JP2759713B2 - 耐火・耐熱電線 - Google Patents
耐火・耐熱電線Info
- Publication number
- JP2759713B2 JP2759713B2 JP3061414A JP6141491A JP2759713B2 JP 2759713 B2 JP2759713 B2 JP 2759713B2 JP 3061414 A JP3061414 A JP 3061414A JP 6141491 A JP6141491 A JP 6141491A JP 2759713 B2 JP2759713 B2 JP 2759713B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- resistant
- coating
- fire
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火・耐熱電線に関す
るものである。
るものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、火災警報装置等の消防用
設備においては、消防庁告示第7号に規定された耐火・
耐熱電線を用いることが義務付けられている。このよう
な耐火・耐熱電線として、従来、導体の絶縁材料にセラ
ミックスの充填剤を用いたものがある。表1は、耐熱シ
リコンポリマ−と窒化ホウ素を3:1の重量比で配合し
た窒化ホウ素充填剤入りコーティング液を導体表面にコ
ーティングした耐火・耐熱電線と、耐熱シリコンポリマ
−とアルミナを2:5の重量比で配合したアルミナ充填
剤入りコーティング液を導体表面にコーティングした耐
火・耐熱電線について、外観(コーティング膜強度)、
絶縁抵抗、絶縁耐力、曲げ易さ、耐熱性能の試験結果を
示すものである。なお、重量比は、数回の試験を繰り返
し、その中で最も優れた結果が得られた時のものであ
る。
設備においては、消防庁告示第7号に規定された耐火・
耐熱電線を用いることが義務付けられている。このよう
な耐火・耐熱電線として、従来、導体の絶縁材料にセラ
ミックスの充填剤を用いたものがある。表1は、耐熱シ
リコンポリマ−と窒化ホウ素を3:1の重量比で配合し
た窒化ホウ素充填剤入りコーティング液を導体表面にコ
ーティングした耐火・耐熱電線と、耐熱シリコンポリマ
−とアルミナを2:5の重量比で配合したアルミナ充填
剤入りコーティング液を導体表面にコーティングした耐
火・耐熱電線について、外観(コーティング膜強度)、
絶縁抵抗、絶縁耐力、曲げ易さ、耐熱性能の試験結果を
示すものである。なお、重量比は、数回の試験を繰り返
し、その中で最も優れた結果が得られた時のものであ
る。
【0003】
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この表1から明らかな
ように、アルミナ充填剤入りコーティング液を導体表面
にコーティングした耐火・耐熱電線は、外観、絶縁抵
抗、絶縁耐力、曲げ易さにおいて合格基準に達している
が、耐熱性能において不合格となっている。一方、窒化
ホウ素充填剤入りコーティング液を導体表面にコーティ
ングした耐火・耐熱電線は、絶縁抵抗、曲げ易さ、耐熱
性能において合格基準に達し、外観、絶縁耐力において
不合格となっている。すなわち、それぞれ一長一短があ
り、このままでは耐火・耐熱基準を充分に満足すること
ができないという問題がある。本発明の目的は、膜厚を
従来と同等にしても、耐火・耐熱基準を充分に満足する
ことができるようにしようというものである。
ように、アルミナ充填剤入りコーティング液を導体表面
にコーティングした耐火・耐熱電線は、外観、絶縁抵
抗、絶縁耐力、曲げ易さにおいて合格基準に達している
が、耐熱性能において不合格となっている。一方、窒化
ホウ素充填剤入りコーティング液を導体表面にコーティ
ングした耐火・耐熱電線は、絶縁抵抗、曲げ易さ、耐熱
性能において合格基準に達し、外観、絶縁耐力において
不合格となっている。すなわち、それぞれ一長一短があ
り、このままでは耐火・耐熱基準を充分に満足すること
ができないという問題がある。本発明の目的は、膜厚を
従来と同等にしても、耐火・耐熱基準を充分に満足する
ことができるようにしようというものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による耐火・耐熱
電線は、耐熱シリコンポリマーに窒化ホウ素充填剤を充
填してなるコーティング液を均一にコーティングして導
体の外周に第1のコーティング層を形成し、さらに該第
1のコーティング層の上に耐熱シリコンポリマーにアル
ミナ充填剤を充填してなるコーティング液をコーティン
グして第2のコーティング層を形成したものである。
電線は、耐熱シリコンポリマーに窒化ホウ素充填剤を充
填してなるコーティング液を均一にコーティングして導
体の外周に第1のコーティング層を形成し、さらに該第
1のコーティング層の上に耐熱シリコンポリマーにアル
ミナ充填剤を充填してなるコーティング液をコーティン
グして第2のコーティング層を形成したものである。
【0006】
【作用】上記構成によれば、コーティング層を2層構造
にし、かつ互いに短所を補い合うようなコーティング液
を導体の上層にコーティングしているため、耐火・耐熱
基準を充分に満足することができる。
にし、かつ互いに短所を補い合うようなコーティング液
を導体の上層にコーティングしているため、耐火・耐熱
基準を充分に満足することができる。
【0007】
【実施例】図1は、本考案の一実施例を示す断面図であ
り、この実施例の耐火・耐熱電線1は、導体2の上層
に、耐熱シリコンポリマーに窒化ホウ素充填剤を充填し
たコーティング液をコーティングして第1のコーティン
グ層3を形成し、さらに、この第1のコーティング層3
の上層に耐熱シリコンポリマーにアルミナ充填剤を充填
したコーティング液をコーティングして第2のコーティ
ング層4を形成したものである。
り、この実施例の耐火・耐熱電線1は、導体2の上層
に、耐熱シリコンポリマーに窒化ホウ素充填剤を充填し
たコーティング液をコーティングして第1のコーティン
グ層3を形成し、さらに、この第1のコーティング層3
の上層に耐熱シリコンポリマーにアルミナ充填剤を充填
したコーティング液をコーティングして第2のコーティ
ング層4を形成したものである。
【0008】具体的には、まず、耐熱シリコンポリマー
に窒化ホウ素充填剤を充填したコーティング液の入って
いる槽の中に導体2を入れて常温で24時間放置し、窒
化ホウ素充填剤入りコーティング液を浸漬塗布し、その
後に、220℃で30分間乾燥させて第1のコーティン
グ層を形成させる。次に、耐熱シリコンポリマーにアル
ミナ充填剤を充填したコーティング液の入っている槽の
中に入れて常温で24時間放置し、アルミナ充填剤入り
コーティング液を浸漬塗布し、その後に、220℃で3
0分間乾燥させて第2のコーティング層を形成し、第1
のコーティング層と第2のコーティング層を合わせた膜
厚を従来の膜厚(120μm前後)と同等の厚さに形成
したものである。
に窒化ホウ素充填剤を充填したコーティング液の入って
いる槽の中に導体2を入れて常温で24時間放置し、窒
化ホウ素充填剤入りコーティング液を浸漬塗布し、その
後に、220℃で30分間乾燥させて第1のコーティン
グ層を形成させる。次に、耐熱シリコンポリマーにアル
ミナ充填剤を充填したコーティング液の入っている槽の
中に入れて常温で24時間放置し、アルミナ充填剤入り
コーティング液を浸漬塗布し、その後に、220℃で3
0分間乾燥させて第2のコーティング層を形成し、第1
のコーティング層と第2のコーティング層を合わせた膜
厚を従来の膜厚(120μm前後)と同等の厚さに形成
したものである。
【0009】表2は、このようにして形成した本実施例
の耐火・耐熱電線の各種性能と表1で示した従来の耐火
・耐熱電線の各種性能とを比較形式で示したものであ
る。この場合、この実施例の第1のコーティング層3を
形成する窒化ホウ素充填剤入りコーティング液は、耐熱
シリコンポリマ−と窒化ホウ素を3:1の重量比で配合
したものを用い、第2のコーティング層4を形成するア
ルミナ充填剤入りコーティング液3は耐熱シリコンポリ
マ−とアルミナを2:5の重量比で配合したものを用い
ている。そして、この第1のコーティング層3と第2の
コーティング層4とによって形成される膜厚を122.
4μmの膜厚に形成した。
の耐火・耐熱電線の各種性能と表1で示した従来の耐火
・耐熱電線の各種性能とを比較形式で示したものであ
る。この場合、この実施例の第1のコーティング層3を
形成する窒化ホウ素充填剤入りコーティング液は、耐熱
シリコンポリマ−と窒化ホウ素を3:1の重量比で配合
したものを用い、第2のコーティング層4を形成するア
ルミナ充填剤入りコーティング液3は耐熱シリコンポリ
マ−とアルミナを2:5の重量比で配合したものを用い
ている。そして、この第1のコーティング層3と第2の
コーティング層4とによって形成される膜厚を122.
4μmの膜厚に形成した。
【0010】
【表2】
【0011】この表2から明らかなように、本実施例の
耐火・耐熱電線においては、従来とほぼ同等のコーティ
ング膜厚であるにもかかわらず、窒化ホウ素がアルミナ
の耐熱性の低さを補い、逆にアルミナが窒化ホウ素の絶
縁耐力およびコーティング膜強度の低さを補うことによ
り、外観、絶縁抵抗、絶縁耐力、曲げ易さ、耐熱性能の
全てにおいて合格基準に達し、耐火・耐熱基準を充分に
満足することができるものとなっている。
耐火・耐熱電線においては、従来とほぼ同等のコーティ
ング膜厚であるにもかかわらず、窒化ホウ素がアルミナ
の耐熱性の低さを補い、逆にアルミナが窒化ホウ素の絶
縁耐力およびコーティング膜強度の低さを補うことによ
り、外観、絶縁抵抗、絶縁耐力、曲げ易さ、耐熱性能の
全てにおいて合格基準に達し、耐火・耐熱基準を充分に
満足することができるものとなっている。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る耐火・耐熱電線によれば、
導体の外周に耐熱シリコンポリマーに窒化ホウ素充填剤
を充填してなるコーティング液によって第1のコーティ
ング層を形成し、この第1のコーティング層の上に耐熱
シリコンポリマーにアルミナ充填剤を充填してなるコー
ティング液によって第2のコーティング層を形成してあ
るため、第1のコーティング層の窒化ホウ素が第2のコ
ーティング層のアルミナの耐熱性の低さを補い、逆に第
2のコーティング層のアルミナが第1のコーティング層
の窒化ホウ素の絶縁耐力およびコーティング膜強度の低
さを補い、このことによって、耐火・耐熱電線に要求さ
れる外観、絶縁抵抗、絶縁耐力、曲げ易さ、耐熱性能の
全てにおいて合格基準に達し、耐火・耐熱基準を充分に
満足することができる。
導体の外周に耐熱シリコンポリマーに窒化ホウ素充填剤
を充填してなるコーティング液によって第1のコーティ
ング層を形成し、この第1のコーティング層の上に耐熱
シリコンポリマーにアルミナ充填剤を充填してなるコー
ティング液によって第2のコーティング層を形成してあ
るため、第1のコーティング層の窒化ホウ素が第2のコ
ーティング層のアルミナの耐熱性の低さを補い、逆に第
2のコーティング層のアルミナが第1のコーティング層
の窒化ホウ素の絶縁耐力およびコーティング膜強度の低
さを補い、このことによって、耐火・耐熱電線に要求さ
れる外観、絶縁抵抗、絶縁耐力、曲げ易さ、耐熱性能の
全てにおいて合格基準に達し、耐火・耐熱基準を充分に
満足することができる。
【図1】本考案の耐火・耐熱電線の一実施例を示す断面
図である。
図である。
1 耐火・耐熱電線 2 導体 3 第1のコーティング層 4 第2のコーティング層
Claims (1)
- 【請求項1】 耐熱シリコンポリマーに窒化ホウ素充填
剤を充填してなるコーティング液をコーティングして導
体の外周に第1のコーティング層を形成し、さらに該第
1のコーティング層の上に耐熱シリコンポリマーにアル
ミナ充填剤を充填してなるコーティング液をコーティン
グして第2のコーティング層を形成してなる耐火・耐熱
電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3061414A JP2759713B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 耐火・耐熱電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3061414A JP2759713B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 耐火・耐熱電線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04296406A JPH04296406A (ja) | 1992-10-20 |
JP2759713B2 true JP2759713B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=13170435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3061414A Expired - Fee Related JP2759713B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 耐火・耐熱電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2759713B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69627235T2 (de) * | 1995-02-24 | 2003-12-04 | Sumitomo Wiring Systems | Strahlender Draht |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5941244B2 (ja) * | 1979-10-27 | 1984-10-05 | 株式会社フジクラ | 耐熱マグネットワイヤ− |
-
1991
- 1991-03-26 JP JP3061414A patent/JP2759713B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04296406A (ja) | 1992-10-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5436409A (en) | Electrical conductor member such as a wire with an inorganic insulating coating | |
EP0188370B1 (en) | Electrical wire with refractory coating | |
JP2759713B2 (ja) | 耐火・耐熱電線 | |
CA2050339C (en) | Insulated wire for high temperature use | |
US2047029A (en) | Electrical insulation | |
JPH1074420A (ja) | 耐火電線 | |
JP2709592B2 (ja) | 耐熱絶縁電線 | |
JPH10302552A (ja) | 耐火電線・ケーブル | |
JPH05239359A (ja) | シリコーン樹脂組成物および耐熱性絶縁電線 | |
JP2709593B2 (ja) | 耐熱絶縁電線 | |
JPH06203648A (ja) | 耐火電線及び耐火電線用マイカテープ | |
CA2142765C (en) | Inorganic insulating member | |
EP0729157B1 (en) | Electrical conductor member such as a wire with an inorganic insulating coating | |
JP3228520B2 (ja) | 真空用電線 | |
JPH0987553A (ja) | セラミックス塗料およびセラミックス絶縁電線 | |
JP3539608B2 (ja) | 耐火電線 | |
JP2909768B2 (ja) | 耐熱絶縁電線及び耐熱絶縁電線の製造方法 | |
JPH09134614A (ja) | 耐熱性絶縁電線 | |
US3513080A (en) | Coated sintered conductor | |
JPH07284217A (ja) | 高圧耐火ケーブルの接続部 | |
JP2943196B2 (ja) | 耐熱絶縁電線 | |
JPH01239709A (ja) | 耐熱及び耐放射線性絶縁電線の製造方法 | |
JP2604827Y2 (ja) | 耐火ケーブル | |
JPS6121775Y2 (ja) | ||
JPH07296648A (ja) | 高耐熱絶縁電線 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |