発明にかかる脱臭剤が、ソーセー
ジの製造にも有効であることが実証された。特に、ゲル
強度の増強作用により、ソーセージの食感を改善する効
果があることも実証された。
【0032】〔焼肉風佃煮〕前記実施例と同様の脱臭剤
(分解率50%)を使用した。下記の配合からなる焼肉
風佃煮を製造した。 <焼肉風佃煮の配合> 材      料                 
         配合量g繊維状大豆蛋白質    
                32.0湯  水 
                         
    60.0a  濃口醤油          
              15.0b  料理酒 
                         
12.0c  砂糖                
            12.0d  おろし生姜 
                       0.
2e  ニッタージュ  ビーフE−101    0
.8f  MSG                 
           0.1ニッタージュ  ビーフ
S.O−102    4.0牛脂         
                         
4.0合計                    
              500表中、繊維状大豆
蛋白質としては、フジニックPT−FL(商品名)を用
いた。また、ニッタージュビーフE−101は新田ゼラ
チン(株)製ビーフエキス、ニータージュビーフS.O
−102は新田ゼラチン(株)製シーズニングオイルで
ある。
【0033】上記配合に加え、脱臭剤を加えたもの(実
施例8)と脱臭剤を加えないもの(比較例8)について
、それぞれ焼肉風佃煮を製造した。焼肉風佃煮の調理方
法:■  乾燥した大豆蛋白質に湯を加えて10分程度
湯戻しした後、よく水切りしておく。
【0034】■  a〜gの調味料を混合して、■の大
豆蛋白質に浸して煮込み、弱火で焦がさないように汁気
を除く。■  フライパンに牛脂およびシーズニングオ
イルをひいて、焼き上げる。出来上がった焼肉風佃煮の
臭いを、前記同様の官能試験で評価した。表8にその結
果を示している。       表8.  焼肉風佃煮の官能試験結果  
──────────────────────   
                         
実施例8  比較例8  ─────────────
─────────  大豆臭いを感じない     
       10        0      〃
    わずかに感じる        5     
   0      〃    非常に感じる    
      0      15  ────────
──────────────以上の結果、この発明に
かかる脱臭剤が、焼肉風佃煮の製造にも有効であること
が実証された。 〔すり身だんご(天ぷら)〕前記実施例と同様の脱臭剤
(分解率50%)を使用した。下記の配合からなる、す
り身だんごの天ぷらを製造した。
【0035】<すみ身だんごの配合> 材      料      配合量gすり身(C級)
    2000 食塩                  60砂糖 
                 60馬鈴薯澱粉 
         150氷水           
     400合計              2
670この天ぷら材料に、前記脱臭剤を2.7g添加し
たもの(実施例9)と、添加しないもの(比較例9)を
、下記手順で調理した。
【0036】すり身だんご(天ぷら)の調理方法:すり
身をステファンカッターで粗粉砕し、さらに食塩を加え
て塩ずりを行った。つづいて、砂糖、澱粉、氷水、調味
料を添加して、本ずりを行い、だんご状に成型したあと
、天ぷら油を用いて、190℃で10分間揚げた。得ら
れた、すり身だんご(天ぷら)を、前記同様の官能試験
で評価した。表9に試験結果を示している。       表9.  すり身だんご(天ぷら)の官能
試験結果  ───────────────────
─────────                
                      実施例
9    比較例9  ──────────────
──────────────  すり身の魚臭さを感
じない                8     
     0        〃        わず
かに感じる          7         
 0        〃        非常に強く感
じる        0        15  ──
─────────────────────────
─上記試験の結果から、この発明にかかる脱臭剤は、魚
肉製品の脱臭にも有効であることが実証された。
【0037】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる脱臭剤
は、硬蛋白質材料を酸加水分解で分解率20〜90%に
分解して得られたものであり、従来の非硬質蛋白質材料
からなる脱臭剤に比べて、脱臭効果については十分に機
能を発揮できると同時に、余計な呈味作用を示さない。
【0038】その結果、加工食品に含まれる大豆蛋白質
などの嫌な臭いを良好に除去できるとともに、加工食品
の風味を損なうことが無くなり、加工食品の脱臭剤とし
て極めて好ましいものとなる。従来、安価ではあるが臭
いや味の点で劣るとされていた大豆蛋白質や、臭いが強
いために加工食品に利用し難かった品種や部位の魚肉、
畜肉などを用いて、安定した品質の加工食品を経済的に
大量生産することが可能になる。
【0039】酸加水分解処理による硬蛋白質材料の分解
は、従来の酵素分解に比べて、格段に迅速に行えるとと
もに、酵素分解のように厳密な環境条件の調整は不要で
あるので、脱臭剤の製造工程が簡略化され生産能率が大
幅に向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  硬蛋白質材料を分解率20〜90%に
    酸加水分解処理してなる成分を有効成分とする脱臭剤。
  2. 【請求項2】  硬蛋白質材料を、酸で分解率20〜9
    0%に加水分解して脱臭有効成分を得る脱臭剤の製造方
    法。
  3. 【請求項3】  請求項1記載の脱臭剤が添加された加
    工食品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005336067A (ja) * 2004-05-25 2005-12-08 Pharma Foods International Co Ltd 呈味改善ペプチド及びその製造方法
JP2007045722A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Kyushu Institute Of Technology 水溶性エラスチンとそれを含む食品及び医薬

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