JPH04307289A - 感熱記録材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関するも
のである。さらに詳しく述べるならば、本発明は溶剤や
油脂類の付着に対する画像安定性に優れ、白色度が高く
記録感度にすぐれた感熱記録材料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】感熱記
録方式は単に加熱するだけで発色画像が得られ、またこ
の記録装置を比較的簡単にコンパクトなものにすること
ができるなどの利点が高く評価され、各種情報記録方式
として広範囲に利用されている。従来使われている感熱
記録材料は、電子供与性染料であるロイコ染料とフェノ
ールなどの電子受容性顕色剤との加熱発色反応を利用し
ており、特公昭４３−４１６０号公報、特公昭４５−１
４０３９号公報、特開昭４８−２７７３６号公報等に発
表されているものが実用化されている。しかしこの方式
の加熱発色反応は可逆反応であるため画像の安定性が充
分でないという欠点を持つ。

【０００３】一方、最近の感熱記録方式の普及に伴って
感熱記録紙の用途が拡大するとともに画像の安定性が重
要視されてきた。特に従来の可逆反応を利用した感熱記
録紙では、アルコール等の溶剤や整髪料等の油脂類、あ
るいはプラスチックに含まれる可塑剤といった物質に対
する画像安定性が低く、これらの物質に対して充分な濃
度を保つことができる感熱記録紙が要求されている。

【０００４】そこで画像安定性を改善するため種々の検
討が行なわれた。感熱発色層上にバリヤー層を設けて溶
剤、油脂類などの油状物質との接触を物理的に防ぐ方法
では、耐油性、耐溶剤性のバリヤー層が得難いことや感
度の低下が見られる等の難点があった。

【０００５】ロイコ染料とフェノール系顕色剤を使用し
た感熱発色層系に対して、金属塩化合物を使用した発色
系が知られている。特公昭３２−４８７８７号公報には
ステアリン酸鉄とタンニン酸、ステアリン酸鉄と没食子
酸の組み合わせが記載されており、特公昭３４、６４８
５号公報には、ステアリン酸銀、ステアリン酸鉄、ステ
アリン酸金、ステアリン酸銅又とベヘン酸水銀を電子受
容体とし、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸
プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ドデシルを電子供
与体とする組み合わせが記載されている。

【０００６】これらの材料は加熱時に反応して有色でか
つ堅牢な金属キレートを生成する。しかし、この感熱記
録紙は記録感度が低く、さらに白色度も低く実用的では
なかった。

【０００７】感度向上に対しては、特開昭６２−１０５
６８８号公報には、ステアリン酸鉄等の飽和高級脂肪酸
鉄と没食子酸ステアリル等の多価フェノール誘導体との
組み合わせにおいて、ロイコ染料を加えることによって
感度を向上させることが記載されているが、白色度向上
に対してはまだ改善されていない。又、白色度向上に対
しては特開昭５９−８９１９３号公報に、ロイコ染料と
顕色剤の発色系に高級脂肪酸第２鉄と多価フェノールか
らなる金属塩化合物を使用した発色系を組み合わせ、そ
のうえに着色を隠蔽するための保護層を設ける例が記載
されているが、感熱発色層とサーマルヘッドとの間に発
色に寄与しない層を設けるため、感度を低下させてしま
うのでこの技術も十分な技術ではなかった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の欠点を改善し、溶剤や油脂類の付着に対する画
像安定性に優れ、白色度が高く記録感度にすぐれた感熱
記録材料を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録材料は
シート状支持体上に、炭素数１８から３５の高級脂肪酸
鉄と一般式（Ｉ）

【化１】 〔ただしＲは炭素数１０から２０のアルキル基、環状ア
ルキル基またはフェニル基を表す。〕であらわされる没
食子誘導体とを含む第１発色層を設け、該発色層上に電
子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤を含む第２発色
層を設けることを特徴とする。

【００１０】金属塩化合物を使用した発色系は画像安定
性は良いが白色度、感度が充分でない。一方、電子供与
性染料前駆体を使用した発色系は白色度が高く感度にす
ぐれているが画像安定性が不充分である。そこでこの２
つの発色系の特徴を生かす方法について研究した結果、
上層に電子供与性染料前駆体を使った発色系を設け、そ
の下層に金属塩化合物を発色系とした層を設けることに
より白色度が高く感度にすぐれ画像安定性の良い感熱記
録材料を製造できることがわかり本発明にいたった。

【００１１】本発明に用いられる金属塩化合物は炭素数
１８から３５の高級脂肪酸鉄であって、ステアリン酸鉄
、ベヘン酸鉄などがあげられる。炭素数が１７以下では
鉄の割合が多すぎるために白色度が充分でなく、炭素数
が３５以上では鉄の割合が少なすぎるために感度、画像
安定性が充分ではない。

【００１２】本発明において一般式（Ｉ）であらわされ
る没食子酸誘導体は、金属塩化合物と加熱時反応して有
色の金属キレートを生成するものの中から任意に選ぶこ
とができ、具体的には、没食子酸ラウリル、没食子酸ス
テアリルなどがあげられる。

【００１３】本発明の第２発色層に用いられる電子供与
性染料前駆体としては一般の感圧記録紙、感熱記録紙等
に用いられているものであれば特に制限はない。その具
体例を述べる。 （１）トリアリールメタン系化合物として、例えば３，
３−ビス（Ｐ−ジメチルアミノフェニル）−６−ジメチ
ルアミノフタリドなど。 （２）ジフェニルメタン系化合物として、例えば４，４
′−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエー
テル、Ｎ−ハロフェニルロイコオーラミン、Ｎ−２，４
，５−トリクロロフェニルロイコオーラミンなど。 （３）キサンテン系化合物として、例えばローダミンＢ
−アニリノラクタム、３−ジエチルアミノ−７−ジベン
ジルアミノフルオラン、３−ジエチルアミノ−７−ブチ
ルアミノフルオラン、３−ジエチルアミノ−７−（２−
クロロアニリノ）フルオラン、３−ジエチルアミノ−６
−メチル−７−アニリノフルオラン、３−ピペリジノ−
６−メチル−７−アニリノフルオラン、３−エチル−ト
リルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン、３
−シクロヘキシル−メチルアミノ−６−メチル−７−ア
ニリノフルオラン、３−ジエチルアミノ−６−クロロ−
７−（β−エトキシエチル）アミノフルオラン、３−ジ
エチルアミノ−６−クロロ−７−（γ−クロロプロピル
）アミノフルオラン、３−エチル−イソアミルアミノ−
６−メチル−７−アニリノフルオラン、３−ジブチルア
ミノ−７−クロロアニリノフルオラン、３−ジブチルア
ミノ−７−クロロアニリノフルオラン、３−エチル−エ
トキシプロピルアミノ−６−メチル−７−アニリノフル
オラン等がある。これらは単独で又は２種以上の混合物
として用いられる。染料前駆体は感熱記録材料の用途及
び希望する特性により適宜選択使用される。

【００１４】本発明の第２発色層に使用される電子受容
性顕色剤としては、フェノール誘導体、芳香族カルボン
酸誘導体が好ましく特にビスフェノール類が好ましい。 具体例をあげれば、２，２′−ビス（ｐ−ヒドロキシフ
ェニル）プロパン、２，２′−ビス（ｐ−ヒドロキシフ
ェニル）ペンタン、１，１′−ビス（ｐ−ヒドロキシフ
ェニル）ヘキサン、２，２′−ビス（ｐ−ヒドロキシフ
ェニル）ヘキサン、１，１′−ビス（ｐ−ヒドロキシフ
ェニル）−２−エチル−ヘキサン、２，２′−ビス（４
−ヒドロキシ−３，５−ジクロロフェニル）プロパン、
ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス−（３−アリル
−４−ヒドロキシフェニル）スルホン、４，４′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、４−ヒドロキシ−４′−
イソプロポキシジフェニルスルホンなどが挙げられる。

【００１５】本発明において第１発色層および第２発色
層には、上記の他に所望に応じて増感剤、無機顔料、ワ
ックス類、金属セッケン、接着剤、さらに必要に応じ酸
化防止剤、紫外線吸収剤などを加える。また、第１発色
層と基材との間に下塗層を設けても良く下塗層は充填剤
と接着剤から構成され充填剤としては一般製紙用、塗工
用に用いられる無機・有機の顔料が任意に用いられる。

【００１６】発色層中に含まれるワックスとしては、パ
ラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロク
リスタリンワックス、ポリエチレンワックスの他、高級
脂肪酸アミド例えばステアリン酸アミド、エチレンビス
ステアロアミド、高級脂肪酸エステル等が上げられる。

【００１７】金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩
すなわちステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム
、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛等が上げら
れる。

【００１８】無機顔料としてはカオリン、焼成カオリン
、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸
化アルミウニム、水酸化マグネシウム、マグネシア、酸
化チタン、炭酸バリウム等が挙げられる。増感剤として
はｐ−ベンジルビフェニル、ジベンジルテレフタレート
、１−ヒドロキシ−２−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸
ジベンジル、アジピン酸ジ−ｏ−クロルベンジル、１，
２−ジ（３−メチルフェノキシ）エタン、シュウ酸ジ−
ｐ−クロルベンジル、シュウ酸ビス（ｐ−メチルベンジ
ル）１，４−ビス（トリルオキシメトキシメチル）ベン
ゼン、１，２−ビス（３，４−ジメチルフェニル）エタ
ン、３−フェニル−１−１−ビフェニルなどが上げられ
る。

【００１９】接着剤としては一般に公知の水溶性高分子
物質、水性エマルジョンが用いられ、具体的にはポリビ
ニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン
、デンプン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体
、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、ポリアミド、ＳＢＲラテ
ックス、ポリスチレン−アクリル酸エステルエマルジョ
ン、ポリ酢酸ビニルエマルジョンなどがあげられる。

【００２０】発色層を形成するに当たっては塗布量は１
〜１５ｇ／ｍ２　（乾燥重量）が一般的でありその塗工
は通常の塗工機を用いて紙、プラスチックフィルム、合
成紙、金属箔等の適当な材質の支持体に塗布することに
よって容易に行なわれる。その塗工方式としてはエアー
ナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法
、スプレー法、ディップ法、バー法およびエクストルー
ジョン法などの既知の塗布方法のいずれを利用しても良
い。

【００２１】

【実施例】実施例によって本発明をさらに説明する。

【００２２】実施例１ 感熱発色層用塗液として分散液Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄを調製し
た。

【００２３】 ■　　分散液Ａの調製 　　　　　　　　　　　　　　　　成分　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　量（重量部）ステアリン酸鉄　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　２０ポリビニルアルコ
ール１０％液（分子量５００、鹸化度９０％）　　２０
水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　６０

【００２４】 ■　　分散液Ｂの調製 　　　　　　　　　　　　　　　　成分　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　量（重量部）没食子酸ステアリル　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　２０ポリビニルアルコール
１０％液（分子量５００、鹸化度９０％）　　２０水　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　６０

【００２５】 ■　　分散液Ｃの調製 　　　　　　　　　　　　　　　　成分　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　量（重量部）３−エチル−イソアミルアミ
ノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　２０ポリビニルアルコール１０％液（分子量５
００、鹸化度９０％）　　２０水　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　６０

【００２６】 ■　　分散液Ｄの調製 　　　　　　　　　　　　　　　　成分　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　量（重量部）ビスフェノール　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　１０シュウ酸ビス（ｐ
−メチルベンジル）　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　１０ポリビニルアルコール１０％
液（分子量５００、鹸化度９０％）　　２０水　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　６０これら組成物をそれぞれサンドミルを用い
て約１μｍの分散物とした。

【００２７】■　　第１発色層塗布液の調製上記分散液
Ａ１２０部、および分散液Ｂ１２０部に、焼成クレー５
０部、５０％ＳＢＲラテックス２０部を攪拌して塗布液
を調製した。この塗布液を基材上に乾燥後の塗布量が３
．０ｇ／ｍ２　となるように塗布し乾燥して第１発色層
を形成した。

【００２８】■　　第２発色層塗布液の調製上記分散液
Ｃ４０部、および分散液Ｄ２００部に、炭酸カルシウム
３０部、３０％パラフィンラテックス２０部、２５％ス
テアリン酸亜鉛ワックス２０部、１０％ポリビニルアル
コール水溶液１００部を攪拌して塗布液を調製した。こ
の塗布液を第１発色層上に乾燥後の塗布層が５．０ｇ／
ｍ２　となるように塗布し乾燥して第２発色層を形成し
、さらにスーパーカレンダー仕上げを行ない、感熱記録
紙を製造した。

【００２９】こうして得られた感熱記録紙について、保
存性試験と白色度の測定を行なった。保存性試験は、記
録紙の画像部の初期濃度を測定し、次に記録紙を下記の
条件に放置した後の濃度を測定した。濃度保存率は、次
式により算出した。 （保存性試験後の濃度）÷（初期濃度）×１００

【００
３０】（１）耐油性試験：記録紙の画像部に油を塗布し
て２４時間放置後、濃度を測定した。 （２）耐可塑剤性試験：記録紙の画像部に可塑剤ジオク
チルフタレートを塗布して２４時間放置後、濃度を測定
した。

【００３１】ただし画像の作製は市販感熱ファクシミリ
ＨＩＦＡＸ−４５を試験用に改造したものを用いて、１
ライン記録時間１０ｍｓｅｃ、走査線密度８×８ドット
／ｍｍ、ドット当たりの印加エネルギーを０．５３ｍＪ
として６４ラインの黒ベタ印字により行なった。濃度測
定はマクベス社製ＲＤ−９１４型濃度計を用いた。また
白色度はハンター白色時計（ブルーフィルター）で測定
した。保存性と白色度の試験結果を表１に示す。

【００３２】実施例２ 実施例１と同じ操作を行なった。ただし第１発色層の形
成に用いたＢ液の調製に当たり、没食子酸ステアリルの
かわりに没食子酸ヘキサデシルを用いた。試験結果を表
１に示す。

【００３３】実施例３ 実施例１と同じ操作を行なった。ただし第１発色層の形
成に用いたＢ液の調製に当たり、没食子酸ステアリルの
かわりに没食子酸ペンタデシルを用いた。試験結果を表
１に示す。

【００３４】実施例４ 実施例１と同じ操作を行なった。ただし第１発色層の形
成に用いたＢ液の調製に当たり、没食子酸ステアリルの
かわりに没食子酸テトラデシルを用いた。試験結果を表
１に示す。

【００３５】実施例５ 実施例１と同じ操作を行なった。ただし第１発色層の形
成に用いたＢ液の調製に当たり、没食子酸ステアリルの
かわりに没食子酸トリデシルを用いた。試験結果を表１
に示す。

【００３６】比較例１ 実施例１と同じ操作を行なった。ただし第１発色層の形
成に用いたＢ液の調製に当たり、没食子酸ステアリルの
かわりに没食子酸プロピル用いた。試験結果を表１に示
す。

【００３７】比較例２ 実施例１と同じ操作を行なった。ただし第１発色層の塗
液の調製に際し、Ａ液およびＢ液を用いることなく、焼
成クレーのみを２５０部用いた。試験結果を表１に示す
。

【００３８】比較例３ 比較例２と同じ操作を行なった。ただし第２発色層の塗
液の調製に際し、Ｃ液４０部、Ｄ液２００部のかわりに
、Ａ液４０部、Ｂ液２００部を用いた。試験結果を表１
に示す。

【表１】

【００３９】

【発明の効果】本発明によって白色度が高く、長期保存
しても画像濃度の低下の少ない高品質の感熱記録材料を
製造することが可能となった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　シート支持体上に、炭素数１８から３
   ５の高級脂肪酸鉄と一般式（Ｉ）であらわされる没食子
   誘導体とを含む第１発色層を設け、該発色層上に電子供
   与性染料前駆体と電子受容性顕色剤を含む第２発色層を
   設けることを特徴とする感熱記録材料。 【化１】 〔ただしＲは炭素数１０から２０のアルキル基、環状ア
   ルキル基またはフェニル基を表す。〕