JPH0426569Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、コンクリート系の外壁パネルを梁の
ような構造材に取り付けるための技術に関するも
のである。

［背景技術］ 従来にあつては、第３図のように梁のような構
造材１に断面Ｌ形の連結金具２の一片１３を取り
付け、連結金具２の他片１４にコンクリート系の
外壁パネル３をボルト６′にて取り付けていた。
すなわち、コンクリート系の外壁パネル３に外壁
パネル３の表裏面に貫通するボルト挿入孔４を貫
設し、このボルト挿入孔４の表面側を大径孔部５
とし、ボルト挿入孔４にボルト６′を挿入してボ
ルト６′の頭部を大径孔部５の底１０に当て、ボ
ルト６′の先端を連結金具２の他片１４に設けた
孔に挿入してナツト１１にて固着し、その後に大
径孔部５にモルタル１２を充填していた。ところ
が、上記の第３図に示す従来例にあつては、ナツ
ト１１による締め付けをする際にボルト６′の頭
部が大径孔部５の底１０に当つていただけなの
で、ボルト６′が回転することがあり、ナツト１
１締め作業に手間がかかり、また単にモルタル１
２を大径孔部５に充填するだけなので、ボルト
６′の頭部によりモルタル１２の定着が悪いとい
う問題があつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて考案したものであ
つて、その目的とするところは、ボルトの回転止
めができてナツト締め作業が簡単にでき、しかも
モルタルの定着が確実にできる外壁パネルの取り
付け構造を提供するにある。

［考案の開示］ 本考案の外壁パネルの取り付け構造は、梁のよ
うな構造材１に連結金具２を取り付け、コンクリ
ート系の外壁パネル３に外壁パネル３の表裏面に
貫通するボルト挿入孔４を設けると共にボルト挿
入孔４の外壁パネル３の表面側を大径にして大径
孔部５を設け、ボルト６の端部に鍔部７を設け、
この鍔部７に表面側に切り起こされた表面側爪部
８と裏面側に切り起こされた裏面側爪部９を設
け、ボルト６をボルト挿入孔４に挿入して鍔部７
を大径孔部５に位置させ、鍔部７の裏面の裏面側
爪部９を大径孔部５の底１０に食い込ませるとと
もにボルト６の他端を連結金具２にナツト１１に
て固着し、大径孔部５にモルタル１２を充填して
成るものであつて、このような構成を採用するこ
とで、上記した本考案の目的を達成したものであ
る。すなわち本考案にあつては、ボルト６に鍔部
７を設け、この鍔部７の表裏面にそれぞれ表面側
爪部８と裏面側爪部９を設け、ナツト１１締め付
け時に裏面側爪部９を大径孔部５の底１０に食い
込ませることで、ボルト６の回転止めをおこな
い、またモルタル１２が表面側爪部８に付着して
モルタル１２の定着をよくしたものである。

以下本考案を実施例により詳述する。梁や柱の
ような構造材１（図面の実施例では梁の例が示し
てある）に断面Ｌ形の連結金具２の一片１３が固
着してある。コンクリート系の外壁パネル３は通
常のコンクリートパネル、ALCパネルのような
軽量コンクリートパネル等であり、この外壁パネ
ル３には外壁パネル３の表裏面に貫通するボルト
挿入孔４が貫設してある。ボルト挿入孔４の外壁
パネル３の表面側は大径孔部５となつている。ボ
ルト６は一端部に大径の鍔部７が設けてあり、こ
の鍔部７の表裏面にはそれぞれ表面側爪部８と裏
面側爪部９とが設けてある。本発明においては鍔
部７に表面側及び裏面側に切り起こされた切り起
こし部を設けて、この切り起こし部をそれぞれ表
面側爪部８及び裏面側爪部９としてある。しかし
て外壁パネル３の表面側からボルト挿入孔４にボ
ルト６を挿入し、ボルト６の先端を連結金具２の
他片１４の孔に挿入してナツト１１を締め付け
る。この時、鍔部７の裏面の裏面側爪部９が大径
孔部５の底１０に食い込んだ状態でナツト１１が
締められるので、ボルト６がから廻りすることな
く確実に締め付け固定されることとなる。この場
合図面のように裏面側爪部９を複数個設けておく
と、回転方向の力を分散して負担できて一層確実
に回転止めができることとなる。このようにして
ボルト６、ナツト１１により外壁パネル３を構造
材１に固着した連結金具２に取り付けた後、大径
孔部５にモルタル１２を充填する。大径孔部５に
充填されたモルタル１２は鍔部７の表面に表面側
爪部８が突設してあるので、この表面側爪部８の
存在により確実に定着することとなるものであ
る。この場合、更に鍔部７に表面側に切り起こさ
れた表面側爪部８と裏面側に切り起こされた裏面
側爪部９を設けることにより鍔部７に形成される
切り起こし跡の孔にモルタルが貫通して充填され
ることとなつていつそうモルタルの付着強度が大
となるものである。

［考案の効果］ 本考案にあつては、叙述のようにボルトの端部
に鍔部を設け、この鍔部に表面側に切り起こされ
た表面側爪部と裏面側に切り起こされた裏面側爪
部を設け、ボルトをボルト挿入孔に挿入して鍔部
を大径孔部に位置させ、鍔部の裏面の裏面側爪部
を大径孔部の底に食い込ませたので、鍔部の裏面
の裏面側爪部が大径孔部の底に食い込んだ状態で
ナツトが締められるので、簡単にボルトの空回り
を防止でき、表面側で別な作業者がボルトが空回
りしないように固定しておく必要がないものであ
つて、作業が簡単且つ迅速に行えるものである。
またボルトの他端を連結金具にナツトにて固着
し、大径孔部にモルタルを充填したので、鍔部の
表面に突設された表面側爪部によりモルタルが確
実に定着するものであり、更に、鍔部に表面側に
切り起こされた表面側爪部と裏面側に切り起こさ
れた裏面側爪部を設けることにより鍔部に形成さ
れる切り起こし跡の孔にモルタルが貫通して充填
されることとなつていつそうモルタルの付着強度
が大となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第２図は本考案に用
いるボルトの斜視図、第３図は従来例の断面図で
あつて、１は構造材、２は連結金具、３は外壁パ
ネル、４はボルト挿入孔、５は大径孔部、６はボ
ルト、７は鍔部、８は表面側爪部、９は裏面側爪
部、１０は底、１１はナツト、１２はモルタルで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 梁のような構造材に連結金具を取り付け、コン
   クリート系の外壁パネルの表裏面に貫通するボル
   ト挿入孔を設けると共にボルト挿入孔の外壁パネ
   ルの表面側を大径にして大径孔部を設け、ボルト
   の端部に鍔部を設け、この鍔部に表面側に切り起
   こされた表面側爪部と裏面側に切り起こされた裏
   面側爪部を設け、ボルトをボルト挿入孔に挿入し
   て鍔部を大径孔部に位置させ、鍔部の裏面の裏面
   側爪部を大径孔部の底に食い込ませるとともにボ
   ルトの他端を連結金具にナツトにて固着し、大径
   孔部にモルタルを充填して成る外壁パネルの取り
   付け構造。