JPH0427081B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、穀物回収袋への籾充填を効率良く行
わせる技術に係り、詳しくは、穀物収納袋の上端
開口部に、穀物収納袋の上方に設けられた穀物吐
出口に対して昇降作動する可動吐出口を挿入する
とともに、穀物吐出口に設けられたシヤツターの
開作動によつて穀物収納袋内に穀物を充填し、可
動吐出口内部の下端近傍まで穀物が充填されたこ
とを感知するセンサの検出作動に基づいてシヤツ
ターを閉作動させ、かつ、可動吐出口を上昇可能
に構成してあるコンバインの袋詰め装置に関す
る。

〔従来の技術〕

この種の袋詰め装置では、従来、可動吐出口内
部の下端近傍まで穀物が充填されたことを感知す
るセンサ、すなわち、満杯検出センサが可動吐出
口に装備され、穀物が充填されての前記満杯検出
センサの感知作動に基づいてシヤツターを閉作動
し、その後直ちに可動吐出口を上昇退避させるよ
うに構成してあつた（例えば、実開昭59−170434
号公報）。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来における作用を説明すると、第１図イに示
すように、可動吐出口１１を穀物収納袋４の上端
開口部４Ａ内に侵入した状態では、シヤツター９
が前記センサ２０より所定間隔隔てた上方位置に
あるため、センサ２０が穀物感知した状態でシヤ
ツター９を閉作動させても、その時点では可動吐
出口１１の内部では、センサ２０より上方に穀物
が貯留されている状態になつている。

従つて、シヤツター９の閉作動後に時間経過な
く直ちに可動吐出口１１を上昇作動させると、セ
ンサ２０位置よりにある穀物が穀物収納袋４の上
端開口部４Ａより外方に盛り上がつて位置するこ
とにより易く、そのため盛り上がり穀物が上端開
口部４Ａより漏れ出ることがあつた。

本発明の目的は、合理的な穀物不存在確認機構
を配備させることによつて上記不具合を解消せん
とする点にある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的のために本発明は、冒頭に記載したコ
ンバインの袋詰め装置において、可動吐出口を、
その内部におけるセンサの近傍から穀物がなくな
つたことを検知する検知センサを設け、この検知
センサの穀物不存在確認情報に基づいて、可動吐
出口を上昇させる状態に作動させる手段を備えて
あることを特徴とする。

〔作用〕

一般に、穀物などの粉流物を自然落下現象によ
つて容器内に貯留すると、その上面部分は粉流物
が固有に持つ安息角による傾斜面になり、本発明
のように穀物の袋詰めでは、第１図イに示すよう
に、可動吐出口１１の下部を頂点とした円錐形を
示すようになる。

従つて、穀物の充填作動が終了しても、上記安
息角の形成によつて穀物収納袋上部の前後には側
面視で三角形状の空き空間が存在していることに
なる。

また、コンバインでの袋詰め作業は作業走行時
に並行して行われるものであるから、エンジン振
動や走行に伴う機体振動が常に発生しているもの
である。

そして、シヤツター閉塞後に検知センサよりも
上方に貯留されている穀物が上記エンジン及び走
行に伴う機体振動で刺激されて安息角が緩くなる
作用、すなわち可動吐出口付近の高い位置にある
穀物が前後の低い位置に移動する作用が生じて、
収納袋上部の空き空間に穀物が収納されるように
なる現象が確認されている。

故に、可動吐出口内部におけるセンサの近傍か
ら穀物がなくなつたことを検知する検知センサを
設け、この検知センサの穀物不存在確認情報に基
づいて、可動吐出口を上昇させるようにすれば、
第１図ロに示すように、前記安息角の緩化作用に
よつて可動吐出口よりも上方にある穀物を相対的
に空き空間に収納させることが可能になつて収納
袋内に穀物を充填可能になり、その後に可動吐出
口を上昇退避させれば穀物の収納袋上端開口から
の漏れ出しを抑えることができる。

〔発明の効果〕

その結果、穀物の収納袋内での貯留状況及びそ
の特質を的確に把握し、かつ、コンバインの作業
状態を利用することによつて得られる上記特徴構
成により、比較的簡単な改造によつて穀物の漏れ
出しを抑制できるより完成度を高められるコンバ
インの袋詰め装置を提供できた。

〔実施例〕

以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

第３図及び第４図に示すように、左右一対の回
転軸２，２に上端開口部４Ａの両端近傍に鳩目
３，３形成した穀物収納袋４を、その鳩目３，３
を介して吊下げ支持するとともに、回転軸２，２
の先端部に形成したねじ部５，５のねじ溝５Ａ，
５Ａと鳩目３，３の嵌係合によつて、軸端に設け
られた駆動モータ６，６の回転駆動につれて回転
軸軸心方向に穀物収納袋４を繰出し、穀物吐出の
所定位置で繰出し停止するようにして袋繰出し機
構１を構成してある。

次に、袋詰め装置７について詳述する。

所定位置に停止位置が定められた穀物収納袋４
の上方に、穀物収納ホツパー８、及び、この下端
部にシヤツター９を備えた穀物吐出口１０を設け
てある。穀物吐出口１０には、穀物収納袋４内に
挿入可能に昇降作動する可動吐出口１１を備えて
あり、穀物吐出口１０の両端には左右一対の揺動
開閉式袋開口具１２，１２を設け、可動吐出口１
１の下降作動に連動して袋開口具１２，１２を袋
開口部内に挿入し、更に可動吐出口１１を下降さ
せてこれを挿入可能な大きさまで袋開口部４Ａを
開拡すべく袋開口具１２，１２を揺動開放するよ
うに構成してある。

穀物吐出口１０の近傍には穀物収納袋４の上方
で略水平に循環作動するチエーン機構１３にシヤ
ツター９、可動吐出口１１、及び穀物収納袋４の
上端開口部に設けられたフアスナー１４に対する
操作部材１９を一体作動すべく取付けてある。こ
れら操作部材１９はシヤツター９に連動連結され
た第１アーム１５に作用する第１作動アーム２１
と、可動吐出口１１に連動連結されたベルクラン
ク状第２アーム１６に作用する第２作動アーム２
２と、フアスナー１４に備えられたスライダー１
７に係合してフアスナー閉塞方向に移動させる係
合アーム１８である。

次に、第３図を参照してチエーン機構１３の作
動による一連の動作を説明する。

操作部材１９は待機位置に位置する状態から、
穀物収納袋４が穀物充填所定位置に至つたことを
感知し、チエーン機構１３によつて作動を開始す
る。

先ず、第３図中の矢印で示すように、操作部材
１９は可動吐出口１１を下降移動させ、かつ、シ
ヤツター９を開作動させて穀物充填作業を行わせ
るとともに、可動吐出口１１の下端近傍に設けら
れた検知センサ２０の検出作動に基づいて再起動
し、シヤツター９を閉作動させた後に一旦停止す
る。検知センサ（例えば、周知の感圧センサ等）
２０は、穀物が可動吐出口１１の下端近傍まで充
填されたことを、この可動吐出口１１内部にある
穀物を感知することによつて作動するようにして
ある。

そして、エンジンや走行に伴う機体振動によつ
て穀物が収納袋４上部の空き空間Ｓに移動し、そ
れによつて可動吐出口１１内にある穀物が収納袋
４に落下収納され、第１図ロに示すように、検知
センサ２０が穀物を検出後、再び穀物の存在を感
知しなくなつたときに可動吐出口１１を上昇退避
させ、引続いてフアスナー１４の閉じ作業を行う
べく作動する。つまり、一旦穀物を感知した後に
感知しなくなるということは、可動吐出口１１内
において検知センサ２０よりも上方に貯留されて
いた穀物が穀物収納袋４内に充填されたものと判
断できるのであり、チエーン機構１３の制御装置
に検知センサ２０の穀物不存在確認情報に基づい
て、可動吐出口１１を上昇させる状態に作動させ
る手段が備えられているのである。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図イはセンサ感知によるシヤツター閉じ状
態での吐出口付近を示す正面図、第１図ロはセン
サ感知後における可動吐出口が上昇した状態での
吐出口付近を示す正面図、第２図はチエーン駆動
モータとセンサとの作動タイミングを示すグラ
フ、第３図は袋詰め装置の全体正面図、第４図は
袋詰め装置の全体側面図である。 ４……穀物収納袋、４Ａ……上端開口部、９…
…シヤツター、１０……穀物吐出口、１１……可
動吐出口、２０……検知センサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 穀物収納袋４の上端開口部４Ａに、穀物収納
   袋４の上方に設けられた穀物吐出口１０に対して
   昇降作動する可動吐出口１１を挿入するととも
   に、前記穀物吐出口１０に設けられたシヤツター
   ９の開作動によつて前記穀物収納袋４内に穀物を
   充填し、前記可動吐出口１１内部の下端近傍まで
   穀物が充填されたことを感知するセンサ２０の検
   出作動に基づいて前記シヤツター９を閉作動さ
   せ、かつ、前記可動吐出口１１を上昇可能に構成
   してあるコンバインの袋詰め装置であつて、前記
   可動吐出口１１を、その内部における前記センサ
   ２０の近傍から穀物がなくなつたことを検知する
   検知センサ２０を設け、この検知センサ２０の穀
   物不存在確認情報に基づいて、前記可動吐出口１
   １を上昇させる状態に作動させる手段を備えてい
   るコンバインの袋詰め装置。