JP3073087B2 - アクリル系中空フィラメント及びその製造方法 - Google Patents
アクリル系中空フィラメント及びその製造方法Info
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- JP3073087B2 JP3073087B2 JP04021332A JP2133292A JP3073087B2 JP 3073087 B2 JP3073087 B2 JP 3073087B2 JP 04021332 A JP04021332 A JP 04021332A JP 2133292 A JP2133292 A JP 2133292A JP 3073087 B2 JP3073087 B2 JP 3073087B2
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- fiber
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- acrylic
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- Artificial Filaments (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な捲縮特性を有する
アクリル系フィラメント、特に単一のアクリル系重合体
により優れた捲縮を発現させることが可能なアクリル系
中空フィラメントに関する。
アクリル系フィラメント、特に単一のアクリル系重合体
により優れた捲縮を発現させることが可能なアクリル系
中空フィラメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2種以上のアクリル系重合体を複
合口金によりバイメタル状あるいは芯鞘状に接合して得
られる複合繊維は、特異かつ優れた捲縮発現能を有し、
その嵩高性を生かすべく、セ−タ−等の衣料用やフトン
綿用など種々の分野に広く利用されている。
合口金によりバイメタル状あるいは芯鞘状に接合して得
られる複合繊維は、特異かつ優れた捲縮発現能を有し、
その嵩高性を生かすべく、セ−タ−等の衣料用やフトン
綿用など種々の分野に広く利用されている。
【0003】しかしながら、本複合技術は技術上、少な
くとも2種の重合体を接合するために必要な複合紡糸口
金や装置自体が複雑、高価であるためにコスト面等で問
題があった。
くとも2種の重合体を接合するために必要な複合紡糸口
金や装置自体が複雑、高価であるためにコスト面等で問
題があった。
【0004】更に、重合体の組み合わせにより重合体間
の剥離が発生したり、各単繊維中の重合体成分比率のバ
ラツキが発生し、工程上毛羽や糸切れの発生や、製品品
位上、捲縮特性の斑や染め斑が発生するという問題点が
あった。
の剥離が発生したり、各単繊維中の重合体成分比率のバ
ラツキが発生し、工程上毛羽や糸切れの発生や、製品品
位上、捲縮特性の斑や染め斑が発生するという問題点が
あった。
【0005】一方、中空糸については、特公昭46−1
7302号公報、特開昭54−15029号公報等のよ
うな特殊なスリット状ノズルを用いて乾湿式法によりア
クリル系中空フィラメントを得る方法等が開示されてい
るが、その目的とするところは、いずれも軽量感、保温
性等の機能を付与することにあり、本発明の目的とする
捲縮発現性を改善するために中空糸を利用した検討は見
い出されていない。
7302号公報、特開昭54−15029号公報等のよ
うな特殊なスリット状ノズルを用いて乾湿式法によりア
クリル系中空フィラメントを得る方法等が開示されてい
るが、その目的とするところは、いずれも軽量感、保温
性等の機能を付与することにあり、本発明の目的とする
捲縮発現性を改善するために中空糸を利用した検討は見
い出されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、中空断
面を呈するアクリル系フィラメントを製造するに際し、
断面形状及び乾熱延伸方法等を鋭意検討した結果、特定
の中空断面形状の糸条に乾熱延伸を施す際、加熱した直
後に一方向より冷却することにより、優れた捲縮特性を
発現させることが可能であることを見い出し、本発明に
到達したものである。
面を呈するアクリル系フィラメントを製造するに際し、
断面形状及び乾熱延伸方法等を鋭意検討した結果、特定
の中空断面形状の糸条に乾熱延伸を施す際、加熱した直
後に一方向より冷却することにより、優れた捲縮特性を
発現させることが可能であることを見い出し、本発明に
到達したものである。
【0007】すなわち、本発明の目的とするところは、
複雑な複合紡糸によらず、単一な重合体の使用だけでも
優れた捲縮発現能を有する中空アクリル系フィラメント
及びその製造方法を提供することにある。
複雑な複合紡糸によらず、単一な重合体の使用だけでも
優れた捲縮発現能を有する中空アクリル系フィラメント
及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、繊維横断面の中央部に、繊維長さ方向にフィラメ
ントの全断面積の5〜50%に相当する連続した空洞を
有し、且つ沸水処理時に発現する捲縮数が、インチ当た
り10〜40個であることを特徴とするアクリル系中空
フィラメントを第1の発明とし、アクリル系重合体紡糸
原液を紡糸ノズルより一旦空気中または不活性気体中に
押し出して、繊維横断面の中央部に、繊維長さ方向に連
続した空洞を有する糸条を形成した後に、該糸条を原液
用溶媒と水を主とする紡糸浴中に導くことにより凝固
し、次いで洗浄、湿熱延伸、乾燥処理した後に、更に延
伸倍率2〜10倍で乾熱延伸してアクリル系中空繊維を
製造する際に、乾熱延伸工程で糸条を180〜230℃
にて加熱後、直ちに繊維走行方向に垂直な一方向より冷
却することにより、フィラメントの全断面積の5〜50
%に相当する連続する空洞を有し、且つ沸水処理時に発
現する捲縮数が、インチ当たり10〜40個とすること
を特徴とするアクリル系中空フィラメントの製造方法を
第2の発明とするものである。
ろは、繊維横断面の中央部に、繊維長さ方向にフィラメ
ントの全断面積の5〜50%に相当する連続した空洞を
有し、且つ沸水処理時に発現する捲縮数が、インチ当た
り10〜40個であることを特徴とするアクリル系中空
フィラメントを第1の発明とし、アクリル系重合体紡糸
原液を紡糸ノズルより一旦空気中または不活性気体中に
押し出して、繊維横断面の中央部に、繊維長さ方向に連
続した空洞を有する糸条を形成した後に、該糸条を原液
用溶媒と水を主とする紡糸浴中に導くことにより凝固
し、次いで洗浄、湿熱延伸、乾燥処理した後に、更に延
伸倍率2〜10倍で乾熱延伸してアクリル系中空繊維を
製造する際に、乾熱延伸工程で糸条を180〜230℃
にて加熱後、直ちに繊維走行方向に垂直な一方向より冷
却することにより、フィラメントの全断面積の5〜50
%に相当する連続する空洞を有し、且つ沸水処理時に発
現する捲縮数が、インチ当たり10〜40個とすること
を特徴とするアクリル系中空フィラメントの製造方法を
第2の発明とするものである。
【0009】本発明におけるアクリロニトリル系重合体
は、アクリル繊維用のアクリロニトリル系重合体であれ
ば何ら制限を受けるものではなく、ポリアクリロニトリ
ル、アクリロニトリルと他の共重合可能な単量体との共
重合体、及びこれらの混合物を目的に応じて任意に選べ
ば良い。
は、アクリル繊維用のアクリロニトリル系重合体であれ
ば何ら制限を受けるものではなく、ポリアクリロニトリ
ル、アクリロニトリルと他の共重合可能な単量体との共
重合体、及びこれらの混合物を目的に応じて任意に選べ
ば良い。
【0010】アクリロニトリルと共重合される他の共重
合可能な単量体の具体例としては、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル酸エステル類、
酢酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルピリジン等の芳香族ビニル単量体、
(メタ)アクリルアミド等の末端アミド基含有ビニル単
量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有ビ
ニル単量体、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルベンゼ
ンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニル単量体及びそ
の塩類、等が挙げられ、単独又は2種以上の混合物で使
用される。
合可能な単量体の具体例としては、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル酸エステル類、
酢酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルピリジン等の芳香族ビニル単量体、
(メタ)アクリルアミド等の末端アミド基含有ビニル単
量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有ビ
ニル単量体、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルベンゼ
ンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニル単量体及びそ
の塩類、等が挙げられ、単独又は2種以上の混合物で使
用される。
【0011】また、アクリロニトリリル系重合体を得る
ための重合法としては、特に限定されるものではなく、
懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の公知の方法を使用す
ることができ、目的に応じて任意に選択すれば良い。
ための重合法としては、特に限定されるものではなく、
懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の公知の方法を使用す
ることができ、目的に応じて任意に選択すれば良い。
【0012】本発明においては、アクリロニトリル系重
合体の重合度は特に限定されるものではないが、重合体
の比粘度(重合体0.1gを0.1Nのロダンソ−ダを
含有するジメチルホルムアミド100mlに溶解したも
のを25℃で測定した値)で0.10〜0.30のもの
を使用するのが繊維強度の点で好ましい。
合体の重合度は特に限定されるものではないが、重合体
の比粘度(重合体0.1gを0.1Nのロダンソ−ダを
含有するジメチルホルムアミド100mlに溶解したも
のを25℃で測定した値)で0.10〜0.30のもの
を使用するのが繊維強度の点で好ましい。
【0013】アクリロニトリル系重合体紡糸原液を調整
するために使用される溶媒としては、通常のアクリル系
繊維を製造する際に使用される溶剤を目的に応じて選択
することができ、具体例として、例えばジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド
等の有機溶媒、又は硝酸、ロダン塩水溶液、塩化亜鉛水
溶液等の無機溶媒が挙げられる。
するために使用される溶媒としては、通常のアクリル系
繊維を製造する際に使用される溶剤を目的に応じて選択
することができ、具体例として、例えばジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド
等の有機溶媒、又は硝酸、ロダン塩水溶液、塩化亜鉛水
溶液等の無機溶媒が挙げられる。
【0014】上記紡糸原液は、紡糸ノズルより一旦空気
または不活性ガス中に押し出した後に、該糸条を原液用
溶媒と水を主とする紡糸浴中に導いて凝固糸得る方法で
ある、乾湿式紡糸法によって紡糸される。
または不活性ガス中に押し出した後に、該糸条を原液用
溶媒と水を主とする紡糸浴中に導いて凝固糸得る方法で
ある、乾湿式紡糸法によって紡糸される。
【0015】本発明においては、目的とする中空率を有
するフィラメントが得られるものであれば紡糸ノズル形
状、紡糸浴条件は特に限定されない。
するフィラメントが得られるものであれば紡糸ノズル形
状、紡糸浴条件は特に限定されない。
【0016】紡糸ノズルの具体例としては、例えば特開
昭54−15029号公報等に開示されているような、
スリット状のノズルの開孔部によって包囲される内部非
開孔部と外部非開孔部とが、開孔部を横切る2個以上の
非開孔部によって連結されているような孔形状を有する
ノズルが挙げられる。
昭54−15029号公報等に開示されているような、
スリット状のノズルの開孔部によって包囲される内部非
開孔部と外部非開孔部とが、開孔部を横切る2個以上の
非開孔部によって連結されているような孔形状を有する
ノズルが挙げられる。
【0017】該ノズルの典型的な孔形状の概念図を第1
図に示した。また、通常紡糸に使用されるノズルとして
は、上記の様な形状を有する孔を、例えば第2図に示す
ように、円弧状に、少なくとも1列に複数個形成させた
もので代表されるように、複数個の孔を有するものが使
用される。
図に示した。また、通常紡糸に使用されるノズルとして
は、上記の様な形状を有する孔を、例えば第2図に示す
ように、円弧状に、少なくとも1列に複数個形成させた
もので代表されるように、複数個の孔を有するものが使
用される。
【0018】また、紡糸浴条件の具体例としては、例え
ば、溶剤としてジメチルアセトアミドを用いた場合、紡
糸浴温度0〜40℃、溶剤濃度10〜85%とする条件
が挙げられる。
ば、溶剤としてジメチルアセトアミドを用いた場合、紡
糸浴温度0〜40℃、溶剤濃度10〜85%とする条件
が挙げられる。
【0019】本発明においては、得られた凝固糸はフィ
ラメント中の溶剤分を低減、除去するために洗浄処理さ
れる。
ラメント中の溶剤分を低減、除去するために洗浄処理さ
れる。
【0020】洗浄処理条件としては特に限定されるもの
ではなく、一般のアクリル系フィラメントの洗浄条件を
適用することができ、例えば50〜100℃の温水中に
て、フィラメント中の溶剤分が通常1%以下になるまで
洗浄処理すればよい。
ではなく、一般のアクリル系フィラメントの洗浄条件を
適用することができ、例えば50〜100℃の温水中に
て、フィラメント中の溶剤分が通常1%以下になるまで
洗浄処理すればよい。
【0021】本発明においては、洗浄後湿熱延伸され
る。その条件は特に限定されるものではなく、目的に応
じて任意に設定することが出来るが、延伸性の点から8
0〜100℃の温水中にて2倍以上延伸することが好ま
しい。
る。その条件は特に限定されるものではなく、目的に応
じて任意に設定することが出来るが、延伸性の点から8
0〜100℃の温水中にて2倍以上延伸することが好ま
しい。
【0022】湿熱延伸処理後、糸条は乾燥処理される
が、必要に応じて乾燥処理の前に、後続の熱処理におけ
る繊維間の融着や糸条ガイドとの摩擦を低下させるため
に油剤付与処理を施しても良い。
が、必要に応じて乾燥処理の前に、後続の熱処理におけ
る繊維間の融着や糸条ガイドとの摩擦を低下させるため
に油剤付与処理を施しても良い。
【0023】乾燥処理条件は特に限定されるものではな
く、通常のフィラメントの乾燥条件を適用することがで
き、例えば、120〜180℃の乾燥ロールで乾燥すれ
ば良い。
く、通常のフィラメントの乾燥条件を適用することがで
き、例えば、120〜180℃の乾燥ロールで乾燥すれ
ば良い。
【0024】本発明においては、次いで延伸倍率2〜1
0倍で乾熱延伸処理が施される。延伸倍率が2倍より低
い場合、充分な強度が得られず、また捲縮の発現力も弱
くなるので好ましくない。一方、延伸倍率が10倍を超
えると、糸切れが発生し易くなることから好ましくな
い。
0倍で乾熱延伸処理が施される。延伸倍率が2倍より低
い場合、充分な強度が得られず、また捲縮の発現力も弱
くなるので好ましくない。一方、延伸倍率が10倍を超
えると、糸切れが発生し易くなることから好ましくな
い。
【0025】本発明における乾熱延伸方法としては、糸
条を180〜230℃にて加熱後、直ちに繊維走行方向
に垂直な一方向より冷却することが必要である。
条を180〜230℃にて加熱後、直ちに繊維走行方向
に垂直な一方向より冷却することが必要である。
【0026】乾熱延伸時の加熱温度が180℃よりも低
い場合、充分に昇温されず、糸切れが発生し易く、好ま
しくない。一方、加熱温度が230℃を超えると、糸が
着色するといった問題が生じ、好ましくない。
い場合、充分に昇温されず、糸切れが発生し易く、好ま
しくない。一方、加熱温度が230℃を超えると、糸が
着色するといった問題が生じ、好ましくない。
【0027】上記の加熱手段としては特に限定されるも
のではなく、通常の加熱方法が使用でき、例えば、熱ピ
ン等による加熱方法が挙げられる。
のではなく、通常の加熱方法が使用でき、例えば、熱ピ
ン等による加熱方法が挙げられる。
【0028】180〜230℃に加熱されたフィラメン
トは、直ちに冷却板等にて繊維走行方向に垂直な一方向
より選択的に冷却される。
トは、直ちに冷却板等にて繊維走行方向に垂直な一方向
より選択的に冷却される。
【0029】上記乾熱延伸処理装置の具体例を第3図に
示した。供糸ローラー(3)から供糸されたフィラメン
トは、延伸熱ピン(1)にて加熱され、その直後に冷却
板(2)により冷却され、引取りローラー(4)で引き
取られる。
示した。供糸ローラー(3)から供糸されたフィラメン
トは、延伸熱ピン(1)にて加熱され、その直後に冷却
板(2)により冷却され、引取りローラー(4)で引き
取られる。
【0030】本発明にて重要な点は、上記乾熱延伸工程
において積極的に冷却を施さない場合、目的とする捲縮
発現を示さないことである。
において積極的に冷却を施さない場合、目的とする捲縮
発現を示さないことである。
【0031】この理由は定かではないが、各フィラメン
トにおいて冷却板との接触部と非接触部との間で熱履歴
の差が生じ、沸水処理時に収縮率の差として優れた捲縮
が発現するものと推定される。
トにおいて冷却板との接触部と非接触部との間で熱履歴
の差が生じ、沸水処理時に収縮率の差として優れた捲縮
が発現するものと推定される。
【0032】また、上記冷却を施こした場合でも、各フ
ィラメントの繊維断面形状が中空を呈さない場合及び該
中空部の占有率が5%未満の場合、目的とする捲縮発現
を示さない。
ィラメントの繊維断面形状が中空を呈さない場合及び該
中空部の占有率が5%未満の場合、目的とする捲縮発現
を示さない。
【0033】本現象の機構等詳細は不明だが、中空部内
の空気の断熱効果によるものと推察される。繊維断面中
の中空部の占有率は5〜50%が好ましい。更に好まし
くは8〜30%である。逆に占有比率が50%を超える
場合、巻き取り時のケバの発生し易く、好ましくない。
の空気の断熱効果によるものと推察される。繊維断面中
の中空部の占有率は5〜50%が好ましい。更に好まし
くは8〜30%である。逆に占有比率が50%を超える
場合、巻き取り時のケバの発生し易く、好ましくない。
【0034】乾熱延伸処理されたフィラメントは、通常
追油された後に巻き取られる。
追油された後に巻き取られる。
【0035】以上のようにして得られたフィラメント
は、沸水処理を施すことによりインチ当たり10〜40
ケの高い捲縮発現性を有するものとすることが可能とな
る。
は、沸水処理を施すことによりインチ当たり10〜40
ケの高い捲縮発現性を有するものとすることが可能とな
る。
【0036】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中の捲縮数の測定方法はJIS規格
L−1015に準ずる。
明する。尚、実施例中の捲縮数の測定方法はJIS規格
L−1015に準ずる。
【0037】
<実施例−1>アクリロニトリル単位92.8重量%、
酢酸ビニル単位6.95重量%、メタリルスルホン酸ソ
−ダ単位0.25重量%からなる比粘度0.174
(0.1%DMF溶液、25℃測定)のアクリル系共重
合体をジメチルホルムアミドに溶解し、固形分濃度25
%の原液を調整した。
酢酸ビニル単位6.95重量%、メタリルスルホン酸ソ
−ダ単位0.25重量%からなる比粘度0.174
(0.1%DMF溶液、25℃測定)のアクリル系共重
合体をジメチルホルムアミドに溶解し、固形分濃度25
%の原液を調整した。
【0038】この紡糸原液を、第1図に示す孔形状を有
する、第2図に示す孔数15の紡糸口金より吐出し、5
mmの空気層を経て、ジメチルアセトアミド73.5重
量%、水26.5重量%からなる40℃の凝固浴へ乾湿
式紡糸し、糸条形成後、凝固浴から引き取り60℃の温
水で洗浄した後、沸水にて3倍に湿熱延伸し、油剤を均
一に付着させ、140℃の乾燥ロ−ルで、完全に乾燥し
た。
する、第2図に示す孔数15の紡糸口金より吐出し、5
mmの空気層を経て、ジメチルアセトアミド73.5重
量%、水26.5重量%からなる40℃の凝固浴へ乾湿
式紡糸し、糸条形成後、凝固浴から引き取り60℃の温
水で洗浄した後、沸水にて3倍に湿熱延伸し、油剤を均
一に付着させ、140℃の乾燥ロ−ルで、完全に乾燥し
た。
【0039】引き続いて第3図に示す装置を用い、熱ピ
ンを200℃に、冷却板は室温とし、両者間にて2倍に
延伸しつつ糸条を通過させ、追油を施した後巻き取っ
た。
ンを200℃に、冷却板は室温とし、両者間にて2倍に
延伸しつつ糸条を通過させ、追油を施した後巻き取っ
た。
【0040】得られたフィラメントの単繊維デニ−ルは
5.0dであり、繊維断面中の中空部占有率は10%、
沸水処理後の捲縮数は1インチ当たり25ケであった。
5.0dであり、繊維断面中の中空部占有率は10%、
沸水処理後の捲縮数は1インチ当たり25ケであった。
【0041】<比較例−1>実施例−1の乾熱延伸工程
において、糸条を冷却板に接触させない他は実施例−1
と同様にしてフィラメントを得た。得られたフィラメン
トの単繊維デニ−ルは5.0dであり、繊維断面中の中
空部占有率は10%であったが、沸水処理後の捲縮の発
現は認められなかった。
において、糸条を冷却板に接触させない他は実施例−1
と同様にしてフィラメントを得た。得られたフィラメン
トの単繊維デニ−ルは5.0dであり、繊維断面中の中
空部占有率は10%であったが、沸水処理後の捲縮の発
現は認められなかった。
【0042】<比較例−2>実施例−1の紡糸工程にお
いて、通常の丸断面形状を有する孔数15の紡糸口金を
用いて紡糸して得られたフィラメントの単繊維デニ−ル
は5.0dであり、繊維断面形状は丸断面であり、沸水
処理後の捲縮の発現は認められなかった。
いて、通常の丸断面形状を有する孔数15の紡糸口金を
用いて紡糸して得られたフィラメントの単繊維デニ−ル
は5.0dであり、繊維断面形状は丸断面であり、沸水
処理後の捲縮の発現は認められなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明のフィラメントは、従来のアクリ
ル系フィラメントでは得られなかった優れた捲縮発現能
性を有することから、中空糸独特の軽量感と合わせて嵩
高性を要求される衣料分野等への展開が期待され、その
産業上の意義は大きい。
ル系フィラメントでは得られなかった優れた捲縮発現能
性を有することから、中空糸独特の軽量感と合わせて嵩
高性を要求される衣料分野等への展開が期待され、その
産業上の意義は大きい。
【図1】紡糸ノズルの孔形状を示す概念図である。
【図2】紡糸ノズルにおけるノズル位置を示す概念図で
ある。
ある。
【図3】本発明における乾熱延伸装置の1実施例を示す
図である。
図である。
A 開孔部 B 外部非開孔部 C 連結部 D 内部非開孔部 E ノズル孔 1 熱ピン 2 冷却板 3 供糸ローラー 4 引取りローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/18 D01D 5/24 D01F 6/38
Claims (2)
- 【請求項1】繊維横断面の中央部に、繊維長さ方向にフ
ィラメントの全断面積の5〜50%に相当する連続した
空洞を有し、且つ沸水処理時に発現する捲縮数が、イン
チ当たり10〜40個であることを特徴とするアクリル
系中空フィラメント。 - 【請求項2】アクリル系重合体紡糸原液を紡糸ノズルよ
り一旦空気中または不活性気体中に押し出して、繊維横
断面の中央部に、繊維長さ方向に連続した空洞を有する
糸条を形成した後に、該糸条を原液用溶媒と水を主とす
る紡糸浴中に導くことにより凝固し、次いで洗浄、湿熱
延伸、乾燥処理した後に、更に延伸倍率2〜10倍で乾
熱延伸してアクリル系中空繊維を製造する際に、乾熱延
伸工程で糸条を180〜230℃にて加熱後、直ちに繊
維走行方向に垂直な一方向より冷却することにより、フ
ィラメントの全断面積の5〜50%に相当する連続する
空洞を有し、且つ沸水処理時に発現する捲縮数が、イン
チ当たり10〜40個とすることを特徴とするアクリル
系中空フィラメントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04021332A JP3073087B2 (ja) | 1992-02-06 | 1992-02-06 | アクリル系中空フィラメント及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04021332A JP3073087B2 (ja) | 1992-02-06 | 1992-02-06 | アクリル系中空フィラメント及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05222608A JPH05222608A (ja) | 1993-08-31 |
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