JP3167481B2 - フレキシブルハニカムコアの製造方法 - Google Patents

フレキシブルハニカムコアの製造方法

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JP3167481B2
JP3167481B2 JP02733893A JP2733893A JP3167481B2 JP 3167481 B2 JP3167481 B2 JP 3167481B2 JP 02733893 A JP02733893 A JP 02733893A JP 2733893 A JP2733893 A JP 2733893A JP 3167481 B2 JP3167481 B2 JP 3167481B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレキシブルハニカム
コアの製造方法に関する。すなわち、3次曲面その他の
複雑な曲面に湾曲加工可能で、ロケットの先端部外壁を
始め各種の機器や構造材に使用される、フレキシブルハ
ニカムコアの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハニカムコアは、中空柱状のセルの平面
的集合体よりなり、重量比強度に優れる等々の各種特性
を備え広く各種用途に使用されているが、各セル壁が直
線板状をなし、各セルが正六角形等の角柱状をなすもの
が代表的である。ところで、このようなハニカムコアを
曲面に湾曲加工しようとすると、反り返り,歪み,折
損,剥離等々が生じやすく、3次曲面その他の複雑な曲
面に精度高く湾曲加工することは、極めて困難とされて
いた。そこで従来、このような曲面形成用のハニカムコ
アとして、各セル壁が途中で大きく折曲され、各セルが
丸味を帯びた略凸字状をなすフレキシブルハニカムコア
(後述する図2の(2)図参照)が開発使用されてお
り、このような特殊なセル形状のフレキシブルハニカム
コアは、反り返り,歪み,折損,剥離等々を生じること
なく、容易にかつ精度高く、3次曲面その他の複雑な曲
面に湾曲加工可能であった。
【0003】さて、このようなフレキシブルハニカムコ
アは、従来、次のように製造されていた。まず、帯状の
箔材を加工することにより、特殊な凹凸が連続的に折曲
形成された波板(つまりフレキシブルハニカムコアのセ
ル壁の形状に見合った波板)が準備されていた。すなわ
ち、箔材を専用の成形型を用いて加熱加圧することによ
り、所定形状の大波部と小波部が順次連続的に折曲形成
された特殊な波板を、予め成形した後、波板の大波部の
頂部に接着剤を塗布してから、このような波板を複数
枚、上下の大波部と小波部が重なる位置関係で重積し、
それから、加熱加圧して接着剤を硬化させ波板間を接着
することにより、各セルが途中で折曲され各セルが丸味
を帯びた略凸字状をなす、フレキシブルハニカムコアが
製造されていた。そして、このような従来のフレキシブ
ルハニカムコアにあっては、その母材として、アルミニ
ウムその他の金属製の箔材が一般的に用いられていた
が、最近、諸特性に優れた繊維強化プラスチック(FR
P)製の箔材を用いることも、試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例、特に繊維強化プラスチック製の箔材を用いたフ
レキシブルハニカムコアおよびその製造方法にあって
は、次の問題が指摘されていた。まず第1に、所定形状
の大波部と小波部が順次連続的に折曲形成された波板
(つまり最終的なフレキシブルハニカムコアにおける途
中で折曲されたセル壁の形状に見合った波板)を、最初
に成形することを要するが、このような波板は、極めて
特殊で複雑な形状よりなるので成形が非常に面倒であ
り、手間と時間を要すると共に、均一形状のものが得ら
れにくいという問題があった。第2に、同様に従来例で
は、予め成形される波板が極めて特殊で複雑な形状より
なるので、その成形型も、非常に特殊で複雑な形状・構
造よりなり、設備費がかさむという問題もあった。第3
に、更に波板には接着剤が塗布されるが、このような接
着剤の塗布は、小波部を除いた大波部のみについて実施
しなければならず、自動ライン化が容易でなく、非常に
面倒で手間と時間を要すると共に、均一に塗布しにくい
という問題があった。
【0005】第4に、そしてこのような各波板が重積さ
れていたが、この重積は、複数枚の波板について、セル
空間が存すると共に、それぞれ上下の大波部と小波部が
すべて重なる位置関係となるように、注意深く順次ズレ
ないように慎重に重ねて行かねばならず、非常に面倒で
あり手間と時間を要すると共に、このように正確に重積
すること自体が困難であるとも言われる等、問題があっ
た。第5に、このようにセル空間を存し重積された波板
間の位置関係やその維持に留意しなければならないの
で、次に行われる加熱加圧による接着剤の硬化に際し、
重積された各波板に対し強力で十分な圧力を加えること
ができず、加熱加圧が不足がちとなり、もって波板間の
接着強度が弱いという問題が指摘されていた。そして、
このような第1,第2,第3,第4,第5の各点に起因
し、従来の繊維強化プラスチック製等のフレキシブルハ
ニカムコアについては、製造が面倒であり手間と時間を
要する等、高価でありコスト面に難点が指摘されると共
に、均一な品質のものが得られず強度にも不安がある
等、品質面にも難点が指摘されていた。
【0006】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、ま
ず、プリプレグ状をなす繊維強化プラスチック製の箔材
を、ヒートコルゲートローラー間に通すことにより、樹
脂を加熱加圧して一般的な三角形の波形の波板を成形し
て冷却し、次に、この波板の頂部又は谷部について1条
おきに接着剤を塗布した後、このような波板を横に1波
ずつずれる位置関係で、重積すると共に接着してから、
展張する方式を採用してなる。もって、まず簡単容易に
製造でき手間や時間がかからない等、コスト面に優れる
と共に、更に品質が均一で強度も向上する等、品質面に
も優れてなる、フレキシブルハニカムコアの製造方法を
提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この
フレキシブルハニカムコアの製造方法では、まず、熱硬
化性樹脂よりなると共に、後述する接着剤の硬化温度よ
りは高温で硬化する樹脂に、繊維を組み合わせた繊維強
化プラスチック製の帯状の箔材を、該樹脂が半硬化のプ
リプレグ状態で準備する。そして、該箔材をヒートコル
ゲートローラー間に通して、該樹脂を加熱加圧すること
により、三角形の波形の凹凸が連続的に折曲形成された
波板に、コルゲート成形して、該波板を冷却する。それ
から次に、該波板の頂部又は谷部について1条おきに該
接着剤を塗布すると共に、該波板を所定長さ毎に切断す
る。
【0008】それから、該接着剤が塗布された位置が上
下の該波板相互間で順次交互にずれる位置関係で、つま
り、一段重ねる毎に上下間で横に1波ずつずれ該接着剤
が上下間で左右にずれる位置関係で、頂部どうし谷部ど
うしを合わせつつ複数枚の該波板を重積した後、加熱加
圧により該波板間を接着する。しかる後、このように接
着された該波板を、重積方向に引張り力を加えて展張す
ることにより、各セル壁が途中で折曲され各セルが丸味
を帯びた略凸字状をなす、中空柱状の該セルの平面的集
合体よりなる、フレキシブルハニカムコアを得る。それ
から更に、該フレキシブルハニカムコアの各セル壁に対
し、樹脂を含浸させること、を特徴とする。
【0009】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。本発明では、まず、繊維強化プラスチ
ック製の箔材を、ヒートコルゲートローラー間に通し樹
脂を加熱加圧することにより、一般的な三角形の波形の
波板を成形し、次に、このような波板を切断,重積,接
着してから、展張する方式を採用したことにより、各セ
ル壁が途中で折曲され各セルが丸味を帯びた略凸字状を
なす、フレキシブルハニカムコアが製造される。
【0010】そこで本発明では、第1に、使用される波
板は、一般的な三角形の波形よりなるので、簡単容易に
ヒートコルゲートローラーにて成形でき、手間や時間を
要せず均一形状のものが得られる。第2に、同様に波板
が一般的な形状よりなるので、この波板の成形型である
ヒートコルゲートローラーも、一般的な形状の歯車構造
よりなり、その設備費がかさむこともない。第3に、更
にこのような波板への接着剤の塗布は、頂部又は谷部に
ついて1条おきに行えばよく簡単容易であり、手間や時
間を要せず均一な塗布が可能となる。
【0011】第4に、そして波板の重積は、塗布された
接着剤がずれる位置関係にて、上下の頂部,谷部を単に
合わせつつ密に重ねて行けばよく、簡単容易であり、手
間や時間を要せず正確な重積が可能となる。第5に、密
に重積された各波板は、相互間の位置関係の維持に留意
を要しないので、塗布された接着剤の硬化に際し、強力
で十分な圧力を加え加熱加圧を不足なく実施でき、波板
間の接着強度が強くなる。第6に、各セル壁に樹脂を含
浸せしめるので、形状保持性が一段と強くなる。これら
第1,第2,第3,第4,第5,第6等により、本発明
の製造方法では、フレキシブルハニカムコアが、簡単容
易に手間や時間を要しないと共に、品質が均一で強度も
向上して製造される。
【0012】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。各図面は、本発明の実施例の説
明に供するものであり、図1および図2の正面説明図に
おいて、図1の(1)図は箔材を、(2)図は波板を、
(3)図は接着剤が塗布された波板を、(4)図は重積
された波板を示し、図2の(1)図は加熱加圧される各
波板を、(2)図は展張により製造されたフレキシブル
ハニカムコアを示す。又、図3は、コルゲート成形工
程,冷却工程,接着剤塗布工程等の工程説明図であり、
図4の(1)図は、ヒートコルゲートローラーの正面説
明図、図4の(2)図は、乾燥装置の正面説明図であ
る。図5は、実施例の工程ブロック図である。
【0013】最初に、準備工程について述べる。この製
造方法では、樹脂に繊維を組み合わせた繊維強化プラス
チック製の帯状の箔材1が、まず準備される。この準備
工程について詳述すると、図5のステップ1,図1の
(1)図,図3等に示したように、リール2に巻かれた
帯状の母材である箔材1が、巻き戻されて平坦な帯状と
され、後述のヒートコルゲートローラー3へと供給され
る。そして、このような箔材1の繊維としては、ガラ
ス,カーボン,ボロン,パルプ,その他の有機材や無機
材を、繊維化したものが用いられ、例えば、全体の1%
から50%程度の繊維量のガラスを基材とし、残りがパ
ルプよりなる繊維や、全体の1%から50%程度の繊維
量のカーボンを基材とし、残りがボロンよりなる繊維、
等々が用いられる。又、このような繊維の織り方として
は、平織り,朱子織り,綾織り等により縦糸と横糸を備
えたものや、一方向の縦糸のみからなるユニと称される
もの、その他各種の織り方のものが可能である。次に、
箔材1の樹脂としては、フェノールその他の熱硬化性樹
脂が用いられるが、後述する接着剤の硬化温度よりは高
い温度で硬化するものが、選択使用される。そして箔材
1は、このような繊維に樹脂を浸漬や塗布方式にて含浸
させることにより、両者を組み合わせてなると共に、樹
脂が半硬化のプリプレグの状態で準備され、次のヒート
コルゲートローラー3へと供給される。
【0014】次に、コルゲート成形工程について述べ
る。この製造方法では、上述により準備された箔材1を
ヒートコルゲートローラー3間に通し、箔材1の樹脂を
加熱加圧することにより、三角形の波形の凹凸が連続的
に折曲形成された波板4が、コルゲート成形される。こ
のコルゲート成形工程について、図5のステップ2,図
1の(2)図,図3,図4の(1)図等を参照しつつ詳
述すると、まず、加熱加圧用のヒートコルゲートローラ
ー3は、上下対をなし、箔材1を挟み込むに足る僅かな
間隔で配され、表面にその軸方向に沿い直線的な三角形
の波形の凹凸が、所定ピッチと高さで平行かつ連続的に
形成された略ギヤ状をなし、内部から図示例では蒸気を
用いて加熱されつつ、回転駆動される。図4の(1)図
中、Aは配管、Bは蒸気の流れを示すが、図示例によら
ず電気式にて加熱を行う方式や、その他の加熱方式も勿
論可能である。そして箔材1は、このようなヒートコル
ゲートローラー3間を通過しつつ、その樹脂が加熱加圧
され、もって、例えば各々アールを備えた60度の折曲
角度よりなると共に、所定ピッチと高さで三角形の波形
の凹凸が連続的に折曲形成された、繊維強化プラスチッ
ク製の波板4が、コルゲート成形される。
【0015】次に、冷却工程について述べる。上述した
コルゲート成形工程でコルゲート成形された波板4は、
図5のステップ3に示した冷却工程を辿り、冷却され
る。すなわち、図3中Cは冷却工程の冷却室であり、D
は波板4を冷却室C中で搬送するコルゲートベルト、E
は冷却用のファン、Fは冷却用の冷風たる空気の流れで
ある。
【0016】次に、接着材5塗布工程および切断工程に
ついて述べる。すなわち、このような冷却工程の後、波
板4は、図5のステップ4に示した接着剤5塗布工程へ
と送られ、図1の(3)図に示したように、その頂部又
は谷部に1条おきに接着剤5が塗布される。すなわち、
図3中6は接着剤5塗布工程のトレーであり、このトレ
ー6内の接着剤5が、回転されるピックアップローラー
7を介し、回転される塗布ローラー8の表面に形成され
た塗布用の凸状部9により、波板4の三角形の波形の頂
部又は谷部の表面若しくは裏面について、1条おきに塗
布される(図示例では頂部の表面に塗布される)。図3
中10はバックアップローラーである。しかる後、この
ように接着剤5が塗布された波板4は、接着剤5が一旦
半硬化されてから、図5のステップ5に示した切断工程
において、カッター(図示せず)により所定長さ毎に切
断され、長尺の長方形状とされる。
【0017】次に、重積工程および加熱加圧工程につい
て述べる。上述により冷却工程,接着剤5塗布工程,切
断工程等を辿った波板4は、次に、接着剤5が塗布され
た位置が上下の波板4相互間で順次交互にずれる位置関
係で、複数枚重積された後、加熱加圧により波板4間が
接着される。すなわち重積工程では、図5のステップ6
や図1の(4)図に示したように、複数枚の波板4が、
一段重ねる毎に上下間で横に1波ずつずれる位置関係、
つまり1条おきに塗布された接着剤5が上下間で左右に
ずれる位置関係で、頂部どうし谷部どうしを合わせつ
つ、密に多層なブロック状に重積される。しかる後、こ
の重積工程で重積された波板4は、図5のステップ7や
図2の(1)図に示したように、加熱加圧工程におい
て、上下のプレート12間に介裝された後、炉中等でプ
レート12が昇降動されることにより加熱加圧され、接
着剤5がホットプレスにより溶融硬化され、もって、重
積された波板4間が図示例では頂部間にて接着される。
【0018】次に、展張工程について述べる。上述によ
り重積工程や加熱加圧工程を辿り、重積そして接着され
た各波板4は、重積方向に引張り力を加えて展張され
る。すなわち、図5のステップ8や図2の(2)図に示
したように、重積されると共に部分的に接着された波板
4に対し、重積方向を展張方向として引張り力を加える
ことにより、各波板4の非接着部分が展張され、変形分
離して離隔する。そしてこのような波板4により、各セ
ル壁13が途中でアールを存しつつ大きく折曲され、各
セル14が丸味を帯びた略凸字状をなす、フレキシブル
ハニカムコア15が得られる。
【0019】最後に、含浸工程および乾燥工程について
述べておく。図示例では更に、このようにして得られた
フレキシブルハニカムコア15は、図5のステップ9の
含浸工程において樹脂中に浸漬され、もって各セル壁1
3の外表面に対し樹脂が含浸せしめられる。それから、
図5のステップ10の乾燥工程において乾燥されること
により、このフレキシブルハニカムコア15は、ステッ
プ11において完成される。なお図4の(2)図は、こ
のような乾燥工程の乾燥室16を示し、乾燥用のファン
Eにて乾燥用の熱風よりなる空気の流れFが形成され、
樹脂が含浸せしめられたフレキシブルハニカムコア15
は、このような乾燥室16内で乾燥される。
【0020】さて、このようにしてフレキシブルハニカ
ムコア15が製造される。このフレキシブルハニカムコ
ア15は、中空柱状のセル14の平面的集合体よりな
り、各セル壁13が途中でアールを存しつつ折曲され、
各セル14が丸味を帯びた略凸字状をなす。そして、そ
のセル壁13は、樹脂に繊維を組み合わせた繊維強化プ
ラスチック製の箔材1よりなると共に、この箔材1をヒ
ートコルゲートローラー3間に通し、その樹脂を加熱加
圧して成形され波形が三角形の波板4を、重積,接着,
展張することにより製造されてなる。そして、このフレ
キシブルハニカムコア15は、一般的なハニカムコアと
同様に、重量比強度に優れ、軽量性と共に高い剛性・強
度を備え、又、整流効果,保温性,遮音性等にも優れ、
単位容積当たりの表面積が大である、等々の特性を備え
てなる。
【0021】本発明は、以上説明したようになってい
る。そこで以下のようになる。このフレキシブルハニカ
ムコア15およびその製造方法では、まず、樹脂に繊維
を組み合わせた繊維強化プラスチック製の箔材1を、コ
ルゲート成形工程でヒートコルゲートローラー3間に通
し、その樹脂を加熱加圧することにより、三角形の波形
が連続的にアールを存して折曲形成された波板4がコル
ゲート成形される。そして冷却工程を経た後、接着剤5
塗布工程でこの波板4に接着剤5を塗布すると共に、切
断工程で波板4を切断した後、重積工程で複数枚を重積
し、加熱加圧工程で加熱加圧により相互間を接着してか
ら、展張工程で展張することにより、各セル壁13が途
中でアールを存して折曲され、もって各セル14が丸味
を帯びた略凸字状をなす、フレキシブルハニカムコア1
5が製造される。そして、このフレキシブルハニカムコ
ア15は、容易にかつ精度高く、3次曲面その他の複雑
な曲面に湾曲加工可能である。さてそこで、このフレキ
シブルハニカムコア15およびその製造方法では、次の
第1,第2,第3,第4,第5,第6のようになる。
【0022】まず第1に、使用される波板4は、極めて
一般的な三角形の波形が、連続的に折曲形成された単調
な形状よりなる。従ってこの波板4は、前述したこの種
従来例におけるように、大波部と小波部が連続的に折曲
形成された特殊で複雑な形状のもの(つまり最終的なフ
レキシブルハニカムコア15のセル壁13の形状に見合
った従来の波板)に比し、ヒートコルゲートローラー3
を用いることにより簡単容易に成形でき、手間や時間を
要せず、均一形状のものが得られる。
【0023】第2に、同様に波板4が、一般的な三角形
の波形が連続的に折曲形成された単調な形状よりなるの
で、このような波板4の成形型であるヒートコルゲート
ローラー3も、一般的な形状の歯車構造のものよりな
る。従ってこのヒートコルゲートローラー3は、前述し
たこの種従来例における成形型のように、特殊で複雑な
形状・構造のものとは異なり、その設備費がかさむこと
もない。
【0024】第3に、更にこのような波板4への接着剤
5の塗布は、その頂部又は谷部について1条おきに行え
ばよい。つまり接着剤5の塗布は、前述したこの種従来
例における塗布のように、小波部を除いた大波部のみに
ついて行うことを要し自動ライン化が容易でなかったの
とは異なり、簡単容易に行え、手間や時間を要せず、均
一な塗布が可能となる。
【0025】第4に、そしてこのような波板4の重積
は、塗布された接着剤5がずれる位置関係にて、上下の
頂部,谷部どうしを単に合わせつつ、空間を存すること
なく密に重ねて行くことにより行われる。このように波
板4の重積は、前述したこの種従来例における重積のよ
うに、複数枚間で空間が存すると共にそれぞれ上下の大
波部と小波部とがすべて重なる位置関係とすべく、注意
深く順次上下間でズレないように慎重に重ねて行くこと
を要せず、簡単容易に行え、手間や時間を要せず、正確
な重積が可能となる。
【0026】第5に、このように密に重積された各波板
4は、相互間の位置関係やその維持に留意することを要
しないので、重積された各波板4間の接着つまり塗布さ
れた接着剤5の硬化に際し、強力で十分な圧力を加える
ことができるようになる。このように波板4間の接着
は、前述したこの種従来例における接着のように、空間
を存し重積されたもの間の位置関係やその維持のため、
強力で十分な圧力を加えられなかったのとは異なり、加
熱加圧を不足なく実施でき、波板4間の接着強度が強く
なる。
【0027】第6に、更に図示例にあっては、各セル壁
13に対し樹脂が含浸せしめられているので、その形状
保持性が一段と強くなる。更に図示例にあっては、前述
した加熱加圧工程およびこの樹脂含浸後の乾燥工程によ
って、結果的に2回にわたり加熱によるキュアが実施さ
れ、もってフレキシブルハニカムコア15の樹脂が、よ
り確実かつ均一に硬化されるという利点もある。
【0028】これら第1,第2,第3,第4,第5、更
に図示例にあっては第6等により、本発明では、各セル
壁13が途中でアールを存し折曲され各セル14が丸味
を帯びた略凸字状をなす、特殊なセル14形状の繊維強
化プラスチック製のフレキシブルハニカムコア15が、
簡単容易に手間や時間を要しないと共に、品質が均一で
強度も向上して製造される。
【0029】
【発明の効果】本発明に係るフレキシブルハニカムコア
の製造方法は、以上説明したように、プリプレグ状をな
す繊維強化プラスチック製の箔材を、ヒートコルゲート
ローラー間に通すことにより、まず、樹脂を加熱加圧し
て一般的な三角形の波形の波板を成形して冷却し、次
に、この波板の頂部又は谷部について1条おきに接着剤
を塗布した後、このような波板を横に1波ずつずれる位
置関係で、重積すると共に接着してから、展張する方式
を採用したことにより、次の効果を発揮する。
【0030】第1に、波板の成形が簡単容易であり、手
間や時間を要せず均一形状のものが得られる。第2に、
波板の成形型であるヒートコルゲートローラーは、一般
的な形状の歯車構造よりなり、安価に得られ設備費がか
さむこともない。第3に、波板への接着剤の塗布は簡単
容易であり、手間や時間を要せず均一な塗布が可能であ
る。第4に、波板の重積も簡単容易であり、手間や時間
を要せず正確な重積が可能である。第5に、重積された
波板への加熱加圧も十分に不足なく実施でき、波板間の
接着強度も強い。第6に、樹脂が含浸されているので一
段と形状保持性が強い。
【0031】これら第1,第2,第3,第4,第5,第
6等により、本発明に係る繊維強化プラスチック製のフ
レキシブルハニカムコアの製造方法にあっては、まず、
簡単容易に製造が行え手間や時間がかからない等、安価
でありコスト面に優れると共に、更に、品質が均一で強
度も向上したものが得られる等、品質面にも優れてな
る。このように、この種従来例に存した問題点が一掃さ
れる等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるも
のがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレキシブルハニカムコアの製造
方法等の実施例の説明に供する、正面説明図であり、
(1)図は箔材を、(2)図は波板を、(3)図は接着
剤が塗布された波板を、(4)図は重積された波板を示
す。
【図2】同実施例の説明に供する正面説明図であり、
(1)図は、加熱加圧される各波板を、(2)図は、展
張により製造されたフレキシブルハニカムコアを示す。
【図3】同実施例におけるコルゲート成形工程,冷却工
程,接着剤塗布工程等の工程説明図である。
【図4】コルゲート成形工程および乾燥工程にて使用さ
れる装置の正面説明図であり、(1)図はヒートコルゲ
ートローラーを、(2)図は乾燥装置を示す。
【図5】同実施例の工程ブロック図である。
【符号の説明】
1 箔材 2 リール 3 ヒートコルゲートローラー 4 波板 5 接着剤 6 トレー 7 ピックアップローラー 8 塗布ローラー 9 凸状部 10 バックアップローラー 12 プレート 13 セル壁 14 セル 15 フレキシブルハニカムコア 16 乾燥室 A 配管 B 蒸気の流れ C 冷却室 D コルゲートベルト E ファン F 空気の流れ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まず、熱硬化性樹脂よりなると共に後述
    する接着剤の硬化温度よりは高温で硬化する樹脂に、繊
    維を組み合わせた繊維強化プラスチック製の帯状の箔材
    を、該樹脂が半硬化のプリプレグ状態で準備し、 該箔材をヒートコルゲートローラー間に通して、該樹脂
    を加熱加圧することにより、三角形の波形の凹凸が連続
    的に折曲形成された波板に、コルゲート成形して、該波
    板を冷却してから、 次に、該波板の頂部又は谷部について1条おきに該接着
    剤を塗布すると共に、該波板を所定長さ毎に切断し、 それから、該接着剤が塗布された位置が上下の該波板相
    互間で順次交互にずれる位置関係で、つまり、一段重ね
    る毎に上下間で横に1波ずつずれ該接着剤が上下間で左
    右にずれる位置関係で、頂部どうし谷部どうしを合わせ
    つつ複数枚の該波板を重積した後、加熱加圧により該波
    板間を接着し、 しかる後、このように接着された該波板を、重積方向に
    引張り力を加えて展張することにより、各セル壁が途中
    で折曲され各セルが丸味を帯びた略凸字状をなす、中空
    柱状の該セルの平面的集合体よりなるフレキシブルハニ
    カムコアを得た後、 更に、該フレキシブルハニカムコアの各セル壁に対し樹
    脂を含浸させること、を特徴をするフレキシブルハニカ
    ムコアの製造方法。
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