JPS5941244B2 - 耐熱マグネットワイヤ− - Google Patents

耐熱マグネットワイヤ−

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JPS5941244B2
JPS5941244B2 JP54138946A JP13894679A JPS5941244B2 JP S5941244 B2 JPS5941244 B2 JP S5941244B2 JP 54138946 A JP54138946 A JP 54138946A JP 13894679 A JP13894679 A JP 13894679A JP S5941244 B2 JPS5941244 B2 JP S5941244B2
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coating layer
resin
inorganic
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孝雄 坪井
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電気機器の巻線に使用される耐熱絶縁電線、
すなわち巻線用耐熱マグネットワイヤーに関するもので
、通常は従来のエナメル巻線と同様に使用でき、かつ高
温時にはセラミック絶縁層を形成して高温での連続使用
をも可能にしたものである。
最近に至力耐熱マグネットワイヤーとして、耐熱性に富
むモラミツクによつて導体を被覆したマグネットワイヤ
ーが使用されるようになつている。
しかしながらセラミックで被覆した電線は可撓性が著し
く乏しく、殆ど曲げ加工等の成形加工が困難であり、こ
のため使用範囲が限られているのが実情であつた。また
前述の如く可撓性が乏しいことに起因して、取扱中や使
用時の振動等により長期間の使用においてセラミック絶
縁被覆にクラックが発生し、その結果使用中のヒートシ
ョック等により金属導体とセラミック絶縁被覆との密着
性が悪くな力、セラミック絶縁被覆が剥離した力するこ
とがあり、このため耐熱特性や絶縁特性の点でも未だ充
分なものではなかつた。ところで、マグネットワイヤー
を使用する電気機器の種類やその使用条件によつては、
平常時はセラミック絶縁被覆を要するほど高温とはなら
ない力ζ間欠的に大きな負荷が加わることによる温度上
昇や異常発生的に高温になつた時にはじめてセラミック
被覆を要するような場合がある力ζ従来はこのような条
件下でも通常のセラミックマグネットワイヤーを使用し
ていたから、前述のような問題を免れ得ないのが実情で
あつた。
そこでこの発明の発明者等は、前述の如き条件に巧みに
対応し得る耐熱マグネットワイヤーの開発を進めたとこ
ろ、既に特願昭53−152647号(特開昭55−8
0207号)で提案しているように、常温の巻線加工時
やその後の常温に近い通常の使用温度においては従来の
有機質エナメル絶縁電線と同様な機械的・電気的特性を
示し、また異常な高温時にはじめてセラミツク絶縁電線
としての特性を示すようにした耐熱マグネツトワイヤ一
の開発に成功したものである。すなわちこの提案の製法
により得られた耐熱マグネツトワイヤ一は、導体上に無
機質微粉末とシリコーン樹脂とからなる混合物(または
無機質微粉末、シリコーン樹脂およびその他の樹脂との
混合物)の複合被覆層が形成され、かつこの複合被覆層
の上には可撓性を有する保護用の樹脂層が形成されたも
ので、高温時にはセラミツク絶縁層が形成されるように
したものである。この耐熱マグネツトワイヤ一は、その
複合被覆層が予め人工的な焼成熱処理によりセラミツク
化されていないものであるから、巻付け加工等の加工時
には複合被覆層およびその上の樹脂層が可撓性に富むに
加え、線同士の摩擦や対物摩擦等が生じても、樹脂層の
存在により複合被覆層の剥離が防止されるから、通常の
有機質エナメル絶縁電線と同様に加工でき、かつ複合被
覆層の樹脂の耐熱温度以下の通常の使用条件下では通常
の有機質エナメル絶縁と同様な電気的・機械的特性を示
し、一方異常時に樹脂の耐熱温度以上の高温に曝された
場合や樹脂の耐熱温度以下の低温状態と耐熱温度以上の
高温状態とが繰返されるような場合においては電気的特
性の急激な低下や1時的な低下を招くことなく複合被覆
層がセラミツク化して、そのまま低温から高温の状態ま
で連続して使用することができるものである。しかるに
前記提案の耐熱マグネツトワイヤ一につきさらに検討を
重ねたところ、次のような問題があることが判明した。
すなわち前記提案のマグネツトワイヤ一の導体上に被覆
された複合被覆層においては無機質粉末粒子に対しシリ
コ≧ン樹脂(または変性シリコーン樹脂さらにはシリコ
ーン樹脂と他の樹脂との混合物)がバインダとして作用
しており1したがつて巻付加工時にはその巻付円周の外
側に位置する複合被覆層内の無機質粉末粒子間のバイン
ダ樹脂が伸ばされることになる力ζこの際複合被覆層と
その上に形成されているオーバーコート樹脂層とが接着
されている状態すなわち両層が連続した状態で形成され
ていれば、複合被覆層内のバインダ樹脂が無機質粉亦粒
子間の伸びに耐えられずにバインダ樹脂に亀裂が生じた
場合には、これに伴つてオーバーコート樹脂にも亀裂が
生じるおそれがあり、このため巻付加工性が低下する問
題がある。そしてこの問題を解決する門 ためには、オ
ーバーコート樹脂層に使用される樹脂として、複合被覆
層のシリコーン樹脂等のバインダ樹肪よりも伸び特性が
著しく良好でしかも強靭なものを選ぶ必要が生じ、その
ためオーバーコート樹脂として使用される樹脂の選択の
幅が著し2く狭くなつて使用目的に応じた最適な樹脂を
使用できなくなるおそれがある。また、前述の如く複合
被覆層とその上のオーバー、コート樹脂層とが接着され
ていれば、異常時などの高温において複合被覆層のバイ
ンダ樹脂が分解する際にオーバーコート樹脂層の存在に
よ勺分解ガスの放出が妨げられて、分解ガスの放出が困
難となるから、高温に急速加熱されたときには内部から
の分解ガスの圧力が急激に上昇してオーバーコート樹脂
層および複合被覆層が局部的に吹き飛ばされ、これによ
り力導体が局部的に露出して線間短絡が生ずる等の問題
があつた。そこでこのような上述の巻付加工性の問題と
高温加熱時の問題とを同時に解決できるようにすること
を目的としてこの発明の発明者等は先に、導5体上に形
成された複合被覆層すなわち高温時にセラミツク化され
る複合被覆層の上に、該複合被覆層に対し接着されずに
浮いた状態または非接着に近い接着状態すなわち部分的
にしか接着していないかまたは簡単に複合被覆層から剥
離できる状態フ(以下この明細書ではこれらの状態を含
めて非接着状態と記す。
)に保護用の樹脂層を形成し、これによつて前述の諸問
題を解決することを提案した八その後さらにこの方法に
ついて検討したところ、前記提案において示したものの
うち、高温・で軟化溶融し易い樹脂や収縮し易い樹脂に
おいては前記した二つの特性改善のうち高温時の耐熱特
性に若干問題があることが判明した。これは高温で軟化
溶融する樹脂や縮みの大きな樹脂では複合被覆層の上に
非接着の浮いた状態で形成した樹脂層が高温で軟化流動
した力収縮することによつて接着状態に近い状態となb
、その結果複合被覆層が無機物化して行く過程で生成す
るガスの放出を抑える状態となつてしまうため、急激に
高温状態に曝されると複合被覆層が導体から剥離した力
飛んでしまうなどの問題を生じるのである。この発明は
このような前記提案の欠点を改良し、軟化流動し易い樹
脂や収縮し易い樹脂を前記複合被覆層の上に形成した場
合にも、急速な高温状態において被覆の飛び、剥離など
の問題を生じることなく無機物化させることを目的とし
たもので、その要旨は、可撓性を有する有機質の樹脂に
無機質粉末を添加した混合物を、前記の高温状態では結
合されたセラミツク層を形成する複合被覆層の上に非接
着の状態で被覆するものである。
具体的には、この発明の耐熱マグネツトワイヤ一は、導
体上に少くとも無機質微粉末100重量部と無機幸分子
10〜200重量部とからなる混合物の複合被覆層が形
成され、かつこの複合被覆層の上に、可撓性を有する有
機質の樹脂100重量部と無機物粉末0.1〜50重量
部とからなる混合物のオーバーコート層が複合被覆層に
対し非接着状態で設けられた、高温時にはセラミツク絶
縁層が形成されることを特徴とするものである。以下こ
の発明の耐熱マグネツトワイヤ一をより詳細に説明する
まずこの発明のマグネツトワイヤの複合被覆層に使用さ
れる無機高分子は、複合被覆層のバインダとして作用し
、しかも異常時等の高温により焼成された時の分解後の
先成物質が無機質微粉末の結合剤として作用してより強
固なセラミツク層を生成させる作用を果たすものであり
、各種のシリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂例えば、
シリコーン樹脂とメチルメタクリレート、アクリロニト
リル等、他の有機モノマーとの共重合甑あるいはシリコ
ーン樹脂とアルキッド樹脂フエノール樹脂、エポキシ樹
瓢メラミン樹脂等との共重合物、さらにSiとTi.B
,Al,N.P.Ge.As.Sb等の元素を1種以上
と酸素とを骨格に持つた無機高分子、またSiとTi′
B,Al.N.P.Ge.As.Sb等の元素の1種以
上と酸素と炭素とを骨格に持つた無機高分子、さらには
前記各元素のSi以外の元素の1種もしくは2親以上と
酸素とを骨格に持つた無機高分子、またはこれ等と前記
有機モノマーや樹脂との共重合物や混合物等を使用する
ことができる八好ましくは可撓性に優れかつ耐熱温度以
上では炭化水素基等が徐々に分解するタイプの無機高分
子、例えばメチルーフエニルシリコーンの如く、分解温
度の異なる2種以上の基を持つシリコーン樹脂が良い。
しかしながら本発明の場合にはオーバーコート層は、高
温時に結合したセラミツク層を形成する複合被覆層に対
し非接着の状態で設けられかつ樹脂の高温での軟化流動
を防止するための無機物が添加されているから、高温で
結合したセラミツク層を形成する複合被覆層からの分解
ガスがトラツプされ易くなつているため、オーバーコー
ト層にジメチルシリコーン等のように分解し易いシリコ
ーン樹脂が用いられていても、急激な高温への温度上昇
による複合被覆層の飛びや剥離を生じるようなことがな
い。また高温で結合したセラミツク層を形成する複合被
覆層のバインダとしては前述のようなシリコーン樹脂等
の無機高分子を単独で用いても良い執特に機械的強度等
を配慮して無機高分子に他の樹脂例えばエポキシ樹脂、
ポリカーボネート、フエノール樹脂等を混合して用いる
こともできる。一方、無機質微粉末としては、バインダ
して使用される無機高分子の分解温度附近で半融または
溶融しない無機質微粉末であつて電気的特性が優れたも
Oを用いることが望ましい。例えば、結晶質粉末、ガラ
ス質粉末またはこれらの混合粉末が使用さへよ勺具体的
には、アルミナ(AI2一03)、チタン酸バリウム(
BaTiO3)、ジルコン(ZrSiO4)、ステアタ
イト(MgSiO3)、シリカ(SiO2)、ベリリア
(BeO)、マグネシア(MgO)やクレー、あるいは
通常のガラスフリツト等の酸化物、ボロンナイトライト
(BN)、窒化ケイ素等の窒化物またはこれらの混合物
等を使用することができる。これらの無機質微粉末の粒
径は導体の径に応じて適宜の大きさのものが使用される
が、通常は10μm以下のものが好ましい。また無機質
粉末の粒度分布は均一であつても良い八複合被覆層が可
及的に緻密な構造となるよう大径の粒子と小径の粒子と
がうまく組合された状態としても良く、さらにはリン片
状や繊維状のものを用いても良い。なお前記複合被覆層
を形成する無機質粉末と無機高分子との混合物、または
無機質粉末と無機高分子とてO他の樹脂とからなる混合
物は、無機質粉末に対し無機高分子やその他の樹脂から
なるバインダが少な過ぎれば被覆層の可撓性が不足して
コイル巻加工が困難とな力、また逆にバインダが多過ぎ
れば使用時において高温に急速加熱された場合にバイン
ダ樹脂の分解に伴つて発生するガス量が多くなるため被
覆層が飛ばされる等の問題が生じ、この結果高温時の電
気的特性(絶縁特性)が低下するおそれがある。このよ
うな理由から、混合物の配合比は、無機質粉末100重
量部に対し無機高分子が10〜200重量部、好ましく
は20〜60重量部となるように決定する。そして上述
のような複合被覆層を導体上に形成するためには、前記
混合物を導体上に押出被覆しても良いLあるいは前記混
合物に希釈剤を無機質粉末100重量部に対して20〜
300重量部程度加えて溶液状にレこれを導体上にコー
テイングしても良い。
なお後者の場合、希釈剤としては無機高分子よりも低粘
度で反応性または未反応偏のポリシロキサン、各種変性
シロキサン、その他熱分解して電気絶縁性の残渣物を生
成する無機重合物、低重合度の有機ポリマー、あるいは
キシレン、トルエン等の有機溶剤などが用いられる。ま
た導体上にコーテイングまたは押出被覆された混合物は
通常は加熱硬化(ただし半硬化状態も含む)させること
が望ましい力(場合によつては未硬化の状態のままでも
良い。そしてこの被覆層は、単層あるいは多層に施され
、また場合によつては先ず導体直上に無機高分子からな
る薄層、または無機高分子と複合被覆層に用いられてい
るその他の樹脂との混合物の薄層を形成レその薄層の上
に前記複合被覆層を形成しても良い。
このような構成においては、複合被覆層中のバインダ成
分が複合被覆層と導体との間に薄く介在するため、複合
被覆層が導体に強固に結合されて耐摩耗性、可撓性が向
上し、また絶縁電線使用中に高温に曝されて複合被覆層
がセラミツク化した場合、前記薄層の分解生成物質が導
体表面とセラミツク層との間に結合剤として残るから、
この場合にも耐摩耗性が向上する。
なお前記薄層の厚みは1〜5μm程度が望ましく、これ
以上厚くした場合には高温により薄層のシリコーン樹脂
等が分解した際に分解ガスの脱出時の発泡によるピンホ
ールが多数生じてしまうおそれがある。なおまた、場合
によつては導体直上に前述の薄層を形成し、その薄層の
上に前記複合被覆層を形成し、その複合被覆層の上に再
び前記同様の薄層を形成したものでも良く、さらに前記
薄層と複合被覆層を交互に複数層形成した構成としても
良い。ノ なおまた、複合被覆層の厚みはl〜100μmとするこ
とが望まし゜く、1μm未満では使用時において高温に
加熱されることにより複合座覆層がセラミツク化した場
合、そのセラミツク層の厚みが不足して高温における絶
縁性能が不足し、また100μmを越えれば可撓性が低
下すると共に複合被覆層が軟質緩して耐摩耗性が低下す
る等の問題が生じる。
なお、複合被覆層がコーテイングまたは押出被覆される
導体としては、ニツケル、銀などの耐熱性の金属や合金
のメツキ銅線やニツケルタラツド銅線あるいはステンレ
スクラツピ銅線、銀線、銀合金線、白金線、金線、ニク
ロム線等、耐熱性導体を使用することが望ましい力ζ極
く短時間のみ高温に曝されるような場合や非酸化性の雰
囲気で使用される場合には銅線を使用することができる
。またこれらの導体は高温でのセラミツク層との結合力
を強めるため必要に応じて表面を酸化処理して用いても
良い。前述の如き複合被覆層の上には、該複合被覆層に
対し非接着の状態で有機質の樹脂100重量部と無機質
粉末0.1〜50重量部との混合物からなる保護用の被
覆層がオーバーコートされる。
このように形成されるオーバーコート層は巻付等の加工
性と高温時の特性との両者を満足させるためのもので、
まず加工特性の点からはコイル巻加工時等における線同
士の摩擦や対物摩擦により複合被覆層が剥離してしまう
ことを防止して、巻付け加工特性を良好にするためのも
のであり,より具体的にはコイル巻加工に充分耐え得る
程度の可撓性と耐摩粍性とを有するものであることが望
ましい。一方耐熱性の点からは、オーバーコート層に用
いられる有機質の樹脂は少くとも通常の使用温度におけ
る長時間の使用に耐える程度の耐熱性を有するものでよ
く、そして特に異常時に急速に温度上昇するような条件
で使用されるような場合に、導体上の複合被覆層から生
成する分解ガスの放出が妨げられることがないようにオ
ーバーコート層の軟化流動を抑えるに充分な量の無機質
粉末を混合したオーバーコート層を被覆する必要がある
。このような目的に対して用いることのできる有機質の
樹脂としては、熱軟化特性の優れた耐熱性の樹脂、すな
わちポリイミド、アミドイミピ樹脂、ポリパラバン酸樹
脂、エステルイミド樹月kポリヒダントイン、耐熱性ポ
リエステル等の樹脂を用いることが望ましいが、ウレタ
ン樹脂、フツ素樹脂、ポリオレフイン、ポリアミピ、ホ
ルマール樹脂等も使用できる。そしてこれらオーバーコ
ート層の有二機質の樹脂に対して添加する無機質粉末と
しては、用いられる有機質樹脂の分解消失温度で半融ま
たは軟化溶融しないもので電気的特性に優れた前記複合
被覆層に用いたと同様な各種のものを使用でき、またこ
のほか潤滑性を有する微粉末例えばBN,MnS2.M
OS3,WS2.PbO,窒化シリコン、フツ化黒鉛、
雲母等も使用することができる。またその配合比は、巻
付加工性などの機械的特性と耐熱特性とを考慮L通常は
有機質樹脂100重量部に対し無機質粉末0.1〜50
重量部となるようにすることが望ましい。すなわち樹脂
に対して無機物がこれより多過ぎれば可撓性が悪くなb
1また逆に少な過ぎれば高温時におけるオーバーコート
層の軟化流動の抑制効果が充分でなくなbセラミツク結
合層の飛びが生じ易くなるためである。そしてオーバー
コート層の厚みは、1〜100μmとすることが望まし
い。これは1μm未満ではコイル巻加工時の摩擦に対し
て弱く、また100μmを越えれば、分解性が良くない
樹脂の場合には分解時にセラミツク層の剥離を招く場合
があ択かつスペースフアクタ一が低下する等の問題が生
じる。そしてまたこのオーバーコート層は1層の場合に
限らず、マグネツトワイヤ一の使用的等に応じ多層に形
成でき、また用いる樹脂を変えた混合物の層を組合せて
多層に形成しても良く、また有機質樹脂および無機物の
混合物からなる層と有機質の樹脂からなる層とを組合せ
た多層構造としても良い。例えば熱軟緩特性と耐摩耗偏
とを必要とするような場合には、耐熱特性に優れたポリ
イミド等と無機物とからなる混合物をまず被覆し、次い
でポリアミビイミピ、ホルマール樹脂、ポリアミピ等の
機械的特性の優れたものと無機物とからなる混合物を被
覆する複数層の構成とすることが望ましい。そして、前
述の如くオーバーコート層を高温時には結合したセラミ
ツク層を形成する複合被覆層の上に非接着状態で形成す
るためには、オーバーコート層の樹脂として複合被覆層
に対し接着性の悪いもの例えば複合被覆層のシリコーン
樹脂に対し接着性の悪いポリイミピ、テフロン、アミド
イミド樹脂等を使用Lこの樹脂を被合被覆層上に塗覆す
るか、また線心に伸張力を加えながら塗覆すると良い。
あるいは予め複合被覆上に潤滑性を有する微粉末例えば
BN.MOS2.MOS3.WS2.PbOl窒化シリ
コン、フツ化黒鉛、黒鉛、雲母等の無機物やフツ素樹脂
等の有機物を塗布しておき、その上からオーバーコート
層をコーテイングあるいは巻回、チユーピング、押出被
覆する。さらにはオーバーコート層をその混合物のテー
プ状のものを巻付けることにより形成しても良く、この
場合には、テープ巻時のテンシヨンを調節することによ
りオーバーコート層のテープが高温時に結合したセラミ
ツク層を形成する複合被覆層上に強く締め付けられない
ようにするかあるいはイボ付テープのようなものを用い
れば良い。またこのようなテーブ巻の場合には必要に応
じてテープの重なb部分を種々の方法で接着することも
行なわれる。そしてまたオーバーコート層として中空な
チユープ状のものを使用して、このチユーブを複合被覆
層の外側に外挿させても良い。また場合によつては複合
被覆層とオーバーコート層との間に、これら両層の内少
くとも一方の層に対し非接着性となる別の層を介在させ
て、オーバーコート層を被合被覆層に対し非接着状態と
しても良い。なお、前述のように形成されたオーバーコ
ート層の上には、巻付加工等における電線の滑力特性を
良好にするため、潤滑性を与えるような材料からなる減
摩層を設けても良い。以上詳述した如き耐熱マグネツト
ワイヤ一を電気機器に使用する際には、通常はコイル巻
加工が行なわれる八コイル巻加工時には複合被覆層はセ
ラミツク化されておらず、したがつて可撓性に富むから
この作業が容易に行なえることになる。
しかもこの複合被覆層の上に設けられた可撓性を有する
オーバーコート層は、高温時に結合したセラミツク層を
形成する複合被覆層に対し非接着の状態で形成されてい
るから、巻付加工時にその彎曲半径外側の複合被覆層が
仲ばされた際にも、オーバーコート層は複合被覆層に対
し独立に伸ばさしたがつて複合被覆層に亀裂が生じても
オーバーコート層はその全体の変形量がその混合物自身
の変形限界内であれば亀裂が生じることがない。したが
つて電線全体としての加工性は極めて良好であり、従来
の通常の有機質エナメル絶縁電線と同様に小径のコイル
巻加工を行うことができる。そしてオーバーコート層が
複合被覆層に接着されている場合と比較してそれほど伸
び特性や靭性が高くない樹脂をオーバーコート層の混合
物中の樹脂に用いても前述の如く良好な加工特性が得ら
れるから、オーバーコート層の混合物に用いることので
きる樹脂の選択の幅が広く、したがつて使用目的に応じ
て最適な樹脂を使用することができる。なお、前記オー
バーコート層の存在によ勺複合被覆層が直接外面に露出
しないことになるから、コイル巻加工等の加工時におけ
る線同士の摩擦や対物摩擦により複合被覆層が剥離して
しまうようなことがない。そしてこの発明のマグネツト
ワイヤ一を複合被覆層の無機高分子やオーバーコート層
の樹脂の耐熱温度以下の常温に近い温度で使用している
場合には、複合被覆層はセラミツク化されておらず、か
つその上に有機質の樹脂を主成分としたオーバーコート
層がそのまま存在しているからその機械的特性は従来の
通常の有機質エナメル絶縁電線とほとんど変らず、した
がつて機械的な振動が加わる状態で使用しても絶縁被覆
が剥離した力することがなく、またその電気的特性も従
来の通常の有機質エナメル絶縁電線と同程度となる。
したがつて通常の使用温度がオーバーコート層の樹脂等
の耐熱温度以下となるような電気機器に対しては従来の
有機質エナメル絶縁電線とほぼ同様に使用することがで
きる。一方、高温に温度上昇した場合、複合被覆層を構
成する無機高分子などが分解Lその有機分が消失してシ
リカやシリカとの複合酸化物等が生成され、このシリカ
等の分解生成物が無機質微粉末の結合剤として作用して
強固なセラミツク層が生成される。
この場合、セラミツク化は、分解の途中での1時的ある
いは急激な電気的特性の低下なしに行なわれ、かつ生成
されたセラミツク層は高.温での電気的特性(絶縁特性
)がきわめて良好であるから、高温に温度上昇した場合
でも電気的特性が低下することなくそのまま連続使用で
きることになる。そして特にこの発明の耐熱マグネツト
ワイヤ一においては、無機分を含むオーバーコート層が
高温時に結合したセラミツク層を形成する複合被覆層に
対し非接着の状態で設けられかつ高温でのオーバーコー
ト層の樹脂の軟化流動による問題点を除いてあるから、
シリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂等の無機高分子な
ど複合被覆層のバソンダ物質が分解する際に未だオーバ
ーコート層の樹脂が分解消失していなくても、複合被覆
層からの分解ガスが複合被覆層とオーバーコート層との
間にトラツプされるから、急激な温度上昇によつて分解
が急速に進行した場合でもその分解ガスの発生によりオ
ーバーコート層と複合被覆層が吹き飛ばされて導体が露
出してしまうような事態の発生を防止することができる
。このため、オ一”バーコード層に使用される樹脂とし
ては、耐熱性に優れていて比較的分解消失しにくくかつ
軟化溶融や熱収縮の少ない樹脂だけでなくその他の熱軟
化し易い樹脂についても使用目的に応じて種々の樹脂を
用いることができる。すなわちオーバーコート層に使用
されている樹脂自体は軟化流動し易い特性や収縮し易い
特性を有する場合であつても、そのオーバーコート層の
樹脂に無機質粉末が混合されていることによつてオーバ
ーコート層は全体として軟化流動や収縮が生じ難くなつ
ており、そのため急激に温度上昇した場合でも複合被覆
層に対するオーバーコート層の非接着状態が保たれ、し
たがつて複合被覆層のバインダ樹脂の分解ガスが複合被
覆層とオーバーコート層との間にトラツプされることが
阻害されず、オーバーコート層の樹脂として軟化溶融や
熱収縮の少ないものが使用されている場合と同様にオー
バーコート層非接着の効果が最大限に発揮されるのであ
る。以下にこの発明の実施例および比較例を記す。
実施例 1平均粒径5μmのアルミナ微粉末を100重
量部およびキシレン35重量部とからなる混合物中に1
.0nφのニツケルメツキ銅線を浸漬させた後350〜
400℃に加熱された炉中で、シリコーン樹脂を硬化さ
せた。
この操作をく力返し行なつて、0.02n厚さの複合被
覆層を形成した。次いでこの線にウレタン100重量部
とアルミナ15部とからなる混合物の厚さ17μmのフ
イルムを巻付け、その後ウレタン樹脂を塗布焼付けして
前記フイルムを接着させたオーバーコート層を形成した
耐熱マグネツトワイヤ一を得た。実施例 2 前記実施例1と同様に複合被覆層を形成させた後、ポリ
イミピ樹脂100重量部とアエロジル5部とからなる混
合物を伸長率1%程度の張力を加えながら連続的に塗布
焼付けして約20μm厚さのオーバーコート層を形成し
、最終的に1.080nφの耐熱マグネツトワィヤ一を
得た。
実施例 3 1m11φのニツケルメツキ銅線にまず3μmのシリコ
ーン樹脂の薄層を設けた後、平均粒径5μmのアルミナ
粉末40重量部とガラスフリツト(軟化温度900℃)
60重量部とメチルフエニルシリコーン樹脂30重量部
およびキシレン35重量部からなる混合物中に前記銅線
を浸漬させて350〜400℃の炉中で焼付ける操作を
繰返し行つて20μm厚さの複合被覆層を形成した。
次いでこの上にナイロン100重量部とBN3重量部と
からなる厚さ13μmのフイルムを重ね巻きL次いでナ
イロン塗料を塗布、焼付けして粉記フイルムを接着して
オーバーコート層を形成した。このようにして耐熱マグ
ネツトワイヤ一を得た。比較例実施例1で得た複合被覆
層を有する電線上に、厚さ17μmのウレタン樹脂のフ
イルムを被覆して耐熱マグネツトワイヤ一を得た。
以上の各実施例および比較例の耐熱マグネツトワイヤ一
についてオーバーコート層の状態、可撓性および耐熱性
について試験した。
結果は次表にO示す通力である。(なお、急速加熱によ
る耐熱特性はそれぞれの温度に設定した炉中に前記マグ
ネツトワイヤ一の2コ撚力した試料を入れて、オーバー
コート層の樹脂が完全に分解消失した後の状態で評価し
た。)なお表中において、「可撓性」の各欄の数値は、
試料数20に対する不良発生数を示L 「急速加熱によ
る複合被覆層の飛び」の欄の評価は次の通bである〇0
印・・・・・・被覆層の飛びなし。
Δ印・・・・・・部分的に飛びが生じる。
×印・・・・・・被覆層に飛びが生じ導体が露出。
表の結果から明らかなように、複合被覆層に対しで無機
物を添加したオーバーコートの層を非接着状態に構成し
たものは、従来のエナメル線と同様に自己径巻付けに耐
える可撓性が得られると共に、急激な温度上昇に対して
も複合被覆層の剥離や飛びが生じ難い効果が得られるも
のである。これに対して比較例のように軟化溶融する樹
脂のみを非接着の状態でオーバーコートしたものは可撓
性は良いものの高汚時の特性上問題があることが判る。
以上説明した通b1この発明の耐熱マグネツトワイヤ一
は、少くとも無機質微粉末と無機高分子とからなる混合
物の複合被覆層が導体上に形成されかつこの複合被覆層
の上に可撓性を有する樹脂と無機物とからなる混合物の
オーバーコート層が複合被覆層に対し非接着の状態で形
成されたものであつて、前記複合被覆層が人工的なある
決められた条件での焼成熱処理により予めセラミツク化
されておらず、使用中の高温時にはじめてセラミツク化
されるようにしたものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 導体上に無機質微粉末100部と無機高分子10〜
    200部とからなる混合物の複合被覆層が形成され、か
    つこの複合被覆層の上に、可撓性を有する有機質の樹脂
    100部と無機質粉末0.1〜50部とからなる混合物
    のオーバーコート層が前記複合被覆層に対し非接着の状
    態で設けられた、高温時にはセラミック絶縁層が形成さ
    れることを特徴とする耐熱マグネットワイヤー。
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