JPH0428733Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ローラ成形型に関するものである。

［従来の技術］ 従来のローラ成形型では、成形したローラにラ
ンナーバリが着く欠点がある。

即ち、第２図〜第４図は従来のローラ成形型１
を用いてローラ５を成形する例を示したものであ
る。

第２図において、液状成形材料は注入口３より
ランナー４を経てローラ成形型１のキヤビテイ２
内に注入され、それから所定温度で加熱硬化す
る。

この際キヤビテイ２に通じるランナー４の部分
にある液状成形材料も加熱硬化してしまうので、
ローラ成形型１より取出されたローラ５には第３
図に示すようなランナーバリ６が着いている。

このため従来のローラ成形型１を用いて成形し
たローラ５はこのランナーバリ６を除去、研磨す
る工程が必要である。第４図はこのようなランナ
ーバリ６を除去したローラ５である。

このようなバリ取りや研磨作業はローラの歩留
及び生産性を低下させるばかりでなく、粉塵によ
る作業環境の悪化、ローラの表面層の損傷等の発
生原因ともなるものである。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、かかる点に立つて為されたものであ
つて、その目的とするところは前記した従来技術
の欠点を解消し、ランナー部バリが着かないロー
ラを製造することができるローラ成形型を提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の要旨とするところは、上型、下型及び
外周型とによりキヤビテイを形成できる成形型
と、その成形型のキヤビテイ内に注入口を介して
送り込まれた液状成形材料を注入できるランナー
と、そのランナーをシヤツターにより開閉できる
シヤツター駆動装置とから成るローラ成形型にお
いて、下型のキヤビテイ内面側にそのキヤビテイ
内から外周型にかけて注入口に連通する切欠状の
ランナー部分を刻んでおき、その切欠状のランナ
ー部分には下型下方から直交するように連通する
と共に外周型下面に達するシヤツター穴を開口し
ておき、そのシヤツター穴に上下方向に移動でき
るシヤツターを挿通、設置しておき且つそのシヤ
ツターが上方へ移動したときランナー部分とキヤ
ビテイとを塞ぐように構成して成ることを特徴と
するローラ成形型にある。

［作用］ 本考案のローラ成形型は、第１に上型、下型及
び外周型とより構成することによりローラを高精
度で成形でき、第２に下型のキヤビテイ内面側に
そのキヤビテイ内面側から外周型にかけて注入口
に連通する切欠状のランナー部分を刻んでおくこ
とにより液状成形材料を効率的にキヤビテイ内に
注入できると共にシヤツターの上面とキヤビテイ
の下面とが同一平面となるようにシヤツターを正
確に押し止めることができ、第３にその切欠状の
ランナー部分に下型下方から直交するように連通
すると共に外周型下面に達するシヤツター穴を開
口しておき、そのシヤツター穴に上下方向に移動
できるシヤツターを挿通、設置しておき且つその
シヤツターが上方へ移動したとき（即ち、シヤツ
ターが閉じたとき）ランナー部分とキヤビテイと
を塞ぐように構成することにより、液状成形材料
の注入完了後にはランナーを完全に遮断してラン
ナーバリの発生を完全に抑止することができる。

その結果本考案のローラ成形型はこれらの構成
要素が相乗的に作用して液状成形材料のロスの大
幅減少、バリ取り作業省略、研磨作業の省略、生
産性及び作業環境の向上を果たすことができる。

［実施例］ 次に本考案のローラ成形型の一実施例を図面に
より説明する。

第１図は本考案のローラ成形型の一実施例を示
した縦断面図、第５図及び第６図は第１図のロー
ラ成形型の一実施例の動作説明図である。

第１図に示すように本考案のローラ成形型の一
実施例は、成形型１、キヤビテイ２、成形材料の
注入口３、ランナー４、シヤツター２０、シヤツ
ター駆動装置２１等から成つている。

ここにおいて成形型１は上型、下型及び外周型
とに別れており、その下型に液状成形材料の注入
口３、ランナー４、シヤツター２０、シヤツター
駆動装置２１が設置されている。

この本考案のローラ成形型の一実施例では、ま
ず第５図に示すようにシヤツター２０を開の状態
にしてから液状成形材料を注入口３より矢印方向
に注入することによりキヤビテイ２内に充填す
る。

次いでシヤツター駆動装置２１を動作させて第
６図に示すようにシヤツター２０を閉の状態とす
る。

シヤツター２０が閉の状態のときキヤビテイ２
内の液状成形材料は、シヤツター２０が閉じてい
るため逆流しない。また、シヤツター２０が閉の
ときキヤビテイ２の下面とシヤツター２０の上面
とは同一平面となり、シヤツター２０がランナー
４の溝を埋めることになる。その結果、得られる
ローラにはランナーバリ６の発生を完全に抑止す
ることができる。

また、ランナーバリ６の発生がなくなるので液
状成形材料のロスを大幅に減少できると共に成形
物のバリ取り及び研磨作業を省略できる。その結
果ローラの歩留、生産性及び作業環境を顕著に高
めることができる。

［考案の効果］ 本考案のローラ成形型によれば、ローラを成形
したときランナーバリーの発生を完全に抑止して
高品質のローラが得られ、しかもローラの歩留、
生産性、作業環境を顕著に向上できるものであ
り、工業上有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のローラ成形型の一実施例を示
した縦断面図、第２図は従来のローラ成形型の縦
断面図、第３図はランナーバリが着いたローラの
縦断面図、第４図はランナーバリーを除去したロ
ーラの縦断面図、第５図及び第６図は第１図に示
した本考案のローラ成形型の一実施例の動作説明
図である。 １……成形型、２……キヤビテイ、３……注入
口、４……ランナー、５……ローラ、６……ラン
ナーバリ、２０……シヤツター、２１……シヤツ
ター駆動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上型、下型及び外周型とによりキヤビテイを形
   成できる成形型と、該成形型のキヤビテイ内に注
   入口を介して送り込まれた液状成形材料を注入で
   きるランナーと、該ランナーをシヤツターにより
   開閉できるシヤツター駆動装置とから成るローラ
   成形型において、前記下型の前記キヤビテイ内面
   側には該キヤビテイ内から前記外周型にかけて注
   入口に連通する切欠状のランナー部分が刻まれて
   おり、該切欠状のランナー部分には前記下型の下
   方から直交するように連通すると共に前記外周型
   下面に達するシヤツター穴が開口してあり、該シ
   ヤツター穴には上下方向に移動できるシヤツター
   が挿通、設置してあり且つ該シヤツターが上方へ
   移動したとき前記ランナー部分と前記キヤビテイ
   とを塞ぐように構成して成ることを特徴とするロ
   ーラ成形型。