JPH04239639A - 接着性を改良したアクリル樹脂積層フィルム - Google Patents

接着性を改良したアクリル樹脂積層フィルム

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JPH04239639A
JPH04239639A JP2273891A JP2273891A JPH04239639A JP H04239639 A JPH04239639 A JP H04239639A JP 2273891 A JP2273891 A JP 2273891A JP 2273891 A JP2273891 A JP 2273891A JP H04239639 A JPH04239639 A JP H04239639A
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JP
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layer polymer
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Application number
JP2273891A
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English (en)
Inventor
Suehiro Tayama
田 山 末 広
Masao Inoue
井 上 雅 勇
Kazuhiko Nakagawa
中 川 和 彦
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温室、サンル−フ、看
板、ド−ム、標識、防音壁あるいは太陽熱温水器等の被
覆材として有効な耐侯性が改良されたフィルム及び該フ
ィルムを積層したシ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂はプラスチック材料の中
で最も耐侯性の優れる材料として知られており、メチル
メタクリレ−トを主成分とするフィルムはその特徴を生
かし各種プラスチック材料の上に貼り合わせたり、積層
して耐侯性劣化を抑える目的で使用されている。
【0003】本願出願人が先に開発した(特開昭51−
129449号、特開昭52−56150号)、テエイ
パ−構造を有する多層構造重合体を素材としたメチルメ
タクリレ−トを主成分とするアクリル系樹脂フィルムは
、多層構造重合体の最外層のガラス転移温度(Tg)が
、基材となる樹脂シ−ト例えば塩化ビニル樹脂シ−トの
Tgに比べて高く、その差が大きいため両者の接着性が
不良で、ラミネ−ト加工する速度が遅く、加工のコスト
が大きくなるという問題点がある。さらにメラミン樹脂
のような熱硬化性樹脂シ−トとの接着性が極めて悪いと
いう問題点がある。
【0004】また、アクリル系樹脂フィルムの最外層の
Tgを低くすると、基材樹脂との接着性は向上するが、
フィルム自体の耐侯性は低下し、被覆材料の耐侯性を向
上させるために添加剤として用いる低分子量の紫外線吸
収剤、光安定剤のブリ−ドアウトが大きくなるという問
題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、Tgが低くて、他の樹脂シ−トとの接着性
が優れた接着層を有し、且つ耐侯性に優れ、低分子量の
紫外線吸収剤や光安定剤などの添加剤のブリ−ドアウト
の少ない表面層を有するアクリル積層フィルムを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】すなわち本発明は、少なく
とも表面層と接着層とを有するアクリル樹脂積層フィル
ムにおいて、上記表面層と接着層はそれぞれ次に示す最
内層重合体(A)、架橋弾性層重合体(B)、最外層重
合体(C)及び中間層重合体(D)を持つ多層構造重合
体で構成されており、且つ接着層を構成する多層構造重
合体の最外層重合体(C)のTgが、表面層を構成する
多層構造重合体の最外層重合体(C)のTgに比して低
いことを特徴とする積層フィルムである。
【0007】上記の多層構造重合体は、最内層重合体(
A):80〜100重量部の炭素数1〜8のアルキル基
を有するアルキルアクリレ−ト及び/又は炭素数1〜4
のアルキル基を有するアルキルメタクリレ−ト(A1)
  0〜20重量部の共重合可能な二重結合を有する単
量体(A2)、0〜10重量部の多官能性単量体(A3
)、(A1)〜(A3)の合計量100重量部に対し0
.1〜5重量部のグラフト交叉剤(A4)、の組成から
なり、芯部に存在する重合体。 架橋弾性層重合体(B):80〜100重量部の炭素数
1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレ−ト(B
1)、0〜20重量部の共重合可能な二重結合を有する
単量体(B2)、0〜10重量部の多官能性単量体(B
3)、(B1)〜(B3)の合計量100重量部に対し
0.1〜5重量部のグラフト交叉剤(B4)、の組成か
らなり、最内層重合体(A)の外側に存在する重合体。 最外層重合体(C):51〜100重量部の炭素数1〜
4のアルキルメタクリレ−ト(C1)、0〜49重量部
の共重合可能な二重結合を有する単量体(C2)、の組
成からなり、Tgが少なくとも60℃である外表面に存
在する重合体。 中間層重合体(D):10〜90重量部の炭素数1〜8
のアルキル基を有するアルキルアクリレ−ト(D1)、
90〜10重量部の炭素数1〜4のアルキル基を有する
アルキルメタクリレ−ト(D2)、0〜20重量部の共
重合可能な二重結合を有する単量体(D3)、0〜10
重量部の多官能性単量体(D4)、(D1)〜(D4)
の合計量100重量部に対し0.1〜5重量部のグラフ
ト交叉剤(D5)、の組成からなり、架橋弾性層重合体
(B)と最外層重合体(C)の中間に存在し、且つアル
キルアクリレ−ト量が架橋弾性層重合体(B)から最外
層重合体(C)に向かって単調減少する重合体。からな
り、ゲル含有量が少なくとも50%で、残存金属含有量
が500ppm以下の多層構造重合体である。
【0008】本発明の多層フィルムの表面層及び接着層
を構成する多層構造重合体は、特定のアルキルアクリレ
−ト及び/又はアルキルメタクリレ−トを主成分とする
最内層重合体(A)の存在下においてアルキルアクリレ
−トを主成分とする架橋弾性層重合体(B)を重合し、
最外層としてアルキルメタクリレ−トを主成分とするガ
ラス転移温度が少なくとも60℃の最外層重合体(C)
を配置し、該重合体(B)層と該重合体(C)層との間
に、アルキルアクリレ−トの量が該重合体(B)層から
該重合体(C)層に向かって単調減少するような中間層
重合体(D)層を介在させた多層構造重合体である。し
かもこの多層構造重合体は、最外層重合体(C)以外の
各重合体層中に特定範囲量のグラフト交叉剤を用い最終
重合体(アクリル系多層構造重合体)のゲル含有量と残
存金属含有量が特定量に規定されたものである。そして
、表面層を構成する多層構造重合体のうちの最外層重合
体(C)のTgが85〜100℃で、接着層を構成する
多層構造重合体のうちの最外層重合体(C)のTgが6
0〜90℃であり、かつ接着層の最外層重合体(C)の
Tgが表面層の最外層重合体(C)のTgよりも低いこ
とにより、上記の目的が達成される。
【0009】一般にアクリル系ゴムはジエン系ゴムに比
べると耐侯性に優れる反面弾性回復が遅くストレスに対
する変形が大きく、かつゴム効率も小さい性質を示す。 すなわち優れた耐侯性を保持したまま耐溶剤性、耐水白
化性等の諸性質をも具備させるためには従来の一層のみ
からなる弾性構造では限度がある。本発明においてはこ
のような欠点を解決するために架橋弾性層重合体(B)
の芯に最内層重合体(A)を存在させたものである。す
なわちストレスを与えたときに架橋弾性層重合体(B)
層中に集中される応力を最内層重合体(A)の存在によ
って分散させて緩和させ、この結果ミクロボイドの発生
率も大となって見かけ上応力白化を生じなくても優れた
耐衝撃性を示すものと考えられる。
【0010】以下に、本発明における多層構造重合体の
各層の重合体について説明する。なお、この説明におい
て特に断わりのないかぎり、「部」および「%」は重量
基準のものである。最内層重合体(A)及び架橋弾性層
重合体(B)について。
【0011】まず、最内層重合体(A)について説明す
る。最内層重合体(A)を構成する炭素数1〜8のアル
キル基を有するアルキルアクリレ−ト(A1)としては
直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチルアクリレ−ト
、エチルアクリレ−ト、プロピルアクリレ−ト、ブチル
アクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、n−
オクチルアクリレ−トなどが単独又は混合で用いられる
がガラス転移点Tgの低いものがより好ましい。また炭
素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレ−
ト(A1)としては直鎖状、分岐状のいずれでも良く、
メチルメタクリレ−ト、エチルメタクリレ−ト、プロピ
ルメタクリレ−ト、ブチルメタクリレ−ト等が単独また
は混合で用いられる。またこれらのアルキルアクリレ−
トとアルキルメタクリレ−トとを混合して用いても良い
。これらアルキル(メタ)アクリレ−ト(A1)はト−
タルで80〜100部の範囲で用いられる。またこれら
のアルキル(メタ)アクリレ−トはその後全多段層(A
〜D)に統一して用いるのが最も好ましいが、A〜Dの
いずれにおいても最終目的によっては2種以上の単量体
を混合したり、別種のアクリレ−トを用いても良い。
【0012】共重合可能な二重結合を有する単量体(A
2)には低級アルキルアクリレ−ト、低級アルコキシア
クリレ−ト、シアノエチルアクリレ−ト、アクリルアミ
ド、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル性単量体が
好ましく、0〜20部の範囲で用いられる。その他、最
内層重合体(A)成分中20重量%を超えない範囲でス
チレン、アルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等を更に加えることができる。
【0013】多官能性単量体(A3)にはエチレングリ
コ−ルジメタクリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ル
ジメタクリレ−ト、1,4−ブチレングリコ−ルジメタ
クリレ−ト及びプロピレングリコ−ルジメタクリレ−ト
のようなアルキレングリコ−ルジメタクリレ−トが好ま
しく、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリ
ビニルベンゼン及びアルキレングリコ−ルジアクリレ−
ト等も使用可能である。これらの単量体はそれが含まれ
る重合体層自体を橋かけするのに有効に働き、他の重合
体層との間の結合には作用しない。多官能性単量体(A
3)は全く使用されなくてもグラフト交叉剤(A4)が
存在する限りかなり安定な多層構造重合体が得られるが
、熱間強度等が厳しく要求されたりする場合などには添
加するのが好ましく、0〜10部の範囲で添加目的に応
じて使用される。
【0014】グラフト交叉剤(A4)は付加重合性を有
する不飽和基を2〜3個有し、その各不飽和基の重合反
応性に大きな差のある化合物を指し、好ましくは共重合
性のα,β−不飽和カルボン酸又はジカルボン酸のアリ
ル、メタリル又はクロチルエステルさらに好ましくはそ
のアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びフマル酸
のアリルエステルが用いられ、特にアリルメタクリレ−
トが優れた効果を奏する。その他トリアリルシアヌレ−
ト、トリアリルイソシアヌレ−ト等も有効である。これ
らは単独で又は2種以上混合して用いられる。このよう
なグラフト交叉剤は主としてそのエステルの共役不飽和
結合がアリル基、メタリル基またはクロチル基よりはる
かに速く反応し、化学的に結合する。この間アリル基、
メタリル基又はクロチル基の実質上のかなりの部分は、
次層の架橋弾性層重合体(B)の重合中に有効に働き隣
接2層間にグラフト結合を与える。
【0015】グラフト交叉剤(A4)の使用量は極めて
重要で上記成分A1〜A3の合計量100部に対して0
.1〜5部、好ましくは0.5〜2部の範囲で用いられ
る。0.1部未満ではグラフト結合の有効量が少なく、
また5部を超えると2段目に重合形成される架橋弾性層
重合体(B)との反応量が大となり、本発明の特徴の一
つである二層弾性体構造からなる二層架橋ゴム弾性体の
弾性低下を招く。
【0016】最内層重合体(A)はグラフト活性の層で
あり、そのTgは最終重合体の要求される物性に応じて
適宜設定されるものである。またその架橋密度は一般に
架橋弾性層重合体(B)と同じか、むしろ高いほうが品
質的に有利である。なお最内層重合体(A)と架橋弾性
層重合体(B)とは同一組成の場合もあり得るがその場
合でも一時仕込とするのではなく、あくまでも二段重合
による二層弾性体構造とすることが重要であり、触媒量
、架橋密度等の設定は重合体(A)の方が高いほうが有
利である。初期重合性を考慮すると最内層重合体(A)
の存在は、安定した多層構造重合体を得るために極めて
重要であり、一般に触媒量は各重合体層中最も多く仕込
むことが好ましい。
【0017】グラフト交叉剤(A4)の使用は2段目に
形成される架橋弾性層重合体(B)との間に化学的に結
合させた二層弾性体構造を有効に合成させるために必須
のものである。このグラフト結合がないと二層弾性構造
は溶融成形時に容易に相破壊を生じゴム効率が低下する
ばかりか、所期の目的の、優れた耐侯性、耐溶剤性、耐
水白化性等を示さなくなる。
【0018】多層構造重合体中の最内層重合体(A)の
含有量は5〜35%、さらには5〜15%が好ましく、
架橋弾性層重合体(B)の含有量より低いことが好まし
い。
【0019】次に架橋弾性層重合体(B)について説明
する。架橋弾性層重合体(B)は多層構造重合体にゴム
弾性を与える主要な成分であり、これを構成する(B1
)〜(B4)には前述した最内層重合体(A)で使用さ
れる(A1)〜(A4)がそれぞれ用いられる。(B1
)成分は80〜100部、(B2)成分は0〜20部、
(B3)成分は0〜10部、(B4)成分は(B1)〜
(B3)の合計量100部に対して0.1〜5部の範囲
でそれぞれ用いられる。架橋弾性層重合体(B)単独の
Tgは0℃以下、さらには−30℃以下が好ましい物性
を与える。
【0020】多層構造重合体中の架橋弾性層重合体(B
)の含有量は10〜45%の範囲が好ましく、また最内
層重合体(A)の含有量より高いことが好ましい。 このように最内層重合体(A)と架橋弾性層重合体(B
)とがグラフト重合された二層弾性体構造からなる二層
架橋ゴム弾性体を有することにより従来の単一系ゴムで
は到達できなかった種々の諸性質を同時に満足させるこ
とが可能となる。なおこの二層架橋ゴム弾性体は下記の
測定法で求めたゲル含量が85%以上、膨潤度が3〜1
3の範囲に設定されていることが優れた耐溶剤性及び耐
水白化性を得るために好ましい。
【0021】(ゲル含有量、膨潤度の測定法)JIS 
 K−6388に準じ二層架橋ゴム弾性体を所定量採取
し、25℃で48時間メチルエチルケトン(以下MEK
と称す)中に浸漬膨潤後引き上げ、付着したMEKを拭
い取った後その重量を測定し、その後減圧乾燥機中でM
EKを乾燥除去し恒量になった絶乾重量を読みとり次式
によって算出する。 膨潤度=(MEK膨潤後の重量−絶乾重量)/絶乾重量
ゲル含有量(%)=(絶乾重量/採取サンプルの重量)
×100
【0022】一般に架橋弾性層重合体(B)の重合度は
できるだけ高いと最終重合体に高い衝撃強度が付与され
る。一方芯となる最内層重合体(A)についてはこの限
りではなく、むしろ粒子形成を含めた所期重合の安定性
のためにも触媒使用量が多く、またグラフト活性剤も多
量に用いられたほうが二層架橋ゴム弾性体としての性能
が良好になりやすい。このような複合効果は従来の単独
の一層ゴム重合体系では得られないものである。
【0023】最外層重合体(C)について。 最外層重合体(C)は多層構造重合体に成形性、機械的
性質等を分配するのに関与し、これを構成する(C1)
および(C2)成分には(A1)成分および(A2)成
分に用いられるものがそれぞれ用いられる。(C1)成
分は51〜100部、(C2)成分は0〜49部の範囲
で使用される。なお最外層重合体(C)単独のTgは優
れた耐溶剤性や耐水白化性を得るために、60℃以上で
あることが必要であり、このTgが60℃未満ではたと
え後述の最終重合体のゲル含有量が50%以下であって
もその耐溶剤性、耐水白化性は優れたものとなり得ない
【0024】本発明においては、この最外層重合体(C
)について、接着層を構成する多層構造重合体の最外層
重合体(C)のTgが、表面層を構成する多層構造重合
体の最外層重合体(C)層のTgに比して低くすること
により前述した初期の目的を達成することができる。多
層構造重合体中の最外層重合体(C)の含有量は10〜
80%、さらには40〜60%が好ましい。
【0025】中間層重合体(D)について。 本発明における多層構造重合体は、上記最内層重合体(
A)、架橋弾性層重合体(B)及び最外層重合体(C)
を基本構造単位とし、さらに架橋弾性層重合体(B)層
と最外層重合体(C)層の間に中間層重合体(D)が存
在する。この中間層重合体(D)は10〜90部の炭素
数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレ−ト(
D1)、90〜10部の炭素数1〜4のアルキル基を有
するアルキルメタクリレ−ト(D2)、0〜20部の共
重合可能な二重結合を有する単量体(D3)、0〜10
部の多官能性単量体(D4)、およびこれらD1〜D4
の合計量100部に対し0.1〜5部のグラフト交叉剤
(D5)の組成から構成される。中間層重合体(D)層
は、該中間層重合体(D)層中のアルキルアクリレ−ト
の量が架橋弾性層重合体(B)層から最外層重合体(C
)層に向かって単調減少するように少なくとも一層配設
されているものである。
【0026】ここで(D1)には(A1)に使用できる
アルキルアクリレ−トが、(D2)には(A1)に使用
できるアルキルメタクリレ−トが使用でき、(D3)〜
(D5)の各成分は前記(A2)〜(A4)に使用でき
る各成分を用いることができる。中間層層(D)に使用
されるグラフト交叉剤(D5)は、各重合体層を密に結
合させ、優れた諸性質を得るのに必須である。B層とC
層は屈折率が異なるため、屈折率の勾配をつけるために
D層を設ける。D層では必ずアクリレ−ト量が単調減少
しなければならないが、アクリレ−ト分布を制御するに
はアクリレ−トの供給量を変化させればよい。多層構造
重合体中の中間層層(D)の含有量は5〜35%が好ま
しく、5%未満では中間層層としての機能が充分でなく
、35%を超えると最終重合体のバランスを崩すおそれ
があるので好ましくない。
【0027】多層構造重合体は、上記(A)、(B)、
(C)および(D)の重合体層から構成されるものであ
るが、さらに優れた耐溶剤性、耐水白性を得るためには
ゲル含有量が少なくとも50%、好ましくは少なくとも
60%であることが必要であり、これが本発明の大きな
特徴の一つである。この場合のゲル含有量は二層架橋ゴ
ム弾性体(最内層重合体(A)及び架橋弾性層重合体(
B)からなる)自体と、中間層重合体(D)及び最外層
重合体(C)の外架橋ゴム弾性体へのグラフト成分を含
むものであり、ここでゲル含有量の定義は前記と同じで
ある。成分としては二層架橋ゴム弾性体とグラフト鎖と
の加算重量でありグラフト率で置き換えることもできる
が、本発明では多層構造重合体が特殊な構造を有するの
でゲル含有量を持ってグラフト量の目安とした。
【0028】耐溶剤性の点からいうとゲル含有量は大き
いほど有利であるが、易成形性の点からいうとある量以
上のフリ−ポリマ−の存在が必要であるためゲル含有量
の上限は80%程度が好ましい。
【0029】多層構造重合体を製造するに際して最終重
合体のエマルジョン粒子径は特に制限はないが800〜
2000Å程度の範囲が最もバランスのとれた構造が得
られる。なお製造に際して使用する界面活性剤、触媒等
には特別の制限はなく、必要に応じて酸化防止剤、滑剤
等の添加剤を加えて塩析処理する。
【0030】ここで金属塩を用いて塩析処理する場合、
最終生成物中への残存金属含有量を500ppm以下に
することが極めて重要であり、これは本発明の大きな特
徴の一つである。特にマグネシウム、ナトリウム等の水
との親和性の強い金属塩を塩析剤として使用する際はそ
の残存金属含有量を極力少なくしないと最終重合体を沸
水中に浸漬したときに白化現象を生じ実用上大きな問題
となる。なおカルシウム系、硫酸系凝固を行うと比較的
良好な傾向を示すがいずれにしても優れた耐水白化性を
与えるためには重合体を洗浄する等の方法により残存金
属含有量を500ppm以下にすることが必要であり、
残存金属は微量であるほど良い。
【0031】多層構造重合体の製造法としては、乳化重
合法による逐次多段重合法が最も適した重合法であるが
、これに限らず、例えば乳化重合後最外層重合体(C)
の重合時に懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合法によ
っても行うことができる。
【0032】第1図は上述の多層構造重合体で構成され
た本発明の多層フィルムの一例である。1は表面層、2
は接着層である。この接着層2を所望とする加工面に接
着する。また、本発明では、表面層1と接着層2の間に
中間層を設けても良い。上述の多層構造重合体から本発
明の多層フィルムを製造するには、押出機を用いての共
押出成形、押出ラミネ−ション成形、あるいは一方のフ
ィルムを形成した後他の重合体を含む溶液を流延して溶
剤を除去する方法など、特に制限なく公知のフィルム積
層方法が採用できる。上記の方法のなかでは共押出成形
による方法が最も望ましい。その理由は■高価な材料を
より薄い層として形成できコストの節約ができること、
■溶剤を用いないので加工工程中で公害問題を考える必
要がないこと、■ピンホ−ルが発生しにくいこと、■厚
味構成比の自由度が大きいこと、などの特徴があるため
である。この共押出成形に用いるダイは一般的に使用さ
れるマルチマニホ−ルド型、フィ−ドブロック型あるい
はこれらの変形もしくは複合型より選択できる。
【0033】本発明の積層フィルムを耐侯性保護フィル
ムとして使用する場合、表面層は10〜200μm、接
着層は3〜20μm程度にすることが好ましい。接着層
2は接着性は良好であるが、耐侯性、機械的強度の点か
ら薄くする方が良いが、その厚さが3μm未満では均一
な膜厚を得ることが難しい。表面層1は耐侯性、機械的
強度を保持するためにはある程度の厚みが必要である。 さらに耐侯性を改善する目的で添加する紫外線吸収剤や
光安定剤の添加濃度を極端に高くしないためにもあまり
薄くすることは好ましくない。10〜200μm程度の
厚さにすれば、問題は発生しにくい。また一般に二種類
のポリマ−の共押出成形では相互の層比は1/10〜1
/20程度が限界であり、層比をこの値より大きくして
おくほうが生産しやすい。
【0034】また、表面層と接着層の間には、中間層と
してアクリル樹脂層やポリカ−ボネ−ト樹脂層などの樹
脂層が多種多層存在しても良い。
【0035】
【実施例】実施例1〜3まず、表面層を形成させるため
のアクリル系多層構造重合体を次のようにして合成した
【0036】冷却器付き重合容器内にイオン交換水25
0部、スルフォコハク酸のエステルソ−ダ塩2部、ロン
ガリット(SFS)0.05部を仕込み、窒素下で撹拌
後メチルメタクリレ−ト(MMA)1.6部、ブチルア
クリレ−ト(BuA)8部、1.3−ブチレングリコ−
ルジメタクリレ−ト(BD)0.4部、アリルメタクリ
レ−ト(AMA)0.1部及びクメンヒドロパ−オキサ
イド(CHP)0.04部からなる混合物を仕込んだ。 70℃に昇温後60分間反応を継続させ最内層重合体(
A)の重合を完結した。
【0037】続いてMMA1.5部、BuA22.5部
、BD1.0部、AMA0.25部から成る架橋弾性層
重合体(B)を形成する単量体混合物を60分間で添加
し重合して、最内層重合体(A)を架橋弾性層重合体(
B)で覆った二層架橋ゴム弾性体を得た。この場合架橋
弾性層該重合体(B)の形成に対して用いたCHPの量
は当該単量体混合物に対して0.05重量%であった。
【0038】得られた二層架橋ゴム弾性体の膨潤度、ゲ
ル含有量を求めたところ夫々10.0、90%であった
。続いて中間層重合体(D)を形成させるためにMMA
5部、BuA  5部、BuA5部及びAMA0.1部
の混合物を反応させ、最後にMMA52.25部、Bu
A2.75部を反応させてTg=86.6℃の最外層重
合体(C)を形成した。最終粒子径は1000〜150
0Åの範囲であった。得られた重合体エマルジョンを重
合体100部に対して5部の塩化カルシウムを用いて塩
析し洗浄後乾燥し、安定剤を添加後賦形し種々の評価を
行った。最終重合体中のカルシウムの残存量はほぼ20
0ppm、ゲル含有量は67%の値を示した。
【0039】次に、接着層を形成させるためのアクリル
系多層構造重合体を合成した。この多層構造重合体も、
上記表面層の場合と同様に、最内層重合体(A)、架橋
弾性層重合体(B)、中間層重合体(D)及び最外層重
合体(C)を順次反応させた。ただし、最外層重合体(
C)を形成させるための単量体を次のように変えた。
【0040】 実施例  1    MMA  55.2部、  Bu
A  4.8部 実施例  2    MMA  53.0部、  Bu
A  7.0部 実施例  3    MMA  50.5部、  Bu
A  9.5部 参考例        MMA  47.5部、  B
uA12.5部
【0041】得られた多層構造重合体のTgはそれぞれ
順に84.0℃、75.1℃、65.7℃、54.9℃
であった。生成した重合体エマルジョンを重合体100
部に対して5部の塩化カルシウムを用いて塩析し、洗浄
後乾燥した。得られた重合体1〜4のHDTをASTM
−D648に基づいて測定したところそれぞれ77.7
℃、76.9℃、71.4℃、64.8℃であった。こ
れら4種の多層構造重合体のうち参考例の重合体は40
℃で凝固粉を乾燥したにもかかわらず、Tgが低いため
乾燥粉が融着ブロック化し、押出し成形することができ
なかった。
【0042】表面層の多層構造重合体を接着層の実施例
1〜3の多層構造重合体の両者を次の条件で共押出成形
し、3種類の積層フィルムを得た。
【0043】■表面層の多層構造重合体115mmφ(
スフリュ−径)押出機 樹脂温度  245℃ 吐出量    250kg/時(厚さ50μm用)
【0
044】■接着層の多層構造重合体65mmφ(スフリ
ュ−径)押出機 樹脂温度245℃ 吐出量  38.6kg/時(厚さ5μm用)ダイス:
幅1400mm、フィ−ドブロック方式
【0045】上
記3種類の積層フィルムと塩化ビニル樹脂シ−トあるい
はメラミン樹脂板とを次のようにして接着させ、接着性
を評価した。、また比較例として表面層の多層構造重合
体のみの単層フィルムと塩化ビニル樹脂シ−トあるいは
メラミン樹脂板との接着性も評価した。
【0046】■塩化ビニル樹脂シ−トとの接着性塩化ビ
ニル樹脂シ−トと実施例1〜3および比較例のフィルム
を、実施例1〜3については接着層が塩化ビニル樹脂シ
−ト側になるようにして金属板にはさみ100℃で30
秒間予熱して金属ロ−ルとゴムロ−ルの間を90cm/
secの速さで2回通すことによってフィルムと樹脂シ
−トとの接着を行った。得られた接着物はJIS  D
O202に基づいてフィルム接着剤にクロスカットの切
り込みを入れ、粘着テ−プを貼り付けて剥離した後に、
剥離されずに残ったゴバン目の数によって評価を行った
【0047】■メラミン樹脂板との接着性メラミン樹脂
板と実施例1〜3および比較例のフィルムを、実施例1
〜3については接着層がメラミン樹脂板側になるように
金属板にはさみ160℃、40kg/cm2で30分加
熱プレスし、フィルム層にカッタ−で切り込みを入れ手
で剥離できるか否かで接着性を評価した。 それぞれの結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】これらの結果より塩化ビニル樹脂シ−ト、
メラミン樹脂板のような被覆材との接着性が本発明の方
法で良好となることが明らかになった。
【0050】
【発明の効果】本発明のアクリル樹脂積層フィルムは、
耐候性が良好であり、塩化ビニル樹脂シ−トやポリカ−
ボネ−ト樹脂など他の樹脂のシ−トとの接着性も極めて
優れている。そのためこれらの他の基材樹脂シ−トにラ
ミネ−トして、基材樹脂シ−トに耐候性を付与する際に
おけるラミネ−ト速度を上げることができ、更にはラミ
ネ−ト温度や圧力を下げることができるので生産性コス
トの面で極めて有効である。また、本発明のアクリル樹
脂積層フィルムは、これまでのアクリル系フィルムでは
接着することの出来なかったメラミン樹脂などの熱硬化
性樹脂板との接着も良好なので、これらの樹脂板の屋外
での使用を可能にすることができる。4.図面の簡単な
説明
【図1】本発明の積層フィルムの1例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1  表面層 2  接着層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面層と接着層とを有するアク
    リル樹脂積層フィルムにおいて、上記表面層と接着層は
    、それぞれ次に示す最内層重合体(A)、架橋弾性層重
    合体(B)、最外層重合体(C)及び中間層重合体(D
    )を持ち、ゲル含有量が少なくとも50%、残存金属含
    有量が500ppm以下である多層構造重合体で構成さ
    れており、且つ接着層を構成する多層構造重合体の最外
    層重合体(C)のガラス転移温度が、表面層を構成する
    多層構造重合体の最外層重合体(C)のガラス転移温度
    に比して低いことを特徴とするアクリル樹脂積層フィル
    ム。 最内層重合体(A):80〜100重量部の炭素数1〜
    8のアルキル基を有するアルキルアクリレ−ト及び/又
    は炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリ
    レ−ト(A1)  0〜20重量部の共重合可能な二重
    結合を有する単量体(A2)、0〜10重量部の多官能
    性単量体(A3)、(A1)〜(A3)の合計量100
    重量部に対し0.1〜5重量部のグラフト交叉剤(A4
    )、の組成からなり、芯部に存在する重合体。 架橋弾性層重合体(B):80〜100重量部の炭素数
    1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレ−ト(B
    1)、0〜20重量部の共重合可能な二重結合を有する
    単量体(B2)、0〜10重量部の多官能性単量体(B
    3)、(B1)〜(B3)の合計量100重量部に対し
    0.1〜5重量部のグラフト交叉剤(B4)、の組成か
    らなり、最内層重合体(A)の外側に存在する重合体。 最外層重合体(C):51〜100重量部の炭素数1〜
    4のアルキルメタクリレ−ト(C1)0〜49重量部の
    共重合可能な二重結合を有する単量体(C2)の組成か
    らなり、ガラス転移温度が少なくとも60℃である外表
    面に存在する重合体。 中間層重合体(D):10〜90重量部の炭素数1〜8
    のアルキル基を有するアルキルアクリレ−ト(D1)、
    90〜10重量部の炭素数1〜4のアルキル基を有する
    アルキルメタクリレ−ト(D2)、0〜20重量部の共
    重合可能な二重結合を有する単量体(D3)、0〜10
    重量部の多官能性単量体(D4)、(D1)〜(D4)
    の合計量100重量部に対し0.1〜5重量部のグラフ
    ト交叉剤(D5)、の組成からなり、架橋弾性層重合体
    (B)と最外層重合体(C)の中間に存在し、且つアル
    キルアクリレ−ト量が架橋弾性層重合体(B)から最外
    層重合体(C)に向かって単調減少する重合体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001287314A (ja) * 2000-04-04 2001-10-16 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート

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