JPH10146904A - 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法Info
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- JPH10146904A JPH10146904A JP32460496A JP32460496A JPH10146904A JP H10146904 A JPH10146904 A JP H10146904A JP 32460496 A JP32460496 A JP 32460496A JP 32460496 A JP32460496 A JP 32460496A JP H10146904 A JPH10146904 A JP H10146904A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 第1に、再硬化に伴う接着剤の劣化、そして
成形性の悪化が防止されると共に、第2に、耐熱温度が
高く耐熱性が大きく向上し、第3に、しかもこれらが簡
単容易に実現される、繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアおよびその製造方法を提案する。 【解決手段】 この繊維強化プラスチック製のハニカム
コアおよびその製造方法では、再硬化されても軟化温度
が変化しない変性熱硬化性樹脂Bを採用して、繊維12
と付着,含浸,混入等により組み合わせた母材シート1
3を、セル壁16に用いてなる。更にこれと併用して、
後処理にて補強用の熱硬化性樹脂を、セル壁16の外表
面に付着,含浸せしめてなる。そして、このようにセル
壁16を構成する変性熱硬化性樹脂Bやセル壁16外表
面の熱硬化性樹脂Aは、個別に初期硬化された後、より
高温で共に再硬化されてなる。
成形性の悪化が防止されると共に、第2に、耐熱温度が
高く耐熱性が大きく向上し、第3に、しかもこれらが簡
単容易に実現される、繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアおよびその製造方法を提案する。 【解決手段】 この繊維強化プラスチック製のハニカム
コアおよびその製造方法では、再硬化されても軟化温度
が変化しない変性熱硬化性樹脂Bを採用して、繊維12
と付着,含浸,混入等により組み合わせた母材シート1
3を、セル壁16に用いてなる。更にこれと併用して、
後処理にて補強用の熱硬化性樹脂を、セル壁16の外表
面に付着,含浸せしめてなる。そして、このようにセル
壁16を構成する変性熱硬化性樹脂Bやセル壁16外表
面の熱硬化性樹脂Aは、個別に初期硬化された後、より
高温で共に再硬化されてなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコアおよびその製造方法に関する。す
なわち、繊維と樹脂とを組み合わせた繊維強化プラスチ
ック(FRP)製よりなり、例えば曲面成形用に使用さ
れるハニカムコア、およびその製造方法に関するもので
ある。
ック製のハニカムコアおよびその製造方法に関する。す
なわち、繊維と樹脂とを組み合わせた繊維強化プラスチ
ック(FRP)製よりなり、例えば曲面成形用に使用さ
れるハニカムコア、およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図5は、この種従来例に係る繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアおよびその製造の説明に供
し、(1)図は繊維織物の斜視図、(2)図は母材シー
トの斜視図、(3)図は波板の斜視図、(4)図は平板
の斜視図、(5)図は重積,接着された波板そしてハニ
カムコアの正面図である。図6も、同この種従来例の説
明に供する斜視図であり、(1)図はハニカムコアを、
(2)図は浴槽に浸漬中のハニカムコアを示す。
ラスチック製のハニカムコアおよびその製造の説明に供
し、(1)図は繊維織物の斜視図、(2)図は母材シー
トの斜視図、(3)図は波板の斜視図、(4)図は平板
の斜視図、(5)図は重積,接着された波板そしてハニ
カムコアの正面図である。図6も、同この種従来例の説
明に供する斜視図であり、(1)図はハニカムコアを、
(2)図は浴槽に浸漬中のハニカムコアを示す。
【0003】これらの図面にも示したように、繊維強化
プラスチック製のハニカムコア1は、一般のハニカムコ
アと同様に、セル壁2にて区画形成された中空柱状の多
数のセル3の平面的集合体よりなり、セル壁2間が接着
剤4(図5の(5)図を参照)にて接着されている。そ
して、この種従来例の繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコア1は、セル壁2の母材シート5として、エポキシ
樹脂その他の熱硬化性樹脂Aを繊維6に付着,含浸,混
入等により組み合わせてなる、繊維強化プラスチックが
用いられており、多くの場合、更に後処理として浴槽7
に浸漬することにより、補強用の熱硬化性樹脂Aがこの
ようなセル壁2の外表面に付着,含浸されてなる。そし
て例えば、曲面成形に供され、セル端面8が所定曲率を
備えるように全体的に曲げられる。
プラスチック製のハニカムコア1は、一般のハニカムコ
アと同様に、セル壁2にて区画形成された中空柱状の多
数のセル3の平面的集合体よりなり、セル壁2間が接着
剤4(図5の(5)図を参照)にて接着されている。そ
して、この種従来例の繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコア1は、セル壁2の母材シート5として、エポキシ
樹脂その他の熱硬化性樹脂Aを繊維6に付着,含浸,混
入等により組み合わせてなる、繊維強化プラスチックが
用いられており、多くの場合、更に後処理として浴槽7
に浸漬することにより、補強用の熱硬化性樹脂Aがこの
ようなセル壁2の外表面に付着,含浸されてなる。そし
て例えば、曲面成形に供され、セル端面8が所定曲率を
備えるように全体的に曲げられる。
【0004】そして、このような繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1は、従来、次の工程を辿って製造さ
れていた。まず、図5の(1)図,(2)図に示した
ようにエポキシ樹脂その他の熱硬化性樹脂Aを、繊維6
に、付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリ
プレグ状の繊維強化プラスチックが、母材シート5とし
て準備される。次に、図5の(3)図に示したよう
に、この母材シート5をギアやラック等のコルゲート成
形装置に供給して、波形の凹凸が連続的に折曲形成され
た波板9を成形する。これと共に図示例では、図5の
(4)図に示したように、平坦な母材シート5のままの
平板10が準備される。そして、このような波板9およ
び平板10は、例えばエポキシ樹脂が用いられた場合
は、200°Cの温度で加熱されることにより、熱硬化
性樹脂Aが(初期)硬化せしめられる。
製のハニカムコア1は、従来、次の工程を辿って製造さ
れていた。まず、図5の(1)図,(2)図に示した
ようにエポキシ樹脂その他の熱硬化性樹脂Aを、繊維6
に、付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリ
プレグ状の繊維強化プラスチックが、母材シート5とし
て準備される。次に、図5の(3)図に示したよう
に、この母材シート5をギアやラック等のコルゲート成
形装置に供給して、波形の凹凸が連続的に折曲形成され
た波板9を成形する。これと共に図示例では、図5の
(4)図に示したように、平坦な母材シート5のままの
平板10が準備される。そして、このような波板9およ
び平板10は、例えばエポキシ樹脂が用いられた場合
は、200°Cの温度で加熱されることにより、熱硬化
性樹脂Aが(初期)硬化せしめられる。
【0005】しかる後、図5の(5)図に示したよう
に、複数枚の波板9を、順次平板10を介装しつつ、相
互間で底部と頂部とを合わせる位置関係で、接着剤4を
介装しつつ重積すると共に、加熱加圧により相互間を接
着する。この接着剤4(例えば所定の熱硬化性樹脂が用
いられている)の硬化,接着用の加熱温度は、例えば1
80°Cである。もって、図5の(5)図に示したよ
うに波板9および平板10をセル壁2とした、セル3の
平面的集合体よりなるハニカムコア1や、図6の(1)
図に示したように平板10を介装せず波板9のみをセル
壁2とした、セル3の平面的集合体よりなるハニカムコ
ア1が得られる。それから、図6の(2)図に示した
ように、後処理として、このハニカムコア1を熱硬化性
樹脂Aの浴槽7に浸漬することにより、補強用の熱硬化
性樹脂Aを、セル壁2の外表面に付着,含浸した後、前
述に準じ例えば(エポキシ樹脂が用いられた場合は)2
00°Cで加熱することにより、この補強用の熱硬化性
樹脂Aを(初期)硬化せしめる。そして、この繊維強
化プラスチック製のハニカムコア1は、セル端面8が所
定曲率を備えるべく曲面成形に供される(後述の図4も
参照)。この曲面成形用の加熱温度は、熱硬化性樹脂A
として例えばエポキシ樹脂が用いられ、前述により20
0°Cで(初期)硬化された場合は、事後の(完全)軟
化温度(ガラス転移点)である220°C程度に設定さ
れる。
に、複数枚の波板9を、順次平板10を介装しつつ、相
互間で底部と頂部とを合わせる位置関係で、接着剤4を
介装しつつ重積すると共に、加熱加圧により相互間を接
着する。この接着剤4(例えば所定の熱硬化性樹脂が用
いられている)の硬化,接着用の加熱温度は、例えば1
80°Cである。もって、図5の(5)図に示したよ
うに波板9および平板10をセル壁2とした、セル3の
平面的集合体よりなるハニカムコア1や、図6の(1)
図に示したように平板10を介装せず波板9のみをセル
壁2とした、セル3の平面的集合体よりなるハニカムコ
ア1が得られる。それから、図6の(2)図に示した
ように、後処理として、このハニカムコア1を熱硬化性
樹脂Aの浴槽7に浸漬することにより、補強用の熱硬化
性樹脂Aを、セル壁2の外表面に付着,含浸した後、前
述に準じ例えば(エポキシ樹脂が用いられた場合は)2
00°Cで加熱することにより、この補強用の熱硬化性
樹脂Aを(初期)硬化せしめる。そして、この繊維強
化プラスチック製のハニカムコア1は、セル端面8が所
定曲率を備えるべく曲面成形に供される(後述の図4も
参照)。この曲面成形用の加熱温度は、熱硬化性樹脂A
として例えばエポキシ樹脂が用いられ、前述により20
0°Cで(初期)硬化された場合は、事後の(完全)軟
化温度(ガラス転移点)である220°C程度に設定さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。すなわ
ち、このように曲面成形され使用に供された繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア1について、高温度域での
強度が低く耐熱性が悪い、という問題が指摘されてい
た。
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。すなわ
ち、このように曲面成形され使用に供された繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア1について、高温度域での
強度が低く耐熱性が悪い、という問題が指摘されてい
た。
【0007】つまり、この種従来例の繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコア1は、前記のように、繊維6に
熱硬化性樹脂Aを組み合わせた母材シート5をセル壁2
に用いると共に、前記のように、補強用の熱硬化性樹
脂Aを用いてなる。そこで、熱硬化性樹脂Aが例えばエ
ポキシ樹脂の場合、前記やのように、例えば200
°Cの温度で(初期)硬化した後は、その一般的な特性
に基づき前記のように、事後の(完全)軟化温度(ガ
ラス転移点)が200°Cから20°C上昇した220
°Cとなると共に、その軟化開始温度が、この220°
Cより100°C下の120°Cとなる。従って、曲面
成形された後、製品として使用に供された従来の繊維強
化プラスチック製のハニカムコア1は、その熱硬化性樹
脂Aが例えばエポキシ樹脂の場合は、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)たる例えば220°C以上の高温度域
では、強度が無に等しいと共に、軟化開始温度たる12
0°Cを越えると、柔らかくなり始めるので強度が低下
し、結局、その耐熱温度は120°Cとされていた。そ
こで、この種従来例の繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコア1は、曲面への成形性と共に耐熱性が要求される
製品、例えば航空機のエンジンカバーとしての使用に、
問題が指摘されていた。
ック製のハニカムコア1は、前記のように、繊維6に
熱硬化性樹脂Aを組み合わせた母材シート5をセル壁2
に用いると共に、前記のように、補強用の熱硬化性樹
脂Aを用いてなる。そこで、熱硬化性樹脂Aが例えばエ
ポキシ樹脂の場合、前記やのように、例えば200
°Cの温度で(初期)硬化した後は、その一般的な特性
に基づき前記のように、事後の(完全)軟化温度(ガ
ラス転移点)が200°Cから20°C上昇した220
°Cとなると共に、その軟化開始温度が、この220°
Cより100°C下の120°Cとなる。従って、曲面
成形された後、製品として使用に供された従来の繊維強
化プラスチック製のハニカムコア1は、その熱硬化性樹
脂Aが例えばエポキシ樹脂の場合は、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)たる例えば220°C以上の高温度域
では、強度が無に等しいと共に、軟化開始温度たる12
0°Cを越えると、柔らかくなり始めるので強度が低下
し、結局、その耐熱温度は120°Cとされていた。そ
こで、この種従来例の繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコア1は、曲面への成形性と共に耐熱性が要求される
製品、例えば航空機のエンジンカバーとしての使用に、
問題が指摘されていた。
【0008】このような問題に対処すべく、耐熱性を向
上させるために再硬化実施することも従来提案されてい
たが、接着剤4が劣化し成形性に問題が指摘されてい
た。すなわち、前記で得られた繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1について、前記の曲面成形前に、
その熱硬化性樹脂Aの再硬化を実施する。例えばエポキ
シ樹脂の場合、200°Cでの(初期)硬化後に、より
高温の240°Cで再硬化せしめる。すると、熱硬化性
樹脂Aの一般的な特性に基づき、再硬化後の(完全)軟
化温度(ガラス転移点)が、(初期)硬化後の例えば前
記220°Cより上昇すべく変化し、240°Cより2
0°C上昇した260°Cとなり、軟化開始温度が、こ
の260°Cより100°C下の160°Cとなる。従
って、このように再硬化された繊維強化プラスチック製
のハニカムコア1は、前記の曲面成形時においては、
その加熱温度が、その熱硬化性樹脂A例えばエポキシ樹
脂の(完全)軟化温度(ガラス転移点)の260°Cに
設定されると共に、製品として使用に供された際の耐熱
温度が、軟化開始温度たる例えば160°Cとなり、前
述した従来の120°Cに比し、高温度域での強度に優
れ、大きく耐熱性が向上することになる。
上させるために再硬化実施することも従来提案されてい
たが、接着剤4が劣化し成形性に問題が指摘されてい
た。すなわち、前記で得られた繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1について、前記の曲面成形前に、
その熱硬化性樹脂Aの再硬化を実施する。例えばエポキ
シ樹脂の場合、200°Cでの(初期)硬化後に、より
高温の240°Cで再硬化せしめる。すると、熱硬化性
樹脂Aの一般的な特性に基づき、再硬化後の(完全)軟
化温度(ガラス転移点)が、(初期)硬化後の例えば前
記220°Cより上昇すべく変化し、240°Cより2
0°C上昇した260°Cとなり、軟化開始温度が、こ
の260°Cより100°C下の160°Cとなる。従
って、このように再硬化された繊維強化プラスチック製
のハニカムコア1は、前記の曲面成形時においては、
その加熱温度が、その熱硬化性樹脂A例えばエポキシ樹
脂の(完全)軟化温度(ガラス転移点)の260°Cに
設定されると共に、製品として使用に供された際の耐熱
温度が、軟化開始温度たる例えば160°Cとなり、前
述した従来の120°Cに比し、高温度域での強度に優
れ、大きく耐熱性が向上することになる。
【0009】しかしながら、この再硬化を実施する従来
例は、このように耐熱性が向上する反面、接着剤4の劣
化が進むという致命的難点が生じ、実用化に至っていな
かった。すなわち、従来の繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア1は、再硬化を実施すると、前記の曲面成
形時の加熱温度が、例えば260°Cの(完全)軟化温
度(ガラス転移点)に設定されるが、このような曲面成
形時に、前記でセル壁2間の接着用に使用され硬化し
ていた接着剤4が、この260°Cの温度に耐えられず
劣化してしまう。この種の接着剤4は、一般的に例えば
180°Cで硬化して接着用として機能するが、事後も
しも220°Cを越える高温領域にさらされると、急激
に劣化が進み、260°Cに達すると、接着用として機
能しなくなる。
例は、このように耐熱性が向上する反面、接着剤4の劣
化が進むという致命的難点が生じ、実用化に至っていな
かった。すなわち、従来の繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア1は、再硬化を実施すると、前記の曲面成
形時の加熱温度が、例えば260°Cの(完全)軟化温
度(ガラス転移点)に設定されるが、このような曲面成
形時に、前記でセル壁2間の接着用に使用され硬化し
ていた接着剤4が、この260°Cの温度に耐えられず
劣化してしまう。この種の接着剤4は、一般的に例えば
180°Cで硬化して接着用として機能するが、事後も
しも220°Cを越える高温領域にさらされると、急激
に劣化が進み、260°Cに達すると、接着用として機
能しなくなる。
【0010】もって、前記の曲面成形時に、接着剤4
にて接着されていたセル壁2の剥がれが進行し、ハニカ
ムコア1としての形状保持が困難となり、曲面への成形
性に問題が生じることになる。このように再硬化を実施
すると、接着剤4の劣化,成形性の悪化という問題が生
じるので、再硬化を実施するという対処策は、従来実用
化されていなかった。
にて接着されていたセル壁2の剥がれが進行し、ハニカ
ムコア1としての形状保持が困難となり、曲面への成形
性に問題が生じることになる。このように再硬化を実施
すると、接着剤4の劣化,成形性の悪化という問題が生
じるので、再硬化を実施するという対処策は、従来実用
化されていなかった。
【0011】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の課題を解決すべくなされたものであって、再硬化
されても軟化温度が変化しない変性熱硬化性樹脂を採用
して、繊維と組み合わせた母材シートを用い、更に、後
処理として一般的な熱硬化性樹脂を補強用に併用して、
曲面成形等に供するようにしたことにより、第1に、再
硬化に伴う接着剤の劣化そして成形性の低下が防止され
ると共に、第2に、同時に耐熱性に優れてなり、第3
に、しかもこれらが簡単容易に実現される、繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法を提案
することを目的とする。
来例の課題を解決すべくなされたものであって、再硬化
されても軟化温度が変化しない変性熱硬化性樹脂を採用
して、繊維と組み合わせた母材シートを用い、更に、後
処理として一般的な熱硬化性樹脂を補強用に併用して、
曲面成形等に供するようにしたことにより、第1に、再
硬化に伴う接着剤の劣化そして成形性の低下が防止され
ると共に、第2に、同時に耐熱性に優れてなり、第3
に、しかもこれらが簡単容易に実現される、繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法を提案
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1
の繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、セル壁に
て区画形成された中空柱状の多数のセルの平面的集合体
よりなり、該セル壁間が接着剤にて接着されてなる。該
セル壁の母材シートとしては、再硬化されても軟化温度
が変化しなくなる物質が添加された変性エポキシ樹脂そ
の他の変性熱硬化性樹脂を、繊維に、付着,含浸,混入
等により組み合わせてなる、繊維強化プラスチックが用
いられている。そして、初期硬化後により高温で再硬化
されているが、該変性熱硬化性樹脂の特性により、軟化
温度が上昇することなく初期硬化後と変化がないこと、
を特徴とする。
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1
の繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、セル壁に
て区画形成された中空柱状の多数のセルの平面的集合体
よりなり、該セル壁間が接着剤にて接着されてなる。該
セル壁の母材シートとしては、再硬化されても軟化温度
が変化しなくなる物質が添加された変性エポキシ樹脂そ
の他の変性熱硬化性樹脂を、繊維に、付着,含浸,混入
等により組み合わせてなる、繊維強化プラスチックが用
いられている。そして、初期硬化後により高温で再硬化
されているが、該変性熱硬化性樹脂の特性により、軟化
温度が上昇することなく初期硬化後と変化がないこと、
を特徴とする。
【0013】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この請求項2の繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアは、請求項1に記載した繊維強化プラスチック
製のハニカムコアにおいて、更に後処理として、補強用
の熱硬化性樹脂が該セル壁の外表面に付着,含浸されて
いる。そして該熱硬化性樹脂は、初期硬化後により高温
で再硬化され、その一般的な特性に基づき、軟化温度が
変化し初期硬化後に、より上昇していること、を特徴と
する。請求項3については、次のとおり。請求項3の繊
維強化プラスチック製のハニカムコアは、請求項1に記
載した繊維強化プラスチック製のハニカムコアであっ
て、曲面成形に供され、該軟化温度で加熱しつつセル端
面が所定曲率を備えるように全体的に曲げられること、
を特徴とする。
なわち、この請求項2の繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアは、請求項1に記載した繊維強化プラスチック
製のハニカムコアにおいて、更に後処理として、補強用
の熱硬化性樹脂が該セル壁の外表面に付着,含浸されて
いる。そして該熱硬化性樹脂は、初期硬化後により高温
で再硬化され、その一般的な特性に基づき、軟化温度が
変化し初期硬化後に、より上昇していること、を特徴と
する。請求項3については、次のとおり。請求項3の繊
維強化プラスチック製のハニカムコアは、請求項1に記
載した繊維強化プラスチック製のハニカムコアであっ
て、曲面成形に供され、該軟化温度で加熱しつつセル端
面が所定曲率を備えるように全体的に曲げられること、
を特徴とする。
【0014】次に、請求項4については次のとおり。請
求項4は、セル壁にて区画形成された中空柱状の多数の
セルの平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチック製
のハニカムコアの製造方法に関する。そしてまず、再硬
化されても軟化温度が変化しなくなる物質が添加された
変性エポキシ樹脂その他の変性熱硬化性樹脂を、繊維
に、付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリ
プレグ状の繊維強化プラスチックを母材シートとして準
備する。そして次に、該母材シートをギアやラック等の
コルゲート成形装置に供給して、波形の凹凸が連続的に
折曲形成された波板を成形すると共に、加熱により該変
性熱硬化性樹脂を初期硬化させる。それから、複数枚の
該波板を、相互間で底部と頂部とを合わせる位置関係
で、接着剤を介装しつつ重積すると共に、加熱加圧によ
り相互間を接着する。もって、該波板をセル壁としたセ
ルの平面的集合体よりなるハニカムコアが得られる。
求項4は、セル壁にて区画形成された中空柱状の多数の
セルの平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチック製
のハニカムコアの製造方法に関する。そしてまず、再硬
化されても軟化温度が変化しなくなる物質が添加された
変性エポキシ樹脂その他の変性熱硬化性樹脂を、繊維
に、付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリ
プレグ状の繊維強化プラスチックを母材シートとして準
備する。そして次に、該母材シートをギアやラック等の
コルゲート成形装置に供給して、波形の凹凸が連続的に
折曲形成された波板を成形すると共に、加熱により該変
性熱硬化性樹脂を初期硬化させる。それから、複数枚の
該波板を、相互間で底部と頂部とを合わせる位置関係
で、接着剤を介装しつつ重積すると共に、加熱加圧によ
り相互間を接着する。もって、該波板をセル壁としたセ
ルの平面的集合体よりなるハニカムコアが得られる。
【0015】それから後処理として、補強用の熱硬化性
樹脂を該セル壁の外表面に付着,含浸して、加熱により
該熱硬化性樹脂を初期硬化させる。しかる後、より高温
での加熱により再硬化が行われ、この再硬化により、該
セル壁を構成する該変性熱硬化性樹脂は、その特性によ
り再硬化後も軟化温度が上昇することなくその前記初期
硬化後と変化がないのに対し、補強用の該熱硬化性樹脂
は、その一般的な特性に基づき再硬化後は軟化温度が変
化し、その前記初期硬化後より上昇していること、を特
徴とする。
樹脂を該セル壁の外表面に付着,含浸して、加熱により
該熱硬化性樹脂を初期硬化させる。しかる後、より高温
での加熱により再硬化が行われ、この再硬化により、該
セル壁を構成する該変性熱硬化性樹脂は、その特性によ
り再硬化後も軟化温度が上昇することなくその前記初期
硬化後と変化がないのに対し、補強用の該熱硬化性樹脂
は、その一般的な特性に基づき再硬化後は軟化温度が変
化し、その前記初期硬化後より上昇していること、を特
徴とする。
【0016】このように、この繊維強化プラスチック製
のハニカムコア、およびこの製造方法で得られた繊維強
化プラスチック製のハニカムコアは、変性熱硬化性樹脂
を繊維と組み合わせた母材シートをセル壁に用い、更に
これと併用して、補強用の熱硬化性樹脂を、セル壁の外
表面に付着,含浸してなる。この変性熱硬化性樹脂や熱
硬化性樹脂は、それぞれ初期硬化された後、より高温で
共に再硬化されており、もって変性熱硬化性樹脂は、軟
化温度が上昇せず初期硬化後と変化がないのに対し、熱
硬化性樹脂は、軟化温度が変化し初期硬化後より上昇し
ている。
のハニカムコア、およびこの製造方法で得られた繊維強
化プラスチック製のハニカムコアは、変性熱硬化性樹脂
を繊維と組み合わせた母材シートをセル壁に用い、更に
これと併用して、補強用の熱硬化性樹脂を、セル壁の外
表面に付着,含浸してなる。この変性熱硬化性樹脂や熱
硬化性樹脂は、それぞれ初期硬化された後、より高温で
共に再硬化されており、もって変性熱硬化性樹脂は、軟
化温度が上昇せず初期硬化後と変化がないのに対し、熱
硬化性樹脂は、軟化温度が変化し初期硬化後より上昇し
ている。
【0017】そこで、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコアは、事後に曲面成形する際、セル壁を構成す
る変性熱硬化性樹脂の軟化温度で加熱されて、全体的に
曲げられる。なおその際、セル壁外表面の熱硬化性樹脂
は、軟化温度がより高いものの、軟化開始温度は越えて
いる。つまり、外表面の熱硬化性樹脂は、一応柔らかい
ものの多少硬さが存する状態にあるが、この多少の硬さ
の点は、セル壁側の変性熱硬化性樹脂の完全軟化によ
り、十分カバーされている。又、セル壁間を接着する接
着剤は、曲面成形に際し、このような変性熱硬化性樹脂
の軟化温度で加熱されても、劣化することはない。
ニカムコアは、事後に曲面成形する際、セル壁を構成す
る変性熱硬化性樹脂の軟化温度で加熱されて、全体的に
曲げられる。なおその際、セル壁外表面の熱硬化性樹脂
は、軟化温度がより高いものの、軟化開始温度は越えて
いる。つまり、外表面の熱硬化性樹脂は、一応柔らかい
ものの多少硬さが存する状態にあるが、この多少の硬さ
の点は、セル壁側の変性熱硬化性樹脂の完全軟化によ
り、十分カバーされている。又、セル壁間を接着する接
着剤は、曲面成形に際し、このような変性熱硬化性樹脂
の軟化温度で加熱されても、劣化することはない。
【0018】そして、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコアは、曲面成形後に使用に供されるが、セル壁
外表面に付着,含浸された補強用の熱硬化性樹脂の軟化
温度そして軟化開始温度は、再硬化により初期硬化後よ
り上昇しており、セル壁外表面の耐熱温度が高く、全体
的な耐熱性に優れている。なお、セル壁を構成する変性
熱硬化性樹脂は、軟化温度そして軟化開始温度が低い
が、この点は、セル壁外表面を覆う熱硬化性樹脂の軟化
温度そして軟化開始温度の高さで、十分にカバーされて
いる。
ニカムコアは、曲面成形後に使用に供されるが、セル壁
外表面に付着,含浸された補強用の熱硬化性樹脂の軟化
温度そして軟化開始温度は、再硬化により初期硬化後よ
り上昇しており、セル壁外表面の耐熱温度が高く、全体
的な耐熱性に優れている。なお、セル壁を構成する変性
熱硬化性樹脂は、軟化温度そして軟化開始温度が低い
が、この点は、セル壁外表面を覆う熱硬化性樹脂の軟化
温度そして軟化開始温度の高さで、十分にカバーされて
いる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示す発明の
実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,
図3,図4は、本発明の実施の形態の説明に供する。
実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,
図3,図4は、本発明の実施の形態の説明に供する。
【0020】そして、図1はその1例の説明に供し、図
1の(1)図は繊維織物の斜視図、(2)図は母材シー
トの斜視図、(3)図は波板の斜視図、(4)図は平板
の斜視図、(5)図は重積,接着された波板そしてハニ
カムコアの正面図である。図2は他の例の説明に供する
斜視図であり、図2の(1)図は繊維織物を、(2)図
は母材シートを、(3)図は接着剤を配設した母材シー
トを、(4)図は重積,接着された母材シートを、
(5)図は展張された母材シートそしてハニカムコア
を、それぞれ示す。図3も斜視図であり、図3の(1)
図はハニカムコアを、(2)図は浴槽に浸漬中のハニカ
ムコアを示す。図4も斜視図であり、図4の(1)図は
曲面成形中の状態を、(2)図は曲面成形後の状態を示
す。
1の(1)図は繊維織物の斜視図、(2)図は母材シー
トの斜視図、(3)図は波板の斜視図、(4)図は平板
の斜視図、(5)図は重積,接着された波板そしてハニ
カムコアの正面図である。図2は他の例の説明に供する
斜視図であり、図2の(1)図は繊維織物を、(2)図
は母材シートを、(3)図は接着剤を配設した母材シー
トを、(4)図は重積,接着された母材シートを、
(5)図は展張された母材シートそしてハニカムコア
を、それぞれ示す。図3も斜視図であり、図3の(1)
図はハニカムコアを、(2)図は浴槽に浸漬中のハニカ
ムコアを示す。図4も斜視図であり、図4の(1)図は
曲面成形中の状態を、(2)図は曲面成形後の状態を示
す。
【0021】まず、この繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアの製造方法、について述べる。図1に示したコ
ルゲート法による製造方法では、まず、再硬化されて
も軟化温度が変化しなくなる物質が添加された変性エポ
キシ樹脂、その他の変性熱硬化性樹脂Bを、繊維12に
付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリプレ
グ状の繊維強化プラスチックが、母材シート13として
準備される。
カムコアの製造方法、について述べる。図1に示したコ
ルゲート法による製造方法では、まず、再硬化されて
も軟化温度が変化しなくなる物質が添加された変性エポ
キシ樹脂、その他の変性熱硬化性樹脂Bを、繊維12に
付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリプレ
グ状の繊維強化プラスチックが、母材シート13として
準備される。
【0022】このようなの工程について、更に詳述す
る。図1の(1)図に示した繊維12の織物としては、
例えば炭素繊維で織った織物が用いられるが、他にガラ
ス繊維,ケブラー繊維,セラミック繊維,金属繊維,樹
脂繊維,その他の繊維12の織物も、選択的に使用可能
である。なお、繊維12の織り方としては、平織、朱子
織,綾織,その他各種の織り方が考えられ、その重量
は、125g/m2 から500g/m2 程度、例えば2
00g/m2 程度よりなる。又、変性熱硬化性樹脂Bと
しては、例えば変性エポキシ樹脂,変性ナイロン樹脂,
変性フェノール樹脂,変性ビニール樹脂,その他が選択
的に使用され、これらは、エポキシ樹脂,ナイロン樹
脂,フェノール樹脂,ビニール樹脂,その他について、
その初期硬化後により高温で再硬化されてもその完全軟
化温度(ガラス転移点)が変化しなくなるような物質
(例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、あるい
はノボラック型,臭素化型,脂環式型のエポキシ樹脂、
更に硬化剤の種類で分類すると、アミン硬化型,酸無水
物硬化型,フェノールノボラック硬化型のエポキシ樹脂
等)を、添加したものよりなる。そして図1の(2)図
に示したように、繊維12に変性熱硬化性樹脂Bを、付
着,含浸,混入等により組み合わせ,しみ込ませた後、
余分な溶剤を蒸発させて乾燥させたシート状の繊維強化
プラスチックが、母材シート13として準備される。こ
のような繊維強化プラスチックの母材シート13中の繊
維12と変性熱硬化性樹脂Bとの構成比は、重量%で例
えば70%対30%よりなるが、80%対20%から4
0%対60%の範囲内で、各種の構成比も可能である。
そして、このように準備された繊維強化プラスチックの
母材シート13は、まだ完全硬化することもなく柔軟性
を備えたプリプレグ状をなす。
る。図1の(1)図に示した繊維12の織物としては、
例えば炭素繊維で織った織物が用いられるが、他にガラ
ス繊維,ケブラー繊維,セラミック繊維,金属繊維,樹
脂繊維,その他の繊維12の織物も、選択的に使用可能
である。なお、繊維12の織り方としては、平織、朱子
織,綾織,その他各種の織り方が考えられ、その重量
は、125g/m2 から500g/m2 程度、例えば2
00g/m2 程度よりなる。又、変性熱硬化性樹脂Bと
しては、例えば変性エポキシ樹脂,変性ナイロン樹脂,
変性フェノール樹脂,変性ビニール樹脂,その他が選択
的に使用され、これらは、エポキシ樹脂,ナイロン樹
脂,フェノール樹脂,ビニール樹脂,その他について、
その初期硬化後により高温で再硬化されてもその完全軟
化温度(ガラス転移点)が変化しなくなるような物質
(例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、あるい
はノボラック型,臭素化型,脂環式型のエポキシ樹脂、
更に硬化剤の種類で分類すると、アミン硬化型,酸無水
物硬化型,フェノールノボラック硬化型のエポキシ樹脂
等)を、添加したものよりなる。そして図1の(2)図
に示したように、繊維12に変性熱硬化性樹脂Bを、付
着,含浸,混入等により組み合わせ,しみ込ませた後、
余分な溶剤を蒸発させて乾燥させたシート状の繊維強化
プラスチックが、母材シート13として準備される。こ
のような繊維強化プラスチックの母材シート13中の繊
維12と変性熱硬化性樹脂Bとの構成比は、重量%で例
えば70%対30%よりなるが、80%対20%から4
0%対60%の範囲内で、各種の構成比も可能である。
そして、このように準備された繊維強化プラスチックの
母材シート13は、まだ完全硬化することもなく柔軟性
を備えたプリプレグ状をなす。
【0023】次に、この製造方法では、このような母
材シート13をギアやラック等のコルゲート成形装置に
供給して、波形の凹凸が連続的に折曲成形された波板1
4を成形すると共に、加熱により変性熱硬化性樹脂Bを
初期硬化させる。
材シート13をギアやラック等のコルゲート成形装置に
供給して、波形の凹凸が連続的に折曲成形された波板1
4を成形すると共に、加熱により変性熱硬化性樹脂Bを
初期硬化させる。
【0024】このようなの工程について、更に詳述す
る。前述したの工程で準備されたプリプレグ状の母材
シート13は、ギヤとギヤ,ギヤとラック等よりなるコ
ルゲート成形装置に供給されて、加圧成形される。すな
わち、図1の(3)図に示したように、波形の凹凸が短
手方向に直線的で平行、かつ長手方向に繰り返し連続的
に、所定ピッチと高さで折曲形成された波板14が、成
形される。なお、波板14の波形の凹凸の断面形状は、
図示の台形状のほか、略三角形状,略四角形状,その他
の各種形状のものも可能である。そして図示例では、こ
のような波板14と共に、図1の(4)図に示したよう
に、平坦な母材シート13のままの平板15が準備され
る。これと共に、このような波板14および平板15
は、変性熱硬化性樹脂Bが例えば変性エポキシ樹脂の場
合は、200°Cで加熱されることにより、初期硬化せ
しめられる。なお事後は、温度をより下げることによ
り、そのまま硬化状態にて保持される。又、この初期硬
化温度は、変性熱硬化性樹脂Bの種類により、例えば1
50°Cから220°Cの範囲内で、適宜設定される。
る。前述したの工程で準備されたプリプレグ状の母材
シート13は、ギヤとギヤ,ギヤとラック等よりなるコ
ルゲート成形装置に供給されて、加圧成形される。すな
わち、図1の(3)図に示したように、波形の凹凸が短
手方向に直線的で平行、かつ長手方向に繰り返し連続的
に、所定ピッチと高さで折曲形成された波板14が、成
形される。なお、波板14の波形の凹凸の断面形状は、
図示の台形状のほか、略三角形状,略四角形状,その他
の各種形状のものも可能である。そして図示例では、こ
のような波板14と共に、図1の(4)図に示したよう
に、平坦な母材シート13のままの平板15が準備され
る。これと共に、このような波板14および平板15
は、変性熱硬化性樹脂Bが例えば変性エポキシ樹脂の場
合は、200°Cで加熱されることにより、初期硬化せ
しめられる。なお事後は、温度をより下げることによ
り、そのまま硬化状態にて保持される。又、この初期硬
化温度は、変性熱硬化性樹脂Bの種類により、例えば1
50°Cから220°Cの範囲内で、適宜設定される。
【0025】それから、この製造方法では、複数枚の
波板14を、相互間で底部と頂部とを合わせる位置関係
で、接着剤4を介装しつつ重積すると共に、加熱加圧に
より相互間を接着する。
波板14を、相互間で底部と頂部とを合わせる位置関係
で、接着剤4を介装しつつ重積すると共に、加熱加圧に
より相互間を接着する。
【0026】このようなの工程について、更に詳述す
る。前述したの工程で成形,初期硬化された波板14
は、その波形の凹凸の底部下面や頂部上面に、接着剤4
を条線状に塗布して乾燥させた後、所定長さ毎に切断さ
れる。それから、図1の(5)図に示したように、複数
枚の波板14間に、図示例ではそれぞれバイセクトシー
トとも称される平板15を介装しつつ、上下の波板14
間で順次波の半ピッチ分ずつずれ、底部と頂部とを合わ
せる位置関係で上下に重積する。このように各波板14
は、接着剤4や平板15を介して、全体的に空間が存し
た積層ブロック状に重積される。それから加熱加圧する
ことにより、塗布されていた接着剤4にて、各波板14
間が平板15を介し、条線状に接着される。この接着剤
4の硬化,接着用の加熱温度は、代表的には180°C
に設定されるが、接着剤4の成分によっては(例えばエ
ポキシ樹脂,ナイロン樹脂,フェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂が用いられる)、150°Cから250°Cの範
囲内で設定されることもある。又、接着剤4は、波板1
4の母材シート13の構成内容(どのような種類の繊維
12や、軟化温度の変性熱硬化性樹脂Bが用いられてい
るか)や、コスト面に鑑み選択される。
る。前述したの工程で成形,初期硬化された波板14
は、その波形の凹凸の底部下面や頂部上面に、接着剤4
を条線状に塗布して乾燥させた後、所定長さ毎に切断さ
れる。それから、図1の(5)図に示したように、複数
枚の波板14間に、図示例ではそれぞれバイセクトシー
トとも称される平板15を介装しつつ、上下の波板14
間で順次波の半ピッチ分ずつずれ、底部と頂部とを合わ
せる位置関係で上下に重積する。このように各波板14
は、接着剤4や平板15を介して、全体的に空間が存し
た積層ブロック状に重積される。それから加熱加圧する
ことにより、塗布されていた接着剤4にて、各波板14
間が平板15を介し、条線状に接着される。この接着剤
4の硬化,接着用の加熱温度は、代表的には180°C
に設定されるが、接着剤4の成分によっては(例えばエ
ポキシ樹脂,ナイロン樹脂,フェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂が用いられる)、150°Cから250°Cの範
囲内で設定されることもある。又、接着剤4は、波板1
4の母材シート13の構成内容(どのような種類の繊維
12や、軟化温度の変性熱硬化性樹脂Bが用いられてい
るか)や、コスト面に鑑み選択される。
【0027】そして、この製造方法ではこのような
,,の工程を辿ることにより、波板14をセル壁
16として区画形成された中空柱状の多数のセル17の
平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア11が得られる。
,,の工程を辿ることにより、波板14をセル壁
16として区画形成された中空柱状の多数のセル17の
平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア11が得られる。
【0028】このようなの工程について、更に詳述す
る。前述したの工程で重積,接着された波板14をセ
ル壁16とし、図1の(5)図の例では更に平板15を
もセル壁16とし、又、図3の(1)図の例では平板1
5を介装することなく、波板14のみを重積,接合して
セル壁16とすることにより、それぞれ、繊維強化プラ
スチック製のハニカムコア11が得られる。このハニカ
ムコア11は、前述した繊維強化プラスチック製の母材
シート13よりなるセル壁16にて区画形成された空間
たる各セル17よりなり、セル17の断面形状は、図示
の台形状や正六角形状のものが代表的であるが、略三角
形状,略四角形状,その他各種形状のものも可能であ
る。そして、この繊維強化プラスチック製のハニカムコ
ア11は、一般のものと同様に、重量比強度に優れ、軽
量であると共に高い剛性・強度を備え、又、整流効果,
平面精度,保温性,遮音性にも優れ、単位容積当りの表
面積が大である、等々の特性が知られ、広く各種の構造
材として使用される。
る。前述したの工程で重積,接着された波板14をセ
ル壁16とし、図1の(5)図の例では更に平板15を
もセル壁16とし、又、図3の(1)図の例では平板1
5を介装することなく、波板14のみを重積,接合して
セル壁16とすることにより、それぞれ、繊維強化プラ
スチック製のハニカムコア11が得られる。このハニカ
ムコア11は、前述した繊維強化プラスチック製の母材
シート13よりなるセル壁16にて区画形成された空間
たる各セル17よりなり、セル17の断面形状は、図示
の台形状や正六角形状のものが代表的であるが、略三角
形状,略四角形状,その他各種形状のものも可能であ
る。そして、この繊維強化プラスチック製のハニカムコ
ア11は、一般のものと同様に、重量比強度に優れ、軽
量であると共に高い剛性・強度を備え、又、整流効果,
平面精度,保温性,遮音性にも優れ、単位容積当りの表
面積が大である、等々の特性が知られ、広く各種の構造
材として使用される。
【0029】ところで、この繊維強化プラスチック製の
ハニカムコア11は、上述した図1に示した例では、い
わゆるコルゲート法にて製造されていたが、これに限定
されるものではなく、図2に示したいわゆる展張法によ
っても製造可能である。ここで、この図2の展張法につ
いて概説しておく。
ハニカムコア11は、上述した図1に示した例では、い
わゆるコルゲート法にて製造されていたが、これに限定
されるものではなく、図2に示したいわゆる展張法によ
っても製造可能である。ここで、この図2の展張法につ
いて概説しておく。
【0030】この展張法による製造方法では、まず、
図2の(1)図や(2)図に示したように、再硬化され
ても軟化温度が変化しない物質が添加された変性エポキ
シ樹脂、その他の変性熱硬化性樹脂Bを、繊維12に、
付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリプレ
グ状の繊維強化プラスチックが、母材シート13として
準備される。このような、変性熱硬化性樹脂B,繊維1
2,母材シート13等の詳細は、コルゲート法について
前述したところに準じるので、その説明は省略する。
図2の(1)図や(2)図に示したように、再硬化され
ても軟化温度が変化しない物質が添加された変性エポキ
シ樹脂、その他の変性熱硬化性樹脂Bを、繊維12に、
付着,含浸,混入等により組み合わせてなる、プリプレ
グ状の繊維強化プラスチックが、母材シート13として
準備される。このような、変性熱硬化性樹脂B,繊維1
2,母材シート13等の詳細は、コルゲート法について
前述したところに準じるので、その説明は省略する。
【0031】次に、この展張法による製造方法では、
図2の(3)図,(4)図に示したように、この母材シ
ート13に接着剤4を所定ピッチで条線状に塗布した
後、一定長さ毎に切断してから、この接着剤4が半ピッ
チずつずれた位置関係で、複数枚の母材シート13を重
積して、加熱加圧により相互間を接着する。用いられる
接着剤4やその加熱温度等については、コルゲート法に
ついて前述したところに準じるので、その説明は省略す
る。
図2の(3)図,(4)図に示したように、この母材シ
ート13に接着剤4を所定ピッチで条線状に塗布した
後、一定長さ毎に切断してから、この接着剤4が半ピッ
チずつずれた位置関係で、複数枚の母材シート13を重
積して、加熱加圧により相互間を接着する。用いられる
接着剤4やその加熱温度等については、コルゲート法に
ついて前述したところに準じるので、その説明は省略す
る。
【0032】それから、この展張法による製造方法で
は、図2の(5)図に示したように、重積,接着された
母材シート13について、重積方向に引張力を加えて展
張する。これにより、重積されていた各母材シート13
は、接着剤4による条線状の接着箇所の縁に沿って折曲
されると共に、非接着箇所が分離,隔離,変形する。そ
して加熱することにより、母材シート13の変性熱硬化
性樹脂Bを、初期硬化させる。この変性熱硬化性樹脂B
の初期硬化については、コルゲート法について前述した
ところに準じる。
は、図2の(5)図に示したように、重積,接着された
母材シート13について、重積方向に引張力を加えて展
張する。これにより、重積されていた各母材シート13
は、接着剤4による条線状の接着箇所の縁に沿って折曲
されると共に、非接着箇所が分離,隔離,変形する。そ
して加熱することにより、母材シート13の変性熱硬化
性樹脂Bを、初期硬化させる。この変性熱硬化性樹脂B
の初期硬化については、コルゲート法について前述した
ところに準じる。
【0033】このようにして、この展張法による製造
方法では、この,,の工程を辿ることにより、図
2の(5)図や図3の(1)図に示したように、展張さ
れた母材シート13をセル壁16とし、このようなセル
壁16にて区画形成された中空柱状の多数のセル17の
平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア11が得られる。このハニカムコア11につい
ては、コルゲート法について前述したところに準じるの
で、その説明は省略する。このように、この繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア11は、前記,,,
の工程を辿る図1のコルゲート法のほか、前記,
,,の工程を辿る図2の展張法によっても、製造
可能である。
方法では、この,,の工程を辿ることにより、図
2の(5)図や図3の(1)図に示したように、展張さ
れた母材シート13をセル壁16とし、このようなセル
壁16にて区画形成された中空柱状の多数のセル17の
平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア11が得られる。このハニカムコア11につい
ては、コルゲート法について前述したところに準じるの
で、その説明は省略する。このように、この繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア11は、前記,,,
の工程を辿る図1のコルゲート法のほか、前記,
,,の工程を辿る図2の展張法によっても、製造
可能である。
【0034】さて、このようなコルゲート法によるか
展張法によるかを問わず、このように製造された繊維強
化プラスチック製のハニカムコア11は、次に後処理と
して、補強用の熱硬化性樹脂Aが、セル壁16の外表面
に付着,含浸せしめられ、加熱により初期硬化せしめら
れる。
展張法によるかを問わず、このように製造された繊維強
化プラスチック製のハニカムコア11は、次に後処理と
して、補強用の熱硬化性樹脂Aが、セル壁16の外表面
に付着,含浸せしめられ、加熱により初期硬化せしめら
れる。
【0035】このようなの工程について、更に詳述す
る。コルゲート法や展張法にて、前記,,,の
工程を辿って製造された繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア11は、まず、図3の(2)図に示したよう
に、浴槽7中に浸漬される。浴槽7中には、通常のポリ
イミド樹脂,エポキシ樹脂,ナイロン樹脂,フェノール
樹脂,その他,適宜選択された熱硬化性樹脂Aが、溶剤
と共に溶液状態で貯溜されている。そして、このような
浴槽7中に浸漬されることにより、繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコア11のセル壁16外表面に、補強用
の熱硬化性樹脂Aが、コーティングにより付着,含浸せ
しめられる。
る。コルゲート法や展張法にて、前記,,,の
工程を辿って製造された繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア11は、まず、図3の(2)図に示したよう
に、浴槽7中に浸漬される。浴槽7中には、通常のポリ
イミド樹脂,エポキシ樹脂,ナイロン樹脂,フェノール
樹脂,その他,適宜選択された熱硬化性樹脂Aが、溶剤
と共に溶液状態で貯溜されている。そして、このような
浴槽7中に浸漬されることにより、繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコア11のセル壁16外表面に、補強用
の熱硬化性樹脂Aが、コーティングにより付着,含浸せ
しめられる。
【0036】それから、このように付着,含浸が施され
た繊維強化プラスチック製のハニカムコア11は、浴槽
7から取り出された後、120°C程度の熱風オーブン
にて乾燥せしめられ、溶剤が除去される。それから、補
強用の熱硬化性樹脂Aが例えばポリイミド樹脂の場合
は、200°Cで加熱されることにより初期硬化され
る。なお事後は、温度をより下げることにより、そのま
ま硬化状態にて保持される。又、この初期硬化温度は、
熱硬化性樹脂Aの種類により、例えば150°Cから2
50°Cの範囲内で、適宜設定される。
た繊維強化プラスチック製のハニカムコア11は、浴槽
7から取り出された後、120°C程度の熱風オーブン
にて乾燥せしめられ、溶剤が除去される。それから、補
強用の熱硬化性樹脂Aが例えばポリイミド樹脂の場合
は、200°Cで加熱されることにより初期硬化され
る。なお事後は、温度をより下げることにより、そのま
ま硬化状態にて保持される。又、この初期硬化温度は、
熱硬化性樹脂Aの種類により、例えば150°Cから2
50°Cの範囲内で、適宜設定される。
【0037】しかる後、この製造方法では、初期硬化
の後に温度を下げることにより硬化状態にて保持されて
いた、繊維強化プラスチック製のハニカムコア11につ
いて、より高温での加熱が実施され、再硬化が行われ
る。そこで、この繊維強化プラスチック製のハニカムコ
ア11のセル壁16を構成する変性熱硬化性樹脂Bは、
その特性により、再硬化後も軟化温度が上昇することな
く、その前記初期硬化後と軟化温度が変化しないのに対
し、補強用の熱硬化性樹脂Aは、その一般的な特性に基
づき、再硬化後は軟化温度が変化し、その前記初期硬化
後より軟化温度が上昇する。
の後に温度を下げることにより硬化状態にて保持されて
いた、繊維強化プラスチック製のハニカムコア11につ
いて、より高温での加熱が実施され、再硬化が行われ
る。そこで、この繊維強化プラスチック製のハニカムコ
ア11のセル壁16を構成する変性熱硬化性樹脂Bは、
その特性により、再硬化後も軟化温度が上昇することな
く、その前記初期硬化後と軟化温度が変化しないのに対
し、補強用の熱硬化性樹脂Aは、その一般的な特性に基
づき、再硬化後は軟化温度が変化し、その前記初期硬化
後より軟化温度が上昇する。
【0038】このようなの工程について、更に詳述す
る。初期硬化された繊維強化プラスチック製のハニカム
コア11は、前述したの後処理で、補強用の熱硬化性
樹脂Aが付着,含浸,初期硬化せしめられた後、最終処
理として再硬化が実施される。この再硬化温度は、例え
ば、セル壁16の母材シート13の変性熱硬化性樹脂B
として変性エポキシ樹脂が用いられると共に、補強用に
後処理にてセル壁16外表面に付着,含浸される熱硬化
性樹脂Aとしてポリイミド樹脂が用いられていた場合に
は、240°Cに設定される。なお、この再硬化温度
は、用いられる変性熱硬化性樹脂Bや熱硬化性樹脂Aの
種類により、例えば150°Cから350°Cの範囲内
で、適宜設定される。
る。初期硬化された繊維強化プラスチック製のハニカム
コア11は、前述したの後処理で、補強用の熱硬化性
樹脂Aが付着,含浸,初期硬化せしめられた後、最終処
理として再硬化が実施される。この再硬化温度は、例え
ば、セル壁16の母材シート13の変性熱硬化性樹脂B
として変性エポキシ樹脂が用いられると共に、補強用に
後処理にてセル壁16外表面に付着,含浸される熱硬化
性樹脂Aとしてポリイミド樹脂が用いられていた場合に
は、240°Cに設定される。なお、この再硬化温度
は、用いられる変性熱硬化性樹脂Bや熱硬化性樹脂Aの
種類により、例えば150°Cから350°Cの範囲内
で、適宜設定される。
【0039】さて、まずセル壁16を構成する変性熱硬
化性樹脂Bとして、例えば変性エポキシ樹脂が用いられ
た場合は、前述したの工程で、200°Cで加熱され
初期硬化されているが、これを更にこのの工程で、よ
り高温の240°Cで再硬化せしめる。すると、この変
性熱硬化性樹脂Bたる変性エポキシ樹脂は、その特性に
基づき、この再硬化後も(完全)軟化温度(ガラス転移
点)が上昇することなく、200°Cでの初期硬化後と
変化がなく、(完全)軟化温度(ガラス転移点)は、2
00°Cに20°Cを加えた220°Cのままとなって
いる。もって、その柔らかくなり始める軟化開始温度
も、この(完全)軟化温度(ガラス転移点)より100
°C下の120°Cのままとなっている。
化性樹脂Bとして、例えば変性エポキシ樹脂が用いられ
た場合は、前述したの工程で、200°Cで加熱され
初期硬化されているが、これを更にこのの工程で、よ
り高温の240°Cで再硬化せしめる。すると、この変
性熱硬化性樹脂Bたる変性エポキシ樹脂は、その特性に
基づき、この再硬化後も(完全)軟化温度(ガラス転移
点)が上昇することなく、200°Cでの初期硬化後と
変化がなく、(完全)軟化温度(ガラス転移点)は、2
00°Cに20°Cを加えた220°Cのままとなって
いる。もって、その柔らかくなり始める軟化開始温度
も、この(完全)軟化温度(ガラス転移点)より100
°C下の120°Cのままとなっている。
【0040】これに対し、セル壁16外表面に補強用に
付着,含浸される熱硬化性樹脂A、例えばポリイミド樹
脂は、前述したの工程で200°Cで加熱され初期硬
化されているが、これを更にこのの工程で、より高温
の240°Cで再硬化せしめる。すると、この熱硬化性
樹脂Aたるポリイミド樹脂は、その一般的な特性に基づ
き、この再硬化により(完全)軟化温度(ガラス転移
点)が200°Cの初期硬化後の220°Cから上昇
し、240°Cの再硬化温度より20°C上の260°
Cに変化する。そこで、その柔らかくなり始める軟化開
始温度も、この(完全)軟化温度(ガラス転移点)の1
00°C下の160°Cに変化する。
付着,含浸される熱硬化性樹脂A、例えばポリイミド樹
脂は、前述したの工程で200°Cで加熱され初期硬
化されているが、これを更にこのの工程で、より高温
の240°Cで再硬化せしめる。すると、この熱硬化性
樹脂Aたるポリイミド樹脂は、その一般的な特性に基づ
き、この再硬化により(完全)軟化温度(ガラス転移
点)が200°Cの初期硬化後の220°Cから上昇
し、240°Cの再硬化温度より20°C上の260°
Cに変化する。そこで、その柔らかくなり始める軟化開
始温度も、この(完全)軟化温度(ガラス転移点)の1
00°C下の160°Cに変化する。
【0041】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア11は、前述した,,,の製造工程
を辿り、かつの後処理との最終処理が施されて、最
終的に製造が完了する。
ニカムコア11は、前述した,,,の製造工程
を辿り、かつの後処理との最終処理が施されて、最
終的に製造が完了する。
【0042】そして、このように製造が完了した繊維強
化プラスチック製のハニカムコア11は、セル壁16に
て区画形成された中空柱状の多数のセル17の平面的集
合体よりなり、セル壁16間が接着剤4にて接着されて
なる。そして、セル壁16の母材シート13として、再
硬化されても(完全)軟化温度(ガラス転移点)が変化
しなくなる物質が添加された変性エポキシ樹脂その他の
変性熱硬化性樹脂Bを、繊維12に付着,含浸,混入等
により組み合わせてなる、繊維強化プラスチックが用い
られており、更に後処理として、補強用の熱硬化性樹脂
Aがセル壁16外表面に付着,含浸されている。そして
初期硬化後に、より高温で再硬化されているが、セル壁
16を構成する変性熱硬化性樹脂Bは、その特性によ
り、(完全)軟化温度(ガラス転移点)が上昇すること
なく初期硬化後と変化がないのに対し、セル壁16外表
面に付着,含浸された熱硬化性樹脂Aは、その一般的な
特性に基づき、(完全)軟化温度(ガラス転移点)が変
化し初期硬化後より上昇している。因みに、このような
繊維強化プラスチック製のハニカムコア11の構成比
は、重量%で例えば、繊維12が40%、変性熱硬化性
樹脂Bたる変性エポキシ樹脂が27%、熱硬化性樹脂A
たるフェノール樹脂が27%、接着剤4が6%程度より
なる。
化プラスチック製のハニカムコア11は、セル壁16に
て区画形成された中空柱状の多数のセル17の平面的集
合体よりなり、セル壁16間が接着剤4にて接着されて
なる。そして、セル壁16の母材シート13として、再
硬化されても(完全)軟化温度(ガラス転移点)が変化
しなくなる物質が添加された変性エポキシ樹脂その他の
変性熱硬化性樹脂Bを、繊維12に付着,含浸,混入等
により組み合わせてなる、繊維強化プラスチックが用い
られており、更に後処理として、補強用の熱硬化性樹脂
Aがセル壁16外表面に付着,含浸されている。そして
初期硬化後に、より高温で再硬化されているが、セル壁
16を構成する変性熱硬化性樹脂Bは、その特性によ
り、(完全)軟化温度(ガラス転移点)が上昇すること
なく初期硬化後と変化がないのに対し、セル壁16外表
面に付着,含浸された熱硬化性樹脂Aは、その一般的な
特性に基づき、(完全)軟化温度(ガラス転移点)が変
化し初期硬化後より上昇している。因みに、このような
繊維強化プラスチック製のハニカムコア11の構成比
は、重量%で例えば、繊維12が40%、変性熱硬化性
樹脂Bたる変性エポキシ樹脂が27%、熱硬化性樹脂A
たるフェノール樹脂が27%、接着剤4が6%程度より
なる。
【0043】さて、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア11は、事後、曲面成形に供され、セル壁1
6を構成する変性熱硬化性樹脂Bの軟化温度にて加熱さ
れつつ、セル端面18が所定曲率を備えるように全体的
に曲げられる。
ニカムコア11は、事後、曲面成形に供され、セル壁1
6を構成する変性熱硬化性樹脂Bの軟化温度にて加熱さ
れつつ、セル端面18が所定曲率を備えるように全体的
に曲げられる。
【0044】このようなの曲面成形について、更に詳
述する。この繊維強化プラスチック製のハニカムコア1
1は、全体的に2次曲面等に内外にわん曲され、もっ
て、わん曲した各種構造材として使用される。すなわ
ち、この繊維強化プラスチック製のハニカムコア11
は、図4の(1)図に示したように、上下1対のわん曲
した凹凸治具たる上型19と下型20との間に供給され
ると共に、セル壁16を構成する変性熱硬化性樹脂Bた
る変性エポキシ樹脂の(完全)軟化温度(ガラス転移
点)、つまり220°Cで加熱される。このように加熱
しつつ、上型19と下型20にて上下から加圧力を加え
ることにより、繊維強化プラスチック製のハニカムコア
11は、図4の(2)図に示したように、全体的に2次
曲面等に曲面成形される。なお、このような曲面成形
後、繊維強化プラスチック製のハニカムコア11は、冷
却されることにより、わん曲したまま硬化する。
述する。この繊維強化プラスチック製のハニカムコア1
1は、全体的に2次曲面等に内外にわん曲され、もっ
て、わん曲した各種構造材として使用される。すなわ
ち、この繊維強化プラスチック製のハニカムコア11
は、図4の(1)図に示したように、上下1対のわん曲
した凹凸治具たる上型19と下型20との間に供給され
ると共に、セル壁16を構成する変性熱硬化性樹脂Bた
る変性エポキシ樹脂の(完全)軟化温度(ガラス転移
点)、つまり220°Cで加熱される。このように加熱
しつつ、上型19と下型20にて上下から加圧力を加え
ることにより、繊維強化プラスチック製のハニカムコア
11は、図4の(2)図に示したように、全体的に2次
曲面等に曲面成形される。なお、このような曲面成形
後、繊維強化プラスチック製のハニカムコア11は、冷
却されることにより、わん曲したまま硬化する。
【0045】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。このように、この繊維
強化プラスチック製のハニカムコア11、および、前述
した,,,そして,の工程よりなる製造方
法を辿って得られた繊維強化プラスチック製のハニカム
コア11は、再硬化されても(完全)軟化温度(ガラス
転移点)が変化しない変性熱硬化性樹脂Bを採用して、
繊維12と付着,含浸,混入等により組み合わせた母材
シート13を、セル壁16に用いてなる。更にこれと併
用し、後処理にて補強用の熱硬化性樹脂Aを、セル壁1
6の外表面に付着,含浸してなる。
いる。そこで以下のようになる。このように、この繊維
強化プラスチック製のハニカムコア11、および、前述
した,,,そして,の工程よりなる製造方
法を辿って得られた繊維強化プラスチック製のハニカム
コア11は、再硬化されても(完全)軟化温度(ガラス
転移点)が変化しない変性熱硬化性樹脂Bを採用して、
繊維12と付着,含浸,混入等により組み合わせた母材
シート13を、セル壁16に用いてなる。更にこれと併
用し、後処理にて補強用の熱硬化性樹脂Aを、セル壁1
6の外表面に付着,含浸してなる。
【0046】このようなセル壁16を構成する変性熱硬
化性樹脂Bやセル壁16外表面の熱硬化性樹脂Aは、そ
れぞれ個別に初期硬化された後、より高温で共に再硬化
されてなる。そして、この再硬化により、セル壁16を
構成する変性熱硬化性樹脂Bは、その特性により、(完
全)軟化温度(ガラス転移点)が上昇せず初期硬化後と
変化がないのに対し(例えば変性エポキシ樹脂の場合は
220°C)、セル壁16外表面の補強用の熱硬化性樹
脂Aは、その一般的な特性に基づき、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)が変化し初期硬化後より上昇している
(例えばポリイミド樹脂の場合は260°C)。
化性樹脂Bやセル壁16外表面の熱硬化性樹脂Aは、そ
れぞれ個別に初期硬化された後、より高温で共に再硬化
されてなる。そして、この再硬化により、セル壁16を
構成する変性熱硬化性樹脂Bは、その特性により、(完
全)軟化温度(ガラス転移点)が上昇せず初期硬化後と
変化がないのに対し(例えば変性エポキシ樹脂の場合は
220°C)、セル壁16外表面の補強用の熱硬化性樹
脂Aは、その一般的な特性に基づき、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)が変化し初期硬化後より上昇している
(例えばポリイミド樹脂の場合は260°C)。
【0047】そこで、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア11は、事後に曲面成形する際、セル壁16
を構成する変性熱硬化性樹脂Bの(完全)軟化温度(ガ
ラス転移点)で加熱されて、完全軟化することにより
(例えば変性エポキシ樹脂の場合は220°C)、全体
的に曲げられる。なおその際、セル壁16外表面の補強
用の熱硬化性樹脂Aは、その(完全)軟化温度(ガラス
転移点)がより高いが(例えばポリイミド樹脂の場合は
260°C)、その軟化開始温度(例えばポリイミド樹
脂の場合は160°C)は越えている。つまり、セル壁
16外表面の補強用の熱硬化性樹脂Aは、一応柔らかい
ものの多少硬さが存する状態にあるが、この多少の硬さ
の点は、上述によりセル壁16側の変性熱硬化性樹脂B
の完全軟化により十分カバーされており、全体的にはス
ムーズに曲面成形される。又、セル壁16間を接着する
接着剤4は、曲面成形に際し、このような変性熱硬化性
樹脂Bの(完全)軟化温度(ガラス転移点)で加熱され
ても(例えば変性エポキシ樹脂の場合は220°C)、
劣化することはない(一般的な接着剤4の場合その硬化
温度180°Cで劣化開始温度は220°Cを越えた場
合である)。
ニカムコア11は、事後に曲面成形する際、セル壁16
を構成する変性熱硬化性樹脂Bの(完全)軟化温度(ガ
ラス転移点)で加熱されて、完全軟化することにより
(例えば変性エポキシ樹脂の場合は220°C)、全体
的に曲げられる。なおその際、セル壁16外表面の補強
用の熱硬化性樹脂Aは、その(完全)軟化温度(ガラス
転移点)がより高いが(例えばポリイミド樹脂の場合は
260°C)、その軟化開始温度(例えばポリイミド樹
脂の場合は160°C)は越えている。つまり、セル壁
16外表面の補強用の熱硬化性樹脂Aは、一応柔らかい
ものの多少硬さが存する状態にあるが、この多少の硬さ
の点は、上述によりセル壁16側の変性熱硬化性樹脂B
の完全軟化により十分カバーされており、全体的にはス
ムーズに曲面成形される。又、セル壁16間を接着する
接着剤4は、曲面成形に際し、このような変性熱硬化性
樹脂Bの(完全)軟化温度(ガラス転移点)で加熱され
ても(例えば変性エポキシ樹脂の場合は220°C)、
劣化することはない(一般的な接着剤4の場合その硬化
温度180°Cで劣化開始温度は220°Cを越えた場
合である)。
【0048】これと共に、この繊維強化プラスチック製
のハニカムコア11は、このような曲面成形後に使用に
供されるが、そのセル壁16外表面には、補強用の熱硬
化性樹脂Aが付着,含浸されている。そして、この熱硬
化性樹脂Aの(完全)軟化温度(ガラス転移点)は、再
硬化により初期硬化後より上昇しており(例えばポリイ
ミド樹脂の場合は260°C)、軟化開始温度も上昇し
ている(例えばポリイミド樹脂の場合は160°C)。
このように、この繊維強化プラスチック製のハニカムコ
ア11は、セル壁16外表面の耐熱温度が比較的高いの
で、全体的な耐熱性にも優れている。なお、セル壁16
を構成する変性熱硬化性樹脂Bは、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)そして軟化開始温度が低いが(例えば
変性エポキシ樹脂の場合は220°Cと120°C)、
この点は、このようなセル壁16外表面を覆う上述した
補強用の熱硬化性樹脂Aの(完全)軟化温度(ガラス転
移点)そして軟化開始温度の高さで、十分にカバーされ
ており(例えばポリイミド樹脂の場合は260°Cと1
60°C)、全体的には高い耐熱温度が維持される。さ
てそこで、この繊維強化プラスチック製のハニカムコア
11およびその製造方法にあっては、次の第1,第2,
第3のようになる。
のハニカムコア11は、このような曲面成形後に使用に
供されるが、そのセル壁16外表面には、補強用の熱硬
化性樹脂Aが付着,含浸されている。そして、この熱硬
化性樹脂Aの(完全)軟化温度(ガラス転移点)は、再
硬化により初期硬化後より上昇しており(例えばポリイ
ミド樹脂の場合は260°C)、軟化開始温度も上昇し
ている(例えばポリイミド樹脂の場合は160°C)。
このように、この繊維強化プラスチック製のハニカムコ
ア11は、セル壁16外表面の耐熱温度が比較的高いの
で、全体的な耐熱性にも優れている。なお、セル壁16
を構成する変性熱硬化性樹脂Bは、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)そして軟化開始温度が低いが(例えば
変性エポキシ樹脂の場合は220°Cと120°C)、
この点は、このようなセル壁16外表面を覆う上述した
補強用の熱硬化性樹脂Aの(完全)軟化温度(ガラス転
移点)そして軟化開始温度の高さで、十分にカバーされ
ており(例えばポリイミド樹脂の場合は260°Cと1
60°C)、全体的には高い耐熱温度が維持される。さ
てそこで、この繊維強化プラスチック製のハニカムコア
11およびその製造方法にあっては、次の第1,第2,
第3のようになる。
【0049】第1に、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア11、およびこの製造方法で得られた繊維強
化プラスチック製のハニカムコア11は、変性熱硬化性
樹脂Bを繊維12と組み合わせた母材シート13を、セ
ル壁16に用いてなる。そこで、変性熱硬化性樹脂Bの
特性に基づき、再硬化後も(完全)軟化温度(ガラス転
移点)が上昇せず、初期硬化後と変化がないので、事後
の曲面成形時にその(完全)軟化温度(ガラス転移点)
で加熱しても、セル壁16間の接着剤4の劣化は回避さ
れる。
ニカムコア11、およびこの製造方法で得られた繊維強
化プラスチック製のハニカムコア11は、変性熱硬化性
樹脂Bを繊維12と組み合わせた母材シート13を、セ
ル壁16に用いてなる。そこで、変性熱硬化性樹脂Bの
特性に基づき、再硬化後も(完全)軟化温度(ガラス転
移点)が上昇せず、初期硬化後と変化がないので、事後
の曲面成形時にその(完全)軟化温度(ガラス転移点)
で加熱しても、セル壁16間の接着剤4の劣化は回避さ
れる。
【0050】例えば、変性熱硬化性樹脂Bとして変性エ
ポキシ樹脂が用いられた場合、200°Cで初期硬化し
た後、240°Cで再硬化されても、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)は220°Cと変化しないので、曲面
成形時の加熱温度は220°Cに設定される。そこで、
一般的に220°Cを越えると劣化が進む接着剤4につ
いて、曲面成形時における劣化は回避される。
ポキシ樹脂が用いられた場合、200°Cで初期硬化し
た後、240°Cで再硬化されても、(完全)軟化温度
(ガラス転移点)は220°Cと変化しないので、曲面
成形時の加熱温度は220°Cに設定される。そこで、
一般的に220°Cを越えると劣化が進む接着剤4につ
いて、曲面成形時における劣化は回避される。
【0051】第2に、この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア11、およびこの製造方法で得られた繊維強
化プラスチック製のハニカムコア11は、後処理にてセ
ル壁16外表面に付着,含浸されていた補強用の熱硬化
性樹脂Aが、その一般的な特性に基づき、再硬化により
(完全)軟化温度(ガラス転移点)が上昇すべく変化
し、軟化開始温度も上昇している。そこで製品として使
用に供された際の耐熱温度が、高くなっている。
ニカムコア11、およびこの製造方法で得られた繊維強
化プラスチック製のハニカムコア11は、後処理にてセ
ル壁16外表面に付着,含浸されていた補強用の熱硬化
性樹脂Aが、その一般的な特性に基づき、再硬化により
(完全)軟化温度(ガラス転移点)が上昇すべく変化
し、軟化開始温度も上昇している。そこで製品として使
用に供された際の耐熱温度が、高くなっている。
【0052】例えば、熱硬化性樹脂Aとしてエポキシ樹
脂が用いられた場合、200°Cで初期硬化した後、2
40°Cで再硬化させると、このセル壁16外表面のエ
ポキシ樹脂の(完全)軟化温度(ガラス転移点)は26
0°Cとなり、軟化開始温度も160°Cとなる。そこ
で、製品として使用に供された際の耐熱温度は、この軟
化開始温度の160°Cとなり、前述したこの種従来例
の120°Cに比し、耐熱性が大きく向上する。例え
ば、149°Cにおいて圧縮強度テストを実施した場
合、同じ構成や寸法のものにおいて、初期硬化のみの場
合は68kg/cm2 程度が限界値となるのに対し、再
硬化を実施すると148kg/cm2 程度が限界値とな
る。
脂が用いられた場合、200°Cで初期硬化した後、2
40°Cで再硬化させると、このセル壁16外表面のエ
ポキシ樹脂の(完全)軟化温度(ガラス転移点)は26
0°Cとなり、軟化開始温度も160°Cとなる。そこ
で、製品として使用に供された際の耐熱温度は、この軟
化開始温度の160°Cとなり、前述したこの種従来例
の120°Cに比し、耐熱性が大きく向上する。例え
ば、149°Cにおいて圧縮強度テストを実施した場
合、同じ構成や寸法のものにおいて、初期硬化のみの場
合は68kg/cm2 程度が限界値となるのに対し、再
硬化を実施すると148kg/cm2 程度が限界値とな
る。
【0053】第3に、このような繊維強化プラスチック
製のハニカムコア11は、所定の変性熱硬化性樹脂Bを
繊維12と組み合わせた母材シート13を採用し、更に
補強用に後処理にて付着,含浸される熱硬化性樹脂Aを
併用して、初期硬化と再硬化とを実施した、簡単な構成
よりなる。そして、従来より一般的なコルゲート法や展
張法にて、製造される。
製のハニカムコア11は、所定の変性熱硬化性樹脂Bを
繊維12と組み合わせた母材シート13を採用し、更に
補強用に後処理にて付着,含浸される熱硬化性樹脂Aを
併用して、初期硬化と再硬化とを実施した、簡単な構成
よりなる。そして、従来より一般的なコルゲート法や展
張法にて、製造される。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアおよびその製造方法は、以上説明したよう
に、再硬化されても軟化温度が変化しない変性熱硬化性
樹脂を採用して、繊維と組み合わせた母材シートを用
い、更に、後処理として一般的な熱硬化性樹脂を補強用
に併用して、曲面成形等に供するようにしたことによ
り、次の効果を発揮する。
ハニカムコアおよびその製造方法は、以上説明したよう
に、再硬化されても軟化温度が変化しない変性熱硬化性
樹脂を採用して、繊維と組み合わせた母材シートを用
い、更に、後処理として一般的な熱硬化性樹脂を補強用
に併用して、曲面成形等に供するようにしたことによ
り、次の効果を発揮する。
【0055】第1に、再硬化に伴う接着剤の劣化、そし
て成形性の悪化が防止される。すなわち、この繊維強化
プラスチック製のハニカムコア、およびこの製造方法で
得られた繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、変
性熱硬化性樹脂を繊維と組み合わせた母材シートを、セ
ル壁に用いてなる。そこで、変性熱硬化性樹脂の特性に
基づき、再硬化後も軟化温度が上昇せず初期硬化後と変
化がないので、曲面成形時にその軟化温度で加熱して
も、セル壁間の接着剤の劣化が回避される。
て成形性の悪化が防止される。すなわち、この繊維強化
プラスチック製のハニカムコア、およびこの製造方法で
得られた繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、変
性熱硬化性樹脂を繊維と組み合わせた母材シートを、セ
ル壁に用いてなる。そこで、変性熱硬化性樹脂の特性に
基づき、再硬化後も軟化温度が上昇せず初期硬化後と変
化がないので、曲面成形時にその軟化温度で加熱して
も、セル壁間の接着剤の劣化が回避される。
【0056】このように、セル壁間の接着剤が接着機能
を全うするので、曲面成形時におけるセル壁の接着剥が
れも防止され、ハニカムコアとしての形状が滞りなく保
持される。もって、前述したこの種従来例において、再
硬化を実施した場合に指摘されていた成形性の悪化が防
止され、実用化に支障が生じなくなる。
を全うするので、曲面成形時におけるセル壁の接着剥が
れも防止され、ハニカムコアとしての形状が滞りなく保
持される。もって、前述したこの種従来例において、再
硬化を実施した場合に指摘されていた成形性の悪化が防
止され、実用化に支障が生じなくなる。
【0057】第2に、これと共に耐熱性にも優れてな
る。すなわち、この繊維強化プラスチック製のハニカム
コア、およびこの製造方法で得られた繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコアは、後処理にてセル壁外表面に付
着,含浸されていた補強用の熱硬化性樹脂が、その一般
的な特性に基づき、再硬化により軟化温度が上昇すべく
変化し、軟化開始温度も上昇している。もって、製品と
して使用に供された際の耐熱温度が高く、高温度域での
強度に優れ、耐熱性が大きく向上する。そこで、この繊
維強化プラスチック製のハニカムコアは、曲面への成形
性と共に耐熱性が要求される製品、例えば航空機のエン
ジンカバーとして、支障なく使用可能となる。
る。すなわち、この繊維強化プラスチック製のハニカム
コア、およびこの製造方法で得られた繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコアは、後処理にてセル壁外表面に付
着,含浸されていた補強用の熱硬化性樹脂が、その一般
的な特性に基づき、再硬化により軟化温度が上昇すべく
変化し、軟化開始温度も上昇している。もって、製品と
して使用に供された際の耐熱温度が高く、高温度域での
強度に優れ、耐熱性が大きく向上する。そこで、この繊
維強化プラスチック製のハニカムコアは、曲面への成形
性と共に耐熱性が要求される製品、例えば航空機のエン
ジンカバーとして、支障なく使用可能となる。
【0058】第3に、しかもこれは、簡単容易に実現さ
れる。すなわち、このように成形性や耐熱性に優れた繊
維強化プラスチック製のハニカムコアは、所定の変性熱
硬化性樹脂を繊維と組み合わせた母材シートを採用し、
更に、補強用に後処理にて付着,含浸される熱硬化性樹
脂を併用して、初期硬化と再硬化とを実施した、簡単な
構成よりなる。そして、従来より一般的な製造方法によ
り、コスト面にも優れ容易に製造される。このように、
この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発
明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
れる。すなわち、このように成形性や耐熱性に優れた繊
維強化プラスチック製のハニカムコアは、所定の変性熱
硬化性樹脂を繊維と組み合わせた母材シートを採用し、
更に、補強用に後処理にて付着,含浸される熱硬化性樹
脂を併用して、初期硬化と再硬化とを実施した、簡単な
構成よりなる。そして、従来より一般的な製造方法によ
り、コスト面にも優れ容易に製造される。このように、
この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発
明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアおよびその製造方法について、発明の実施の形態
の説明に供し、(1)図は繊維織物の斜視図、(2)図
は母材シートの斜視図、(3)図は波板の斜視図、
(4)図は平板の斜視図、(5)図は重積,接着された
波板そしてハニカムコアの正面図である。
ムコアおよびその製造方法について、発明の実施の形態
の説明に供し、(1)図は繊維織物の斜視図、(2)図
は母材シートの斜視図、(3)図は波板の斜視図、
(4)図は平板の斜視図、(5)図は重積,接着された
波板そしてハニカムコアの正面図である。
【図2】同発明の実施の形態の他の例の説明に供する斜
視図であり、(1)図は、繊維織物を、(2)図は母材
シートを、(3)図は接着剤を配設した母材シートを、
(4)図は重積,接着された母材シートを、(5)図は
展張された母材シートそしてハニカムコアを、それぞれ
示す。
視図であり、(1)図は、繊維織物を、(2)図は母材
シートを、(3)図は接着剤を配設した母材シートを、
(4)図は重積,接着された母材シートを、(5)図は
展張された母材シートそしてハニカムコアを、それぞれ
示す。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供する斜視図であ
り、(1)図はハニカムコアを、(2)図は浴槽に浸漬
中のハニカムコアを示す。
り、(1)図はハニカムコアを、(2)図は浴槽に浸漬
中のハニカムコアを示す。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供する斜視図であ
り、(1)図は曲面成形中の状態を、(2)図は曲面成
形後の状態を示す。
り、(1)図は曲面成形中の状態を、(2)図は曲面成
形後の状態を示す。
【図5】この種従来例に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアおよびその製造方法の説明に供し、(1)
図は繊維織物の斜視図、(2)図は母材シートの斜視
図、(3)図は波板の斜視図、(4)図は平板の斜視
図、(5)図は重積,接着された波板そしてハニカムコ
アの正面図である。
ハニカムコアおよびその製造方法の説明に供し、(1)
図は繊維織物の斜視図、(2)図は母材シートの斜視
図、(3)図は波板の斜視図、(4)図は平板の斜視
図、(5)図は重積,接着された波板そしてハニカムコ
アの正面図である。
【図6】同この種従来例の説明に供する斜視図であり、
(1)図はハニカムコアを、(2)図は浴槽に浸漬中の
ハニカムコアを示す。
(1)図はハニカムコアを、(2)図は浴槽に浸漬中の
ハニカムコアを示す。
1 ハニカムコア(従来例のもの) 2 セル壁(従来例のもの) 3 セル(従来例のもの) 4 接着剤 5 母材シート(従来例のもの) 6 繊維(従来例のもの) 7 浴槽 8 セル端面(従来例のもの) 9 波板(従来例のもの) 10 平板(従来例のもの) 11 ハニカムコア(本発明のもの) 12 繊維(本発明のもの) 13 母材シート(本発明のもの) 14 波板(本発明のもの) 15 平板(本発明のもの) 16 セル壁(本発明のもの) 17 セル(本発明のもの) 18 セル端面(本発明のもの) 19 上型 20 下型 A 熱硬化性樹脂 B 変性熱硬化性樹脂
Claims (4)
- 【請求項1】 セル壁にて区画形成された中空柱状の多
数のセルの平面的集合体よりなり、該セル壁間が接着剤
にて接着されてなる、繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアであって、 該セル壁の母材シートとして、再硬化されても軟化温度
が変化しなくなる物質が添加された変性エポキシ樹脂そ
の他の変性熱硬化性樹脂を、繊維に、付着,含浸,混入
等により組み合わせてなる、繊維強化プラスチックが用
いられており、 初期硬化後により高温で再硬化されているが、該変性熱
硬化性樹脂の特性により、軟化温度が上昇することなく
初期硬化後と変化がないこと、を特徴とする繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア。 - 【請求項2】 請求項1に記載した繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコアであって、更に後処理として、補強
用の熱硬化性樹脂が該セル壁の外表面に付着,含浸され
ており、 該熱硬化性樹脂は、初期硬化後により高温で再硬化さ
れ、その一般的な特性に基づき、軟化温度が変化し初期
硬化後より上昇していること、を特徴とする繊維強化プ
ラスチック製のハニカムコア。 - 【請求項3】 請求項1に記載した繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコアであって、曲面成形に供され、該軟
化温度で加熱しつつセル端面が所定曲率を備えるように
全体的に曲げられること、を特徴とする繊維強化プラス
チック製のハニカムコア。 - 【請求項4】 セル壁にて区画形成された中空柱状の多
数のセルの平面的集合体よりなる、繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコアの製造方法であって、 まず、再硬化されても軟化温度が変化しなくなる物質が
添加された変性エポキシ樹脂その他の変性熱硬化性樹脂
を、繊維に、付着,含浸,混入等により組み合わせてな
る、プリプレグ状の繊維強化プラスチックを母材シート
として準備し、 次に、該母材シートをギアやラック等のコルゲート成形
装置に供給して、波形の凹凸が連続的に折曲形成された
波板を成形すると共に、加熱により該変性熱硬化性樹脂
を初期硬化させた後、 複数枚の該波板を、相互間で底部と頂部とを合わせる位
置関係で、接着剤を介装しつつ重積すると共に加熱加圧
により相互間を接着し、もって、該波板をセル壁とした
セルの平面的集合体よりなるハニカムコアとした後、 後処理として、補強用の熱硬化性樹脂を該セル壁の外表
面に付着,含浸して、加熱により該熱硬化性樹脂を初期
硬化させ、 しかる後、より高温での加熱により再硬化が行われ、該
セル壁を構成する該変性熱硬化性樹脂は、その特性によ
り再硬化後も軟化温度が上昇することなくその前記初期
硬化後と変化がないのに対し、補強用の該熱硬化性樹脂
は、その一般的な特性に基づき再硬化後は軟化温度が変
化し、その前記初期硬化後より上昇していること、を特
徴とする繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32460496A JPH10146904A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32460496A JPH10146904A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10146904A true JPH10146904A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=18167683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32460496A Pending JPH10146904A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 繊維強化プラスチック製のハニカムコアおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10146904A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100773664B1 (ko) | 2005-10-14 | 2007-11-23 | 주식회사 경보 포리머 | 공기층을 구비한 전선피복용 패드 |
CN109532165A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-03-29 | 杭州友凯船艇有限公司 | 一种蜂窝芯复合材料及其制备方案 |
US20200300196A1 (en) * | 2017-08-25 | 2020-09-24 | Safran Nacelles | Structural and/or acoustic panel of a nacelle of an aircraft propulsion assembly and related manufacturing method |
CN113635612A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-11-12 | 中国航空工业集团公司济南特种结构研究所 | 一种大尺寸耐高温蜂窝的制备方法 |
-
1996
- 1996-11-20 JP JP32460496A patent/JPH10146904A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100773664B1 (ko) | 2005-10-14 | 2007-11-23 | 주식회사 경보 포리머 | 공기층을 구비한 전선피복용 패드 |
US20200300196A1 (en) * | 2017-08-25 | 2020-09-24 | Safran Nacelles | Structural and/or acoustic panel of a nacelle of an aircraft propulsion assembly and related manufacturing method |
US12090741B2 (en) * | 2017-08-25 | 2024-09-17 | Safran Nacelles | Structural and/or acoustic panel of a nacelle of an aircraft propulsion assembly and related manufacturing method |
CN109532165A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-03-29 | 杭州友凯船艇有限公司 | 一种蜂窝芯复合材料及其制备方案 |
CN113635612A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-11-12 | 中国航空工业集团公司济南特种结构研究所 | 一种大尺寸耐高温蜂窝的制备方法 |
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