JPH04295018A - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents

合成石英ガラスの製造方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成石英ガラスの製造
方法、特にはそのOH基含有量を 300〜1,200
ppm の範囲で任意に制御することができることから
紫外光ファイバ−、耐エキシマレ−ザ−用レンズ用など
に有用とされる合成石英ガラスの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、合成石英ガラスの製造方法として
は米国特許第2,272,342 号明細書に記載され
ているように、揮発性けい素化合物例えば四塩化けい素
、シラン、テトラメトキシシランを燃焼させるかまたは
火炎中で気相加水分解させることにより微細な二酸化け
い素粉末を生成させ、この微粉末を原料自体の燃焼熱も
しくは同時に供給する水素、メタン、一酸化炭素等の可
燃性ガスの燃焼熱によって基体上に堆積・成長させて半
融状態のSiO2焼結体とし、さらに電気炉で透明ガラ
ス化する方法、あるいは生成したSiO2を石英ガラス
基体上に吹きつけ同時に高温の燃焼熱によって溶融ガラ
ス化する方法が公知とされている。
【0003】他方または米国特許第3,644,607
 号明細書に記載されているように、原料の四塩化けい
素とキヤリヤ−ガス(酸素ガス)の混合ガスをバ−ナ−
中心部の細孔より急速に噴射させ、周辺部から燃料ガス
と酸素を同一のノズルからもしくは各々別の独立したノ
ズルから噴出させて燃焼を行わせる方式のバ−ナ−が知
られており、一般的に使用されている。
【0004】しかし、これらの方法で使用されるバ−ナ
−は、中心部に多重管を備え、その周囲に外殻管を設け
、この多重管と外殻管の間に複数個のノズルを設けた多
段構造のものとされており、この多重管の中心管から揮
発性けい素化合物と酸素ガス、つぎの環状管に酸素など
の支燃性ガス、さらにその外側の環状管に水素ガス、メ
タンガス、一酸化炭素ガスなどの燃料ガスをそれぞれ噴
射させると同時に多重管、外殻管およびノズルの間隙か
ら燃料ガスを噴射し燃料させて火炎を形成させている。
【0005】そして、これらのバ−ナ−に導入される揮
発性シラン化合物、各燃料、支燃性ガスの量は特定され
ておらず、これらは化学量論量もしくは該化学量論量に
対し60〜80%とされており、合成石英ガラス部材を
製造する際の各ガス量は原料シラン化合物の供給速度に
合わせてこれとバランスのとれる量とされているのであ
るが、このよにして得られる合成石英ガラスについては
OH基、Cl基が不純物として混入されており、このO
H基についてはこれが多くなるとこの石英ガラスの紫外
領域での光透過率が高くなり、またこの石英ガラスのエ
キシマレ−ザ−などの高エネルギ−波長に対しての耐レ
−ザ−性が良くなることから、その含有量が注目されて
いる。
【0006】したがってこれらの用途に使用される合成
石英ガラスの製造方法についてはこれに含有されるOH
基量を任意にコントロ−ルすることが必要とされ、OH
基量が800 〜1,200ppmのように高いものを
得るためには1)原料シラン化合物としてメチルメトキ
シシラン、テトラメトキシシランのようにOH基を多く
含有するものを使用する、2)原料シラン化合物の供給
速度を低OH基含有品の製造方法と比較して1/2〜1
/3 程度まで低下させるという方法がとられ、逆にO
H基含有量が300 〜600ppmのような低OH基
量のものを得るためには1)原料シラン化合物として四
塩化けい素のようにOH基を含有しないものを使用する
、2)火炎を形成する酸水素ガス量を低下させて、合成
石英ガラス溶融面の表面温度を低下させるというような
方法が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、合成石英ガラ
ス中に含有されるOH基量をコントロ−ルするためのこ
れらの方法には1)原料シラン化合物の品種を目的とす
るOH基量に対して選択する必要がある、2)テトラメ
トキシシランなどは高価であるために原料コストが高く
なる、3)高OH基含有量のものを得るために原料供給
量を低下させると生産性が低下する、4) 低OH基含
有量のものを得るために火炎を形成する燃料ガスと支燃
料ガス(特には酸水素ガス)の量を抑えると石英ガラス
成長溶融面の表面温度分布に極端な差が生じるために、
この熱分布の影響によって含有するOH基量に400p
pm程度の大きな差が生じ、光学的均質性(屈折率分布
の均一性)、例えば△n(屈折率の最大偏差量)、脈理
といった均質性が非常に劣るようになるという不利があ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した合成石英ガラスの製造方法に関するもので、
これはシラン化合物の火炎加水分解で得た合成シリカ微
粒子を回転している担体上に堆積し、これを溶融ガラス
化する合成石英ガラス製造方法において、火炎バ−ナ−
を多重管バ−ナ−とし、その中心ノズルから原料シラン
化合物と支燃性ガスまたは原料シラン化合物、支燃性ガ
スおよび不活性ガスからなる混合ガスを導入し、この中
心ノズルを囲む第1の周囲ノズルから支燃性ガスを、ま
たこの第1の周囲ノズルの外側にある第2、第3の周囲
ノズルから燃焼ガス、支燃性ガスを導入し、この際中心
ノズルにおける原料シラン化合物と支燃性ガスの組成比
を変化させるか、および/または中心ノズルを囲む第1
の周囲ノズルにおける支燃性ガスに不活性ガスを混合す
ることを特徴とするものである。
【0009】すなわち、本発明者らは従来法における不
利を解決することのできる合成石英ガラスの製造方法を
開発すべく種々検討した結果、従来から行なわれている
多重管バ−ナ−を使用する火炎加水分解による合成石英
ガラスの製造方法において、中心ノズルから導入する原
料シラン化合物と支燃性ガスとの混合ガスの組成比を変
化させるか、および/または中心ノズルを囲む第1の周
囲ノズルから導入される支燃性ガスに不活性ガスを混合
すると、高価なメトキシシランなどを使用しなくても、
また合成石英ガラスの生長速度を落さなくても、合成石
英ガラス中に含有されるOH基量を 300〜1,20
0 ppm の範囲に任意に制御できるし、OH基含有
量に大きな差がなく、光学的均質性のすぐれた合成石英
ガラスを生産性よく製造することができることを見出し
、これらの諸条件についての研究を進めて本発明を完成
させた。以下にこれをさらに詳述する。
【0010】
【作用】本発明はOH基含有量を 300〜1,200
 ppm の範囲で任意に制御することができる合成石
英ガラスの製造方法に関するものであり、これは多重管
バ−ナ−を使用する火炎加水分解法による合成石英ガラ
スの製造方法において、中心ノズルから導入される原料
シラン化合物と支燃性ガスとの混合ガスの組成比を変化
させるか、および/または中心ノズルを囲む第1の周囲
から導入される支燃性ガスに不活性ガスを混合すること
を特徴とするものである。
【0011】本発明による合成石英ガラスの製造は基本
的には原料シラン化合物を多重管からなる酸水素火炎バ
−ナ−に供給して火炎加水分解させ、ここに生成した合
成シリカ微粉末を回転している担体上に堆積させ、これ
を加熱し、溶融ガラス化するという公知の方法で行なわ
れる。ここに使用される多重管バ−ナ−は通常石英ガラ
ス製のものとされるが、この構造は中心部に三重管から
なる中心ノズルを設け、この中心ノズルを囲繞する外殻
管群、この中心ノズルと外殻管群との間に設けられた複
数個のノズルからなるものとされる。このバ−ナ−には
その中心ノズルから原料シラン化合物、酸素ガスなどの
支燃性ガス、またはこれらにアルゴンガスなどの不活性
ガスを混合したガスが導入され、この中心ノズルを囲む
第1の環状管からは酸素などの支燃性ガスさらにこの外
側にある第2の環状管からは水素ガスなどのような燃料
ガスがそれぞれ導入するようにされている。
【0012】本発明においてはこの中心ノズルから導入
される原料シラン化合物と支燃性ガスとからなる混合ガ
スの組成比が目的とする合成石英ガラス中におけるOH
基含有量の量に応じて変化させられるのであるが、これ
は原料シラン化合物、例えば四塩化けい素、メチルトリ
クロロシランと支燃性ガス、例えば酸素ガスとの混合ガ
スの組成比を、酸素ガス量を四塩化けい素またはメチル
トリクロロシランの理論必要当量の 0.7〜5.5 
倍、好ましくは1〜3.5 倍の範囲に調整するもので
ある。
【0013】これは合成石英ガラス中に含有されるOH
基量が合成石英ガラスを製造するときの成長溶融面の表
面温度に寄因することが知られており、例えばその表面
温度が1,800 〜2,000 ℃と高温である場合
にはOH基含有量が800ppm以上となり、逆にこの
表面温度が 1,700〜1,800 ℃となったとき
にはOH基含有量が 300〜800ppmになる。し
たがって、合成石英ガラス中に含有されるOH基含有量
を制御するためにはこの表面温度を制御すればよいわけ
であるが、これには中心ノズルから供給される原料シラ
ン化合物と支燃性ガスとしての酸素ガスと混合ガスとの
組成比を変えればよいということが見出された。
【0014】しかして、この原料シラン化合物と支燃性
ガスとの組成比については酸素ガス量/原料シラン化合
物の理論必要当量を 0.7〜5.5 とすればよいこ
とが見出されたのであるが、これはこの組成比が 0.
7未満では合成石英ガラスの成長溶融面における表面温
度が1,700 ℃以下となって溶融面の範囲が狭くな
り、火炎加水分解によって生成したシリカ微粒子が溶融
されずに付着、堆積されてしまい、この組成比が5.5
 より大きくなるとその表面温度が2,000 ℃以上
となって堆積した合成石英ガラスが蒸発し易くなってそ
の固定率、成長温度が低下し、燃料コストも上昇するこ
とになるからであり、このことからこれは 0.7〜5
.5 とする必要があるのであるが、これは好ましくは
 1.0〜3.5 とすればよい。
【0015】また、本発明では中心ノズルを囲む第1の
周囲ノズルから導入される支燃性ガスに不活性ガスを混
合するという方法も行なわれ、これは具体的には支燃性
ガスとしての酸素ガスに不活性ガスとしてのアルゴンガ
スなどを混合させるものである。これはこの支燃性ガス
に不活性ガスを混合すると、合成石英ガラスの成長溶融
面の表面温度の高低に大きく寄与する上記した原料シラ
ン化合物と酸素ガスとの混合ガスがこの不活性ガスの拡
散によって希釈され、これによってその表面温度が冷却
され、合成石英ガラス中のOH基含有量が実質的に低下
されるという効果が与えられる。
【0016】しかし、この支燃性ガスに対する不活性ガ
スの混合はこの不活性ガスの混合量が支燃性ガスの20
%以上になると火炎のバランスが悪くなって合成シリカ
微粒子の堆積が悪くなり、合成石英ガラスの生産も困難
となるので支燃性ガスの20%以下とすることが必要と
されるが、この範囲内において不活性ガスを導入すれば
実質的に合成石英ガラス中のOH基含有量を50〜10
0ppmの範囲で低下させることができるという有利性
が与えられる。
【0017】なお、本発明によれば上記した方法により
合成石英ガラスの成長溶融面の表面温度が制御され、得
られる合成石英ガラス中に含有されるOH基含有量が 
300〜1,200ppmの範囲で任意に制御されるの
で、この場合にはOH基含有量を高くするためにメチル
トリメトキシシラン、テトラメトキシシランのようなO
H基含有量シランを使用する必要はなく、これには四塩
化けい素、メチルトリクロロシランなどのような安価な
シランを使用することができるという有利性も与えられ
る。
【0018】つぎに本発明の実施例をあげる。
【実施例】バ−ナ−として中心部に三重管、該三重管を
囲繞する外殻管および三重管と外殻管との間に複数個の
ノズルを配設した多段構造の石英ガラス製のものを使用
することとし、この三重管の中心ノズルから原料シラン
化合物としてのメチルトリクロロシランと支燃性ガスと
しての酸素ガスおよび不活性ガスとしてのアルゴンガス
の混合ガスを導入し、この中心ノズルを囲む第1の周囲
ノズルからは支燃性ガスとしての酸素ガスまたはこれと
不活性ガスとしてのアルゴンガスとの混合ガスを、また
その外側の第2の周囲ノズルからは水素ガスをそれぞれ
導入すると共に、三重管と外殻管との間のノズルからは
酸素ガスを、三重管、外殻管およびノズルの間隙から水
素ガスを噴射し燃焼させて火炎を形成した。
【0019】この火炎によりメチルトリクロロシランを
火炎加水分解させ、これによって発生した合成シリカ微
粒子を回転している合成石英ガラスタ−ゲット上に堆積
させると同時に溶融ガラス化して合成石英ガラスインゴ
ツトを作ったが、この際中心ノズル、第1の周囲ノズル
、第2の周囲ノズル、三重管と外殻管の間のノズル、三
重管、外殻管、ノズル間より噴出するガスの量を表1に
示したようにし、中心ノズルにおけるメチルトリクロロ
シランと酸素ガスにおける酸素ガス量/メチルトリクロ
ロシランの理論必要当量を表1に示したものとしたとこ
ろ、得られた合成石英ガラス中のOH基含有量は表1に
併記したものとなり、これによればこのOH基含有量を
350 〜1,080ppmに制御することができた。
【0020】なお、この酸素ガス/メチルトリクロロシ
ランの理論必要当量と得られた合成石英ガラス中のOH
基含有量との関係は図1に示したとおりであり、この図
からも中心ノズルにおける酸素ガスとメチルトリクロロ
シランとのガス量比によってOH基含有量が制御できる
ことが確認されるが、実施例5は第1の周囲ノズルにお
ける酸素ガスにアルゴンガスを20%添加したものであ
り、これによればOH基含有量が910ppmから87
0ppmに低下していることが判る。
【0021】
【発明の効果】本発明は合成石英ガラスの製造方法に関
するものであり、これは原料シラン化合物の火炎加水分
解により生成した合成シリカ微粉末を回転している担体
上に堆積し、溶融ガラス化して合成石英ガラスを製造す
る方法において、多重管構造の火炎バ−ナ−における中
心ノズルから導入される原料シラン化合物と支燃性ガス
との組成比を変化させ、および/またはこの中心ノズル
を囲む第1の周囲ノズルに導入される支燃性ガスに不活
性ガスを混合することを特徴とするものである。
【0022】しかして、合成石英ガラス中に含有される
OH基含有量は合成石英ガラスを製造するときの合成石
英ガラスの成長溶融面の表面温度に寄因するものである
が、この表面温度は中心ノズルから導入される原料シラ
ン化合物と支燃性ガスとの組成比により制御されること
から、この組成比を目的とする合成石英ガラス中のOH
基含有量に応じて変化させれば容易にこのOH基含有量
を 300〜1,200ppmの範囲で制御することが
できるし、第1の周囲ノズルからの支燃性ガスに不活性
ガスを混合すればこの表面温度が冷却されるのでOH基
含有量を50〜100ppmの範囲で低下させることが
できるという有利性が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素ガス/メチルトリクロロシランの理論必要
当量と得られた合成石英ガラス中のOH基含有量との関
係グラフ。
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シラン化合物の火炎加水分解で得た合成シ
    リカ微粒子を回転している担体上に堆積し、これを溶融
    ガラス化する合成石英ガラスの製造方法において、火炎
    バ−ナ−を多重管バ−ナ−とし、その中心ノズルから原
    料シラン化合物と支燃性ガスまたは原料シラン化合物、
    支燃性ガスおよび不活性ガスからなる混合ガスを導入し
    、この中心ノズルを囲む第1の周囲ノズルから支燃性ガ
    スを、またはこの第1の周囲ノズルの外側にある第2、
    第3の周囲ノズル群から燃焼ガス、支燃性ガスを導入し
    、この際中心ノズルにおける原料シラン化合物と支燃性
    ガスとの混合ガスの組成比を変化させるか、および/ま
    たは中心ノズルを囲む第1の周囲ノズルにおける支燃性
    ガスに不活性ガスを混合することを特徴とする合成石英
    ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】原料シラン化合物と支燃性ガスとの混合ガ
    スの組成比を支燃性ガス量が原料ガス化合物の理論必要
    当量の 0.7〜5.5 倍量となるようにする請求項
    1に記載した合成石英ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】支燃性ガスに対する不活性ガスの混入量を
    、同一ノズルから導入する支燃性ガス量の20%以下と
    する請求項1に記載した合成石英ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】不活性ガスが窒素ガス、アルゴンガス、ヘ
    リウムガスである請求項1または3に記載した合成石英
    ガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】得られる合成石英ガラスがOH基含有量 
    300〜1,200 ppm のものである請求項1に
    記載した合成石英ガラスの製造方法。
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