JP2004253405A - 膜埋込型基板の製造方法 - Google Patents

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Hikonori Kamiya
孫典 神谷
Motoi Iijima
基 飯島
Satoru Suzuki
悟 鈴木
Kiyotaka Suzuki
清孝 鈴木
Masakazu Takada
正和 高田
Misao Iwata
美佐男 岩田
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Abstract

【課題】表面のうねりの少ない膜埋込型基板の製造方法を提供する。
【解決手段】プリプレグ48は成形型52,52で加熱されることによって軟化させられるので、同時に加圧されることによってその内面54の凹凸形状に倣って配線20の平面形状の溝24が形成され、そこに銀等の導体材料が固着されることによって配線20が形成される。成形型内面54に設けられている半硬化状態の樹脂膜58は、加熱されることによって軟化させられるので、プリプレグ48に一体化させられるため、ガラス織布42を骨格に有することから成形型内面54に倣って変形し難いプリプレグ48においても、変形が不十分であることに起因して生じ得る内面54とプリプレグ48表面との間の隙間が樹脂膜58で塞がれる。したがって、変形不足に起因するうねりが樹脂基板12表面に生ずることが好適に抑制されるので、表面のうねりの少ない配線基板10を得ることができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂基板の表面に所定の機能を有する膜が固着された基板の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、合成樹脂製の基板の表面および裏面或いはこれらに加えて内部に1乃至複数の層状に導体配線を設けた配線基板が知られている。例えば、布、特に織布に合成樹脂を含浸させ且つ硬化させた繊維強化樹脂基板の両面に銅鍍金、銅ペーストや銅箔等で導体配線を設けた両面配線基板や、複数枚の両面配線基板を貫通導体が設けられた絶縁体層を介して積層した多層配線基板等がその一例である。このような配線基板は、例えば電子機器のプリント配線板や半導体パッケージ等に用いられている。
【0003】
なお、上記布は、例えばガラス繊維等の無機繊維或いはアラミド繊維等の有機繊維から成る織布或いは不織布であって、例えばそれぞれ単繊維(モノフィラメント)が撚られた撚り糸(ストランド)で構成された経糸および緯糸が例えば平織に織られたものである。また、上記合成樹脂は、一般には熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられる。例えば、ガラス織布およびエポキシ樹脂が用いられた基板はガラス・エポキシ基板と称される。
【0004】
ところで、上記のような樹脂基板を製造するに際しては、例えば、布に合成樹脂が含浸させられた基板素材を作製し、その基板素材を一枚或いは複数枚を重ね合わせて厚さ方向に加圧しつつ加熱する。これにより、半硬化状態(Bステージ)にあった樹脂が硬化状態(Cステージ)に変化させられ、且つ複数枚が重ね合わされている場合にはそれらが一体化させられて、所望の厚さ寸法の樹脂基板が得られる。この加圧加熱成形時に、導体配線の平面形状の凸部を加圧側内面に備えた成形型を用いて樹脂基板にその平面形状の凹所を同時に形成し、その凹所内に導体ペーストを充填して硬化させるものがある(例えば特許文献1参照。)。このような導体埋込配線基板によれば、導体配線の表面が樹脂基板表面と略同一高さに位置するため、部品実装や多層化が容易となる利点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−186698号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような成形型内面に倣って基板素材表面を変形させる加圧加熱成形方法では、相対的に凸になる部分はその周辺部から樹脂が流入することで形成される。そのため、樹脂の流動性が不十分な場合には、成形型の凹所内に十分な量の樹脂が流入しないことから、その凹所で成形されることとなる基板表面に微細なうねりが生ずる問題があった。例えば、織布に樹脂を含浸させた基板素材が用いられる場合には、その織布が樹脂の流動性を低下させることになり、樹脂のみから成る基板素材の場合にも、その樹脂が流動性の低い性質を有する場合等には同様な問題が生じ得る。このような微細なうねりが存在すると、例えば、凹所内への導体ペーストの充填が困難になり、延いては所望の平面形状の導体配線形成が困難になる不都合がある。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、表面のうねりの少ない膜埋込型基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、本発明の要旨とするところは、基板の表面に所定の機能を有する膜が所定の平面形状で設けられた基板の製造方法であって、(a)半硬化状態の樹脂基板素材を用意する工程と、(b)前記平面形状の凸部を備えた成形型内面の所定位置に半硬化状態の樹脂膜を設ける工程と、(c)前記樹脂膜が設けられた前記成形型の内面を用いて前記樹脂基板素材を加圧すると同時に加熱してそれら樹脂基板素材および樹脂膜を一体化させることにより、前記平面形状の凹所を備えた硬化状態の樹脂基板を得る工程と、(d)前記凹所内に前記膜の構成材料を固着することによってその膜を形成する工程とを、含むことにある。
【0009】
【発明の効果】
このようにすれば、樹脂基板素材は成形型で加熱されることによって軟化させられるので、同時に加圧されることによってその内面の凹凸形状に倣ってその表面に膜の平面形状の凹凸が形成され、その凹所内に膜構成材料が固着されることによってその膜が形成される。このとき、その成形型内面に設けられている半硬化状態の樹脂膜は、加熱されることによって軟化させられるので樹脂基板素材に一体化させられる。そのため、樹脂膜を成形型内面の適当な位置に設けることにより、樹脂基板素材が凹凸形状に倣って変形し難いような条件下においても、変形が不十分であることに起因して生じ得る成形型内面と樹脂基板素材表面との間の隙間は、その樹脂膜で塞がれることとなる。したがって、変形不足に起因するうねりが樹脂基板表面に生ずることが好適に抑制されるので、表面のうねりの少ない膜埋込型基板を得ることができる。
【0010】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記膜は導体から成る配線であって前記基板の両面に設けられるものであり、前記膜埋込型基板の製造方法は、(e)前記硬化状態の樹脂基板の所定位置に貫通孔を形成する工程と、(f)前記貫通孔内に前記基板両面の前記配線を相互に接続するための接続導体を設ける工程とを、含むものである。このようにすれば、樹脂基板の両面に設けられた配線が接続導体によって相互に接続されるため、配線が表面に埋め込まれ且つその表面のうねりの少ないスルーホール基板が得られる。
【0011】
また、好適には、前記樹脂基板素材は、布に樹脂が含浸させられたものである。本発明は、このような布に樹脂が含浸させられていることから樹脂の流動がその布によって妨げられるためその表面の変形が不十分になり易い繊維強化樹脂基板に好適に適用される。一層好適には、上記布は織布であり、更に好適には、ガラス繊維等の無機繊維が織られたものである。このような樹脂基板素材は、特に成形型に倣って変形させられ難いことから本発明を適用する効果が一層顕著に得られる。
【0012】
また、好適には、前記成形型は、前記樹脂膜が設けられる範囲の外周側にその樹脂膜を取り囲むための枠部が突設されたものである。このようにすれば、流動性の高い樹脂を成形型内面に塗布して樹脂膜を設ける場合にも、その樹脂が成形型の外側に流れ出ることが抑制されるため、偏りを抑制しつつ十分な厚さ寸法で樹脂膜を容易に設け得る利点がある。
【0013】
また、好適には、前記樹脂膜は、前記樹脂基板素材と同材料から成るものである。このようにすれば、樹脂基板素材が十分に軟化させられるような条件下ではその樹脂膜も十分に軟化させられるので、特に加圧・加熱条件の変更等を必要とすることなく、樹脂膜が樹脂基板素材に一体化させられる利点がある。
【0014】
また、好適には、前記樹脂基板素材は、複数枚が重ねられた状態で前記成形型によって加圧及び加熱されるものである。このようにすれば、積層枚数を適宜定めることによって所望の厚さ寸法を備えた樹脂基板が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の膜埋込型基板の製造方法を適用して製造された配線基板10の全体を示す斜視図である。図において、配線基板10は、例えば120×100(mm)程度の大きさの矩形を成し厚さ寸法が300(μm)〜1(mm)程度の薄板である樹脂基板12と、その表面14および裏面16に備えられた複数本の配線20や複数個の抵抗体22等で構成されている。この配線基板10は、例えば、それら表面14および裏面16に例えば半導体、抵抗体、コンデンサやコイル等の電子部品が実装されることにより、電子機器用の回路基板やIC等の半導体パッケージ等に用いられる。本実施例においては、上記の配線が請求の範囲にいう膜に相当する。
【0017】
上記樹脂基板12は、後述するように、層状に内部に備えられることによりその骨格を構成する織布と、その表面を覆い且つ織目内に入り込んだ合成樹脂とから成るものである。上記織布は、例えばEガラス(NaO,KO等のアルカリ含有率が0.8(%)未満の無アルカリガラス)から成るガラス繊維が織られたガラス織布である。また、上記合成樹脂は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が硬化させられたものである。樹脂基板12には、後述するような製造方法に基づき、内部および表面の気泡は何ら存在しない。
【0018】
上記の配線20は、例えば銀(Ag)や銅(Cu)等から成るものであって、例えば25(μm)〜4(mm)程度の範囲内、例えば25(μm)程度の幅寸法を備えて、隣接するもの相互が例えば25(μm)〜4(mm)程度の範囲内、例えば25(μm)程度の間隔で設けられている。図2は、配線基板10の断面において配線20の配設状態を説明するための図である。樹脂基板12の表面14および裏面16には、配線20の平面形状の溝24が例えば5〜60(μm)の範囲内、例えば30(μm)程度の深さ寸法で設けられており、配線20は、その溝24内に充填された銀等の導体で形成されている。埋め込まれた配線20の表面は、樹脂基板12の表面14、裏面16と略同一平面に位置する。すなわち、配線20の厚さ寸法は例えば30(μm)程度であって、配線基板10には、配線20に起因する凹凸は何ら存在しない。また、樹脂基板12の表面のうち配線20が設けられていない部分についても、何らうねり等は存在せず、略平坦面となっている。なお、上記の図2においては、樹脂基板12内に備えられたガラス織布を省略した。
【0019】
また、図1に示されるように、上記配線20の各々の端部や長さ方向の中間部等には、円形或いは矩形のランド26およびスルーホール28が複数箇所に設けられている。ランド26は、電子部品の端子等を固着し或いは抵抗体22を配線20に接続するためのものである。また、スルーホール28は、図2に示されるように、樹脂基板12をその厚さ方向に貫通するものであって、その内部に貫通導体30が設けられることにより、表面14および裏面16にそれぞれ設けられた配線20を相互に接続等するためのものである。上記貫通導体30は、例えば配線20と同じ導体材料、例えば銀で構成されている。スルーホール28の開口径は、例えば30〜700(μm)の範囲内、例えば100(μm)程度である。
【0020】
なお、前記抵抗体22は、例えばカーボン等から成り、所望の特性値が得られるように適宜の厚さ寸法、幅寸法、及び長さ寸法で設けられたものである。この抵抗体22も、例えば上記の配線20と同様に樹脂基板12に設けられた例えば30(μm)程度の深さ寸法の凹所内に埋め込まれた状態で充填形成されている。
【0021】
ところで、上記のように構成された配線基板10は、例えば、図3に示される工程に従って製造される。以下、各工程における実施状態を説明するための図4、図5を参照しつつ、この工程図に従って配線基板10の製造方法を説明する。
【0022】
先ず、樹脂含浸工程40においては、例えばロール等に円筒形に巻き取られた一様な幅寸法で長尺のガラス織布42を一端から引き出しつつ樹脂ワニス中を通過させることにより、そのガラス織布42に樹脂を含浸させる。次いで、乾燥工程46においては、これを樹脂の種類毎に予め定められた所定の乾燥温度で乾燥処理を施す。これにより、その樹脂がBステージ化させられ、図4(a)に示されるようなガラス織布42が樹脂44で覆われ且つその織目にも樹脂44が含浸させられたプリプレグ48が得られる。得られたプリプレグ48は、例えば後工程で利用し易いように一定の長さ毎に切断された矩形の薄板の状態で保管され、或いは、切断することなく巻き取りロールに巻き取られて保管される。本実施例においてはこのプリプレグ48が樹脂基板素材に相当する。
【0023】
なお、上記ガラス織布42は、例えば互いに平行な複数本の経糸およびそれに直交し且つ互いに平行な複数本の緯糸が平織に織られることによって構成されたものであって、経糸および緯糸は、例えば5〜10(μm)程度の直径を有する単繊維が100〜500本程度撚られたものである。ガラス織布42の厚さ寸法は例えば44(μm)程度であり、ガラス織布42表面における樹脂44の付着量は例えば乾燥後に7〜8(μm)程度となる。そのため、一枚のプリプレグ48の厚さ寸法は、例えば60(μm)程度である。また、上記樹脂ワニスは、例えばエポキシ樹脂を有機溶剤で一定の粘度となるように希釈したものである。
【0024】
一方、型内面樹脂塗布工程50では、プリプレグ48に前記の溝24を形成するための図5(a)に示されるような成形型52を用意し、後述するようにプリプレグ48側に位置させられるその内面54の全面に樹脂を塗布する。この樹脂は、例えば前記の樹脂44と同じ樹脂を溶剤で希釈したものである。次いで、乾燥工程56においてその樹脂の種類に応じて定められる所定の温度で加熱することにより、その溶剤が揮発させられると共に樹脂がBステージ化させられ、樹脂膜58が生成される。図5(b)はこの段階を示している。なお、成形型内面54には、前記配線20の平面形状に一致する平面形状の凸部60が備えられている。内面54の底面からこの凸部60上面までの高さ寸法は、例えば30(μm)程度、すなわち溝24の深さ寸法に一致する。
【0025】
また、成形型52には、その外周縁に沿って凸部60よりも高い例えば内面54から成形したい板厚に合わせて30(μm)〜1(mm)程度の高さ寸法の枠部62が備えられている。この枠部62は、上記のように液状樹脂を塗布するに際して、外側に流出させること無く十分に厚い樹脂膜58を形成するために設けられており、本実施例においては、液状樹脂を塗布した後、ドクターブレード等で掻き取ることによって、樹脂膜58が枠部62の上面と同一高さに表面が位置するように形成されている。また、成形型52は、例えばSUS304等のステンレス鋼から成り、内面54の底面から裏面までの厚さ寸法が0.4(mm)程度の薄板である。また、図5(a),(b)において、それぞれ上側に示されるのが後述するようにプレス機においてプリプレグ48の上側に配置される上型52aであり、下側に示されるのが下側に配置される下型52bである。
【0026】
図3に戻って、加熱・加圧工程64では、例えば真空熱プレス装置の所定位置に上記成形型52およびプリプレグ48を配置し、そのプリプレグ48を真空中で加熱しつつその成形型52で加圧する。図4(b)は、この工程の実施状態を模式的に表した断面図である。上型52aおよび下型52bは、それぞれの内面54がプリプレグ48に向かう向きで配置され、図に矢印P、Pで示されるように互いに接近する方向に加圧される。成形条件は、温度が例えば160〜220(℃)の範囲内、例えば180(℃)程度であり、圧力が0.98〜3.92(MPa)すなわち10〜40(kgf/cm)の範囲内、例えば2(MPa)程度である。なお、この図においては説明の都合上、3枚のプリプレグ48を相互に離隔した状態で示しているが、積層枚数は所望とする基板厚みに応じて定められるものであり、また、実際には相互に密着した状態で成形型52,52間に配置される。このようにして加熱および加圧された結果、プリプレグ48の樹脂44および樹脂膜58が共に軟化させられ、Cステージに移行する過程で一体化させられる。すなわち、例えば300(μm)程度の厚さ寸法を備えた前記の樹脂基板12が得られる。前述したように、一枚のプリプレグ48の厚さ寸法は60(μm)程度に過ぎないので、必要な基板厚みを得る目的で複数枚のプリプレグ48が積層されているのである。図4(c)は加圧および加熱の完了段階を示しており、図において一点鎖線は一体化させられる前のプリプレグ48および樹脂膜58の境界位置を表している。
【0027】
なお、図4(b)においては、一対の成形型52,52のみを示しているが、真空熱プレス装置は、例えば成形型52の多段積みが可能な装置構成となっている。図6は、その多段積みの構成を模式的に示したものである。図において、複数対例えば10〜20対程度の成形型52,52が、複数枚の支持板74を介して積層されている。支持板74は、例えばSUS430等から成るものであって、例えば1(mm)程度の厚さ寸法を備えた平坦な薄板である。成形型52は、例えば離型フィルムを介して支持板74に密着させられており、成形後に樹脂基板12を成形型52,52と共に容易に取り出し得るようになっている。また、上記10〜20段の成形型52および支持板74は、上下から熱板76,76で挟まれている。この熱板76はプレス装置の図示しない加熱源に接続されている。本実施例のプレス装置は、このような熱板76,76で挟まれた構造が、例えば10段程度重ねられたものである。そのため、加熱および加圧処理をするに際しては、熱板76および支持板74を介して各成形型52に熱が伝達され、成形型52から与えられる加圧力および加熱によってプリプレグ48の加熱成形が行われる。したがって、本実施例においては、100〜200枚程度の樹脂基板12が一度の成形工程で成形されることとなる。
【0028】
加熱・加圧工程64が終了して成形型52から樹脂基板12を取り外した後、穿孔工程66においては、レーザ孔開け装置やNC工作盤等を用いて、その樹脂基板12の所定位置にスルーホール28が設けられる。図4(d)は、スルーホール28を設けた後の段階を表している。なお、図から明らかなように、樹脂基板12はその表面が成形型内面54に倣った形状に形成されており、その表面14,裏面16には、凸部60に倣った溝24が形成されている他は、うねりや凹凸等が何ら生じていない。
【0029】
次いで、導体塗布工程68においては、樹脂基板12の溝24が形成された表面14および裏面16に、導体ペースト例えば銀ペーストを塗布し、溝24からはみ出した余剰分を例えばスキージ等で掻き取って除去する。なお、この工程では、スルーホール28内および溝24内に同時に導体ペーストを塗布してもよいが、流動性の高い導体ペーストを用いないとスルーホール28内への充填が不十分になるような場合には、溶剤を異なるものとして別々に塗布してもよい。そして、乾燥工程70において、導体ペースト中の溶剤が全て揮発させられる所定の温度、例えば100〜180(℃)の範囲内の温度で加熱する。これにより、溝24内で導体が硬化させられ、前記の配線20が形成される。すなわち、前記の配線基板10が得られる。
【0030】
ここで、本実施例によれば、プリプレグ48は成形型52,52で加熱されることによって軟化させられるので、同時に加圧されることによってその内面54の凹凸形状に倣ってその表面に配線20の平面形状の溝24が形成され、その溝24内に銀等の導体材料が固着されることによってその配線20が形成される。このとき、その成形型内面54に設けられている半硬化状態の樹脂膜58は、加熱されることによって軟化させられるので、プリプレグ48に一体化させられる。そのため、ガラス織布42を骨格に有することから成形型内面54の凹凸形状に倣って変形し難いようなプリプレグ48においても、変形が不十分であることに起因して生じ得る内面54とプリプレグ48表面との間の隙間は、その樹脂膜58で塞がれる。したがって、変形不足に起因するうねりが樹脂基板12表面に生ずることが好適に抑制されるので、表面のうねりの少ない配線基板10を得ることができる。
【0031】
また、本実施例においては、成形型52,52は、外周縁に枠部62を備えているため、流動性の高い液状樹脂を成形型内面54に塗布して樹脂膜58を設ける場合にも、その液状樹脂が成形型52,52の外側に流れ出ることが抑制されるため、偏りを抑制しつつ十分な厚さ寸法で樹脂膜58を容易に設け得る。
【0032】
また、本実施例においては、樹脂膜58は、プリプレグ48を構成する樹脂44と同材料から成るものであるため、プリプレグ48を軟化させるための加熱条件で樹脂膜58も十分に軟化させられるので、特に加圧・加熱条件の変更等を必要とすることなく、樹脂膜58がプリプレグ48に一体化させられる利点がある。
【0033】
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施できる。
【0034】
例えば、実施例においては、配線基板10の製造方法に適用された場合について説明したが、本発明は、樹脂基板12上に膜形成する種々の基板に適用することができる。例えば、光導波樹脂を溝24に充填して光導波基板を製造する場合にも、本発明は同様に適用され得る。
【0035】
また、実施例においては、本発明が両面に配線20を備えた配線基板10の製造方法に適用された場合について説明したが、片面のみに配線20を備えた基板にも同様に適用でき、また、配線基板10を積層して相互に固着することにより各配線基板10の配線20を適宜の位置で相互に接続すれば多層基板が得られるので、本発明は、このような両面の配線20に加えて内部に2層以上の配線を層状に備えた多層基板を製造する際して、各層を製造する場合にも同様に適用され得る。
【0036】
また、実施例においては、成形型52が厚さ寸法0.4(mm)程度のSUS薄板で構成されていたが、通常のプレス成形に用いられるような厚さ寸法の大きな成形型を用いても差し支えなく、耐熱性および耐圧性が十分に備わっている限りにおいて、他の材質から成る成形型が用いられても差し支えない。
【0037】
また、実施例においては、加熱・加圧成形が真空熱プレスで行われていたが、加圧成形後の基板に気泡が混入する等の不都合が生じ難く、或いは、気泡等の混入が問題とならない場合には、必ずしも真空下で加熱・加圧する必要はない。
【0038】
また、実施例においては、ガラス織布42を骨格とする樹脂基板12を用いた配線基板10の製造方法に本発明が適用された場合について説明したが、骨格となる布はアラミド等の他の材料から成るものであっても差し支えなく、また、織布でなく不織布であっても差し支えない。また、ガラス織布42等の骨格を構成するものを有しない樹脂基板12であっても、流動性の低い樹脂が使用される場合等には、本発明が好適に適用される。
【0039】
また、樹脂基板12を構成する樹脂は、実施例で示したエポキシ樹脂の他、他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等、基板の用途に応じて適宜のものを用い得る。
【0040】
また、実施例においては、配線20の表面が樹脂基板12の表面と同一平面に位置させられていたが、配線基板10の用途により、僅かに凹または凸になっていても差し支えない。
【0041】
また、実施例においては、成形型内面54の全面に樹脂膜58が設けられていたが、プリプレグ48の変形不足が問題とならない部分では樹脂膜58は必ずしも設けられなくとも良いので、樹脂が不足となり得る部分に部分的に設けることもできる。
【0042】
また、実施例においては、複数枚のプリプレグ48が積層されることによって比較的厚い樹脂基板12が製造されていたが、その積層枚数は用途に応じて定められるものであり、一枚のプリプレグ48を単独で加熱および加圧して成形してもよい。
【0043】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導体埋込配線基板の製造方法を適用して製造された配線基板の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の配線基板の断面構造の要部を説明する図である。
【図3】図1の配線基板の製造工程の要部を説明するための工程図である。
【図4】(a)〜(e)は、図3の要部段階における実施状態を説明するための断面図である。
【図5】(a),(b)は、図3の加圧加熱工程に用いられる成形型の断面を模式的に示す図である。
【図6】図3の加熱加圧工程における成形型および基板素材の配置状態の一例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
10:配線基板(膜埋込型基板)
12:樹脂基板
20:配線(膜)
24:溝(凹所)
42:ガラス織布
48:プリプレグ(樹脂基板素材)
52:成形型
54:内面

Claims (4)

  1. 基板の表面に所定の機能を有する膜が所定の平面形状で設けられた基板の製造方法であって、
    半硬化状態の樹脂基板素材を用意する工程と、
    前記平面形状の凸部を備えた成形型内面の所定位置に半硬化状態の樹脂膜を設ける工程と、
    前記樹脂膜が設けられた前記成形型の内面を用いて前記樹脂基板素材を加圧すると同時に加熱してそれら樹脂基板素材および樹脂膜を一体化させることにより、前記平面形状の凹所を備えた硬化状態の樹脂基板を得る工程と、
    前記凹所内に前記膜の構成材料を固着することによってその膜を形成する工程と
    を、含むことを特徴とする膜埋込型基板の製造方法。
  2. 前記膜は導体から成る配線であって前記基板の両面に設けられるものであり、
    前記硬化状態の樹脂基板の所定位置に貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔内に前記基板両面の前記配線を相互に接続するための接続導体を設ける工程と
    を、含むものである請求項1の導体埋込型基板の製造方法。
  3. 前記樹脂基板素材は、布に樹脂が含浸させられたものである請求項1の膜埋込型基板の製造方法。
  4. 前記成形型は、前記樹脂膜が設けられる範囲の外周側にその樹脂膜を取り囲むための枠部が突設されたものである請求項1の膜埋込型基板の製造方法。
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