JPS5819766B2 - 炭素繊維用アクリル系繊維の製造法 - Google Patents

炭素繊維用アクリル系繊維の製造法

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JPS5819766B2
JPS5819766B2 JP5686375A JP5686375A JPS5819766B2 JP S5819766 B2 JPS5819766 B2 JP S5819766B2 JP 5686375 A JP5686375 A JP 5686375A JP 5686375 A JP5686375 A JP 5686375A JP S5819766 B2 JPS5819766 B2 JP S5819766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高品質、高性能の炭素繊維を得るためのアク
リロニトリル系(アクリル系)繊維の製造法に関するも
のであり、特に、得られるアクリロニトリル系繊維の表
面状態および分繊性が、炭素繊維の製造工程である焼成
炭素化工程に対して好ましい繊維集合体となるようなア
クリロニトリル系繊維の製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、炭素繊維の製造工程、特に初期酸化工
程において繊維相互間の接着または融着が起りにくく、
また繊維表面に損傷のないアクリロニトリル系繊維を容
易に製造する方法に関するものである。
従来、炭素繊維用前駆体繊維としては種々のものが提案
されているが、特にアクリロニトリル系繊維は優れたも
のとして認められ、特公昭37−4405号公報をはじ
めとして炭素繊維の製造に関し多くの提案がなされてい
る。
これらのうち、連続的に高性能、特に高強度の炭素繊維
を得るには、一般にアクリロニトリル系繊維を200〜
300℃の酸化性雰囲気中で連続的に焼成処理して一旦
耐炎性繊維とし、次いで更に300〜1700°Cの不
活性雰囲気中で連続的に炭素化処理することから成る。
かへる焼成処理において、適度の張力をかげて行なうこ
とが非常に有効であるとされている。
しかしながら高品質、高性能の炭素繊維を得るためには
前駆体繊維であるアクリロニ) IJル系織繊維品質、
性能が満足されなければならない。
前駆体繊維としては種々の要因を具備すべきことが考え
られるが主要なものは(1)高強度、高配向を有する繊
維であること、(2)ボイド、異物などを含まない均質
な繊維であること、(3)耐炎処理において適度の反応
性を有し、処理時間が短縮され得る繊維であること、(
4)耐炎処理において接着または融着などが起らない繊
維集合体であることなどである。
特に(4)に関しては本発明者等の検討によれば、耐炎
処理の初期段階から顕著に観察される現象であり、繊維
の表面状態および繊維集合体の分繊性などが大きな支配
因子である。
耐炎処理における接着または融着は、処理工程における
暴走反応をひきおこし、得られる炭素繊維は接着または
融着し、ざらに繊維表面に損傷をひきおこすので望まし
い性能の炭素繊維が得られない最大の原因となる。
このような焼成処理工程における接着または融着を防止
するための方法として米国特許3508872号には、
繊維表面に微粉末炭素粒子を付着させる方法を、特公昭
38−12375号には、繊維表面を金属、金属酸化物
、塩類、有機金属化合物で被覆し、焼成炭素化後に化学
的または物理的に除去するなどのいくつかの方法が提案
されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも、得られる炭素
繊維表面の損傷を伴ったり、好ましくない異物の残留な
どのために、性能が満足されない欠点を有している。
特に樹脂との複合において、表面損傷あるいは表面付着
の異物は複合材としての大巾な性能低下をもたらす原因
となる。
本発明者等は、このような焼成処理工程における繊維相
互間の接着または融着について鋭意検討した結果、接着
または融着が繊維の表面状態および繊維集合体の分繊性
に大きく支配されることを見出し、さらにこれら特性が
アクリロニトリル系繊維の製造と密接に関連することか
ら、工業的に実施し得る方法として本発明に至ったもの
である。
すなわち焼成処理における接着または融着防止に関して
は従来多くの方法が提案されているが、工業的観点に立
った場合、工程の複雑さ、煩雑さおよび得られる炭素繊
維の品質、性能からみて必ずしも満足すべきものでなか
った。
しかしながら、本発明の方法によれば従来のアクリロニ
トリル系繊維の製造工程と類似したプロセスによって、
炭素繊維用アクリロニトリル系繊維としての要求性能お
よび品質を具備した繊維が工業的に容易に製造し得るの
である。
すなわち本発明は、少なくとも90モル%のアクリロニ
トリルを含有するアクリロニトリル系共重合体の有機溶
剤溶液を該有機溶剤−水系凝固浴を使用して湿式紡糸し
、洗滌、延伸、油剤処理等の後処理を施した後、一旦乾
燥緻密化し、さらに熱水中で1.1〜2.0倍延伸後乾
燥し、さらに必要に応じて常圧スチーム中で0〜4%の
連続緩和収縮処理を施すことを特徴とする炭素繊維用ア
クリロニトリル系繊維の製造法である。
そして前記焼成処理工程における接着または融着の起ら
ないアクリロニトリル系繊維を得るために紡出しだ糸条
を洗滌、延伸し、紡糸油剤を付着させた後、110〜1
40℃でロール乾燥緻密化後さらに熱水中で1.1〜2
.0倍再延伸し、乾燥する工程からなることにその特徴
がある。
延伸、油剤処理、乾燥緻密化後さらに熱水中で低倍率の
延伸を行ない乾燥することによつ工接着または融着が著
るしく改善される理由については必ずしも定かでない所
もあるが、(1)表面付着油剤の1部が熱水中で洗滌除
去されるため油剤成分を介在しての接着が減少する。
(2)一旦ロール乾燥緻密化した繊維束をさらに熱水中
で低倍率の延伸を行なうことによって繊維間のフリーネ
スが増大し、その結果として分繊性が改善される。
(3)また乾燥緻密化後の繊維をさらに熱水中で低倍率
の延伸を行なうことによって繊維表面が接着または融着
し難い状態にもたらされることなどが考えられる。
延伸乾燥糸は熱水中での収縮がいちじるしいので再延伸
が1.1倍以下では、熱水中で繊維束がたるみ、かえっ
て繊維束の平行性を乱し、さらに高強度、高配向の原糸
性能をもいちじるしく低下させるので好ましくない。
また再延伸の延伸性は、すでに実施されている延伸が比
較的大きく、しかも一旦乾燥緻密化されているために2
倍以上の延伸には無理があり、2倍以上延伸すると毛羽
、糸切れの発生を伴うことになるので好ましくない。
そして本発明の目的である原糸の分繊性の向上および耐
炎化処理時の接着又は融着の防止に対しては1.1〜2
.0倍の延伸で充分その効果を発揮し、伺且つ、高強度
、高配向への寄与も犬である。
本発明において使用されるアクリロニ) IJル系共重
合体は、アクリロニトリルを90モル%以上含有するア
クリロニ) IJル共重合性であればよいが、好ましく
は、耐炎化処理における酸化、架橋およびニトリル基の
環化反応を促進し得るような官能基を含有するコモノマ
ーの共重合体が好ましい。
このようなコモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル
メタクリレートのような水酸基含有上ツマ−、アクリル
酸、メタクリル酸のようなカルボキシル基含有モノマー
、ジメチルアミノエチルメタクリレートのような3級又
は4級塩の窒素含有モノマーなどが挙げられる。
コモノマーは1種又はそれ以上用いられてもよく、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、臭化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどのような中性モノマー又はア
リルスルホン酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホ
ン酸などの酸性モノマー又はビニルピリジンなどの塩基
性モノマーを用いることができる。
共重合体中のアクリロニトリルの含有量が90モル%以
下では、耐炎処理時の接着又は融着傾向が増大し、又、
耐炎処理時の張力がか入り難く、高性能の炭素繊維が得
られないと同時に炭素化収率が大巾に低下するので好ま
しくない。
紡糸に用いられる溶剤は、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシドのようなアク
リロニトリル系共重合体を溶解しうる有機溶剤であれば
特に限定はなく、通常のアクリル繊維の製造の場合と同
様に紡糸原液を調製し、紡糸することができる。
炭素繊維用アクリロニトリル系繊維としては1〜2デニ
ールの細繊度の繊維が要請されるので、ノズル孔径0.
06〜0.08mmφのノズルを用いて、紡糸原液の調
製に用いられた有機溶剤−水系凝固浴中に湿式紡糸され
る。
紡出糸は高倍率の延伸操作が可能となるようにゲル凝固
糸を空気中で延伸したり、多段凝固浴延伸などの延伸操
作を加えることが好ましい。
一般にこのようにして得られたゲル凝固糸は通常のアク
リル繊維の製造法と同様に熱水中での洗滌、延伸され、
油剤処理後乾燥緻密化される。
この場合、延伸は通常の衣料用繊維の場合よりも高倍率
の延伸条件が採用され、又油剤処理は、衣料用繊維の場
合と同−又は炭素繊維用アクリロニ) IJル系織繊維
しての目的に合致した油剤を必要最小量付着させるよう
に操作される。
油剤付着は付着斑の生じないように均一に付着させるこ
とが肝要であるが、付着方法としては通常用いられる方
法で充分その目的が達成される。
油剤を付着させた繊維束は緊張下又は多少の収縮を許容
しつつ好ましくは110〜140℃のロール上で乾燥緻
密化され、ボイドなどのない均質な繊維とする。
このようにして乾燥緻密化された繊維は引き続いて熱水
中で1.1〜2.0倍の低倍率延伸を加え、水分除去に
必要な温度で乾燥される。
この場合の乾燥は、緻密化などの目的は必要でなく、単
に水分除去をその目的とする乾燥であるので出来るだけ
低温での乾燥が好ましい。
ここでの乾燥条件が過酷であると熱水中での後延伸によ
って付与した分繊性および耐融着性の改良が乾燥ロール
におけるアイロン効果によって相殺又は減殺される結果
となり、好ましくない。
このようにして得られた繊維束は。そのま〜で高品質、
高性能の炭素繊維が得られる炭素繊維用アクリロニトリ
ル系プレカーサーとしての充分な性能を有しているが、
耐炎処理における張力制御などがより容易であるような
原糸にする必要がある場合には、必要に応じて、常圧ス
チーム中で0〜4%の連続緩和収縮処理を施すことも出
来る。
この場合、緩和率が4%以上ではポリマー組成および紡
糸条件によらず繊維束のたるみが生じる傾向があり、連
続操作性の面から好ましくない。
緩和率O%とは定長下で連続的にスチーム処理すること
を意味し、この場合でもスチーム処理の有無によって耐
炎化工程の張力制御は大きく変ってくる。
凝固浴の条件については、紡糸に用いる有機溶剤の種類
によって決定されるものであり一概にはきめられないが
、炭素繊維用アクリロニ) IJル系織繊維しては、原
糸の繊維形状かはgそのま〜炭素繊維の形状に移行され
るので、断面形状ははg円形に近く、繊維表面も炭素繊
維と樹脂との複合化に当って表面欠陥が生じないような
表面形状であることが好ましく、又、ボイドなどのない
均質で高倍率延伸が可能な紡浴条件を選択する必要があ
る。
さらに紡出糸の洗滌後の延伸についても熱水中での延伸
、乾熱空気中での延伸、あるいは適当な熱媒中での延伸
又はこれらの組み合わせにおいて実施することができる
が、いずれの方法を採るにしても、通常の衣料用アクリ
ル繊維の場合よりも高倍率延伸が安定に可能であり、尚
且つ、原糸の分繊性を著しく損なわない方法を選択する
ことが好ましい。
このような観点からみると熱水中でのカスケード延伸を
基本にして選択するのが好ましい。
このようにして得られた繊維は焼成工程にかけられ、ま
ず=定の張力を与えながら酸素含有雰囲気中で200〜
300℃の温度範囲で予備酸化処理(耐炎化処理)し、
ついで不活性ガス雰囲気巾約1700℃までの温度で焼
成して炭素繊維となし、所望により更に1700°C以
上に加熱して黒鉛化される。
かくして焼成工程において接着又は融着かなく、焼成前
の形状を保持した表面欠陥のない高品質、高性能の炭素
繊維が、比較的短時間に高収率で得られるのである。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、
実施例中の収縮率や糸質を示す%以外の%は特に規定し
ない限り重量%を表わすものとする。
実施例 1 回転数が200〜500r−p−m−の範囲で可変可能
な攪拌機、オーバーフロー管、供給液流入管、N2ガス
導入管を備えた実容積7.51のアルミ製連続重合反応
釜をジャケットに温水を循環させて50℃に保持し、重
合反応釜の平均滞在時間が70分となるように単量体混
合物、重合開始剤水溶液および水を各々の所要量、連続
的に別々の供給管を用いて下記の割合で重合釜に供給し
て重合せしめ、一方連続的に生成重合スラリーを取り出
した。
すなわち、純水3.571 f/h r、アクリロニト
リル96.0%、アクリル酸メチル3.0%、メタクリ
ル酸1.0%の組成を有する単量体混合物を1、072
iP/h r、 K2S 2030.42%、NaH
C031,06%の水溶液を893 f/hr、および
5020.97%、FeSO41,3X10−4%の水
溶液を893 f/h r、夫々連続的に供給した。
この場合の重合系のpHは3.0±0.2に保持される
かくして得られた重合スラリーに重合停止剤水溶液を添
加し、水洗、乾燥後ポリマーを粉砕する3ポリマーの収
率は71.4%であり、アクリロニトリル95.8%、
アクリル酸メチル3.0%、メタクリル酸1.2%、1
00mA’DMFに0.51のポリマーを溶解した25
℃での比粘度が0.202のポリマーが得られた。
前記ポリマーをポリマー濃度21.0%になるようにジ
メチルアセトアミドに溶解し、50℃に保持された紡糸
原液を調製し、1過後、孔径0.075闘φ、孔数20
00のノズルからジメチルアセトアミド70%、水30
%、温度35℃の紡糸浴中に紡出してゲル凝固糸を得た
このゲル凝固糸を98℃熱水中で洗滌延伸する場合、安
定な操業性の得られる最大延伸倍率は6.5倍であった
6,5倍延伸糸に紡糸油剤を付着させて5J/ff1G
のスチームで加熱したロール上で乾燥し、巻取った。
この場合に付着油剤量を0.05%(試料A)、0.1
0%(試料B)および0.20%owf (試料C)
と変更した試料を調製した。
又前記乾燥糸をさらに98℃熱水中で1.2倍延伸し、
2kg/cIiLGのスチームで加熱したロール上で乾
燥し、巻取り前記(ト)、(B)、(C)に相当する試
料(D) j (E) ) (F)G得た。
゛さらに又、前記ゲル凝固糸を空気中で1.5倍室温で
延伸した後、98℃の熱水中で4.7倍延伸した後、前
記と同様に油剤処理、乾燥し試料(G)、(H)。
(I)G得た。
又これら乾燥糸を98℃の熱水中で1.2倍延伸し、2
ゆ/cIILGスチームのロール上で乾燥して試料(、
r) 、 (K) 、’ (L)を得た。
各試料は約1.5デニール、2000本の繊維束である
これら各試料をそのま〜の状態で分繊性(原糸の分繊性
)を判定するとともに、一方、120η/dの荷重をつ
けて管状炉中につり下げ、空気気流中225℃で60分
間モデル耐炎化処理を行なった後、同様に分繊性の判定
を行なった。
ここで225℃で60分間の熱処理で融着性の判定を行
なったのは本文中にも述べたように融着現象は熱処理の
初期段階で殆んど決まり、その後の熱処理によっても大
巾に変わらないという知見にもとづくものである。
分繊性の判定は肉眼観察で行ない、次のように段階的判
定基準によって実施した。
上記各試料の評価結果は第1表の通りであった。
第1表にみられる如く、洗滌、延伸乾燥後の繊維束を熱
水中で1.2倍延伸して得られた繊維は、焼成炭素化工
程を想定したモデル耐炎化処理テストにおいて、優れた
分繊性すなわち軽減された接着または融着傾向を示して
おり、このことは本発明の方法は炭素繊維用アクリル系
繊維の製造方式として優れた製造方式であることを示し
ている。
又、ゲル凝固糸の空中延伸は、全延伸倍率を高める上に
効果的であり、高強度、高配向の炭素繊維用アクリロニ
) IJル系織繊維製造方式として優れた延を申プロセ
スである。
実施例 2 実施例1と同様に紡出したゲル凝固糸をたgちに空気中
で1.5倍延伸後、98°Cの熱水中で4.72倍の洗
滌・延伸を行なった後、カチオン帯電防止剤30%、ノ
ニオン平滑剤60%、カチオン柔軟剤10%からなる油
剤水分散液0.1%owfを浸漬方式で付着させ、5k
g/cI?LGのスチームロール上で緊張乾燥した。
この乾燥糸をさらに連続的に98°C熱水中で1.2倍
延伸し、2に9/cI?LGのスチームロール上で緊張
乾燥を行ない、引き続き常圧スチームボックス中で2%
の収縮を許しつつ緩和させて巻き取った。
得られた原糸は全延伸倍率8.5倍で1.4デニール、
2000フイラメントの繊維束であり、乾強度5.9f
/d、乾伸度12.5%、繊度変動率6.0%、強度変
動率7.0%であり、分繊性の判定基準は6で優れた分
繊性を有している。
この原糸を定長下で220〜245℃に昇温させながら
空気気流中で2.5時間連続的に耐炎化処理することに
よって比重1.40の耐炎化繊維を得た。
この耐炎化繊維を320〜1500℃に段階的に昇温可
能なN2ガス雰囲気中で炭素化を12分間にわたって連
続的に行なうことによって、比重1.72.25龍試長
での単繊維強度245 kg/m1M1弾性率23.5
ton/−の分繊性良好でしなやかな炭素繊維を得た
比較例 1 紡出、洗滌、延伸、乾燥までは実施例2と同様にして得
た乾燥糸を、熱水後延伸を省略して、5kg/ff1G
スチームロール上での緊張乾燥後たgちに常圧スチーム
ボックス中で2%の収縮緩和を施し、巻き取った原糸を
、実施例2と同様に焼成炭素化を行なった。
炭素化後得られた炭素繊維は部分的に接着がみられた(
判定基準4)。
この接着のために、2000フイラメントの炭素繊維を
試技200mmでトウテストを行なってみると、実施例
2で得られた炭素繊維は、応力〜歪曲線がシャープな1
山の形となり、7.5 y/aのトウ強度を示したのに
対して、熱水後延伸を省略した本比較例で得た炭素繊維
はブロードな2山の形となり、3.5fI/dのトウ強
度の値しか得られず、明らかに接着又は融着のために炭
素繊維性能が劣っていた。
実施例 3 実施例1と同様に紡糸したゲル凝固糸を空気中で1.5
倍延伸した後、98℃熱水中で3.5倍の洗滌・延伸を
行ない、油剤付与後5kg/iGのスチームで加熱され
たロール上で緊張乾燥した。
この乾燥糸を引き続き180°Cに加熱したロール上を
通して予熱後ロール間で1.5倍乾燥延伸を行ない、さ
らに98℃熱水中で1.2倍の延伸を行なって2kg/
ff1Gのスチーム加熱ロール上で緊張乾燥し、巻き取
った。
この場合の全延伸倍率は9.45倍であり、繊度1.3
デニール、乾強度6.8f/dの繊維束が得られた。
この原糸に耐炎化処理工程で3%の収縮を与えて実施例
2と同様に焼成炭素化し、試技200mmでのトウ強度
9.55’/dでシャープな1山の応力−歪曲線を有す
る炭素繊維トウを得た。
この炭素繊維の単繊維性能は、引張り強度275kg/
ma、弾性率24.5 ton/−であった。
一方、前記工程において熱水中での後延伸を省略したも
のは、原糸の分繊性もやへ劣り(判定基準5)、又得ら
れた炭素繊維は接着が多く認められ(判定基準3)、ト
ウテストの結果も劣っていた。
実施例 4 アクリロニトリル95%、メチルアクリレート4%、イ
タコン酸1%、比粘度(0,1S’ポリマーの100T
rLlDMF溶液、25°G)0.190のアクリロニ
トリル系ポリマーを、レドックス触媒を用いた水系懸濁
重合によって調製した。
このポリマーを固形分濃度22%になるようにジメチル
アセトアミドに溶解した紡糸原液を調製し、孔径0,0
8朋、孔数5000のノズルからジメチルアセトアミド
68%、水32%、温度35℃の紡浴中に紡出した。
凝固糸を沸水中で5倍の洗滌・延伸を行ない、紡糸油剤
を゛付着後、付着水分をロールでしぼった後、ラビリン
スでシールした3kg/cyrtの加圧スチーマ−中で
2.5倍の延伸を施し、1200Cのロール上で緊張下
乾燥緻密化処理を行なった。
そしてさらに連続的に沸水中で1.15倍の延伸を行な
い、常圧スチームボックス中で2%の緩和収縮処理をほ
どこして巻取った。
このようにして得られたアクリロニトリル系繊維は実施
例2と同様に焼成炭素化することによって接着又は融着
のないトウ強度10.5f/d(試技200mm)の炭
素繊維束が得られた。
しかしながら、前記プロセスから節水後延伸を除いた工
程によって得られた繊維束は分繊性が劣り(判定基準4
〜5)、焼成炭素化後得られた炭素繊維にも接着が認め
られた(判定基準4)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 少なくとも90モル%のアクリロニトリルを含有す
    るアクリロニトリル系共重合体の有機溶剤溶液を該有機
    溶剤−水系凝固浴中に湿式紡糸し、洗滌、延伸、油剤処
    理等の処理を施し、一旦乾燥緻密化後、さらに熱水中で
    1.1〜2.0倍の延伸を行ない、乾燥し、さらに必要
    に応じて常圧スチーム中で0〜4%の連続収縮緩和処理
    を施こすことを特徴とする高強度、高配向で良好な分繊
    性を有する炭素繊維用アクリル系繊維の製造法。
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