JPH0424202B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は凹凸木質化粧板の製法に関するもの
である。

〔背景技術〕

凹凸木質化粧板は、板面に長く延びた凸部が所
定間隔で形成されそれによつて板面が凹凸状にな
つているものである。このような化粧板は、複数
枚の木質単板を、例えば第１図に示すように、最
上層および最下層の木質単板１の繊維方向とその
間の木質単板（芯単板）２の繊維方向が直交する
ように積層し、これを、長く延びた凹部を型面に
もつ上型（図示せず）と、この凹部に対応する凸
部（長く延びている）をもつ下型（図示せず）と
で加圧成形することにより製造されている。この
場合、最上層および最下層の木質単板１と、その
間の木質単板２を、繊維方向を直交させて積層す
るのは、寸法収縮を防止するためである。しかし
ながら、このように木質単板１，２が、繊維方向
を直交させた状態になつているものを鋭角的な凹
凸に加圧成形することは、単板の曲げ応力等の点
から困難である。そのため、従来は、第２図に示
すように、凸部がゆるやかにわん曲したような状
態にしか成形できなかつた。これを解消するため
には、凸部となる単板の部分の裏側に切り込み３
を形成することが有効である。このようにする
と、第３図に示すように、凸部を鋭角的に形成し
うる。しかしながら、このようにいちいち切り込
み３を形成することは煩雑である。

〔発明の目的〕

この発明は、鋭角的な凸部の簡易な形成を目的
とする。

〔発明の開示〕

この発明は型面に凹部をもつ第１の型と、この
凹部に対応する凸部をもつ第２の型で木質単板積
層体を挾んで加圧成形することにより凹凸木質化
粧板を得る凹凸木質化粧板の製法であつて、第１
の型として凹部の最底部が所定の曲面状になつて
いる型を用いるとともに、第２の型として凸部の
先端が尖つている型を用いることをその要旨とす
るものである。

すなわち、この発明は、先端の尖つた凸部をも
つ型を用いて凹凸加圧成形を施すため、その凸部
の尖端によつて、積層された単板のうちの凸部と
なる部分の裏側に、切り込みもしくは折曲部が形
成される。そのため、曲げ応力（反り力）が低減
し、第３図に示すような鋭角的な凸部が形成され
るようになる。

つぎに、この発明を詳しく説明する。

第４図はこの発明の一実施例に用いる上型と下
型の説明図である。すなわち、上型５は、凹部４
の最底部４ａが目的とする曲率の曲面に形成され
ており、下型７は凸部６の先端がまるみを有して
いず尖端６ａに形成されている。したがつて、こ
の上型５と下型７を用いて、複数枚の木質単板の
うちの適宜の木質単板の繊維方向が他の単板の繊
維方向と直交した状態になつている木質単板積層
体を加圧成形すると、下型７の尖端６ａによつて
積層体に第３図に示すような切り込み３が形成さ
れ、凸部が鋭角的に形成された凹凸木質化粧板
（図示せず）が得られるようになる。

第５図は他の実施例に用いる上型と下型の説明
図である。すなわち、この例では、下型の凸部９
が、二段状になつており、その上段部分が鋭角的
な山形８に形成されていて山形８の頂部が鋭く尖
つた尖端８ａに形成されている。なお、上型５の
形状は第４図と同じである。この例の型５，１０
と、第４図の型５，７とは、木質単板積層体の厚
みＳに対する、凹凸木質化粧板の凸部の頂部の曲
がり度合Ｒの比率によつて使い分けられるもので
ある。すなわち、Ｒ／Ｓが大きい時は第４図の型
が用いられ、Ｒ／Ｓが小さい時は第５図の型が用
いられる。その中間は、第５図の下型１０の山形
８を鈍角的に形成したものが用いられる。

〔発明の効果〕

この発明は以上のようにして凹凸木質化粧板を
製造するため、凸部を鋭角的に形成でき、シヤー
プな感じの凹凸木質化粧板を得ることができるよ
うになる。また、凹凸成形後の反り力も小さくな
り、それによる変形も小さくなる。さらに、凸部
を鋭角的に形成しうるため、凹凸表現の自由度が
大きくなる。

なお、第６図に示すように、木質単板１１を矢
印で示す繊維方向と直交する方向に曲成すること
は困難であるため、図示のように切り込み１２を
入れて曲成の容易化が行われている。しかし、こ
れを第７図に示すように波形に曲成すると、図示
のＢの部分では問題がないがＣの部分では切り込
み１２に起因して割れが生じる。ところで、凹凸
木質化粧板は、例えば第８図に示すように、その
芯となる部分の木質単板１４を他の木質単板１３
と繊維方向を直交させて積層し凹凸に加圧成形し
て製造される。この場合、凹凸の形成は、木質単
板１３の繊維方向に沿つて行われるため、芯とな
る部分の木質単板１４には凹凸がつきにくい。そ
こで、切り込みを入れることが行われるが、第６
図のように、単板の一面側にのみ切り込み１２を
入れたのでは、第７図のＣの部分に相当する部分
に割れが生じる。そこで、第９図に示すように、
凸部となる部分の反対側の木質単板１４の部分に
切り込み１５を形成し、加圧成形すると、木質単
板１４は全く割れを生じることなく成形される。
そして、第１０図に示すような凹凸木質化粧単板
１６が得られる。この場合、上記芯となる部分の
木質単板１４は、この凹凸木質化粧単板１６内に
おいて第１１図に示すように割れを生じることな
く適正にわん曲している。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来例の説明図、第４図
はこの発明の一実施例で用いる上型および下型の
説明図、第５図は他の実施例で用いる上型および
下型の説明図、第６図および第７図は木質単板に
曲げ加工を施す説明図、第８図ないし第１１図は
凹凸木質化粧板の芯部となる木質単板の曲げ加工
の説明図である。 ４……凹部、４ａ……最底部、５……上型、６
……凸部、６ａ……尖端、７……下型。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数枚の木質単板を、そのうちの適宜の木質
   単板の繊維方向が他の木質単板の繊維方向と交叉
   するように積層し、これを、型面に凹部をもつ第
   １の型と、この凹部に対応する凸部をもつ第２の
   型で挾んで加圧成形することにより凹凸木質化粧
   板を得る凹凸木質化粧板の製法であつて、第１の
   型として凹部の最底部が所定の曲面状になつてい
   る型を用いるとともに、第２の型として凸部の先
   端が尖つている型を用いることを特徴とする凹凸
   木質化粧板の製法。 ２ 第２の型の凸部が二段状になつている特許請
   求の範囲第１項記載の凹凸木質化粧板の製法。 ３ 複数枚の木質単板のうちの適宜の木質単板
   が、その繊維方向を他の木質単板の繊維方向と直
   交するように積層される特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載の凹凸木質化粧板の製法。