JP2990626B2 - バリスタの製造方法 - Google Patents

バリスタの製造方法

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JP2990626B2 JP3306890A JP30689091A JP2990626B2 JP 2990626 B2 JP2990626 B2 JP 2990626B2 JP 3306890 A JP3306890 A JP 3306890A JP 30689091 A JP30689091 A JP 30689091A JP 2990626 B2 JP2990626 B2 JP 2990626B2
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晃慶 中山
和敬 中村
康信 米田
行雄 坂部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧非直線抵抗体とし
て機能するバリスタの製造方法に関し、特に結晶粒界の
性質を均質化してサージ電流の吸収能力を向上できるよ
うにした製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、印加電圧に応じて抵抗値が非直
線的に変化する電圧非直線抵抗体(以下、バリスタと称
す)は、サージ吸収素子,電圧安定化素子として広く使
用されている。このようなバリスタの電気的特性は、 I/i=(V/Vi a で表される。上記Iは素子に流
れる電流,Vは印加電圧,Vi は素子にiAの電流が流
れたときの端子間電圧で、通常1mAの値をとりバリスタ
電圧V1mA と称されている。また、上記aは電圧非直線
係数であり、バリスタを電気回路に組み込んだ際に電圧
がいかに制御されるかを示すもので、このa値が大きい
ほど電圧制御に優れている。上記バリスタを製造する場
合、従来、酸化亜鉛,又はチタン酸ストロンチウムを主
成分とする半導体セラミック粉末を仮焼成し、この仮焼
成物を再粉砕して粉末を形成した後、成形体を形成す
る。次に、この成形体を高温焼成して焼結体を形成し、
この焼結体に電極を形成する方法が一般的である。この
ようなバリスタでは、上記焼結体に存在する個々の結晶
粒界において電圧非直線性を発現するわけであるが、素
子全体としての特性は、個々の結晶粒界の特性の平均と
して現れるのではなく、すべての結晶粒界の中の最も特
性の悪い結晶粒界に大きく影響を受ける。このため、バ
リスタの特性を向上させるためには、できるだけ個々の
結晶粒界の性質を均質化する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の製造方法では、個々の結晶粒界の性質を均質化するこ
とは困難であり、その結果サージ電流の吸収能力が低い
という問題点がある。この結晶粒界が不均質化する原因
にはいくつか考えられるが、なかでもセラミック原料粉
の局所的な組成の不均質化が最も大きな要因になってい
ると考えられる。
【0004】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、結晶粒界の性質を均質化でき、ひいてはサージ
吸収能力を向上できるバリスタの製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、結晶粒
界の性質が不均質となる原因について検討したところ、
この原料粉を仮焼成する際の温度,雰囲気が不均一にな
っていることに着目した。即ち、セラミック原料粉をサ
ヤ内に配置した状態で仮焼成を行う場合、このサヤ内の
温度,雰囲気を一定に制御することは技術的に困難であ
ることから、サヤ内の中心部分と外周部分とでは全く異
なる反応物が成形される場合がある。その結果、この仮
焼成物をそのまま用いて成形体を形成すると、該成形体
に局所的な組成の不均質化が生じ、さらには成形体を焼
成する際に反応の不均質化を生じさせ、ひいては焼結体
の結晶粒界の性質が不均質化することとなる。そこで本
件発明者らは、セラミック原料粉を容器内に収容し、こ
の容器を回転させながら仮焼成を行うことによって、上
記原料粉は静止することなく常に撹拌されることから、
サヤ内部の温度分布や雰囲気を見かけ上一定にでき、ひ
いては反応の均質化を図ることができることを見出し、
本発明を成したものである。
【0006】そこで本発明は、セラミック原料粉を仮焼
成する工程と、この仮焼成物を粉砕した後、成形体を形
成する工程と、この成形体を焼成して焼結体を形成する
工程とからなるバリスタの製造方法において、上記仮焼
成工程で上記セラミック原料粉を容器内に収容し、該容
器を回転させながら熱処理したことを特徴としている。
ここで、本発明のバリスタは、単板からなる焼結体の両
主面に電極を形成してなるもの、あるいはセラミック層
と内部電極とを交互に積層してなる焼結体に外部電極を
形成してなる積層型のもの等、特に限定されるものでは
ない。
【0007】
【作用】本発明に係るバリスタの製造方法によれば、セ
ラミック原料粉を容器内に収容し、該容器を回転させな
がら仮焼成したので、上記原料粉は撹拌されながら均一
に反応することとなり、その結果均質化された仮焼成物
を形成できる。このことから成形体の局所的な組成の不
均質化を回避でき、ひいては焼結体に存在する個々の結
晶粒界の性質を均質化でき、それだけサージ電流の吸収
能力を向上できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 第1実施例 本実施例は、本発明の製造方法により酸化亜鉛を主成分
としたバリスタを製造し、これの効果を確認するために
行った試験について説明する。まず、本実施例のバリス
タの製造方法について説明する。ZnO,Bi2 3
Co2 3 ,MnO,Sb2 3 ,及びCr2 3 をそ
れぞれ97.2mol %,1.0mol %,0.5mol %,0.5mol %,0.3
mol%, 及び0.3 mol %の比率となるよう秤量し、これ
にイオン交換水を加えてボールミルで24時間混合し、こ
れをろ過した後、乾燥させてセラミック原料粉を作成す
る。
【0009】次に、外径30cmφ, 内径28cmφ, 深さ40cm
の大きさからなる円筒形の磁器ポット内に、上記セラミ
ック原料粉を収容する。次いで、この磁器ポットを20rp
m で回転させながら、800 ℃に加熱して2時間仮焼成す
る。するとセラミック原料粉は磁器ポット内で撹拌され
て均一に反応し、これにより均質化した仮焼成物が形成
される。
【0010】上記仮焼成物を再度粉砕してセラミック粉
末を形成し、この粉末に有機バインダーを混合し、この
後セラミックグリーンシートを形成する。このグリーン
シートをプレスで打ち抜いて直径10mmφ, 厚さ1.5mm か
らなる円板状の成形体を形成する。
【0011】次に、上記成形体を空気中にて1200℃の温
度で2時間焼成し、これにより焼結体を得る。このよう
にして得られた焼結体の両主面に、Agペーストを塗布
した後、700 ℃の温度で10分間焼き付けて電極を形成す
る。最後に、上記焼結体の両電極にリード線の一端を半
田付け接続し、この焼結体の外表面部分にエポキシ樹脂
をディピングする。これにより本実施例のバリスタが製
造される。
【0012】
【表1】
【0013】表1は、上記実施例方法により製造された
バリスタの効果を確認するために行った試験結果を示
す。この試験は、上記バリスタのバリスタ電圧V1mA ,
非直線係数a1-10mA,サージ耐量Aを測定して行った。
また、比較するためにセラミック原料粉を従来のサヤ内
で配置した状態で仮焼成してなる比較試料を作成し、こ
れについても同様の測定を行った。同表からも明らかな
ように、比較試料の場合、バリスタ電圧は125V, 非直線
係数は50, サージ耐量は1000A であった。これに対して
本実施例試料の場合は、バリスタ電圧が120V, 非直線係
数が56,サージ耐量が1200A といずれとも向上してるこ
とがわかる。
【0014】第2実施例 本実施例は、チタン酸ストロンチウムを主成分としたバ
リスタを製造し、これの効果を確認するために行った試
験について説明する。まず、SrCO3 ,TiO2 ,C
aCO3 をそれぞれSr0.90Ca0.10TiO3 となるよ
う秤量し、これに対して0.5 mol %のY2 3 を加え
て、イオン交換水を用いてボールミルで24時間混合し、
これをろ過した後、乾燥させてセラミック原料粉を作成
する。
【0015】次に、外径30cmφ, 内径28cmφ, 深さ40cm
の大きさからなる円筒形の磁器ポット内に、上記セラミ
ック原料粉を収容し、この磁器ポットを20rpm で回転さ
せながら、1150℃に加熱して2時間仮焼成する。これに
より均質化した仮焼成物を形成する。
【0016】上記仮焼成物を再度粉砕してセラミック粉
末を形成し、この粉末に有機バインダーを混合し、この
後セラミックグリーンシートを形成する。このグリーン
シートをプレスで打ち抜いて直径10mmφ, 厚さ1.5mm か
らなる円板状の成形体を形成する。
【0017】次に、上記成形体を、これの体積比で
2 :N2 =1:100 の雰囲気中にて1450℃の温度で2
時間焼成し、これにより焼結体を得る。このようにして
得られた焼結体の両主面にNa2 O,TiO2 からなる
酸化剤を塗布し、これを1200℃で2時間熱処理を行った
後、上記焼結体の両主面にAgペーストを塗布し、これ
を700 ℃の温度で1時間焼き付けて電極を形成する。最
後に、上記焼結体の両電極にリード線の一端を半田付け
接続し、この焼結体の外表面部分にエポキシ樹脂をディ
ピングする。これにより本実施例のバリスタが製造され
る。
【0018】
【表2】
【0019】表2は、上記実施例方法により製造された
バリスタの効果を確認するために行った試験結果を示
す。この試験は、上述と同様にバリスタ電圧V1mA , 非
直線係数a1-10mA,サージ耐量Aを測定して行った。ま
た、比較するために従来の比較試料についても同様の測
定を行った。同表からも明らかなように、本実施例試
料,比較試料ともバリスタ電圧は200V,非直線係数は15
と同様の値が得られている。一方、サージ耐量では、比
較試料が1800A であったのに対して、本実施例試料は25
00A と大幅に向上していることがわかる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明に係るバリスタの製
造方法によれば、仮焼成工程においてセラミック原料粉
を容器内に収容し、該容器を回転させながら熱処理した
ので、仮焼成物を均質化でき、それだけ結晶粒界の性質
を均質化でき、ひいてはサージ吸収能力を向上できる効
果がある。
フロントページの続き (72)発明者 坂部 行雄 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平5−47513(JP,A) 特許2682259(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧非直線抵抗特性を発現するセラミッ
    ク原料粉を仮焼成する工程と、この仮焼成物を粉砕した
    後、成形体を形成する工程と、この成形体を焼成して焼
    結体を形成する工程とからなるバリスタの製造方法にお
    いて、上記仮焼成工程で上記セラミック原料粉を容器内
    に収容し、該容器を回転させながら熱処理することを特
    徴とするバリスタの製造方法。
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