JP2859904B2 - 耐熱コイル - Google Patents

耐熱コイル

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JP2859904B2
JP2859904B2 JP27465689A JP27465689A JP2859904B2 JP 2859904 B2 JP2859904 B2 JP 2859904B2 JP 27465689 A JP27465689 A JP 27465689A JP 27465689 A JP27465689 A JP 27465689A JP 2859904 B2 JP2859904 B2 JP 2859904B2
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洋 橋本
中 石山
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱コイルの改良に関し、くわしくは耐熱
性および絶縁特性を向上させた耐熱コイルに関する。
(従来の技術) 従来より、耐熱性に優れた電線として導体上にポリボ
ロシロキサン樹脂を初めとする有機金属ポリマーを主成
分とした塗料を焼き付けて耐熱性の絶縁塗膜を形成した
ものが使用されている。このような耐熱電線をコイルに
用いる際には、可撓性が優れた状態となるように上記塗
料をアンダーキュア状態に焼き付けた電線をコイル巻き
等によりコイル状に形成し加熱した後、全体を溶剤を含
有する含浸処理用ワニスで含浸するという方法が取られ
ている(特開昭58−212114号公報参照)。
しかしながら、この様な従来の方法によるコイルにお
いては、含浸処理用ワニスで含浸する過程で該ワニス中
の溶剤が絶縁層に作用することがその原因となって、ア
ンダーキュア状態に焼き付けた絶縁塗膜の溶解やふくれ
が生じるのをまぬがれず従ってコイルの絶縁性を著しく
低下させるという問題を生じている。また、このような
絶縁層の溶解やふくれを極力少なくするために、含浸処
理前にコイル全体を加熱して絶縁塗膜を硬化させる工程
を経る方法も開示されているが、工程が複雑化し、生産
に時間がかかるという欠点が生じている。
(発明が解決しようとする課題) 以上の点に鑑みて、本発明はコイルの耐熱性を良好に
保持しながら、絶縁塗膜の溶解やふくれを防止し絶縁性
を大幅に向上させ、また工程数の少ない生産性に優れる
耐熱コイルを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は即ち、ポリボロシロキサン樹脂、ポリカルボ
シラン樹脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタノカルボ
シラン樹脂、ポリシラザン樹脂からなる群から選ばれた
一種または二種以上の樹脂と無機充填剤とを溶剤に溶解
または分散させた耐熱性電気絶縁塗料を導体上に焼き付
けてなる絶縁電線を、コイル状に形成し全体を無溶剤シ
リコーンワニスで含浸処理することを特徴とする耐熱コ
イルに関する。
本発明の耐熱コイルは、上記の耐熱性電気絶縁塗料か
らなる絶縁塗膜を設けた絶縁電線を用いることにより優
れた耐熱性を有し、また含浸処理ワニスとして無溶剤シ
リコーンワニスを使用することにより絶縁電線の持つ優
れた耐熱性を良好に保持し、かつ、絶縁塗膜の膨れや溶
解を防止することができ、得られるコイルの絶縁特性を
大幅に向上させている。
本発明の耐熱コイルを形成する絶縁電線は、以下に述
べる配合成分を溶剤に溶解または分散させてなる耐熱性
電気絶縁塗料を導体上に焼き付けることにより製造され
る。
即ち、ポリボロシロキサン樹脂、ポリカルボシラン樹
脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタノカルボシラン樹
脂、およびポリシラザン樹脂は、主鎖にシラン、チタ
ン、硼素等の金属元素を有し、側鎖にメチル基、フェニ
ル基等の有機基が結合している耐熱性に優れたポリマー
で、公知のものを使用することができる。これらの樹脂
は単独あるいは二種以上を混合して用いることができ
る。
また、この塗料には得られる電線の耐熱性や絶縁特性
を向上させる目的で絶縁性無機充填剤を配合する。これ
らの絶縁性無機充填剤としては酸化マグネシウム、アル
ミナ、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化鉄、酸
化ホウ素、酸化クロム、酸化チタン、シリカ、マイカ、
タルク、チタン酸カリウム、酸化トリウム、酸化ウラ
ン、ケイ酸ジルコニウム等の酸化物系セラミックス、炭
化ケイ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、ホウ化チタ
ン、ホウ化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ホウ素、窒
化アルミニウム、窒化ケイ素、ケイ化モリブデン等の非
酸化物系セラミックス、各種ガラス粉末などがあげら
れ、これらは単独あるいは混合して使用することができ
る。これらの絶縁性無機充填剤を塗料に添加する場合
は、前記樹脂分100重量部に対して5〜300重量部が望ま
しい。
そして本発明における耐熱性電気絶縁塗料は、上述の
成分をキシレン、トルエン、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤やシリコーンオ
イルに溶解または分散させて撹拌するかあるいは、予め
同様の溶剤に溶解または分散させた液状にしたものを混
合し充分撹拌することにより製造される。このようにし
て得られる耐熱性電気絶縁塗料は、室温では有機系の塗
料と同様の性状をしており取扱いやすく含浸処理や塗布
作業も容易である。そして含浸や塗布後に焼成を完了さ
せれば側鎖の有機基が脱離し、最終的にはセラミック化
して優れた耐熱性を奏する。
なお、本発明の耐熱性電気絶縁塗料においては上述の
成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲でシリコー
ン樹脂やその他の添加剤を配合することができる。
本発明における耐熱電線は、導体上に直接あるいは他
の絶縁層を介して上記耐熱性電気絶縁塗料を塗布し、コ
イル形成が可能な可撓性を持つ状態に焼成して製造す
る。
また、この時耐熱性電気絶縁塗料からなる絶縁塗膜上
に、ガラスやセラミックなどの無機質繊維やテープを巻
回したり、あるいはこれらを上記耐熱性電気絶縁塗料等
によりあらかじめ含浸させてから巻回するなどして、無
機質繊維巻線としても良い。
本発明の耐熱コイルは、上述のようにして製造した可
撓性のある耐熱電線をコイル巻き等を行うことによりコ
イル状に形成し、次いで全体を無溶剤シリコーンワニス
中で含浸し加熱して無溶剤シリコーンワニスの層を乾燥
させることにより製造される。
本発明における無溶剤シリコーンワニスは、常温で液
状のものを用い、ケイ素原子に結合したアルケニル基の
重合反応を利用したもの、Si−CH=CH2とH−Siとの付
加反応を利用したもの、ケイ素原子に結合したアルコキ
シ基を持つ低分子量ポリシロキサン等を特に制限なく使
用することができる。このような無溶剤シリコーンワニ
スは溶剤を含まないので、コイル巻き後で含浸処理前に
従来行っていた加熱工程を省略しても電線の絶縁塗膜に
膨れや溶解は生じず、作業環境も良好で大気汚染も防止
される。またワニスを乾燥した後に発泡が生じることも
ない。具体的には信越化学工業株式会社製 商品名 無
溶剤シリコーンワニスX−40−2050やKR2019等がある。
なお、無溶剤タイプのものであっても、無溶剤不飽和ポ
リエステル樹脂ワニスや無溶剤エポキシ樹脂ワニス等
は、400℃を越える雰囲気中での使用においては重量減
量が多く、得られるコイルの機械的特性や絶縁特性を低
下させるので本発明においては使用しない。
また、本発明における無溶剤シリコーンワニスには、
無機充填剤を適宜添加することができ、これによって該
ワニスの硬化時および得られるコイルの高温雰囲気中で
の使用時において発生するクラックを防止する効果を向
上させることができる。このような無機充填剤として
は、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ等の金属酸
化物、ガラス粉末、マイカ等が好適する。特にガラス粉
末、マイカ、酸化マグネシウムの少なくとも1種を配合
するとクラック発生を防止する効果が向上する。無機充
填剤の配合割合は無溶剤シリコーンワニス100重量部に
対して5〜70重量部、より好ましくは15〜30重量部であ
る。添加量が70重量部を越えるとワニス粘度が高くなり
含浸処理がやりにくくなる。
(実施例) 本発明の実施例について説明する。
実施例1 ポリボロシロキサン樹脂と無機充填剤とをN−メチル
−2−ピロリドンに溶解した耐熱性電気絶縁塗料をニッ
ケル−銅導体上に塗布し可撓性のある状態に焼き付けた
1mm直径の耐熱電線を2個並列にあわせたものをコイル
状に形成し、これを250℃×20時間加熱焼成した。次い
でこれを無溶剤シリコーンワニス(信越化学工業株式会
社製 商品名 無溶剤シリコーンワニスX−40−2050)
中に含浸した後200℃×2時間加熱乾燥させて耐熱コイ
ルを製造した。得られた耐熱コイルを400℃×30分と室
温15分を1サイクルとしたヒートサイクルを20回繰り返
した後の絶縁抵抗値、絶縁破壊電圧値を測定した。結果
を表に示す。
実施例2〜3 表に示す割合でマイカを添加した耐熱性電気絶縁塗料
を用いて実施例1と同様にして耐熱電線を製造し、これ
を2個並列にあわせたものをコイル状に形成した後加熱
工程を行わずに無溶剤シリコーンワニスX−40−2050に
含浸し、加熱乾燥し耐熱コイルを製造した。得られた耐
熱コイルを実施例1と同様にして試験した。結果を表に
示す。
比較例1 実施例1と同様にして製造した耐熱電線を2個並列に
あわせたものをコイル状に形成し、これを230℃×20時
間加熱焼成してから、溶剤を含有するシリコーンワニス
中に含浸し200℃×2時間加熱乾燥させてコイルを製造
した。得られたコイルを実施例1と同様にして試験し
た。結果を表に示す。
比較例2 ニッケル−銅導体上に溶剤に溶解したシリコーン塗料
を塗布焼成した1mm直径の電線を2個並列にあわせたも
のをコイル状に形成し、これを230℃×20時間加熱焼成
してから実施例2と同様の含浸処理ワニスに含浸し、加
熱乾燥させてコイルを製造した。得られたコイルを実施
例1と同様にして試験した。結果を表に示す。
比較例3 比較例2と同様の電線を2個並列にあわせたものをコ
イル状に形成し、これを230℃×20時間加熱焼成してか
ら溶剤を含有するシリコーンワニス中に含浸し200℃×
2時間加熱乾燥させてコイルを製造した。得られたコイ
ルを実施例1と同様にして試験した。結果を表に示す。
(発明の効果) 以上、本発明の耐熱コイルは、耐熱性を良好に保持し
ながら、絶縁塗膜の溶解やふくれを防止し絶縁性を大幅
に向上させるとともに、工程数が少なく生産性にも優れ
ている。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−212114(JP,A) 特開 昭49−16815(JP,A) 特開 昭54−152150(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 41/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上に、ポリボロシロキサン樹脂、ポリ
    カルボシラン樹脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタノ
    カルボシラン樹脂、ポリシラザン樹脂からなる群から選
    ばれた一種または二種以上の樹脂と無機充填剤とを溶剤
    に溶解または分散させた耐熱性電気絶縁塗料を導体上に
    焼き付けてなる絶縁電線を、コイル状に形成し全体を無
    溶剤シリコーンワニスで含浸処理してなることを特徴と
    する耐熱コイル。
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JP5853625B2 (ja) * 2011-11-16 2016-02-09 富士通株式会社 コイル装置の製造方法

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