JPH0230260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱可塑性樹脂の射出成形用金型に関
する。

従来の射出成形用金型の方式には２プレートタ
イプと３プレートタイプとがあるが、後者の金型
方式は構造が複雑であり、その駆動装置も複雑と
なる。前者の場合は構成が単純であるので一般に
よく用いられている。

しかしながら、従来の２プレートタイプにおい
ては、ランナーを固定側型板の方に配置している
ため、トンネルゲートなど無仕上げゲートの採用
は困難であつた。そのため成形品とランナーはス
プルーと一緒につながつたままの状態で金型より
取り出され、その後成形品とランナーを分離し、
その部分は手仕上げにて仕上げなければならず、
そのぶん手間を要し、コスト高となる欠点があつ
た。

本考案は、このような従来の欠点を解消し、３
プレートタイプと同様な無仕上げゲートを２プレ
ートタイプの構造において実現することのできる
射出成形用金型を提供することを目的とする。

この目的を達成するため、本考案の射出成形用
金型は、可動側型板へ当該可動側型板の移動方向
と直角方向に摺動可能にセツトされたスライドコ
アーと、可動側型板に固定セツトされた可動側キ
ヤビテイブロツクとにより構成される摺動面にお
いて、前記固定セツトされた可動側キヤビテイブ
ロツク側にランナーを設け、かつ、このランナー
と可動側キヤビテイブロツクの製品形成用空間と
の間にトンネルゲートを設けたことを特徴とす
る。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。第１図は型締めをした状態を示す金型の
断面図であり、１は金型を成形機に位置決めする
ためのロケートリング、２は固定側取付板、３は
固定側型板、４及び５はスライドコアー８を開閉
するアンギユラーピン、６は固定側キヤビテイブ
ロツク、７及び８はスライドコア、９は可動側キ
ヤビテイブロツク、１０及び１１はスライドコア
７，８のスライド最大量を規制するスライドスト
ツパー、１２は可動側型板、１３は成形後ランナ
ーを押し出すランナーエジエクターピン、１４は
成形後成形品を押し出すエジエクターピン、１５
及び１６はスペーサーブロツク、１７及び１８は
エジエクターピン１３，１４を固定し共動するエ
ジエクタープレート、１９は可動側取付板、２０
及び２１は型締め時に固定側型板３にその先端が
当り、エジエクタープレート１８を介してランナ
ーエジエクターピン１３、エジエクターピン１４
を復帰させるリターンピン、２２は成形材料注入
口となるスプルーブツシユ、２３はランナー、２
４は成形品、２５はスプルー、２６及び２７はス
ライドコアーを案内するスライドコアーガイド、
２８はエジエクターピン１３，１４をエジエクタ
ープレート１７，１８を介して駆動するエジエク
ターバー、２９は前記ランナー２３と成形品との
間に形成され、可動側キヤビテイブロツク９内を
潜行貫通するトンネルゲートである。

以下、金型の動作を順を追つて説明する。

第１図においてロケートリング１より射出され
た樹脂は、スプルー２５、ランナー２３及びゲー
ト２９を介してキヤビテイブロツク６と９に形成
された製品形成用空間（キヤビテイ）に注入され
る。注入完了後、可動側取付板１９を後退させる
ことにより、アンギユラーピン４及び５の作用
で、スライドコアー７及び８は、可動側取付板１
９の移動方向に対して直角方向に開く。そうする
と、第２図に示すように、スプルー２５及び成形
品２４の一部は離型されるが、ランナー２３及び
ゲート２９は可動側キヤビテイブロツク９内に残
された成形品と未だ結合したままの状態となつて
いる。

さらに可動側取付板１９が後退すると、エジエ
クターバー２８が途中からエジエクタープレート
１７及び１８を押し、ランナーエジエクターピン
１３及びエジエクターピン１４がランナー２３及
び成形品２４を突き出すことになり、これらは可
動側キヤビテイブロツク９に形成された製品形成
用空間及びランナー形成用空間から押し出され
る。このとき、成形品２４とランナー２３を連絡
していたゲート２９が、ゲート形成用空間を構成
する構体端部の鋭角部により、成形品２４の部分
から切断され、ランナー２３に付着した状態で成
形品２４とは分離して金型より取り出されること
になる。したがつて、成形品２４はゲート部の仕
上げがなされた状態で取り出され、仕上げ加工が
不要になる。

このときの製品２４とランナー２３及びトンネ
ルゲート２９の例を第５図に示す。２４Ａ及び２
４Ｂが、トンネルゲート２９の先端と分離したと
きの痕跡である。

上述したように本考案では２プレート方式の射
出成形用金型において、ランナーをスライドコア
ーと可動側キヤビテイブロツクとの摺動面に配置
し、可動側型板にトンネルゲートを設けた構成と
している。これにより、離型時にゲートが成形品
とは分離された状態で取り出され、無仕上げゲー
トを形成することが可能となり、従来の２プレー
ト方式の金型構造のものに比べてゲート仕上げの
手間及び工数が省け、また３プレート方式のもの
に比べて金型構造が簡素化されるなどの効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における型締めをして
射出成形を行なつた状態を示す断面図、第２図は
アンギユラーピンによりスライドが開いた状態の
断面図、第３図は成形品を取り出した状態の断面
図、第４図は固定側型板部分より見た金型の半断
面正面図、第５図は製品とランナー及びトンネル
ゲートの例を示す斜視図である。 １：ロケートリング、２：固定側取付板、３：
固定側型板、４，５：アンギユラーピン、６：固
定側キヤビテイブロツク、７，８：スライドコア
ー、９：可動側キヤビテイブロツク、１０，１
１：スライドストツパー、１２：可動側型板、１
３：ランナーエジエクターピン、１４：エジエク
ターピン、１５，１６：スペーサーブロツク、１
７，１８：エジエクタープレート、１９：可動側
取付板、２０，２１：リターンピン、２２：スプ
ルーブツシユ、２３：ランナー、２４：成形品、
２５：スプルー、２６，２７：スライドコアーガ
イド、２８：エジエクターバー、２９：トンネル
ゲート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可動側型板へ当該可動側型板の移動方向と直角
   方向に摺動可能にセツトされたスライドコアー
   と、可動側型板に固定セツトされた可動側キヤビ
   テイブロツクとにより構成される摺動面におい
   て、前記固定セツトされた可動側キヤビテイブロ
   ツク側にランナーを設け、かつ、このランナーと
   可動側キヤビテイブロツクの製品形成用空間との
   間にトンネルゲートを設けたことを特徴とするプ
   ラスチツク射出成形用金型。