JPH044083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ALC板特に強度の弱い軽量気泡
コンクリート板からなるパネルの取付装置に関す
る。

従来技術およびその問題点 鉄骨軸組構造の建物において、ALC板が壁パ
ネルや床パネルとして広く利用されているが、そ
の多くはボルトによつて鉄骨軸組に固定されてい
る。

従来、ALCパネルのボルトによる取付けは、
ALCパネルの表面に取付ボルトを突設し、この
取付ボルトを鉄骨軸組に穿設したボルト孔に挿通
するとともに取付ボルトの貫通部分に締付ナツト
を螺着するか、あるいは、ALCパネルおよび鉄
骨軸組の双方にボルト孔を穿設し、このボルト孔
間に締付ボルトを貫通し、この締付ボルトの貫通
部分に締付ナツトを強く螺合していた。

しかし、この種の取付方法は締付ナツトの締過
ぎによつてALCパネルが損傷したり、あるいは
締付ナツトの締過ぎによるALCパネルの損傷を
心配するあまり締付ナツトの充分な締付けができ
ない場合があり、一般に締付ナツトのトルク管理
がきわめて面倒である。

考案の目的 この考案は、前記従来の問題点を解消するため
に提案されたもので、ボルトによるALCパネル
の取付けに際し、締付ナツトのトルク管理がきわ
めて簡単にできるパネルの取付装置を提供するこ
とを目的とする。

考案の構成 この考案はパネルと受け部材の取付部におい
て、パネル表面に取付ボルトを突設し、この取付
ボルトに受け金物を螺合し、その外側に締付金物
を挿通し、その外側に締付ナツト等の締付け部材
を螺合し、かつ前記パネルと締付金物間に受け部
材の取付片を挟み付けることによつて前記目的を
達成するものである。

実施例 以下、この考案を図示する一実施例によつて説
明する。

Ｈ形鋼からなる上下鉄骨梁１，２に受け部材
３，４がボルト止めされている。

受け部材３は断面略逆Ｌ字状に形成されてい
る。また、受け部材３は鉄骨梁１の下側フランジ
１ａの下側に鉄骨梁１の長手方向に沿つて、連続
若しくは所定間隔おきに設置され、かつ取付ボル
ト５によつて下側フランジ１ａにボルト止めされ
ている。

受け部材４は、断面略逆Ｔ字状に形成されてい
る。また、受け部材４は、鉄骨梁２の上側フラン
ジ２ａの上側に鉄骨梁２の長手方向に連続若しく
は所定間隔おきに設置され、かつ取付ボルト５に
よつて上側フランジ２ａにボルト止めされてい
る。

上下受け部材３，４間には、ALC板からなる
壁パネル６が垂直に建付けられ、その下端部は、
受け部材４の受け片４ｂの上に載置されている。

壁パネル６の上下両端部には、取付ボルト７，
７が内側に垂直に突設され、その周辺部に所定
径、所定深さの座掘穴８，８が形成されている。

取付ボルト７，７は、壁パネル６内の鉄筋９，
９に溶接によつて固定されている。

上下取付ボルト７，７には受け金物１０，１０
の受けナツト１０ａ，１０ａが螺合されている。
受け金物１０は受けナツト１０ａと受け金物本体
１０ｂとから構成されている。受けナツト１０ａ
は座掘穴８の中まで螺合され、その表側面は壁パ
ネル６の内側面とほぼ面一になつている。

また、上下取付ボルト７，７には長方形板状の
受け金物本体１０ｂと、いなずま金物等の締付金
物１２が挿通されている。

受け金物本体１０ｂは、その裏側を壁パネル６
の内側および受けナツト１０ａに完全に密着して
取付けられている。さらに実施例では、受けナツ
ト１０ａと受け金物本体１０ｂは溶接によつてあ
らかじめ一体にされ、部品点数の低減化が図られ
る。なお、受け金物本体１０ｂは硬質ゴム板若し
くは硬質合成樹脂板より形成してもよく、この場
合、受け金物本体１０ｂと受けナツト１０ａは接
着剤で一体化するものとする。受け金物１０の代
りに截頭円錐形台状のコーン１０ｃを使用しても
よい（第９図参照）。さらに、受け金物本体１０
ｂをやや厚めに形成するとともに受け金物本体１
０ｂに取付ボルト７を螺合するためのねじ孔を設
け、この受け金物本体１０ｂを取付ボルト７に直
接螺合することによつて受けナツト１０ａおよび
座掘穴８を省略することもできる（第８図参照）。

受け金物１０と締付金物１２間に受け部材３，
４の取付片３ａと４ａが挾みつけられ、さらに取
付ボルト７の先端部に締付部材１３（以下、締付
ナツト１３とする。）が螺合されている。

かかる構成において、締付ナツト１３を強く締
付けると、受け部材３，４の取付片３ａ，４ａが
受け金具１０と締付金具１２間に強く挾みつけら
れるものの、取付ボルト７の受けナツト１０，９
より先端側部分（壁パネル６内に埋設された部
分）に締付ナツト１３の締付けによる引張力は全
く作用しない。従つて、取付ボルト７と壁パネル
６間にも締付ナツト１３の締付けによる引抜力は
全く働かない。

第２図および第５図は、取付ボルト７を取付け
る他の実施例を示したもので、第２図では、壁パ
ネル６の中にインサート１４を埋設し、取付ボル
ト７はインサート１４に螺入することによつて取
付けられている。第３図では、壁パネル６にボル
ト孔１５を穿設し、取付ボルト７はボルト孔１５
に挿通することによつて取付けられている。

また、第４図では、壁パネル６内にアンカープ
レート等のアンカー部材１６を埋設し、このアン
カー部材１６に取付ボルト７を強制的に螺合する
ことにより取付けられている。この場合、取付ボ
ルト７の先端部は鋭く形成されている。

また、第５図では、取付ボルト７にアンカーボ
ルトが使用されている。

また、第６図は受け金物１０および締付金物１
２の他の実施例を示したもので、受け金物本体１
０ｂと締付金物１２は略Ｕ字形の溝状に一体に形
成されている。

さらに、第７図は壁パネル取付装置の他の実施
例を示したもので、受け金物１０の受け金物本体
１０ｂをできるだけ小さめに形成し、受け部材４
の受け片４ｂは、壁パネル６と締付金物１２間に
挿入されている。

この場合、締付ナツト１３を強く締付けると、
締付金物１２は、受け金物本体１０ｂと受け片４
ｂに強く密着して受け部材４と取付ボルト７は強
固に連結されるが、壁パネル６には受け片４ｂが
変形しない限り締付ナツト１３の締付けによる力
は作用しない。

なお、第２図〜第９図において、受け部材３は
略Ｌ字形に形成され、鉄骨梁１の上側フランジ１
ｂの上側に取付ボルト５によつてボルト止めされ
ている。なお、第２図〜第５図、第８図および第
９図において符号１１はパツキング材である。

考案の効果 この考案は以上の構成からなり、ALCパネル
のボルトによる取付けに際し、締付ナツトを強く
締付けてもALCパネルと取付ボルト間には締付
ナツトの締付けによる応力は全く発生せず、これ
に伴うALCパネルの破損を招く恐れは全くない。
従つて締付ナツトをやや強めに締付けておけば、
締付けが不充分である心配も全くなく、締付ナツ
トのトルク管理がきわめて簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示すもので、
壁パネルの取付状態を示す縦断面図、第２図〜第
９図はこの考案の他の実施例を示すもので、同じ
く壁パネルの取付状態を示す縦断面図である。 １，２……鉄骨梁、３，４……受け部材、５…
…取付ボルト、６……壁パネル、７……取付ボル
ト、８……座掘穴、９……鉄筋、１０……受け金
物、１１……パツキング材、１０ａ……受けナツ
ト、１０ｂ……受け金物本体、１２……締付金
物、１３……締付ナツト、１４……インサート、
１５……ボルト孔、１６……アンカー部材、３
ａ，４ａ……取付片、４ｂ……受け片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネルと受け部材の取付部において、パネル表
   面に取付ボルトを突設し、この取付ボルトに受け
   金物を螺合し、その外側に締付金物を挿通し、そ
   の外側に締付部材を螺合し、かつ前記パネルと締
   付金物間に受け部材の取付片が挟みつけてあるこ
   とを特徴とするパネルの取付装置。