JP2909768B2 - 耐熱絶縁電線及び耐熱絶縁電線の製造方法 - Google Patents

耐熱絶縁電線及び耐熱絶縁電線の製造方法

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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、耐熱性、耐焼損性が要求される電気機器に
使用される耐熱絶縁電線に係り、特に、構造が簡単で、
自動車のエアコン用ファンモータ等の拘束過電流状態で
長時間使用しても耐熱性、耐焼損性を維持することので
きる耐熱絶縁電線の製造方法に関する。
【従来の技術】 耐熱樹脂中に粉末マイカ等を混合して焼き付けたり、
SiO2系のガラスを主成分とした絶縁材を導体に被覆した
セラミック電線は、従来の耐熱樹脂電線に比較し、著し
く耐熱性に優れている反面、巻回すると、絶縁層が剥が
れ落ちる欠点が有り、また、コイル巻線時の可撓性に問
題があるところからあまり市場には出回っていなかっ
た。 ところが、近年、セラミック電線は、600℃以上に昇
温しても導体表面に酸化被膜が形成されないため、高温
酸化による抵抗値の増加がなく、従来の一般電線の銅線
の高温酸化による抵抗値の増加のあるのに比べると、セ
ラミック電線の方がはるかに優位なことが確認されるよ
うになってきた。 このセラミック電線は、銅の導体表面にセラミックス
コーティング剤を塗布して形成される。このセラミック
スコーティング剤は、大別すると、無機コーティング剤
と有機コーティング剤の2つに分けられる。 無機コーティング剤には、エチルシリケートを原料と
する変性アルキルシリケート系化合物をバインダーとし
てセラミックを充填剤として混入して構成したものがあ
る。 有機コーティング剤には、ジメチルシクロロシランの
脱塩素縮重合反応により合成されるポリジメチルシラン
にジフェニルシクロロシランとホウ酸の縮重合により得
られるポリボロジフェニルシロキサンと呼ばれる半無機
ポリマの少量とチタン化合物の適量を添加し、加熱によ
り縮重合させたものがある。 この無機コーティング剤(変性アルキルシリケート系
バインダー:有限会社テー・エス・ビー製TSB−4200)
と有機コーティング剤(ポリボロジフェニルシロキサ
ン:宇部興産株式会社製チノプライマーにアルミを適量
添加したもの)のそれぞれの曲げ性、耐熱性、電気絶縁
性の特性は、第1表に示すとおりである。 チラノブライマー(Al)には充填剤としてアルミが混
合されており、絶縁性がない。 このように無機コーティング剤と有機コーティング剤
のそれぞれには、長所と短所のそれぞれがある。 無機コーティング剤の長所としては、耐熱性、耐燃焼
性が高い、硬度が高く、摩耗しにくい、などがあり、ま
た、短所としては、可撓性がとぼしく作業できる場所が
限定されてしまう点である。 また、有機コーティング剤の長所は可撓性がいいとこ
ろであり、短所としては、耐熱、耐燃性に弱く有害ガス
を発生することも有り、また硬度が比較的低いところで
ある。 このような無機コーティング剤、有機コーティング剤
の短所を補うべく例えば、特公昭60−3729号のようなダ
ブルコーティング法が考えられた。この特公昭60−3729
号公報に示されるセラミック電線100は、第3図に示す
如く、導体(Cu線)110の表面をニッケルメッキ120にて
前処理し、その表面に懸濁無機質液(無機絶縁被覆)13
0を塗布し、次にその上にシリコン又はワックス等の離
型剤140を塗布乾燥し、最後に、この上層にポリイミド
からなる耐熱塗料(有機絶縁層)150を焼き付けて構成
されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特公昭60−3729号公報に示され
る如きセラミック電線にあっては、最外層の有機コーテ
ィング剤は、無機コーティング剤の剥がれ落ちを防止す
るために設けてあるものであり、耐熱性に関しては、あ
まり効果的でなかった。また、導線と導線の表面に被覆
される無機コーティング剤の密着性を良くするために導
線表面にニッケルメッキをしたり、無機絶縁被膜と有機
絶縁層の間にすべりを生じさせるために離型剤を塗布す
る必要があり、セラミック導線にあっては従来の一般電
線の銅線の製造工程に比して製造工程数が増えるという
問題点を有していた。 本発明は、構造が簡単で、自動車のエアコン用ファン
モータ等の拘束過電流状態で長時間使用しても耐熱性、
耐焼損性を維持することのできる耐熱絶縁電線及び耐熱
絶縁電線の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発
明の耐熱絶縁電線においては、有機コーティング剤にマ
イカを混入して構成される有機絶縁層を導体の表面に被
覆し、該有機絶縁層の上に、変性アルキルシリケート系
化合物にセラミックスを混入して構成される無機絶縁層
を被覆してなるものである。 上記目的を達成するために、本願請求項2に記載の発
明の耐熱絶縁電線の製造方法においては、銅線の表面に
マイカをディピング塗装し、常温で24Hr放置し、その
後、180℃まで昇温して1Hr乾燥させ、その後に変性アル
キルシリケート系化合物をデッピング塗装し、常温にお
いて24Hr放置し、その後、180℃まで昇温して1Hr乾壊さ
せて形成するものである。 上記目的を達成するために、本願請求項3に記載の発
明の耐熱絶縁電線においては、有機バインダーにアルミ
ニウムを充填材として混入してなるコーティング剤を導
体の表面に被覆して第1のコーティング層を形成し、該
第1のコーティング層の上にエチルシリケートを原料と
する変性アルキルシリケート化合物をバインダーとして
窒化アルミを重量比で、 バインダー:窒化アルミ=3:1 の割合で配合してなるコーティング剤を被覆して第2の
コーティング層を形成してなるものである。
【作用】
本願請求項1に記載の発明によると、有機コーティン
グ剤にマイカを混入して構成される有機絶縁層を導体の
表面に被覆し、該有機絶縁層の上に、変性アルキルシリ
ケート系化合物にセラミックスを混入して構成される無
機絶縁層を被覆して構成するため、構造が簡単で、自動
車のエアコン用ファンモータ等の拘束過電流状態で長時
間使用しても耐熱性、耐焼損性を維持することができ
る。 本願請求項2に記載の発明によると、銅線の表面にマ
イカをディピング塗装し、常温で24Hr放置し、その後、
180℃まで昇温して1Hr乾燥させ、その後に変性アルキル
シリケート系化合物をディピング塗装し、常温において
24Hr放置し、その後、180℃まで昇温して1Hr乾壊させて
形成しているため、容易に製造ができ、構造が簡単で、
自動車のエアコン用ファンモータ等の拘束過電流状態で
長時間使用しても耐熱性、耐焼損性を維持することがで
きる。 本願請求項3に記載の発明によると、有機バインダー
にアルミニウムを充填材として混入してなるコーティン
グ剤を導体の表面に被覆して第1のコーティング層を形
成し、該第1のコーティング層の上にエチルシリケート
を原料とする変性アルキルシリケート化合物をバインダ
ーとして窒化アルミを重量比で、 バインダー:窒化アルミ=3:1 の割合で配合してなるコーティング剤を被覆して第2の
コーティング層を形成して構成しているため、製造が簡
単で、自動車のエアコン用ファンモータ等の拘束過電流
状態で長時間使用しても耐熱性、耐焼損性を維持するこ
とができる。
【実施例】
以下、本発明の具体的実務例について比較例と対比し
て説明する。 《本願第1の発明》 第1図には、本願第1の発明に係る耐熱絶縁導線の一
実施例が示されている。 図において、1は、セラミック電線である。 2は、導体で、銅線で構成されている。 3は、有機絶縁層で、有機コーティング剤に充填材で
ある有機珪素化合物が混入されて構成されている。この
有機コーティング剤としては、具体的には、ジメチルシ
クロロシランの脱塩素縮重合反応により合成されるポリ
ジメチルシランにジフェニルシクロロシランとホウ酸の
縮重合により得られるポリボロジフェニルシロキサンと
呼ばれる半無機ポリマの少量とチタン化合物の適量を添
加し、加熱により締重合させたもの(宇部興産株式会社
製:チラノポリマー)を用いている。 この有機コーティング剤に対する充填剤の重量比は、
有機コーティング剤のチラノポリマーにおいては、充填
剤(マイカ)の割合が多ければ多いほど耐熱性は向上す
る。しかしながら、チラノポリマー(有機コーティング
剤)と充填剤の重量比が、 チラノポリマー:充填剤=5:4 を超えて充填剤(マイカ)を割合が多くなると、導体表
面に形成される有機絶縁層の被膜が均一にコーティング
できなくなる。したがって、 チラノポリマー:充填剤=5:4 が充填剤添加割合のリミットである。この割合における
特性(各種試験データ)が第2表のに示されている。 4は、無機絶縁層で、無機コーティング剤にセラミッ
クスが混入されている変性アルキルシリケート系化合物
で構成されている。この無機コーティング剤としては、
具体的には、エチルシリケートを原料とする変性アルキ
ルシリケート系バインダー(有限会社テー・エス・ビー
製 TSB−4200)としてセラミック(充填剤)を混入さ
せたものである。また、無機コーティング剤に混合され
る充填剤としては、溶融石英、雲母粉末、酸化クロムの
混合粉末を用いる。 この無機コーティング剤に対する充填剤の重量比は、
無機コーティング剤のTSB−4200においては、充填剤の
割合が多いほど耐熱性は向上する。しかしながら、TSB
−4200と充填剤との重量比が、 TSB−4200:充填剤=2:1 を超えて充填剤の割合が多くなると、有機絶縁層の上に
形成される無機絶縁層の被膜が均一にコーティングでき
なくなる。したがって、 TSB−4200:充填剤=2:1 が充填剤添加割合のリミットである。この割合の無機絶
縁層を導体1の上に被覆して形成してなるセラミック電
線の特性(各種試験データ)が第2表のに示されてい
る。 また、第2表中、には、充填剤を全く混合しない、
無機コーティング剤(TBS−4200)のみによって構成さ
れる無機絶縁層を導体1の上に被覆して形成したセラミ
ック電線の特性(各種試験データ)が示されている。 さらに、には、本実施例の構成、すなわち、導体1
の表面に チラノポリマー:充填剤=5:4 の有機絶縁層2を、さらに、この有機絶縁層2の上に TSB−4200:充填剤=2:1 の無機絶縁層3を被覆したセラミック電線の特性(各種
試験データ)が示されている。 なお、各試料に対して行った各試験法は、次のとおり
である。 曲げ性試験は、数種類(103mmφ、63mmφ、30mmφ、1
0mmφ、2.5mmφ)のマンドレルに巻き付けて、そのとき
の導体に被覆した絶縁層の表面状態を見て行う。すなわ
ち、試料をマンドレルに巻き付けたときに、どの径のマ
ンドレルに巻き付けたときに導体に被覆した絶縁層にク
ラックが生じたかによって絶縁層の可撓性を判断するも
ので、第2表ではクラックを生じたときのマンドレル径
で示してある。 絶縁耐力試験は、試料の導体と、絶縁層の外部との間
に、1分間毎に100Vずつつ昇圧していき絶縁破壊を起こ
す電圧を求めたものである。第2表では絶縁破壊を起こ
した電圧値を表わしている。 耐熱試験は、試料をチューブ炉に挿入し、試料導体と
チューブとの間に500Vの電圧を掛けながら温度を上昇さ
せていき、抵抗が0Ω、すなわち、試料導体とチューブ
間で導通したときの温度を表示したものである。この耐
熱試験では、700℃以上の耐熱を有するものをもって合
格とし、他は不合格とする。 第2表の結果からも明白なとおり、本実施例のは、
曲げ性、絶縁耐力、耐熱性のいずれにおいても他の従来
例よりも優れている。特に、耐熱性は、715℃と高く、
耐熱性、耐焼損性が要求される電気機器に使用される耐
熱絶縁電線として最適である。 したがって、本実施例によれば、導体の表面に有機絶
縁層を被覆してあるため、この有機絶縁層が導体に密着
しやすいために、従来のように導体表面にニッケルメッ
キをする必要がない。 また、最外層に無機絶縁層を設けているため、耐熱性
を向上することができる。 《本願第2の発明》 本願第2の発明は、導体(銅線)に有機珪素化合物を
デッピング塗装し、常温で24Hr、180℃で1Hr乾燥させて
形成するものである。 有機珪素化合物はジメチルシクロロシランの脱塩素縮
重合反応により合成されるポリジメチルシランにジフェ
ニルシクロロシランとホウ酸の縮重合により得られるポ
リボロジフェニルシロキサンと呼ばれる半無機ポリマの
少量とチタン化合物の適量を添加し、加熱により締重合
させたもので、具体的には、宇部興産株式会社製のチラ
ノポリマー(商品名)がある。 変性アルキルシリケート系化合物はエチルシリケート
を原料とする変性アルキルシリケート系バインダー、具
体的には、有限会社テー・エス・ビー製のTSB−4200に
充填剤としてセラミックを混入させたものである。 この有機珪素化合物を導体(銅線)をデッピング塗装
して、まず、常温において24Hr放置し、その後、さらに
180℃にまで昇温して1Hr乾燥させる。そして、その後、
変性アルキルシリケート系化合物をデッピング塗装し
て、常温において24Hr放置し、その後、さらに180℃に
まで昇温して1Hr乾燥させる。 したがって、本願第2の発明によれば、従来の単層電
線に比べ各種性能を向上することができる。 また、本願第2の発明によれば、従来のダブルコーテ
ィング電線よりも構造をより簡素化することができ、耐
熱性も向上することができる。 《本願第3の発明》 第2図には、本願第3の発明に係る耐熱絶縁電線の一
実施例が示されている。 図において、10は、セラミック電線である。 11は、導体で、銅線で構成されている。 12は、有機コーティング層で、有機コーティング剤に
充填材であるアルミニウム(Al)が混合されて構成され
ている。この有機コーティング剤としては、具体的に
は、ジメチルクロロシランの脱塩素縮重合反応により合
成されるポリジメチルシランにジフェニルシクロロシラ
ンとホウ酸の縮重合により得られるポリボロジフェニル
シロキサンの呼ばれる半無機ポリマの少量とチタン化合
物の適量を添加し、加熱により縮重合させたもの(宇部
興産株式会社製:チラノポリマー)を用いている。 この有機コーティング層12は、導体11を構成する銅線
との密着性は抜群に良いが、有機コーティング剤(チラ
ノポリマー)に混合される充填剤がアルミニウムのため
絶縁性はない。 この有機コーティング剤(チラノポリマー)に対する
充填剤(Al)の重量比は、充填剤(Al)の割合が多けれ
ば多いほど耐熱性は向上する。しかしながら、チラノポ
リマーと充填剤(Al)の重量比が、 チラノポリマー:充填剤=5:4 を超えて充填剤(Al)の割合が多くなると、導体表面に
形成される有機コーティング層12の被膜が均一に京成で
きなくなる。したがって、 チラノポリマー:充填剤=5:4 が充填剤添加割合のリミットである。 13は、無機コーティング層で、無機コーティング剤に
窒化アルミ(AlN)を充填したものである。この無機コ
ーティング剤としては、具体的には、エチルシリケート
を原料とする変性アルキルシリケート化合物をバインダ
ー(有限会社テー・エス・ビー製:TSB−4200)がある。
そして、この変性アルキルシリケート化合物に充填剤と
して窒化アルミ(AlN)を重量比で、 TSB−4200:充填剤=3:1 の割合で混入して無機コーティング層13が形成されてい
る。この割合の無機コーティング層13を導体10の上に被
覆して形成したセラミック電線の特性(各種試験デー
タ)は、第3表に示す如くである。 本実施例の構成、すなわち、導体11の表面に有機コー
ティング層12を、さらに、この有機系バインダー12の上
に重量比で、 TSB−4200:充填剤(AlN)=3:1 の無機コーティング層13を被覆したセラミックス電線の
特性(各種試験データ)が第4表に示されている。 なお、各試料に対して行った各種試験法は、次のとお
りである。 曲げ性試験は、10mmφのマンドレルに巻き付けて、そ
のときの導体に被覆した絶縁層の表面状態を見て行う。
すなわち、試料をマンドレルに巻き付けたときに、導体
に被覆した絶縁層にクラックが生じたかによって絶縁層
の可埃性を判断するものである。 絶縁耐力試験は、試料の導体と、絶縁層の外部との間
に、500Vの電圧を掛けたときの抵抗値を示したものであ
る。 耐熱試験は、試料をチューブ炉に挿入し、試料導体と
チューブとの間に500Vの電圧を掛けながら温度を上昇さ
せていき、抵抗が0Ω、すなわち、試料導体とチューブ
間で導通したときの温度を表示したものである。 第4表の結果からも明白なとおり、本実施例は、各コ
ーティング剤の欠点を改善している。 したがって、本実施例によれば、導体の表面に有機系
バインダーを被覆してあるため、この有機系バインダー
が導体に密着しやすいために従来のように導体表面にニ
ッケルメッキをする必要がない。 また、本実施例によれば、有機コーティング剤を構成
するチラノポリマーにアルミニウム(Al)が混合されて
おり、無機コーティング層を構成する無機コーティング
剤に窒化アルミ(AlN)を混合してあるため、お互いの
層の密着性を高め、有機絶縁層の上に無機絶縁層を重ね
合わせても無機絶縁層が剥がれ落ちることはない。この
ように有機絶縁層と無機絶縁層とを密着させるようにし
ているため、従来のように有機絶縁層と無機絶縁層間の
滑りを良くするために有機絶縁層と無機絶縁層との間に
離型剤を塗布する必要がない。
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。 本願請求項1に記載の発明によれば、有機コーティン
グ剤にマイカを混入して構成される有機絶縁層を導体の
表面に被覆し、該有機絶縁層の上に、変性アルキルシリ
ケート系化合物にセラミックスを混入して構成される無
機絶縁層を被覆して構成するため、構造が簡単で、自動
車のエアコン用ファンモータ等の拘束過電流状態で長時
間使用しても耐熱性、耐焼損性を維持することができ
る。 本願請求項2に記載の発明によれば、銅線の表面にマ
イカをデッピング塗装し、常温で24Hr放置し、その後、
180℃まで昇温して1Hr乾燥させ、その後に変性アルキル
シリケート系化合物をデッピング塗装し、常温において
24Hr放置し、その後、180℃まで昇温して1Hr乾壊させて
形成しているため、容易に製造ができる。 本願請求項3に記載の発明によれば、有機バインダー
にアルミニウムを充填材として混入してなるコーティン
グ剤を導体の表面に被覆して第1のコーティング層を形
成し、該第1のコーティング層の上にエチルシリケート
を原料とする変性アルキルシリケート化合物をバインダ
ーとして窒化アルミを重量比で、 バインダー:窒化アルミ=3:1 の割合で配合してなるコーティング剤を被覆して第2の
コーティング層を形成して構成しているため、構造が簡
単で、自動車のエアコン用ファンモータ等の拘束過電流
状態で長時間使用しても耐熱性、耐焼損性を維持するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願第1の発明に係る耐熱絶縁電線の実施例を
示す断面図、第2図は本願第3の発明に係る耐熱絶縁電
線の実施例を示す断面図、第3図は従来の耐熱絶縁電線
の断面図である。 1,10……セラミック電線 2,11……導体 3……有機絶縁層 4……無機絶縁層 12……有機系バインダー 13……無機系バインダー

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機コーティング剤にマイカを混入して構
    成される有機絶縁層を導体の表面に被覆し、該有機絶縁
    層の上に、変性アルキルシリケート系化合物にセラミッ
    クスを混入して構成される無機絶縁層を被覆してなる耐
    熱絶縁電線。
  2. 【請求項2】銅線の表面にマイカをデッピング塗装し、
    常温で24Hr放置し、その後、180℃まで昇温して1Hr乾燥
    させ、その後に変性アルキルシリケート系化合物をデッ
    ピング塗装し、常温において24Hr放置し、その後、180
    ℃まで昇温して1Hr乾壊させてなる耐熱絶縁電線の製造
    方法。
  3. 【請求項3】有機バインダーにアルミニウムを充填材と
    して混入してなるコーティング剤を導体の表面に被覆し
    て第1のコーティング層を形成し、該第1のコーティン
    グ層の上にエチルシリケートを原料とする変性アルキル
    シリケート化合物をバインダーとして窒化アルミを重量
    比で、 バインダー:窒化アルミ=3:1 の割合で配合してなるコーティング剤を被覆して第2の
    コーティング層を形成してなる耐熱絶縁電線の製造方
    法。
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