JP4089090B2 - 積層板の製造方法及び積層板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板などに用いられる積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板などに加工される積層板を製造するにあたって、次のような工法が従来から一般的である。すなわち、ガラス布等の基材にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂のワニスを含浸・乾燥してプリプレグを作製し、所定寸法に裁断したこのプリプレグを1枚あるいは複数枚重ねると共に銅箔等の金属箔を片面あるいは両面に重ね、これをステンレスプレート間に挟むと共に同じものを複数段に積み重ねる。そしてこれを加熱プレス装置にセットし、加熱・加圧して積層成形をすることによって、積層板を得ることができる。
【0003】
しかしこの方法では、10kg/cm2以上の加圧力を加えて成形を行なうために、積層板の板厚精度が悪く、±15μmの範囲の精度でしか、積層板を製造できないものであった。特に最近の電子機器のモバイル化などに伴ってプリント配線板の材料である積層板も薄物化しており、板厚精度が高精度に求められるようになっている。
【0004】
これに対して、加圧を加えない無加圧で成形を行なうことによって、板厚精度の高い積層板を製造する工法が開発され、実用化されている。この工法は、ガラス布等の基材にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂液を含浸し、この熱硬化性樹脂液を含浸した基材の片面あるいは両面に銅箔等の金属箔を重ね、これを無加圧の状態で加熱することによって、積層板を得るようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの無加圧成形工法では、従来のステンレスプレートに挟み込んで加圧を加えて成形する工法ではあまりみられなかった、皺や波打ちが積層板に発生したり、積層板の表面に凹凸が発生して表面粗度が悪くなるという問題が生じるものであった。
【0006】
そして積層板に凹凸が発生して表面粗度が悪くなるメカニズムは、図3のように、熱硬化性樹脂の熱膨張・収縮時の流動によるものと考えられる。すなわち、まずガラスクロスなど基材1に熱硬化性樹脂液2を含浸し、図3(a)のように、この両面に銅箔などの金属箔3を重ね、これを加熱する。ここで、繊維1aを織ったガラスクロスで形成される基材1には繊維1aが密な部分と粗な部分があり、基材1に含浸した熱硬化性樹脂液2は繊維1aが密な部分では含浸量が少なく繊維1aが粗な部分では含浸量が多くなっており、上記のように熱硬化性樹脂液2を含浸した基材1を加熱すると、含浸量の多い部分の熱硬化性樹脂液2の膨張が図3(b)の矢印のように大きく発生するため、熱硬化性樹脂液2の含浸量の多い部分で膨らみが生じる。そして平滑になるようにこの膨らんだ部分の熱硬化性樹脂液2は、図3(c)の矢印のように流動するが、このように熱硬化性樹脂液2が流動した状態で硬化すると、図3(d)の矢印のように熱硬化性樹脂液2が流れ出した部分での硬化収縮が大きく発生し、図3(d)に示すように得られた積層板4には凹凸が生じて、表面粗度が悪くなるものである。
【0007】
このように、熱硬化性樹脂が硬化する前に、熱硬化性樹脂が流動することによって積層板に凹凸が発生し、この結果、積層板の表面粗度が悪くなるものと考えられる。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、熱硬化性樹脂の流動を抑制して、表面粗度を改善することができる積層板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る積層板の製造方法は、複数層の熱硬化性樹脂を重ね、これを無加圧下で加熱して硬化させることによって、積層板を製造するにあたって、内側の層の熱硬化性樹脂から順に硬化させることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項2の発明は、請求項1において、内層の熱硬化性樹脂として外層の熱硬化性樹脂よりも低温で硬化するものを用いることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項3の発明は、請求項2において、金属箔の片面に熱硬化性樹脂を塗布し、この熱硬化性樹脂よりも低温で硬化する熱硬化性樹脂を基材に含浸すると共に、この基材に上記の金属箔を熱硬化性樹脂を塗布した側の面で重ね、これを加熱することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項4の発明は、請求項2又は3において、内層の低温硬化の熱硬化性樹脂の硬化温度が30〜70℃であり、外層の熱硬化性樹脂の硬化温度との温度差が20℃以上であることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、内層の熱硬化性樹脂が硬化し外層の熱硬化性樹脂が硬化する前に、一時的に加圧を行なうことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項6に係る積層板は、上記の請求項1乃至5のいずれかに記載の方法で製造されて成ることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
本発明は、複数層の熱硬化性樹脂を重ね、これを無加圧下で加熱して硬化させることによって、積層板を製造するようにしているが、請求項1の発明はこの際に、内側の層の熱硬化性樹脂から順に硬化させるようにしてある。最内層の熱硬化性樹脂をまず硬化させ、次にその外側の層の熱硬化性樹脂を硬化させ、そして最も外層の熱硬化性樹脂を最後に硬化させるようにするものであり、熱硬化性樹脂が3層であれば、先ず中央の熱硬化性樹脂を硬化させた後、両側の外側の層の熱硬化性樹脂を硬化させるものである。
【0017】
このように、内側の層の熱硬化性樹脂から順に硬化させることによって、内側の樹脂の流動を抑制しながら熱硬化性樹脂を硬化させると共に表面が平滑になるように外側の樹脂を流動させながら熱硬化性樹脂を硬化させることができ、凹凸の発生を低減して表面粗度を改善した積層板を得ることができるものである。
【0018】
請求項2の発明は、内層の熱硬化性樹脂として外層の熱硬化性樹脂よりも低温で硬化するものを用いることによって、内側の層の熱硬化性樹脂から順に硬化させるようにしたものである。熱硬化性樹脂が例えば3層であれば、両側の未硬化の熱硬化性樹脂の層の間にこの熱硬化性樹脂よりも低温で硬化する未硬化の熱硬化性樹脂の層を配置して重ね、これを無加圧下で加熱して硬化させることによって、積層板を製造するものである。このように内層の熱硬化性樹脂として外層の熱硬化性樹脂よりも低温で硬化するものを用いて、内側の層の熱硬化性樹脂から順に硬化させることによって、内側の樹脂の流動を抑制しながら熱硬化性樹脂を硬化させると共に表面が平滑になるように外側の樹脂を流動させながら熱硬化性樹脂を硬化させることができ、凹凸の発生を低減して表面粗度を改善した積層板を得ることができるものである。
【0019】
請求項3の発明は、請求項2における外層の熱硬化性樹脂を銅箔などの金属箔の片面に塗布して用いると共に、この熱硬化性樹脂よりも低温で硬化する熱硬化性樹脂をガラスクロスなどの基材に含浸して用いるようにしたものである。そして、低温硬化の熱硬化性樹脂液を含浸した基材に、金属箔を熱硬化性樹脂を塗布した側で重ね、これを無加圧下で加熱して硬化させることによって、積層板を製造することができるものである。
【0020】
図1は請求項3の発明の実施の形態の一例を示すものであり、金属箔3はロール状に巻いた長尺のものを用いるようにしてあり、金属箔3を連続して送りながら塗布ロール8に通すことによって、金属箔3の片面に熱硬化性樹脂液2を塗布するようにしてある。また、ガラスクロスなどの基材1も長尺のものを用い、ロール状に巻いた長尺の基材1を連続して送りながら熱硬化性樹脂液2′が供給される含浸槽5に通して、基材1に熱硬化性樹脂液2′を含浸させるようにしてある。基材1に含浸される熱硬化性樹脂2′としては、金属箔3に塗布される熱硬化性樹脂よりも低温で硬化するものが用いられるものである。そしてこの低温硬化の熱硬化性樹脂液2′を含浸した基材1を連続して送りながら、金属箔3を連続的に送って熱硬化性樹脂液2を塗布した側で基材1の両面にそれぞれラミネートロール6によって重ね、これを加熱炉7に通して、基材1に含浸した樹脂2′を硬化させた後に金属箔3に塗布した樹脂2を硬化させることによって、連続した工法で積層板を製造することができるものである。基材1はこのように1枚のみを用いる他、複数枚の基材1を用い、各基材1にそれぞれ低温硬化の熱硬化性樹脂液2′を含浸させ、これを重ねてラミネートロール6に通すようにしてもよい。
【0021】
ここで、内層の低温で硬化する熱硬化性樹脂としては、外層の熱硬化性樹脂の硬化温度が80〜135℃である場合、30〜70℃の温度で硬化するものが好ましい。また内層の低温で硬化する熱硬化性樹脂と外層の熱硬化性樹脂の硬化温度の温度差は20℃以上であることが好ましい。内層の低温で硬化する熱硬化性樹脂の硬化温度が30〜70℃の範囲を外れる場合や、内層の低温で硬化する熱硬化性樹脂と外層の熱硬化性樹脂の硬化温度の温度差が20℃未満である場合には、凹凸の発生を低減して表面粗度を改善した積層板を得ることが難しくなる。内層の低温で硬化する熱硬化性樹脂と外層の熱硬化性樹脂の硬化温度の温度差の上限は特に設定されるものではないが、80℃程度を上限とするのが好ましい。そしてこのような硬化温度が30〜70℃の熱硬化性樹脂は、例えば、外層用の熱硬化性樹脂への硬化剤の添加量を増量したり、添加する硬化剤の種類を変更したり、硬化促進剤を新たに添加したりして調製することができるものであり、硬化剤や硬化促進剤の種類の選択や添加量の調整によって、所望の硬化温度に設定することが可能である。
【0022】
また、上記のようにして積層板を製造するにあたって、請求項5の発明では、内層の熱硬化性樹脂を硬化させた後、外層の熱硬化性樹脂が硬化する前の流動状態にある間に、一時的に加圧を行なうようにしている。このように内層の熱硬化性樹脂が硬化し外層の熱硬化性樹脂が硬化する前に加圧を行なうことによって、積層板の表面を平滑にする方向に外層の熱硬化性樹脂を流動させることができるものであり、得られる積層板の凹凸の発生をさらに低減して、表面粗度を一層改善することができるものである。この一時的な加圧は、ピンチロールなどの加圧ロールに通したり、フラット板に挟んだりすることによって行なうことができるものであり、一回だけ行なうようにする他に、数回繰り返すようにしてもよい。また、この際の加圧力は0.5〜5.0kg/cm2程度の範囲でよく、加圧時間は0.5〜5.0秒程度の範囲でよい。
【0023】
図2は請求項5の発明を図1の実施の形態に適用した例を示すものであり、加熱炉7を第一加熱炉7aと第二加熱炉7bとで形成すると共に、この第一加熱炉7aと第二加熱炉7bの間に一対の加圧ロール9が配設してある。そして基材1を連続して送りながら含浸槽5に通して低温硬化の熱硬化性樹脂液2′を含浸させると共に、金属箔3を連続して送りながら塗布ロール8に通して片面に熱硬化性樹脂液2を塗布し、熱硬化性樹脂液2′を含浸した基材1と熱硬化性樹脂2を塗布した金属箔3をそれぞれ連続的に送って、熱硬化性樹脂液2を塗布した側で金属箔3を基材1の両面にラミネートロール6によって重ね、これをまず第一加熱炉7aに通して、基材1に含浸した低温硬化の熱硬化性樹脂2′を硬化させた後、加圧ロール9間に通し、そしてさらに第二加熱炉7bに通して、金属箔3に塗布した熱硬化性樹脂2を硬化させることによって、連続した工法で積層板を製造することができるものである。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0025】
(実施例1)
図1に示す工程で両面銅張り積層板を製造した。すなわち、基材1として日東紡績社製「7628ガラスクロス」を用い、金属箔3として日鉱グールド社製銅箔「JTC18」を用いた。また、金属箔3に塗布する熱硬化性樹脂液2として、ビニルエポキシ樹脂(昭和高分子社製「S510」)100重量部に日本油脂社製硬化剤「パークルD」を1.25重量部配合し、スチレン溶剤に30重量%の濃度で溶解して調製した、硬化温度100℃のワニスを用い、基材1に含浸する低温硬化の熱硬化性樹脂2′として、ビニルエポキシ樹脂(昭和高分子社製「S510」)100重量部に日本油脂社製硬化剤「パーキュアK」を1.0重量部配合し、スチレン溶剤に30重量%の濃度で溶解した後に、さらに硬化促進剤としてナフテン酸コバルトを0.5重量部配合して調製した、硬化温度50℃のワニスを用いた。
【0026】
そして、図1に示すように、1枚の基材1に低温硬化の熱硬化性樹脂液2′を含浸させると共にスクイーズロール10に通して約1kg/cm2の加圧力を加えることによって余分な樹脂液を除去して、基材1に熱硬化性樹脂液2′を約45重量%の含有量で含浸させ、また2枚の各金属箔3のマット面に熱硬化性樹脂液2を約3μmの厚さで均一に塗布した。次に、低温硬化の熱硬化性樹脂液2′を含浸した基材1の両面にそれぞれ金属箔3をその熱硬化性樹脂液2を塗布した側で重ね、これをラミネートロール6に通して約1kg/cm2の加圧力を加えることによって、内部の気泡の除去と樹脂液2,2′の状態を均一にした。この後、これを加熱炉7に通して、30℃で10分間、次いで100℃で10分間加熱することによって、両面銅張りの積層板を得た。
【0027】
(実施例2)
加熱炉7による加熱を、50℃で10分間、次いで100℃で10分間行なうようにした他は、実施例1と同様にして両面銅張りの積層板を得た。
【0028】
(実施例3)
加熱炉7による加熱を、70℃で10分間、次いで100℃で10分間行なうようにした他は、実施例1と同様にして両面銅張りの積層板を得た。
【0029】
(実施例4)
実施例1と同様にして、低温硬化の熱硬化性樹脂液2′を含浸した基材1の両面にそれぞれ金属箔3をその熱硬化性樹脂液2を塗布した側で重ねると共にこれをラミネートロール6に通した後、これを図2のように第一加熱炉7aに通して50℃で10分間加熱し、次いで加圧ロール9に通して約1kg/cm2の加圧力を加えた。そしてさらにこれを第二加熱炉7bに通して、30℃で10分間、次いで100℃で10分間加熱することによって、両面銅張りの積層板を得た。
【0030】
(実施例5)
第二加熱炉7bによる加熱を、50℃で10分間、次いで100℃で10分間行なうようにした他は、実施例4と同様にして両面銅張りの積層板を得た。
【0031】
(実施例6)
第二加熱炉7bによる加熱を、70℃で10分間、次いで100℃で10分間行なうようにした他は、実施例1と同様にして両面銅張りの積層板を得た。
【0032】
(比較例)
基材として日東紡績社製「7628ガラスクロス」を用い、金属箔として日鉱グールド社製銅箔「JTC18」を用いた。また、熱硬化性樹脂液として、ビニルエポキシ樹脂(昭和高分子社製「S510」)100重量部に日本油脂社製硬化剤「パークルD」を1.25重量部配合し、スチレン溶剤に30重量%の濃度で溶解して調製したワニスを用いた。
【0033】
そして、1枚の基材に熱硬化性樹脂液を含浸させると共にスクイーズロールに通して約1kg/cm2の加圧力を加えることによって余分な樹脂液を除去して、基材に熱硬化性樹脂液を約45重量%の含有量で含浸させ、次に、熱硬化性樹脂液を含浸したこの基材の両面にそれぞれ金属箔をマット面の側で重ね、これをラミネートロールに通して約1kg/cm2の加圧力を加えることによって、内部の気泡の除去と樹脂液の状態を均一にした。この後、これを加熱炉に通して、100℃で10分間加熱することによって、両面銅張りの積層板を得た。
【0034】
上記のようにして実施例1〜6及び比較例で得られた積層板について、表面の粗さを測定した。粗さの測定は試料数3枚について行ない、最大高さ(最大粗さ)Rmax、10点平均粗さRz、中心線最大粗さRtを評価した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004089090
【0036】
表1にみられるように、各実施例のものは、比較例よりも表面粗さが小さく、表面粗度が改善されていることが確認される。
【0037】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る積層板の製造方法は、複数層の熱硬化性樹脂を重ね、これを無加圧下で加熱して硬化させることによって、積層板を製造するにあたって、内側の層の熱硬化性樹脂から順に硬化させるようにしたので、内側の樹脂の流動を抑制しながら熱硬化性樹脂を硬化させると共に表面が平滑になるように外側の樹脂を流動させながら熱硬化性樹脂を硬化させることができ、凹凸の発生を低減して表面粗度を改善した積層板を得ることができるものである。
【0038】
また請求項2の発明は、請求項1において、内層の熱硬化性樹脂として外層の熱硬化性樹脂よりも低温で硬化するものを用いるようにしたので、低温で硬化する内側の熱硬化性樹脂から順に硬化させることができるものであり、内側の樹脂の流動を抑制しながら熱硬化性樹脂を硬化させると共に表面が平滑になるように外側の樹脂を流動させながら熱硬化性樹脂を硬化させることができ、凹凸の発生を低減して表面粗度を改善した積層板を得ることができるものである。
【0039】
また請求項3の発明は、請求項2において、金属箔の片面に熱硬化性樹脂を塗布し、この熱硬化性樹脂よりも低温で硬化する熱硬化性樹脂を基材に含浸すると共に、この基材に上記の金属箔を熱硬化性樹脂を塗布した側の面で重ね、これを加熱するようにしたので、内層となる基材に含浸した低温硬化の熱硬化性樹脂から順に硬化させることができるものであり、内側の樹脂の流動を抑制しながら熱硬化性樹脂を硬化させると共に表面が平滑になるように外側の樹脂を流動させながら熱硬化性樹脂を硬化させることができ、凹凸の発生を低減して表面粗度を改善した積層板を得ることができるものである。
【0040】
また請求項4の発明は、請求項2又は3において、内層の低温硬化の熱硬化性樹脂の硬化温度が30〜70℃であり、外層の熱硬化性樹脂の硬化温度との温度差が20℃以上であるので、内層となる低温硬化の熱硬化性樹脂から順に硬化させることができるものであり、内側の樹脂の流動を抑制しながら熱硬化性樹脂を硬化させると共に表面が平滑になるように外側の樹脂を流動させながら熱硬化性樹脂を硬化させることができ、凹凸の発生を低減して表面粗度を改善した積層板を得ることができるものである。
【0041】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4において、内層の熱硬化性樹脂が硬化し外層の熱硬化性樹脂が硬化する前に、一時的に加圧を行なうようにしたので、積層板の表面を平滑にする方向に外層の熱硬化性樹脂を加圧によって流動させることができるものであり、得られる積層板の凹凸の発生をさらに低減して、表面粗度を一層改善することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態の他の一例を示す概略図である。
【図3】積層板の表面に凹凸が発生するメカニズムを説明するものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 熱硬化性樹脂液
2′ 熱硬化性樹脂液
3 金属箔

Claims (6)

  1. 複数層の熱硬化性樹脂を重ね、これを無加圧下で加熱して硬化させることによって、積層板を製造するにあたって、内側の層の熱硬化性樹脂から順に硬化させることを特徴とする積層板の製造方法。
  2. 内層の熱硬化性樹脂として外層の熱硬化性樹脂よりも低温で硬化するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造方法。
  3. 金属箔の片面に熱硬化性樹脂を塗布し、この熱硬化性樹脂よりも低温で硬化する熱硬化性樹脂を基材に含浸すると共に、この基材に上記の金属箔を熱硬化性樹脂を塗布した側の面で重ね、これを加熱することを特徴とする請求項2に記載の積層板の製造方法。
  4. 内層の低温硬化の熱硬化性樹脂の硬化温度が30〜70℃であり、外層の熱硬化性樹脂の硬化温度との温度差が20℃以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の積層板の製造方法。
  5. 内層の熱硬化性樹脂が硬化し外層の熱硬化性樹脂が硬化する前に、一時的に加圧を行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層板の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法で製造されて成ることを特徴とする積層板。
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