JPH0426066Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシヤワーを備えた洗面化粧台・流し台
等の家具に関するものである。

〔従来の技術〕

シヤワーを備えた洗面化粧台は、洗面器上面或
いは洗面器後部に立設した化粧鏡ユニツトにシヤ
ワーヘツドを引出し自在に取付けると共にこのホ
ースを洗面器或いは化粧鏡ユニツトに開穿した挿
通孔をガイドとしてキヤビネツト内において湯水
混合栓に接続し、切替ハンドルの操作によつてシ
ヤワーヘツド或いはスパウトからの給水を遂行す
るようになつている。このシヤワーヘツドに接続
するホースは洗髪利用者の引出し行為に対応すべ
くキヤビネツト内においてＵ字状の弛み部が設け
られ、この弛み部の機能によつて抵抗なくシヤワ
ーヘツドの引出しが行なえるようになつている。

また、流し台においてもシンク周縁に引出し自
在にシヤワーヘツドを備えたものがある。

しかし、現実的にシヤワー使用時に飛散した水
滴が、ホースを伝わつて前記挿通孔を通過しキヤ
ビネツト内の前記ホース弛み部に至ることは防止
できず、その弛み部下端からキヤビネツトの底面
に水（飛散水）が滴下する為、キヤビネツト内を
不潔で且つ不衛生にする、キヤビネツトの耐久性
の劣化を招く等の不具合を惹起させる。

斯様な不具合を解決する為に、キヤビネツトの
カウンター下に、前記ホースの弛み部を収容する
シヤワーホース収容体を配設したものが知られて
いる（実開昭61−206767号公報）。

この先行技術では全高に渡つて同幅とする偏平
状縦長の収容用凹部を有するシヤワーホース収容
体をキヤビネツトの背板にフツクで吊持した構造
になつている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記する先行技術では引出し行為によ
つて収容用凹部の開放縁にホースが接触すると、
ホースを伝う水滴がシヤワーホース収容体の外面
を伝つてキヤビネツトの底面に滴下し、キヤビネ
ツト内を不潔で且つ不衛生にしてしまう。

本考案は上記従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処はホースを伝う水滴をキヤ
ビネツト内に滴下させずに確実に集水できると共
に安定したトレーの支持構造を有する洗面化粧
台・流し台等の家具を提供することにある。

〔課題を解決する為の手段〕

上記技術的課題を達成する為に講じた技術的手
段は上向きで且つ外向きな傾斜面をトレーの開放
端に形成すると共に、キヤビネツト内の背板に横
設した後横桟を収容する凹部をトレー後壁部の上
域部に凹設してなり、上記後横桟に凹部を取付け
て、同凹部よりも下位のトレーの後壁部部分を前
記背板に当接させたことを要旨とする。

〔作用〕

上記技術的手段によれば、上向きで且つ外向き
な傾斜面を、トレーの開放端に形成すると共に、
キヤビネツト内の背板に横設した後横桟を収容す
る凹部をトレー後壁部の上域部に凹設した結果、
トレー開放端にホースが接触しない上、後横桟を
傾斜面が覆い、且つ上記凹部よりも下位のトレー
部分をキヤビネツトの背板に安定的に接触させ
る。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、構成したので下記の利
点がある。

(1) トレーの開放端に上向き且つ外向きの傾斜面
の形成したことにより、トレーの開放端でトレ
ーとホースとが接触することがなくなつた。

そのため、ホースを伝わる水がトレーの外を
伝わつてキヤビネツトの底板に落ちることがな
くなり、キヤビネツト内部の衛生及び強度を保
つことができる。

(2) トレー後部の傾斜面がキヤビネツトの後横桟
の上面を覆い、ホースを伝わる水がキヤビネツ
トの後横桟に滴下することがなくなるので、ト
レーの取付部が腐食することがなくなり、トレ
ーが落下してしまう心配もない。

(3) トレー上域部に設けた凹部でキヤビネツトの
後横桟を覆うようにして、そのトレーをキヤビ
ネツトに取付けて、トレーの後壁部をキヤビネ
ツトの背板に当接させたので、ホースが接触し
てもトレーが揺動することがなく、安定した取
付状態が得られる。

〔実施例〕 次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

この実施例は第１図に示す如く、架台ａ２と、
化粧鏡ａ３とを一体的に形成した、化粧鏡ユニツ
トａ４を、後部上面に立設した洗面化粧台Ａのキ
ヤビネツトａ１内に、トレーＢを配設した場合を
示すものである。

この洗面化粧台Ａは、前面に開閉自在な扉７を
有するキヤビネツトａ１と、その上面に配設した
洗面器８とからなつており、その洗面器８の前端
をキヤビネツトａ１の前面より前方へ突出させる
ことによつて洗髪を行ない易くし、洗面器８の後
部上壁８″に湯水混合栓３が取付けられている。

化粧鏡ユニツトａ４を構成する架台ａ２は、合
成樹脂やその他の所望な材料によつて前面を開口
する箱形状に形成され、その前面の適宜高さ位
置、詳しくは使用者が洗面時或いは洗髪時に洗面
器８のボウル部８′内に頭を入れても頭が後述す
るシヤワーヘツド２に当たらない高さ位置を膨出
形成して、その上面を約45度に傾斜させると共に
該傾斜面９の中央に通孔１０を開穿し、その通孔
１０周縁にシヤワーヘツド２の基端部２′を引出
し自在に挿着する取付筒１１を設け、この取付筒
１１でそのシヤワーヘツド２を位置決めするよう
になす。

また、この化粧鏡ユニツトａ４はシヤワーヘツ
ド２の取付け位置を洗面器８に対し、後方へ配置
させると共に、前記湯水混合栓３とシヤワーヘツ
ド２とを連絡する可撓性ホース１の挿通スペース
として機能する突出部１２を、下端後部に突出状
に有し、前記洗面器８の上端後面に、その突出部
１２を嵌め合わせることによつて洗面化粧台Ａの
後部上面に化粧鏡ａ３と共に立設されており、こ
の突出部１２下面に可撓性ホース１が洗面化粧台
Ａのキヤビネツトａ１内においてシヤワーヘツド
２引出し時に対応するホースのＵ字状弛み部１′
を形成すべくホース挿通孔１３を開設している。

また、このＵ字状弛み部１′のキヤビネツトａ
１内における位置決めの為、ホースガイド２７を
後横棧ａ１′にネジで固定し、ホースガイド２７
にホース１を挿通している。

可撓性ホース１は無論フレキシブルな材料によ
つて形成され、その一端を洗面器８の後部上壁
８″下に配備される湯水混合栓３における切換部
３′の流出口１４に連結して湯水混合栓３の湯水
混合部３″に間接的に連絡すると共に、他端を、
洗面化粧台Ａのキヤビネツトａ１内においてＵ字
状弛み部１′を屈曲形成して更にホース挿通孔１
３を介して架台ａ２内を通り、そして通孔１０取
付筒１１を挿通してシヤワーヘツド２の基端部
２′に連結されている。

斯る洗面化粧台Ａのキヤビネツトａ１内に屈曲
形成されるホースのＵ字状弛み部１′をトレーＢ
内に収容する。

トレーＢは所望な材料、例えば合成樹脂等をも
つて成形され、キヤビネツトａ１内において掛止
具ｂ１で着脱自在に取付けてある。

トレーＢは、前記ホースのＵ字状弛み部１′を
収容した際、底面との間に集水用空間１５を確保
する程度の深さでホース径よりも幅広な奥行を有
する収容スペース１６を保有した上部開放型の扁
平なボツクス状に成形され、、上記Ｕ字状弛み部
１′が垂れ下がる部分に対応するキヤビネツトａ
１内に吊持状に取付ける為に、後壁部１７を上方
へ延設して取付用壁部１８を形成し、またその取
付用壁部１８に連続して開放端に上向きで且つ外
向きな傾斜面１８′を折曲形成している。

取付用壁部１８は後横棧ａ１′を被うように凹
部１８ａを水平状に凹設することで構成されてお
り、この取付用壁部１８を構成する凹部１８ａの
底上端部域から同凹部１８ａの上側構成壁を構成
するように前記傾斜面１８′をキヤビネツトａ１
の背板ａ１″側に向けて上方で且つ外向き傾斜状
に折曲している。

また、トレーＢにはその前壁部２０に同様に上
向きで且つ外向きな湾曲状の傾斜面１９を折曲形
成すると共に、その傾斜面１９の切換部３′側一
画を側壁部２１と共に切欠くことによつて切換部
３′との間にホース１中途部に装着された水抜き
栓２２がその切欠き２３内に収められるように配
慮している。

この傾斜面１８′，１９は鉛直に垂れ下がるＵ
字状弛み部１′が引出し時に上下動しようとも接
触することがない非接触部として機能し、開放縁
からトレーＢ外面を伝つて水滴がキヤビネツトａ
１の底面に滴下するのを防止する役目がある。

掛止具ｂ１は、前記Ｕ字状弛み部１′の背後に
位置するキヤビネツトａ１内の後横棧ａ１′に捻
じ込まれる止ネジ４であり、上記トレーＢの取付
用壁部１８に切欠形成され上記止ネジ４が係合す
る係合用切欠５に掛止するようになつている。

係合用切欠５は止ネジ４の軸部４″と略同径に
切欠かれた係合機能切欠部５′に連通してその下
位に止ネジ４の頭部４′よりも大形な案内用切欠
部５″を切欠くことによつて形成し、上記取付用
壁部１８の幅方向において所望数設けてある。

止ネジ４は木ネジや小ネジであり、上記係合用
切欠５と相対するキヤビネツトａ１の後横棧ａ
１′部分に、頭部４′との間に数mmの差し込み間隙
６を確保するまで、その軸部４″を捻じ込むこと
によつて止着されている。

而して、本実施例におけるトレーＢを、キヤビ
ネツトａ１内へ取付ける場合には収容スペース１
６内に前記ホースのＵ字状弛み部１′を収容した
状態で取付用壁部１８に切欠形成された案内用切
欠部５″内に、止ネジ４の頭部４′を通過させて、
取付用壁部１８後面を後横棧ａ１′前面に当接さ
せ、その状態でトレーＢを下降させて差し込み間
隙６内において係合機能用切欠部５′を軸部４″に
係合させる。この時、係合機能用切欠部５′の縁
辺が止ネジ４の頭部４′内面に係止され安定状態
で取付けられる。

また、トレーＢ内にたまつた水を排水する為に
トレーＢを取り外す場合にはトレーＢを若干人為
的に上方へ持ち上げ、案内用切欠部５″を止ネジ
４の頭部４′に相対させて、そのトレーＢを前方
へ引き抜けば良い。尚、前述する実施例ではトレ
ーＢを掛止具ｂ１を介して着脱自在に取付ける旨
で説明しているが、トレーＢは、後横棧ａ１′に
止ビスで直接取付ても良い。その場合には底に排
水口を開口し、排水時に排水用ホースを接続して
対処する。

ちなみに、図示する２４は、湯水混合部３にお
いて回転操作することによつて内装される湯弁、
水弁の開度を調節する為に、洗面器８後部上壁
８″上に突出する温度調整ハンドル、２５は内装
される弁の開度を調節する所望量の混合水を切換
部３′へ給水する為に、後部上壁８″上に突出する
流量調整ハンドル、２６は洗面器８の後部上壁
８″上に回転自在に配備したスパウト２７か、或
いはシヤワーヘツド２に連絡する可撓性ホース１
へ選択的に給水する為に洗面器８の後部上壁８″
上に突出する切替ハンドルである。

尚、本実施例では架台ａ２と化粧鏡ａ３とを一
体化した化粧鏡ユニツトａ４を立設する洗面化粧
台Ａを対象としてそのキヤビネツトａ１内にトレ
ーを取付ける旨で説明しているが、キヤビネツト
ａ１内にＵ字状弛み部１′が屈曲形成される全て
洗面化粧台を対象としていること言うまでもな
い。第５図は流し台Ｄに引出し自在なシヤワーヘ
ツド２を取付けた場合を示すもので、前記と同様
にトレーＢをキヤビネツトｄ内に取付けることが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案洗面化粧台の実施例を示し、第１
図は使用状態を示す正面図で一部切欠して示す、
第２図は同側面図で一部切欠して示す、第３図は
トレーの取付部分を示す拡大正面図で切欠して示
す、第４図は４−４断面図、第５図は流し台の斜
視図である。 尚、図中Ａ……洗面化粧台、Ｂ……トレー、ａ
１，ｄ……キヤビネツト、１……可撓性ホース、
１′……Ｕ字状弛み部、ｂ１……掛止具、３……
湯水混合栓、２……シヤワーヘツド、ａ１′……
後横棧、４……止ネジ、４′……頭部、６……差
し込み間隙、４″……軸部、５……係合用切欠、
５′……係合機能用切欠部、５″……案内用切欠
部、ａ１″……キヤビネツトの背板、１８′，１９
……傾斜面、１８ａ……凹部、１７……後壁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端を湯水混合栓に、他端をシヤワーヘツドに
   夫々連絡する可撓性ホースのＵ字状弛み部が収容
   される上部開放型のトレーをキヤビネツト内に設
   けた洗面化粧台・流し台等の家具において、上向
   きで且つ外向きな傾斜面をトレーの開放端に形成
   すると共に、キヤビネツト内の背板に横設した後
   横桟を収容する凹部をトレー後壁部の上域部に凹
   設してなり、上記後横桟に凹部を取付けて、同凹
   部よりも下位のトレーの後壁部部分を前記背板に
   当接させたことを特徴とする洗面化粧台・流し台
   等の家具。