JP2943196B2 - 耐熱絶縁電線 - Google Patents

耐熱絶縁電線

Info

Publication number
JP2943196B2
JP2943196B2 JP1343490A JP34349089A JP2943196B2 JP 2943196 B2 JP2943196 B2 JP 2943196B2 JP 1343490 A JP1343490 A JP 1343490A JP 34349089 A JP34349089 A JP 34349089A JP 2943196 B2 JP2943196 B2 JP 2943196B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
insulated wire
conductor
insulating layer
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1343490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03201312A (ja
Inventor
和夫 澤田
信二 稲沢
浩一 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP1343490A priority Critical patent/JP2943196B2/ja
Publication of JPH03201312A publication Critical patent/JPH03201312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2943196B2 publication Critical patent/JP2943196B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、耐熱絶縁電線に関し、特に、高温の環境
下で用いられる絶縁電線などに関する。
[従来の技術] 従来から、加熱設備や火災報知機などの高温下におけ
る安全性が要求される設備や自動車内の高温度まで加熱
される環境においては、ポリイミドやフッ素系樹脂等の
耐熱性有機樹脂が導体に被覆された絶縁電線が使用され
ている。
また従来、特に高い耐熱性が要求される場合において
は、セラミックス製のガイシ管に導体が通された型式の
絶縁電線や、酸化マグネシウムなどの金属酸化物微粒子
が詰められたステンレス合金等からなる耐熱合金製の管
に導体が通された型式の、MIケーブル(Mineral Insul
ated Cable)、および、アルミニウム合金の線材に陽
極酸化処理を施した、いわゆるアルマイト電線が用いら
れている。
さらに、金属アルコキシドや金属有機酸塩などセラミ
ックス化可能な材料を用い、導体の周囲にセラミックス
膜を形成させた絶縁電線も提案されている。
[発明が解決しようとする課題] 前述の耐熱性有機樹脂が導体に被覆された絶縁電線で
は、絶縁性を保持できる温度が、高々300℃程度であ
る。したがって、さらに高い温度でも絶縁性が要求され
る用途には、このような絶縁電線を使用することはでき
なかった。
一方、前述のセラミックス製のガイシ管に導体が通さ
れた型式の絶縁電線は、高温でも絶縁性を保持できる
が、可撓性に乏しいという欠点を有していた。
また前述のMIケーブルは、高温でも絶縁性を保持で
き、上記セラミックス製のガイシ管に導体が通された型
式のものに比べ可撓性を有するが、大きな曲率で曲げ加
工する場合に困難さが伴っていた。
また、前述のアルマイト電線は、高温でも絶縁性を保
持でき、ある程度の可撓性も有している。しかし、電線
に用いられる導体がアルミニウム一種に限定されるの
で、電線の用途が限定されていた。
さらに、前述の導体の周囲にセラミックス層を形成さ
せた絶縁電線は、セラミックス層が単層で層の厚さが薄
い場合が多く、可撓性は良好であっても、絶縁破壊電圧
を高くすることが困難であるという問題があった。
そこで、この発明の目的は、上記の問題点を解消し、
以下の性質を備えた絶縁電線を提供するものである。
(a) 高温でも絶縁性を保持できること。
(b) 可撓性に優れていること。
(c) 多種の導体を用いることができること。
(d) 高い絶縁破壊電圧を有すること。
[課題を解決するための手段] この発明の絶縁電線は、導体と、前記導体の周囲に形
成されるセラミックス層と、前記セラミックス層の周囲
に形成されるセラミックス前駆体のゲル状態の絶縁層と
を備えている。
ここでいうゲル状態とは、主としてゾル−ゲル法や有
機酸塩熱分解法等で生成する熱処理によりセラミックス
に変化する前駆状態の一種である。たとえば、ゾル−ゲ
ル法で生成されるゾル溶液は、金属アルコキシド等の加
水分解可能な有機基を有する化合物の加水分解反応およ
び脱水縮合反応により生成した、アルコキシド基、ヒド
ロキシ基、メタロキサン結合を有する金属の有機化合物
高分子であるセラミックス前駆体、溶媒であるアルコー
ル等の有機溶媒や、原料の金属アルコキシドおよび加水
分解反応に必要な少量の水と触媒が含まれている。この
ゾル溶液は縮合反応の進行および溶媒等の揮発に伴いメ
タロキサン結合が成長し液体状態から、寒天状のゲル状
態に進行する。このゲル状態では、メタロキサン結合か
らなる空隙を持つ網目構造中に有機物質や水等が保持さ
れた構造をとり、3次元的な構造が完成されていない可
撓性の優れた状態になる。またゲル状態への進行は、加
熱の必要はないが、加熱によりゲル状態の進行は加速さ
れる。ゲルは、加熱等により網目構造の空隙に有機物質
や水分等をほとんど含まない状態となり、いわゆるキセ
ロゲルと呼ばれるものとなり、さらに加熱を行なうこと
によりヒドロキシ基の縮合、メタロキサン結合が成長し
最終的にはセラミックスに変化する。
本発明に従うより可撓性の優れた耐熱絶縁電線におい
て、セラミックス層の周囲に形成される絶縁層は、上述
したようなアルコキシドの縮合反応または金属有機酸塩
の熱分解反応を経て形成されたものであり、外側に行く
につれてセラミックス化の程度が低くなっているととも
にセラミックス前駆体のゲル状態を有するものである。
本発明に従うより高い絶縁破壊電圧を有する耐熱絶縁
電線において、セラミックス層の周囲に形成される絶縁
層は、上述したようなアルコキシドの縮合反応または金
属有機酸塩の熱分解反応を経て形成されたセラミックス
前駆体のゲル状態からなり、さらにセラミックス粒子を
含んでいる。
さらに、前記セラミックス層が、金属アルコキシドの
縮合反応もしくは、金属有機酸塩の熱分解反応で形成さ
れたものは、より均質な絶縁層を有する耐熱絶縁電線で
ある。
さらにまた、前記セラミックス粒子がマイカであれ
ば、より高い絶縁破壊電圧および可撓性を有する耐熱絶
縁電線となる。
なお、導体としては、導電性を有すれば、特に限定さ
れるものではない。たとえば、ニッケル等の耐高温酸化
性に優れためっき処理を周囲に施したものや、絶縁層の
密着性の改善のために前処理を表面加工を実施したもの
でもよい。
[作用] この発明の絶縁電線は、導体の周囲にセラミックスお
よびゲル状の無機質の絶縁層を備えているので、耐熱性
有機樹脂を被覆した絶縁電線に比べ、高温でも絶縁性を
保持することができる。
この発明の絶縁電線では、導体の周囲に形成されるセ
ラミックス層は、1〜10μmの厚さに留めておくのがよ
い。なぜならば、導体の周囲に形成されるセラミックス
層が厚くなりすぎると、得られた絶縁電線の可撓性が損
なわれるからである。この発明では、セラミックス層の
周囲に、可撓性の優れたセラミックス前駆体のゲル状態
の厚い絶縁層を形成させることによって、可撓性の優れ
た高い絶縁破壊電圧を有する絶縁電線を得ている。
なお、セラミックス前駆体のゲル状態の絶縁層のみを
導体の周囲に形成させた場合、この絶縁層は、極端な加
熱条件に置かれると導体との密着性が低下し、高い絶縁
性を保持できなくなるおそれが生じる。これに対し、前
記セラミックス層は、導体との密着性に優れ、ゲル状態
の絶縁層と相俟って、高い絶縁性を獲得、保持すること
ができる。
また、ゲル状態の絶縁層を形成させる際、層を数回に
分けて重ねていき、層の外側ほどよりセラミックス化の
程度が低くなるように調製すれば、急激な構造変化がな
く、より優れた可撓性を有する絶縁電線を得ることがで
きる。
さらに、ゲル状態の絶縁層にセラミックス粒子を含有
させることで、層を厚くでき、より高い絶縁破壊電圧を
有する絶縁電線を得ることができる。
さらにまた、前記セラミックス粒子がマイカであれ
ば、絶縁電線の有する絶縁破壊電圧をより高くすること
ができる。
一方、前述のセラミックス層および/またはゲル状態
の絶縁層は、Si、Al、Zr、Mg、Tiなどのアルコキシドや
有機酸塩を材料とし、これらの溶液を導体や、セラミッ
クス層の周囲に塗布し、焼付けによって形成させること
ができる。このようにして絶縁層を形成させると、均質
なものを得ることができる。
[実施例] (実施例1) 直径1mmのニッケルクラッド軟銅線の表面をエッチン
グ処理したものを導体として用いた。
シリコンアルコキシド2モル%、水10モル%、エチル
アルコール87.92モル%、および硝酸0.08モル%の混合
溶液を前述の導体に塗布した後、温度500℃において20
〜30分間焼付けを行なった。この操作を繰返すことによ
り、有機成分をほとんど含有しない、厚さ3μmのセラ
ミックス層を導体の周囲に形成させた。
さらに、セラミックス層の周囲に、上述したシリコン
アルコキシド、水、エチルアルコール、硝酸およびシリ
コンアルコキシドに対し10分の1当量のホルムアルデヒ
ドからなる溶液を塗布し、温度150℃において10分間焼
付けを行なった。
この反応は、前述したセラミックス層形成反応より、
反応系の重量減少率が約半分に抑えられたものであっ
た。
この結果、厚さ25μmのゲル状態の絶縁層が得られ
た。
以上のようにして得られた絶縁電線は、600℃の温度
で30分保持しても絶縁性は維持されており、高温でも絶
縁性を保持できるものであった。
また、この絶縁電線を曲率5mmRで曲げ加工を行なった
が、絶縁性は損なわれなかった。したがって、優れた可
撓性を有していると言える。
さらに、この絶縁電線の絶縁破壊電圧を測定したとこ
ろ600V以上であり、高い絶縁破壊電圧を有していた。
第1図は、得られた絶縁電線の断面図である。銅11の
周囲にニッケルめっき層12が形成された導体の周囲に、
セラミックス層13が形成されている。さらに、セラミッ
クス層13の周囲に、ゲル状態の絶縁層14が形成されてい
る。
(実施例2) 直径2mmのニッケルめっき軟銅線を導体として用い
た。
オクタン酸シリケートトルエン20モル%溶液を前述の
導体に塗布した後、温度500℃において30分間焼付けを
行なった。この操作を繰返すことにより、厚さ5μmの
セラミックス層を導体の周囲に形成させた。
シリコンエトキシド7モル%、ジルコニウムブトキシ
ド1モル%、水8モル%、およびイソプロピルアルコー
ル84モル%の混合溶液を調製した。前記混合溶液10部に
対し、約0.3μm大の酸化アルミニウムの粒子3部混合
した。
このようにして、酸化アルミニウムを混合した液を前
述した導体の周囲に塗布し、200℃の温度で連続的に、
焼付けを行なった。以上のようにして、セラミックス層
の周囲に、酸化アルミニウム粒子の含有されるゲル状態
の絶縁層を形成させることができた。
第2図は、以上のようにして得られた絶縁電線の断面
図である。
銅21の周囲にニッケル層22の形成された導体の周囲
に、セラミックス層23が形成されている。さらに、セラ
ミックス層23の周囲に、酸化アルミニウム粒子24の含有
するゲル状態の絶縁層25が形成されている。
このようにして得られた絶縁電線は、曲率20mmRの曲
げ加工に対して、絶縁性を保持しており、良好な可撓性
を有していた。
また、この絶縁電線は、1200V以上の絶縁破壊電圧を
有していた。
さらに、この絶縁電線について、300℃の温度で100時
間保持する耐熱テストおよび600℃の温度で30分間保持
する過昇温テストを行なったが、絶縁性が損なわれるこ
とがなかった。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明は、多種の導体を用い
て、高温でも絶縁性を保持でき、可撓性に優れ、高い絶
縁破壊電圧を有する耐熱絶縁電線を提供することができ
る。
したがって、この発明は特に耐熱性や不燃性を備え、
1000V程度の耐電圧が必要な絶縁電線に有用である。
さらに、耐熱性を必要としたフレキシブルプリント回
路にもこの発明を応用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は、この発明の絶縁電線の一例を示す断
面図である。 図において、11は銅、12はニッケルめっき層、13はセラ
ミックス層、14はゲル状態の絶縁層、21は銅、22はニッ
ケル層、23はセラミックス層、24は酸化アルミニウム粒
子、25はゲル状態の絶縁層を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 7/02 H01B 7/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体と、 前記導体の周囲に形成されるセラミックス層と、 前記セラミックス層の周囲に形成され、アルコキシドの
    縮合反応または金属有機酸塩の熱分解反応を経て形成さ
    れたセラミックス前駆体のゲル状態の絶縁層とを備え、 前記ゲル状態の絶縁層は、セラミックス粒子を含むこと
    を特徴とする、耐熱絶縁電線。
  2. 【請求項2】前記セラミックス粒子が、マイカであるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の耐熱絶縁電線。
  3. 【請求項3】導体と、 前記導体の周囲に形成されるセラミックス層と、 アルコキシドの縮合反応または金属有機酸塩の熱分解反
    応を経て前記セラミックス層の周囲に形成された絶縁層
    とを備え、 前記絶縁層は、外側に行くにつれてセラミックス化の程
    度が低くなるとともにセラミックス前駆体のゲル状態を
    有することを特徴とする、耐熱絶縁電線。
JP1343490A 1989-12-27 1989-12-27 耐熱絶縁電線 Expired - Fee Related JP2943196B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1343490A JP2943196B2 (ja) 1989-12-27 1989-12-27 耐熱絶縁電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1343490A JP2943196B2 (ja) 1989-12-27 1989-12-27 耐熱絶縁電線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03201312A JPH03201312A (ja) 1991-09-03
JP2943196B2 true JP2943196B2 (ja) 1999-08-30

Family

ID=18361926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1343490A Expired - Fee Related JP2943196B2 (ja) 1989-12-27 1989-12-27 耐熱絶縁電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2943196B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03201312A (ja) 1991-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5436409A (en) Electrical conductor member such as a wire with an inorganic insulating coating
EP0410003B1 (en) Insulated electric wire
EP0435154B1 (en) Method of manufacturing mineral insulated wire
JP2827333B2 (ja) 耐熱絶縁コイルの製造方法
JPS63281313A (ja) 耐熱電線
US5296260A (en) Method of manufacturing inorganic insulation
CA1295890C (en) Electrical wire with refractory coating
JP2943196B2 (ja) 耐熱絶縁電線
CA2050339C (en) Insulated wire for high temperature use
CA2142765C (en) Inorganic insulating member
JPS63304507A (ja) 電線
JP3228520B2 (ja) 真空用電線
JPH05314821A (ja) 無機絶縁被覆導体
JPS63237404A (ja) コイル
WO1992002960A1 (fr) Thermocouple
JP3336735B2 (ja) 絶縁電線
JP3291324B2 (ja) 耐熱性絶縁電線
JPH07282645A (ja) 耐熱絶縁電線およびその製造方法
JP2909768B2 (ja) 耐熱絶縁電線及び耐熱絶縁電線の製造方法
JPH04303517A (ja) 絶縁電線
JPH02270217A (ja) 絶縁電線
JP3074741B2 (ja) 絶縁電線
JPH02123618A (ja) 耐熱性絶縁電線
JPH02215010A (ja) 絶縁電線
JPH0393107A (ja) 耐熱性絶縁電線およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees