JP3370852B2 - わん曲を備えたハニカムパネル、およびその製造方法 - Google Patents

わん曲を備えたハニカムパネル、およびその製造方法

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JP3370852B2 JP15006896A JP15006896A JP3370852B2 JP 3370852 B2 JP3370852 B2 JP 3370852B2 JP 15006896 A JP15006896 A JP 15006896A JP 15006896 A JP15006896 A JP 15006896A JP 3370852 B2 JP3370852 B2 JP 3370852B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、わん曲を備えたハ
ニカムパネル、およびその製造方法に関する。すなわ
ち、ハニカムコアの両面に表面板が接着されると共に、
折曲されたわん曲を備えたハニカムパネル、およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、この種従来例のわん曲を備えた
ハニカムパネルの要部の正面図であり、(1)図はその
第1例を、(2)図は第2例を、(3)図は第3例を示
す。そして、まず図5の(1)図に示した第1例の従来
例では、芯材たる正規展張状態Aのハニカムコア1の内
外両面に表面板2,3が接着された、フラットなものに
ついて、まず、ヤゲン等の折曲治具を用い、わん曲対象
箇所Rの内側の表面板2側から押圧力を加え、内側の表
面板2を凹状に折曲すると共に、該部分のハニカムコア
1を座屈する。そして外側の表面板3を、図示例では9
0度内側に折曲することにより、部分的に折曲されたわ
ん曲を備えたハニカムパネル4を得ていた。
【0003】又、図5の(2)図に示した第2例の従来
例では、同様に正規展張状態Aのハニカムコア1の内外
両面に表面板2,3が接着された、フラットなものにつ
いて、まず、丸鋸やバンドソー等の切削治具を用い、わ
ん曲対象箇所Rの内側の表面板2とハニカムコア1とを
切断する。そして外側の表面板3を、図示例では90度
内側に折曲することにより、部分的に折曲されたわん曲
を備えたハニカムパネル4を得ていた。
【0004】更に、図5の(3)図に示した第3例の従
来例では、全体的には正規展張状態Aではあるが、わん
曲対象箇所Rではアンダー展張状態B(展張方式にて成
形する際、100%前後展張され各セルが正六角形をな
す正規展張状態に比し、40%から70%前後しか展張
されず各セルが縦長六角形状となったもの)とされた、
ハニカムコア1が準備される。そして、このようなハニ
カムコア1の内外両面に表面板2,3が接着された、フ
ラットなものについて、わん曲対象箇所Rを図示例では
90度内側に折曲することにより、部分的に折曲された
わん曲を備えたハニカムパネル4を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。まず第
1に、ハニカムコア1や内外の表面板2,3の剛性等が
障害となり、ハニカムパネル4のわん曲対象箇所Rが、
例えば90度等内側にわん曲して形成されにくく、所定
の正確な曲率のものとならない、という問題が指摘され
ていた。特に、図5の(1)図に示した第1例の従来例
では、外側の表面板3の剛性や部分的に座屈されたハニ
カムコア1の剛性が、スムーズな折曲の障害となり、
又、図5の(2)図に示した第2例の従来例では、外側
の表面板3の剛性と、切断されたハニカムコア1間や内
側の表面板2間の切断面における当接が、スムーズな折
曲の障害となり、更に、図5の(3)図に示した第3例
の従来例では、内外の表面板3の剛性が、スムーズな折
曲の障害となっていた。もって、これら第1,第2,第
3の従来例、つまり部分的に折曲されたわん曲を備えた
従来のハニカムパネル4については、そのわん曲対象箇
所Rの曲率が所定のものとならないことが多く、問題と
なっていた。
【0006】第2に、又これら第1,第2,第3の従来
例にあっては、準備,加工が容易でなく専用治具等も必
要である、という問題も指摘されていた。すなわち、ま
ず第1,第2,第3の従来例共に、上述したハニカムコ
ア1や内外の表面板2,3の剛性に鑑み、わん曲対象箇
所Rを形成するための折曲加工が容易でなく、非常に面
倒で手間のかかる作業となっていた。更に第1の従来例
では、ヤゲン等の折曲治具を用いてハニカムコア1を座
屈せしめることを要し、第2の従来例では、丸鋸やバン
ドソー等の切削治具を用いて内側の表面板2やハニカム
コア1を切断することを要し、第3の従来例では、全体
を正規展張状態Aとしつつ部分的にアンダー展張状態B
としたハニカムコア1を準備することを要していた。こ
のように、これら第1,第2,第3の従来例、つまり部
分的に折曲された従来のわん曲を備えたハニカムパネル
4については、準備,加工が容易でなく面倒で手間がか
かり、専用治具等も必要である、という問題も指摘され
ていた。
【0007】第3に、更に第1,第2の従来例にあって
は、剛性・強度面にも問題が指摘されていた。すなわ
ち、第1の従来例にあっては、芯材たるハニカムコア1
がわん曲対象箇所Rにて座屈されているので、ハニカム
パネル4のわん曲対象箇所Rにおける剛性・強度が低下
する、という指摘があった。又、第2の従来例にあって
は、芯材たるハニカムコア1がわん曲対象箇所Rにおい
て切断されているので、該箇所の接着補強が必須的とさ
れると共に、例え接着補強しても、依然として剛性・強
度に不安が指摘されていた。このように、これら第1,
第2の従来例、つまり部分的に折曲されたわん曲を備え
た従来のハニカムパネル4については、剛性・強度面に
も問題が指摘されていた。
【0008】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例における課題を解決すべくなされたものであって、
芯材たるハニカムコアとしては、全体的にアンダー展張
状態のものを用い、わん曲対象箇所の外側では更に展張
され内側では圧縮されるようにすると共に、表面板につ
いては、わん曲対象箇所の内外両面のものが、共に、ス
リット間にて剥がされ除去されていること、を特徴とす
る。もって本発明は、第1に、正確に所定の曲率のわん
曲が得られ、第2に、準備,加工が簡単容易で手間取ら
ず、第3に、剛性・強度にも優れた、わん曲を備えたハ
ニカムパネル、およびその製造方法を提案することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1
のわん曲を備えたハニカムパネルは、芯材たるハニカム
コアの内外両面に表面板が接着されると共に、部分的に
折曲されたわん曲を備えてなる。そして該ハニカムコア
は、展張方式にて成形され、全体的に、セルが正六角形
をなす正規展張状態に至らず、セルが縦長六角形状をな
すアンダー展張状態であり、正規展張状態の展張率を1
00%とすると、展張率が40%から70%前後程度と
なっている。又、該ハニカムコアは、該わん曲対象箇所
の外側では、該アンダー展張状態からより広く更に展張
され、該わん曲対象箇所の内側では、該アンダー展張状
態からより狭く圧縮されている。内外両面の該表面板は
共に、該わん曲対象箇所において、わん曲前にそれぞれ
両側に形成されたスリット間のものを剥ぎ取ることによ
り、剥がされ除去されてからわん曲されていること、を
特徴とする。
【0010】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この請求項2のわん曲を備えたハニカムコアの
製造方法では、まず、展張方式にて成形されると共に、
全体的に、セルが正六角形をなす正規展張状態に至ら
ず、セルが縦長六角形状をなすアンダー展張状態のハニ
カムコアを準備する。そして該ハニカムコアの展張率
は、正規展張状態の展張率を100%とすると、40%
から70%前後程度となっている。次に、該ハニカムコ
アの内外両面に表面板を接着して、フラットなハニカム
パネルとする。しかる後、該ハニカムパネルの部分的に
存するわん曲対象箇所の内外両面の該表面板について、
それぞれ両側に形成されたスリット間のものを剥ぎ取る
ことにより、内外両面の該表面板を共に剥がし除去す
る。それから、該わん曲対象箇所を折曲しつつわん曲さ
せることにより、該わん曲対象箇所の該ハニカムコアに
ついて、外側が、該アンダー展張状態からより広く更に
展張されると共に、内側が、該アンダー展張状態からよ
り狭く圧縮される。もって、部分的に折曲されたわん曲
を備えたハニカムパネルを得ること、を特徴とする。
【0011】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。このわん曲を備えたハ
ニカムパネルおよびその製造方法にあっては、まず、芯
材たるハニカムコアについては、通常の正規展張状態の
ものに比し、可撓性に富み変形加工容易なアンダー展張
状態のものを、全体的に用いてなる。そこでハニカムコ
アは、わん曲対象箇所の外側では更に展張された状態と
なり、わん曲対象箇所の内側では圧縮された状態とな
る。これと共に、表面板については、わん曲対象箇所の
内側の表面板と外側の表面板を、共に剥がし除去して、
変形加工の障害とならないようしてなる。そこで、折曲
されわん曲を備えたハニカムパネルは、このようなハニ
カムコアや表面板よりなるので、わん曲対象箇所におい
て、剛性が低減されており、折曲により容易に所定の曲
率でわん曲される。もって、このわん曲を備えたハニカ
ムパネル、およびその製造方法にあっては、次の第1,
第2,第3のようになる。
【0012】第1に、このわん曲を備えたハニカムパネ
ルは、芯材たるハニカムコアが全体的にアンダー展張状
態よりなり、わん曲対象箇所では内外に圧縮,更に展張
され、かつ、わん曲対象箇所の内外の表面板が剥がし除
去されてなる。もって、わん曲対象箇所において、可撓
性つまり変形加工容易性が付与され剛性が低減されてい
るので、わん曲対象箇所が、正確に所定の曲率でわん曲
されたハニカムパネルが得られる。第2に、しかもこの
ような、わん曲を備えたハニカムパネルは、アンダー展
張状態のハニカムコアを準備すると共に、わん曲対象箇
所の内外の表面板を剥がし除去しておくだけで、簡単容
易に準備され、スムーズに折曲加工される。更に、その
折曲加工に際し、専用治具を必要とすることもない。第
3に、更にこのわん曲を備えたハニカムパネルは、わん
曲対象箇所において、ハニカムコアが内外に圧縮,更に
展張されているに過ぎず、座屈されたり切断されている
訳ではない。もって、このわん曲を備えたハニカムパネ
ルは、わん曲対象箇所において、特に剛性・強度が低下
することもない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示すその実
施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,図
3,図4の(1)図は、本発明の実施の形態の説明に供
する。そして、図1の(1)図は、準備されたハニカム
コアおよび表面板を示し斜視図、(2)図は、フラット
なハニカムパネルを示す斜視図である。図2の(1)図
は、その第1例の正面図、(2)図は、第2例の斜視図
であり、図3の(1)図は、その第3例の斜視図であ
る。図4の(1)図は、表面板に設けられた略ミシン目
状のスリットを示す平面図である。
【0014】図3の(2)図や、図4の(2)図,
(3)図は、本発明には属さない参考例を示し、図3の
(2)図は斜視図、図4の(2)図は、内側の表面板に
設けられた切り込み溝状の筋を示す正面図、図4の
(3)図は、内外両側の表面板に設けられた切り込み溝
状の筋を示す正面図である。なお図6は、展張方式によ
るハニカムコアの成形方法の説明に供する斜視説明図で
あり、(1)図は準備工程を、(2)図は切断工程を、
(3)図は接合材配設工程を、(4)図は重積工程を、
(5)図は展張工程を示す。
【0015】まず、本発明のわん曲を備えたハニカムパ
ネル5の製造方法について説明する。この製造方法で
は、まず、展張方式にて成形されると共に、正規展張状
態Aに至らないアンダー展張状態Bのハニカムコア1が
準備される。
【0016】これらについて、更に詳述する。まず、展
張方式によるハニカムコア1の成形方法について、図6
により一般的に述べておく。ハニカムコア1の母材6と
しては、アルミニウム箔その他の金属箔や、繊維強化プ
ラスチックシート(FRPシート)、クラフト紙やアラ
ミド紙その他の特殊紙、塩ビシートその他のプラスチッ
クシート、その他の有機系や無機系の複合材シート等
々、シート状の各種の金属や非金属が用いられる。そし
て、まず図6の(1)図に示したように準備された母材
6を、図6の(2)図に示したように、所定寸法毎に切
断すると共に、図6の(3)図に示したように、接着剤
7を条線状に塗布等により配設する。接着剤7は、母材
6に対し所定の幅,ピッチ,間隔で平行に配設される。
それから、図6の(4)図に示したように、複数枚のこ
のような母材6を、配設された接着剤7が順次横に半ピ
ッチずつずれた位置関係のもとに、上下に重積する。し
かる後、加熱加圧して接着剤7を溶融硬化させることに
より、重積された各母材6間が接着される。それから、
図6の(5)図に示したように、このような母材6のブ
ロック体を、所定肉厚毎に切断した後、上下の重積方向
を展張方向として引張力を加えて展張する。もって、折
曲された母材6にてセル壁8が形成され、セル壁8にて
区画形成された中空柱状のセル9の平面的集合体よりな
る、ハニカムコア1が成形される。
【0017】ハニカムコア1は、このような展張方式に
より成形されるが、本発明では、正規展張状態A(図6
の(5)図を参照)に至らない、アンダー展張状態Bの
ものが準備される。すなわち、例えば各セル9が正六角
形をなす展張状態を正規展張状態Aとし、その展張率を
100%とすると、各セル9が縦長六角形状をなし正規
展張状態Aに至らないアンダー展張状態Bにおいて、そ
の展張率は40%から70%前後程度となる。このよう
に、全体的にアンダー展張状態Bのハニカムコア1が、
準備される。
【0018】この製造方法では、次に、図1の(1)図
そして(2)図に示したように、このようなアンダー展
張状態Bのハニカムコア1の内外両面に表面板2,3が
接着され、もってフラットなハニカムパネル10とされ
る。すなわち、前述により準備されたアンダー展張状態
Bのハニカムコア1の両開口端面に、スキン材たる内側
および外側の表面板2,3がそれぞれ接着剤にて接着さ
れ、もって、まずフラットなハニカムパネル10とされ
る。表面板2,3の材質は前述したハニカムコア1に準
じ、各種の金属や非金属が適宜選択使用される。
【0019】それからこの製造方法では、図1の(2)
図に示したように、このフラットなハニカムパネル10
に関し、部分的に存するわん曲対象箇所Rについて、内
側の表面板2と外側の表面板3が剥がし除去される。そ
して、このような表面板2,3の剥がし除去は、わん曲
対象箇所Rの両側にスリット11を入れ、スリット11
間のものを剥ぎ取るようにするとよいが、図4の(1)
図に示したように、表面板2,3として、全体的に縦横
にミシン目状のスリット11が形成されたものを用い、
わん曲対象箇所Rの選択されたスリット11間を剥ぎ取
るようにすると、作業が簡単容易化される。
【0020】それから、この製造方法では、図2の
(1)図,(2)図,図3の(1)図等に示したよう
に、わん曲対象箇所Rを折曲しつつわん曲させることに
より、わん曲対象箇所Rのハニカムコア1について、外
側が、アンダー展張状態Bから更に展張された状態Cと
なるのに対し、内側が、アンダー展張状態Bから圧縮さ
れた状態Dとなり、もって、部分的に折曲されたわん曲
を備えたハニカムパネル5が得られる。
【0021】すなわち、前述により内外の表面板2,3
のわん曲対象箇所Rが剥がされ除去されたフラットなハ
ニカムパネル10(図1を参照)について、そのわん曲
対象箇所Rを、内側又は外側に折曲しつつわん曲させ
る。これにより、わん曲対象箇所Rのハニカムコア1に
ついては、その外側ほど、アンダー展張状態Bからより
広く更に展張された状態Cとなると共に、その内側ほ
ど、アンダー展張状態Bからより狭く圧縮された状態D
となる。このようにして、わん曲対象箇所Rにて部分的
に折曲され、もってわん曲を備えたハニカムパネル5が
得られる。図2の(1)図には、このようにして略凹字
状とされたハニカムパネル5の第1例が示されており、
図2の(2)には、このようなハニカムパネル5を、例
えばボートの腰掛けとして使用した第2例が示されてお
り、図中12はボート本体、図中13はそのフレームで
ある。更に図3の(1)図には、このようなハニカムパ
ネル5にて箱体を形成した第3例が示されている。
【0022】さて、このように製造されたハニカムパネ
ル5は、芯材たるハニカムコア1の内外両面に表面板
2,3が接着されると共に、部分的に折曲されたわん曲
を備えてなる。そして、ハニカムコア1は展張方式にて
成形され、全体的に、セル9が正六角形をなす正規展張
状態Aに至らず、セル9が縦長六角形状をなすアンダー
展張状態Bである。つまり、正規展張状態Aの展張率を
100%とすると、展張率が40%から70%前後程度
となっている。これと共にハニカムコア1は、わん曲対
象箇所Rの外側では、アンダー展張状態Bからより広く
更に展張された状態Cとなり、わん曲対象箇所Rの内側
では、アンダー展張状態Bからより狭く圧縮された状態
Dとなる。更に、わん曲対象箇所Rについて、内外両面
の表面板2,3は、共に、わん曲前にそれぞれ両側に形
成されたスリット11間のものを剥ぎ取ることにより、
剥がされ除去されてからわん曲されている。そしてハニ
カムパネル5は、芯材たるハニカムコア1の特性に鑑
み、重量比強度に優れ軽量であると共に高い剛性・強度
を備えるのを始め、平面精度,保温性,断熱性,遮音
性,座屈による衝撃吸収性、等々に優れるという特性を
生かし、各種の構造材として広く使用されている。
【0023】図1,図2,図3の(1)図に示した、本
発明の実施の形態に係るわん曲を備えたハニカムパネル
5は、このようになっている。次に、図3の(2)図に
示した、本発明には属さない参考例について、述べてお
く。この図3の(2)図に示したハニカムパネル5で
は、上述した図1,図2,図3の(1)図に示したハニ
カムパネル5について、わん曲対象箇所Rの内外の表面
板2,3が剥がされ除去されていたのに代え、わん曲対
象箇所Rの内側の表面板2に、切り込み溝状の筋14を
設けてなる。
【0024】このような、図3の(2)図に示した参考
例のわん曲を備えたハニカムパネル5について、更に詳
述しておく。まず、その製造方法について述べると、最
初に、展張方式にて成形され、正規展張状態Aに至らな
いアンダー展張状態Bのハニカムコア1が準備され、次
に、このようなハニカムコア1の内外両面に表面板2,
3を接着して、フラットなハニカムパネル10とする
(これらの点については、図1について前述した所と同
様)。
【0025】これと共に、このようなハニカムパネル5
の少なくとも部分的に存するわん曲対象箇所Rについ
て、少なくとも内側の表面板2に切り込み溝状の筋14
が設けられる。図3の(2)図や図4の(2)図には、
内側の表面板2のみに切り込み溝状の筋14を設けた例
が示されているのに対し、図4の(3)には、内外両側
の表面板2,3に切り込み溝状の筋14を設けた例が示
されている。いずれにしても筋14は、表面板2,3に
ついて、芯材たるハニカムコア1のセル軸と直交する方
向に形成され、表面板2,3に可撓性つまり所定曲率へ
の変形加工容易性を付与すべく、例えば断面略V字状等
をなし、わん曲対象箇所R毎に複数本ずつ形成される。
又、図3の(2)図に示した例では、ハニカムパネル5
が全体的にわん曲した円筒状とされるので、わん曲対象
箇所Rも部分的ではなく全体的であり、切り込み溝状の
筋14も結果的に全体的に設けられている。
【0026】それから、この参考例の製造方法では、わ
ん曲対象箇所Rを折曲しつつわん曲させることにより、
わん曲対象箇所Rのハニカムコア1について、外側がア
ンダー展張状態Bから更に展張された状態Cとなるのに
対し、内側がアンダー展張状態Bから圧縮された状態D
となり、もって、少なくとも部分的に折曲されわん曲を
備えたハニカムパネル5が得られる(これらの点につい
ても、図1について前述した所に準じる)。そして、こ
のような製造工程を辿ることにより、所期のわん曲を備
えたハニカムパネル5が得られる。すなわちこのハニカ
ムパネル5は、例えば図3の(2)図に示したように、
芯材たるハニカムコア1の内外両面に表面板2,3が接
着され、少なくとも部分的に折曲された(図示例では全
体的に折曲された)わん曲を備えてなる。そして、この
ハニカムコア1は、展張方式にて成形され、全体的には
正規展張状態Aに至らないアンダー展張状態Bであると
共に、わん曲対象箇所Rの外側では、アンダー展張状態
Bから更に展張された状態Cとなり、わん曲対象箇所R
の内側では、アンダー展張状態Bから圧縮された状態D
となり、内側の表面板2には、わん曲対象箇所Rについ
て(図示例では全体的に)、切り込み溝状の筋14が設
けられている。
【0027】なお、この図3の(2)図等に示した、参
考例のわん曲を備えたハニカムパネル5およびその製造
方法について、その他の構成の詳細等は、図1,図2,
図3の(1)図に示した本発明のハニカムパネル5につ
いて前述したところに準じるので、その説明は省略す
る。図3の(1)図,(2)図中15は端接着箇所であ
り、この端接着箇所15において、このようなハニカム
パネル5の始端と末端とが一体的に接着されている。参
考例は、このようになっている。
【0028】さて本発明は、前述したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。このわん曲を備えたハ
ニカムパネル5およびその製造方法にあっては、まず、
芯材たるハニカムコア1については、通常の正規展張状
態A(図6の(5)図等を参照)のものに比し、可撓性
に富み変形加工容易なアンダー展張状態Bのものを、全
体的に用いてなる。そこで、わん曲対象箇所Rの外側で
は更に展張された状態Cとなり、わん曲対象箇所Rの内
側では圧縮された状態Dとなる。又、表面板2,3につ
いては、わん曲対象箇所Rの内側の表面板2と外側の表
面板3を、共に剥がし除去して、変形加工の障害となら
ないようにしてなる。そこで、折曲されわん曲を備えた
ハニカムパネル5は、このようなハニカムコア1や表面
板2,3よりなるので、わん曲対象箇所Rにおいて、剛
性が低減されており、折曲により容易に所定の曲率でわ
ん曲される。もって、このわん曲を備えたハニカムパネ
ル5、およびその製造方法にあっては、次の第1,第
2,第3のようになる。
【0029】第1に、このわん曲を備えたハニカムパネ
ル5は、芯材たるハニカムコア1が全体的にアンダー展
張状態Bよりなり、わん曲対象箇所Rでは内外に圧縮,
更に展張され、かつ、わん曲対象箇所Rの内外の表面板
2,3が剥がし除去されてなる。もって、わん曲対象箇
所Rにおいて、可撓性つまり変形加工容易性が付与され
剛性が低減されているので、わん曲対象箇所Rが、正確
に所定の曲率でわん曲されたハニカムパネル5が得られ
る。
【0030】第2に、しかもこのような、わん曲を備え
たハニカムパネル5は、アンダー展張状態Bのハニカム
コア1を準備すると共に、わん曲対象箇所Rの内外の表
面板2,3を剥がし除去しておくだけで、簡単容易に準
備され、スムーズに折曲加工される。更に、その折曲加
工に際し、専用治具を特に必要とすることもない。
【0031】第3に、更にこのわん曲を備えたハニカム
パネル5は、わん曲対象箇所Rにおいて、ハニカムコア
1が内外に圧縮,更に展張されているに過ぎず、座屈さ
れたり切断されている訳ではない。もって、このわん曲
を備えたハニカムパネルは、わん曲対象箇所Rにおい
て、特に剛性・強度が低下することもない。
【0032】
【発明の効果】本発明に係るわん曲を備えたハニカムパ
ネルおよびその製造方法は、以上説明したように、芯材
たるハニカムコアとしては、全体的にアンダー展張状態
のものを用い、わん曲対象箇所の外側では更に展張され
内側では圧縮されるようにすると共に、表面板について
は、わん曲対象箇所の内外両面のものがスリット間にて
剥がされ除去されていること、を特徴とする。そこで、
次の効果を発揮する。
【0033】第1に、正確に所定の曲率のわん曲が得ら
れる。すなわち、このわん曲を備えたハニカムパネル
は、芯材たるハニカムコアが比較的変形加工容易なアン
ダー展張状態よりなり、わん曲対象箇所では内外に圧
縮,更に展張され、かつ、わん曲対象箇所の内外の表面
板が剥がし除去されてなる。もって、わん曲対象箇所に
おける剛性が低減され、スムーズな折曲が実現される。
つまり、前述したこの種従来例のように、ハニカムコア
や内外の表面板の剛性や切断面の当接等が、スムーズな
折曲の障害となるようなことはなく、わん曲対象箇所
が、正確に所定の曲率でわん曲されたハニカムパネルが
得られる。
【0034】第2に、準備,加工が簡単容易であり、手
間取ることもない。すなわち、このわん曲を備えたハニ
カムパネルは、アンダー展張状態のハニカムコアを準備
すると共に、わん曲対象箇所の内外の表面板を剥がし除
去することにより、簡単容易に準備されると共に、わん
曲対象箇所にてスムーズに折曲加工される。前述したこ
の種従来例のように、面倒で手間のかかる作業を要する
こともない。更に、前述したこの種従来例のように、ヤ
ゲン等の折曲治具や丸鋸,バンドソー等の切削治具等の
専用治具を、折曲加工に際し、必須的に準備し使用する
ことも要しない。このように、準備,加工が簡単容易
で、専用治具を要することもなく、このわん曲を備えた
ハニカムパネルは製造可能である。
【0035】第3に、剛性・強度にも優れている。すな
わち、このわん曲を備えたハニカムパネルは、前述した
この種従来例のように、芯材たるハニカムコアがわん曲
対象箇所において座屈されたり、切断されている訳では
なく、芯材たるハニカムコアはわん曲対象箇所におい
て、折曲されて内外に圧縮,更に展張されているに過ぎ
ない。そこで、このわん曲を備えたハニカムパネルは、
わん曲対象箇所で剛性・強度が低下するようなことはな
く、剛性・強度面にも優れている。このように、この種
従来例に存した課題が一挙にすべて解決される等、本発
明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るわん曲を備えたハニカムパネル、
およびその製造方法について、その発明の実施の形態の
説明に供する斜視図であり、(1)図は、準備されたハ
ニカムコアおよび表面板を示し、(2)図は、フラット
なハニカムパネルを示す。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図
は、その第1例の正面図、(2)図は、第2例の斜視図
である。
【図3】(1)図は、同発明の実施の形態の説明に供
し、その第3例の斜視図である。(2)図は、本発明に
は属さない参考例の斜視図である。
【図4】(1)図は、同発明の実施の形態の説明に供
し、表面板に設けられた略ミシン目状のスリットを示す
平面図である。(2)図,(3)図は、本発明には属さ
ない参考例を示し、(2)図は、内側の表面板に設けら
れた切り込み溝状の筋を示す正面図、(3)図は、内外
両側の表面板に設けられた切り込み溝状の筋を示す正面
図である。
【図5】この種従来例のわん曲を備えたハニカムパネル
の要部の正面図であり、(1)図はその第1例を、
(2)図は第2例を、(3)図は第3例を示す。
【図6】展張方式によるハニカムコアの成形方法の説明
に供する斜視説明図であり、(1)図は準備工程を、
(2)図は切断工程を、(3)図は接合材配設工程を、
(4)図は重積工程を、(5)図は展張工程を示す。
【符号の説明】
1 ハニカムコア 2 内側の表面板 3 外側の表面板 4 ハニカムパネル 5 ハニカムパネル 6 母材 7 接着剤 8 セル壁 9 セル 10 ハニカムパネル 11 スリット 12 ボート本体 13 フレーム 14 筋 15 端接着箇所 A 正規展張状態 B アンダー展張状態 C 更に展張された状態 D 圧縮された状態 R わん曲対象箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−316012(JP,A) 特開 昭62−220328(JP,A) 特開 昭52−117984(JP,A) 特開 昭58−101041(JP,A) 特開 昭62−196132(JP,A) 実開 平7−21263(JP,U) 登録実用新案3002123(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材たるハニカムコアの内外両面に表面
    板が接着されると共に、部分的に折曲されたわん曲を備
    えたハニカムパネルであって、 該ハニカムコアは、展張方式にて成形され、全体的に、
    セルが正六角形をなす正規展張状態に至らず、セルが縦
    長六角形状をなすアンダー展張状態であり、正規展張状
    態の展張率を100%とすると、展張率が40%から7
    0%前後程度となっており、 該ハニカムコアは、該わん曲対象箇所の外側では、該ア
    ンダー展張状態からより広く更に展張され、該わん曲対
    象箇所の内側では、該アンダー展張状態からより狭く圧
    縮されており、 内外両面の該表面板は共に、該わん曲対象箇所につい
    て、わん曲前にそれぞれ両側に形成されたスリット間の
    ものを剥ぎ取ることにより、剥がされ除去されてからわ
    ん曲されていること、を特徴とするわん曲を備えたハニ
    カムパネル。
  2. 【請求項2】 まず、展張方式にて成形されると共に、
    全体的に、セルが正六角形をなす正規展張状態に至ら
    ず、セルが縦長六角形状をなすアンダー展張状態のハニ
    カムコアを準備し、該ハニカムコアの展張率は、正規展
    張状態の展張率を100%とすると、40%から70%
    前後程度となっており、 次に、該ハニカムコアの内外両面に表面板を接着して、
    フラットなハニカムパネルとした後、 該ハニカムパネルの部分的に存するわん曲対象箇所の内
    外両面の該表面板について、それぞれ両側に形成された
    スリット間のものを剥ぎ取ることにより、内外両面の該
    表面板を共に剥がし除去してから、 該わん曲対象箇所を折曲しつつわん曲させることによ
    り、該わん曲対象箇所の該ハニカムコアについて、外側
    が、該アンダー展張状態からより広く更に展張されると
    共に、内側が、該アンダー展張状態からより狭く圧縮さ
    れ、 もって、部分的に折曲されたわん曲を備えたハニカムパ
    ネルを得ること、を特徴とする、わん曲を備えたハニカ
    ムパネルの製造方法。
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