JP3568091B2 - 積層シート並びにプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
【0002】
発明の属する技術分野
従来の技術(図3)
発明が解決しようとする課題(図3〜図5)
課題を解決するための手段(図1及び図2)
発明の実施の形態
(1)本実施の形態による樹脂付き銅箔の構成(図1)
(2)本実施の形態による多層プリント配線板の製造手順(図2)
(3)本実施の形態の動作及び効果(図1及び図2)
(4)他の実施の形態(図1及び図2)
発明の効果
【0003】
本発明は積層シート並びに多層プリント配線板及びその方法に関し、例えば多層プリント配線板を形成する導電層と絶縁層からなる積層シートと、絶縁層及び導体層が順次交互に積層形成されてなる多層プリント配線板及びその製造方法に適用して好適なものである。
【0004】
【従来の技術】
従来、多層プリント配線板の製造方法として、プリント配線板のパターン面上に絶縁性の樹脂材からなる絶縁層と、めつき又はプリント等により形成した所望パターンの導体層とを順次交互に積み上げてゆく第1の方法と、図3に示すような銅箔5の一面側にエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂材からなる樹脂層6が形成された樹脂付き銅箔7を用いる第2の方法とがある。
【0005】
実際上第2の方法では、ガラスエポキシ基板等でなる絶縁基板1の両面側にそれぞれ所望パターンの導体層2、3が形成された内層基板4の一面及び他面側にそれぞれ樹脂付き銅箔7の樹脂層6をプレス処理により熱圧着させた後、これら各樹脂付き銅箔7の銅箔5を所望パターンにパターニングするようにして多層プリント配線板を製造する。
【0006】
そしてこのような第2の方法によれば、上述のように樹脂付き銅箔7を内層基板4の表面上に熱圧着するようにして樹脂付き銅箔7の樹脂層6からなる絶縁層を形成するため、当該絶縁層の表面を平坦に形成することができ、その分第1の方法に比べて表層に微細な配線パターンの導体層を形成し得る利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の第2の方法により多層プリント配線板を製造する場合、樹脂付き銅箔7としては、樹脂層6を形成する樹脂材がBステージ状態(半硬化状態)であるものが用いられる。
【0008】
この場合この樹脂材の流動性が悪い(すなわち粘度が高い)と、プレス処理時に樹脂付き銅箔7の樹脂層6の表面の樹脂材が内層基板4の導体層2、3のパターン間に十分に入り込めず、この結果図4に示すように、樹脂付き銅箔7及び内層基板4間に空隙8が発生したり、樹脂付き銅箔7の樹脂層6の表面が内層基板4の絶縁基板1の表面に密着しなかつたり、又は内層基板4の絶縁基板1の表面及び樹脂付き銅箔7の樹脂層6間の空気が十分に抜けきらずに、いわゆるボイド9が発生したりすることがある。
【0009】
そしてこのような場合、例えば樹脂付き銅箔7及び内層基板4間に空隙8が生じたり、樹脂付き銅箔7の樹脂層6の表面及び内層基板4の絶縁基板1の表面間の密着性が低い場合には層間剥離が生じるおそれがあり、またボイド9が発生した場合にはこれがマイグレーシヨンの原因となる問題があつた。
【0010】
一方樹脂付き銅箔7の樹脂層6を形成する樹脂材の流動性が良過ぎる(すなわち粘度が低い)と、図5に示すように、当該樹脂付き銅箔7をプレス処理により内層基板4に熱圧着する際に、その樹脂層6の厚みTが薄くなることがある。
【0011】
そしてこのことは、製造される多層プリント配線板の絶縁層の厚みが薄くなることを意味し、この結果製造された多層プリント配線板の耐電圧が低下して使用に耐えなくなる問題があつた。
【0012】
このように多層プリント配線板の製造方法として第2の方法を用いる場合、樹脂付き銅箔7の樹脂層6を形成する樹脂材の流動性を精度良く制御しなければ、信頼性の高い多層プリント配線板を製造し難い問題があつた。
【0013】
また第2の多層プリント配線板の製造方法として第2の方法を用いる場合、樹脂付き銅箔7の樹脂層6を形成する樹脂材の流動性を精度良く制御することによつて良好なプレスを行えるとしても、そのプレス処理時における温度や圧力及び時間等の条件の範囲が狭いために管理が困難であつたり、また一度で多量のサンプルをプレス処理することができないなど生産性が低い問題があつた。
【0014】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、多層プリント配線板の信頼性を向上させ得る積層シート並びに多層プリント配線板及びその製造方法を提案しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板を形成する導電層と絶縁層からなる積層シートにおいて、金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000〔Poise〕以上で、厚さが15〜50〔μm〕の第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000〜10000〔Poise〕で、厚さが20〜50〔μm〕の第2の樹脂層とを設けるようにした。
【0016】
この結果この積層シートを内層の導体層上に第2の樹脂層側が当該導体層と当接するように配置した後、プレス処理により圧着することによつて多層プリント配線板の絶縁層及び導体層を形成することができる。
【0017】
そしてこのとき第2の樹脂層が導体層のパターン間に空気を押し退けて十分に入り込むことにより当該第2の樹脂層からなる絶縁層と下層の導体層とをボイドを生じることなく密着させることができ、かつ第1の樹脂層が変形しないことにより当該絶縁層の厚みとして所定の厚みを確保することができる。
また本発明においては、プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板において、金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000〔Poise〕以上で、厚さが15〜50〔μm〕の第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000〜10000〔Poise〕で、厚さが20〜50〔μm〕の第2の樹脂層とからなる積層シートと、少なくとも各々1層以上の導電層と絶縁層が形成された他のプリント配線板とを設けるようにした。
この結果この積層シートを内層の導体層上に第2の樹脂層側が当該導体層と当接するように配置した後、プレス処理により圧着することによつて多層プリント配線板の絶縁層及び導体層を形成することができる。
【0018】
さらに本発明においては、プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板の製造方法において、金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000〔Poise〕以上で、厚さが15〜50〔μm〕の第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000〜10000〔Poise〕で、厚さが20〜50〔μm〕の第2の樹脂層とからなる積層シートを形成する第1の工程と、少なくとも各々1層以上の導電層と絶縁層が形成された他のプリント配線板に上記積層シートの第2の樹脂層側を当接させてプレス処理を行う第2の工程とを設けるようにした。
【0019】
この結果、第2の工程時に、第2の樹脂層が導体層のパターン間に空気を押し退けて十分に入り込むことにより当該第2の樹脂層からなる絶縁層と下層の導体層とをボイドを生じることなく密着させることができ、かつ第1の樹脂層が変形しないことにより当該絶縁層の厚みとして所定の厚みを確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0021】
(1)本実施の形態による樹脂付き銅箔の構成
図1において、10は全体として本実施の形態による樹脂付き銅箔を示し、銅箔11の一面側に第1及び第2の樹脂層12、13が順次積層形成されている。
【0022】
この場合第1の樹脂層12においては、通常の条件下でのプレス処理では変形し難い流動性(例えば粘度が3000〔Pa・s 〕(30000 〔Poise 〕)以上)を有するエポキシ樹脂又はポリイミド等の熱硬化性樹脂材を用いて、例えば15〜50〔μm 〕程度の厚みで形成されている。
【0023】
また第2の樹脂層13においては、通常の条件下でのプレス処理により変形し易い流動性(例えば粘度が100 〔Pa・s 〕(1000〔Poise 〕)〜1000〔Pa・s 〕(10000 〔Poise 〕))を有するエポキシ樹脂又はポリイミド等の熱硬化性樹脂材を用いて、熱圧着対象の内層基板4(図3)の導体層2、3を埋めつくすことができる程度の厚み(例えば20〔μm 〕〜50〔μm 〕)で形成されている。
【0024】
これによりこの樹脂付き銅箔10においては、内層基板4にプレス処理により熱圧着するときに、第1の樹脂層12が変形することなく、第2の樹脂層13を形成する樹脂材が内層基板4の導体層2、3のパターン間に十分に入り込み得るようになされている。
【0025】
なおこのような樹脂付き銅箔10は、銅箔11の一面に熱硬化性樹脂材を塗布し、これを加熱することにより所定粘度に硬化させて第1の樹脂層12を形成した後、この第1の樹脂層12上に同じ熱硬化性樹脂材を塗布し、これをBステージ状態になるまで加熱して第2の樹脂層13を形成することにより製造することができる。
【0026】
(2)本実施の形態による多層プリント配線板の製造手順
ここで実際上このような樹脂付き銅箔10を用いて、図3との対応部分に同一符号を付した図2(A)〜(E)に示す以下の手順により多層プリント配線板を製造することができる。
【0027】
すなわちまず例えば絶縁基板1の両面にそれぞれ所定パターンの導体層2、3が形成されてなる内層基板4を作製する。
【0028】
次いでこの内層基板4の一面及び他面側にそれぞれ本実施の形態による樹脂付き銅箔10を第2の樹脂層13を内層基板4と当接させて配置し(図2(A))、この後これら樹脂付き銅箔10を第1の樹脂層12が変形せずに第2の樹脂層13が変形するように通常の条件下のプレス処理により内層基板4に熱圧着する(図2(B))。
【0029】
続いてこのようにして内層基板4に熱圧着された各樹脂付き銅箔10の銅箔11のうち、ビアの形成位置に対応する部分をエツチツグ等により除去し(図2(C))、この後かくして形成された各樹脂付き銅箔10の銅箔11の各開口部11Aを介して露出する樹脂付き銅箔10の第1の樹脂層12をプラズマエツチング、レーザ加工又はサンドブラスト加工等によつて除去することによりビアホール12Aを形成する(図2(D))。
【0030】
そしてこの後メツキ処理等によりビアホール12Aの内側面上に導体層14を形成することによりビア15を形成し、さらにこの後各樹脂付き銅箔10の銅箔11をエツチング等により所望パターンにパターニングする。これにより図2(E)に示すような4層プリント配線板16を製造することができる。
【0031】
(3)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、この実施の形態による樹脂付き銅箔10では、プレス処理により内層基板4へ熱圧着する際、まず第2の樹脂層13を構成する樹脂材が圧力により内層基板4の対応する導体層2、3のパターン間に順次入り込み、やがて当該パターン間に第2の樹脂層13を形成する樹脂材が空気を押し退けて十分に入り込んだ状態において第1及び第2の樹脂層12、13の境界面又はその近傍にまで内層基板4の導体層2、3の表面が到達する。そしてこの状態において、第1の樹脂層12が圧力によつて変形することなく銅箔11を支え、この状態で加熱処理により第1及び第2の樹脂層12、13を形成する各樹脂材が硬化する。
【0032】
従つてこの樹脂付き銅箔10では、内層基板4へ熱圧着する際、第1の樹脂層12により内層基板4の導体層2、3及び銅箔11間の距離を確保(すなわち製造される多層プリント配線板の絶縁層の厚みを確保)しながら、第2の樹脂層13を形成する樹脂材をボイド9を発生させることなく十分に内層基板4と密着させることができるため、製造される多層プリント配線板に層間剥離やマイグレーシヨン及び耐電圧降下等が発生するのを未然にかつ確実に回避することができる。
【0033】
またこの樹脂付き銅箔10を用いることによつて、上述のように製造される多層プリント配線板の絶縁層の厚みを均一にすることができるため、当該多層プリント配線板のインピーダンスを安定させることができる。
【0034】
さらにこの樹脂付き銅箔10を用いることによつて、プレス処理時における圧力を第1の樹脂層12が変形せずに第2の樹脂層13が変形するように設定すれば良いため、プレス処理時における条件の幅が広がつて多層プリント配線板の生産を容易にすることができ、さらに第2の樹脂層13の組成によつてはプレス時間を短縮させ得ることにより生産性を向上させることができる。
【0035】
以上の構成によれば、銅箔11の一面側に所定粘度を有する樹脂材からなる所定厚みの第1の樹脂層12と、第1の樹脂層12よりも粘度が低い樹脂材からなる第2の樹脂層13とを積層形成するようにして樹脂付き銅箔10を形成するようにしたことにより、製造される多層プリント配線板に層間剥離やマイグレーシヨン及び耐電圧降下等が発生するのを未然にかつ確実に回避することができ、かくして多層プリント配線板の信頼性を向上させ得る樹脂付き銅箔及び多層プリント配線板の製造方法を実現できる。
【0036】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を樹脂付き銅箔10に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、プリント処理工程を経て製造される多層プリント配線板の絶縁層を形成するものであれば、この他種々の樹脂シートに広く適用することができる。
【0037】
この場合この樹脂シートの一面側に銅箔が被着されてなくても良く、このように樹脂シートを形成したときには、この樹脂シートを用いて多層プリント配線板を製造する際、例えばこの樹脂シートを内層基板4の一面及び他面側に圧着した後、当該樹脂シートの表面上にめつきやプリント等により所望の配線パターンを形成するようにすれば良い。またこの樹脂シートの一面側に銅以外の金属材からなる金属層を予め設けておくようにしても良い。
【0038】
また上述の実施の形態においては、絶縁基板1の両面にそれぞれ所望パターンの導体層2、3が形成されてなる内層基板4の一面側及び他面側にそれぞれ本実施の形態による樹脂付き銅箔10を熱圧着した後、これら各樹脂付き銅箔10の銅箔11をパターニングするようにして多層プリント配線板を製造するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば片面プリント配線板のパターン面上に本実施の形態による樹脂付き銅箔10を熱圧着するようにして当該樹脂付き銅箔10の第1及び第2の樹脂層12、13からなる絶縁層を形成した後、当該樹脂付き銅箔10の銅箔11を所望パターンにパターニングするようにして導体層を形成し、この後この樹脂付き銅箔10の上に順次同様の手順により本実施の形態による樹脂付き銅箔10を順次積層することにより絶縁層及び導体層を順次交互に形成するようにして多層プリント配線板を製造するようにしても良く、本発明による樹脂シートを用いた多層プリント配線板の製造手順としては、この他種々の手順を適用できる。
【0039】
さらに上述の実施の形態においては、本発明による樹脂シートの一面側の樹脂材の粘度をプレス処理により変形し難い第1の粘度に設定すると共に、他面側の樹脂材の粘度をプレス処理により変形し易い第2の粘度に設定する方法として、樹脂付き銅箔10の銅箔11上に形成される樹脂層を第1及び第2の樹脂層12、13からなる2層構造とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、一面側の樹脂材の粘度を所定条件下でのプレス処理により変形し難い第1の粘度とし、他面側の樹脂材の粘度を当該条件下でのプレス処理により変形し易い第2の粘度とするのであれば樹脂シート及び樹脂付き銅箔の樹脂層の構成としては3層以上の構成とするようにしても良い。
【0040】
さらに上述の実施の形態においては、本発明による樹脂シートの一面側の樹脂材の粘度をプレス処理により変形し難い第1の粘度に設定すると共に、他面側の樹脂材の粘度をプレス処理により変形し易い第2の粘度に設定する方法として、樹脂付き銅箔10の銅箔11上に形成される樹脂層を2層構造とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば一面側から他面側にゆくに従つて樹脂材の粘度が第1の粘度から第2の粘度に徐々に変化するように、樹脂材の粘度に傾斜をつけるようにしても良い。なおこのような樹脂シートは、例えば熱硬化性樹脂材をシート状に延ばし、一面側から熱を与えながら他面側から冷やすようにすることにより作製することができる。
【0041】
さらに上述の実施の形態においては、本発明を適用した樹脂付き銅箔10を、銅箔11の一面に熱硬化性樹脂材を塗布し、これを加熱することにより所定粘度に硬化させて第1の樹脂層12を形成した後、この第1の樹脂層12上に同じ熱硬化性樹脂材を塗布し、これをBステージ状態になるまで加熱するようにして作製するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば粘度の異なる2種類の樹脂材を用いたり、また同じ種類の樹脂材の分子量を変え、またフイラ量を調整するなどして異なる粘度をもたせた2種類の樹脂材を用いて樹脂付き銅箔や樹脂シートを作製するようにしても良い。
【0042】
さらに上述の実施の形態においては、本発明を適用した樹脂付き銅箔10の第1及び第2の樹脂層12、13をガラスエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂材を用いて形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、熱以外の条件(例えば光)により硬化する特性を有するこの他種々の樹脂材を用いて本発明を適用した樹脂付き銅箔10及び本発明による樹脂シートを作製することができる。
【0043】
さらに上述の実施の形態においては、本発明を適用した樹脂付き銅箔10の第1及び第2の樹脂層12、13をそれぞれ形成する樹脂材の粘度を、それぞれ通常の条件下でのプレス処理により変形し難い粘度(3000〔Pa・s 〕以上)又は通常の条件下でのプレス処理により変形し易い粘度(100 〔Pa・s 〕〜1000〔Pa・s 〕程度)に設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、一面側の樹脂材の粘度を予め設定された所定の条件下でのプレス処理において変形し難く設定し、かつ他面側の樹脂材の粘度を当該条件下でのプレス処理において変形し易く設定するようにするのであれば、本発明を適用した樹脂付き銅箔10の各第1及び第2の樹脂層12、13を形成する樹脂材の粘度、並びに本発明による樹脂シートの一面側及び他面側の樹脂材の粘度としては、この他種々の粘度を適用できる。
【0044】
さらに上述の実施の形態においては、第1の樹脂層12の厚みを15〜50〔μm 〕程度に設定すると共に、第2の樹脂層13の厚みを20〔μm 〕〜50〔μm 〕程度に設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の樹脂層12の厚みとしては、十分な耐電圧がとれるような厚みであれば良く、第2の樹脂層13の厚みとしては下層の導体層を埋め尽くすことができるような厚みであれば良い。
【0045】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板を形成する導電層と絶縁層からなる積層シートにおいて、金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000〔Poise〕以上で、厚さが15〜50〔μm〕の第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000〜10000〔Poise〕で、厚さが20〜50〔μm〕の第2の樹脂層とを設けるようにしたことにより、プレス処理時に第2の樹脂層が導体層のパターン間に空気を押し退けて十分に入り込ませて当該第2の樹脂層からなる絶縁層及び下層の導体層とをボイドを生じることなく密着させることができると共に、第1の樹脂層により絶縁層として所定の厚みを確保することができ、かくして多層プリント配線板の信頼性を向上させ得る積層シートを実現できる。
また上述のように本発明によれば、プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板において、金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000〔Poise〕以上で、厚さが15〜50〔μm〕の第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000〜10000〔Poise〕で、厚さが20〜50〔μm〕の第2の樹脂層とからなる積層シートと、少なくとも各々1層以上の導電層と絶縁層が形成された他のプリント配線板とを設けるようにしたことにより、プレス処理時に第2の樹脂層が導体層のパターン間に空気を押し退けて十分に入り込ませて当該第2の樹脂層からなる絶縁層及び下層の導体層とをボイドを生じることなく密着させることができると共に、第1の樹脂層により絶縁層として所定の厚みを確保することができ、かくして信頼性を向上させ得る多層プリント配線板を実現できる。
【0046】
さらに上述のように本発明によれば、プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板の製造方法において、金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000〔Poise〕以上で、厚さが15〜50〔μm〕の第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000〜10000〔Poise〕で、厚さが20〜50〔μm〕の第2の樹脂層とからなる積層シートを形成する第1の工程と、少なくとも各々1層以上の導電層と絶縁層が形成された他のプリント配線板に上記積層シートの第2の樹脂層側を当接させてプレス処理を行う第2の工程とを設けるようにしたことにより、プレス処理時に第2の樹脂層が導体層のパターン間に空気を押し退けて十分に入り込ませて当該第2の樹脂層からなる絶縁層及び下層の導体層とをボイドを生じることなく密着させることができると共に、第1の樹脂層により絶縁層として所定の厚みを確保することができ、かくして信頼性を向上させ得る多層プリント配線板の製造方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による樹脂付き銅箔の構成を示す断面図である。
【図2】本実施の形態による樹脂付き銅箔を用いた多層プリント配線板の製造手順の説明に供する断面図である。
【図3】従来の樹脂付き銅箔を用いた多層プリント配線板の製造方法の説明に供する断面図である。
【図4】従来の樹脂付き銅箔を用いた多層プリント配線板の製造時における問題点の説明に供する断面図である。
【図5】従来の樹脂付き銅箔を用いた多層プリント配線板の製造時における問題点の説明に供する断面図である。
【符号の説明】
1……絶縁基板、2、3……導体層、10……樹脂付き銅箔、11……銅箔、12、13……樹脂層。
Claims (3)
- プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板を形成する導電層と絶縁層からなる積層シートにおいて、
金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000 〔 Poise 〕以上で、厚さが 15 〜 50 〔μ m 〕の第1の樹脂層と、
上記第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000 〜 10000 〔 Poise 〕で、厚さが 20 〜 50 〔μ m 〕の第2の樹脂層と
を具えることを特徴とする積層シート。 - プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板において、
金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000 〔 Poise 〕以上で、厚さが 15 〜 50 〔μ m 〕の第1の樹脂層と、上記第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000 〜 10000 〔 Poise 〕で、厚さが 20 〜 50 〔μ m 〕の第2の樹脂層とからなる積層シートと、
少なくとも各々1層以上の導電層と絶縁層が形成された他のプリント配線板と
を具え、
上記他のプリント配線板に上記積層シートの第2の樹脂層側を当接させてプレス処理を行う
ことを特徴とする多層プリント配線板。 - プレス処理工程を経て製造される多層プリント配線板の製造方法において、
金属箔に熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が30000 〔 Poise 〕以上で、厚さが 15 〜 50 〔μ m 〕の第1の樹脂層と、上記第1の樹脂層上に更に当該第1の樹脂層と同一の熱硬化性樹脂を塗布した後に当該熱硬化性樹脂を加熱することによつて形成された、粘度が1000 〜 10000 〔 Poise 〕で、厚さが 20 〜 50 〔μ m 〕の第2の樹脂層とからなる積層シートを形成する第1の工程と、
少なくとも各々1層以上の導電層と絶縁層が形成された他のプリント配線板に上記積層シートの第2の樹脂層側を当接させてプレス処理を行う第2の工程と
を具えることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22403297A JP3568091B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | 積層シート並びにプリント配線板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22403297A JP3568091B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | 積層シート並びにプリント配線板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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