JPH04332403A - 耐熱性絶縁電線とその製造方法、および耐熱性絶縁材料の製造方法 - Google Patents

耐熱性絶縁電線とその製造方法、および耐熱性絶縁材料の製造方法

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JPH04332403A
JPH04332403A JP3131805A JP13180591A JPH04332403A JP H04332403 A JPH04332403 A JP H04332403A JP 3131805 A JP3131805 A JP 3131805A JP 13180591 A JP13180591 A JP 13180591A JP H04332403 A JPH04332403 A JP H04332403A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性絶縁電線とその製
造方法、および耐熱性絶縁材料の製造方法に関する。特
に400℃以上の高温での連続使用に耐える耐熱性絶縁
電線とその製造方法、および耐熱性絶縁材料の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性絶縁材料として、ポリイミド、ポ
リアミドイミド等の有機ポリマーが用いられている。こ
れらの耐熱性有機ポリマーの最高使用温度は250℃程
度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリイミド、
ポリアミドイミド等は400℃以上では分解し、400
℃以上の耐熱性が要求される用途、例えば、高速増殖炉
による原子力発電、燃料電池、地熱発電等には使用でき
ない。
【0005】本発明の目的は、400℃以上の高温での
連続使用に耐える耐熱性絶縁材料の製造方法を実現する
ことにある。
【0006】また本発明の目的は、400℃以上の高温
での連続使用に耐える耐熱性絶縁電線およびその製造方
法を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、400℃以
上の高温での連続使用に耐える耐熱性絶縁材料の製造方
法を実現するため、ポリカルボシラン、ポリチタノカル
ボシラン、ポリシラザンから選ばれる珪素樹脂100重
量部と、無機質充填剤10〜600重量部から成る組成
物を、アンモニアまたはアンモニアと不活性ガスとの混
合気体中で、窒化珪素を生成するに充分な温度で焼成す
ることにより、絶縁材料を製造する。
【0008】本発明では、400℃以上の高温での連続
使用に耐える絶縁電線を実現するため、導体の外周を被
覆する絶縁体を、ポリカルボシラン、ポリチタノカルボ
シラン、ポリシラザンから選ばれる珪素樹脂100重量
部と、無機質充填剤10〜600重量部から成る組成物
で被覆し、アンモニアまたはアンモニアと不活性ガスと
の混合気体の気流中で、窒化珪素を生成するに充分な温
度で焼成することにより形成されたセラミックで構成す
る。
【0009】本発明では、400℃以上の高温での連続
使用に耐える絶縁電線の製造方法を実現するため、導体
の外周を、ポリカルボシラン、ポリチタノカルボシラン
、ポリシラザンから選ばれる珪素樹脂100重量部と、
無機質充填剤10〜600重量部から成る組成物で被覆
し、アンモニアまたはアンモニアと不活性ガスとの混合
気体の気流中で、窒化珪素を生成するに充分な温度で焼
成することにより製造する。
【0010】ポリカルボシランは、下記のような構造を
有するポリマーである。
【化1】 式中R11,R12は、同じでも異なってもよく、それ
ぞれ水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は炭
素原子数1ないし4のものが好ましく、例えばメチル基
である。mは正の整数である。
【0011】ポリチタノカルボシランは、下記のような
構造を有するポリマーである。
【化2】 式中、R1 ,R2 ,R3 は、同じでも異なっても
よく、それぞれアルキル基を表す。アルキル基は炭素原
子数1から4までのものが好ましく、例えばメチル基で
ある。 nは正の整数である。
【0012】ポリシラザンは、下記のような構造を有す
るポリマーである。
【化3】 式中R21,R22は、同じでも異なってもよく、それ
ぞれ水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は炭
素原子数1ないし4のものが好ましく、例えばメチル基
である。pは正の整数である。
【0013】充填剤(フィラー)としては無機物、例え
ばアルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、マイ
カ、タルク、シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシ
ウム、珪酸ジルコニウム、珪酸チタニウム、珪酸カルシ
ウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウムのごとき酸
化物、例えば炭化珪素、炭化チタニウム、炭化ジルコニ
ウムのごとき炭化物、例えば窒化硼素、窒化アルミニウ
ム、窒化珪素のごとき窒化物、例えば硼化チタニウム、
硼化ジルコニウムのごとき硼素化合物を、粉末状、繊維
状、フレーク状、ウィスカ状等として用いることができ
る。二種以上の充填剤あるいは形状の異なる充填剤を組
合せてもよい。
【0014】充填剤はポリチタノカルボシラン等の珪素
樹脂に焼成前に添加され、添加量はポリチタノカルボシ
ラン等の珪素樹脂100重量部に対し10重量部以上、
600重量部以下が適当である。10重量部未満では、
焼成後のセラミックにひび割れが生ずる可能性がある。 600重量部を超えると、組成物の成形に困難が生じ、
例えば、押出被覆の際均一な厚みが得られない。
【0015】本発明により製造される耐熱性絶縁材料を
、電線の被覆その他の成形された絶縁体として用いる場
合には、焼成前に珪素樹脂組成物を所望の形状に成形し
ておくことが望ましい。成形は、例えば押出、塗布等に
より行うことができる。塗布による場合には、ベンゼン
、キシレン、トルエン、ヘキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ミ
ネラルスピリット等の有機溶剤に、分散または溶解させ
て塗料を調製する。溶媒は通常、珪素樹脂100重量部
に対し10ないし2000重量部を用いるのが適当であ
る。溶媒の配合比により、塗布液の粘度を調節すること
ができる。溶媒の添加により、押出被覆の際の溶融物の
粘度を調節することもできる。
【0016】珪素樹脂組成物の焼成前に、珪素樹脂を架
橋して三次元構造をもたせる不融化処理を行うことが好
ましい。特に、絶縁電線の製造等、焼成前に組成物の成
形を行う場合には、焼成中に成形された形状が失われな
いように、不融化処理を行うことが必要な場合が多い。 不融化処理には、通常、熱酸化を用いる。熱酸化は、空
気中で200℃前後の温度で加熱して行う。
【0017】珪素樹脂組成物の焼成は、アンモニアガス
中で行ってもよいが、アンモニアと不活性ガスとの混合
気体中で行ってもよい。焼成はこれらの気体の気流中で
行うことが好ましい。不活性ガスとして、通常、窒素、
アルゴン、ヘリウム等を用いる。焼成の温度は、珪素樹
脂とアンモニアとの反応により窒化珪素が生成されるに
十分な温度、実際的には400℃以上の温度とする。
【0018】組成物の調製、成形、不融化処理、焼成は
、各々個別の工程で行ってもよいし、一貫した連続工程
で行ってもよい。
【0019】本発明により製造された耐熱性絶縁材料は
、上記のような珪素樹脂の焼成で得られる、主として窒
化珪素から成るセラミックと、無機質充填剤とから成る
。かような絶縁材料から成る絶縁体は、ポリイミド、ポ
リエステル等の他の合成樹脂から成る絶縁体と組み合わ
せて用いることができ、防湿や損傷防止を図ることがで
きる。本発明により製造される耐熱性絶縁材料は電線の
絶縁材料として有用である。
【0020】本発明の、および本発明により製造される
絶縁電線において、導体としては絶縁電線に通常用いら
れるいずれの導体でも用いることができる。絶縁体は、
導体の外周を被覆した上述のような珪素樹脂と無機質充
填剤から成る組成物を、アンモニアガス中で焼成して形
成される、主として窒化珪素から成るセラミックと、無
機質充填剤とから成る耐熱性絶縁材料から成る。本発明
により製造される絶縁材料から成る絶縁体(便宜上、本
発明による絶縁体と呼ぶ)と導体の間に、他の絶縁材料
から成る絶縁体(便宜上、他の絶縁体と呼ぶ)、例えば
、シロキサンを主体とするセラミックス絶縁層が存在し
てもよい。また、本発明による絶縁体の外周を、さらに
他の絶縁体、例えばポリイミドやポリエステルで被覆し
、防湿や損傷防止を図ることができる。
【0021】
【作用】本発明の耐熱性絶縁材料の製造方法によると、
ポリカルボシラン、ポリチタノカルボシラン、ポリシラ
ザンから選ばれる珪素樹脂を、無機質充填剤とともにア
ンモニアまたはアンモニアと不活性ガスとの混合気体の
気流中で焼成することにより、上記珪素樹脂の主鎖を構
成する珪素原子と、アンモニアの窒素原子の不対電子と
の求核反応により、主として窒化珪素から成るセラミッ
クが形成され、これと無機質充填剤とから成る絶縁材料
が得られ、この絶縁材料はすぐれた耐熱性を有する。無
機質充填剤は、焼成の際のセラミック化に伴う収縮によ
るひび割れの発生を防止する。
【0022】本発明の絶縁電線の製造方法では、導体の
外周を上記の選ばれた珪素樹脂と無機質充填剤とから成
る組成物で被覆し、不融化処理後、アンモニアまたはア
ンモニアと不活性ガスとの混合気体の気流中で焼成する
ことにより、主として窒化珪素から成るセラミックと無
機質充填剤とから成る耐熱性絶縁材料を所定の形状で導
体の外周に形成するため、絶縁電線は優れた耐熱性を有
する。無機質充填剤により、焼成の際のセラミック化に
伴う収縮により生ずるひび割れが防止される。本発明の
絶縁電線の絶縁体は、主として窒化珪素から成るセラミ
ックと無機質充填剤とから成るので、すぐれた耐熱性を
有する。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明のさらに詳細な
説明とする。 〔実施例1〜7〕本発明による絶縁電線の一例は、厚さ
2μmのニッケルめっき層を有する外径0.8mmの銅
線を、表1に示す組成物を焼成して製造された、セラミ
ックと無機質充填剤で構成される耐熱性絶縁材料で被覆
したものである。表1中のポリカルボシラン、ポリチタ
ノカルボシラン、ポリシラザンはそれぞれ、表2に示す
高分子化合物である。用いた酸化アルミニウムと酸化ジ
ルコニウムの平均粒子径は2μm、マイカの平均粒子径
は4μmである。
【0024】この耐熱性絶縁材料は、以下の方法で製造
した。表1に示す組成の配合物を、ペイントシェーカを
用いて混合して、塗料とする。この塗料を、ニッケルめ
っき銅線に縦型エナメル焼付機を用いて、温度200℃
、線速度5m/分で、10回塗付、焼付した。引続き温
度200℃で空気中で30分加熱して、不融化処理した
。次いで、温度600℃で30分間、実施例1〜4につ
いてはアンモニアガス気流中で、実施例5〜7について
はアンモニアと窒素の体積比50対50の混合気体の気
流中で、それぞれ焼成した。絶縁体の厚さは30〜60
μmの範囲にあり、それぞれ均一で、ひび割れは認めら
れなかった。
【0025】この絶縁電線の耐熱性を下記の方法で評価
した。電気炉を用いて大気中で温度500℃で1000
時間加熱し、絶縁体の形状変化、特にひび割れの発生の
有無の顕微鏡観察と、加熱前後での体積抵抗率の測定を
行った。体積抵抗率は、JIS  C3005に準拠し
た方法で、直流電圧100Vを1分間印加後に測定した
。 結果は表5に、実施例8および比較例の結果とともに示
す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】〔実施例8〕表3に示す組成の配合組成物
(溶剤を含まない)を用い、導体上への被覆を溶融樹脂
の押出被覆により行った以外は、実施例1〜7と同様に
して絶縁電線を製造した。焼成は、混合気体気流中で行
った(温度、時間は実施例5〜7に同じ)。絶縁体の厚
さは約80μmで、均一であった。ひび割れは認められ
なかった。耐熱性を実施例1〜7と同様の方法で評価し
た。
【0029】
【表3】
【0030】〔比較例1〜5〕表4に示す組成物と、焼
成の雰囲気を用いて、それ以外は実施例1〜7と同様に
して絶縁電線を製造した(表4中、各成分についての数
字は重量部を示す)。焼成の温度、時間は、比較例5を
除き実施例と同じである。比較例5では、焼付け温度を
350℃とし、不融化処理およびその後の焼成時間は省
略した。比較例5はポリイミドを焼成した絶縁物を用い
た従来の絶縁電線である。
【0031】比較例1,2,5では、絶縁体の厚さは3
0〜60μmの範囲にあり、それぞれ均一で、ひび割れ
も認められなかった。しかしマイカの量を減らした比較
例3では、絶縁体のひび割れが生じた。マイカを増量し
た比較例4では、絶縁体の厚さが20〜60μmでばら
ついており、焼成前の組成物の成形性が良くないことを
示していた。絶縁電線の耐熱性を上記実施例と同様の方
法で評価した。結果は、実施例とともに表5に示した。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【0035】表5に示されるように、本発明による実施
例1〜8の絶縁電線(エージング前)はいずれも101
4ohm cm以上の高い体積抵抗率を示し、500℃
エージング後の低下も1/2.5から1/30程度に止
まっている。 これに対し、アルゴンまたは窒素中で焼成を行った比較
例1、2では、エージング前の体積抵抗率が109 o
hmcm程度で、半導電性のレベルであり、エージング
後にはさらに1/106 に低下する。これは、アンモ
ニアの存在しない雰囲気中で焼成すると、主として半導
電性の炭化珪素から成るセラミックが生成するためと考
えられる。 充填剤の量を本発明の範囲外に増量した比較例4ではエ
ージング前の体積抵抗率は実施例より若干低い水準で、
エージングによる低下も実施例と同程度である(ただし
前述の通り成形性不良)。充填剤の量を本発明の範囲外
に減らした比較例3では、絶縁体にひび割れが生じてお
り、測定値を得ることができない。ポリイミドを空気中
で焼成する従来の方法で製造した比較例5では、エージ
ング前の体積抵抗率は高いが、500℃でのエージング
後の劣化が甚だしく、測定不能となる。これは、ポリイ
ミドの焼付けにより生成する被膜が、400℃以上の高
温では分解し易いことを示す。
【0036】以上の実施例および比較例から、本発明に
より製造される絶縁材料および絶縁電線は、形状、体積
抵抗率、いずれの点でも500℃の温度に1000時間
耐える、すぐれた耐熱性を示すことが理解される。
【0037】
【発明の効果】本発明の絶縁電線は、400℃以上の温
度に少なくとも1000時間耐える、すぐれた耐熱性を
有する。本発明の耐熱性絶縁材料の製造方法によると、
400℃以上の温度に少なくとも1000時間耐える、
すぐれた耐熱性を有する絶縁材料を製造することができ
る。また本発明の絶縁電線の製造方法によると、400
℃以上の温度に少なくとも1000時間耐える、すぐれ
た耐熱性を有する絶縁電線を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  導体の外周に絶縁体を有する絶縁電線
    において、前記絶縁体が、100重量部のポリカルボシ
    ラン、ポリチタノカルボシラン、ポリシラザンから選ば
    れる珪素樹脂と、10〜600重量部の無機質充填剤か
    ら成る組成物を、アンモニアまたはアンモニアと不活性
    ガスとの混合気体中で、窒化珪素が生成される温度で焼
    成することにより形成されたセラミックから成ることを
    特徴とする、耐熱性絶縁電線。
  2. 【請求項2】  100重量部のポリカルボシラン、ポ
    リチタノカルボシラン、ポリシラザンから選ばれる珪素
    樹脂と、10〜600重量部の無機質充填剤から成る組
    成物を、アンモニアまたはアンモニアと不活性ガスとの
    混合気体中で、窒化珪素が生成される温度で焼成するこ
    とを特徴とする、耐熱性絶縁材料の製造方法。
  3. 【請求項3】  前記焼成は、前記組成物を熱酸化によ
    り不融化処理した後に、前記アンモニアまたは前記混合
    気体の気流中で行われる、請求項1の耐熱性絶縁材料の
    製造方法。
  4. 【請求項4】  導体の外周を絶縁体で被覆して絶縁電
    線を製造する方法において、導体の外周を、100重量
    部のポリカルボシラン、ポリチタノカルボシラン、ポリ
    シラザンから選ばれる珪素樹脂と、10〜600重量部
    の無機質充填剤から成る組成物で被覆し、熱酸化により
    不融化処理し、アンモニアまたはアンモニアと不活性ガ
    スとの混合気体中で、窒化珪素が生成される温度で焼成
    して前記絶縁体を構成することを特徴とする、絶縁電線
    の製造方法。
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