JPH0212163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、基端側に穀粒袋の吊り下げ収納部を
備えた左右一対の袋支持杆部分の夫々に、前記収
納部の穀粒袋を前記袋支持杆の先端側に係止移送
するネジ部を回転駆動自在に設けて、収納部から
の袋取出しがネジ部の回転駆動力によつて容易に
できるように構成した穀粒袋詰め装置に関する。

〔従来の技術〕 この種のネジ部の回転による駆動力を用いて籾
袋を送り出すように構成された袋詰め装置は、前
記基端側の収納部から籾吐出下方への袋の送り出
し、および、重い満杯袋の機外方向への搬出を能
率良く軽快に行える点で有利なものであるが、従
来の袋詰め装置は、袋の強制移送のために、 (イ) 内外二重の同芯状螺軸を用いて袋支持杆を構
成し、これに吊り持ちされた籾袋を螺軸の回転
によつて送り出すように構成したもの。（特公
昭54−16800号公報参照） (ロ) 螺軸部を備えた繰出軸と、これとは別に籾袋
を吊持ちする袋支持杆とを用いて、繰出軸の回
転に伴い袋支持杆上の籾袋を押し出すようにし
たもの。（特公昭58−1886号公報参照） 上記(イ)，(ロ)に示されるように構成されていたた
め、次の問題点があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

すなわち、前者(イ)の従来構造のものでは、内外
二重の軸外周面に大きな螺旋突起が突出形成され
ているため、満杯の袋を送り出すときはその大き
な突起が有効に働くものであるが、空の籾袋を支
持杆としての螺軸に装着するに際しては、袋上端
部にその大きな螺旋突起よりも大径の支持杆挿通
孔を形成したとしても、前記螺旋突起が挿通孔周
縁に引掛かり易く、袋支持杆基端側の収納部への
袋装着作業に多大な手数を要するものであり、結
局、この従来例で示されるような、袋上端に鉤の
ついた特殊な籾袋を用いない限り、大径の螺旋突
起を越えて袋支持杆の基端部に空袋を迅速に装着
することが不可能であり、他物への引掛かりを生
じないように通常用いられているような、袋上端
部の両側端に袋支持杆に対する挿通孔を形成した
だけの袋を用い難いという問題があつた。

また、後者(ロ)の従来技術によれば、籾袋を駆動
力で搬出するための繰出軸と、籾袋を支架するた
めの袋支持杆とを別々に構成しているため、この
例に示されるように繰出軸を上方側へ揺動退避さ
せれば、その揺動退避状態での作業に限つては、
前記繰出軸の存在に作業を阻害されずに割合楽に
袋支持杆に対して空の籾袋を装着することができ
る。しかしながら、そのように繰出軸の退避揺動
を可能にするためには、その退避揺動のための構
造自体が複雑になり易く、また、袋支持専用の袋
支持杆および籾袋と繰出軸との連係構造が、繰出
軸とは別個に必要で、部品点数の増大化をも招く
不都合があつた。

本考案は、用いることのできる籾袋に制約を受
けたり、構造の複雑化、あるいは部品点数の増大
化を招くことなく、簡素な構造を採用できて、し
かも、空袋の装填も簡単に行い易い構造の穀粒袋
詰め装置を得ることにその目的がある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために講じた本考案の技術
手段は、基端側に穀粒袋の吊り下げ収納部を備
え、遊端側をやや開き状態に離間させて設けた左
右一対の袋支持杆２ａ，２ｂ夫々に、前記収納部
４の穀粒袋５を前記袋支持杆２ａ，２ｂの先端側
に係止移送するネジ部９ａ，９ｂを設けるととも
に、吊り下げ収納部４の基端側には、前記穀粒袋
５をネジ部９ａ，９ｂに向つて押し出すスプリン
グ２０を有し、かつ、そのネジ部９ａ，９ｂを回
転駆動するモータ１０ａ，１０ｂを設けた穀粒袋
詰め装置であつて、前記ネジ部９ａ，９ｂを回転
駆動するモータ１０ａ，１０ｂの制御装置に、前
記両袋支持杆２ａ，２ｂのネジ部９ａ，９ｂを正
転、逆転、及び停止させる切換スイツチ１２，１
３，１４を設けてある点にある。

〔作用〕 上記の技術手段を講じた結果、下記(i)〜(iv)の作
用を得られた。

(i) 袋支持杆の基端側の収納部に吊り下げられた
空袋、および、籾吐出口の下方で穀粒を充填さ
れた満杯袋は、前記袋支持杆のネジ部が一方向
に回転することで、あるいは、スプリングで押
し出されて前記ネジ部と係合した後の前記ネジ
部の回転によつて、袋支持杆の先端側へ送り出
される。そして、前記袋支持杆の先端部へ袋交
換のための空袋を係止し、袋支持杆を前記とは
逆方向に回転させれば、その空袋は送り出し用
のネジ部を逆向きに進行して、スプリングの付
勢力に抗して基端側の収納部に送り込まれる。

(ii) 上記(i)のように袋支持杆のネジ部自体の正逆
転によつて袋を移動させられるので、空袋の装
着時に、袋支持杆先端のネジ部を避けて直接基
端部に袋を引掛けられるように袋に鉤部を設け
るという、使用袋そのものの制約を受けなくて
済む。

(iii) 空袋を支持杆に装着する際、作業者が支持杆
先端の延長方向にいて、人為的に、袋支持杆の
先端側から奥へ袋を押し進めるのではなく、袋
支持杆の先端部に空袋を掛けさえすれば、ネジ
部の逆転駆動で自動的に奥側へ袋が引き込み移
行され、収納部に送り込まれるので、例えば、
袋支持杆とは別に袋繰出軸を設けたり、その袋
繰出軸を上方側へ退避移動させる構造を採用す
るなど、袋を奥側へ人為的に押し進めるのに邪
魔になるネジ部の影響を避けるための構成を施
すなどの、構造上の複雑化を招くことを避け易
い。

(iv) また、ネジ部の駆動手段としてて、設置箇所
の制約や動力エネルギーの伝達構造の配設が容
易なモータを用いるものであるから、この点で
も構造の簡素化を図り易い。

〔考案の効果〕

(イ) 上記(i)の作用により、従来、袋の送り出しの
ためだけに用いられていた袋支持杆のネジ部
と、それを駆動するモータの駆動力とを、袋交
換作業の簡便化のための手段としても用いるこ
とができ、能率の良い袋交換作業を容易に行い
易い。

(ロ) また、上記(ii)の作用により、籾袋の形態とし
て、他物に引掛かり易い鉤付きのものを用いる
ことなく、単に支持杆挿通孔が形成されるだけ
の通常の籾袋を用いることができる。

(ハ) 上記(iii)，(iv)の作用により、空袋の装着を、
支
持杆と繰出軸とを別個に用いて、そのうちの空
袋の装着に邪魔になる繰出軸を大きく上方側へ
揺動退避させるという構造上の複雑さを招いた
り、部品点数も多くなる構造を採用する必要な
く、袋支持杆のネジ部の正逆転を利用した構造
的にはきわめて簡素な構成を採用し易い。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図及び第２図に示すように、穀粒袋詰めホ
ツパー１の下方に、左右一対の袋支持杆２ａ，２
ｂ、及び、これら支持杆２ａ，２ｂ夫々の基端側
に備えられている収納部４に穀粒袋５を吊り下げ
ておくように構成した袋保持部を設けて、この保
持部の袋５をホツパー１のシヤツター６や摺動昇
降自在なブーツ７が備えられている吐出筒部１ａ
の下方に取出して穀粒充填するように、コンバイ
ン用の脱穀粒袋詰め装置を構成してある。

第２図及び第３図に示すように、前記袋支持杆
２ａ，２ｂの夫々を支持部材８ａ，８ｂに正逆回
転自在に取付けると共に、袋支持杆２ａ，２ｂの
夫々に、収納部４の支持杆先端側部分から袋支持
杆２ａ，２ｂの先端部にわたる一連のネジ部９
ａ，９ｂを一体回動自在に設け、そして、袋支持
杆２ａ，２ｂ夫々に正逆転自在な駆動機構の一例
としての電動モータ１０ａ，１０ｂを連動させ
て、これらモータ１０ａ，１０ｂによりネジ部９
ａ，９ｂを正逆転駆動するように構成してある。

そして、前記電動モータ１０ａ，１０ｂの制御
装置は次のように構成されている。

前記モータ１０ａ，１０ｂ夫々の操作回路１１
ａ，１１ｂに第１ないし第３人為操作スイツチ１
２，１３，１４を付設し、これらスイツチ１２，
１３，１４のうちの第１スイツチ１２により両モ
ータ１０ａ，１０ｂを始動操作し、第２スイツチ
１３により両モータ１０ａ，１０ｂを停止操作
し、第３スイツチ１４により、両モータ１０ａ，
１０ｂが正転駆動される状態と逆転駆動される状
態とに前記操作回路１１ａ，１１ｂを切換え操作
するように構成してある。つまり、前記各スイツ
チ１２，１３，１４が、前記ネジ部９ａ，９ｂを
正転、逆転、及び停止させる切換機構を構成し、
この切換機構が前記操作回路１１ａ，１１ｂと組
合わされて制御装置を構成している。

このように構成された制御装置を用いて前記袋
支持杆２ａ，２ｂの収納部４に袋装着するには、
袋５を袋支持杆２ａ，２ｂの先端部に吊り下げる
と共に、モータ１０ａ，１０ｂを逆転駆動操作
し、吊り下げ袋５を逆転駆動されるネジ部９ａ，
９ｂにより収納部４に向けて係止移送するように
構成し、かつ、収納部４から袋取出しするに当た
り、モータ１０ａ，１０ｂを正転駆動操作し、こ
れに伴つて正転駆動されるネジ部９ａ，９ｂによ
り袋５を袋支持杆２ａ，２ｂの先端部に向けて係
止移送する。

左右の前記袋支持杆２ａ，２ｂ夫々において、
その先端付近に、該箇所に袋５が達したか否かを
検出するスイツチ１５ａ，１５ｂを設け、そし
て、これらスイツチ１５ａ，１５ｂによる検出結
果を前記モータ操作回路１１ａ，１１ｂの制御部
１６ａ，１６ｂに出力るように構成すると共に、
モータ操作回路１１ａ，１１ｂを、袋５が袋支持
杆２ａ，２ｂの先端部に達するとモータ１０ａ，
１０ｂを自動的に停止操作するように構成し、袋
取出し時において、袋支持杆２ａ，２ｂ夫々の充
填用位置に袋５が達すると、袋移送が自動的に停
止されるようにしてある。

前記袋支持杆２ａ，２ｂを、これら両袋支持杆
２ａ，２ｂの間隔が先端側ほど広くなるように配
設し、そして、袋５の開口部に係止するバネ板製
開口具１７を設けると共に、袋５の左右両側夫々
で袋口の手前側部分５ａのみに、開口付勢板１８
を鳩目形成部材１９から延出した状態で付設し、
収納部４からの取出し袋が袋支持杆２ａ，２ｂの
充填位置に達した時には自動的に開口されるよう
に構成してある。すなわち、袋５が充填位置に達
すると、鳩目形成部材１９がこれに係止するネジ
山の作用によつて袋内側ほど袋支持杆先端側に位
置するところの対支持杆傾斜状態になることと、
前記開口付勢板１８の作用とによつて、袋口の手
前側部分５ａが張り状態になり、かつ、そのため
に手前側部分５ａが開口具１７からこれを押し上
げて外れるように構成し、これに対し、袋口の奥
側部分５ｂが、こちら側には開口付勢板１８がな
くて弛緩状態になることと、そのために開口具１
７が係止したままになつていることとにより、開
口具１７によつて袋支持杆２ａ，２ｂの基端側に
引き止められて、手前側部分５ａから引き離され
るように構成してある。

尚、収納部４に袋装着する際には、前記開口具
１７は袋移送経路の上方に軸芯Ｐ周りで上昇退避
させて、袋移送の障害にならないようにしておく
のである。

第２図及び第３図に示すスプリング２０は収納
部４にある袋５を袋支持杆２ａ，２ｂの先端側に
摺動付勢してネジ部９ａ，９ｂに送り込むための
ものである。

尚、収納部４からの袋取出しが完了するに伴い
ブーツ７が袋口に下降挿入操作されると共にシヤ
ツター６が開放操作されて穀粒の充填が行われ、
充填が完了するに伴いシヤツター６が閉じ操作さ
れると共にブーツ７が抜き上げ操作され、袋口の
フアスナーが閉じ操作されると共に袋５が袋支持
杆２ａ，２ｂから取り外されて荷台部に運搬され
るように、各工程が自動的に行われる袋詰め装置
や、定置式の袋詰め装置にも本考案は適用でき
る。

又、本考案を実施するに当たり、袋支持杆２
ａ，２ｂを回転不能な固定式とし、ネジ部９ａ，
９ｂを形成する螺旋体を袋支持杆２ａ，２ｂに相
対回転可能に外嵌すると共に、螺旋体のみを回動
操作するようにして実施したり、又、ネジ部９
ａ，９ｂを収納部４に達するものとし、穀粒袋５
をネジ部９ａ，９ｂに係止させた状態で収納して
おくようにしてもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀粒袋詰め装置の実施例を
示し、第１図は一部切欠き正面図、第２図は一部
切欠き側面図、第３図は一部切欠き平面図であ
る。 ２ａ，２ｂ……袋支持杆、４……収納部、５…
…穀粒袋、９ａ，９ｂ……ネジ部、１０ａ，１０
ｂ……モータ、１４……切換機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端側に穀粒袋５の吊り下げ収納部４を備え、
   遊端側をやや開き状態に離間させて設けた左右一
   対の袋支持杆２ａ，２ｂ夫々に、前記収納部４の
   穀粒袋５を前記袋支持杆２ａ，２ｂの先端側に係
   止移送するネジ部９ａ，９ｂを設けるとともに、
   吊り下げ収納部４の基端側には、前記穀粒袋５を
   ネジ部９ａ，９ｂに向つて押し出すスプリング２
   ０を有し、かつ、そのネジ部９ａ，９ｂを回転駆
   動するモータ１０ａ，１０ｂを設けた穀粒袋詰め
   装置であつて、前記ネジ部９ａ，９ｂを回転駆動
   するモータ１０ａ，１０ｂの制御装置に、前記両
   袋支持杆２ａ，２ｂのネジ部９ａ，９ｂを正転、
   逆転、及び停止させる切換スイツチ１２，１３，
   １４を設けてある穀粒袋詰め装置。