JPH0427158B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ロープドラム内部に設けたケーシン
グ内に配置された遊星車伝動装置と、前記ロープ
ドラムの一方の端面の手前に配置されたモータと
を備え、該モータを前記ロープドラムの保持フレ
ームにフランジ締結し、前記モータの被駆動軸
を、前記ケーシングのスロート部内に配置された
クラツチを介して前記遊星車伝動装置と連結した
形式のロープドラム駆動装置に関するものであ
る。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第3042479号明
細書に基づいて公知の上記形式を有するロープド
ラム駆動装置は、伝動装置の駆動軸が中空軸によ
つてモータと反対の側に案内されているという欠
点を有する。この中空軸は単純な駆動軸に比べて
不必要に高価であり、同じ程度の減速伝動を達成
するために当該伝動装置に大きな直径の必要をも
たらし、従つてこのような形式の遊星車伝動装置
は全ての一般的なロープドラムに内蔵することは
できない。

ロープドラムの直径を、関連の各規格（例えば
DIN15020、FEM9.6651）によつて要求されてい
るよりも大きくしないことが経費上の理由から常
に求められている。伝動装置直径に応じて規定さ
れるロープドラム直径が大きくなると伝動装置の
回転トルク負荷が大きくなり、そして同じロープ
巻上げ速度を得るにもより高い伝動減速作用が必
要とされる。更にドイツ連邦共和国特許出願公開
第3042479号明細書によればそのモータ・伝動装
置連結装置がドラム用ウエブの外側に配設されて
おり、それによつて大きな付加的スペースの必要
が生じそれは例えばコンパクトな構造の必要とい
う点において不利である。

従つて本発明の課題はロープドラムに内蔵され
る遊星車伝動装置を改良して、より少ない経費で
製造可能でかつ小さな直径のロープドラムにも内
蔵可能なものを提供することである。前記課題を
解決する本発明の構成手段は、ロープドラムがモ
ータ寄りの側では、ケーシングフランジの傍の保
持支承部を介して遊星車伝動装置のケーシング上
に支持されており、かつ、他方の側ではウエブプ
レートと、伝動軸を支承する軸受リングと、軸方
向シフト不能に保持された軸受とを介して保持フ
レームの端板の保持リング内に支持されている点
にある。本発明によれば製造費の高い中空軸は不
要となり、伝動装置の中央に位置する小さな直径
の太陽歯車がその歯部を以つて対応する各遊星歯
車とかみ合い、そして最後の伝動段の遊星歯車が
自らの遊星車ホルダを介して伝動装置の被駆動軸
と結合されている。伝動装置の各段が短いことに
よつて、一般的にしばしば発生するねじり振動が
防がれる。また従来の構造長さのロープドラム内
に、必要に応じて複数の直列接続された伝動段を
内蔵することが可能となる。

またその極めてコンパクトな構造にもかかわら
ず高い回転トルクの伝達が可能であり、かつ極め
て小さなドラム直径における大きな又は小さな減
速比の選択が可能となる。

本発明の実施例によれば、モータの支承ブラケ
ツトと、遊星伝動装置に前配置されたクラツチと
がロープドラム内に配設されているとよい。また
最後の伝動段の被駆動軸が環状面内のストツパ円
板を介して、伝動装置ケーシングのカバー内での
軸線方向摺動から守られているとよい。このカバ
ーはケーシングの円筒部分からねじによつて取外
し可能であり、これによつて伝動装置の組立てと
分解とが容易に可能となる。また伝動装置の被駆
動軸が伝達軸のための、連結部として形成された
歯部を有し、該歯部によつて回転トルクがロープ
ドラムの薄板ウエブ内の歯付リングに伝達され
る。この伝達軸によつて伝動装置とロープドラム
との間の構造長さ相異が補償され、また伝達軸内
にはめ込まれたスナツプリングによつて過剰な軸
線方向摺動の発生が防がれている。薄板ウエブは
伝動装置ケーシングの端部とロープドラムの端部
との間の任意の個所に配置され得る。

本発明の別の実施例によれば、ロープドラムの
薄板ウエブが、軸線方向摺動を防止された軸受を
介して保持フレーム内に支持されていると有利で
ある。また該軸受は、その遊星車伝動装置に面し
た端部を以つて薄板ウエブの当付けリング面と保
持フレームの当付けリング面とに当接しており、
しかも環状溝内にそう着されたスナツプリングに
よつてその位置に確保されている。ロープドラム
の、モータに面した側が保持支承部を介して遊星
車伝動装置のケーシング上に支持されている。こ
の保持支承部は大きな直径を有し、特別な必要条
件はない。この保持支承部の円筒体はロープドラ
ムの内レース面と伝動装置ケーシングの外レース
面とに直接的に当接している。これによつて極め
て低い支承部が形成され得、この支承部によつて
スペースの浪費なしに伝動装置ケーシングをロー
プドラムに内蔵することが可能になる。

ロープドラムの駆動のためのモータは支承ブラ
ケツトを以つて遊星車伝動装置のケーシングのケ
ーシングフランジに当接し、該ケーシングフラン
ジと共に保持フレームの端面プレートにねじ留め
されており、従つてロープドラムも保持支承部と
遊星車伝動装置のケーシングとを介して、大きな
経費の必要なしに保持フレーム上に支持されてい
る。

更に有利には遊星車伝動装置のケーシングフラ
ンジ内に、ロープドラムの端面に当接すべきシー
ルリツプのための環状溝が設けられており、この
シールリツプによつてロープドラム特に保持支承
部の内室の汚損及び軸受グリスの流出が防がれ
る。

ロープドラムの内部での本発明の配置構造によ
れば、１段から５段の遊星車伝動装置を以つて回
転数をそれぞれの特別の使用例に適合可能であ
り、かつ伝動装置からモータへの接続が可変に形
成され、それによつて６種類までのモータ構造サ
イズ及び種々のモータ種類、例えばかご形誘導モ
ータ、巻線形モータ、直流モータ及び防爆形モー
タ等を問題なく内蔵可能である。ドラム支承部の
配置は、側方フランジ内及び延いてはフレーム内
にもその曲げモーメント発生が可及的に少なくな
るように設定されている。また伝動装置は、遊星
歯車段がロープドラムの構造大きさと負荷に応じ
た段差とに応じて設計され、それによつて当該の
遊星歯車段の他の構造大きさにも再利用可能であ
るように形成されている。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第１図にはモータ軸３と、遊星車伝動装置５へ
の接続のためのクラツチ４とを有するモータ１が
示されている。この遊星車伝動装置５はロープド
ラム２０の内部に設置されたケーシング６内に配
置されており、該ケーシングのケーシングフラン
ジ７にはモータケーシングの支承ブラケツト２が
当接している。この支承ブラケツト２とフランジ
７とはねじ３０によつて保持フレーム２６の、端
面プレート２５ａに固定されており、また該保持
フレーム２６の、モータ１と反対側の端部には軸
受２２のための環状保持部２４を有するしぼり加
工された端面プレート２５が配設されており、軸
受２２内にはロープドラム２０の薄板ウエブ１９
が軸受リング２１を介して支持されている。環状
保持部２４と軸受リング２１とには、軸受２２の
ための当付け面としての当付けリング面２１ａ，
２４ａ及び他に環状溝２９がそれぞれ設けられて
おり、この環状溝２９内には軸受２２を軸線方向
確保するためのスナツプリング２３が装着されて
いる（第２図参照）。

ロープドラム２０のモータ側部分は第４図に示
された保持支承部としての円筒体２７を介して遊
星車伝動装置５のケーシング６上に、かつ該ケー
シングのケーシングフランジ７を介して保持フレ
ーム２６上に支持されており、しかも該ケーシン
グフランジ７の環状溝３１内に装着されたシール
リツプ２８によつてシールされている。このシー
ルリツプ２８はロープドラム２０の端面１７に滑
動可能に当接している。ケーシング６とロープド
ラム２０とは保持支承部としての円筒体２７のた
めに加工形成された外レース面６ａ及び内レース
面２０ａを有している。そして第２のシールリツ
プ２８′がこの円筒体２７を、前記第１のシール
リツプ２８と反対の側から支持している。

両端範囲に歯部１１を備えた伝達軸１２によつ
て回転トルクが、遊星車伝動装置５の最後の段の
被駆動軸１０から軸受リング２１に、そして更に
しぼり加工された薄板ウエブ１９を介してロープ
ドラム２０まで伝達される。またケーシング６の
カバー１４がストツパ円板１３のための環状面１
５を有し、このストツパ円板１３は遊星車ホルダ
９の被駆動軸１０の円板当付け部１６内に当接配
置されている（第３図参照）。更に伝達軸１２に
はめ込まれたスナツプリング１８によつて、スリ
ーブ状の被駆動軸１０と軸受リング２１との間で
伝達軸１２に起こり得る軸線方向摺動が制限され
ている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
第１図は伝動装置とモータとクラツチとを有する
ロープドラムの縦断面図、第２図は第１図の部分
Ａの拡大断面図、第３図は第１図の部分Ｂの拡大
断面図、第４図は第１図の部分Ｃの拡大断面図で
ある。 １…モータ、２…支承ブラケツト、３…モータ
軸、４…クラツチ、５…遊星車伝動装置、６…ケ
ーシング、６ａ…外レース面、７…ケーシングフ
ランジ、９…遊星車ホルダ、１０…被駆動軸、１
１…歯部、１２…伝達軸、１３…ストツパ円板、
１４…カバー、１５…環状面、１６…円板当付け
部、１７…端面、１８，２３…スナツプリング、
１９…薄板ウエブ、２０…ロープドラム、２０ａ
…内レース面、２１…軸受リング、２１ａ，２４
ａ…当付けリング面、２２…軸受、２４…環状保
持部、２５，２５ａ…端面プレート、２６…保持
フレーム、２７…円筒体、２８，２８′…シール
リツプ、２９，３１…環状溝、３０…ねじ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ロープドラム内部に設けたケーシング内に配
   置された遊星車伝動装置と、前記ロープドラムの
   一方の端面の手前に配置されたモータとを備え、
   該モータを前記ロープドラムの保持フレームにフ
   ランジ締結し、前記モータの被駆動軸を、前記ケ
   ーシングのスロート部内に配置されたクラツチを
   介して前記遊星車伝動装置と連結した形式のロー
   プドラム駆動装置において、ロープドラム２０が
   モータ１寄りの側では、ケーシングフランジ７の
   傍の保持支承部２７を介して遊星車伝動装置５の
   ケーシング６上に支持されており、かつ、他方の
   側ではウエブプレート１９と、伝動軸１２を支承
   する軸受リング２１と、軸方向シフト不能に保持
   された軸受２２とを介して保持フレーム２６の端
   板２５の保持リング２４内に支持されていること
   を特徴とする、ロープドラム駆動装置。 ２ モータ１の支承ブラケツトと、遊星車伝動装
   置５に前置されたクラツチ４とがロープドラム２
   ０内に配置されている、特許請求の範囲第１項記
   載のロープドラム駆動装置。 ３ 遊星車伝動装置５の最終段の被駆動軸１０が
   ストツパ円板１３を介して、遊星車伝動装置ケー
   シング６のカバー１４の環状面１５内に保持され
   ている、特許請求の範囲第１項記載のロープドラ
   ム駆動装置。 ４ 被駆動軸１０が、ロープドラム２０のウエブ
   プレート１９の方へ導かれた伝動軸１２のための
   カツプリングとして構成された内歯列１１を有し
   ている、特許請求の範囲第１項記載のロープドラ
   ム駆動装置。 ５ ウエブプレート１９が、遊星車伝動装置ケー
   シング６の端部とロープドラム２０の端部との間
   に配置されている、特許請求の範囲第４項記載の
   ロープドラム駆動装置。 ６ ロープドラム２０のウエブプレート１９が、
   軸方向シフト不能に保持された軸受２２を介して
   保持フレーム２６内に支持されている、特許請求
   の範囲第１項記載のロープドラム駆動装置。 ７ 軸受２２が、ウエブプレート１９内に装嵌さ
   れた軸受リング２１と、保持フレーム２６の端板
   ２５内に装嵌された保持リング２４とに夫々遊星
   車伝動装置寄りに設けた各当付けリング面２１
   ａ，２４ａに当接しており、かつ、前記軸受リン
   グ２１と保持リング２４とに夫々設けた環状溝２
   ９内に装嵌されたスナツプリング２３によつて前
   記当付けリング面内に確実に保持されている、特
   許請求の範囲第６項記載のロープ駆動装置。 ８ ロープドラム２０がモータ１寄り側で、保持
   支承部２７を介して遊星車伝動装置５のケーシン
   グ６上に支持されている、特許請求の範囲第１項
   記載のロープドラム駆動装置。 ９ 保持支承部を構成する複数の円筒ころ２７
   が、ロープドラム２０の内レース面２０ａと、遊
   星車伝動装置５のケーシング６の外レース面６ａ
   とに直接接触している、特許請求の範囲第８項記
   載のロープドラム駆動装置。 １０ モータ１がモータケーシングフランジ２で
   もつて、遊星車伝動装置５のケーシング６のケー
   シングフランジ７に当接しており、かつ該ケーシ
   ングフランジ７と共に複数本のねじ３０によつて
   保持フレーム２６の端板２５ａとねじ締結されて
   いる、特許請求の範囲第１項記載のロープドラム
   駆動装置。 １１ 遊星車伝動装置５のケーシングフランジ７
   内には、ロープドラム２０の端面に当接するシー
   ルリツプ２８のための環状溝３１が設けられてい
   る、特許請求の範囲第１０項記載のロープドラム
   駆動装置。