JP2960059B1 - 多孔質ガラス母材の製造方法及び製造装置、並びにそれらに使用する同心多重管バーナ - Google Patents

多孔質ガラス母材の製造方法及び製造装置、並びにそれらに使用する同心多重管バーナ

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Abstract

【要約】 【課題】 バーナカバーの内側がバーナ火炎により損傷
を受けないようバーナカバーの適切な突き出し量を求
め、それにより外径や屈折率分布等の特性変動のない高
品質の多孔質ガラス母材を安定的に製造する。 【解決手段】 バーナカバーを備えた同心多重管バーナ
に、少なくともガラス原料ガス、可燃性ガスとして水素
ガス、及び可燃性ガスよりも外側流路に助燃性ガスを供
給し、ガラス原料を酸水素火炎中にて加水分解してガラ
ス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を堆積して多
孔質ガラス母材を製造する方法において、バーナ先端か
らバーナカバー先端までの距離L(cm)を、L<(−
0.123Vi+0.117Vt)/Dを満足するよう
にしてガラス微粒子を堆積する多孔質ガラス母材の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質ガラス母材
の製造方法及び製造装置、並びにそれらに好適に使用す
ることができる同心多重管バーナに関する。特に本発明
は、ガラス微粒子堆積時にバーナ火炎によりバーナカバ
ーが損傷を受けることがなく、そのため外径変動や屈折
率分布の不整等の特性変動のない優れた光ファイバ用多
孔質ガラス母材を製造することができる多孔質ガラス母
材の製造方法及び製造装置、並びにそれらに好適に使用
することができる同心多重管バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ用多孔質ガラス母材や高純度
石英ガラスを製造する方法として、同心多重管バーナを
使用し、このバーナより発する酸水素火炎中にてガラス
原料を加水分解し、生成したガラス微粒子を堆積する方
法が知られている。図1に、この方法に用いられる同心
多重管バーナの1例を示す。尚、(a)はバーナの横断
面構造概略図であり、(b)はバーナの縦断面構造概略
図である。
【0003】一般的には、このような構造を有する同心
多重管バーナには、ガラス原料ガス及び搬送ガス、可燃
性ガス、バーナ先端の焼き付けを防止するシールガス、
更に助燃性ガス等を流す。可燃性ガスとしては、水素ガ
スが用いられることが多い。その際、水素ガスを最外周
流路に流すとバーナ火炎が広がってしまうため、酸素ガ
ス等の助燃性ガスを最外周流路に流すことが多い。
【0004】同心多重管バーナ1は、図1に示すよう
に、バーナカバー3を備えることが多い。このバーナカ
バー3は、バーナ火炎のガイドの役割を有し、生成した
バーナ火炎が気流で乱されたり、バーナ火炎の方向が変
わることがないようにしている。
【0005】しかし、従来このようなバーナカバーを備
えたバーナを使用するに際し、バーナ火炎をより安定さ
せるためにバーナ先端4からバーナカバー先端5までの
距離(以下、単に「突き出し量」という場合がある。)
を長く採り過ぎるきらいがあった。そのため、バーナカ
バーの内側がバーナ火炎により損傷を受けることがあっ
た。例えば、VAD(軸付け)法により光ファイバ用多
孔質ガラス母材を製造する場合、コア用バーナにおける
バーナカバーの突き出し量を長く採り過ぎたためにバー
ナカバーの内側がバーナ火炎により損傷を受け、バーナ
カバー内側の状態が変化することがあった。
【0006】そのため、ガラス微粒子を吹き付けるため
のバーナ火炎の向きが変化し、ガラス微粒子の堆積が不
均一となることがあった。その結果、得られる多孔質ガ
ラス母材においては、他のロット間は勿論、同じロット
内でさえも外径や屈折率分布等の特性変動が起きるとい
う問題があった。このことは、多孔質ガラス母材製造の
歩留り低下を招くこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、バー
ナカバーの内側がバーナ火炎により損傷を受けないよう
バーナカバーの適切な突き出し量を求め、それにより火
炎の向き等が変わらない安定なバーナ火炎を得ることで
外径や屈折率分布等の特性変動のない高品質の多孔質ガ
ラス母材を安定的に製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の請求項1
に記載の発明は、バーナカバーを備えた同心多重管バー
ナに、少なくともガラス原料ガス、可燃性ガスとして水
素ガス、及び可燃性ガスよりも外側流路に助燃性ガスを
供給し、ガラス原料を酸水素火炎中にて加水分解してガ
ラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を堆積して
多孔質ガラス母材を製造する方法において、バーナ先端
からバーナカバー先端までの距離L(cm)を、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D [式中、Viは水素ガス及び水素ガスより内側流路を流
れるガスの合計流量(cm3 /秒)、Vtは全ガスの合
計流量(cm3 /秒)、及びDはバーナカバーの内径
(cm)を表わす。]を満足するようにしてガラス微粒
子を堆積する多孔質ガラス母材の製造方法である。
【0009】このように、バーナカバーの突き出し量L
を、(−0.123Vi+0.117Vt)/D未満に
することで、バーナカバー内側がバーナ火炎により損傷
を受けるのを防ぐことができる。従って、バーナカバー
内側の状態が変化することがないので、ガラス微粒子堆
積中にバーナ火炎の向き等が変化することがなく、ガラ
ス微粒子を均一に堆積することができる。その結果、外
径や屈折率分布等の特性変動のない高品質の多孔質ガラ
ス母材を安定的に製造することができる。
【0010】また、請求項2記載の発明は、バーナ先端
からバーナカバー先端までの距離L(cm)を、D<L
[式中、Dは前記と同義。]を満足するようにしてガラ
ス微粒子を堆積する上記多孔質ガラス母材の製造方法で
ある。このように、バーナカバーの突き出し量LをDよ
り大きくすればバーナ火炎のバタツキもなくなるので、
更にガラス微粒子を均一に堆積することができる。その
結果、より一層の外径や屈折率分布等の特性変動のない
高品質の多孔質ガラス母材を安定的に製造することがで
きる。
【0011】また、請求項3記載の発明は、バーナカバ
ーを備えた同心多重管バーナであって、バーナ先端から
バーナカバー先端までの距離L(cm)が、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D [式中、Viは水素ガス及び水素ガスより内側流路を流
れるガスの合計流量(cm3 /秒)、Vtは全ガスの合
計流量(cm3 /秒)、及びDはバーナカバーの内径
(cm)を表わす。]を満足する多孔質ガラス母材製造
用同心多重管バーナである。
【0012】このように、バーナカバーの突き出し量L
が、(−0.123Vi+0.117Vt)/D未満の
同心多重管バーナは、バーナカバー内側がバーナ火炎に
より損傷を受けることがない。従って、バーナカバー内
側の状態が変化することはないので、ガラス微粒子堆積
中にバーナ火炎の向き等が変化することがない。その結
果、このような同心多重管バーナを多孔質ガラス母材の
製造に使用すれば、ガラス微粒子を均一に堆積すること
ができ、外径や屈折率分布等の特性変動のない高品質の
多孔質ガラス母材を安定的に製造することができる。
【0013】また、請求項4記載の発明は、バーナ先端
からバーナカバー先端までの距離L(cm)が、D<L
[式中、Dは前記と同義。]を満足する上記多孔質ガラ
ス母材製造用同心多重管バーナである。このように、バ
ーナカバーの突き出し量LがDより大きい同心多重管バ
ーナは、バーナ火炎のバタツキもない。そのため、この
ような同心多重管バーナを多孔質ガラス母材の製造に使
用すれば、更にガラス微粒子を均一に堆積することがで
きる。その結果、より一層の外径や屈折率分布等の特性
変動のない高品質の多孔質ガラス母材を安定的に製造す
ることができる。
【0014】また、請求項5記載の発明は、少なくと
も、バーナカバーを備えた同心多重管バーナ、及び出発
材の回転機構を有する多孔質ガラス母材の製造装置にお
いて、バーナ先端からバーナカバー先端までの距離L
(cm)が、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D [式中、Viは水素ガス及び水素ガスより内側流路を流
れるガスの合計流量(cm3 /秒)、Vtは全ガスの合
計流量(cm3 /秒)、及びDはバーナカバーの内径
(cm)を表わす。]を満足する多孔質ガラス母材の製
造装置である。
【0015】このように、従来のバーナの替わりに上記
突き出し量Lを有するバーナ、例えば前記本発明の同心
多重管バーナを具備した多孔質ガラス母材製造装置で
は、バーナカバー内側がバーナ火炎により損傷を受ける
ことがなく、従ってガラス微粒子堆積中にバーナ火炎の
向き等が変化することがない。その結果ガラス微粒子を
均一に堆積でき、外径や屈折率分布等の特性変動のない
高品質の多孔質ガラス母材を安定的に製造することがで
きる。
【0016】更に、請求項6記載の発明は、バーナ先端
からバーナカバー先端までの距離L(cm)が、D<L
[式中、Dは前記と同義。]を満足する上記多孔質ガラ
ス母材の製造装置である。このように、従来のバーナの
替わりに、突き出し量LがDより大きいバーナ、例えば
前記本発明の同心多重管バーナを具備した多孔質ガラス
母材製造装置は、バーナ火炎のバタツキもなくなるの
で、更にガラス微粒子を均一に堆積することができる装
置となる。その結果、より一層の外径や屈折率分布等の
特性変動のない高品質の多孔質ガラス母材を安定的に製
造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。本発明の多孔質ガラス母材8の製造
方法においては、ガラス微粒子を堆積するために、図1
に示すように、同心多重管バーナ部2とそれを覆うバー
ナカバー3からなる同心多重管バーナ1を使用する。そ
して本発明においては、この同心多重管バーナ1の使用
法に特徴がある。即ち、同心多重管バーナ1を使用する
に際し、そのバーナカバー3の突き出し量L(cm)
を、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D を満足するように設定する。このようにバーナカバー3
の突き出し量Lを設定することにより、バーナカバー3
の内側がバーナ火炎により損傷を受けることがなく、そ
の結果安定したバーナ火炎が得られ、ガラス微粒子を均
一に堆積することができる。
【0018】尚、式中、Viは水素ガスと、水素ガスよ
り内側流路を流れるガス(例えば、ガラス原料ガス及び
搬送ガス等)との合計流量(cm3 /秒)である。ま
た、Vtは全ガスの合計流量(cm3 /秒)である。D
は、バーナカバーの内径(cm)である。
【0019】本発明者は、バーナカバー3の内側がバー
ナ火炎により損傷を受けることがない突き出し量Lを規
定すべく、以下のように種々の要因を調査・検討した。
その結果、上述の設定範囲を求めることができたのであ
る。即ち、先ずバーナ部2に十分に長いバーナカバー3
を装着し、全ガスの流量Vtと、水素ガス及び水素ガス
より内側流路を流れるガスの合計流量Viを一定とし、
バーナカバー3の内径Dを様々に変えてバーナ火炎を形
成させた。そして、バーナ先端4からバーナカバー3の
内側に発生した火炎による損傷部までの距離Llim
(cm)と内径Dとの関係を調べたところ、図2に示す
ように、以下の式で表わされる反比例の関係があること
が判った(図2参照)。 Llim=K/D(Kは比例定数)
【0020】更に、比例定数Kについて調査したとこ
ろ、KはVi及びVtに依存していることが判った。そ
こで、D及びVtを固定しViを様々に変化させ、先ず
KとViとの関係を調べたところ、図3に示すように、
ほぼ以下の式で表わされる関係があることが判った。 K=−0.123Vi+α(αはY切片)
【0021】次に、D及びViを固定しVtを様々に変
化させ、αとVtとの関係を調べたところ、図4に示す
ように、以下の式で表わされる関係があることが判っ
た。 α=0.117Vt 従って、αを上記Kを表わす式に代入すると、 K=−0.123Vi+0.117Vt となり、KはVi及びVtに依存していることが判る。
【0022】このKを上記Llim表わす式に代入する
と、 Llim=(−0.123Vi+0.117Vt)/D の関係式が得られる。この関係式から、バーナカバー3
の内径がD、ガスの流量がVi及びVtである場合、バ
ーナ先端4から距離Llimだけ離れた位置に火炎によ
る損傷部が発生することになる。換言すれば、バーナ先
端4から距離Llimまでは火炎による損傷部は発生し
ていないこととなる。従って、バーナカバー3の突き出
し量LをLlim未満(即ちL<Llim)にすれば、
バーナカバー3の内側には火炎による損傷部が発生しな
いことになる。
【0023】即ち、バーナカバー3の突き出し量Lを、 L<Llim=(−0.123Vi+0.117Vt)
/D を満足するように設定することにより、バーナカバー3
の内側がバーナ火炎により損傷を受けることがなく、そ
の結果安定したバーナ火炎が得られ、ガラス微粒子を均
一に堆積することができるのである。
【0024】こうして、バーナカバーに損傷が起こらな
いようにすることができることが判ったが、更に、安定
なバーナ火炎を得るため、バーナカバー3の突き出し量
Lを減少しつつバーナ火炎の状態を観察した。その結
果、LがD未満(即ちL<D)となると、バーナ火炎の
バタツキが大きくなることが判った。また、このような
条件で実際にVAD法により光ファイバ用多孔質ガラス
母材を製造したところ、得られた多孔質ガラス母材には
外径変動及び屈折率分布の不整が見られ、品質が低下し
たものであった。それに伴い、多孔質ガラス母材の製造
歩留りも低下することが判った(図5参照)。
【0025】従って、バーナカバー3の突き出し量L
を、D<Lを満足するよう設定すれば、バーナカバーに
損傷が生じないとともにバーナ火炎のバタツキもなくな
り更に安定なバーナ火炎が得られ、より一層ガラス微粒
子を均一に堆積することができる。その結果、外径変動
や屈折率分布の不整等の非常に少ない優れた多孔質ガラ
ス母材を製造することができる。
【0026】バーナカバー3の突き出し量Lの設定は、
例えば突き出し量が所望値Lとなるように、バーナカバ
ー3を同心多重間バーナ部2の外周面上をその軸方向に
ずらすことにより行うことができる。尚、突き出し量L
の設定は製造を開始する前に予め行っておくのが好まし
いが、製造途中でガス流量Vi及びVt等が変更した場
合は、製造途中においても突き出し量Lの設定を行うこ
ともできる。
【0027】上記突き出し量Lを有する同心多重管バー
ナ1に、少なくともガラス原料ガス、可燃性ガスとして
水素ガス、及び助燃性ガスを供給する。ガラス原料ガス
としては、SiCl4 等のハロゲン化珪素化合物が挙げ
られる。尚、多孔質ガラス母材8としてコア部材を製造
する場合は、焼結後のガラス母材に所望の屈折率等を付
与するために、ドーパント等の添加物を含ませてもよ
い。添加物としては、例えばGeCl4 等のゲルマニウ
ム化合物が挙げられる。ガラス原料は搬送ガスと共に供
給してもよい。搬送ガスとしては、Ar、N2 等の不活
性ガス等が挙げられる。可燃性ガスは、水素ガスであ
る。助燃性ガスとしては、O2 ガス、エアー等が挙げら
れる。その他、必要に応じバーナ先端の焼き付けを防止
するためのシールガス等を供給する。
【0028】同心多重管バーナ1への各ガスの供給は、
可燃性ガスの水素ガスを最外層流路に流すと火炎が広が
ってしまうので、可燃性ガスよりも外側流路、例えば最
外層流路に助燃性ガスを供給する。また、ガラス原料ガ
スを効率的に酸水素火炎中で加水分解させるために、ガ
ラス原料ガスは中心流路に流すのが好ましい。
【0029】ガス流量としては、例えばViは100〜
500cm3 /秒、Vtは200〜1000cm3 /秒
である。より具体的には、例えばガラス原料ガス5〜5
0cm3 /秒、可燃性ガス50〜300cm3 /秒、助
燃性ガス300〜500cm3 /秒である。
【0030】ガラス原料を同心多重管バーナ1の酸水素
火炎中にて加水分解することによりガラス微粒子が生成
する。即ち、可燃性ガス及び助燃性ガスにより酸水素火
炎が形成され、この火炎中にハロゲン化珪素やハロゲン
化ゲルマニウム等のガラス原料ガスを導入することによ
り、上記ハロゲン化合物が加水分解され酸化物、即ちガ
ラス微粒子に変換される。
【0031】生成したガラス微粒子を堆積して、多孔質
ガラス母材8を製造する。ガラス微粒子の堆積方法は特
に限定されないが、例えばVAD法やOVD法等を好適
に用いることができる。例えば、図6に示すようなVA
D法の場合は、生成したガラス微粒子を出発材7の軸方
向へ連続的に堆積させ多孔質ガラス母材8を製造する。
即ち、同心多重管バーナ1から生成ガラス微粒子を回転
する出発材7の先端部に吹き付け、これを付着堆積して
多孔質ガラス母材8を成長させる。その際、多孔質ガラ
ス母材8の成長に合わせて出発材7を軸方向に引き上げ
ることにより、連続的にガラス微粒子を軸方向に堆積さ
せることができる。引上げ速度としては、例えば0.5
〜1.5mm/分である。
【0032】また、図7に示すようなOVD法の場合
は、同心多重管バーナ1を回転する出発材7に沿って平
行に繰り返し往復させてガラス微粒子を出発材7の周辺
上に吹き付け、半径方向にこれを堆積させて、多孔質ガ
ラス母材8を製造する。出発材7の回転速度としては、
例えば10〜50rpmである。本発明の製造方法によ
り、外径変動や屈折率分布の不整等の特性変動のない優
れた光学特性を有する多孔質ガラス母材8を製造するこ
とができる。
【0033】尚、透明ガラス母材を得るには、常法に従
い、上記本発明の製造方法で製造した多孔質ガラス母材
を焼結すればよい。焼結は、多孔質ガラス母材を例えば
1500℃以上に加熱することにより行う。その際、必
要に応じ、塩素ガス等のハロゲン化合物の雰囲気下に焼
結することにより、脱水を同時に行うこともできる。本
発明の製造方法で製造した多孔質ガラス母材を使用する
ことにより、光学特性等の変動量の非常に少ない安定し
た光学特性を有する透明ガラス母材を得ることができ
る。
【0034】更に、光ファイバを製造するには、通常の
方法、例えば上述のようにして得た透明ガラス母材を電
気炉等にて2100℃以上に加熱溶融し、所望の径にな
るように延伸した後、紡糸することにより行えばよい。
本発明の製造方法で製造した多孔質ガラス母材を使用す
ることにより、長手方向全域に亘って光学特性の安定し
た光ファイバを得ることができる。
【0035】本発明の多孔質ガラス母材製造用同心多重
管バーナ1は、少なくとも同心多重管バーナ部2とそれ
を覆うバーナカバー3からなる。同心多重管バーナ部2
は、少なくともガラス原料ガス、可燃性ガス、及び助燃
性ガスをそれぞれ別々の流路に流すのが好ましいので、
三重管以上有するものが好ましい。
【0036】このバーナ部2の外周上に、バーナカバー
3がバーナ部2の軸方向に摺動することによって移動可
能なように取り付けられている。このような構造によ
り、バーナカバー3の突き出し量Lを自由に設定するこ
とができる。バーナカバー3の内径Dとしては、例えば
1〜10cmである。
【0037】同心多重管バーナ1は、石英製が好まし
い。金属製では、酸水素火炎との反応によりバーナ1の
先端部が酸化され易く、また破損したときに金属粉が発
生しこれが生成多孔質ガラス母材8を汚染する可能性も
ある。
【0038】本発明の多孔質ガラス母材製造用同心多重
管バーナ1は、バーナカバーの突き出し量Lが、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D を満足することを特徴とする。バーナ部2とバーナカバ
ー3とが、このような突き出し量Lとなるように配置さ
れることにより、バーナカバー3の内側がバーナ火炎に
より損傷を受けるのを防ぐことができる。従って、バー
ナカバー3の内側の状態が変化することがないので、ガ
ラス微粒子堆積中にバーナ火炎の向き等が変化すること
がなく、ガラス微粒子を均一に堆積することができる。
その結果、外径や屈折率分布等の特性変動のない高品質
の多孔質ガラス母材を安定的に製造することができる。
【0039】更に、突き出し量LがD<Lを満足すれ
ば、バーナ火炎のバタツキもなくなるので、より一層ガ
ラス微粒子を均一に堆積することができる。その結果、
更に外径や屈折率分布等の特性変動のない高品質の多孔
質ガラス母材を安定的に製造することができる。
【0040】次に本発明の多孔質ガラス母材の製造装置
を、VAD法を用いた光ファイバ用多孔質ガラス母材の
製造装置を例に説明する。図6は、VAD法を用いた本
発明の多孔質ガラス母材の製造装置の概略断面構造を示
す。本発明の製造装置においては、バーナカバー3を備
えた同心多重管バーナ1を有する。このバーナ1に前述
のようにガラス原料ガス等の各ガスを供給し、ガラス微
粒子を堆積していく。同心多重管バーナ1は、少なくと
も同心多重管バーナ部2とそれを覆うバーナカバー3か
らなり、バーナカバー3がバーナ部2の軸方向に移動可
能に覆われている。このような構造により、バーナカバ
ー3の突き出し量Lを自由に設定することができる。バ
ーナカバー3の内径Dとしては、例えば1〜10cmで
ある。
【0041】本発明の製造装置においては、バーナカバ
ー3の突き出し量Lが、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D を満足することを特徴とする。バーナ部2とバーナカバ
ー3とが、このような突き出し量Lを有するように配置
されていることにより、バーナカバー3の内側がバーナ
火炎により損傷を受けるのを防ぐことができ、ガラス微
粒子を均一に堆積することができる。その結果、外径や
屈折率分布等の特性変動のない高品質の多孔質ガラス母
材8を安定的に製造することができる。
【0042】更に、突き出し量LがD<Lを満足すれ
ば、バーナ火炎のバタツキもなくなるので、より一層ガ
ラス微粒子を均一に堆積することができる。その結果、
更に外径や屈折率分布等の特性変動のない高品質の多孔
質ガラス母材8を安定的に製造することができる。その
ような同心多重管バーナ1としては、前述の本発明の多
孔質ガラス母材製造用同心多重管バーナが好適である。
【0043】本発明の製造装置においては、出発材7の
回転機構6を有する。出発材7としては、例えば石英製
ロッド、石英製ガラスパイプ等が挙げられる。出発材7
の先端部には、ガラス微粒子の付着を容易にし、また製
造した多孔質ガラス母材8を出発材7から引き離すのを
容易にするため、石英製等のターゲット部材を装着して
おいてもよい。
【0044】出発材7が取り付けられる回転機構6は、
出発材7を回転させるものであり、例えば回転モータ等
により構成される。回転機構6にて出発材7を回転させ
ることで、ガラス微粒子を半径方向に均一に堆積させる
ことができる。更に、回転機構6は出発材7をその軸方
向に引き上げることができるように引上げ機構10によ
り上下動自在とされる。ガラス微粒子が堆積するにつれ
て出発材7を軸方向に引き上げることにより、同心多重
管バーナ1の位置や向きを変えることなく、常に堆積面
の先端部にガラス微粒子を連続的に且つ均等に吹き付け
ることができる。
【0045】同心多重管バーナ1は、出発材7の先端部
にガラス微粒子が堆積するように配向して配置する。
尚、コアとクラッドを同時に形成したい場合は、例えば
同心多重管バーナ1を二本用意し、一本をコア用バー
ナ、もう一本をクラッド用バーナに使用する。そして、
クラッド用バーナを上記コア用バーナにて形成されたコ
アの周辺上にガラス微粒子が堆積するように配向し配置
すればよい。これにより、コア−クラッド構造を有する
多孔質ガラス母材8を一時に製造することができる。
【0046】別の本発明の多孔質ガラス母材の製造装置
を、OVD法を用いた光ファイバ用多孔質ガラス母材の
製造装置を例に説明する。図7は、OVD法を用いた本
発明の多孔質ガラス母材の製造装置の概略断面構造を示
す。この製造装置においては、バーナカバー3を備えた
同心多重管バーナ1が出発材7の軸方向に繰り返し往復
しガラス微粒子を堆積していくようになっている。同心
多重管バーナ1は、前記と同様、バーナカバー3の突き
出し量Lが、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D であり、D<Lも満足していればより好ましい。具体的
には同心多重管バーナ1としては、本発明の多孔質ガラ
ス母材製造用同心多重管バーナが好適である。尚、同心
多重管バーナ1は複数本からなってもよく、これらを出
発材7の軸方向に一列に並べた構造のものであってもよ
い。
【0047】この製造装置においては、出発材7の回転
機構6を有する。回転機構6にて出発材7を回転させる
ことで、出発材7の外周面上にガラス微粒子を半径方向
に均一に堆積させることができる。回転機構6として
は、例えばOVD法に用いられるものを好適に利用する
ことができる。具体的には回転機構としては、出発材7
の両端部を把持し固定するためのチャック部、及び駆動
源としての回転モータ等からなるものが挙げられる。
尚、出発材7としては前述のVAD法による製造装置の
ところで例示したものが挙げられる。
【0048】更にこの製造装置においては、通常同心多
重管バーナ1の移動機構9を有する。移動機構9によ
り、ガラス微粒子を出発材の全長に亘って均一の厚さで
且つ密着性高く堆積することができる。移動機構9とし
ては、例えばOVD法に用いられるものを好適に利用す
ることができる。具体的には、図7に示すように、同心
多重管バーナ1をレール上で摺動させることによって出
発材7の長手方向に繰り返し往復移動させるものであ
る。その他、本発明の多孔質ガラス母材製造装置におい
ては、通常多孔質ガラス母材の製造装置で使用される各
種装置、例えば排気装置、ガス整流板等を備えてもよ
い。
【0049】本発明の多孔質ガラス母材の製造装置によ
り、外径変動や屈折率分布の不整等の特性変動のない優
れた光学特性を有する多孔質ガラス母材を製造すること
ができる。
【0050】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を実施例に
て更に具体的に説明する。 (実施例1)図1に示す本発明の同心多重管バーナ1を
使用して、ガラス微粒子の堆積を行った。このバーナカ
バー3の内径Dは1.8cm、突き出し量Lは、7.5
cmであった。
【0051】この同心多重管バーナ1に、図1(b)に
示すように、中心流路にガラス原料ガス(GeCl4
含むSiCl4 )と搬送ガス(Ar)、その外側流路に
可燃性ガス(H2 )、更にその外側流路にシールガス、
そして最外層流路に助燃性ガス(O2 )を供給した。ガ
ス流量は、Viが150cm3 /秒、及びVtが300
cm3 /秒であった。
【0052】従って、D=1.8<L=7.5<Lli
m=(−0.123Vi+0.117Vt)/D=(−
0.123×150+0.117×300)/1.8=
8.1を満足する。このような条件下に、本発明の同心
多重管バーナ1にて、12時間ガラス微粒子の堆積を行
った。その結果、バーナカバー3の内側にはバーナ火炎
による損傷は発生していなかった。また、ガラス微粒子
堆積中、火炎の向きが変わらずバタツキも起こらず安定
したバーナ火炎が得られた。
【0053】(実施例2〜6)表1に示す内径D及び突
き出し量Lを有する同心多重管バーナ1を使用し、表1
に示すガス流量Vi及びVtの条件下に、実施例1と同
様にして、12時間ガラス微粒子の堆積を行った。
【0054】従って、いずれの場合も、D<L<Lli
m=(−0.123Vi+0.117Vt)/Dを満足
する。その結果、いずれの場合にもバーナカバー3の内
側には、バーナ火炎による損傷は発生してしなかった。
また、ガラス微粒子堆積中、火炎の向きが変わらずバタ
ツキも起こらず安定したバーナ火炎が得られた。
【0055】
【表1】
【0056】(比較例1〜6)表2に示す内径D及び突
き出し量Lを有する同心多重管バーナを使用し、表2に
示すガス流量Vi及びVtの条件下に、実施例1と同様
にして、12時間ガラス微粒子の堆積を行った。従っ
て、いずれの場合も、L>Llim=(−0.123V
i+0.117Vt)/Dとなる。その結果、いずれの
場合にもバーナカバーの先端部内側に、バーナ火炎によ
る損傷が発生しており、またガラス微粒子堆積中バーナ
火炎の向きが変わり安定しなかった。
【0057】
【表2】
【0058】(実施例7)長さ800mmのシングルモ
ード光ファイバ用多孔質ガラス母材用のコア部材を製造
するために、図6に示す本発明のVAD法用の多孔質ガ
ラス母材製造装置を使用した。即ち、バーナカバー3の
内径Dが1.8cm、突き出し量Lが8.0cmの同心
多重管バーナ1を使用し、出発材7を回転機構6に装着
し、これを30rpmにて回転させた。
【0059】同心多重管バーナ1に、図1(b)に示す
ように、中心流路にガラス原料ガス(GeCl4 を含む
SiCl4 )と搬送ガス(Ar)、その外側流路に可燃
性ガス(H2 )、更にその外側流路にシールガス、そし
て最外層流路に助燃性ガス(O2 )を供給した。ガス流
量は、Viが140cm3 /秒、及びVtが300cm
3 /秒であった。
【0060】従って、D=1.8<L=8.0<Lli
m=(−0.123Vi+0.117Vt)/D=(−
0.123×140+0.117×300)/1.8=
約9.9を満足する。このような条件下に、同心多重管
バーナ1よりガラス微粒子を出発材7の先端部に吹き付
け、ガラス微粒子の堆積に伴い引上げ機構10により出
発材7を1mm/分の速度で引上げることで、ガラス微
粒子を出発材7の軸方向に次々と堆積させ、コア部材を
製造した。
【0061】コア部材の製造中、バーナカバー3の内側
にはバーナ火炎による損傷は発生しなかった。また、火
炎の向きが変わらずバタツキもない安定したバーナ火炎
であった。更に、得られたコア部材は、カットオフ波長
の長手変動は5nm以下と非常に小さく、光学特性が非
常に安定していた。また、外径変動も殆どなかった。
【0062】(比較例7)突き出し量Lを11.0とし
た以外は、実施例7と同様にして、長さ800mmのシ
ングルモード光ファイバ用多孔質ガラス母材用のコア部
材を製造した。従って、L=11.0>Llim=(−
0.123Vi+0.117Vt)/D=(−0.12
3×140+0.117×300)/1.8=約9.9
となる。
【0063】その結果、コア部材の製造中、バーナカバ
ーの内側にはバーナ火炎による損傷が発生し、またバー
ナ火炎の向きも変わり非常に不安定であった。又、得ら
れたコア部材はカットオフ波長の長手変動は50nm以
上であり、実施例7のコア部材に比し非常に大きいもの
で光学特性が不安定であった。また、外径変動も大きか
った。
【0064】以上、本発明を説明してきたが、本発明は
上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態
は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された
技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効
果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技
術的範囲に包含される。
【0065】例えば、本発明の多孔質ガラス母材の製造
方法及び製造装置を、主にVAD法やOVD法により光
ファイバ用多孔質ガラス母材を製造する場合について説
明してきた。しかし、本発明の製造方法及び製造装置に
おいては、単に従来の同心多重管バーナの替わりに、本
発明に従って同心多重管バーナを使用しさえすればよ
く、従って同心多重管バーナを用いるあらゆる多孔質ガ
ラスの製造方法・製造装置、例えばVAD法やOVD法
以外の如何なる製造方法・製造装置にも用いることがで
きる。また製造対象も光ファイバ用多孔質ガラス母材の
みならず、コアまたはクラッド単独、更にはその他高純
度石英ガラスロッド等、同心多重管バーナを用いて製造
されるあらゆる多孔質ガラス材にも、本発明の製造方法
・製造装置を使用することができる。
【0066】更に、本発明は可燃性ガスとして水素ガス
を使用する場合について主に説明したが、その他のガス
を使用する場合でも本発明と同様の手法を用いれば、あ
らゆるガスにも適用できるよう本発明を容易に改変でき
ることは言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】本発明に従って、バーナカバーの突き出
し量を特定範囲内に設定すれば、バーナカバー内側にバ
ーナ火炎による損傷が発生するのを防ぐことができる。
そのため、火炎の方向等が変わることがなく安定したバ
ーナ火炎が得られ、均一にガラス微粒子を堆積すること
ができる。その結果、外径変動や屈折率分布の不整等が
ない優れた多孔質ガラス母材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質ガラス母材製造用同心多重管バーナの断
面構造を示す。(a)は概略横断面構造図であり、
(b)は概略縦断面構造図である。
【図2】バーナ先端からバーナカバー内側の火炎により
発生した損傷部までの距離Llimと、バーナカバーの
内径Dの逆数との関係を示す。
【図3】比例定数Kと、水素ガス及び水素ガスより内側
流路を流れるガスの合計流量Viとの関係を示す。尚、
(a)はVt=300の場合、(b)はVt=400の
場合、(c)はVt=600の場合である。
【図4】y切片αと、全ガスの合計流量Vtとの関係を
示す。
【図5】突き出し量Lがバーナカバーの内径Dより小さ
くなると、多孔質ガラス母材の製造歩留りが低下するこ
とを示す。
【図6】VAD法による多孔質ガラス母材の製造装置の
概略断面構造を示す。
【図7】OVD法による多孔質ガラス母材の製造装置の
概略断面構造を示す。
【符号の説明】
1…同心多重管バーナ、 2…同心多重管バーナ部、3
…バーナカバー、 4…バーナ先端、 5…バーナカバ
ー先端、6…出発材の回転機構、 7…出発材、 8…
多孔質ガラス母材、9…バーナの移動機構、 10…引
上げ機構、L…バーナ先端からバーナカバー先端までの
距離(突き出し量)、D…バーナカバーの内径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 秀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 精密機能材料研究所 内 (56)参考文献 特開 昭63−123828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03B 8/04 C03B 37/018

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナカバーを備えた同心多重管バーナ
    に、少なくともガラス原料ガス、可燃性ガスとして水素
    ガス、及び可燃性ガスよりも外側流路に助燃性ガスを供
    給し、ガラス原料を酸水素火炎中にて加水分解してガラ
    ス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を堆積して多
    孔質ガラス母材を製造する方法において、バーナ先端か
    らバーナカバー先端までの距離L(cm)を、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D [式中、Viは水素ガス及び水素ガスより内側流路を流
    れるガスの合計流量(cm3 /秒)、Vtは全ガスの合
    計流量(cm3 /秒)、及びDはバーナカバーの内径
    (cm)を表わす。]を満足するようにしてガラス微粒
    子を堆積することを特徴とする多孔質ガラス母材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 バーナ先端からバーナカバー先端までの
    距離L(cm)を、D<L[式中、Dは前記と同義。]
    を満足するようにしてガラス微粒子を堆積することを特
    徴とする請求項1記載の多孔質ガラス母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 バーナカバーを備えた同心多重管バーナ
    であって、バーナ先端からバーナカバー先端までの距離
    L(cm)が、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D [式中、Viは水素ガス及び水素ガスより内側流路を流
    れるガスの合計流量(cm3 /秒)、Vtは全ガスの合
    計流量(cm3 /秒)、及びDはバーナカバーの内径
    (cm)を表わす。]を満足することを特徴とする多孔
    質ガラス母材製造用同心多重管バーナ。
  4. 【請求項4】 バーナ先端からバーナカバー先端までの
    距離L(cm)が、D<L[式中、Dは前記と同義。]
    を満足することを特徴とする請求項3記載の多孔質ガラ
    ス母材製造用同心多重管バーナ。
  5. 【請求項5】 少なくとも、バーナカバーを備えた同心
    多重管バーナ、及び出発材の回転機構を有する多孔質ガ
    ラス母材の製造装置において、バーナ先端からバーナカ
    バー先端までの距離L(cm)が、 L<(−0.123Vi+0.117Vt)/D [式中、Viは水素ガス及び水素ガスより内側流路を流
    れるガスの合計流量(cm3 /秒)、Vtは全ガスの合
    計流量(cm3 /秒)、及びDはバーナカバーの内径
    (cm)を表わす。]を満足することを特徴とする多孔
    質ガラス母材の製造装置。
  6. 【請求項6】 バーナ先端からバーナカバー先端までの
    距離L(cm)が、D<L[式中、Dは前記と同義。]
    を満足することを特徴とする請求項5記載の多孔質ガラ
    ス母材の製造装置。
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