JPH05325655A - 耐熱耐湿絶縁電線 - Google Patents

耐熱耐湿絶縁電線

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JPH05325655A
JPH05325655A JP4152714A JP15271492A JPH05325655A JP H05325655 A JPH05325655 A JP H05325655A JP 4152714 A JP4152714 A JP 4152714A JP 15271492 A JP15271492 A JP 15271492A JP H05325655 A JPH05325655 A JP H05325655A
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JP
Japan
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resistant
electric wire
weight
parts
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JP4152714A
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Masayasu Tominaga
正康 富永
Masaaki Harada
昌明 原田
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Kurabe Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kurabe Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、400℃以上の優れた耐熱
性を有し、絶縁性等の電気特性が良好であるとともに耐
湿性も良好な絶縁電線を提供することにある。 【構成】 本発明による耐熱耐湿絶縁電線は、最外層に
無機繊維による編組あるいは横巻きを施した下地電線
に、耐熱性絶縁塗料を塗布してなる耐熱耐湿絶縁電線に
おいて、前記耐熱性絶縁塗料がシリコーン樹脂を主体と
して、シリコーン樹脂固形分100重量部に対し、固形
分10重量部以上65重量部以下のポリイミド樹脂と、
10重量部以上200重量部以下の無機充填剤を含有し
てなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は400℃以上の高温でも
使用可能な、優れた耐熱性と耐湿性を有する絶縁電線に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より絶縁電線としては、導体上に有
機系ポリマーを絶縁物として被覆したものが一般的であ
る。しかし、これらの電線は有機物を使用しているた
め、特に耐熱性の優れているフッ素系のポリマーを用い
たとしても、使用上限は300℃程度であり、例えば、
自動車用の排気ガス浄化触媒ヒータリード線などの高温
になる場所での使用は困難であった。
【0003】300℃以上で使用可能な電線としては、
例えば導体上に直接セラミック絶縁層を設けたものや、
アルコキシド系絶縁塗料を塗布焼付けしたものなどがあ
る。しかしながら、これらの絶縁電線は導体上の絶縁層
が厚くなると可撓性が劣ったり、絶縁層にクラックが入
るなどの問題が生じるため、絶縁層の厚さを数十μm程
度にしか設定できず、絶縁破壊電圧(B.D.V)が数百
V以下程度となるという問題がある。
【0004】そこで、上記の問題を解決するものとし
て、例えば、導体上にポリイミドテープを巻き、その上
にガラス繊維の横巻きを施し、更にガラス繊維の編組を
施した後シリコーンワニス処理した電線や、特公昭63
−9326号公報に示されているように、導体上にガラ
ス糸を横巻きし、その上にセミ無機系ポリマーであるポ
リボロシロキサン樹脂からなる絶縁塗料を塗布焼付けし
たものなどが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前段の
シリコーンワニス処理を施してなる電線は、300℃以
上での使用によりシリコーンワニスの有機成分が熱分解
した後では電気特性が低下し、更にガラス繊維の集束性
も低下してしまうという問題がある。
【0006】また、後段のポリボロシロキサン樹脂を使
用したものは、300℃以上での使用によりポリボロシ
ロキサン樹脂がセラミック化して絶縁層を保持するた
め、乾燥状態では電気特性の低下はさほど見られないも
のの、吸湿時には電気特性が著しく低下してしまうとい
う問題がある。
【0007】本発明はこのような点に基づいてなされた
ものでその目的とするところは、400℃以上の優れた
耐熱性を有し、絶縁性等の電気特性が良好であるととも
に耐湿性も良好な耐熱耐湿絶縁電線を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明による耐熱耐湿絶縁電線は、最外層に無機繊維に
よる編組、あるいは横巻きを施した下地電線に、耐熱性
絶縁塗料を塗布してなる耐熱耐湿絶縁電線において、前
記耐熱性絶縁塗料がシリコーン樹脂を主体として、シリ
コーン樹脂固形分100重量部に対し、固形分10重量
部以上65重量部以下のポリイミド樹脂と、10重量部
以上200重量部以下の無機充填剤を含有してなること
を特徴とするものである。
【0009】また、この電線の導体上にマイカテープと
ポリイミドテープの組合わせからなるテープ巻き層を設
けることも考えられる。
【0010】本発明に使用される下地電線は、例えば図
1(a)または図1(b)に示されるような構造のもの
が用いられる。図1(a)及び(b)において、符号1
は導体、符号2はマイカテープ、符号3はポリイミドテ
ープ、符号4は前記マイカテープ2及び前記ポリイミド
テープ3とからなるテープ巻き層、符号5は無機繊維の
横巻き、符号6は無機繊維の編組である。
【0011】導体1としては純ニッケル、あるいは銅の
上にニッケルメッキや銀メッキを施したものが用いら
れ、これらは単線または撚り線のどちらでも良い。マイ
カテープ2としては、ガラスクロスに軟質、あるいは硬
質集成マイカ箔を貼り合わせたものが用いられる。ポリ
イミドテープ3としては、ポリイミドのみ、あるいは無
機フィラーを充填させたフィルムテープが用いられる。
最外層に施される編組または横巻きには、ガラス繊維、
セラミック繊維等の無機繊維のヤーン、ロービング等が
用いられる。
【0012】本発明において使用されるシリコーン樹脂
としては、メチルシリコーン系、メチルフェニルシリコ
ーン系等が挙げられる。好ましくはメチルフェニルシリ
コーン系を用いる。シリコーン樹脂は溶剤可溶であれば
固形状でもワニス状でも良いが、固形状のものは溶剤に
溶かして使用する。シリコーン樹脂は、本発明品が使用
時に高温(400℃以上)になった場合にも無機化して
無機充填剤のバインダーとして、及び編組または横巻き
の集束剤として作用する。
【0013】本発明において使用されるポリイミド樹脂
としては、ビスマレイミド系のものを用いる。ポリイミ
ド樹脂には、ポリピロメリット系またはビスマレイミド
系のものがあるが、ポリピロメリット系のものは不溶不
融であるため、加工時には前駆体のポリアミック酸の形
のものを使用しなければならない。そして、このポリア
ミック酸を脱水縮合させてイミド化させなければならな
いが、この際に生ずる水分によりシリコーン樹脂が加水
分解を受けたり、残留する水分により電気特性が低下し
てしまうことがある。一方、ビスマレイミド系のもの
は、溶剤に可溶であるためポリピロメリット系のものの
ようなことがない。このため、本発明ではビスマレイミ
ド系のものを用いる。このビスマレイミド系ポリイミド
樹脂は、固体状であってもワニス状であっても良い。
【0014】上記ポリイミド樹脂は、シリコーン樹脂固
形分100重量部に対し、固形分で10重量部以上65
重量部以下用いられる。ポリイミド樹脂は、本発明品が
使用時に温度が上昇していくときに、シリコーン樹脂の
有機成分が徐々に熱分解し無機化していくその間(約3
00℃〜400℃)、編組または横巻きがほつれるのを
防ぐために用いられ、更に高温(400℃以上)では熱
分解を起こし揮発する。このため、10重量部未満では
ほつれ止めの効果が無く、また65重量部を超えた場合
には、揮発した後の空孔によって吸湿特性が劣ってしま
う。また、ポリイミド樹脂はワニス化により、高粘度と
なるため65重量部を超える使用は、塗料粘度を著しく
高くしてしまい、好ましくない。
【0015】本発明において使用される無機充填剤とし
ては、マグネシア、アルミナ、シリカ、チタニア、ジル
コニア等の酸化物系セラミック、炭化珪素、窒化珪素、
窒化チタン等の非酸化物系セラミック、各種ガラス類な
どが挙げられる。これらは単独でも混合して使用しても
良い。また、これらの形状は球状、フレーク状、繊維状
等各種形状のものを使用できる。更に、これらは天然物
であっても、合成品であっても良く、表面処理されてい
ても良い。
【0016】上記無機充填剤はシリコーン樹脂固形分1
00重量部に対し、10重量部以上200重量部以下用
いられる。無機充填剤は、本発明品が使用時に高温(4
00℃)になった場合、無機化したシリコーン樹脂のバ
インダーによって結着し、バインダーとともに耐熱耐湿
集束膜を形成する。このため、10重量部未満では耐熱
耐湿集束特性が劣ってしまい、200重量部を超えると
バインダーに対して無機充填剤が多すぎるため結着力が
劣り、耐熱耐湿集束膜は脆くなってしまう。また、この
無機充填剤は塗料粘度に大きな影響を与える。200重
量部を超える量の使用は塗料粘度を著しく高くしてしま
うため、好ましくない。
【0017】本発明において調製される耐熱性絶縁塗料
の粘度は、0.5Pa・s以上5Pa・s以下が好まし
い。0.5Pa・s未満では無機充填剤の沈降が起こり
易く、5Pa・sを超える場合では、無機繊維への耐熱
塗料の含浸性が悪く、編組または横巻きの集束性が劣っ
てしまう。前述したように塗料粘度は、ポリイミド樹脂
や無機充填剤の使用量とも大きく関係するが、本発明に
おける使用量範囲であれば、実用的な塗料濃度において
粘度は0.5Pa・s以上5Pa・s以下の範囲となる。
【0018】本発明において使用される溶剤は、脂肪族
炭化水素系、芳香族炭化水素系、エステル系、ケトン系
溶剤など各種溶剤が挙げられるが、シリコーン樹脂、ポ
リイミド樹脂の両方が溶解できるものでなければならな
い。
【0019】本発明において使用される耐熱性絶縁塗料
を得る方法としては、ボールミルにシリコーン樹脂、ポ
リイミド樹脂、無機充填剤を所用量仕込み、必要に応じ
て希釈剤を加えて4時間程度撹拌し、十分撹拌されてい
ることを確認する。撹拌が不十分な場合は十分になるま
で撹拌する。このようにして得られる耐熱性絶縁塗料は
塗工性を良くするために更に溶剤を加えても良い。
【0020】本発明では、上記のようにして調製した耐
熱性絶縁塗料を下地電線に塗布乾燥して耐熱耐湿絶縁電
線を製造する。
【0021】
【作用】本発明による耐熱耐湿絶縁電線は、最外層に無
機繊維による編組、あるいは横巻を施した下地電線に、
シリコーン樹脂を主体として、ポリイミド樹脂及び無機
充填剤を適当量混合してなる耐熱性絶縁塗料を塗布して
なるため、400℃以上の高温においても使用可能な優
れた絶縁性、耐湿性及び無機繊維集束性を兼ね備えたも
のとなる。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。尚、以下の実施例及び比較例では、
シリコーン樹脂として東芝シリコーン(株)製、商品名
TSR−145、ポリイミド樹脂として三井石油化学工
業(株)製、商品名テクマイトE−2020、無機充填
剤として日本軽金属(株)製アルミナ、商品名LS−
220、無機充填剤として日本アエロジル(株)製シ
リカ、商品名アエロジル130、無機充填剤として石
塚硝子(株)製、シーリングガラス、商品名IG−84
60を用いた。また、下地電線としては、下地電線X
(図1(a)に示す)と、下地電線Y(図1(b)に示す)
の2種類を使用し、該下地電線の最外層の編組または横
巻きにはガラス繊維を用いた。
【0023】《実施例1》シリコーン樹脂100重量
部、ポリイミド樹脂22重量部、無機充填剤38重量
部、無機充填剤11重量部をボールミルに仕込み、4
時間撹拌して耐熱性絶縁塗料(粘度:1.7Pa・s)を
得た。次に、この塗料を下地電線Xに塗布し150℃で
20分間乾燥させた後、毎時100℃の速度で400℃
まで昇温させ、2時間保持した後取り出しサンプルと
し、以下のAからCの試験を行い、加熱後の電気特性と
ガラス横巻きの集束性を評価した。試験結果は表1に示
した。尚、本実施例では1つの試験につき5本のサンプ
ルを使用し、測定値はそれらの平均値を記した。
【0024】試験A:絶縁破壊電圧(B.D.V)を測
定する。 試験B:40℃、100%RH雰囲気中に6時間放置し
た後の1m当りの絶縁抵抗を測定する。 試験C:サンプルの一端を切断し、切口のガラス横巻き
のほつれ具合いを目視で確認する。
【0025】
【表1】
【0026】《比較例1、2》比較例1では、シリコー
ン樹脂を用いず、ポリイミド樹脂を130重量部、無機
充填剤8重量部、無機充填剤10重量部、キシレン
100重量部をボールミルに仕込み、4時間撹拌して調
製した塗料を、また比較例2ではシリコーン樹脂100
重量部のみからなる塗料をそれぞれ下地電線Xに塗布
し、150℃で20分間乾燥させた後取り出しサンプル
とし、実施例1と同様の試験を行った。試験結果は表1
に併記した。
【0027】表1に示した試験結果から判るように、実
施例1は加熱後においても絶縁破壊電圧が5kV以上、
絶縁抵抗が40MΩ以上と良好な電気特性を示してお
り、また切口のガラス横巻きのほつれも全く見られなか
った。一方、比較例1においては、シリコーン樹脂を使
用しなかったため、加熱後のガラス横巻きの集束性が悪
く切口から5mm程ほつれており、また絶縁破壊電圧や
絶縁抵抗も劣っている。比較例2においては、ポリイミ
ド樹脂を使用しなかったため、加熱中にガラス横巻きの
ほつれが生じ、そのうえ無機充填剤も用いなかったため
加熱後の耐熱耐湿集束特性が低下し、電気特性が劣って
いる。
【0028】《実施例2、3、4、5、6、7》実施例
2から実施例7はポリイミド樹脂の使用量を変更した例
を示すものである。実施例2から実施例4までは下地電
線Xを用い、実施例5から実施例7までは下地電線Yを
用いた。各材料を表2に示した配合量でボールミルに仕
込み、4時間撹拌して耐熱性絶縁塗料を得た。これらの
塗料をそれぞれ下地電線に塗布し、150℃で20分乾
燥させた。このようにして作製した電線をサンプルとし
て、以下のDからIの試験を行い、常態及び加熱後の電
気特性とガラス編組またはガラス横巻きのほつれ具合い
を評価した。試験結果は表2に併記した。
【0029】試験D:40℃、100%RH雰囲気中に
6時間放置した後の絶縁破壊電圧(B.D.V)を測定
する。 試験E:40℃、100%RH雰囲気中に6時間放置し
た後の1m当たりの絶縁抵抗を測定する。 試験F:電線自己径の5倍径を持つマンドレルへ巻き付
けた後、サンプルの一端を切断し切口のガラス編組また
はガラス横巻きのほつれ具合いを目視で確認する。 試験G:400℃で200時間加熱した後、40℃、1
00%RH雰囲気中に6時間放置した後の絶縁破壊電圧
(B.D.V)を測定する。 試験H:400℃で200時間加熱した後、40℃、1
00%RH雰囲気中に6時間放置した後の1m当りの絶
縁抵抗を測定する。 試験I:サンプルの一端を切断し、400℃で200時
間加熱した後、切口のガラス編組またはガラス横巻きの
ほつれ具合いを目視で確認する。
【0030】
【表2】
【0031】《比較例3、4、5、6》比較例3から比
較例6はポリイミド樹脂の使用量を本発明の範囲外とし
た例を示すものである。比較例3及び比較例4は、下地
電線Xを用い、比較例5及び6は下地電線Yを用いた。
各材料の使用量は表2に示した。耐熱性絶縁塗料の調製
方法、条件、サンプルの作成方法、条件、及び試験項目
は実施例2から実施例7と同様に行った。試験結果は表
2に併記した。
【0032】表2に示した試験結果から判るように、実
施例2から実施例7は加熱後においても絶縁破壊電圧が
5kV以上、絶縁抵抗が40MΩ以上と良好な電気特性
を示しており、また切口のガラス編組及びガラス横巻き
のほつれも全く見られなかった。しかし、比較例3及び
比較例5においてはポリイミド樹脂を使用しなかったた
め、シリコーン樹脂の有機成分が熱分解し始め、完全に
無機化する間の集束性が悪く、ガラス編組及びガラス横
巻きが切口から3mm程ほつれていた。また、比較例4
及び比較例6においてはポリイミド樹脂の使用量が多す
ぎるため、加熱後の耐熱耐湿集束膜に空孔が多く、ガラ
ス編組及びガラス横巻きのほつれは見られないものの、
絶縁破壊電圧と絶縁抵抗が劣っている。
【0033】これらの結果より、ポリイミド樹脂の使用
量はシリコーン樹脂固形分100重量部に対して10重
量部以上65重量部以下が好ましいと言える。
【0034】《実施例8、9、10、11、12、1
3》実施例8から実施例13までは無機充填剤の使用量
を変更した例を示すものである。実施例8から実施例1
0までは下地電線Xを用い、実施例11から実施例13
までは下地電線Yを用いた。各材料を表3に示した配合
量でボールミルに仕込み、4時間撹拌して耐熱性絶縁塗
料を得た。これらの塗料をそれぞれ下地電線に塗布し、
150℃で20分乾燥させた後、電線自己径の10倍径
のマンドレルに巻き付けた後、400℃で200時間加
熱したものをサンプルとして、以下のJからLの試験を
行い、電気特性とガラス編組またはガラス横巻きのほつ
れ具合いを評価した。試験結果は表3に併記した。
【0035】試験J:40℃、100%RH雰囲気中に
6時間放置した後の絶縁破壊電圧(B.D.V)を測定
する。 試験K:40℃、100%RH雰囲気中に6時間放置し
た後の1m当りの絶縁抵抗を測定する。 試験L:サンプルの一端を切断し、切口のガラス編組ま
たはガラス横巻きのほつれ具合いを目視で確認する。
【0036】
【表3】
【0037】《比較例7、8、9、10》比較例7から
比較例10は無機充填剤の使用量を本発明の範囲外とし
た例を示すものである。比較例7及び比較例8は下地電
線Xを用い、比較例9及び比較例10は下地電線Yを用
いた。各材料の使用量は、表3に示した。耐熱性絶縁塗
料の調製方法、条件、サンプルの作成方法、条件、及び
試験項目は実施例8から実施例13と同様に行った。試
験結果は表3に併記した。
【0038】表3に示した試験結果から判るように、実
施例8から実施例13は絶縁破壊電圧が5kV以上、絶
縁抵抗が40MΩ以上と良好な電気特性を示しており、
切口のガラス編組及びガラス横巻きのほつれも全く見ら
れなかった。しかし、比較例7及び比較例9においては
無機充填剤を使用しなかったため、加熱後の耐熱耐湿集
束特性が劣り、ガラス編組及びガラス横巻きが切口から
2mm程度ほつれており、更に絶縁破壊電圧や絶縁抵抗
も劣っている。また、比較例8及び比較例10において
は無機充填剤の使用量が多すぎるため、加熱後の塗膜は
脆く、塗膜の表面にクラックが入っていた。当然、絶縁
破壊電圧や絶縁抵抗も劣っている。
【0039】これらの結果より、無機充填剤の使用量は
シリコーン樹脂固形分100重量部に対して10重量部
以上200重量部以下が好ましいと言える。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
最外層に無機繊維による編組、あるいは横巻きを施した
下地電線と、ポリイミド樹脂と無機充填剤を含有したシ
リコーン樹脂主体の耐熱性絶縁塗料とを組合わせること
によって、400℃以上の高温下でも使用可能な電線を
得ることができる。しかも、この電線は400℃以上の
高温でも優れた耐湿性を有するとともに、集束性の低下
もないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(a)は最外層
に無機繊維による横巻きを施してなる下地電線の一部切
欠斜視図、(b)は最外層に無機繊維による編組を施し
てなる下地電線の一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 導体 2 マイカテープ 3 ポリイミドテープ 4 テープ巻き層 5 横巻き 6 編組
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層に無機繊維による編組あるいは横
    巻きを施した下地電線に、耐熱性絶縁塗料を塗布してな
    る耐熱耐湿絶縁電線において、前記耐熱性絶縁塗料がシ
    リコーン樹脂を主体として、シリコーン樹脂固形分10
    0重量部に対し、固形分10重量部以上65重量部以下
    のポリイミド樹脂と、10重量部以上200重量部以下
    の無機充填剤を含有してなることを特徴とする耐熱耐湿
    絶縁電線。
  2. 【請求項2】 導体上にマイカテープとポリイミドテー
    プの両方の組合わせからなるテープ巻き層を設けてなる
    請求項1記載の耐熱耐湿絶縁電線。
JP4152714A 1992-05-20 1992-05-20 耐熱耐湿絶縁電線 Pending JPH05325655A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1199728A2 (de) * 2000-10-20 2002-04-24 Nexans Isolierter elektrischer Leiter mit Funktionserhalt im Brandfall
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