JPH04243203A - プラスチック光ファイバー - Google Patents

プラスチック光ファイバー

Info

Publication number
JPH04243203A
JPH04243203A JP3060811A JP6081191A JPH04243203A JP H04243203 A JPH04243203 A JP H04243203A JP 3060811 A JP3060811 A JP 3060811A JP 6081191 A JP6081191 A JP 6081191A JP H04243203 A JPH04243203 A JP H04243203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylate
meth
refractive index
component
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3060811A
Other languages
English (en)
Inventor
Junko Eguchi
江口 准子
Tsutomu Arakawa
荒川 務
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP3060811A priority Critical patent/JPH04243203A/ja
Publication of JPH04243203A publication Critical patent/JPH04243203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチック光ファイバ
ー、特に耐熱性に優れたプラスチック光ファイバーに関
する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバーは、石英系の
光ファイバーに比べ、伝送損失は大きいが、可とう性に
優れ、大口径化が可能で、取扱いが容易であるため、現
在、オフィスオートメーション、船舶、オーディオ等の
短距離通信分野で利用されている。現在のプラスチック
光ファイバーは、コアとして光学的性質の優れているポ
リメチルメタクリレートを用いたものがほとんどである
が、今後期待される自動車や船舶のエンジンルームのよ
うな高温下における使用を考えると、その耐熱性が低過
ぎるという欠点がある。
【0003】そこで、耐熱性プラスチック光ファイバー
に関する研究が種々行われている。例えば熱可塑性樹脂
をコアに用いて耐熱性の向上を試みた例として、ポリメ
チルメタクリレートよりガラス転移点が高いポリカーボ
ネートを採用したもの(特開昭57−46204号公報
、同61−210303号公報、同61−223706
号公報)や、クラッドの外側にさらに保護層を設けたも
の(特開昭61−210303号公報、同61−231
510号公報、同61−240206号公報、同61−
252507号公報)が提案されている。しかし、これ
らはいずれも負荷のない状態では耐熱性は改良されてい
るものの、エンジンルームのような150℃以上の高温
かつ振動や曲げといった負荷を受ける厳しい条件下でも
耐え得る程度の耐熱性は得られていない。
【0004】また、一般に光ファイバーの耐熱性はコア
の耐熱性に大きく依存するとされており、その点に着目
してコアとして架橋構造を有する熱・光硬化性樹脂を用
いる試みもなされている。その中で、コアの熱・光硬化
性樹脂として、単官能メタクリレートと多官能メタクリ
レートの共重合体を用い、さらにクラッドの樹脂も架橋
型にすることにより、負荷時においても優れた耐熱性を
示すもの(特開平1−133006号公報、同1−14
5606号公報)が報告されている。しかし、これらの
熱・光硬化性樹脂は、屈折率が低く、さらに低屈折率な
クラッドとして使用できる樹脂は含弗素系樹脂に限られ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラスチッ
クファイバー用のコアに従来使用されてきた樹脂の欠点
である耐熱性と低屈折率を改良することを課題とし、プ
ラスチック光ファイバーの耐熱性を向上させるとともに
、従来低屈折率であるということで、ほぼ含弗素系樹脂
に限られていたクラッド用樹脂の範囲を、より高屈折率
な一般の樹脂にまで拡大することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】耐熱性に優れた高屈折率
樹脂をコアとし、その高屈折率樹脂の屈折率よりも0.
01以上屈折率が低い樹脂をクラッドとすることにより
、課題を解決することができた。
【0007】すなわち、本発明において、コアに用いた
樹脂は、(A)式(I)
【0008】
【化2】 で表わされる4,4′−ビス(メタクリロイルチオ)ジ
フェニルスルフィドおよび   (B)式(II)     R−(SH)n              
                         
      (II)(式中、Rは多価の脂肪族または
芳香族炭化水素からなる有機基を示し、nは2以上の整
数を示す。)で表わされるポリチオール類とを付加反応
させて得られるポリチオエーテル骨格を有するプレポリ
マーと他の重合性モノマーとからなる硬化性組成物を重
合して得られる。
【0009】係る硬化性組成物は、溶媒中で塩基触媒存
在下(A)成分と(B)成分を反応させた後溶媒を除去
し、その後他の重合性モノマーと混合するか、または他
の重合性モノマー中で塩基触媒の存在下、付加反応させ
て得ることができる。
【0010】本発明に用いられる重合性モノマーのうち
式(I)で表わされる4,4′−ビス(メタクリロイル
チオ)ジフェニルスルフィドは、他の有機化合物との混
合が容易である上、水との親和性が極めて低く、かつそ
の硬化物は高い屈折率(屈折率=1.689)を有する
という特徴がある。
【0011】本発明において(B)成分として使用され
る前記式(II)で表わされるポリチオール類としては
、nが2以上、好ましくはnが2〜5の整数である脂肪
族ポリチオール類または芳香族ポリチオール類が用いら
れる。
【0012】このようなポリチオール類の代表例として
は、例えば、9,10−アントラセンジメタンチオール
、1,11−ウンデカンジチオール、4−エチルベンゼ
ン−1,3−ジチオール、1,2−エタンジチオール、
1,8−オクタンジチオール、1,18−オクタデカン
ジチオール、2,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジチ
オール、1,3−(4−クロロフェニル)プロパン−2
,2−ジチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール
、1,2−シクロヘキサンジチオール、1,4−シクロ
ヘキサンジチオール、1,1−シクロヘプタンジチオー
ル、1,1−シクロペンタンジチオール、4,8−ジチ
アウンデカン−1,11−ジチオール、ジチオペンタエ
リスリトール、ジチオスレイトール、1,3−ジフェニ
ルプロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジヒドロキ
シ−2−プロピル−2′,3′−ジメルカプトプロピル
エーテル、2,3−ジヒドロキシプロピル−2′,3′
−ジメルカプトプロピルエーテル、2,6−ジメチルオ
クタン−2,6−ジチオール、2,6−ジメチルオクタ
ン−3,7−ジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−
1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,
3−ジチオール、3,3−ジメチルブタン−2,2−ジ
チオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオ
ール、1,3−ジ(4−メトキシフェニル)プロパン−
2,2−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,
2−ジチオール、10,11−ジメルカプトウンデカン
酸、6,8−ジメルカプトオクタン酸、2,5−ジメル
カプト−1,3,4−チアジアゾール、2,2′−ジメ
ルカプトビフェニル、4,4′−ジメルカプトビフェニ
ル、4,4′−ジメルカプトビベンジル、3,4−ジメ
ルカプトブタノール、3,4−ジメルカプトブチルアセ
テート、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1
,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、2,3
−ジメルカプトプロピオン酸、1,2−ジメルカプトプ
ロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピル
−2′,3′−ジメトキシプロピルエーテル、3,4−
チオフェンジチオール、1,10−デカンジチオール、
1,12−ドデカンジチオール、3,5,5−トリメチ
ルヘキサン−1,1−ジチオール、2,5−トルエンジ
チオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフ
タレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2
,6−ナフタレンジチオール、1,9−ノナンジチオー
ル、ノルボルネン−2,3−ジチオール、ビス(2−メ
ルカプトイソプロピル)エーテル、ビス(11−メルカ
プトウンデシル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエ
チル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフ
ィド、ビス(18−メルカプトオクタデシル)スルフィ
ド、ビス(8−メルカプトオクチル)スルフィド、ビス
(12−メルカプトデシル)スルフィド、ビス(9−メ
ルカプトノニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトブ
チル)スルフィド、ビス(3−メルカプトプロピル)エ
ーテル、ビス(3−メルカプトプロピル)スルフィド、
ビス(6−メルカプトヘキシル)スルフィド、ビス(7
−メルカプトヘプチル)スルフィド、ビス(5−メルカ
プトペンチル)スルフィド、2,2′−ビス(メルカプ
トメチル)酢酸、1,1′−ビス(メルカプトメチル)
シクロヘキサン、ビス(メルカプトメチル)ヂュレン、
フェニルメタン−1,1−ジチオール、1,2−ブタン
ジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタ
ンジチオール、2,2−ブタンジチオール、1,2−プ
ロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,
2−プロパンジチオール、1,2−ヘキサンジチオール
、1,6−ヘキサンジチオール、2,5−ヘキサンジチ
オール、1,7−ヘプタンジチオール、2,6−ヘプタ
ンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、2,4−
ペンタンジチオール、3,3−ペンタンジチオール、7
,8−ヘプタンデカンジチオール、1,2−ベンゼンジ
チオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベン
ゼンジチオール、2−メチルシクロヘキサン−1,1−
ジチオール、2−メチルブタン−2,3−ジチオール、
エチレングリコールジチオグリコレート、エチレングリ
コールビス(3−メルカプトプロピオナート)等のジチ
オール類の他、1,2,3−プロパントリチオール、1
,2,4−ブタントリチオール、トリメチロールプロパ
ントリチオグリコラート、トリメチロールプロパントリ
ス(3−メルカプトプロピオナート)、ペンタエリスリ
トールトリチオグリコラート、ペンタエリスリトールト
リス(3−メルカプトプロピオナート)、1,3,5−
ベンゼントリチオール、2,4,6−メシチレントリチ
オール等のトリチオール類、及びネオペンタンテトラチ
オール、2,2′−ビス(メルカプトメチル)−1,3
−プロパンジチオール、ペンタエリスリトールテトラキ
ス(3−メルカプトプロピオナート)、1,3,5−ベ
ンゼントリチオール、2,4,6−トルエントリチオー
ル、2,4,6−メシチレントリチオール等があげられ
る。以上のように例示された(B)成分のポリチオール
類は1種または2種以上の混合物として用いることもで
きる。
【0013】(A)成分として使用される前記式(I)
で表わされる4,4′−ビス(メタクリロイルチオ)ジ
フェニルスルフィドと(B)成分として使用される前記
式(II)で表わされるポリチオール類とを付加反応さ
せるに際しては、(A)成分のメタクリロイル基に対す
る(B)成分のメルカプト基の官能基当量比が、0.0
2〜1.01の範囲内であることが好ましく、特に0.
05〜0.60の範囲であることが望ましい。(A)成
分のメタクリロイル基に対する(B)成分のメルカプト
基の官能基当量比が0.02未満の場合は、硬化物は一
般に脆く、十分な耐衝撃性を得ることはできない。また
、(A)成分のメタクリロイル基に対する(B)成分の
メルカプト基の官能当量比が1.01よりも大きい場合
は、未反応のメルカプト基による組成物の安定性の低下
、組成物粘度の過剰な上昇、重合反応の不均一化による
硬化物の不均質性等の問題点を有する。
【0014】(A)成分と(B)成分を付加反応させる
時に溶媒を用いる場合は特に限定はないが、(A)成分
と(B)成分をよく溶解するものが望ましい。このよう
な溶媒としては、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒
、ジクロロメタン、四塩化炭素等の塩素系溶媒等の比較
的低沸点の溶媒が挙げられる。
【0015】(A)成分と(B)成分の付加反応におい
て、高沸点の溶媒を使用すると、溶媒除去の際、加熱を
伴う方法を採用した場合、(A)成分が残っていると、
(A)成分の単独重合によるゲル化を招き易いため、好
ましくない。
【0016】ゲル化に対しては、フェノール系あるいは
アミン系の禁止剤を次段階の他の重合性モノマー間の重
合を阻害しない範囲で添加することが可能である。また
、付加反応用塩基触媒の除去を必要とする場合には、公
知の吸着、抽出、真空吸引等の方法を次段階の重合に影
響しない範囲で適用しうる。特に、アミン系化合物の除
去については、中性、酸性アルミナ、酸性イオン交換樹
脂による吸着除去方法を適用することができ、低沸点の
アミン系化合物の場合には真空吸引による除去方法をも
利用することができる。
【0017】付加反応を行なう際の温度は、(B)成分
の種類、配合量、あるいは使用する塩基触媒の種類およ
び量により異なるため一概に規定できないが、一般には
0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。付加反
応温度が100℃を越えても、使用する塩基触媒の種類
および量によっては(A)成分の単独重合を防止できる
場合もあるが、しばしばゲル化を起すので好ましくない
。一方、0℃未満でも付加反応は進むが、反応速度が極
めて遅く、生産上好ましくない。
【0018】付加反応用塩基触媒としては、塩基性イオ
ン交換樹脂、カリウム−t−ブトキサイド、フォスフィ
ン系化合物、アミン系化合物を使用することが可能であ
るが、特にフォスフィン系化合物またはアミン系化合物
の使用が好ましい。
【0019】フォスフィン系化合物の例としては、トリ
フェニルフォスフィン、トリn−ブチルフォスフィン、
トリエチルフォスフィン等があげられる。また、アミン
系化合物の例としては、ピリジン、N,N−ジメチルア
ニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリメチルアミン
、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、ト
リ(iso−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)ア
ミン、トリ(iso−ブチル)アミン、トリ(sec−
ブチル)アミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミ
ン等があげられる。
【0020】これらの塩基触媒は、単独でも組合わせて
用いてもよく、その使用量は、使用する(B)成分の種
類およびその使用量によって異なるため一概には規定で
きないが、一般には(A)成分および(B)成分の総量
に対して0.01〜3重量%、好ましくは0.03〜1
重量%である。塩基触媒の使用量が0.01重量%未満
では、実質的には触媒の作用を果さず、しばしば(A)
成分のメタクリロイル基の単独重合が起る。一方、塩基
触媒の使用量が3重量%を越えた場合は、大量に用いる
効果が認められないばかりでなく、重合の際に着色を起
すため好ましくない。また、反応後の塩基触媒を除去す
るにしても、除去剤を多量に必要とすることから却って
好ましくない。
【0021】付加反応に際しては、(B)成分の自動酸
化によるジスルフィドの生成を防ぐために付加反応は不
活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0022】付加反応終了後は、溶媒を除去することに
よってポリチオエーテル骨格を有するプレポリマーを得
ることができる。
【0023】かくして得られるポリチオエーテル骨格を
有するプレポリマーは、分子末端が重合性ビニル基でキ
ャッピングされた構造を有し、貯蔵安定性に優れている
【0024】上記のごとくして得られたポリチオエーテ
ル骨格を有するプレポリマーは、他の重合性モノマーと
混合される。
【0025】他の重合性モノマーとしては、ポリチオエ
ーテル骨格を有するプレポリマーと共重合可能なもので
あればいずれでもよく、例えば、不飽和脂肪酸エステル
、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸およびその誘導体
、不飽和二塩基酸およびその誘導体、(メタ)アクリル
ニトリル等のシアン化ビニル化合物等があげられる。 不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリ
レート(本明細書においてはメチルアクリレートおよび
メチルメタアクリレートの両者を指す。他の場合も同じ
)、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アク
リレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、(イソ)ボルニル(メタ)アク
リレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等のアル
キル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(
メタ)アクリレート、フルオロフェニル(メタ)アクリ
レート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモ
フェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(
メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリ
レート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、ビフェ
ニル(メタ)アクリレート、ブロモベンジル(メタ)ア
クリレート等のアクリル酸芳香族エステル、フルオロメ
チル(メタ)アクリレート、クロロメチル(メタ)アク
リレート、ブロモエチル(メタ)アクリレート、トリク
ロロメチル(メタ)アクリレート等のハロアルキル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール
エステル等の他、グリシジル(メタ)アクリレート、ア
ルキルアミノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸エステルがあげられる。また、α−フルオロアクリ
ル酸エステル、α−シアノアクリル酸エステル等のα−
置換アクリル酸エステル等があげられる。
【0026】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
またはα−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−
クロルスチレン等のα−置換スチレン、フルオロスチレ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルス
チレン、メトキシスチレン等の核置換スチレンがあげら
れる。
【0027】不飽和脂肪酸およびその誘導体としては、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミ
ド等の(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸
等があげられる。
【0028】不飽和二塩基酸およびその誘導体としては
、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−
ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド
、N−クロロフェニルマレイミド、N−カルボキシフェ
ニルマレイミド等のN−置換マレイミド、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸等があげられる。
【0029】上記単官能性の重合性モノマーの他、本発
明に用いられる他の重合性モノマーとしては、架橋性多
官能モノマーがあげられる。例えば、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(
メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ
)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,5−ペンタジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ
(メタ)アクリレート、オリゴエステルジ(メタ)アク
リレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、2
,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル
)プロパン、2,2−ビス(4−(ω−(メタ)アクリ
ロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリ
エトキシ)ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリプロポキ
シ)フェニル)プロパン、ビス(4−(ω−(メタ)ア
クリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)メタン等の
ジ(メタ)アクリレートや、ジアリルフタレート、ジア
リルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリ
ルカーボネート、ジエチレングリコールジアリルカーボ
ネート、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、N,
N′−m−フェニレンビスマレイミド等の二官能性の架
橋性モノマー、トリメチロールエタントリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリアリル
トリメリテート、ジアリルクロレンデート等の三官能性
の架橋性モノマー、ペンタエリスリトールテトラ(メタ
)アクリレートのごとき四官能性の架橋性モノマー等が
あげられる。以上の他の重合性モノマーは、2種以上混
合して使用してもよい。
【0030】ポリチオエーテル骨格を有するプレポリマ
ーと他の重合性モノマーとの配合割合は、ポリチオエー
テル骨格を有するプレポリマー30〜90重量%と他の
重合性モノマー70〜10重量%、好ましくはポリチオ
エーテル骨格を有するプレポリマー50〜85重量%と
他の重合性モノマー50〜15重量%からなることが望
ましい。ポリチオエーテル骨格を有するプレポリマーの
配合量が30重量%未満では、最大の特色である高屈折
率という物性が生かされなくなるので好ましくない。
【0031】またポリチオエーテル骨格を有するプレポ
リマーの配合量が90重量%より多い場合は、組成物が
高粘度となって取り扱い難く、工業化の際の生産上好ま
しくない。
【0032】以上溶媒中で付加反応を行う場合について
説明したが、(A)成分と(B)成分を他の重合性モノ
マー中で付加反応させる場合には、(A)成分として使
用される前記式(I)で表わされる4,4′−ビス(メ
タクリロイルチオ)ジフェニルスルフィドと(B)成分
として使用される前記式(II)で表わされるポリチオ
ール類とを、他の重合性モノマー中、塩基触媒の存在下
に付加反応を行えばよい。
【0033】上記方法において使用される(A)成分、
(B)成分および塩基触媒の使用量は、前記の予め溶媒
中で付加反応を行いポリチオエーテル骨格を有するプレ
ポリマーを合成する場合と同様である。
【0034】(A)成分と(B)成分とを付加反応させ
るに際しては、前記の予め溶媒中で付加反応を行いポリ
チオエーテル骨格を有するプレポリマーを合成する場合
と同様に、(A)成分のメタクリロイル基に対する(B
)成分のメルカプト基の官能基当量比が、0.02〜1
.01の範囲内であることが好ましく、特に0.05〜
0.60の範囲であることが望ましい。(A)成分のメ
タクリロイル基に対する(B)成分のメルカプト基の官
能基当量比が0.02未満の場合は、一般に硬化物は脆
く、十分な耐衝撃性を得ることはできない。また、(A
)成分のメタクリロイル基に対する(B)成分のメルカ
プト基の官能当量比が1.01よりも大きい場合は、未
反応のメルカプト基による組成物の安定性の低下、組成
物粘度の過剰な上昇、重合反応の不均一化による硬化物
の不均質性等の問題点を有する。
【0035】(A)成分と(B)成分を付加反応させる
際に使用される他の重合性モノマーとは、通常のラジカ
ル重合開始剤の存在下で重合するものであれば特に制限
はないが、反応制御の観点から、常温で液体であって、
塩基触媒の存在下で(B)成分と反応しないかもしくは
反応しにくく、すなわち(B)成分と実質的に反応性を
有せず、一般的なラジカル重合開始剤で硬化可能なもの
が好ましく、具体例としては、スチレン、α−メチルス
チレン、α−エチルスチレン、メチルスチレン、エチル
スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、2,4−
ジクロロスチレン、2−クロロ−4−メチルスチレン、
ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のごとき芳香
族系ビニルモノマーがあげられる。これらの芳香族系ビ
ニルモノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】他の重合性モノマーの使用量は、(A)成
分と(B)成分とを付加反応させる際、(A)成分、(
B)成分および他の重合性モノマーの総量中、10〜7
0重量%、好ましくは15〜50重量%であることが好
ましい。他の重合性モノマーの使用量が10重量%未満
では、高粘度の組成物となり、取り扱い上、工業化の際
の生産上好ましくなく、また70重量%より多い場合は
(A)成分が有する高屈折性が生かされないので好まし
くない。
【0037】他の重合性モノマー中で付加反応させて調
製する場合において、付加反応温度等の付加反応条件や
付加反応用塩基触媒の除去を必要とする場合の条件は、
前記の予め溶媒中で付加反応を行いポリチオエーテル骨
格を有するプレポリマーを合成する場合と同様に行なわ
れる。
【0038】かくして得られるポリチオエーテル骨格を
有するプレポリマーを含む硬化性組成物は、組成物中の
プレポリマーの分子末端が重合性ビニル基でキャッピン
グされた構造を有し、貯蔵安定性に優れている。
【0039】この硬化性組成物には、前記ポリチオエー
テル骨格を有するプレポリマーと共重合可能な他の重合
性モノマーをさらに配合して使用してもよい。他の重合
性モノマー中で付加反応させるときに使用される重合性
モノマーより反応性の高い重合性モノマーも併用する場
合には特にこの方法は有用である。
【0040】4,4′−ビス(メタクリロイルチオ)ジ
フェニルスルフィド、ポリチオール類および他の重合性
モノマーを単に混合した組成物は、安定性が十分でなく
、それから得られる硬化物は均質性に劣るという問題が
あるのに対し、本発明に係る硬化性組成物は室温で20
時間以上放置してもゲル化せず、粘度が上昇することは
ほとんどなく極めて安定であり、硬化性組成物を硬化し
て得られる硬化物は光学的均一性に優れている。
【0041】本発明に係る硬化性組成物は、ラジカル重
合によって硬化させることができる。ラジカル重合にお
いて用いられるラジカル重合開始剤は、熱、マイクロ波
、赤外線、または紫外線によってラジカルを生成し得る
ものであればいずれのラジカル重合開始剤の使用も可能
であり、硬化性組成物の用途、目的に応じて適宜選択す
ることができる。
【0042】熱、マイクロ波、赤外線による重合に際し
て使用できるラジカル開始剤としては、例えば2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスイ
ソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、メチルエチル
ケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキ
シド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセト
ンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、イソブチリ
ルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
シド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイル
パーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド等の
ジアシルパーオキシド類、2,4,4−トリメチルペン
チル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチ
ルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジクミルパ
ーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−
ブチルパーオキシド、トリス(t−ブチルパーオキシ)
トリアジン等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ
−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(
t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール
類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオ
キシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサ
ヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼ
レート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパ
ーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステ
ル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネ
ート類があげられる。
【0043】紫外線による重合に際して使用できるラジ
カル重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2
−ジエトキシアセトフェノン、4′−イソプロピル−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、
メチル(o−ベンゾイル)ベンゾエート、1−フェニル
−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボ
ニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオ
ン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチ
ルエーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル、
ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール
、ジアセチル等のカルボニル化合物、メチルアントラキ
ノン、クロロアントラキノン、クロロチオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサ
ントン等のアントラキノンまたはチオキサントン誘導体
、ジフェニルジスルフィド、ジチオカーバメート等の硫
黄化合物があげられる。
【0044】ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル
重合開始剤の種類、仕込モノマーの種類および組成比に
より変化するので一概には決められないが、通常はポリ
チオエーテル骨格を有するプレポリマーを含む硬化性組
成物の総量に対して0.001〜20モル%の範囲、好
ましくは0.01〜10モル%の範囲である。ラジカル
重合開始剤の使用量が0.001モル%未満では、重合
が実質的に進まず、また20モル%を越える使用量では
、経済的でないばかりか場合によっては重合中に発泡し
たり、重合によって得られる硬化物の分子量が著しく小
さくなるために好ましくない。
【0045】また、本発明に係る硬化性組成物には、必
要に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離
型剤、帯電防止剤およびその他の添加剤を添加すること
ができる。
【0046】硬化性組成物の硬化に際しての重合温度お
よび重合時間については、使用するラジカル重合開始剤
の種類およびその使用量により異なるため一概には規定
できないが、重合温度については通常0〜200℃の範
囲が好ましく、重合時間については通常0.5〜50時
間の範囲が好ましい。
【0047】以上のようにして得られた硬化物は、耐熱
性と透明性に優れており、これをコアとすることにより
150℃以上の高温と振動や曲げといった負荷を受ける
エンジンルーム等の厳しい環境においても、安定して光
伝送が可能となる。
【0048】また、屈折率が1.65〜1.67と非常
に高いという特徴を有していることから、それより0.
01以上屈折率の低いクラッド樹脂としては、含弗素樹
脂のように特に低屈折率である必要はなく、比較的高屈
折率な一般的の樹脂を用いることができる。
【0049】なお、クラッド樹脂としては、屈折率がコ
ア樹脂よりも0.01以上低く、耐熱性に優れたものな
らば良く、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体
、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビ
ニリデンフルオライド、ポリフッ化アルキルメタクリレ
ート等の含弗素系樹脂あるいはポリジメチルシロキサン
やポリ−4−メチル−1−ペンテン、あるいはポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン等電子線架橋でき
るもの、あるいは複数の単官能モノマーと多官能モノマ
ーから成る組成物を紫外線照射により硬化させたものを
用いることができる。
【0050】ここで、紫外線重合性の単官能モノマーと
してはメタクリル系では、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブ
チルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート
、トリデシルメタクリレート、アリルメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、ビニルメタクリレート、ボル
ニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、1−ナ
フチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、
エチレングリコールモノメタクリレート等、アクリル系
ではメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチ
ルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−t−
ブチルフェニルアクリレート、フェニルアクリレート等
、スチレン系では、o−メチル−p−メトキシスチレン
、p−イソプロピルスチレン、o−メトキシスチレン、
o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等、アリル
系ではビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、
ビニルチオフェン、アリルアセテート、フェニルビニル
ケトン、ビニルカルバゾール、メチルイソプロペニルケ
トン、ビニルベンゾエート、N−ビニルフタルイミド、
ビニルベンゾエート等が挙げられる。
【0051】また紫外線重合性の多官能モノマーとして
は、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、p−ジビニルベンゼン、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、ジアリルフタレート
、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、トリス(
2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸メタクリル酸エ
ステル等の多価アリル化合物や多価アクリル化合物が挙
げられる。
【0052】ただし、これらの単官能及び多官能モノマ
ーは硬化時の屈折率がコアよりも0.01以上低くなる
ように組み合わされねばならない。また、紫外線重合開
始剤としては、コア用の硬化性組成物の紫外線重合の場
合の例に示したような通常のもので良い。
【0053】光ファイバーの成形法は、特開昭57−4
5502号公報に示されるように、クラッドとするチュ
ーブ内でコアとなる硬化性組成物を硬化させる方法、あ
るいはその後コアをチューブから取り出してクラッドを
付与する方法を用いることができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、下記の実施例によって得ら
れたプラスチック光ファイバーについての評価は下記の
方法によって行った。
【0055】(1)コア、及びクラッドの屈折率アッベ
屈折率(島津製作所製,3L型)を用いて、20℃にお
ける屈折率を測定した。
【0056】(2)伝送損失 長さL0 (m)の光ファイバーの一端を光源(アンリ
ツ製,ハンディ可視光源MG927A型,660nm)
に接続し、他端を検出器(アンリツ製,光パワーメータ
ーML93A型)に接続して透過光量P0 (μW)を
測定した後、長さL1 (m)まで検出器端を切断しそ
の時の透過光量P1 (μW)を測定して、その比P0
 /P1 から計算して伝送損失を求めるカットバック
法を用いた。伝送損失α(dB/km)は次式で求めら
れる。
【0057】
【数1】
【0058】(3)耐熱性 長さ1mの光ファイバーのうち0.5mをエアーオーブ
ン中に入れ、さらにその中の一点に1kgf の荷重を
かけて、室温から2℃/min で昇温し、10℃ごと
に20min 保持した後、(1)に示した光源と検出
器により透過光量P1 を測定し、室温時P0 に対す
る比から伝送損失の増加を求め、伝送損失が増加しない
限界の温度を耐熱温度とした。
【0059】実施例1 2lのセパラブルフラスコに、撹拌機、滴下ロートをセ
ットし、室温で4,4′−ビス(メタクリロイルチオ)
ジフェニルスルフィド500gを仕込み、蒸留ジクロロ
メタン600mlに溶解させた。窒素気流下、撹拌を続
けながら、室温にてジエチルアミン0.8gを添加し、
次にエチレングリコールジチオグリコレート50gを滴
下しながら加えた。反応温度は、25℃〜35℃に制御
した。その後、さらに3時間撹拌を続け、反応を完結さ
せた。反応の終結はVolhard法によるメルカプト
基の分析においてメルカプト基の消失を確認することに
よって判断した。反応終了後、強塩基吸着用無機吸着剤
(協和化学工業(株)製,キョーワード700SL)を
50g添加して、ジエチルアミンを除去した。吸着剤を
ろ別後、減圧濃縮し、高粘度シロップ状の液体を得た。 この液体400gをスチレン182gで希釈し、低粘度
の組成物を得た。
【0060】得られた硬化性組成物100重量部にアゾ
ビスイソブチロニトリル0.3重量部を溶解させたもの
を、ろ過した後、高圧液送ポンプ(日本精密科学製,S
P−T−2501U型)を用いて内径1.00mm、外
径2.00mmのテフロンチューブ内に圧入して先端を
封止した。その後も10 kgf/cm2 の圧力で組
成物をチューブ内に供給しつつ、先端から1cm/mi
n のスピードで80℃の水中を移動して重合させた。 得られた重合体をテフロンチューブごとオーブン中で1
50℃、2時間の加熱処理を行った後、テフロンチュー
ブから取り出して屈折率1.648、径1mmのコアを
得た。
【0061】これにメチルメタクリレート80重量部、
エチレングリコールジメタクリレート15重量部、n−
ブチルアクリレート5重量部と紫外線重合開始剤ベンジ
ルジメチルケタール0.5gの混合液をコーティングし
た後、紫外線を照射することにより硬化させて屈折率1
.490のクラッドとし、光ファイバーを得た。実施例
1の評価結果は表1に示した。表1に示すように、得ら
れた光ファイバーは、伝送損失が1500dB/kmと
良好な伝送特性を有し、また、耐熱温度が175℃と非
常に耐熱性に優れたものであった。
【0062】実施例2 2lのセパラブルフラスコに、撹拌機、滴下ロートをセ
ットし、室温で4,4′−ビス(メタクリロイルチオ)
ジフェニルスルフィド500gおよびスチレン250g
を仕込み、強く撹拌して溶解させた。窒素気流下、撹拌
を続けながら、室温にてジエチルメチルアミン0.8g
を添加し、次に、エチレングリコールジチオグリコレー
ト50gを滴下ロートで滴下しながら加えた。反応温度
は、25℃〜35℃に制御した。その後、さらに3時間
撹拌を続け、反応を完結させた。反応の終結はVolh
ard法によるメルカプト基の分析においてメルカプト
基の消失を確認することによって判断した。反応終了後
、強塩基吸着用無機吸着剤(協和化学工業(株)製,キ
ョーワード700SL)を40g添加して、ジエチルメ
チルアミンを除去した。吸着剤をろ別し、液状の硬化性
組成物を得た。
【0063】以下、実施例1と同様にしてプラスチック
光ファイバーを得た。実施例2の評価結果は表1に示し
た。表1に示したように得られた光ファイバーは、耐熱
性に優れ、伝送特性も良好であった。
【0064】実施例3 コアとなる硬化性組成物における(B)成分としてポリ
(2−メルカプトエチル)スルフィドを用いた以外はす
べて実施例1と同様な方法を用いてプラスチック光ファ
イバーを得た。実施例3の評価結果は表1に示した。表
1に示すように、得られた光ファイバーは耐熱性に優れ
伝送特性も良好であった。
【0065】実施例4 コアとなる硬化性組成物における(B)成分としてポリ
−1,2−ジメルカプトベンゼン、他の重合性モノマー
としてp−クロルスチレンを用いた以外はすべて実施例
1と同様な方法を用いてプラスチック光ファイバーを得
た。実施例4の評価結果は表1に示した。表1に示すよ
うに得られた光ファイバーは耐熱性に優れ、伝送特性も
良好であった。
【0066】実施例5 コアとなる硬化性組成物における(B)成分として、ポ
リ−1,2−ジメルカプトベンゼン、他の重合性モノマ
ーとしてジビニルベンゼンを用いた以外はすべて実施例
1と同様な方法を用いてプラスチック光ファイバーを得
た。実施例5の評価結果は表1に示した。表1に示すよ
うに得られた光ファイバーは耐熱性に優れ、伝送特性も
良好であった。
【0067】実施例6 クラッドとして、フェニルメタクリレート85重量部、
エチレングリコールジメタクリレート10重量部、n−
ブチルアクリレート5重量部の組成物の重合物を用いた
以外はすべて実施例1と同様な方法を用いてプラスチッ
ク光ファイバーを得た。実施例6の評価結果は表1に示
した。表1に示すように得られた光ファイバーは耐熱性
に優れ、伝送特性も良好であった。
【0068】実施例7 クラッドとして、イソボルニルメタクリレート85重量
部、エチレングリコールジメタクリレート10重量部、
n−ブチルアクリレート5重量部の組成物の重合物を用
いた以外はすべて実施例1と同様な方法を用いてプラス
チック光ファイバーを得た。実施例7の評価結果は表1
に示した。表1に示すように得られた光ファイバーは耐
熱性に優れ、伝送特性も良好であった。
【0069】実施例8 クラッドとしてエチルメタクリレート75重量部、エチ
レングリコールジメタクリレート25重量部の組成物の
重合物を用いた以外はすべて実施例1と同様な方法を用
いてプラスチック光ファイバーを得た。実施例8の評価
結果は表1に示した。表1に示すように得られた光ファ
イバーは耐熱性に優れ、伝送特性も良好であった。
【0070】実施例9 実施例1と同様にして得たコア用の硬化性組成物100
重量部にアゾビスイソブチロニトリル0.3重量部を溶
解させたものを、ろ過した後、高圧液送ポンプ(日本精
密科学製,SP−T−2501U型)を用いて、クラッ
ドとなる内径1.00mm、外径2.00mmのポリ−
4−メチル−1−ペンテンチューブ内に圧入して先端を
封止した。その後も、10 kgf/cm2 の圧力で
組成物をチューブ内に供給しつつ、先端から1cm/m
inのスピードで80℃の水中を移動して重合させた。 得られた重合体をチューブごとオーブン中で150℃,
2時間の加熱処理を行い、プラスチック光ファイバーを
得た。
【0071】実施例9の評価結果は表1に示した。表1
に示すように、得られた光ファイバーは、耐熱性に優れ
、伝送特性も良好であった。
【0072】実施例10 クラッドとなるチューブとして内径1.00mm、外径
2.00mmのテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体チューブを用いた以外は、すべて
実施例9と同様な方法を用いてプラスチック光ファイバ
ーを得た。比較例2の評価結果は表1に示した。表1に
示すように得られた光ファイバーは耐熱性に優れ、伝送
特性も良好であった。
【0073】比較例1 クラッドとして、1−ナフチルメタクリレート90重量
部、エチレングリコールジメタクリレート5重量部、n
−ブチルメタクリレート5重量部の組成物の重合物を用
いた以外はすべて実施例1と同様な方法を用いてプラス
チック光ファイバーを得た。比較例1の評価結果は表1
に示した。表1に示すように得られた光ファイバーは耐
熱性に優れていたが、コアとクラッドの屈折率差が0.
01未満であるため入射光量に対する伝送光量が少なく
、伝送損失は測定不能であった。
【0074】比較例2 メチルメタクリレート100重量部にラウロイルパーオ
キシド0.5重量部を溶解させたものをろ過した後、高
圧液送ポンプ(日本精密科学製,SP−T−2501U
型)を用いて内径1.00mm、外径2.00mmのテ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体チューブ内に圧入して先端を封止した。その後も、
10 kgf/cm2 の圧力で組成物をチューブ内に
供給しつつ、先端から1cm/min のスピードで8
0℃の水中を移動して重合させて、プラスチック光ファ
イバーを得た。比較例2の評価結果は表1に示した。表
1に示すように、得られた光ファイバーは、伝送特性は
優れていたがコアが熱可塑性樹脂のポリメチルメタクリ
レートであるため、耐熱性が低かった。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明によって得られるプラスチック光
ファイバーは、耐熱性に優れているばかりでなく、下記
の如き効果を発揮する。 (1)特に負荷のかかる条件下における高温耐熱性に優
れている。 (2)コアが高屈折率であるため、クラッドとして、低
屈折率な含弗素系樹脂に限らず比較的高屈折率な一般の
樹脂を用いることができ、コアとクラッドとの密着性や
経済性の面での向上が図れる。 (3)伝送損失が小さい。 (4)機械的強度が優れている。 (5)吸水率が低い。 本発明によって得られるプラスチック光ファイバーは、
上記の如き優れた効果を有していることにより、自動車
,飛行機,船舶のエンジンルームといった高温機器内、
オフィスオートメーション、オーディオ機器、ライトガ
イド、イメージガイド、各種表示板等の用途に使用する
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A)式(I) 【化1】 で表わされる4,4′−ビス(メタクリロイルチオ)ジ
    フェニルスルフィドおよび   (B)式(II)     R−(SH)n              
                             
          (II)(式中、Rは多価の脂肪族または
    芳香族炭化水素からなる有機基を示し、nは2以上の整
    数を示す。)で表わされるポリチオール類とを付加反応
    させて得られるポリチオエーテル骨格を有するプレポリ
    マーと他の重合性モノマーとからなる硬化性組成物を重
    合して得られる高屈折率樹脂をコアとし、その高屈折率
    樹脂の屈折率よりも0.01以上屈折率が低い樹脂をク
    ラッドとするプラスチック光ファイバー。
JP3060811A 1991-01-17 1991-01-17 プラスチック光ファイバー Pending JPH04243203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3060811A JPH04243203A (ja) 1991-01-17 1991-01-17 プラスチック光ファイバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3060811A JPH04243203A (ja) 1991-01-17 1991-01-17 プラスチック光ファイバー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04243203A true JPH04243203A (ja) 1992-08-31

Family

ID=13153107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3060811A Pending JPH04243203A (ja) 1991-01-17 1991-01-17 プラスチック光ファイバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04243203A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997019964A1 (fr) * 1995-11-27 1997-06-05 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Compositions de resine durcissables
JP2010095717A (ja) * 2008-09-19 2010-04-30 Kawasaki Kasei Chem Ltd 熱分解温度向上剤並びに当該熱分解温度向上剤を含有する重合性組成物及び樹脂組成物
WO2011004785A1 (ja) * 2009-07-10 2011-01-13 積水化学工業株式会社 光ファイバー及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997019964A1 (fr) * 1995-11-27 1997-06-05 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Compositions de resine durcissables
JP2010095717A (ja) * 2008-09-19 2010-04-30 Kawasaki Kasei Chem Ltd 熱分解温度向上剤並びに当該熱分解温度向上剤を含有する重合性組成物及び樹脂組成物
WO2011004785A1 (ja) * 2009-07-10 2011-01-13 積水化学工業株式会社 光ファイバー及びその製造方法
CN102472861A (zh) * 2009-07-10 2012-05-23 积水化学工业株式会社 光纤及其制造方法
US8611714B2 (en) 2009-07-10 2013-12-17 Sekisui Chemical Co., Ltd. Optical fiber and method for manufacturing same
TWI471619B (zh) * 2009-07-10 2015-02-01 Sekisui Chemical Co Ltd Optical fiber and its manufacturing method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5183917A (en) 4,4'-bis(methacryloylthio)diphenylsulfide
US6166158A (en) High index/high abbe number composition
JPH0321638A (ja) 硬化性組成物
US6313251B1 (en) High index/high abbe number composition
JPH04243203A (ja) プラスチック光ファイバー
JPH0751631B2 (ja) 硬化性組成物およびその製造方法
JPH03243626A (ja) 硬化性組成物およびそれに用いるプレポリマーの製造方法
WO2014074550A1 (en) Polymerizable compositions and optical articles prepared therefrom
JPH04239539A (ja) プラスチックレンズ
JPH03212430A (ja) 硬化性組成物
JPH02272029A (ja) 硬化性組成物
JPH02289622A (ja) 光学用樹脂の製造方法
JP7120453B2 (ja) 高分子化合物及びその製造方法、組成物及びその製造方法、樹脂組成物、潤滑油用添加剤並びに潤滑油
JPH04204602A (ja) プラスチックレンズ
JPH02113027A (ja) 硬化性組成物
JP2012032824A (ja) 光学材料用樹脂組成物
JP5320767B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物
JPH02113005A (ja) 硬化性組成物
JPH03163120A (ja) 硬化性組成物
JP2023032146A (ja) 高分子化合物及びその製造方法、組成物及びその製造方法、並びに樹脂組成物
JP2024060390A (ja) 組成物及びその製造方法
JPH04117415A (ja) 光学用樹脂
JPH04264113A (ja) 光学用樹脂
JP2023130722A (ja) 組成物及びその製造方法、高分子化合物の製造方法、及び樹脂組成物
JP2023095449A (ja) 高分子化合物、高分子化合物の製造方法、組成物、組成物の製造方法、及び樹脂組成物