JPH04263613A - アクリル系繊維の乾熱延伸方法 - Google Patents
アクリル系繊維の乾熱延伸方法Info
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- JPH04263613A JPH04263613A JP2454191A JP2454191A JPH04263613A JP H04263613 A JPH04263613 A JP H04263613A JP 2454191 A JP2454191 A JP 2454191A JP 2454191 A JP2454191 A JP 2454191A JP H04263613 A JPH04263613 A JP H04263613A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、延伸性に優れ、しかも
繊度斑の増大を抑えることができるアクリル系繊維の乾
熱延伸方法に関するものである。
繊度斑の増大を抑えることができるアクリル系繊維の乾
熱延伸方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアクリル系繊維を製造するにあた
って、アクリロニトリル系共重合体と溶剤からなる紡糸
原液を湿式紡糸法などにより紡糸した後、洗浄、熱水延
伸、給油、乾燥などの処理がなされるが、これらの処理
だけでは強度が低く、耐フィブリル化性に劣り、光沢に
乏しいなどの欠陥があり、また紡糸速度の面からは生産
性が低く工業的には不利である。これらの欠点は、上記
処理後に引き続く乾熱延伸処理により改善されることが
知られており、しかも高倍率延伸をする程その効果が大
きいことも分かっている。
って、アクリロニトリル系共重合体と溶剤からなる紡糸
原液を湿式紡糸法などにより紡糸した後、洗浄、熱水延
伸、給油、乾燥などの処理がなされるが、これらの処理
だけでは強度が低く、耐フィブリル化性に劣り、光沢に
乏しいなどの欠陥があり、また紡糸速度の面からは生産
性が低く工業的には不利である。これらの欠点は、上記
処理後に引き続く乾熱延伸処理により改善されることが
知られており、しかも高倍率延伸をする程その効果が大
きいことも分かっている。
【0003】かかる状況から、アクリル系繊維の延伸で
は、従来から熱ローラー間延伸やピン延伸、熱板延伸が
広く行われているが、延伸倍率を余り大きくすると糸切
れや毛羽が多発したり、繊度斑の増大を引き起こす。ま
た、複数の熱板を用い多段延伸により繊度斑の激増を解
消しようとする試み(特開昭50−42123号公報)
もあるが、やはりこの場合も2倍を越えるような高倍率
の延伸となると繊度斑が大きく増大し、満足できる延伸
倍率と繊度斑のレベルにまでは達していない。
は、従来から熱ローラー間延伸やピン延伸、熱板延伸が
広く行われているが、延伸倍率を余り大きくすると糸切
れや毛羽が多発したり、繊度斑の増大を引き起こす。ま
た、複数の熱板を用い多段延伸により繊度斑の激増を解
消しようとする試み(特開昭50−42123号公報)
もあるが、やはりこの場合も2倍を越えるような高倍率
の延伸となると繊度斑が大きく増大し、満足できる延伸
倍率と繊度斑のレベルにまでは達していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、アクリル
系繊維の場合には延伸点が固定しにくく、乾熱延伸によ
ると繊度斑が大きく増大しやすくなり、これに起因する
絣状の染色斑や後加工におけるトラブルが多発し、アク
リル系繊維の品位を落としており、従来、高倍率延伸に
おいても糸切れや毛羽がなく安定に延伸可能で、かつ繊
度斑の増大が少ない満足できる乾熱延伸法はなかった。
系繊維の場合には延伸点が固定しにくく、乾熱延伸によ
ると繊度斑が大きく増大しやすくなり、これに起因する
絣状の染色斑や後加工におけるトラブルが多発し、アク
リル系繊維の品位を落としており、従来、高倍率延伸に
おいても糸切れや毛羽がなく安定に延伸可能で、かつ繊
度斑の増大が少ない満足できる乾熱延伸法はなかった。
【0005】したがって本発明の目的は、延伸倍率を大
きくとっても繊度斑を増大させないアクリル系繊維の乾
熱延伸方法を開発することにある。
きくとっても繊度斑を増大させないアクリル系繊維の乾
熱延伸方法を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らはか
かる目的を達成すべく、アクリル系繊維の乾熱延伸特性
、特に繊度斑について延伸の発生位置と、その位置にお
ける延伸倍率、延伸張力の関係、或いは延伸装置の温度
と延伸の発生位置との関係などについて鋭意研究を行っ
た結果、延伸は、繊維と熱ローラー、熱ピン、熱板など
の延伸装置の接触部で、延伸に必要な力がかかっている
加熱部分(以下、加熱接糸部と称す。)でのみ起こり、
加熱接糸部が長いほど繊度斑が増大する傾向にあるが、
ある程度の乾熱延伸を施した後では、加熱接糸部を長く
しても繊度斑の増大は抑えられることが分かり、ある特
定の条件に限定して乾熱延伸することにより、延伸倍率
を大きくとっても繊度斑を増大させない有効なアクリル
系繊維の乾熱延伸方法を見出し、本発明に到った。
かる目的を達成すべく、アクリル系繊維の乾熱延伸特性
、特に繊度斑について延伸の発生位置と、その位置にお
ける延伸倍率、延伸張力の関係、或いは延伸装置の温度
と延伸の発生位置との関係などについて鋭意研究を行っ
た結果、延伸は、繊維と熱ローラー、熱ピン、熱板など
の延伸装置の接触部で、延伸に必要な力がかかっている
加熱部分(以下、加熱接糸部と称す。)でのみ起こり、
加熱接糸部が長いほど繊度斑が増大する傾向にあるが、
ある程度の乾熱延伸を施した後では、加熱接糸部を長く
しても繊度斑の増大は抑えられることが分かり、ある特
定の条件に限定して乾熱延伸することにより、延伸倍率
を大きくとっても繊度斑を増大させない有効なアクリル
系繊維の乾熱延伸方法を見出し、本発明に到った。
【0007】本発明は、速度差を持った給糸ローラー(
以下、FRと略称する。)と延伸ローラー(以下、DR
と略称する。)間に、少なくとも1本の熱ピンと少なく
とも1個の熱板とを備えた延伸装置を用い、前記FRと
DRの速度比で表す全延伸倍率をN倍とする延伸をなす
にあたり、初めに前記熱ピン上で原長に対する式(1)
で表すX倍以上の延伸をした後、引き続き前記熱板上で
N/X倍以下の延伸をし、前記熱ピン上と前記熱板上で
全延伸倍率がN倍となるよう延伸することを特徴とする
アクリル系繊維の乾熱延伸方法に関するものである。 X={(N−1)/2}+1
… (1)
(但し、N=FR速度/DR速度)
図1及び図2は、上記乾熱延伸方法を実施するための代
表的な装置の概略を示し、図1に示す装置はFR10、
熱ピン11、熱板12、DR13共に複数からなり、ア
クリル系繊維Fは前記各部材10−1〜10−j、11
−1〜11−k、12−1〜12−l、13−11〜1
3−mをジグザク状に掛け回されて走行するようにされ
ている。一方、図2に示される延伸装置では1個のFR
10、2個の熱ピン11−1,11−2 、一枚の熱板
12及び1個のDR13からなる。
以下、FRと略称する。)と延伸ローラー(以下、DR
と略称する。)間に、少なくとも1本の熱ピンと少なく
とも1個の熱板とを備えた延伸装置を用い、前記FRと
DRの速度比で表す全延伸倍率をN倍とする延伸をなす
にあたり、初めに前記熱ピン上で原長に対する式(1)
で表すX倍以上の延伸をした後、引き続き前記熱板上で
N/X倍以下の延伸をし、前記熱ピン上と前記熱板上で
全延伸倍率がN倍となるよう延伸することを特徴とする
アクリル系繊維の乾熱延伸方法に関するものである。 X={(N−1)/2}+1
… (1)
(但し、N=FR速度/DR速度)
図1及び図2は、上記乾熱延伸方法を実施するための代
表的な装置の概略を示し、図1に示す装置はFR10、
熱ピン11、熱板12、DR13共に複数からなり、ア
クリル系繊維Fは前記各部材10−1〜10−j、11
−1〜11−k、12−1〜12−l、13−11〜1
3−mをジグザク状に掛け回されて走行するようにされ
ている。一方、図2に示される延伸装置では1個のFR
10、2個の熱ピン11−1,11−2 、一枚の熱板
12及び1個のDR13からなる。
【0008】本発明の対象とするアクリル系繊維は、重
合体組成、重合度、紡糸条件などについて制限されるこ
とはないが、特に次のようにして作られたアクリル系繊
維に対しては本発明の効果がより著しい。
合体組成、重合度、紡糸条件などについて制限されるこ
とはないが、特に次のようにして作られたアクリル系繊
維に対しては本発明の効果がより著しい。
【0009】つまり、アクリロニトリル100〜60重
量%と該アクリロニトリルと共重合可能な単量体0〜4
0重量%からなるアクリロニトリル系重合体を、この重
合体を溶かしうる溶剤、例えばジメチルスルホオキシド
、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、硝酸
水溶液、ロダンソーダ水溶液などに溶解して紡糸原液と
した後、湿式、乾湿式、乾式などの公知の紡糸法により
紡糸し、糸状形成後に50〜100℃の温水において溶
剤分1重量%以下とする洗浄処理及び80〜100℃に
おいて2倍以上の湿熱延伸を行った後、後続の熱処理時
における繊維間の融着や糸状ガイドとの摩擦を低下させ
るため油剤付与し、その後120〜180℃の温度で乾
燥処理を行って作られる、乾熱延伸処理のなされていな
い、所謂、未乾熱延伸糸である。
量%と該アクリロニトリルと共重合可能な単量体0〜4
0重量%からなるアクリロニトリル系重合体を、この重
合体を溶かしうる溶剤、例えばジメチルスルホオキシド
、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、硝酸
水溶液、ロダンソーダ水溶液などに溶解して紡糸原液と
した後、湿式、乾湿式、乾式などの公知の紡糸法により
紡糸し、糸状形成後に50〜100℃の温水において溶
剤分1重量%以下とする洗浄処理及び80〜100℃に
おいて2倍以上の湿熱延伸を行った後、後続の熱処理時
における繊維間の融着や糸状ガイドとの摩擦を低下させ
るため油剤付与し、その後120〜180℃の温度で乾
燥処理を行って作られる、乾熱延伸処理のなされていな
い、所謂、未乾熱延伸糸である。
【0010】本発明において、熱ピンとは図3に示す如
き断面を持つ円筒形もしくはこれに類する形状のもので
あり、糸と接触する円弧のなす角度(以下、接糸角と称
す。)θが熱ピン11の1本当たり90°以上であるよ
うに糸Fと接触させたものをいう。また、熱板12とは
図1及び図2に示す如く平面の板状又は円筒形の円弧の
一部もしくは全部の曲面を利用する形状のものであり、
円曲面の場合は糸と接触する円弧のなす角度θが90°
以下であるものをいう。
き断面を持つ円筒形もしくはこれに類する形状のもので
あり、糸と接触する円弧のなす角度(以下、接糸角と称
す。)θが熱ピン11の1本当たり90°以上であるよ
うに糸Fと接触させたものをいう。また、熱板12とは
図1及び図2に示す如く平面の板状又は円筒形の円弧の
一部もしくは全部の曲面を利用する形状のものであり、
円曲面の場合は糸と接触する円弧のなす角度θが90°
以下であるものをいう。
【0011】本発明の乾熱延伸においては、熱ピン11
と熱板12を併用することが重要である。熱ピン11と
熱板12を全く使用しない単なる熱ローラー間での延伸
では、延伸張力がFR10上にかかり、延伸発生位置が
FR10上の回転体上となるため、わずかな加熱斑やス
リップなどの変動要因の影響を受けやすく、延伸発生位
置が変動し繊度斑が大きくなり好ましくない。また熱ピ
ン11のみの延伸では、熱ピン11との接触により張力
差が付けやすく、延伸発生位置をピン11上にのみ固定
しやすく、繊度斑の増加を小さく押さえやすいが、延伸
倍率を向上させるために熱ピン11の径rを大きくしす
ぎると、延伸が長い区間で起こることになり、変動要因
を受けやすくなるため繊度斑は増大しやすい。また、熱
板12のみの延伸では、加熱接糸部を長く取り易く延伸
倍率を大きくすることは出来るが、熱板12前において
も大きな張力がかかり、延伸発生位置が熱板12上だけ
でなくFR10上にも来ることと延伸が長い区間で起こ
るため繊度斑が増大しやすい。
と熱板12を併用することが重要である。熱ピン11と
熱板12を全く使用しない単なる熱ローラー間での延伸
では、延伸張力がFR10上にかかり、延伸発生位置が
FR10上の回転体上となるため、わずかな加熱斑やス
リップなどの変動要因の影響を受けやすく、延伸発生位
置が変動し繊度斑が大きくなり好ましくない。また熱ピ
ン11のみの延伸では、熱ピン11との接触により張力
差が付けやすく、延伸発生位置をピン11上にのみ固定
しやすく、繊度斑の増加を小さく押さえやすいが、延伸
倍率を向上させるために熱ピン11の径rを大きくしす
ぎると、延伸が長い区間で起こることになり、変動要因
を受けやすくなるため繊度斑は増大しやすい。また、熱
板12のみの延伸では、加熱接糸部を長く取り易く延伸
倍率を大きくすることは出来るが、熱板12前において
も大きな張力がかかり、延伸発生位置が熱板12上だけ
でなくFR10上にも来ることと延伸が長い区間で起こ
るため繊度斑が増大しやすい。
【0012】本発明では、未乾熱延伸のアクリル系繊維
を、先ず熱ピン11の加熱接糸部において[{(N−1
)/2}+1]倍以上の延伸を行い、熱板12の加熱接
糸部においてN/X倍以下の延伸を行い、合計N倍まで
延伸させることが重要である。すなわちN=2の場合で
考えると、熱ピン部でX=1.5倍以上の延伸後、引き
続き熱板部で1.33倍以下で延伸することとなる。換
言すると、延伸によりもとの長さから延びた長さの50
%以上は、熱ピン上で延伸することが重要である。
を、先ず熱ピン11の加熱接糸部において[{(N−1
)/2}+1]倍以上の延伸を行い、熱板12の加熱接
糸部においてN/X倍以下の延伸を行い、合計N倍まで
延伸させることが重要である。すなわちN=2の場合で
考えると、熱ピン部でX=1.5倍以上の延伸後、引き
続き熱板部で1.33倍以下で延伸することとなる。換
言すると、延伸によりもとの長さから延びた長さの50
%以上は、熱ピン上で延伸することが重要である。
【0013】熱ピン部の延伸倍率がX倍よりあまり小さ
いと、繊度斑が大きく増大するため好ましくない。また
、熱ピン部の延伸をあまり大きくとろうとすると、全延
伸倍率Nを大きくとり難くなるので、特に好ましくは熱
ピン部において式(2)で表されるX’倍程度の延伸を
するのが良い。
いと、繊度斑が大きく増大するため好ましくない。また
、熱ピン部の延伸をあまり大きくとろうとすると、全延
伸倍率Nを大きくとり難くなるので、特に好ましくは熱
ピン部において式(2)で表されるX’倍程度の延伸を
するのが良い。
【0014】
X’={2(N−1)/3}+1
… (2)熱ピン11上と熱板12上での各延伸倍率
をそれぞれの目標の倍率で延伸させるためには、本発明
の延伸装置の、例えば熱ピン11や熱板12の表面と糸
との摩擦係数や、熱ピン11及び熱板12の半径や曲率
半径、熱ピン11、熱板12、FR10、DR13など
の配置や糸の掛け方、熱ピン11、熱板12、DR13
、FR10の温度、接触長などにより、最終FR10−
mと最初の熱ピン11−1間や、最終の熱ピン11−k
と最初の熱板12−1間、最終熱板12−nと最初のD
R13−1間など各区間での糸条張力をコントロールす
ることにより可能となる。例えば、熱ピン温度tA を
熱板温度tB より若干高めにしたり、熱ピン部での屈
曲角を大きくとることにより、コントロールがより容易
にできる。ただし、tA をtB よりあまり高くしす
ぎると、延伸のほとんどが熱ピン部分にかかってくるた
め熱ピンのみの延伸と同様になりやすく、本発明の効果
が低下してしまう。
… (2)熱ピン11上と熱板12上での各延伸倍率
をそれぞれの目標の倍率で延伸させるためには、本発明
の延伸装置の、例えば熱ピン11や熱板12の表面と糸
との摩擦係数や、熱ピン11及び熱板12の半径や曲率
半径、熱ピン11、熱板12、FR10、DR13など
の配置や糸の掛け方、熱ピン11、熱板12、DR13
、FR10の温度、接触長などにより、最終FR10−
mと最初の熱ピン11−1間や、最終の熱ピン11−k
と最初の熱板12−1間、最終熱板12−nと最初のD
R13−1間など各区間での糸条張力をコントロールす
ることにより可能となる。例えば、熱ピン温度tA を
熱板温度tB より若干高めにしたり、熱ピン部での屈
曲角を大きくとることにより、コントロールがより容易
にできる。ただし、tA をtB よりあまり高くしす
ぎると、延伸のほとんどが熱ピン部分にかかってくるた
め熱ピンのみの延伸と同様になりやすく、本発明の効果
が低下してしまう。
【0015】本発明における熱ピン11の加熱接糸部に
おける接糸の方法は、熱ピン1本でも、複数本に別れて
も構わないが、熱ピン11の加熱接糸部の長さLA が
あまり短かすぎると、熱ピン部分での延伸倍率を大きく
することが困難になり、したがって全延伸倍率Nを大き
くし難くなる。また、LA があまり長すぎると、熱ピ
ン11による均一延伸が困難になり繊度斑が増大しやす
いので、X倍程度で安定した延伸ができる長さにとどめ
た方が良い。
おける接糸の方法は、熱ピン1本でも、複数本に別れて
も構わないが、熱ピン11の加熱接糸部の長さLA が
あまり短かすぎると、熱ピン部分での延伸倍率を大きく
することが困難になり、したがって全延伸倍率Nを大き
くし難くなる。また、LA があまり長すぎると、熱ピ
ン11による均一延伸が困難になり繊度斑が増大しやす
いので、X倍程度で安定した延伸ができる長さにとどめ
た方が良い。
【0016】熱板12の加熱接糸部は、熱板1枚の使用
でもよく、また複数の熱板12−1〜11−nが糸の両
面又は片面に接触するようにしても構わないが、その接
触長LB があまり短すぎると全延伸倍率Nを大きくし
難くなり、また長すぎると変動要因を受けやすくなるの
で繊度斑が増大しやすくなる。LA 及びLB の大き
さは、延伸する糸の組成や紡糸条件、或いは目標倍率N
により一律には決められないが、一般にLB がLA
の1.5 〜3.0 倍程度が好適と言えよう。
でもよく、また複数の熱板12−1〜11−nが糸の両
面又は片面に接触するようにしても構わないが、その接
触長LB があまり短すぎると全延伸倍率Nを大きくし
難くなり、また長すぎると変動要因を受けやすくなるの
で繊度斑が増大しやすくなる。LA 及びLB の大き
さは、延伸する糸の組成や紡糸条件、或いは目標倍率N
により一律には決められないが、一般にLB がLA
の1.5 〜3.0 倍程度が好適と言えよう。
【0017】また、延伸の発生位置は、熱ピン部と熱板
部でのみ開始、終了させて、回転するFR及びDR上に
はかからないようにすることが重要であり、このことは
熱ピン直前のFRの温度tFRを熱ピン温度tA より
低くしたり、熱板直後のDRの温度tDRを熱板温度t
B より低くすることにより達成が容易である。
部でのみ開始、終了させて、回転するFR及びDR上に
はかからないようにすることが重要であり、このことは
熱ピン直前のFRの温度tFRを熱ピン温度tA より
低くしたり、熱板直後のDRの温度tDRを熱板温度t
B より低くすることにより達成が容易である。
【0018】最適な熱ピン温度tA 及び熱板温度tB
は、重合体の組成などによって異なるが、一般には1
70〜210℃の範囲で選ぶことができる。あまり低す
ぎると十分な延伸倍率が得難く、あまり高すぎると繊維
を構成する重合体の熱運動のため糸が流動的になりすぎ
て延伸斑になりやすく、繊度斑が増大する傾向が著しく
なる。
は、重合体の組成などによって異なるが、一般には1
70〜210℃の範囲で選ぶことができる。あまり低す
ぎると十分な延伸倍率が得難く、あまり高すぎると繊維
を構成する重合体の熱運動のため糸が流動的になりすぎ
て延伸斑になりやすく、繊度斑が増大する傾向が著しく
なる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。実施例中、繊度斑はウースター斑(U%)として
下記の条件で測定した。 測定装置
: 計測器工業K.K 製 C型
サービス セレクター :
1/2 INERT TEST
(service selector)
糸速度
: 25 m/分 レンジ
オブ スケール : 12.5 %
(range of scale)
ツイスター (twister)
: 2000 r.p.m
積分時間 : 2
分また、延伸発生位置と各位置での延伸倍率は、未乾
熱延伸糸に等間隔にカチオン染料で染色マークを付け、
乾熱延伸されている状態を高速度カメラで撮影し、延伸
中の各位置でのマーク間隔を測定し、未乾熱延伸糸のマ
ーク間隔と比較することで求めた。
する。実施例中、繊度斑はウースター斑(U%)として
下記の条件で測定した。 測定装置
: 計測器工業K.K 製 C型
サービス セレクター :
1/2 INERT TEST
(service selector)
糸速度
: 25 m/分 レンジ
オブ スケール : 12.5 %
(range of scale)
ツイスター (twister)
: 2000 r.p.m
積分時間 : 2
分また、延伸発生位置と各位置での延伸倍率は、未乾
熱延伸糸に等間隔にカチオン染料で染色マークを付け、
乾熱延伸されている状態を高速度カメラで撮影し、延伸
中の各位置でのマーク間隔を測定し、未乾熱延伸糸のマ
ーク間隔と比較することで求めた。
【0020】(実施例1)アクリロニトリル93重量%
、酢酸ビニル6.5重量%及びメタリルスルホン酸ソー
ダ0.5重量%からなる共重合体をジメチルアセトアミ
ドに溶解し、共重合体濃度が25重量%の紡糸原液を調
製した。この共重合体0.1gを100mlのジメチル
スルホキシドに溶解した25℃における比粘度は、0.
17であった。この紡糸原液を60℃に保温し、孔直径
0.18mm、孔数40holeからなる紡糸口金より
、紡糸口金表面と凝固浴液面の間隔を7mmに保ち、ジ
メチルアセトアミド70重量%、水30重量%からなる
35℃の凝固浴へ乾湿式紡糸し、糸状形成後、凝固浴か
ら70m/分の速度で引き取り、60℃の温水における
洗浄処理で繊維中の残存ジメチルアセトアミドを0.1
%とした後、95℃の熱水中でもとの長さの3倍に延伸
し、油剤を均一に付与し、140℃の加熱ロールで完全
に乾燥処理を行い、デニールの異なる未乾熱延伸糸を得
た。
、酢酸ビニル6.5重量%及びメタリルスルホン酸ソー
ダ0.5重量%からなる共重合体をジメチルアセトアミ
ドに溶解し、共重合体濃度が25重量%の紡糸原液を調
製した。この共重合体0.1gを100mlのジメチル
スルホキシドに溶解した25℃における比粘度は、0.
17であった。この紡糸原液を60℃に保温し、孔直径
0.18mm、孔数40holeからなる紡糸口金より
、紡糸口金表面と凝固浴液面の間隔を7mmに保ち、ジ
メチルアセトアミド70重量%、水30重量%からなる
35℃の凝固浴へ乾湿式紡糸し、糸状形成後、凝固浴か
ら70m/分の速度で引き取り、60℃の温水における
洗浄処理で繊維中の残存ジメチルアセトアミドを0.1
%とした後、95℃の熱水中でもとの長さの3倍に延伸
し、油剤を均一に付与し、140℃の加熱ロールで完全
に乾燥処理を行い、デニールの異なる未乾熱延伸糸を得
た。
【0021】これらの未乾熱延伸糸を引き続き、図2の
熱ピン11−1,11−2 の半径r1 ,r2 =4
0mm,それぞれの接糸角θ1 ,θ2 =220°,
接糸長LA =307mm、熱板12の曲率半径R=2
000mm,接糸長LB =1000mmであり、FR
10、DR13の表面を鏡面Crメッキ、熱ピン11−
1,11−2 、熱板12の表面を粗度5s の梨地C
rメッキした、延伸装置で、tFR=195℃,tA
=205℃,tB =200℃,tDR=50℃,の条
件で延伸したとき、延伸切れを始める最大延伸倍率(M
ax Draft Ratio ,以下、MDR と称
す。)と、各未乾熱延伸糸を延伸倍率を変えて延伸し、
デニールを等しくした場合の各未乾熱延伸糸と乾熱延伸
後の糸のU%の値の差(U%増加)は表1のとおりであ
った。
熱ピン11−1,11−2 の半径r1 ,r2 =4
0mm,それぞれの接糸角θ1 ,θ2 =220°,
接糸長LA =307mm、熱板12の曲率半径R=2
000mm,接糸長LB =1000mmであり、FR
10、DR13の表面を鏡面Crメッキ、熱ピン11−
1,11−2 、熱板12の表面を粗度5s の梨地C
rメッキした、延伸装置で、tFR=195℃,tA
=205℃,tB =200℃,tDR=50℃,の条
件で延伸したとき、延伸切れを始める最大延伸倍率(M
ax Draft Ratio ,以下、MDR と称
す。)と、各未乾熱延伸糸を延伸倍率を変えて延伸し、
デニールを等しくした場合の各未乾熱延伸糸と乾熱延伸
後の糸のU%の値の差(U%増加)は表1のとおりであ
った。
【0022】(比較例1)実施例1と同様にして得た未
乾熱延伸糸を、実施例1での延伸装置の熱ピン11−1
,11−2 、熱板12を取り外したFR10とDR1
3間のロール間延伸、及び実施例1での延伸装置の熱板
12のみを取り外し、接糸角θ1 ,θ2 で実施例1
と同じ温度条件での熱ピン延伸、実施例1での延伸装置
の熱ピン11−1,11−2 のみを取り外し、図2の
熱板12のVI位置の接線上にI位置が来るようFR1
0の位置を変えた延伸装置により実施例1と同じ温度条
件での熱板延伸をした、それぞれについてのMDR お
よびU%増加は表2〜表4のとおりであった。
乾熱延伸糸を、実施例1での延伸装置の熱ピン11−1
,11−2 、熱板12を取り外したFR10とDR1
3間のロール間延伸、及び実施例1での延伸装置の熱板
12のみを取り外し、接糸角θ1 ,θ2 で実施例1
と同じ温度条件での熱ピン延伸、実施例1での延伸装置
の熱ピン11−1,11−2 のみを取り外し、図2の
熱板12のVI位置の接線上にI位置が来るようFR1
0の位置を変えた延伸装置により実施例1と同じ温度条
件での熱板延伸をした、それぞれについてのMDR お
よびU%増加は表2〜表4のとおりであった。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】(実施例2、比較例2)実施例1と同様に
して得た未乾熱延伸糸No.3を実施例1と同じ延伸装
置で、tFR=180℃,tDR=30℃とし、tA
,tB を変えた場合の、MDR およびN=2.8倍
延伸時(X=1.9)の熱ピン上での延伸倍率とその場
合のU%増加の関係は表5のとおりとなった。
して得た未乾熱延伸糸No.3を実施例1と同じ延伸装
置で、tFR=180℃,tDR=30℃とし、tA
,tB を変えた場合の、MDR およびN=2.8倍
延伸時(X=1.9)の熱ピン上での延伸倍率とその場
合のU%増加の関係は表5のとおりとなった。
【0028】
【表5】
【0029】(実施例3、比較例3)実施例1と同様に
して得た未乾熱延伸糸No.2を実施例1と同じ延伸装
置を使って、tFR=195℃,tDR=50℃,ta
=200℃,tB =200℃とし、熱ピン1の位置
を動かし、接糸角θ1 ,θ2 を変え、N=2.5倍
とした場合(X=1.75)の熱ピン上での延伸倍率と
その場合のU%増加の関係は、表6のとおりとなった。
して得た未乾熱延伸糸No.2を実施例1と同じ延伸装
置を使って、tFR=195℃,tDR=50℃,ta
=200℃,tB =200℃とし、熱ピン1の位置
を動かし、接糸角θ1 ,θ2 を変え、N=2.5倍
とした場合(X=1.75)の熱ピン上での延伸倍率と
その場合のU%増加の関係は、表6のとおりとなった。
【0030】
【表6】
【0031】(実施例4、比較例4)実施例1と同様に
して得た未乾熱延伸糸No.3を図2の熱ピンの接糸角
θ1,θ2 =220℃、熱板の曲率半径R=2000
mm,LB =1000mmとした延伸装置で、tFR
=195℃,tA =205℃,tB=200℃,tD
R=50℃,の条件一定で、熱ピン半径r1,r2 を
変えた時の、LA とMDR の関係、およびN=3.
0倍延伸時(X=2.0)の、熱ピンでの延伸倍率とそ
の場合のU%増加の関係は表7のとおりとなった。
して得た未乾熱延伸糸No.3を図2の熱ピンの接糸角
θ1,θ2 =220℃、熱板の曲率半径R=2000
mm,LB =1000mmとした延伸装置で、tFR
=195℃,tA =205℃,tB=200℃,tD
R=50℃,の条件一定で、熱ピン半径r1,r2 を
変えた時の、LA とMDR の関係、およびN=3.
0倍延伸時(X=2.0)の、熱ピンでの延伸倍率とそ
の場合のU%増加の関係は表7のとおりとなった。
【0032】
【表7】
【0033】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、特にアクリ
ル系繊維の乾熱延伸において、熱ピン、熱板を同時に用
い、特定の延伸条件をとることにより、繊度斑の増大が
極めて小さくできることを見出した点に特徴があり、本
発明に従えば、従来の乾熱延伸法に比べ、高倍率延伸が
可能になり、しかも高倍率延伸をしても繊度斑を小さく
できるという格別顕著な効果を奏する。
ル系繊維の乾熱延伸において、熱ピン、熱板を同時に用
い、特定の延伸条件をとることにより、繊度斑の増大が
極めて小さくできることを見出した点に特徴があり、本
発明に従えば、従来の乾熱延伸法に比べ、高倍率延伸が
可能になり、しかも高倍率延伸をしても繊度斑を小さく
できるという格別顕著な効果を奏する。
【図1】本発明を実施する一般的な延伸装置の全体を示
す概略図である。
す概略図である。
【図2】本発明を実施する典型的な延伸装置を示す概略
図である。
図である。
【図3】本発明における熱ピンの接糸角度の説明図であ
る。
る。
10 FR(フロントローラー)11 熱
ピン 12 熱板 13 BR(延伸ローラー) θ 接糸角
ピン 12 熱板 13 BR(延伸ローラー) θ 接糸角
Claims (1)
- 【請求項1】 速度差をもった給糸ローラーと延伸ロ
ーラー間に、少なくとも1本の熱ピンと少なくとも1個
の熱板とを備えた延伸装置を用い、前記給糸ローラーと
前記延伸ローラーの速度比で表す全延伸倍率をN倍とす
る延伸をなすにあたり、初めに前記熱ピン上で原長に対
する式(1)で表すX倍以上の延伸をした後、引き続き
前記熱板上でN/X倍以下の延伸をし、前記熱ピン上と
前記熱板上で全延伸倍率がN倍となるよう延伸すること
を特徴とするアクリル系繊維の乾熱延伸方法。 X={(N−1)/2}+1
… (1)
(但し、N=給糸ローラー速度/延伸ローラー速度)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2454191A JP2947954B2 (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | アクリル系繊維の乾熱延伸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2454191A JP2947954B2 (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | アクリル系繊維の乾熱延伸方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04263613A true JPH04263613A (ja) | 1992-09-18 |
JP2947954B2 JP2947954B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=12141013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2454191A Expired - Fee Related JP2947954B2 (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | アクリル系繊維の乾熱延伸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2947954B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012073852A1 (ja) | 2010-11-30 | 2012-06-07 | 東レ株式会社 | ポリアクリロニトリル繊維の製造方法および炭素繊維の製造方法 |
-
1991
- 1991-02-19 JP JP2454191A patent/JP2947954B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012073852A1 (ja) | 2010-11-30 | 2012-06-07 | 東レ株式会社 | ポリアクリロニトリル繊維の製造方法および炭素繊維の製造方法 |
US8845938B2 (en) | 2010-11-30 | 2014-09-30 | Toray Industries, Inc. | Polyacrylonitrile fiber manufacturing method and carbon fiber manufacturing method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2947954B2 (ja) | 1999-09-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |