JPH04306802A - 積層型バリスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
て機能する積層型バリスタ,及びその製造方法に関し、
特に内部電極と半導体セラミックス層との界面で電圧非
直線特性を得るようにした場合の、上記半導体セラミッ
クス層の絶縁性を高めて漏れ電流を低減できるようにし
た構造及び製造方法に関する。
線的に変化する電圧非直線抵抗体(以下、バリスタと称
す)は、サージ吸収素子,電圧安定化素子として広く採
用されている。このようなバリスタの電気的特性は、I
/i=(V/Vi )a で表される。 上記Iは素子に流れる電流,Vは印加電圧,Vi は素
子にiAの電流が流れたときの端子間電圧で、通常1m
Aの値をとりバリスタ電圧V1mAと称されている。ま
た、上記aは電圧非直線係数であり、バリスタを電気回
路に組み込んだ際に電圧がいかに制御されるかを示すも
ので、このa値が大きいほど電圧制御に優れている。ま
た、近年の通信機等に採用される電子機器の分野におい
ては、小型化,IC化,集積化が急速に進んでおり、こ
れに伴ってバリスタにおいても実装密度の向上を図るた
めの超小型化,あるいは低電圧化の要求が強くなってい
る。このような要求に対応するものとして、従来、ディ
スク型に代わる積層型バリスタが提案されている(例え
ば、特公昭58−23921号公報参照) 。この積層
型バリスタは、半導体セラミックス層と内部電極とを交
互に重ねて積層体を形成するとともに、該積層体の両端
面に上記各内部電極の一端面が接続される外部電極を形
成した構造である。この積層型バリスタによれば、上記
半導体セラミックス層の結晶粒子を巨大に成長させるこ
となく内部電極間の粒界数を小さくすることが可能であ
ることから、動作電圧の低電圧化が実現でき、小型化に
も対応できる。また、上記公報の積層型バリスタの改良
型として、上記内部電極間のセラミックス層内に上記外
部電極に接続されない非接続内部電極を配設してなる積
層型バリスタが提案されている(特願平1−30249
6 号参照) 。 この積層型バリスタは、内部電極,及び非接続内部電極
間に挟まれたセラミックスの粒界数を2以下としたこと
から、上述の従来公報に比べてバリスタ電圧のばらつき
を低減でき、さらにバリスタ電圧が4〜16V と低電
圧作動でありながらサージ耐量を向上できる。
極,あるいは非接続内部電極と半導体セラミックス層と
の界面でバリスタ特性を得るようにした従来の積層型バ
リスタでは、電圧抑制能力は優れているものの漏れ電流
が大きいという問題があり、この点での改善が要請され
ている。この漏れ電流が生じる原因は、上記セラミック
ス層の厚さ方向における結晶粒界数が極めて小さいこと
から上記界面付近にポアが存在するとこのポア部分の絶
縁性が低下し、これにより電流が漏れると考えられる。 また、上記内部電極間のセラミックス結晶粒界の個数が
ゼロの箇所では、内部電極に対して垂直方向の絶縁が不
充分となり、この部分からも電流が漏れると考えられる
。ここで、上記漏れ電流を改善するには、例えば酸化ビ
スマスの添加量を増加することが一般的に知られている
。しかしながら、この酸化ビスマスの添加量を増加させ
て素子の組成を改良するだけでは、それほど漏れ電流の
改善効果が得られない。
もので、バリスタ電圧の低電圧化を図りながら、漏れ電
流を低減できる積層型バリスタ及びその製造方法を提供
することを目的としている。
れ電流を改善するためには上記ポアやセラミックス結晶
粒界数がゼロの箇所を絶縁物で埋めることが有効である
ことを見出した。そしてポア等の絶縁物で埋める方法と
して、焼結体の外表面部分にガラス膜をコーティングし
てなる積層型バリスタに着目した。このガラス膜を被覆
した積層型バリスタは、湿度等に対する耐環境性に優れ
、半田付け時のフラックスや還元性雰囲気により焼結体
の表面が還元されるのを防止して漏れ電流等を改善でき
るようにしたものである。本件発明者らは、上記ガラス
を焼結体の表面部分にコーティングした積層型バリスタ
をX線マイクロアラナイザーで分析したところ、ガラス
はセラミックス結晶粒界に沿って焼結体内部に浸透拡散
していることが確認された。このことから、ガラスをコ
ーティングする際の熱処理条件を最適化すれば、焼結体
の中心部までガラスを浸透拡散でき、ひいては上記ポア
等を絶縁物で埋めることができることに想到し、本発明
を成したものである。
クス層と内部電極とを交互に重ねて積層体を形成し、上
記内導電膜と半導体セラミックス層との界面で電圧非直
線特性を得るようにした積層型バリスタにおいて、上記
内部電極間の半導体セラミックス層内にガラスを浸透拡
散させたことを特徴としている。また、請求項2の発明
は、上記積層型バリスタの製造方法であり、半導体セラ
ミックス層と内部電極とを交互に重ねてなる積層体を一
体焼成した後、該焼結体をガラス粉末とともに容器内に
収容し、該容器を回転させつつ上記ガラスの軟化点以上
の温度で加熱したことを特徴としている。ここで、本発
明の積層型バリスタには、内部電極の一端面を交互に積
層体の端面に露出させたもの、及びさらに上記内部電極
間のセラミックス層内に外部電極に接続されない非接続
内部電極を内蔵したものが含まれ、要は半導体セラミッ
クス層と内部電極との界面で電圧非直線性特性を得るよ
うにしたものであればいずれにも適用できる。
、内部電極間の半導体セラミックス層内にガラスを浸透
拡散させたので、該ガラスがセラミックス結晶粒界に存
在するポアや内部電極間における粒界数のゼロ箇所を埋
めることとなり、それだけ絶縁性を向上できる。その結
果、低電圧化を図りながら漏れ電流を低減でき、上述の
要請に応えられる。また、本発明では、積層型バリスタ
の表面部分もガラスで覆われていることから、湿度等に
対する耐環境性を向上でき、半田付け時のフラックスや
還元性雰囲気等による焼結体の還元を防止でき、この点
からも漏れ電流を低減できるとともに、サージ耐量を向
上できる。請求項2の発明に係る製造方法によれば、半
導体セラミックス層と内部電極とを交互に重ねてなる焼
結体とガラス粉末とを容器内に収容し、該容器を回転さ
せつつ上記ガラスの軟化点以上の温度で加熱したので、
上記ガラス粉末の添加量,加熱時間,あるいは加熱温度
等を適宜設定することにより、ガラスが焼結体の表面か
ら中心部まで浸透拡散して上記セラミックス層のポア等
を埋めることとなる。これにより漏れ電流が改善された
積層型バリスタを容易に,かつ安価に製造できる。
。図1及び図2は請求項1の発明の一実施例による積層
型バリスタを説明するための図である。図において、1
は本実施例の積層型バリスタである。このバリスタ1は
直方体状のもので、酸化亜鉛を主成分とする半導体セラ
ミックス層2と白金からなる内部電極3とを交互に積層
し、該積層体を一体焼成して焼結体4を形成して構成さ
れている。上記各内部電極3の一端面3aは焼結体4の
左, 右端面4a,4bに交互に導出されており、他の
端面はセラミックス層2の内側に位置して焼結体4内に
封入されている。また上記焼結体4の左, 右端面には
Ag/Pdからなる外部電極5が形成されており、該外
部電極5は上記各内部電極3の一端面3aに電気的に接
続されている。なお、上記焼結体4の上,下面にはダミ
ーとしてのセラミックス層6が配設されている。
ス層2,6内にはガラスが浸透拡散されており、これは
上記焼結体4とガラス粉末とを耐熱性容器内に収容し、
この容器を回転しながら上記ガラス粉末の軟化点以上の
温度に加熱処理することによって形成されたものである
。これにより上記セラミックス層2の結晶粒界に存在す
るポアや内部電極3間における粒界数のゼロ箇所はガラ
スに埋められており、かつ焼結体4の表面部分もガラス
で覆われている。
ガラスを浸透拡散させて半導体セラミックス層2内のポ
アや内部電極3間における粒界数のゼロ箇所を埋めたの
で、セラミックス層2の絶縁性を向上でき、その結果低
電圧化を図りながら漏れ電流を低減できる。また、本実
施例では、焼結体4の表面部分もガラスで覆われている
ことから、湿度等に対する耐環境性を向上でき、半田付
け時のフラックスや還元性雰囲気等による焼結体の還元
を防止でき、この点からも漏れ電流を低減できるととも
に、サージ耐量を向上できる。なお、上記実施例では、
半導体セラミックス層2と内部電極3とからなる積層型
バリスタ1に適用した場合を例にとって説明したが、本
発明はこれに限られるものではなく、例えば上記内部電
極間に外部電極に接続されない非接続内部電極を配設し
てなる構造のものにも勿論適用できる。
層型バリスタの製造方法について説明する。まず、主成
分材料である酸化亜鉛に対して、酸化プラセオジウム,
酸化コバルト,酸化マグネシウム,酸化クロム,炭酸カ
リウムを、それぞれプラセオジウム,コバルト,マグネ
シウム,クロム,カリウムに換算して0.5 wt%,
2.0wt%,0.1wt%,0.1wt%,0.1w
t%の組成比率となるよう秤量して原料を作成する。
24時間混合し、この後ろ過して乾燥させ、これを80
0 ℃で2時間仮焼成する。この仮焼結体を再びボール
ミルで充分粉砕した後、これに有機バインダを混合して
ドクターブレード法により厚さ20μm 程度のグリー
ンシートを形成し、このグリーンシートを矩形状に切断
して多数のセラミックス層2を形成する。
ペーストを作成し、該ペーストを上記セラミックス層2
の上面に印刷して内部電極3を形成する。この場合、内
部電極3の一端面3aのみがセラミックス層2の外縁ま
で延び、他の端面は内側に位置するようにする。
ス層2と内部電極3とが交互に重なり、かつ各内部電極
3の一端面3aがセラミックス層2の両外縁に交互に位
置するよう積層し、さらにこれの上面,下面にセラミッ
クス層6を重ねる。次いでこれの積層方向に2ton/
cm2 の圧力を加えて積層体を形成し、この積層体を
空気中にて1200℃で2時間焼成して焼結体4を得る
。
φ, 深さ40mmのアルミナ磁器ポット内に、上記焼
結体4を収容するとともに、所定量のガラス粉末を添加
する。そして上記ポットを20rpm で回転させなが
ら、上記ガラス粉末の融点以上の700 ℃に加熱し、
10分間熱処理を行う。するとガラス粉末が焼結体4の
表面から中心部に浸透拡散し、これにより積層型バリス
タ層2内に存在するポア等を埋めることとなる。
にAgペーストを塗布し、この後800 ℃で焼き付け
て外部電極5を形成する。これにより、図1に示す構造
の積層型バリスタ1が製造される。
の、バリスタ電圧V1mA ,制限電圧比V10A /
V1mA ,サージ耐量A,及び絶縁抵抗値MΩを測定
した。上記絶縁抵抗とは、バリスタ電圧の50%の電圧
を30秒間印加したときの素子の抵抗値である。なお、
比較するためにガラスを浸透拡散していない従来の積層
型バリスタについても同様の測定を行った。表1は、そ
の結果を示す。同表からも明らかなように、本実施例試
料,及び従来試料ともバリスタ電圧はそれぞれ4.0,
3.9V、制限電圧比は2.1,2.2 、サージ耐量
は50A とほとんど差がなく、満足できる特性が得ら
れている。また、従来試料の場合、絶縁抵抗値は7.5
×102 Ωと低く漏れ電流が大きい。これに対して
本実施例試料の場合、絶縁抵抗値は3.8 ×106
Ωと高くなっており、漏れ電流が改善されていることが
わかる。
型バリスタによれば、内部電極間の半導体セラミックス
層内にガラスを浸透拡散させたので、セラミックス結晶
粒界に存在するポア等を埋めることができ、その結果低
電圧化を図りながら漏れ電流を低減できる効果があると
ともに、湿度等に対する耐環境性を向上できる効果があ
る。また請求項2の発明に係る製造方法によれば、焼結
体とガラス粉末とを容器内に収容し、該容器を回転させ
つつ上記ガラスの軟化点以上の温度で加熱したので、漏
れ電流が改善された積層型バリスタを容易に,かつ安価
に製造できる効果がある。
するための断面図である。
するための分解斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体セラミックス層と内部電極とを
交互に重ねて積層体を形成し、上記内部電極と半導体セ
ラミックス層との界面で電圧非直線特性を得るようにし
た積層型バリスタにおいて、上記内部電極間の半導体セ
ラミックス層内にガラスを浸透拡散させたことを特徴と
する積層型バリスタ。 - 【請求項2】 半導体セラミックス層と内部電極とを
交互に重ねてなる積層体を一体焼成し、該焼結体をガラ
ス粉末とともに容器内に収容し、この後容器を回転させ
つつ上記ガラスの軟化点以上の温度で加熱し、これによ
り上記内部電極間の半導体セラミックス層内にガラスを
浸透拡散させたことを特徴とする積層型バリスタの製造
方法。
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Publication Number | Publication Date |
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JPH04306802A true JPH04306802A (ja) | 1992-10-29 |
JP2682259B2 JP2682259B2 (ja) | 1997-11-26 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5799706A (en) * | 1980-12-11 | 1982-06-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Method of producing chip-shaped varistor |
JPS62263609A (ja) * | 1986-05-09 | 1987-11-16 | 松下電器産業株式会社 | 積層型チツプバリスタの製造方法 |
-
1991
- 1991-04-03 JP JP3099517A patent/JP2682259B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5799706A (en) * | 1980-12-11 | 1982-06-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Method of producing chip-shaped varistor |
JPS62263609A (ja) * | 1986-05-09 | 1987-11-16 | 松下電器産業株式会社 | 積層型チツプバリスタの製造方法 |
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JP2682259B2 (ja) | 1997-11-26 |
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