JPH0982547A - 誘導加熱コイル - Google Patents

誘導加熱コイル

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JPH0982547A
JPH0982547A JP23164795A JP23164795A JPH0982547A JP H0982547 A JPH0982547 A JP H0982547A JP 23164795 A JP23164795 A JP 23164795A JP 23164795 A JP23164795 A JP 23164795A JP H0982547 A JPH0982547 A JP H0982547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
induction heating
heating coil
weight
parts
Prior art date
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Pending
Application number
JP23164795A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Ishigami
健一 石上
Kenji Asano
健次 浅野
Kazunori Suzuki
和則 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0982547A publication Critical patent/JPH0982547A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れた誘導加熱コイルを提供するも
のである。 【解決手段】 撚り合わされたエナメル線で形成される
誘導加熱コイルにおいて、上記エナメル線4は、導体1
の外周にセラミックス絶縁層2を被覆すると共にそのセ
ラミックス絶縁層2の外周に有機物の保護層3を被覆し
て形成されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱コイルに
係り、特に外食産業用のフライヤーや家庭用調理器に用
いられる誘導加熱コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱コイルには、耐熱性(155℃
程度)およびコストのバランスからポリエステルイミド
線などの有機物で絶縁されたエナメル線を撚り合わせた
リッツ線を用いるのが一般的である。
【0003】従来の誘導加熱コイルを構成するエナメル
線の断面図を図2に示す。
【0004】図2に示すように、エナメル線7は導体5
の外周に有機物の絶縁・保護層6を被覆して形成され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、外食産業用のフ
ライヤーや家庭用調理器は、機器内の温度が誘導加熱コ
イルの自己発熱および誘導加熱により、250〜300
℃に達することがある。その温度領域においては、図2
に示す絶縁・保護層6が分解・消失してしまう。このた
め、従来は機器内部に強制冷却を行うためのファンを設
置し、温度の上昇を防止してきた。
【0006】しかしながら、機器内部に強制冷却を行う
ためのファンを設置することは、調理器内部の構造を複
雑にし、機器のコストを高くしてしまう。さらに、機器
内部にファンを設置することは、調理器を設計する上で
大きな制約となると共に一部の調理器においてはファン
を設置できないという問題があった。
【0007】そこで、本発明の課題は、上記課題を解決
し、耐熱性に優れた誘導加熱コイルを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、撚り合わされたエナメル線で形成
される誘導加熱コイルにおいて、上記エナメル線は、導
体の外周にセラミックス絶縁層を被覆すると共にそのセ
ラミックス絶縁層の外周に有機物の保護層を被覆して形
成されるものである。
【0009】請求項2の発明は、上記セラミックス絶縁
層は、ポリボロシロキサン樹脂、ポリカルボシラン樹
脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタノカルボシラン樹
脂、ポリシラザン樹脂の内の一種類または二種類以上を
含有する樹脂を塗布した後に焼き付けて形成してなるも
のである。
【0010】請求項3の発明は、上記セラミックス絶縁
層は、化1からなるT体を、
【0011】
【化1】
【0012】40wt%以上、かつ、フェニル基を40
wt%未満含有するシリコーン樹脂を塗布した後に焼き
付けて形成してなるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】本発明の誘導加熱コイルに用いられるエナ
メル線の断面図を図1に示す。セラミックス絶縁層を形
成するT体(シリコーン樹脂)の化学構造式を化1に示
す。
【0015】本発明の誘導加熱コイルは、エナメル線を
リッツ線化して形成され、図1に示すように、そのエナ
メル線4は、導体1の外周を耐熱性に優れたセラミック
ス絶縁層2で被覆し、さらにそのセラミックス絶縁層2
の外周を可とう性の良い保護層3で被覆してあるため
に、エナメル線4をリッツ線化しても被覆割れが生じな
い。また、最高温度が300℃以上にもなる環境にさら
す際、保護層3は分解・消失してしまうが、セラミック
ス絶縁層2は残存しているために、エナメル線4は電気
絶縁特性を維持することができる。
【0016】セラミックス絶縁層2は、樹脂と充填剤と
を混合したものを溶剤中に溶解または分散させて塗料と
し、その塗料をエナメル線4に塗布した後に焼付けを行
って形成される。セラミックス絶縁層2のベース樹脂と
して、ポリボロシロキサン樹脂、ポリカルボシラン樹
脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタノカルボシラン樹
脂、ポリシラザン樹脂並びに化1に示すT体を40wt
%以上、かつ、フェニル基Rを40wt%未満含有する
シリコーン樹脂を選定した。
【0017】
【化1】
【0018】上記の構造並びに組成を満たす樹脂は、焼
付け塗装後の電気絶縁特性が高い上に、大気雰囲気下3
00℃で10hr以上熱処理しても加熱減量は数重量%
しか起こらない。このため、セラミックス絶縁層2の重
量変化による収縮、ひび割れは起こりにくく、形成され
たセラミックス絶縁層2は非常に緻密なものとなる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例と併せて説明す
る。
【0020】(実施例1)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてシリコーンを5重量部、ポリカ
ルボシランを5重量部、充填剤としてAl2 3 を40
重量部、溶剤としてキシレンを10重量部含有した絶縁
塗料および樹脂としてポリイミドを10重量部、溶剤と
してDMACを50重量部含有した保護塗料をそれぞれ
エナメル堅炉(炉温が400℃、線速が16.0m/
s)で焼付け塗装を行い、セラミックス絶縁層および保
護層を備えたエナメル線を作製した。このエナメル線を
15本に切り分け、最初に15本集合撚り(ピッチが4
00mm、撚り方向が左)にし、さらにその15本集合
撚りを7本に切り分け、最後に7本集合撚り(ピッチが
50mm、撚り方向が左)にしたリッツ線を作製した。
【0021】(実施例2)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてシリコーンを5重量部、ポリカ
ルボシランを5重量部、充填剤としてAl2 3 を40
重量部、溶剤としてキシレンを10重量部含有した絶縁
塗料および樹脂としてポリエステルイミドを10重量
部、溶剤としてクレゾールを50重量部含有した保護塗
料を用いて実施例1と同様にエナメル線およびリッツ線
を作製した。
【0022】(実施例3)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてシリコーンを10重量部、充填
剤としてガラスフリットを40重量部、溶剤としてキシ
レンを10重量部含有した絶縁塗料および樹脂としてポ
リエステルイミドを10重量部、溶剤としてクレゾール
を50重量部含有した保護塗料を用いて実施例1と同様
にエナメル線およびリッツ線を作製した。
【0023】(実施例4)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてKR−242Aを5重量部、T
SR−116を5重量部、充填剤としてAl2 3 を4
0重量部、溶剤としてキシレンを10重量部含有した絶
縁塗料および樹脂としてポリイミドを10重量部、溶剤
としてDMACを50重量部含有した保護塗料を用いて
実施例1と同様にエナメル線およびリッツ線を作製し
た。
【0024】(実施例5)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてX−40−2194を5重量
部、TSR−116を5重量部、充填剤としてAl2
3 を40重量部、溶剤としてキシレンを10重量部含有
した絶縁塗料および樹脂としてポリエステルイミドを1
0重量部、溶剤としてクレゾールを50重量部含有した
保護塗料を用いて実施例1と同様にエナメル線およびリ
ッツ線を作製した。
【0025】(実施例6)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてTSR−116を10重量部、
充填剤としてマイカを40重量部、溶剤としてキシレン
を10重量部含有した絶縁塗料および樹脂としてポリエ
ステルイミドを10重量部、溶剤としてクレゾールを5
0重量部含有した保護塗料を用いて実施例1と同様にエ
ナメル線およびリッツ線を作製した。
【0026】(比較例1)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてポリエステルイミドを10重量
部、溶剤としてクレゾールを30重量部含有した保護塗
料を用いて実施例1と同様にエナメル線およびリッツ線
を作製した。
【0027】(比較例2)0.4mmφのNiメッキ銅
なまし線に、樹脂としてポリエステルイミドを10重量
部、溶剤としてクレゾールを50重量部含有した保護塗
料を用いて実施例1と同様にエナメル線およびリッツ線
を作製した。
【0028】各例に基づくリッツ線において、初期特性
として、絶縁抵抗(×1013Ω)と絶縁破壊電圧(k
v)、および、大気中300℃で20,000hr放置
して熱劣化させた劣化後特性として、絶縁抵抗(×10
13Ω)と絶縁破壊電圧(kv)について評価した。この
結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】表1より明らかなように、実施例1〜6の
エナメル線で作製したリッツ線の初期特性(絶縁抵抗、
絶縁破壊電圧)は、比較例1,2のエナメル線で作製し
たリッツ線と比較すると劣っている。しかし、実施例1
〜6のエナメル線で作製したリッツ線は、実用において
は全く問題がなく、かつ、十分実用に耐え得る電気絶縁
特性を示した。また、耐熱性の目安となる劣化後の特性
においては、比較例1,2のエナメル線で作製したリッ
ツ線は、絶縁・保護層が分解・消失してしまうために測
定ができず実用に耐え得ないのに対して、実施例1〜6
のエナメル線で作製したリッツ線は、初期特性と比較す
ると幾分かの低下を示しているものの、実用に十分耐え
得る電気絶縁特性を示した。
【0031】ここで、ポリカルボシランを用いずにシリ
コーンだけを樹脂として用いた実施例3およびT体を4
0wt%以上、かつ、フェニル基を40wt%未満含有
していないシリコーン樹脂であるTSR−116だけを
用いた実施例6においては、実施例1,2,4,5と比
較して、絶縁抵抗および絶縁破壊電圧が劣っている。す
なわち、絶縁塗料として、ポリボロシロキサン樹脂、ポ
リカルボシラン樹脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタ
ノカルボシラン樹脂、ポリシラザン樹脂の内の一種類ま
たは二種類以上を含有する樹脂並びにT体を40wt%
以上、かつ、フェニル基を40wt%未満含有するシリ
コーン樹脂を用いることによって、絶縁抵抗および絶縁
破壊電圧に優れたセラミックス絶縁層を形成することが
できる。
【0032】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、最高温度
が300℃程度にもなる環境においても、良好な電気特
性を示す誘導加熱コイルを得ることができるという優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱コイルを形成するエナメル線
の断面を示す図である。
【図2】従来の誘導加熱コイルを形成するエナメル線の
断面を示す図である。
【符号の説明】
1 導体 2 セラミックス絶縁層 3 保護層 4 エナメル線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撚り合わされたエナメル線で形成される
    誘導加熱コイルにおいて、上記エナメル線は、導体の外
    周にセラミックス絶縁層を被覆すると共にそのセラミッ
    クス絶縁層の外周に有機物の保護層を被覆して形成され
    ることを特徴とする誘導加熱コイル。
  2. 【請求項2】 上記セラミックス絶縁層は、ポリボロシ
    ロキサン樹脂、ポリカルボシラン樹脂、ポリシラスチレ
    ン樹脂、ポリチタノカルボシラン樹脂、ポリシラザン樹
    脂の内の一種類または二種類以上を含有する樹脂を塗布
    した後に焼き付けて形成してなる請求項1記載の誘導加
    熱コイル。
  3. 【請求項3】 上記セラミックス絶縁層は、化1からな
    るT体を、 【化1】 40wt%以上、かつ、フェニル基を40wt%未満含
    有するシリコーン樹脂を塗布した後に焼き付けて形成し
    てなる請求項1記載の誘導加熱コイル。
JP23164795A 1995-09-08 1995-09-08 誘導加熱コイル Pending JPH0982547A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150068043A1 (en) * 2008-08-06 2015-03-12 The Gillette Company Heated shaving razor
JP2019125490A (ja) * 2018-01-17 2019-07-25 日立金属株式会社 撚り線導体の製造方法

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