JPH09290470A - ハニカムコアおよびその製造方法 - Google Patents

ハニカムコアおよびその製造方法

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JPH09290470A
JPH09290470A JP12778696A JP12778696A JPH09290470A JP H09290470 A JPH09290470 A JP H09290470A JP 12778696 A JP12778696 A JP 12778696A JP 12778696 A JP12778696 A JP 12778696A JP H09290470 A JPH09290470 A JP H09290470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1に、フレキシブル性・柔軟性・高賦形性
に優れ、第2に、3次曲面の曲面成形にもスムーズに適
用でき、第3に、しかも製造が容易でコスト面にも優れ
なる、ハニカムコアおよびその製造方法を提案する。 【解決手段】 このハニカムコア9は、セル壁7にて区
画形成された中空柱状のセル10の平面的集合体よりな
り、接合箇所間の各セル壁7が、断面直線状の平坦面を
なさず、少なくとも1本の折曲部8が存し、断面折れ線
状をなす。そして、このようなハニカムコア9は、従来
よりの展張法による製造方法について、従来よりの第1
接合材3より接合力が劣る第2接合材6による仮接合を
付加すると共に、展張中に仮接合が剥がれた跡の塑性変
形を利用して、セル壁7に折曲部8を残存せしめるよう
になっている。もってこのハニカムコア9は、曲面成形
に際し、内外の縮み変形や拡開変形が、スムーズに実施
されるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハニカムコアおよ
びその製造方法に関する。すなわち、中空柱状のセルの
平面的集合体よりなるハニカムコア、およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6,図7,図8は、この種従来例に係
る一般的なハニカムコア,その製造方法,その曲面成形
等の説明に供する。すなわち図6は、一般的なハニカム
コアの製造方法の説明に供する概略斜視図であり、
(1)図は準備された母材シートを、(2)図は切断さ
れた母材シートを、(3)図は第1接合材が配設された
母材シートを、(4)図は重積された母材シートを、
(5)図は展張された母材シートを示す。図7は、この
ように製造されたハニカムコアの斜視図である。図8
は、このようなハニカムコアを曲面成形する場合の説明
に供し、(1)図は曲面成形前の全体の概略斜視図、
(2)図は曲面成形後の全体の概略斜視図、(3)図は
曲面成形後の要部の平面説明図、(4)図は曲面成形後
の要部の底面説明図である。
【0003】まず、ハニカムコア1は従来、通常、次の
ような展張法により製造されていた。すなわち、この展
張法によるハニカムコア1の製造方法では、まず、図6
の(1)図,(2)図に示した所定長さの母材シート2
に対し、図6の(3)図に示したように、条線状に接着
剤等の第1接合材3が配設される。次に、図6の(4)
図に示したように、第1接合材3が半ピッチずつずれた
位置関係で、複数枚の母材シート2を、重積,加熱して
相互間を接合する。それから、図6の(5)図に示した
ように、重積方向に引張力を加えて展張することによ
り、ハニカムコア1を製造していた。図7にも示したよ
うに、このハニカムコア1は、展張された母材シート2
にてセル壁4が形成され、もって、セル壁4にて区画形
成された中空柱状のセル5の平面的集合体よりなる。そ
して、従来のこの種ハニカムコア1では、各セル壁4が
すべて、断面直線状の平坦面をなし、各セル5も例えば
正六角形状をなしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。すなわ
ちハニカムコア1は、事後、セル端面が所定曲率を備え
るべく、全体的に曲面成形されることが多々あるが、そ
の際、全体的に鞍状に反り返ったり、セル壁4に割れ,
ひび,折損,剥れ,潰れ,座屈等の損傷が発生しやす
い、という問題が指摘されていた。
【0005】図8は、このような従来のハニカムコア1
の曲面成形の説明に供し、(1)図に示した平坦なプレ
ート状から、(2)図に示したわん曲状に曲面成形しよ
うとすると、次のようになっていた。まず(3)図に示
したように、わん曲の内側・縮み側(図面上では上側)
のセル端面側の正六角形状のセル5は、曲面成形によ
り、縦長六角形状に(アンダー展張されるように)縮み
変形しようとする。これに対し、(4)図に示したよう
に、わん曲の外側・伸び側(図面上では下側)のセル端
面側の正六角形状のセル5は、曲面成形により、横長六
角形状に(オーバー展張されるように)拡開変形しよう
とする。しかしながら、このような縮み変形や拡開変形
は、前述したように断面直線状の平坦面をなすセル壁4
の剛性が妨げとなって、スムーズには実施され難く、も
って、大きな押圧力・加圧力を加え無理に曲面成形しよ
うとすると、全体的に鞍状に反り返ったり、セル壁4に
割れ,ひび,折損,剥れ,潰れ,座屈等の損傷が発生し
やすかった。このように従来のハニカムコア1は、フレ
キシブル性・柔軟性・高賦形性に、難点が指摘されてい
た。
【0006】ところで、このようなフレキシブル性・柔
軟性・高賦形性を具備すべく、従来は、オーバーエキス
パンドコアやフレックスコアも開発されていた。しかし
ながら、まずオーバーエキスパンドコア、つまり各セル
5が正六角形状をなす前述したハニカムコア1を更に展
張することにより得られ、その各セル5が横長六角形状
をなすオーバーエキスパンドハニカムコアについては、
オーバーエキスパンド方向・横長方向への変形性は備え
てなり、2次曲面の曲面成形には適用できるものの、複
雑な3次曲面の曲面成形には適用不能である、という問
題があった。又フレックスコア、つまり各セル5が丸味
を帯びた特殊な略凸字状をなすフレックスハニカムコア
については、その製造方法が複雑である等、製造が容易
でなくコスト高である、という問題が指摘されていた。
【0007】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の課題を解決すべくなされたものであって、セル壁
について、少なくとも1本の折曲部が存し断面折れ線状
をなすことにより、第1に、フレキシブル性・柔軟性・
高賦形性に優れ、第2に、3次曲面の曲面成形にも適用
でき、第3に、しかも製造が容易である、ハニカムコア
およびその製造方法を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1
のハニカムコアは、セル壁にて区画形成された中空柱状
のセルの平面的集合体であって、接合箇所間の各該セル
壁が、断面直線状の平坦面をなさず、少なくとも1本の
折曲部が存し断面折れ線状をなすこと、を特徴とする。
【0009】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この請求項2のハニカムコアの製造方法では、
まず、母材シートに一定幅と間隔で条線状に第1接合材
を配設する第1工程と、次に、該第1接合材が順次半ピ
ッチずつずれた位置関係で、複数枚の該母材シートを重
積すると共に加熱することにより、該母材シート間を該
第1接合材にて接合する第2工程と、更に、その重積方
向に引張力を加え各該母材シートを展張する第3工程
と、を辿ることにより、展張された該母材シートにてセ
ル壁が形成され、もって、該セル壁にて区画形成された
中空柱状のセルの平面的集合体よりなるハニカムコアが
得られる。そして本発明では、このような製造方法につ
いて、まず該第1工程にて、該第1接合材間に該第1接
合材より接合力が劣る第2接合材を、該第1接合材と平
行に条線状に少なくとも1本配設し、次に該第2工程に
て、重積と加熱により、該母材シート間を該第2接合材
によっても仮接合し、更に該第3工程にて、展張中に途
中で該第2接合材による仮接合が剥がれ、その跡が、塑
性変形により該第1接合材による接合箇所間の該母材シ
ートそして該セル壁に、折曲部として残存することによ
り、該セル壁が断面折れ線状をなすハニカムコアを得る
こと、を特徴とする。
【0010】更に、請求項3については次のとおり。す
なわち、この請求項3のハニカムコアの製造方法は、請
求項2記載のハニカムコアの製造方法において、該第1
接合材より接合力が劣る該第2接合材として、該第1接
合材と同種材料よりなると共に該第1接合材より幅狭な
ことにより、接合力が劣るように設定されたものが用い
られていること、を特徴とする。
【0011】このように、このハニカムコアの製造方法
では、従来よりの展張法による製造方法について、接合
力が劣る第2接合材による仮接合を付加すると共に、展
張中に仮接合が剥がれた後の塑性変形を利用して、セル
壁に折曲部を残存せしめるようになっている。もって、
このように製造されたハニカムコアは、セル壁に折曲部
が存し断面折れ線状をなすので、この点からセル壁の剛
性が緩和されており、変形に対する余裕を備えひずみ等
も吸収される。もって、曲面成形された場合、わん曲の
内側・縮み側のセル端面側が、スムーズに縮み変形され
ると共に、わん曲の外側・伸び側のセル端面側も、スム
ーズに拡開変形されるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示す発明の
実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2
は、発明の実施の形態の第1例の説明に供する要部の正
面説明図であり、図1の(1)図は重積,接合する第2
工程を、図1の(2)図は、展張する第3工程の前半
を、図2は、展張する第3工程の後半を示す。図3,図
4は、発明の実施の形態の第2例の説明に供する要部の
正面説明図であり、図3の(1)図は重積,接合する第
2工程を、図3の(2)図は展張する第3工程の前半
を、図4は展張する第3工程の後半を示す。なお図5
は、同発明の実施の形態の説明に供し、曲面成形した場
合の要部の斜視図であり、(1)図は上述した第1例の
ハニカムコアを示し、(2)図はこの種従来例のハニカ
ムコアを示す。
【0013】まず、前述した図6,図7により、一般的
なこの種従来例の展張法による製造方法について述べ
る。この製造方法では、次の第1工程,第2工程,第3
工程を辿ることにより、例えば、図7に示したこの種従
来例のハニカムコア1が製造される。すなわち、まず、
母材シート2に一定幅と間隔で条線状に第1接合材3を
配設する第1工程と、次に、第1接合材3が順次半ピッ
チずつずれた位置関係で、複数枚の母材シート2を重積
すると共に加熱することにより、母材シート2間を第1
接合材3にて接合する第2工程と、更に、その重積方向
に引張力を加え各母材シート2を展張する第3工程と、
を辿ることにより、例えば図7に示したハニカムコア1
が製造される。すなわち、展張された母材シート2にて
セル壁4が形成され、もって、セル壁4にて区画形成さ
れた中空柱状のセル5の平面的集合体よりなる、この種
従来例のハニカムコア1が得られる。
【0014】このような、展張法による製造方法一般に
ついて、更に詳述する。この製造方法では、まず図6の
(1)図に示したように、準備工程において母材シート
2が準備される。この母材シート2としては、アルミニ
ウム箔その他の金属箔や、繊維強化プラスチック(FR
P)シートや、各種のプラスチックシート、各種繊維の
混抄シート、パルプを含む複合シート、その他各種材質
のシートが用いられる。なお、繊維強化プラスチック
(FRP)シートとしては、ガラス繊維,ケブラー繊
維,カーボン繊維,セラミック繊維,金属繊維,樹脂繊
維,その他の繊維と、エポキシ系の樹脂,ポリイミド系
の樹脂,その他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂とを、適
宜選択して、付着,含浸,混入等により組み合わせたも
のが代表的である。
【0015】そして、準備された母材シート2は、図6
の(2)図に示したように、切断工程において所定長さ
寸法毎に切断された後、図6の(3)図に示したよう
に、第1工程において、条線状に第1接合材3が配設さ
れる。すなわち、この第1工程では、母材シート2に第
1接合材3が、一定の幅と間隔で長手方向に平行の条線
状に塗布等により配設され、第1接合材3としては、熱
可塑性樹脂や熱硬化性樹脂製の接着剤が代表的である
が、はんだ等のろう材を用いることも可能である。なお
上述した、図6の(2)図の切断工程と、図6の(3)
図の第1工程とは逆でもよく、第1接合材3を配設した
後に切断するようにしてもよい。
【0016】それから、このように第1工程で第1接合
材3が配設された複数枚の母材シート2を、図6の
(4)図に示したように、第2工程において、配設され
た第1接合材3が順次半ピッチずれた位置関係で、上下
に重積する。そして、この第2工程では更に、加熱加圧
が実施されることにより、第1接合材3が融融硬化し、
もって重積された母材シート2間が接合される。しかる
後、このように第2工程で重積,接合された母材シート
2のブロック体を、所定幅寸法毎に切断してから、図6
の(5)図に示したように、第3工程において、上下の
重積方向に引張力を加えて展張することにより、各母材
シート2は、第1接合材3による接合箇所の縁に沿って
折曲される。このような第1工程,第2工程,第3工程
等を辿ることにより、例えば図7に示したように、母材
シート2にてセル壁4が形成されたこの種従来例のハニ
カムコア1が製造される。一般的なこの種従来例の展張
法による製造方法は、このようになっている。
【0017】以下、本発明について説明する。まず本発
明に係る製造方法は、上述した製造方法に準じつつ、そ
の第1工程,第2工程,第3工程について、各々部分的
に付加,改良が実施されてなる。すなわち、図1,図
2,図3,図4に示したように、この製造方法では、ま
ず、上述した第1工程において、第1接合材3間に第1
接合材3より接合力が劣る第2接合材6を、第1接合材
3と平行に条線状に少なくとも1本配設する。次に、上
述した第2工程においては、重積と加熱により、母材シ
ート2間を第2接合材6によっても仮接合する。更に、
第3工程においては、展張中に途中で第2接合材6によ
る仮接合が剥がれ、その跡が、塑性変形により第1接合
材3による接合箇所間の母材シート2そしてセル壁7
に、折曲部8として残存することにより、セル壁7が断
面折れ線状をなすハニカムコア9が得られる。
【0018】このような、本発明の展張法によるハニカ
ムコア9の製造方法について、更に詳述する。まず、第
1工程について述べると、第1工程では、図1の(1)
図中や図3の(1)図中にも示されたように、母材シー
ト2に対し、第1接合材3が配設されると共に(図6の
(3)図も参照)、第2接合材6が配設される。この第
2接合材6としては、第1接合材3について前述したと
ころに準じた材質のもの、例えば接着剤が使用され、こ
のような第2接合材6が、一定の幅と間隔で条線状に、
第1接合材3と平行に配設される。そして第2接合材6
は、第1接合材3に比し接合力が劣るように設定されて
おり、例えば、第1接合材3と同種材料を用いると共
に、第1接合材3より幅狭なことにより、接合力が劣る
ように設定されたものが用いられる。勿論これによら
ず、その幅に関係なく、第1接合材3に比し接着力等の
接合能力自体が劣る材料のものを、第2接合材6として
選択使用することにより、第1接合材3より接合力が劣
るように設定してもよい。
【0019】そして、図1の(1)図に示した第1例で
は、第1接合材3近くの片側に、1本の第1接合材3よ
り幅狭の細い第2接合材6が配設されている。これに対
し、図3の(1)図に示した第2例では、第1接合材3
近くの両側に、各1本ずつ計2本の第1接合材3より幅
狭の細い第2接合材6が配設されている。なお、このよ
うな図示例によらず、第2接合材6について、その他各
種の位置,本数の配設例も可能である。例えば、図1の
(1)図中に示した第1例に準じ、1本の第2接合材6
が配設されるものの、その配設位置を第1接合材3の近
くではなく、両第1接合材3間の中間位置に配設するこ
とも考えられる。この製造方法において、第1工程はこ
のようになっている。
【0020】次に、第2工程について述べる。第2工程
について、第1例では図1の(1)図、第2例では図3
の(1)図に示したように、このように第1接合材3や
第2接合材6が配設された母材シート2が、重積,加
圧,加熱,接合される。そして、各母材シート2間は、
第1接合材3によって、剥がれ不能に完全に固定的に接
合されるが、第1接合材3に比し接合力が劣る第2接合
材6によっては、事後剥がれることが可能に仮接合され
る。この製造方法において、第2工程はこのようになっ
ている。
【0021】次に、第3工程について述べる。第3工程
つまり展張工程について、第1例では図1の(2)図や
図2、第2例では図3の(2)図や図4に示したよう
に、重積方向への展張が実施される。そしてその際、こ
の展張工程の前半では、図1の(2)図や図3の(2)
図に示したように、第2接合材6による仮接合が引張力
に抗し維持されているが、展張工程の後半では、図2や
図4に示したように、第2接合材6による仮接合が、展
張のための引張力にて剥がされるに至る。なお第1接合
材3は、第2接合材6より接合力に優れており、このよ
うな引張力にて剥がれない程度の接合力を備えてなる。
【0022】さて、このように第2接合材6が剥がさ
れ、その跡が母材シート2に、塑性変形により折り目状
の折曲部8となって、残存する。このような第1工程,
第2工程,第3工程等を辿り、展張法にて製造されたハ
ニカムコア9は、図2や図4に示したように、母材シー
ト2をセル壁7として区画形成された、中空柱状のセル
10の平面的集合体よりなり、接合箇所間の各セル壁7
が、断面直線状の平坦面をなさず(図7のハニカムコア
1と比較対照)、少なくとも1本の折曲部8が存し、断
面折れ線状をなす。
【0023】このハニカムコア9について、更に詳述す
る。図2に示した第1例のハニカムコア9にあっては、
第1接合材3間の各セル壁7について、それぞれ1本の
折曲部8が、第1接合材3近くの片側に形成されてい
る。これに対し、図4に示した第2例のハニカムコア9
にあっては、第1接合材3間の各セル壁7について、そ
れぞれ2本の折曲部8が第1接合材3近くに1本ずつ形
成されている。そしてこのハニカムコア9も、一般のハ
ニカムコア1と同様に、重量比強度に優れ、軽量である
と共に高い剛性・強度を備え、又、整流効果、平面精
度,保温性,遮音性にも優れ、単位容積当たりの表面積
が大である、等々の特性が知られ、広く各種の構造材と
して使用されるが、このハニカムコア9は、特性上、特
にフレキシブル性・柔軟性・高賦形性に優れている。
【0024】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。このハニカムコア9の
製造方法では、従来よりの展張法による製造方法につい
て、接合力が劣る第2接合材6による仮接合を付加する
と共に、展張中に仮接合が剥がれた後の塑性変形を利用
して、セル壁7に折曲部8を残存せしめるようになって
いる。もって、このように製造されたハニカムコア9
は、セル壁7に折曲部8が存し、セル壁7が断面折れ線
状をなすので、この点からセル壁7の剛性が緩和されて
おり、変形に対する余裕を備えひずみ等も吸収される。
もってこのハニカムコア9は、曲面成形された場合、わ
ん曲の内側・縮み側のセル端面側が、スムーズに縮み変
形すると共に、わん曲の外側・伸び側のセル端面側も、
スムーズに拡開変形する(図5の(1)図の本発明のハ
ニカムコア9と、図5の(2)図の従来例のハニカムコ
ア1とを比較参照)。
【0025】すなわち、このハニカムコア9は、セル端
面が所定曲率を備えるべく、全体的に曲面成形された場
合、次のようになる。ハニカムコア9を平坦なプレート
状(図8の(1)図も参照)から、わん曲形状(図8の
(2)図も参照)に曲面成形する際、わん曲の内側・縮
み側のセル端面側のセル10は、(アンダー展張される
ように)縮み変形しようとし、わん曲の外側・伸び側の
セル端面側のセル10は、(オーバー展張されるよう
に)拡開変形しようとする。そして、このような曲面成
形に際し、このハニカムコア9は、セル壁7の折曲部8
にて、変形に対する余裕・緩衝性を備えてなり、ひずみ
が吸収され曲げに対する剛性が緩和され、折曲部8が変
位する分だけ、前述したこの種従来例に比しセル10の
縦や横への変形量も少なくて済む(図8の(3)図や
(4)図も参照)。従って、上述した内外の縮み変形や
拡開変形は、スムーズに実施される。さてそこで、この
ハニカムコア9そしてその製造方法によると、次の第
1,第2,第3のようになる。
【0026】第1に、このハニカムコア9は、セル壁7
の断面折れ線状をなす折曲部8にて、変形に対する余裕
・緩衝性を備えてなる。そこで、スムーズに曲面成形さ
れ、特に大きな押圧力・加圧力を加えて、無理に縮み変
形や拡開変形させることを要しなくなる。第2に、この
ハニカムコア9は、このようにフレキシブル性・柔軟性
・高賦形性に優れており、折曲部8の存在により、2次
曲面への曲面成形は勿論のこと、3次曲面への曲面成形
にも支障なく適用できる。第3に、しかもこのハニカム
コア9は、従来より行われている一般的な展張法による
製造方法について、第2接合材6による仮接合を付加
し、その剥がれた跡の塑性変形を利用して、セル壁10
に折曲部8を残存せしめるようにしたことにより、簡単
容易に製造可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るハニカムコアおよびその製
造方法は、以上説明したように、セル壁について、少な
くとも1本の折曲部が存し、断面折れ線状をなすように
したことにより、次の効果を発揮する。
【0028】第1に、フレキシブル性・柔軟性・高賦形
性に優れてなる。すなわち、このハニカムコアは、セル
壁の断面折れ線状をなす折曲部にて、変形に対する余裕
・緩衝性を備え、スムーズに曲面成形され、もって大き
な押圧力・加圧力を加えて、無理に縮み変形や拡開変形
させることを要しない。そこで曲面成形に際し、前述し
たこの種従来例のハニカムコアのように、全体的に鞍状
に反り返ったりすることがなく、セル壁に割れ,ひび,
折損,剥れ,潰れ,座屈等の損傷が発生することも回避
される。
【0029】第2に、3次曲面の曲面成形にも、適用可
能である。すなわち、このハニカムコアは、断面折れ線
状をなすセル壁の折曲部の存在により、上述したように
フレキシブル性・柔軟性・高賦形性に優れており、スム
ーズに曲面成形される。そして、2次曲面の曲面成形は
勿論のこと、複雑な3次曲面の曲面成形にも、前述した
この種従来例のオーバーエキスパンドコアのように問題
を生じることなく、スムーズに適用される。
【0030】第3に、しかも製造が容易である。すなわ
ち、上述した第1,第2のように優れた効果を発揮する
このハニカムコアは、従来よりの展張法による製造方法
について、第2接合材による仮接合を付加し、その剥が
れた跡の塑性変形を利用して、セル壁に折曲部を残存せ
しめるようにしたことにより、簡単容易に製造可能であ
る。つまり、前述したこの種従来例のフレックスコアの
ように、製造方法が複雑化することもなく、コスト面に
も優れつつ製造される。このように、この種従来例に存
した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果
は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハニカムコアおよびその製造方法
について、その発明の実施の形態の第1例の説明に供す
る要部の正面説明図であり、(1)図は、重積,接合す
る第2工程を、(2)図は、展張する第3工程の前半を
示す。
【図2】同発明の実施の形態の第1例の説明に供する要
部の正面説明図であり、展張する第3工程の後半を示
す。
【図3】同発明の実施の形態の第2例の説明に供する要
部の正面説明図であり、(1)図は、重積,接合する第
2工程を、(2)図は、展張する第3工程の前半を示
す。
【図4】同発明の実施の形態の第2例の説明に供する要
部の正面説明図であり、展張する第3工程の後半を示
す。
【図5】同発明の実施の形態の説明に供し、曲面成形し
た場合の要部の斜視図であり、(1)図は、上述した第
1例のハニカムコアを示し、(2)図は、この種従来例
のハニカムコアを示す。
【図6】一般的なハニカムコアの製造方法の説明に供す
る概略斜視図であり、(1)図は、準備された母材シー
トを、(2)図は、切断された母材シートを、(3)図
は、第1接合材が配設された母材シートを、(4)図
は、重積された母材シートを、(5)図は、展張された
母材シートを、それぞれ示す。
【図7】この種従来例のハニカムコアの斜視図である。
【図8】同この種従来例のハニカムコアを曲面成形する
場合の説明に供し、(1)図は、曲面成形前の全体の概
略斜視図、(2)図は、曲面成形後の全体の概略斜視
図、(3)図は、曲面成形後の要部の平面説明図、
(4)図、曲面成形後の要部の底面説明図である。
【符号の説明】
1 ハニカムコア(従来例のもの) 2 母材シート 3 第1接合材 4 セル壁(従来例のもの) 5 セル(従来例のもの) 6 第2接合材 7 セル壁(本発明のもの) 8 折曲部 9 ハニカムコア(本発明のもの) 10 セル(本発明のもの)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セル壁にて区画形成された中空柱状のセ
    ルの平面的集合体であって、接合箇所間の各該セル壁
    が、断面直線状の平坦面をなさず、少なくとも1本の折
    曲部が存し断面折れ線状をなすこと、を特徴とするハニ
    カムコア。
  2. 【請求項2】 まず、母材シートに一定幅と間隔で条線
    状に第1接合材を配設する第1工程と、 次に、該第1接合材が順次半ピッチずつずれた位置関係
    で、複数枚の該母材シートを重積すると共に加熱するこ
    とにより、該母材シート間を該第1接合材にて接合する
    第2工程と、 更に、その重積方向に引張力を加え各該母材シートを展
    張する第3工程と、を辿ることにより、展張された該母
    材シートにてセル壁が形成され、もって、該セル壁にて
    区画形成された中空柱状のセルの平面的集合体よりなる
    ハニカムコアを得る、ハニカムコアの製造方法におい
    て、 まず該第1工程にて、該第1接合材間に該第1接合材よ
    り接合力が劣る第2接合材を、該第1接合材と平行に条
    線状に少なくとも1本配設し、次に該第2工程にて、重
    積と加熱により、該母材シート間を該第2接合材によっ
    ても仮接合し、 更に該第3工程にて、展張中に途中で該第2接合材によ
    る仮接合が剥がれ、その跡が、塑性変形により該第1接
    合材による接合箇所間の該母材シートそして該セル壁
    に、折曲部として残存することにより、 該第1接合材による接合箇所間の該セル壁が断面折れ線
    状をなすハニカムコアを得ること、を特徴とするハニカ
    ムコアの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のハニカムコアの製造方法
    において、該第1接合材より接合力が劣る該第2接合材
    として、該第1接合材と同種材料よりなると共に該第1
    接合材より幅狭なことにより、接合力が劣るように設定
    されたものが用いられていること、を特徴とするハニカ
    ムコアの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115257128A (zh) * 2022-07-15 2022-11-01 南京工程学院 一种纤维增强热塑性树脂基蜂窝芯制造装置及方法
DE102014000673B4 (de) 2014-01-22 2023-03-16 Lisa Dräxlmaier GmbH Halbzeug für die Herstellung einer Wabenstruktur eines Verbundbauteils sowie Verbundbauteil

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102014000673B4 (de) 2014-01-22 2023-03-16 Lisa Dräxlmaier GmbH Halbzeug für die Herstellung einer Wabenstruktur eines Verbundbauteils sowie Verbundbauteil
CN115257128A (zh) * 2022-07-15 2022-11-01 南京工程学院 一种纤维增强热塑性树脂基蜂窝芯制造装置及方法
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