JP3157403B2 - 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法

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JP3157403B2
JP3157403B2 JP28750294A JP28750294A JP3157403B2 JP 3157403 B2 JP3157403 B2 JP 3157403B2 JP 28750294 A JP28750294 A JP 28750294A JP 28750294 A JP28750294 A JP 28750294A JP 3157403 B2 JP3157403 B2 JP 3157403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
製のハニカムコアおよびその製造方法に関する。すなわ
ち、繊維強化プラスチック(FRP)製のハニカムコア
と、波板を利用したその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアの製造方法では、まず、ガラス繊維,カーボン
繊維,セラミック繊維等の繊維基材シートの両面に、エ
ポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を、浸漬処理等により付
着,含浸せしめた母材が準備される。そしてプリプレグ
状の母材、つまり熱硬化性樹脂が加熱により半硬化した
いわゆるBステージ状態となったプリプレグ状の母材
を、ギアやラック等のコルゲート成形装置を用い波板状
に折曲した後、専用の金型治具内に挿入して、その形状
を保持させつつ加熱硬化せしめることにより波板に成形
加工し、それから、このような複数枚の波板を重積,接
着することにより、繊維強化プラスチック製のハニカム
コアが製造されていた。なお、このような製造方法によ
らず、熱硬化性樹脂に代え熱可塑性樹脂を用いた、繊維
強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法も開発さ
れていた。そしてこの製造方法では、まず、繊維基材シ
ートの両面にフィルム状の熱可塑性樹脂を、プレス装置
やカレンダーロール装置等を用い加圧しつつ加熱するこ
とにより、張り合わせると共に蜜に含浸せしめ、完全に
一体化した母材が準備される。それから、再加熱により
軟化したこの母材を、コルゲート成形装置を用い加圧す
ると共に冷却硬化せしめて波板に成形加工した後、この
ような複数枚の波板を重積,接着することにより、繊維
強化プラスチック製のハニカムコアが製造されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。まず、
前述した熱硬化性樹脂を用いた従来例にあっては、母材
を波板に成形加工する際、加熱硬化に極めて長時間を要
し(熱硬化性樹脂は加熱硬化に長時間を要する)、専用
の金型治具を用いる必要があるので非常に手間取る、と
いう難点があった。つまり、従来の熱硬化性樹脂を用い
た製造方法および製造された繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアについては、波板の成形加工に時間と手間
を要し、製造コスト面に問題が指摘されていた。
【0004】次に、前述した熱可塑性樹脂を用いた従来
例にあっては、このような時間と手間を要せず、波板が
簡単容易に成形加工できる反面、次の第1,第2の問題
が指摘されていた。第1に、繊維基材シートの両面にフ
ィルム状の熱可塑性樹脂を、加圧加熱により、貼り合わ
せると共に蜜に含浸せしめ完全に一体化した母材を用い
るので、母材の準備コストがかさむ、という難点があっ
た。すなわち、熱可塑性樹脂を用いた従来の波板の母材
は、繊維基材シートに両面から熱可塑性樹脂が貼り合わ
されると共に、単なる加熱加圧ではなく非常に高いレベ
ルの高温高圧により(熱可塑性樹脂は溶融時の流動性が
悪く、高いレベルの高温高圧を要する)、両者がボイ
ド,空孔,隙間等もなく蜜に含浸され、完全に一体化さ
れたものが用いられており、一体化処理が非常に面倒で
あり、準備コストがかさんでいた。そこで、従来の熱可
塑性樹脂を用いた製造方法および製造された繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアについては、この面から、
製造コスト面に問題が指摘されていた。
【0005】第2に、製造された繊維強化プラスチック
製のハニカムコアについては、その剛性・強度を一段と
高めるため、後処理として、そのセル壁の外表面に熱硬
化性樹脂等を、浸漬処理等により付着,含浸させること
が多いが、このような付着,含浸が困難化することがあ
った。すなわち、そのセル壁の母材は、繊維基材シート
の両面にフィルム状の熱可塑性樹脂を貼り合わせて一体
化した構造よりなるので、外表面がすべて、硬化した熱
可塑性樹脂により完全にフラットとなっており、繊維基
材シートによる凹凸,隙間等はすべて埋めつくされてい
る。そこで事後、これに対し外側から更に熱硬化性樹脂
等を付着,含浸させようとした場合、このような補強用
の熱硬化性樹脂等が接合固定されにくいと共に剥離しや
すく、結局、付着,含浸が困難化することが多かった。
このように、従来の熱可塑性樹脂を用いた製造方法およ
び製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアに
ついては、事後の補強が容易でないという問題も指摘さ
れていた。
【0006】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、繊維
基材シートの片面のみに熱可塑性樹脂シートを接合し
た、層状シートよりなる母材を採用したことにより、第
1に、製造コスト面に優れ、第2に、事後の補強も確実
に可能な、繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよ
びその製造方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1
については次のとおり。すなわち、この繊維強化プラス
チック製のハニカムコアは、中空柱状のセルの平面的集
合体であって、該セルを形成するセル壁の母材として、
繊維基材シートの片面に熱可塑性樹脂シートを接合し
た、層状シートが用いられている。次に、請求項2につ
いては次のとおり。すなわち、この繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコアの製造方法では、まず、繊維基材シ
ートの片面に熱可塑性樹脂シートを接合した層状シート
よりなる母材を準備し、次に、該母材を波形の凹凸が連
続的に折曲形成された波板に、加熱軟化そして冷却硬化
しつつ成形加工する。しかる後、複数枚の該波板を、谷
部と頂部とを合わせて重積,接着することにより、中空
柱状のセルの平面的集合体である繊維強化プラスチック
製のハニカムコアが得られる。
【0008】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。この繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアおよびその製造方法では、セル壁の母材として、
繊維基材シートの片面のみに熱可塑性樹脂シートを接合
した、層状シートを用いてなる。そして、このような母
材を波板に成形加工した後、これを重積,接着すること
により、繊維強化プラスチック製のハニカムコアが得ら
れる。
【0009】そこで、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコアおよびその製造方法では、第1に、その母材
は、熱可塑性樹脂を用いてなるものの、層状シートとし
て簡単容易に準備され、高温高圧による面倒な完全一体
化処理を要することもなく、又、熱可塑性樹脂を用いて
なるので、波板への成形加工に時間と手間を要すること
もない。もって、母材の準備コストや波板への成形加工
コストが低減される。第2に、セル壁つまりその母材の
片面は、熱可塑性樹脂シートが接合されることなく、繊
維基材シートがそのまま露出している。もって、後処理
として実施される熱硬化性樹脂等の付着,含浸は、この
ような片面に対し容易かつ強力に剥離のおそれもなく行
え、剛性・強度の補強が確実に実施可能となる。
【0010】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。まず図1,図2,図3,図4
は、本発明の実施例の説明に供し、図1は、圧着ロール
を用いて繊維基材シートの片面に熱可塑性樹脂を接合す
る工程を示し、(1)図はその斜視図、(2)図は正面
説明図、(3)図は高温チャンバー内で行う例の正面説
明図である。図2の(1)図は、接着剤を用いて繊維基
材シートの片面に熱可塑性樹脂を接合する工程の正面説
明図、(2)図は、波板に成形加工する工程の斜視図、
(3)図は、成形された波板の正面説明図である。図3
および図4は、製造された繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコアの1例および他の例を示す、要部を拡大した
正面説明図である。
【0011】この繊維強化プラスチック製のハニカムコ
ア1の製造方法では、まず図1や図2の(1)図に示し
たように、繊維基材シート2の片面に熱可塑性樹脂シー
ト3を接合した、層状シートよりなる母材4が準備され
る。
【0012】このような母材4の準備工程について、更
に詳述する。まず、繊維基材シート2としては、ガラス
繊維,カーボン繊維,セラミック繊維,ケブラー繊維,
金属繊維,樹脂繊維,その他の織,不織の強化繊維の薄
いシートが用いられる。なお、繊維基材シート2として
不織のものが用いられた際は、シート形状維持のため、
接着剤のような樹脂やパルプが、つなぎ用のバインダー
として混入される。又、繊維基材シート2の片面に接合
される熱可塑性樹脂シート3としては、ポリフェニレン
サルファイド(PPS),ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK),ポリイミド(PI)等の熱可塑性樹脂の
薄いシートが用いられるが、これに各種繊維強化プラス
チックのチョップ等を混入したものも用いられる。
【0013】そして繊維基材シート2の片面に対し、熱
可塑性樹脂シート3が接合される。この接合方式として
は、図1に示したように圧着ロール5,6を用いる加圧
加熱方式や、図2の(1)図に示したように接着剤7を
用いる接着方式が考えられる。まず、図1の(1)図,
(2)図に示した加圧加熱方式では、内部にヒーターが
組み込まれた上下の圧着ロール5間に、繊維基材シート
2上に熱可塑性樹脂シート3を載せたものを、挟み込み
つつ通すことにより、熱可塑性樹脂シート3が適宜溶
融,軟化し、連続的に繊維基材シート2の表面つまり片
面上に接合される。又、図1の(3)図に示した加圧加
熱方式では、上述した方式のように圧着ロール5にヒー
ターを組み込む代わりに、高温チャンバー8が用いられ
ており、高温チャンバー8内において、上述に準じ、繊
維基材シート2と熱可塑性樹脂シート3とを、圧着ロー
ル6間に通すことにより、両者が連続的に接合される。
更に、図2の(1)図に示した接着方式にあっては、こ
のような圧着ロール5,6等に代え接着剤7が用いられ
ており、繊維基材シート2と熱可塑性樹脂シート3が、
シート状の接着剤7を介し順次連続的に接合される。
【0014】さて、このようにして繊維基材シート2の
片面に熱可塑性樹脂シート3を接合した、層状シートた
る母材4が準備される。つまりこの母材4は、繊維基材
シート2と熱可塑性樹脂シート3とを接合により組み合
わせた、繊維強化プラスチックシートよりなる。なお第
1に、繊維基材シート2と熱可塑性樹脂シート3との接
合界面は、加熱加圧時の温度や圧力の程度や、接着剤7
の種類等により、繊維基材シート2の表面に熱可塑性
樹脂シート3が、単に張り付けられ付着した程度のもの
から、更に繊維基材シート2の内部まで熱可塑性樹脂
シート3の溶融部分が流れ込んで、浸透し含浸されたも
のまで、,間で各種の程度・段階のものが考えられ
る。なお第2に、図示実施例の母材4は、1枚の繊維基
材シート2の片面に1枚の熱可塑性樹脂シート3が接合
された2層構造よりなっているが、これらの枚数はこれ
に限定されるものではなく、例えば、1枚の繊維基材シ
ート2の片面に2枚以上の熱可塑性樹脂シート3を順次
接合してなる、多層構造の母材4も可能である。
【0015】しかる後、このように繊維基材シート2の
片面に熱可塑性樹脂シート3が接合された、層状シート
よりなる母材4が、図2の(2)図そして(3)図に示
したように、波形の凹凸が連続的に折曲形成された波板
9に、加熱軟化そして冷却硬化されつつ、成形加工され
る。
【0016】このような波板9の成形加工工程につい
て、更に詳述する。まず、上述により繊維基材シート2
に熱可塑性樹脂シート3が接合された母材4は、加熱に
より軟化され柔軟性・粘性が高められると共に、上下に
対向設された歯車状金型たるギア10を用いたコルゲー
ト成形装置11に供給される。そして母材4は、ギア1
0間に挟み込まれ、噛み込まれつつ送られ加圧されるこ
とにより、波板9に成形加工される。それから冷却硬化
された波板9(つまり熱可塑性樹脂シート3が冷却硬化
された波板9)は、図示例の台形状のほか略三角形状,
略四角形状,その他各種形状の波形の凹凸が、所定ピッ
チと高さで長手方向に連続的に折曲形成されたものより
なる。なお第1に、上述した母材4の加熱は、ギア10
の内部にヒーターを組み込むか、ギア10を高温チャン
バー内に配することにより実施される。第2に、コルゲ
ート成形装置11は、図示例のギア10を用いた方式の
ほか、ギア10とラックを用いる方式、コルゲートベル
トを用いる方式、その他各種方式のものを用いることも
可能である。第3に、図2の(3)図に示された波板9
は、前述の図1に示した加圧加熱方式にて準備された母
材4を用いたものよりなり、前述の図2の(1)図に示
した接着方式にて準備された母材4を用いた波板9にあ
っては、更に、繊維基材シート2と熱可塑性樹脂シート
3間に接着剤7が介在位置する。
【0017】しかる後、複数枚のこのような波板9を、
谷部と頂部とを合わせて重積,接着することにより、図
3や図4に示したごとく、中空柱状のセル12の平面的
集合体である、繊維強化プラスチック製のハニカムコア
1が製造される。
【0018】このような重積,接着工程について、更に
詳述する。まず、上述により成形加工された波板9につ
いて、その波の谷部下面や頂部上面等の短手方向条線部
に対し、接着剤13が塗布される。それから、このよう
に接着剤13が塗布された波板9は、接着剤13を乾燥
した後、所定長さ毎に切断される。そして、多数枚の波
板9が、上下で順次波の半ピッチ分ずつずらされ上下相
互間で谷部と頂部とを合わせる位置関係のもとに、全体
的に空間が存した積層ブロック状に重積されるが、図示
によらず、このような波板9間に平板が介裝される場合
もある。しかる後、このように重積された波板9は、炉
中等で接着剤13の融点温度にて加熱加圧されることに
より、塗布,介装されていた接着剤13が溶融硬化さ
れ、もって重積されていた各波板9間が接着される。
【0019】この製造方法では、このような各工程を辿
ることにより、前述した母材4により構成された波板9
をセル壁14とし、各々独立空間に区画された中空柱状
の多数のセル12の平面的集合体である、繊維強化プラ
スチック製のハニカムコア1が製造される。
【0020】ところで、図3に示した繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコア1と図4に示した繊維強化プラス
チック製のハニカムコア1とは、波板9の積層順序を異
にしている。まず図3の例にあっては、すべての波板9
の上下方向が同一に揃えられており、すべての波板9に
ついて、上側に熱可塑性樹脂シート3そして下側に繊維
基材シート2が位置する関係で、積層されている。もっ
てこの図3の繊維強化プラスチック製のハニカムコア1
では、各セル12について、そのセル壁14の半分(図
面上では上半分)は、繊維基材シート2が外表面側に露
出し、逆に、セル壁14の残りの半分(図面上では下半
分)は、熱可塑性樹脂シート3が外表面側に露出してい
る。これに対し図4の例にあっては、波板9の上下方向
が交互に反転入れ換えされており、上側に熱可塑性樹脂
シート3が位置した波板9と、逆に上側に繊維基材シー
ト2が位置した波板9とが交互に積層されている。もっ
て、この図4の繊維強化プラスチック製のハニカムコア
1では、セル壁14の外表面側に繊維基材シート2が露
出したセル12と、セル壁14の外表面側に熱可塑性樹
脂シート3が露出したセル12とが、縦に列をなし、横
に交互に位置してなる。ところで、このような図3や図
4の例を通じ、塗布,介装される接着剤13は、繊維基
材シート2に対し内部まで浸透するようにすることが望
ましい。
【0021】さて、この繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア1は、そのセル12を形成するセル壁14の母
材4として、繊維基材シート2の片面に熱可塑性樹脂シ
ート3が接合された繊維強化プラスチックシートが用い
られている。なお、そのセル壁14そしてセル12の断
面形状は、図示の正六角形状のものが代表的であるが、
これによらず三角形,四角形,その他各種形状のものも
可能である。そして、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア1は、一般のものと同様に、重量比強度に優
れ、軽量であると共に高い剛性・強度を備え、又、整流
効果,平面精度,保温性,遮音性にも優れ、単位容積当
りの表面積が大である、等々の特性を備えてなる。
【0022】なお、このような繊維強化プラスチック製
のハニカムコア1については、より高い剛性・強度が要
求される場合、更に後処理として、そのセル壁14の外
表面に補強が実施される。図5の(1)図は、後処理と
して熱硬化性樹脂15を付着,含浸せしめる工程の斜視
図、図5の(2)図は、事後の乾燥,硬化工程の斜視図
である。図6は後処理として熱硬化性樹脂15が付着,
含浸された繊維強化プラスチック製のハニカムコア1を
示し、(1)図は、その要部を拡大した正面説明図であ
り、(2)図は、そのセル壁14を更に拡大した正断面
説明図である。
【0023】この後処理について更に詳述する。このよ
うな後処理を実施する場合、前述により製造された繊維
強化プラスチック製のハニカムコア1は、図5の(1)
図に示したように、まず浴槽16中に浸漬される。浴槽
16中には、図示例では溶液状態のエポキシ系,フェノ
ール系等の熱硬化性樹脂15が、溶剤と共に貯溜されて
いるが、これによらず、加熱溶融されて液状態とされた
熱可塑性樹脂が貯溜される場合もある。図示例では、こ
のような浴槽16中に浸漬されることにより、繊維強化
プラスチック製のハニカムコア1のセル壁14の外表面
に、補強用の熱硬化性樹脂15が付着,含浸される。そ
れから、このような付着,含浸が施された繊維強化プラ
スチック製のハニカムコア1は、浴槽16から取り出さ
れた後、図5の(2)図に示したようにヒーター17や
幅射熱等により加熱,乾燥され、もって付着,含浸され
ていた熱硬化性樹脂15が硬化して、セル壁14の外表
面に強力に接合固定される。なお図示例によらず、熱硬
化性樹脂15に代え熱可塑性樹脂が付着,含浸された場
合には、冷却,乾燥により熱可塑性樹脂が硬化されて、
セル壁14の外表面に接合固定される。このようにして
付着,含浸された熱硬化性樹脂15等により、繊維強化
プラスチック製のハニカムコア1の剛性・強度が補強さ
れる。
【0024】そして、図示実施例では図6に示したよう
に、セル壁14の断面構造が、付着され皮膜状の熱硬
化性樹脂15、熱可塑性樹脂シート3、熱硬化性樹
脂15が含浸された繊維基材シート2、繊維基材シー
ト2に含浸されずに残ったまま付着された皮膜状の熱硬
化性樹脂15、等の層構造よりなる。なお、熱硬化性樹
脂15の粘度や浴槽16での浸漬温度,浸漬時間等の条
件次第では、の熱硬化性樹脂15の皮膜層がほとんど
存在しないものも可能であり、又、の繊維基材シート
2に対する含浸程度も適宜制御可能である。
【0025】本発明は、以上説明したようになってい
る。そこで以下のようになる。この繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコア1およびその製造方法では、セル壁
14の母材4として、繊維基材シート2の片面のみに熱
可塑性樹脂シート3を接合した、層状シートを用いてな
る(図1および図2の(1)図参照)。そして、このよ
うな母材4を波板9に成形加工した後(図2の(2)
図,(3)図参照)、これを重積,接着することによ
り、繊維強化プラスチック製のハニカムコア1が得られ
る(図3,図4参照)。そこで、この繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコア1およびその製造方法にあって
は、次の第1,第2のようになる。
【0026】第1に、そのセル壁14の母材4は、繊維
基材シート2に熱可塑性樹脂シート3を接合するだけ
で、層状シートとして簡単容易に準備され、前述した熱
可塑性樹脂を用いたこの種従来例のように、高温高圧を
要し面倒な完全一体化処理を要するようなことはない。
更に、前述した熱硬化性樹脂を用いたこの種従来例のよ
うに、波板9への成形加工に時間と手間を要することも
ない。
【0027】第2に、製造された繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1については、その剛性・強度を一段
と高めるため、後処理として、そのセル壁14の外表面
に熱硬化性樹脂15等を、浸漬処理等により付着,含浸
させることが、多々実施される。その際、この繊維強化
プラスチック製のハニカムコア1のセル壁14そしてそ
の母材4は、繊維基材シート2の片面に熱可塑性樹脂シ
ート3が接合されたものよりなり、その片面の外表面
は、熱可塑性樹脂シート3が、接合されることなく繊維
基材シート2がそのまま露出している。もって、後処理
として実施される熱硬化性樹脂15等の付着,含浸は、
半分は、このように繊維基材シート2が露出したセル壁
14の外表面に対して行われ、もって強力な付着,含浸
が実現される。このように付着,含浸が行われるので、
この繊維強化プラスチック製のハニカムコア1は、事後
の剛性・強度の補強が確実に実施可能となる。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアおよびその製造方法は、以上説明したよう
に、繊維基材シートの片面のみに熱可塑性樹脂シートを
接合した、層状シートよりなる母材を採用したことによ
り、次の効果を発揮する。
【0029】第1に、製造コスト面に優れている。すな
わち、前述した熱可塑性樹脂を用いたこの種従来例のよ
うに、母材の完全一体化処理が面倒で準備コストがかさ
むことはなく、母材は層状シートとして簡単容易に準備
され、又、前述した熱硬化性樹脂を用いたこの種従来例
のように、波板への成形加工に時間と手間を要すること
もない。もって、母材の準備コストや波板への成形加工
コストが低減される等、製造コスト面に優れている。
【0030】第2に、事後の補強も確実に可能である。
すなわち、前述したこの種従来例のように、後処理とし
てセル壁に熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を付着,含浸さ
せることが困難化するようなことはなく、容易かつ強力
な付着,含浸が可能であり、もって繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコアの剛性・強度の補強が、確実に実施
可能である。このように、この種従来例に存した問題点
が一掃される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして
大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアおよびその製造方法の実施例の説明に供し、圧着
ロールを用いて繊維基材シートの片面に熱可塑性樹脂を
接合する工程を示すものであり、(1)図はその斜視
図、(2)図は正面説明図、(3)図は高温チャンバー
内で行う例の正面説明図である。
【図2】同実施例の説明に供し、(1)図は、接着剤を
用いて繊維基材シートの片面に熱可塑性樹脂を接合する
工程の正面説明図であり、(2)図は、波板に成形加工
する工程の斜視図であり、(3)図は、成形された波板
の正面説明図である。
【図3】同実施例の説明に供し、製造された繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアの1例を示すものであり、
その要部を拡大した正面説明図である。
【図4】同実施例の説明に供し、製造された繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアの他の例を示すものであ
り、その要部を拡大した正断面説明図である。
【図5】同実施例の説明に供し、(1)図は、後処理と
して熱硬化性樹脂を付着,含浸せしめる工程の斜視図、
(2)図は、事後の乾燥,硬化工程の斜視図である。
【図6】同実施例の説明に供し、後処理として熱硬化性
樹脂が付着,含浸された繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアを示すものであり、(1)図は、その要部を拡
大した正面説明図であり、(2)図は、そのセル壁を更
に拡大した正断面説明図である。
【符号の説明】 1 繊維強化プラスチック製のハニカムコア 2 繊維基材シート 3 熱可塑性樹脂シート 4 母材 5 圧着ロール 6 圧着ロール 7 接着剤 8 高温チャンバー 9 波板 10 ギア 11 コルゲート成形装置 12 セル 13 接着剤 14 セル壁 15 熱硬化性樹脂 16 浴槽 17 ヒーター

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空柱状のセルの平面的集合体であっ
    て、該セルを形成するセル壁の母材として、繊維基材シ
    ートの片面に熱可塑性樹脂シートを接合した層状シート
    が用いられていること、を特徴とする繊維強化プラスチ
    ック製のハニカムコア。
  2. 【請求項2】 まず、繊維基材シートの片面に熱可塑性
    樹脂シートを接合した層状シートよりなる母材を準備
    し、次に、該母材を波形の凹凸が連続的に折曲形成され
    た波板に、加熱軟化そして冷却硬化しつつ成形加工した
    後、 複数枚の該波板を、谷部と頂部とを合わせて重積,接着
    することにより、中空柱状のセルの平面的集合体である
    繊維強化プラスチック製のハニカムコアを得ること、を
    特徴とする繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製
    造方法。
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