JP2000151116A - 多層プリント基板の製造方法とその製造装置 - Google Patents
多層プリント基板の製造方法とその製造装置Info
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Abstract
保することによる導体層の回路配設面の平面精度の確
保、および、樹脂表面の粗面の容易化。 【解決手段】 コアとなる基板88を中心に完全硬化樹
脂よりなる第1の絶縁層90Aと半硬化状態の樹脂より
なる第2の絶縁層90Bよりなる絶縁層を介して銅箔を
積層する。絶縁層の第1の絶縁層90Aは規定の層厚を
有し、第2の絶縁層90Bは積層する導体層の回路溝8
6およびビアホ−ル84を充填すると共に、基板88と
絶縁層90Aとの接着材となる。また、銅箔に替えて、
剥離布95aを絶縁層90Aに接着すると補強となり、
成形後剥離布95aを剥がすことによって絶縁層90A
上面の粗面形成をなす。
Description
材と、この基材を積層した多層プリント基板と、多層プ
リント基板の製造方法、および製造装置に関する。
て、両面に回路パターンを持つ内層用コア基板に、ガラ
ス繊維にエポキシ樹脂を含浸させて半硬化させたプリプ
レグ材を重ね、さらに、「銅張り積層板」と呼ばれる外
層用材料を重ね合わせて、一括プレス成形する方法が採
られてきた。しかし、近年、プリント基板の高密度化、
緻密化が進み、積層数も20層、40層と増加するにつ
け、各層のパターンの位置合わせ精度、基板の厚さ、重
量等の問題が発生してきた。
コア基板に、1枚づつの「樹脂付き銅箔」と呼ばれる積
層回路材料を接着重合する方法が開発され、ビルドアッ
プ成形法と呼ばれて実用化されている。上記いずれの方
法も積層後の全体の厚さを薄くすることが望まれてお
り、回路層間の樹脂絶縁層の厚さを極力薄く(60ミク
ロン程度)し、且つ、厚さの均一性を確保することに多
大の努力が払われている。
従来、多層プリント基板の一括プレス成形法として、ピ
ンラミネート方式とマスラミネート方式がある。 ここではピンラミネート方式についての問題点を説明す
る。……図13(a)(b)参照 この方式は、予め回路パターンを印刷した銅箔12を両
面に形成した内層板11に、ガラス繊維にエポキシ樹脂
を含浸させて半硬化させたプリプレグ材料13を重ね、
さらに外層用の銅箔15を重ね、それらをステンレス板
17を介して積層し、一度にホットプレス19で熱圧着
して製品10を形成する。その後、貫通孔をあけてめっ
きを施したビアホールと呼ばれる接続穴で層間接続した
後、エッチングによって外層回路を形成する製法であ
る。
ト方式、あるいはマスラミネート方式において、使用さ
れるプリプレグ材13の材質および枚数は、要求される
絶縁層の厚さを基にして、樹脂量、樹脂流れ、ガラス繊
維の織り方、内層回路パターンの銅箔の残存率などから
決定される。そして、プリプレグ材13の特性に合わせ
て熱圧着成形における温度・圧力のスケジュールが、図
14に示すように組まれる。このとき、昇温に対して昇
圧が速すぎると樹脂流れが過度となって、層間にある絶
縁層の厚さが規定値より薄くなったり不均一となり、遅
すぎると樹脂層にボイド(空気の混入)が発生する。従
来、この樹脂層の厚さの減少や不均一は、絶縁特性にの
み悪影響をもたらしたが、樹脂(絶縁)層の厚さに余裕
を持たせることによって解決してきた。
化に伴い、回路パターンが持つインピーダンス特性の管
理が厳しく要求されるようになり、インピーダンス特性
を決定する要素の1つである絶縁層の厚さの精度管理が
重要視されてきている。取り付ける絶縁層の厚さは、内
層回路パターン成型時の銅箔の残存率によって大きく影
響を受けるので、上記のピンラミネート方式の成型法で
は絶縁層の厚さを正確にコントロールする手段はなかっ
た。この点はマスラミネート方式においても同じであ
る。このように、絶縁層の厚さの管理は一括プレス成型
法における問題点である。
の製法における問題点を説明する。ビルドアップ成形法
にもいくつかの製法があるが、ここでは代表的な製法の
1つであるアッディティブ法と呼ばれる製法を、図1
5、図16により説明する。もう一つの代表的な製法で
あるサブトラクト法と呼ばれる製法については図解説明
を省略して概要のみを述べる。
コア基板材20を示している。コア基板材20はエポキ
シ樹脂を含浸させたガラス繊維布を積層した積層板21
の両面に、回路パターン形成用の銅箔23を張って硬化
させている。銅張り積層板(コア基板材)20の一般的
な板厚は0.4〜0.8mmである。 ・第2工程……(b)参照 コア基板材20の表裏面の回路接続のためのインナー
ビア・ホールの穴25あけを行う。穴25のサイズは通
常、直径0.3mm、密度は5,000〜10,000
/m2である。 ・第3工程……(c)参照 コア基板材20全体にめっきを施し、第2工程で穿孔し
た回路接続の穴25の内筒面にめっき230して、イン
ナー ビア・ホール250を形成する。 ・第4工程……(d)参照 積層板材20の表面をエッチングによって回路パターン
24を形成する。これをコア基板30と呼ぶ。
回路パターン24の溝を樹脂で埋め(樹脂31,樹脂3
3)、全面に樹脂のコーティングを施して加熱硬化させ
る。硬化後、表面をサンディングして平滑化する。この
場合の樹脂は、粘度の高い液状の熱硬化性エポキシ樹脂
が使われる。この樹脂のコーテイングは、次の工程で行
う絶縁(樹脂)層の表面の平面精度の確保、および、ボ
イドと呼ばれる空気の存在を無くすためである。絶縁層
の表面の平面精度が悪いと、次の回路パターン形成のた
めの露光印刷が正しくできない。また、空気が残ると、
熱衝撃を受けたときに層間が剥離したり、吸湿して高温
時に絶縁劣化を来たすので、この工程は丁寧に行う必要
があり、CMP(Chemical Mechanic
al Polishing)などが採用されて、多くの
コストを消費している。この穴と回路パターンの溝埋め
と平滑化工程がビルドアップ成型法の1番目の問題であ
る。
を、コア基板30の上下面に同時に重ね、加熱・加圧し
て接着する。樹脂351付き銅箔352に使用されてい
る樹脂351は、溶融時における樹脂流れの少ない分子
構造を持った熱硬化性エポキシ樹脂やフィラーを混入し
た樹脂である。加熱・加圧工程における加圧圧力は厳密
に管理されるが、コア基板30の上下面を同時に加圧す
るので、上下面の加圧圧力が同じであっても、残存銅箔
の割合等により絶縁層材35からはみ出す樹脂量が異な
り、上下面の絶縁層の厚さに差異や、絶縁層の平面厚さ
の不均一が生じた。樹脂層351に樹脂流れの少ない樹
脂を使う理由は、厚さの減少を極力少なくして、絶縁層
の厚さの均一性を確保することにある。しかし、樹脂流
れの少ない(悪い)樹脂は鋭利な溝や穴を完全に埋める
ことができず、ボイド発生の原因となった。また、一括
プレス成形法の場合と同じく、絶縁層の厚さは、回路パ
ターン成型時の銅箔の残存率によって大きく影響される
ので、樹脂流れを変化させても絶縁層の厚さをコントロ
ールすることは不可能である。均一な絶縁層の厚さ確保
がビルドアップ成型法の2番目の問題である。
サブトラクト法)によって工程が変わる。アッデイテイ
ブ法(第6工程で張り付けた銅箔を一旦剥がして、剥が
した表面にめっきで回路パターンを形成する製法) ・第7工程……(g)参照 樹脂351(絶縁層)とともに張り付けた銅箔352を
エッチングによって除去する。銅箔352を剥がす理由
は、銅箔によって熱が分散されるため、レーザーによる
穴あけ加工ができないこと、および、銅箔352面に施
されている微細な凹凸を樹脂351面に転写して、次の
工程で行う銅めっき回路パターンの固着を良好にするた
めである。ビルドアップ成型法の3番目の問題が、張り
付けてある銅箔をエッチングによって除去する操作、時
間、コスト上の問題である。 ・第8工程……(h)参照 層間接続のためのインナー ビア・ホールのレーザーに
よる穴350あけを行う。 ・第9工程……(i)参照 回路パターンを印刷した後、銅めっきして回路40を形
成する(アッディティブ法と呼ばれる所以)とともに、
穴の内筒面もめっきしてインナー ビア ホール41を
形成する。この工程を正確に行うため、表面の平面精度
が要求される。このため第5工程における穴埋めとサン
デイングが綿密に行われる。第5工程以降を繰り返し
て、多数の積層回路を形成して行く。図16(i)に示
す積層回路は第1層回路40と第2層回路43,第3層
回路45,第4層回路47が形成される。
箔に回路パターンを印刷し、余分な部分の銅箔をエッチ
ングで除去して回路パターンを形成する方法) この製法では、銅箔の熱伝導が高いため、層間接続のた
めのインナービア・ホールをレーザーで穴あけすること
ができないので、穴となる部分の銅箔を予めエッチング
で取り除いた後、レーザーで穴あけする方法が採られて
いる。この回路形成工程以外はアデイテイブ法と類似で
ある。従来から、アデイテイブ法、サブトラクト法共
に、ビルドアップ多層プリント基板の製法における第5
工程で行っている樹脂による穴と凹みを埋める工程を省
略する方法が試みられてきた。
略した場合のサブトラクト法を図17により説明する。 (1) 内層回路パターンを形成したコア基材30の上
下面に、樹脂351を付けた銅箔352を重合する。 (2) プレス熱板19により圧着する。 コア基材30に重合する樹脂351は溶けて内層回路パ
ターン溝、ビア・ホール内を埋める。もし、上側が時間
的に速く溶融した場合、基板30の上面に重合する樹脂
351は内層回路パターン溝を埋めると同時に、下面に
重合する樹脂351に比べて、矢印で示すように、ビア
・ホール250内に多量に流入する。この流入量の差に
よりコア基材30の上側の樹脂層351の厚さ寸法S1
と下側の樹脂層351の厚さ寸法S2に、差(寸法S1
>寸法S2)が生じる。時間的に上下の樹脂が同時に溶
融した場合、ビア・ホール250内に溜った空気はその
ままとなる。また、樹脂351が熱硬化する段階で収縮
して銅箔352の表面に凹み353が発生する。また、
絶縁層の厚さを確保するために樹脂流れの少ない特性を
有する樹脂を使用するので、樹脂層に空気354が残っ
てしまった。
みの穴埋め工程を省略すると、従来の「樹脂付き銅箔」
を張り付けた場合、樹脂層が薄いことから、例え、樹脂
流れの少ない樹脂が使われたとしても、溶融すると剛性
が低くなるので、内層回路パターンに多少でも凹凸があ
ると、張り付けた銅箔の表面に凹凸ができ、銅箔表面の
平面精度が得られず、次の工程の印刷を不正確にするな
どの不具合があった。完全に樹脂層の空気を排除するこ
とが出来ない、あるいは、表裏の絶縁(樹脂)層の厚さ
に差が生じる等、製品として電気的、機械的品質を確保
することが出来なかった。特に基材表裏面に重合する絶
縁層の厚さの不均一は、回路のインピーダンス特性に悪
影響を与えるので、近年大きな問題となっている。
題は、多層プリント基板において均一な厚さを有する絶
縁層を確保することと絶縁層内の残留空気の除去、導体
層の回路配設面の平面精度の確保、および、張り付けて
ある銅箔の剥離工程の容易化にある。
基材は導体層と絶縁層との積層体よりなり、コアとなる
基板を中心に積層して多層プリント基板を形成する。基
材の絶縁層は規定の層厚を有する完全硬化させた樹脂よ
りなる第1の絶縁層と、半硬化状態の樹脂よりなる第2
の絶縁層を有し、第2の絶縁層は溶融して積層する他の
基材の導体層の回路溝およびビア・ホールを充填すると
共に、基材と基材との接着材となる構成を具備する。
基板を中心に前記本発明のプリント用基材を積層して構
成される。
布を配設する、または材料樹脂中にアラミッド繊維など
の繊維を配合させることにより、加圧力に対抗する剛性
が付与される。完全硬化させた第1の樹脂層は、基板の
インピーダンス特性や絶縁特性から要求される厚さを有
して完全硬化させているので、加熱、プレス圧力に耐え
て厚さを確保する。また、半硬化の第2の絶縁層は、樹
脂流れの良い(多い)樹脂を選定することにより加熱、
溶融して、ビア・ホールと回路溝を埋めた後、余剰の樹
脂は加圧圧力によって4辺から流出し、完全硬化樹脂層
が絶縁層の厚さを確保する。
コアとなる基板を中心として完全硬化樹脂よりなる第1
の絶縁層と半硬化状態の樹脂よりなる第2の絶縁層より
なる絶縁層付きの銅箔を、第2の絶縁層を導体層に対向
して積層する積層工程と、積層された積層材を、第2の
絶縁層の樹脂が溶融する温度に設定された第1のステッ
プと、溶融した第2の絶縁層の樹脂が硬化する温度に設
定された第2のステップとにより加熱・加圧する加熱・
加圧工程とを有している。そして、加熱・加圧工程にお
いて、第1のステップで溶融した第2の絶縁層の溶融樹
脂は導体層の回路溝、ビア・ホールを充填し、溶融した
樹脂は第2のステップで硬化されると共に、第1の絶縁
層と導体層との接着材となる構成を具備する。
層に剥離を目的とする表面層を設け、表面層を外表面と
して積層した積層材を加熱・加圧した後、積層材の表面
層を剥離する表面層剥離工程を設け、表面層が剥離され
た第1の絶縁層表面に導体層付着用粗面(凹凸)を形成
する構成を具備する。この場合の表面層は極細繊維布で
形成することにより、銅箔による粗面と同様な微細な粗
面を形成することが出来、導体層のめっきの付着が良好
となる。また、基板上面に対する加熱・加圧の第1のス
テップでの樹脂の溶融開始タイミングと、基板下面に対
する加熱・加圧の第1のステップでの樹脂の溶融開始タ
イミングに時間差を設ける構成とすることにより、穴の
中の残留空気を無くすことができる。
する製造装置は、コア基板の搬送手段と、コア基板搬送
経路に配設する完全硬化樹脂で形成される第1の絶縁層
と半硬化状態の樹脂で形成される第2の絶縁層よりなる
絶縁層を第2の絶縁層をコア基板に対向して積層される
ように供給する絶縁層供給手段と、絶縁層供給手段の下
流側に配設され第2の絶縁層の樹脂が溶融する温度に設
定される第1の加熱加圧手段と、第1の加熱加圧手段の
下流側に配設され溶融した樹脂が硬化する温度に設定さ
れる第2の加熱加圧手段を備えている。そして、第1の
加熱・加圧手段と第2の加熱・加圧手段は同期して加
圧、除圧駆動されると共に、搬送手段は第1の加熱・加
圧手段、第2の加熱・加圧手段の除圧タイミングにあわ
せて間歇駆動される構成を具備する。第1の加熱・加圧
手段は、基板に積層された絶縁層の第2の絶縁層の樹脂
を溶融して、溶融樹脂により導体層の回路溝、ビア・ホ
ールを充填させ、第2の加熱・加圧手段は、溶融した樹
脂を硬化させると共に、第1の絶縁層と基板を接着させ
る。
延手段、例えば、加熱開始タイミングに時間差を設定す
る、熱伝導率の低い加圧盤を配設する、供給電力を低く
設定する等の手段により、基板搬送経路片面に対する加
熱に対して他の面の加熱を遅らせる構成を設けて残留空
気の排除を実行している。
して説明する。 実施の形態1 この実施の形態では、プリント基板用の基材を説明す
る。……図1参照 プリント基板用基材9は両面銅張り積層板で作ったコア
となる基板(コア基板)の上下面に、従来、絶縁材とし
て積層した数枚のガラスエポキシプリプレグ、および銅
貼り積層板の組み合わせの代わりに配設する積層体であ
る。基材9は銅箔7に第1の絶縁層5Aと第2の絶縁層
5Bを積層した絶縁層5を貼りあわせて構成される。
硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂よりなり、加熱されて
完全に硬化されている。完全硬化させた樹脂層には、基
板のインピーダンス特性や絶縁特性から要求される厚さ
を持たせた上で、銅箔7を張り付けている。第1の絶縁
層5Aは、完全硬化されているので、加熱されても、プ
レス圧力に耐えて厚さを確保する。第1の絶縁層5Aの
厚さ寸法h2は、基板のインピーダンス特性や絶縁特性
から要求される絶縁層として必要とされる厚さ寸法を有
している。例えばこの実施の形態においては、h2=1
00μmとしている。この厚さ寸法は高精度を有した状
態で完全硬化されている。
絶縁層5Aと同じエポキシ樹脂よりなり、半硬化(Bス
テージ)状態で第1の絶縁層5Aの銅箔7配設面の反対
面に積層(塗布)されている。第2の絶縁層5Bの厚さ
寸法h3は15μm程度としている。第2の絶縁層5B
を構成するエポキシ樹脂は、融点を125℃とする樹脂
で、180℃で硬化する特性を有し、溶融したとき流れ
の良い分子構造を有する樹脂を用いている。この様な特
性を有する樹脂をBステージまで半硬化させた状態で、
厚さ寸法h2を15ミクロン程度に積層している。第2
の絶縁層5Bの樹脂量は、積層するコア基材のビア・ホ
ール、および溝を充填する目的を達成するのに充分な樹
脂量とする。例えば、穴(ビア・ホール)を充填すめる
ための樹脂量は、仮に、コア基板の厚さ寸法が0.8m
m、直径0.3mmの穴が、1m2あたり10,000
個ある場合で、必要な樹脂量は0.56ccとなり、第
2の絶縁層5Bの厚さの減少は0.56μmとなる。ま
た、溝3bを充填するために必要な樹脂の量は、パネル
めっきの厚さと回路パターン形成時の銅箔の残存率によ
って異なるが、平均的には必要な樹脂の量は、8cc程
度、厚さに換算して、8μm程度となる。よって、層厚
15μmを有する第2の絶縁層5Bはコア基板のビア・
ホール、溝を充填するに十分な樹脂量を有している。絶
縁層5に重ねる銅箔7の厚さ寸法h1は18μmとなっ
ている。コア基材に基材9を重ね、熱盤で加熱、加圧し
て多層の基板を形成する。
の第2の絶縁層5Bが温度125℃で溶融して液状とな
り、積層するコア基材のビア・ホールに流入して埋め、
コア基材の回路溝を埋める。さらに、余剰の溶融樹脂は
外方に押し出され、排出される。次に熱盤の温度を18
0℃まで昇温させて、第2の絶縁層が溶融して埋めた回
路溝、およびビア・ホール内の樹脂を硬化させる。この
ようにして、絶縁層5を介して回路が積層された基板9
が形成される。
ト基板を形成するとき、穴埋めや溝を充填する樹脂は第
2の絶縁層5Bであって、第1の絶縁層5Aに影響をお
よぼすことがない。その結果、絶縁層として厚さ精度を
高精度とする完全硬化状態の第1の絶縁層5Aが残り絶
縁層5を形成するので、銅箔表面の平面精度が確保でき
る。また、この基材9は加熱加圧時での穴埋めと、均一
な絶縁層の厚さの確保、および回路表面の平面精度の確
保ができる。
は、絶縁層50における第1の絶縁層50Aを帯状に等
間隔に形成する例を示している。第1の絶縁層50Aは
完全硬化エポキシ樹脂により層厚を60〜80μmとし
て一定幅の畝状に複数本並設している。第1の絶縁層5
0Aは補強材としてアラミッド繊維などの繊維を混入し
た材料を使用しても良い。第2の絶縁層50Bは半硬化
(Bステージ)エポキシ樹脂により第1の絶縁層50A
の間隙51を埋めると共に、厚さ寸法を15μmとする
層を形成している。12〜18μmの厚さの銅箔7を第
1の絶縁層50A上に貼付けている。このように構成す
る絶縁層50は加熱により第2の絶縁層50Bおよび間
隙を埋める半硬化状態の樹脂が溶融する。このとき、溶
融樹脂の流れが間隙51の方向となる。
鋸歯状に形成する例を示している。第1の絶縁層55A
は完全硬化エポキシ樹脂により層厚を40〜60μmと
して鋸歯状に形成している。この場合も補強材としてア
ラミッド繊維などの繊維を混入した材料を使用しても良
い。第2の絶縁層55Bは半硬化(Bステージ)エポキ
シ樹脂によりなる第1の絶縁層55Aの間隙を埋めると
共に、厚さ寸法を15μmとする層を形成している。銅
箔7は12〜18μmの厚さを有している。この絶縁層
55も第1の絶縁層55Aの間隙の半硬化状態の樹脂、
および第2の絶縁層55Bが加熱(温度125℃)によ
り溶融して溝およびビア・ホールを埋め、加熱(温度1
80℃)で硬化して規定の厚さの絶縁層55を形成す
る。
るプリント基板の製造方法(ビルドアップ成型法)を説
明する。……図4、図5参照 A 第1工程……(a)参照 多層プリント基板の中心となる積層基板材(銅張り積層
板)8を示している。積層基板材8はエポキシ樹脂を含
浸させたガラス繊維布を積層した積層板81の両面に、
回路パターン形成用の銅箔82を張って硬化させる。銅
張り積層板(積層基板材)8の一般的な板厚は0.4〜
0.8mmである。 B 第2工程……(b)参照 積層基板材8の表裏面の回路接続のためのインナー ビ
ア・ホールの穴83をあける。穴開けはドリルにより穿
孔する。穴サイズは直径0.3mm、密度は5,000
〜10,000/m2とする。 C 第3工程……(c)参照 積層基板材8全体にめっき85を施す。第2工程で穿孔
した回路接続の穴83の内筒面もめっきされ、ビア・ホ
ール84を形成する。 D 第4工程……(d)参照 積層基板材8の表面をエッチングして、回路パターン8
5a,85bを形成し、コア基板88を構成する。
ここで接着する絶縁層90を図6を参照して説明する。
絶縁層90は完全硬化した第1の絶縁層90Aと、第1
ステップ(125℃)で溶融し、第2ステップ(180
℃)で硬化する樹脂、例えばエポキシ樹脂を半硬化(B
ステージ)とした第2の絶縁層90Bを積層(塗布)し
て構成される。さらに、この実施例における絶縁層は、
第1の絶縁層90Aの上面に、極細繊維布よりなる剥離
布95aを接着して表面層を形成する。剥離布95aは
繊維径8μm程度の合成繊維、例えばアラミッド繊維、
ポリエステル繊維よりなる。極細繊維であれば、レーザ
ーによる穴あけが可能である。また、この実施例では、
第1の絶縁層90Aと第2の絶縁層90Bとの間に極細
アラミッド繊維布よりなる補強布95bをも配設してい
る。補強布95bを配設することで、高い曲げ剛性を持
つ絶縁層が構成され平面精度が確保される。アラミッド
繊維の誘電率は、エポキシ樹脂の値に極めて近いので、
インピーダンス特性に悪影響を与えることがない。
ときの加熱、加圧の条件は、温度125℃、20Kg/
cm2(第1ステップ)とする。第2の絶縁層90Bは
溶融してビア・ホール84に流入して充填し、回路溝8
6を埋める。余剰の溶融樹脂は加圧圧力によって外部に
流出する。そして、温度を180℃、圧力20Kg/c
m2(第2ステップ)の加熱、加圧工程によりビア・ホ
ール、溝を埋めた樹脂は硬化する。この工程において、
配設するアラミッド樹脂などの極細繊維布(剥離布95
A、補強布95B)は、積層接着時には高い曲げ剛性を
示すので回路パターン85の凹凸に負けない平面精度を
確保する。
(極細繊維布)95aを機械的に剥がすことによって、
微細な凹凸が第1の絶縁層90Aの樹脂面に残り粗面を
形成する。この粗面は次工程での銅めっき回路パターン
の固着を良好にすることができる。このように、機械的
に極細繊維布よりなる剥離布95aを剥がすことができ
るので、操作性が向上する。 H 第8工程……(h)参照 絶縁層90にレーザにより穴97をあける。 I 第9工程……(i)参照 メッキにより表面回路(導体層)85c,85dを形成
する。このようにビルドアップ成型法により、4層の回
路パターン(85a,85b,85c,85d)を有す
る基板が完成する。
は、半硬化の第2の絶縁層に、樹脂流れの良い(多い)
樹脂を厚さ15μmという充分な量塗布されているの
で、第1ステップの加熱、加圧により溶融して穴と溝を
埋めた後、余剰の樹脂は4辺から押しだされる。また、
第1、第2ステップでの加熱、加圧が過剰であっても、
完全硬化樹脂層である第1の絶縁層が厚さを確保するの
で、加熱、加圧が充分高ければ、プレス工程での管理精
度が低くくても絶縁層の厚さ精度を確保することができ
る。また、この基材はアラミッド繊維よりなる剥離布、
および補強布が、硬化した第1の絶縁層を挟持して梁を
形成するので、高い曲げ剛性を得ることができる。ここ
で、極細繊維の製法としては、ポリエステルとナイロン
の放射状複合繊維を分割する方法等がある。現在の技術
レベルにおけるアラミッド繊維の繊維径は8μm程度で
あるので、銅箔の粗面(5μm程度)に及ばないが、ポ
リエステル、ナイロンなどの超極細繊維は、繊維径が約
1μm程度となり、粗さの点では銅箔の粗面に充分匹敵
する。
なる剥離布、補強布で挾持する構成の他の例として、図
7に示す、第1の絶縁層91Aを畝状に形成し、間隙を
Bステージの樹脂92Bで埋め、その両面を極細アラミ
ッド繊維よりなる剥離布95a、補強布95bで挾持し
て、さらに、Bステージ樹脂で接着層92Cを塗布形成
する。あるいは図8に示すように、第1の絶縁層93A
を鋸状に形成し、間隙をBステージの樹脂93Bで埋
め、その両面を極細アラミッド繊維よりなる剥離布95
a、補強布95bで挾持する構成等がある。
の上下の絶縁層に対する第1ステップの昇温、加圧時間
に差(約2分)を与え、上側の絶縁層の半硬化樹脂、第
2の絶縁層が溶融して穴を通過(充填)した時、ちょう
ど下側の絶縁層の第2の絶縁層の半硬化樹脂が軟化して
上側の樹脂と融合するように構成することにより、ビア
・ホール内の残留空気をなくすことができる。
9に示す温度、圧力となっている。ここで、図4、図5
を参照して基材9の製造方法を説明する。先ず、時間t
1で基板88の上面に配設する絶縁層を加熱する。時間
t2で125℃となったところで絶縁層の第2の層90
Bが溶融し始める。時間t3で基板88の下面に配設す
る絶縁層を加熱する。この場合時間t1と時間t3との間
隔を2分としている。基板88の下面に配設する絶縁層
の第2の層90Bも温度が125℃となる時間t4で溶
融し始める。そして、最初に溶融した基板8上面に配設
される第2の絶縁層90Bの溶融樹脂によりビア・ホー
ル84、および上面に配設される溝86が充填される。
次に、時間t4で2分のタイムラグをおいて、下面の第
2の絶縁層90Bが溶融し、下面の溝86を空気を排出
しながら充填する。そして、時間t5で基板8上面に配
設する絶縁層に圧力20Kg/cm2をかけてビア・ホ
ール84、溝86への溶融樹脂の充填を確実とすると共
に、時間t6において下面の絶縁層に圧力20Kg/c
m2をかけてビア・ホール84、溝86への溶融樹脂の
充填、余剰の溶融樹脂を外方に押し出す。……加熱、加
圧の第1ステップ そして、基板8上面、下面の溝、ビア・ホールを充填し
た溶融樹脂は、時間t7で温度180℃となった段階で
固化する。この段階で基材の第1の絶縁層90Aと基板
88は接着する。
て、熱プレスの熱盤から基板の上下面に達する熱伝導に
差を与える。例えば、基板の下面に熱伝導の悪いステン
レス鋼の厚板を介在させる。あるいは、上下熱盤への電
力供給を調節することにより昇温時間に差を与える等の
方法がある。
層の表面に合成樹脂繊維(ポリエステル繊維,アラミッ
ド繊維等)の極細繊維の布を張り付けた状態で樹脂を硬
化させ、積層コア基板に接着後、表面の極細繊維布を機
械的に剥がすことによって、微細な粗面を樹脂面に形成
させ、めっき付着性能を向上させ、良好な導体層の形成
が達成出来た。また、アラミッド繊維の極細繊維布を硬
化させた絶縁層の表裏に張り付けることによって、サン
ドイッチ構造の梁が形成され、高い曲げ剛性を示すの
で、回路パターンの凹凸に負けない表面の平面精度が確
保できる。そして、表面の極細繊維布を剥離布として機
械的に剥がすことにより、表面の疎面化をローコストで
達成することができる。
層を、ポリエステル繊維やアラミッド繊維で補強した材
料は、硬化させた樹脂絶縁層の曲げ剛性が著しく高くな
っているので、回路パターンの凹凸に押しつけられた場
合も曲げモーメントに耐えて平面精度を高く保つ。この
ように、基板の曲げ剛性とねじり剛性を高くするために
は、補強布を硬化樹脂表面に配することが有効であり、
また、表面に配することによって、めっき付着面の粗面
化も達成できる。
による多層プリント基板の製造方法を説明したが、一括
プレス法においては、完全硬化させた絶縁層の表裏両面
に半硬化樹脂層を設けることにより、本発明の基材を適
用することができる。また、一括プレス法はレーザーに
よる穴あけが行われないので、融点の高いガラス繊維に
よる補強が可能となる。また、絶縁層の完全硬化樹脂の
替わりに、第1の絶縁層を樹脂流れの少ない分子構造を
もつ熱硬化性樹脂で形成したところ、第1ステップで溶
融する第2の絶縁層が鋭利な凹みを有する回路溝、およ
びビア・ホールを埋めるので、第1の絶縁層が穴埋め等
に関与することが無く、絶縁層の厚さ精度は従来の基板
に比較して、はるかに良好となり、基板の表面精度も向
上した。
造装置を説明する。図10は装置全体の概略図、図11
はプレス部分の拡大説明図である。この装置はプリント
基板を間欠的に連続成型する方法を示す。規定寸法に切
断したコア基板88は搬送経路Rに送り出される。コア
基板88の搬送経路の上下にはロ−ル状に巻いた樹脂付
き銅箔、すなわち、絶縁層と銅箔を重合した基材570
を配設する。絶縁層は完全硬化樹脂よりなる第1の絶縁
層5Aと半硬化樹脂よりなる第2の絶縁層5Bで構成さ
れている。搬送方向に進行するコア基板88の上下から
銅箔7付き2層構造の絶縁層5をロ−ルから引き出し重
合する。絶縁層5をコア基板88に対向させて配置す
る。
で第1のプレス装置200に進み、第1ステップの加
熱、加圧をうける。第1のプレス装置200は、搬送経
路上部に配設される上部プレス器210と、上部プレス
器210に対向して搬送経路下部に配設される下部プレ
ス器220を有する。上部プレス器210は温度125
℃、プレス圧20kg/cm2の条件で設定される。下
部プレス器220は、プレス圧20kg/cm2の設定
条件の前部プレス部220Aと、温度125℃、プレス
圧20kg/cm2の設定条件の後部プレス部220B
を備えている。前部プレス部220Aと後部プレス部2
20Bは同一寸法(D1=D2)としている。上部プレス
器210と下部プレス器220は間歇的に加圧動作を繰
り返し、搬送装置500は加圧解除の間に距離D1移動
する構成となっている。
には、第2のプレス装置300を配設する。第2のプレ
ス装置300は、搬送経路上部に配設される上部プレス
器310と、上部プレス器310に対向して搬送経路下
部に配設される下部プレス器320を有し、温度180
℃、プレス圧20kg/cm2の条件で設定される。第
2のプレス装置300の搬送方向下流側には熱風炉40
0を配設している。熱風炉400は高温環境を構成して
いる。熱風炉400の下流側には搬送装置500を配置
し、搬送経路を規定寸法分ずつ間歇的に移動させる。第
1のプレス装置200と第2のプレス装置300は同期
して加圧、加圧解除を繰返し、搬送装置は加圧解除に合
わせて距離D1(D2)の搬送を実行する。
2のプレス装置300による積層を説明する。 第1ステップ コア基板88は上下面に銅箔7付きの絶縁層5からなる
基材を積層された瀬古層体となって第1のプレス装置2
00に搬送され、上部プレス器210と、下部プレス器
220によ加熱、加圧される。このとき、積層体の上面
は温度125℃の加熱により第2の絶縁層5Bは溶融
し、溶融した樹脂液は20kg/cm2のプレス圧によ
りコア基板88の回路溝86、ビア・ホール84に流入
する。コア基板88の下面は、前部プレス部220A部
分では上面の溶融した樹脂の余剰分がビア・ホール86
を通って浸入する。後部プレス部220B部分では、温
度125℃の加熱により第2の絶縁層5Bが溶融し、2
0kg/cm2のプレス圧により回路溝85を充填する
と共に、ビア・ホール84を埋め、余剰の溶融樹脂は隣
接するコア基板88の間隙、あるいは基板端部から排出
される。
脂で充填されたコア基板88は、第2のプレス装置30
0に搬送される。第2のプレス装置300は積層基板の
上下を温度180℃、プレス圧20kg/cm2で加
熱、加圧し、溶融樹脂を硬化する。ここで、例えば、第
1ステップ、第2ステップにおける加圧時間を10秒、
除圧時間を2秒とすることにより、樹脂の溶融、硬化、
および搬送がスムーズに実行できる。
層基板は、熱風炉400内に搬送され、150℃〜18
0℃の雰囲気中におかれ、樹脂の硬化を安定化させる。
縁層よりなる基材は完全硬化の第1の絶縁層を全面に配
設した絶縁層を説明したが、例えば、図2に示す、第1
の絶縁層50A第2の絶縁層50Bを畝状に配設した絶
縁層を用いる場合、図12に示すように、完全硬化樹脂
の第1の絶縁層50Aの畝方向yを搬送方向xに直交す
るよう配置することにより、空気と溶融樹脂の排出効率
が向上する。また、コア基板の上下面での加熱タイミン
グの差を設ける手段としては、この他、上部プレス器に
対して下部プレス器の加熱に時間差を設ける、下部プレ
ス器のプレス面に熱伝導率の低い素材を配設する、下部
プレス器への供給電力を低くして規定温度への到達を遅
くさせる等、の手段がある。
板の両面に規定厚さの絶縁層を介して銅箔を形成した基
板を連続成型できる。また、第1ステップ、第2ステッ
プでの加熱により、第1絶縁層の硬化樹脂と第2絶縁層
の溶融樹脂がお互いに融合するので、層間剥離がおきに
くく、多層積層が容易となり、製造コストが安価とな
る。また、この装置は銅箔に替えて極細繊維を形成した
基板にも適用できる。
基板の基材、および基材を積層した多層プリント基板
は、層厚寸法精度を良好にした完全硬化済みの第1の絶
縁層に対して、第2の絶縁層を同じ成分で形成する半硬
化の樹脂としているので、回路溝、ビア・ホールを埋め
た溶融樹脂は第1の絶縁層と一体となり、電気的、物理
的特性を確保することができると共に、表面精度を高く
でき、層間の剥離も生じ難い。樹脂層を形成する完全硬
化させた第1の絶縁層の表裏面に補強材を配設する、あ
るいは、アラミッド繊維等の繊維を配合して補強した絶
縁層は、曲げ剛性が著しく高くなり、導体層の回路パタ
ーンの凹凸に対して対曲げモーメントに強靱で、平面精
度を高く保持できる。
絶縁層の層厚精度を高くした表面平面精度の高い基板が
容易に形成できる。また、表面に補強材を配設すること
により、加圧による曲げ、ねじり剛性を高くすることが
出来ると共に、表面の疎面化も簡単にできる。
さを有する絶縁層、および平面精度の高い基板を簡単に
連続して製造できる。
ールを示すグラフ。
スケジュールを示すグラフ。
図。
図。
成説明図。
製造装置
板は、コアとなる基板を中心にプリント用基材を積層し
て構成される。
硬化させた樹脂よりなる第1の絶縁層と、半硬化状態の
樹脂よりなる第2の絶縁層を有し、第2の絶縁層は溶融
して積層する他の基材の導体層の回路溝およびビア・ホ
ールを充填すると共に、基材と基材との接着材となる。
コアとなる基板を中心として完全硬化樹脂よりなる第1
の絶縁層と半硬化状態の樹脂よりなる第2の絶縁層より
なる絶縁層付きの銅箔を、第2の絶縁層を導体層に対向
させた状態で基板の上下面同時に積層する積層工程と、
積層された積層材を、第2の絶縁層の樹脂が溶融する温
度に設定された第1のステップと、溶融した第2の絶縁
層の樹脂が硬化する温度に設定された第2のステップと
により加熱・加圧する加熱・加圧工程とを有している。
そして、加熱・加圧工程において、基板上面に配置され
た絶縁層においては第1のステップで溶融した第2の絶
縁層の溶融樹脂が導体層の回路溝、ビア・ホールを充填
する。そのとき、時間差を設けて溶融する基板下面に位
置する第2の絶縁層は上側の溶融樹脂と融合するするこ
とによりビア・ホール内に残留する空気を排出する。そ
して、溶融樹脂は第2のステップで硬化されると共に、
第1の絶縁層と導体層との接着材となる構成を具備す
る。
層に剥離布を設け、剥離布を外表面として積層した積層
材を加熱・加圧した後、積層材の剥離布を剥離する剥離
布剥離工程を設け、剥離布が剥離された第1の絶縁層表
面に導体層付着用粗面(凹凸)を形成する構成を具備す
る。この場合の剥離布は極細繊維布で形成することによ
り、銅箔による粗面と同様な微細な粗面を形成すること
が出来、導体層のめっきの付着が良好となる。また、基
板上面に対する加熱・加圧の第1のステップでの樹脂の
溶融開始タイミングと、基板下面に対する加熱・加圧の
第1のステップでの樹脂の溶融開始タイミングに時間差
を設ける構成とすることにより、穴の中の残留空気を無
くすことができる。
2のプレス装置300による積層を説明する。 第1ステップ コア基板88は上下面に銅箔7付きの絶縁層5からなる
基材を積層された積層体となって第1のプレス装置20
0に搬送され、上部プレス器210と、下部プレス器2
20によ加熱、加圧される。このとき、積層体の上面は
温度125℃の加熱により第2の絶縁層5Bは溶融し、
溶融した樹脂液は20kg/cm2のプレス圧によりコ
ア基板88の回路溝86、ビア・ホール84に流入す
る。コア基板88の下面は、前部プレス部220A部分
では上面の溶融した樹脂の余剰分がビア・ホール86を
通って浸入する。後部プレス部220B部分では、温度
125℃の加熱により第2の絶縁層5Bが溶融し、20
kg/cm2のプレス圧により回路溝85を充填すると
共に、ビア・ホール84を埋め、余剰の溶融樹脂は隣接
するコア基板88の間隙、あるいは基板端部から排出さ
れる。
基板の基材を積層した多層プリント基板は、層厚寸法精
度を良好にした完全硬化済みの第1の絶縁層に対して、
第2の絶縁層を同じ成分で形成する半硬化の樹脂として
いるので、回路溝、ビア・ホールを埋めた溶融樹脂は第
1の絶縁層と一体となり、電気的、物理的特性を確保す
ることができると共に、表面精度を高くでき、層間の剥
離も生じ難い。樹脂層を形成する完全硬化させた第1の
絶縁層の表裏面に補強材、例えば剥離布、補強布を配設
する、あるいは、アラミッド繊維等の繊維を配合して補
強した絶縁層は、曲げ剛性が著しく高くなり、導体層の
回路パターンの凹凸に対して対曲げモーメントに強靱
で、平面精度を高く保持できる。
絶縁層の層厚精度を高くした表面平面精度の高い基板が
容易に形成できる。また、表面に極細繊維よりなる剥離
布を配設することにより、加圧による曲げ、ねじり剛性
を高くすることが出来ると共に、表面の疎面化も簡単に
できる。
Claims (15)
- 【請求項1】 コアとなる基板を中心に積層して多層プ
リント基板を形成するプリント基板用基材において、 前記プリント基板用基材は導体層と絶縁層との積層体よ
りなり、絶縁層は規定の層厚を有する完全硬化させた樹
脂よりなる第1の絶縁層と、半硬化状態の樹脂よりなる
第2の絶縁層を有し、第2の絶縁層は溶融して積層する
他の基材の導体層の回路溝およびビア・ホールを充填す
ると共に、該導体層と第1の絶縁層との接着材となるプ
リント基板用基材。 - 【請求項2】 前記第1の絶縁層は極細合成繊維布によ
り補強されている請求項1記載のプリント基板用基材。 - 【請求項3】 前記第1の絶縁層はアラミッド繊維等の
繊維が配合されている樹脂で構成されている請求項1記
載のプリント基板用基材。 - 【請求項4】 コアとなる基板を中心に絶縁層を介して
導体層を多層積層する多層プリント基板において、 前記絶縁層は完全硬化させた樹脂よりなる第1の絶縁層
と半硬化状態の樹脂よりなる第2の絶縁層よりなり、第
1の絶縁層は規定の層厚を有し、第2の絶縁層は積層す
る他の導体層の回路溝およびビア・ホールを充填すると
共に、該導体層と絶縁層との接着材となる多層プリント
基板。 - 【請求項5】 コアとなる基板を中心に熱硬化性樹脂よ
りなる絶縁層を介して導体層を積層する多層プリント基
板の製造方法であって、 コアとなる基板を中心として絶縁層と導体層を積層する
積層工程と、積層された積層材を加熱・加圧する加熱・
加圧工程とを有し、 前記絶縁層は、完全硬化樹脂よりなる第1の絶縁層と半
硬化状態の樹脂よりなる第2の絶縁層よりなり、前記積
層工程において、第2の絶縁層を被積層体の導体層に対
向して積層すると共に、前記加熱・加圧工程は第2の絶
縁層の樹脂が溶融する温度に設定された第1のステップ
と、溶融した第2の絶縁層の樹脂が硬化する温度に設定
された第2のステップとを有し、 前記加熱・加圧工程において、第1のステップで溶融し
た第2の絶縁層の溶融樹脂は被積層体の導体層の回路
溝、ビア・ホールを充填し、溶融した樹脂は第2のステ
ップで硬化されると共に、第1の絶縁層と被積層体の導
体層との接着材となる多層プリント基板の製造方法。 - 【請求項6】 コアとなる基板を中心に熱硬化性樹脂よ
りなる絶縁層を介して導体層を積層する多層プリント基
板の製造方法であって、 コアとなる基板を中心として表面層を有する絶縁層を表
面層を外表面として積層する積層工程と、積層した積層
材を加熱・加圧する加熱・加圧工程と、積層材の表面層
を剥離する表面層剥離工程と、積層材に導体層を形成す
る導体層形成工程とを有し、 前記絶縁層は、表面層を配設し完全硬化樹脂で形成され
る第1の絶縁層と半硬化状態の樹脂で形成される第2の
絶縁層よりなり、前記積層工程において、第2の絶縁層
を被積層体の導体層に対向して積層すると共に、前記加
熱・加圧工程は第2の絶縁層の樹脂が溶融する温度に設
定された第1のステップと、溶融した第2の絶縁層の樹
脂が硬化する温度に設定された第2のステップとを有
し、 前記加熱・加圧工程において、第1のステップで溶融さ
れる第2の絶縁層の溶融樹脂は被積層体の導体層の回路
溝、ビア・ホールを充填し、溶融した樹脂は第2のステ
ップで硬化されると共に、第1の絶縁層と被積層体の導
体層との接着材となり、前記表面層剥離工程において表
面層が剥離された第1の絶縁層表面には導体層付着用粗
面が形成される多層プリント基板の製造方法。 - 【請求項7】 前記第1の絶縁層は表面層で挾持されて
いる請求項6記載の多層プリント基板の製造方法。 - 【請求項8】 前記表面層は極細繊維布で形成される請
求項6、または7記載の多層プリント基板の製造方法。 - 【請求項9】 前記加熱・加圧工程において、基板上面
に対する加熱・加圧の第1のステップでの樹脂の溶融開
始タイミングと、基板下面に対する加熱・加圧の第1の
ステップでの樹脂の溶融開始タイミングに時間差を設け
たことを特徴とする請求項5または6記載の多層プリン
ト基板の製造方法。 - 【請求項10】 コア基板を中心に熱硬化性樹脂よりな
る絶縁層を介して導体層を積層する多層プリント基板の
製造装置において、 コア基板の搬送手段と、コア基板搬送経路に配設する絶
縁層供給手段と、絶縁層供給手段の下流側に配設する第
1の加熱加圧手段と、第1の加熱加圧手段の下流側に配
設する第2の加熱加圧手段とを備え、 前記絶縁層供給手段から供給される絶縁層は、完全硬化
樹脂で形成される第1の絶縁層と半硬化状態の樹脂で形
成される第2の絶縁層を有し、第2の絶縁層をコア基板
に対向して積層されるように供給されると共に、前記第
1の加熱・加圧手段は第2の絶縁層の樹脂が溶融する温
度に設定され、前記第2の加熱・加圧手段は溶融した樹
脂が硬化する温度に設定され、前記第1の加熱・加圧手
段と第2の加熱・加圧手段は同期して加圧、除圧駆動さ
れると共に、前記搬送手段は第1の加熱・加圧手段、第
2の加熱・加圧手段の除圧タイミングにあわせて間歇駆
動されるよう構成されてなる多層プリント基板の製造装
置。 - 【請求項11】 前記第1の加熱・加圧手段は、基板に
積層された絶縁層の第2の絶縁層の樹脂を溶融して、溶
融樹脂により導体層の回路溝、ビアホーを充填させ、第
2の加熱・加圧手段は、溶融した樹脂を硬化させると共
に、第1の絶縁層と基板を接着させる請求項10記載の
多層プリント基板の製造装置。 - 【請求項12】 前記第1の加熱・加圧手段は、基板搬
送経路片面に対する加熱に対して他の面の加熱を遅らせ
る加熱遅延手段を備えていることを特徴とする請求項1
0記載の多層プリント基板の製造装置。 - 【請求項13】 前記加熱遅延手段は加熱開始タイミン
グに時間差を設定してなる請求項12記載の多層プリン
ト基板の製造装置。 - 【請求項14】 前記加熱遅延手段は熱伝導率の低い加
圧盤を配設してなる請求項12記載の多層プリント基板
の製造装置。 - 【請求項15】 前記加熱遅延手段は供給電力を低く設
定してなる請求項12記載の多層プリント基板の製造装
置。
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JP32245398A JP3145079B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 多層プリント基板の製造方法とその製造装置 |
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JP32245398A JP3145079B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 多層プリント基板の製造方法とその製造装置 |
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