JPS6121775Y2 - - Google Patents
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- JPS6121775Y2 JPS6121775Y2 JP13119180U JP13119180U JPS6121775Y2 JP S6121775 Y2 JPS6121775 Y2 JP S6121775Y2 JP 13119180 U JP13119180 U JP 13119180U JP 13119180 U JP13119180 U JP 13119180U JP S6121775 Y2 JPS6121775 Y2 JP S6121775Y2
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Landscapes
- Insulated Conductors (AREA)
Description
本考案は、耐火電線に係り、パルプ混抄マイカ
層からなる耐火層を有するものに関する。 近時ビルの増加に伴い、ビル内の火災に対する
対策が講じられ、その一つとしてビル内の電気配
線にも火災に対する措置がとられている。その例
として、JISA1302(建築物の不燃構造部分の防
火試験)は被覆電線を840℃、30分間加熱しても
所定の絶縁抵抗および絶縁破壊電圧を維持しなけ
ればならないとしている。 ところで、一般にビル内の電気配線は数本の電
線が束ねられ、さらに管に納められて使用されて
いるが、これらの電線は通常外側を塩化ビニルな
どの難燃性プラスチツクの絶縁層、シースに覆わ
れる。そして、この電線が上記JISの規格に合格
するためには耐熱性のないプラスチツクだけでは
無理であるから、絶縁層の内側にマイカ箔からな
る耐火層を設け、導体をこの耐火層で直接被覆す
るようにしている。 このマイカ箔からなる耐火層としてはマイカ箔
を耐熱性接着剤で結着し、ガラス繊維で裏打ちし
たものを導体に巻回したものがあるが、マイカ箔
を接着剤で結着する工程は時間がかかり、操作も
面倒な上にガラス繊維は比較的高価である。 一方、集成マイカ箔を繊維質パルプと混抄して
得られる混抄集成マイカ箔をポリエステルフイル
ムに貼り合わせたテープを導体に巻回して耐熱用
被覆電線の耐熱層として用いたものが実願昭48−
143574号明細書に記載されているが、この耐熱用
被覆電線の耐熱試験はAC250V下、300℃、15分
で短絡しないこと及び絶縁抵抗値が0.1MΩ以上
であること、というように上記のJISA1302に規
定する耐火試験よりは基準がかなり低く、そのた
めこの構造のテープは混抄集成マイカ箔の厚さが
90μ以下と薄く、パルプやポリエステルフイルム
が上記の耐火試験条件下に加熱されたときに分解
して炭化し、この炭化物が導体に達し、耐熱層の
絶縁性を著しく低下させる。この際、パルプは少
ない程良いとされ、零であつても良いとされてい
るが、これでは集成マイカ箔をテープ状に保ち、
ポリエステルフイルムと貼り合わせることができ
ないのみならず、テープを導体に巻回するいわゆ
るテーピング作業性を良くすることができない。 このように、従来の耐熱電線用のものはその目
的が弱電回路に用いられるもので、耐熱層の厚さ
が薄く、そのため耐火試験条件下では絶縁性が悪
く、絶縁破壊電圧、耐電圧の電気特性を満足でき
ず、しかもこれはパルプの混抄率の多いものでは
さらに悪くなり、また、パルプの混抄率を少なく
すると今度はテープ製造上、テーピング作業性等
に問題を起こし、結局これらのテーピング作業性
等と電気特性の相矛盾する性質を耐火電線用の耐
火層として使用する観点からどのように調和する
かという工夫が求められていた。 本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、マイカ80〜95重量%のパルプ混抄マイカ層に
このマイカ層を巻回可能にする40μ以下の厚さの
耐熱性可撓性テープにより裏打ちし、かつ上記パ
ルプ混抄マイカ層の厚みを少なくとも100μにし
て耐熱性可撓性テープの導電性分解物を実質的に
阻止できる寸法に形成し、これにより製造容易
で、ガラス繊維に比し格安なプラスチツクなどの
耐熱性可撓性テープの使用を可能にした廉価な耐
火層を有する耐火電線を提供しようとするもので
ある。 次に、本考案の一実施例を図面について説明す
る。 1は導体で、この導体1には順次外側に耐火層
2、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂などからなる
絶縁層3およびシース4が被覆されている。 上記耐火層2は、パルプ混抄マイカ層21が耐
熱性可撓性テープ層としてのポリエステルテープ
層22にシリコン、エポキシ、ポリエステルなど
の耐熱性接着剤層23により接着されている。 上記パルプ混抄マイカ層21は、マイカりん片
(集成マイカ)80〜95重量%、植物繊維、プラス
チツクなどのパルプ20〜5重量%からなり、通常
の抄紙方法により抄造され、その厚さは100μ以
上、好ましくは120〜200μである。マイカが50重
量%に満たないとパルプが相対的に増加し、高温
時での分解物によるパルプ混抄マイカ層21の絶
縁性が低下し、95重量%を越えるとマイカリン片
相互を結着できず、テープの形状を保てない。ま
た、上記パルプ混抄マイカ層21の厚さが100μ
より小さいと上記ポリエステルテープ層22の導
電性分解物の侵入を導体1までの途中で阻止でき
ない。 また、上記ポリエステルテープ層22は、たと
えばマイラー(商品名)が使用できるが、その他
に抗張力が大で伸びの小さいプラスチツクテープ
が使用でき、その厚さは40μ以下で、好しくは25
μ〜30μである。この厚さは、上記パルプ混抄マ
イカ層21をテープ状に維持し、導体1に巻回で
きる可撓性および強度を附与できれば良く、パル
プ混抄マイカ層21のパルプの混抄率、このマイ
カ層21の厚さにより異るが、混抄率90%、厚さ
150μの場合25が適当である。 また、接着剤の塗布量は極めて少くて良く、パ
ルプ混抄マイカ層21の1〜5重量%で良い。こ
れはパルプ混抄マイカ層21はマイカリン片がパ
ルプによつて結着されているので、接着剤により
マイカリン片相互を結着する必要がないからその
分だけ接着剤量を少くできるからである。 このようにしてポリエステルテープ層22にパ
ルプ混抄マイカ層21が接着され、全体はテープ
状に形成され、うず巻き状に巻回して保存できる
が、使用に当つては銅線などの導体1にポリエス
テルテープ層22側を外側にして順次巻装し、耐
火層2を形成し、さらにこの耐火層2のポリエス
テルテープ層22の外側を絶縁層3、シース4で
被覆する。この際、耐火層2は、その巻回の際、
ポリエステルテープ層22が十分な可撓性と抗張
力を有するから、脆いパルプ混抄マイカ層21の
剥落や、亀裂などの事故を起すことなく、導体1
に密着し、かつ堅固に被覆し、そしてグラツクな
どの空隙がないから絶縁破壊耐電圧も良い。 このようにして耐火電線は形成されるが、この
耐火電線がたとえば840℃、30分間むし焼状態に
なると絶縁層3シース4およびポリエステルテー
プ層22は軟化し、分解物が生じるが、絶縁層3
などの分解物は勿論、その内側のポリエステルテ
ープ層22の分解物もさらに内側のパルプ混抄マ
イカ層21にさえぎられ、このマイカ層21に侵
入してもこのマイカ層21は厚いから導体1に至
らず阻止される。 この考案による耐火電線(導体1断面2mm2、
ポリエチレンの絶縁層30.8mm、ポリエチレンの
シース41.5mm)を同じ条件の比較例とともに
JISA1302による耐火試験により試験し、次のよ
うな結果を得た。なお、規格の絶縁抵抗は0.4M
Ω以上である。
層からなる耐火層を有するものに関する。 近時ビルの増加に伴い、ビル内の火災に対する
対策が講じられ、その一つとしてビル内の電気配
線にも火災に対する措置がとられている。その例
として、JISA1302(建築物の不燃構造部分の防
火試験)は被覆電線を840℃、30分間加熱しても
所定の絶縁抵抗および絶縁破壊電圧を維持しなけ
ればならないとしている。 ところで、一般にビル内の電気配線は数本の電
線が束ねられ、さらに管に納められて使用されて
いるが、これらの電線は通常外側を塩化ビニルな
どの難燃性プラスチツクの絶縁層、シースに覆わ
れる。そして、この電線が上記JISの規格に合格
するためには耐熱性のないプラスチツクだけでは
無理であるから、絶縁層の内側にマイカ箔からな
る耐火層を設け、導体をこの耐火層で直接被覆す
るようにしている。 このマイカ箔からなる耐火層としてはマイカ箔
を耐熱性接着剤で結着し、ガラス繊維で裏打ちし
たものを導体に巻回したものがあるが、マイカ箔
を接着剤で結着する工程は時間がかかり、操作も
面倒な上にガラス繊維は比較的高価である。 一方、集成マイカ箔を繊維質パルプと混抄して
得られる混抄集成マイカ箔をポリエステルフイル
ムに貼り合わせたテープを導体に巻回して耐熱用
被覆電線の耐熱層として用いたものが実願昭48−
143574号明細書に記載されているが、この耐熱用
被覆電線の耐熱試験はAC250V下、300℃、15分
で短絡しないこと及び絶縁抵抗値が0.1MΩ以上
であること、というように上記のJISA1302に規
定する耐火試験よりは基準がかなり低く、そのた
めこの構造のテープは混抄集成マイカ箔の厚さが
90μ以下と薄く、パルプやポリエステルフイルム
が上記の耐火試験条件下に加熱されたときに分解
して炭化し、この炭化物が導体に達し、耐熱層の
絶縁性を著しく低下させる。この際、パルプは少
ない程良いとされ、零であつても良いとされてい
るが、これでは集成マイカ箔をテープ状に保ち、
ポリエステルフイルムと貼り合わせることができ
ないのみならず、テープを導体に巻回するいわゆ
るテーピング作業性を良くすることができない。 このように、従来の耐熱電線用のものはその目
的が弱電回路に用いられるもので、耐熱層の厚さ
が薄く、そのため耐火試験条件下では絶縁性が悪
く、絶縁破壊電圧、耐電圧の電気特性を満足でき
ず、しかもこれはパルプの混抄率の多いものでは
さらに悪くなり、また、パルプの混抄率を少なく
すると今度はテープ製造上、テーピング作業性等
に問題を起こし、結局これらのテーピング作業性
等と電気特性の相矛盾する性質を耐火電線用の耐
火層として使用する観点からどのように調和する
かという工夫が求められていた。 本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、マイカ80〜95重量%のパルプ混抄マイカ層に
このマイカ層を巻回可能にする40μ以下の厚さの
耐熱性可撓性テープにより裏打ちし、かつ上記パ
ルプ混抄マイカ層の厚みを少なくとも100μにし
て耐熱性可撓性テープの導電性分解物を実質的に
阻止できる寸法に形成し、これにより製造容易
で、ガラス繊維に比し格安なプラスチツクなどの
耐熱性可撓性テープの使用を可能にした廉価な耐
火層を有する耐火電線を提供しようとするもので
ある。 次に、本考案の一実施例を図面について説明す
る。 1は導体で、この導体1には順次外側に耐火層
2、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂などからなる
絶縁層3およびシース4が被覆されている。 上記耐火層2は、パルプ混抄マイカ層21が耐
熱性可撓性テープ層としてのポリエステルテープ
層22にシリコン、エポキシ、ポリエステルなど
の耐熱性接着剤層23により接着されている。 上記パルプ混抄マイカ層21は、マイカりん片
(集成マイカ)80〜95重量%、植物繊維、プラス
チツクなどのパルプ20〜5重量%からなり、通常
の抄紙方法により抄造され、その厚さは100μ以
上、好ましくは120〜200μである。マイカが50重
量%に満たないとパルプが相対的に増加し、高温
時での分解物によるパルプ混抄マイカ層21の絶
縁性が低下し、95重量%を越えるとマイカリン片
相互を結着できず、テープの形状を保てない。ま
た、上記パルプ混抄マイカ層21の厚さが100μ
より小さいと上記ポリエステルテープ層22の導
電性分解物の侵入を導体1までの途中で阻止でき
ない。 また、上記ポリエステルテープ層22は、たと
えばマイラー(商品名)が使用できるが、その他
に抗張力が大で伸びの小さいプラスチツクテープ
が使用でき、その厚さは40μ以下で、好しくは25
μ〜30μである。この厚さは、上記パルプ混抄マ
イカ層21をテープ状に維持し、導体1に巻回で
きる可撓性および強度を附与できれば良く、パル
プ混抄マイカ層21のパルプの混抄率、このマイ
カ層21の厚さにより異るが、混抄率90%、厚さ
150μの場合25が適当である。 また、接着剤の塗布量は極めて少くて良く、パ
ルプ混抄マイカ層21の1〜5重量%で良い。こ
れはパルプ混抄マイカ層21はマイカリン片がパ
ルプによつて結着されているので、接着剤により
マイカリン片相互を結着する必要がないからその
分だけ接着剤量を少くできるからである。 このようにしてポリエステルテープ層22にパ
ルプ混抄マイカ層21が接着され、全体はテープ
状に形成され、うず巻き状に巻回して保存できる
が、使用に当つては銅線などの導体1にポリエス
テルテープ層22側を外側にして順次巻装し、耐
火層2を形成し、さらにこの耐火層2のポリエス
テルテープ層22の外側を絶縁層3、シース4で
被覆する。この際、耐火層2は、その巻回の際、
ポリエステルテープ層22が十分な可撓性と抗張
力を有するから、脆いパルプ混抄マイカ層21の
剥落や、亀裂などの事故を起すことなく、導体1
に密着し、かつ堅固に被覆し、そしてグラツクな
どの空隙がないから絶縁破壊耐電圧も良い。 このようにして耐火電線は形成されるが、この
耐火電線がたとえば840℃、30分間むし焼状態に
なると絶縁層3シース4およびポリエステルテー
プ層22は軟化し、分解物が生じるが、絶縁層3
などの分解物は勿論、その内側のポリエステルテ
ープ層22の分解物もさらに内側のパルプ混抄マ
イカ層21にさえぎられ、このマイカ層21に侵
入してもこのマイカ層21は厚いから導体1に至
らず阻止される。 この考案による耐火電線(導体1断面2mm2、
ポリエチレンの絶縁層30.8mm、ポリエチレンの
シース41.5mm)を同じ条件の比較例とともに
JISA1302による耐火試験により試験し、次のよ
うな結果を得た。なお、規格の絶縁抵抗は0.4M
Ω以上である。
【表】
ここでマイカは集成マイカリン片、パルプは植
物繊維を使用し、導体巻回数は半重ね巻き方法に
よる巻回数、耐電圧は1.5KV1分間電圧を印加し
た際の評価、テーピング作業性は導体1に各実施
例、比較例のパルプ混抄マイカ層21、ポリエス
テルテープ層22からなる耐火層2を巻回する際
にマイカ層21のはがれがなく、切れないで良く
巻回できるものを肉眼で良好と判断する。なおパ
ルプ混抄マイカ層21とポリエステルテープ層2
2の接着剤はポリエステル接着剤を使用した。 この結果から、実施例1,2は絶縁抵抗、耐電
圧、テーピング作業性はいずれも良く、これに比
し、比較例1はパルプ量が多いためパルプの熱分
解物により絶縁抵抗、耐電圧が悪く、比較例2は
パルプ量が少いためマイカリン片が相互に結着さ
れず巻回時にマイカリン片がはがれ落ちテーピン
グ作業性が悪く、比較例3はポリエステルテープ
層22が厚いため導電性燃焼分解物の導体1への
至達を阻止できず、そのため絶縁抵抗、耐電圧が
劣り、比較例4はパルプ混抄マイカ層21が薄過
ぎて導電性熱分解物を阻止できず絶縁抵抗、耐電
圧が劣る。 なお、耐熱可撓性テープとしてはポリエステル
テープ22のほか繊維質の織布または不織布でも
良い。 なお、またパルプ混抄マイカ層21とポリエス
テルテープ層22の接着剤にシリコン樹脂を用い
ると、シリコン樹脂は一般に、O−Si−Rの結合
を有するが、有機基のRが高熱により切断した
後、酸素をとり込んだで新たにO−Si−O結合が
生成し、架橋密度が大きくなり、ますます硬い構
造の層を形成するため、これがポリエステルテー
プ層22の導電性分解物を阻止するバリヤーとし
ての効果をあらわし、パルプ混抄マイカ層22の
厚さがそれほど厚くない場合でも導電性分解物の
導体1への至達を阻止することができる。 本考案によれば、少なくとも100μのパルプ混
抄マイカ層を40μ以下の厚さの耐熱性可撓性テー
プ層にて裏打ちし、かつパルプ混抄マイカ層のマ
イカの混抄率を80〜95重量%にし、その厚さを
100μ以上したので、パルプ混抄マイカ層内の分
解物を可及的少なくしてその影響を少なくし、さ
らに耐熱性可撓性テープ層の側から侵入する導電
性熱分解物はパルプ混抄マイカ層で阻止して導体
に達しないようにし、これにより絶縁破壊、耐電
圧の耐火電線としての電気特性を維持し、しかも
パルプ混抄マイカ層を耐熱性可撓性テープ層に裏
打ちする作業性、テーピング作業性を害さないよ
うにすることができる。 このように、パルプ混抄マイカ層のマイカの混
合率、厚さ及び耐熱性可撓性テープ層の厚さを耐
火電線用の耐火層としてその量適値を選択し、こ
れを組み合わせることにより従来の耐熱電線の耐
熱層には見られない優れた性能を発揮することが
でき、その使用材料の安価なことと併せて優れた
耐火電線を提供することができる。
物繊維を使用し、導体巻回数は半重ね巻き方法に
よる巻回数、耐電圧は1.5KV1分間電圧を印加し
た際の評価、テーピング作業性は導体1に各実施
例、比較例のパルプ混抄マイカ層21、ポリエス
テルテープ層22からなる耐火層2を巻回する際
にマイカ層21のはがれがなく、切れないで良く
巻回できるものを肉眼で良好と判断する。なおパ
ルプ混抄マイカ層21とポリエステルテープ層2
2の接着剤はポリエステル接着剤を使用した。 この結果から、実施例1,2は絶縁抵抗、耐電
圧、テーピング作業性はいずれも良く、これに比
し、比較例1はパルプ量が多いためパルプの熱分
解物により絶縁抵抗、耐電圧が悪く、比較例2は
パルプ量が少いためマイカリン片が相互に結着さ
れず巻回時にマイカリン片がはがれ落ちテーピン
グ作業性が悪く、比較例3はポリエステルテープ
層22が厚いため導電性燃焼分解物の導体1への
至達を阻止できず、そのため絶縁抵抗、耐電圧が
劣り、比較例4はパルプ混抄マイカ層21が薄過
ぎて導電性熱分解物を阻止できず絶縁抵抗、耐電
圧が劣る。 なお、耐熱可撓性テープとしてはポリエステル
テープ22のほか繊維質の織布または不織布でも
良い。 なお、またパルプ混抄マイカ層21とポリエス
テルテープ層22の接着剤にシリコン樹脂を用い
ると、シリコン樹脂は一般に、O−Si−Rの結合
を有するが、有機基のRが高熱により切断した
後、酸素をとり込んだで新たにO−Si−O結合が
生成し、架橋密度が大きくなり、ますます硬い構
造の層を形成するため、これがポリエステルテー
プ層22の導電性分解物を阻止するバリヤーとし
ての効果をあらわし、パルプ混抄マイカ層22の
厚さがそれほど厚くない場合でも導電性分解物の
導体1への至達を阻止することができる。 本考案によれば、少なくとも100μのパルプ混
抄マイカ層を40μ以下の厚さの耐熱性可撓性テー
プ層にて裏打ちし、かつパルプ混抄マイカ層のマ
イカの混抄率を80〜95重量%にし、その厚さを
100μ以上したので、パルプ混抄マイカ層内の分
解物を可及的少なくしてその影響を少なくし、さ
らに耐熱性可撓性テープ層の側から侵入する導電
性熱分解物はパルプ混抄マイカ層で阻止して導体
に達しないようにし、これにより絶縁破壊、耐電
圧の耐火電線としての電気特性を維持し、しかも
パルプ混抄マイカ層を耐熱性可撓性テープ層に裏
打ちする作業性、テーピング作業性を害さないよ
うにすることができる。 このように、パルプ混抄マイカ層のマイカの混
合率、厚さ及び耐熱性可撓性テープ層の厚さを耐
火電線用の耐火層としてその量適値を選択し、こ
れを組み合わせることにより従来の耐熱電線の耐
熱層には見られない優れた性能を発揮することが
でき、その使用材料の安価なことと併せて優れた
耐火電線を提供することができる。
第1図は本考案の一実施例の耐火電線の断面
図、第2図はその耐火層の拡大断面図である。 1……導体、2……耐火層、3……絶縁層、2
1……パルプ混抄マイカ層、22……耐熱性可撓
性テープとしてのポリエステルテープ層。
図、第2図はその耐火層の拡大断面図である。 1……導体、2……耐火層、3……絶縁層、2
1……パルプ混抄マイカ層、22……耐熱性可撓
性テープとしてのポリエステルテープ層。
Claims (1)
- 導体の外側に耐火層、絶縁層を順次有する被覆
電線において、上記耐火層はパルプ混抄マイカ層
と、このパルプ混抄マイカ層を裏打ちする耐熱性
の可撓性テープ層とを順次外側に有し、上記パル
プ混抄マイカ層は80〜95重量%のマイカ及び20〜
5重量%のパルプを混抄してなり、かつこのパル
プ混抄マイカ層は少なくとも100μの厚さを有
し、上記耐熱性の可撓性テープ層は40μ以下の厚
みを有することを特徴とする耐火電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13119180U JPS6121775Y2 (ja) | 1980-09-17 | 1980-09-17 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13119180U JPS6121775Y2 (ja) | 1980-09-17 | 1980-09-17 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5755123U JPS5755123U (ja) | 1982-03-31 |
JPS6121775Y2 true JPS6121775Y2 (ja) | 1986-06-30 |
Family
ID=29491492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13119180U Expired JPS6121775Y2 (ja) | 1980-09-17 | 1980-09-17 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6121775Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2521343Y2 (ja) * | 1988-04-08 | 1996-12-25 | 三菱電線工業株式会社 | 高圧耐火ケーブル |
-
1980
- 1980-09-17 JP JP13119180U patent/JPS6121775Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5755123U (ja) | 1982-03-31 |
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