JP3916275B2 - アクリルフィルム積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリルフィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
木質材料等の成形品においては、表面外観を良好にし、さらに耐久性を付与するために塗装を行うことが一般的である。しかしながら、溶剤を大量に取り扱う塗装工程は作業性が悪く、改善が求められている。そしてさらにその塗装には、熟練した作業員による技術を必要とし、深みや高級感のある十分な表面外観を得るためには数回から、多い物では十数回の繰り返し塗装が必要であり、そのために多大なコストがかかり、生産性も悪いものとなっている。また、近年作業環境の改善という点から、大量の有機溶剤を使用する塗装工程が問題となってきている。
【0003】
一方、塗装を行う代わりにプラスチックフィルムを成形品に接着して意匠性を付与する方法があり、メンブレンプレス機を用いた積層方法が広く用いられている。この方法は、種々の形状に適応できる点で有利であるが、加熱によって軟化したフィルムをシリコン等のゴムで直接押さえつけるために、ゴムの表面外観が転写されて光沢度を低下させ、鏡面光沢を必要とする場合には接着されたフィルムの表面を研磨し、再塗装することが必要である。
【0004】
これらの問題を解決する方法としてアクリルフィルムと意匠性薄膜とを、アクリルシラップをバインダーとして固化接着した後、熱可塑性樹脂とインモールド成形法により一体化成形させる方法があるが、アクリルフィルムがアクリルシラップに対して耐性が充分でないと、アクリルシラップが固化するまでにアクリルフィルムが侵され、フィルム表面にクレイズが発生することがある。クレイズが発生すると、それがわずかであっても、その後の熱成形によって欠陥部分が著しく拡大し、商品価値を低下させるという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した如くの状況に鑑み、鋭意検討を進めた結果、アクリルフィルムとして特定の物性を有するものを用いることにより、上記の問題点が解決できることを見い出し本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、厚みが100〜300μmであり、かつASTM D648にて測定した熱変形温度が90℃以上であるアクリルフィルムと意匠性薄膜とを、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)20〜70重量部と該(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に可溶な重合体(B)および/またはオリゴマー(C)30〜80重量部とからなる(ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100重量部とする。)アクリルシラップをバインダーとして固化接着したアクリルフィルム積層体である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるアクリルフィルムは、厚みが100〜300μmであり、かつASTM D648にて測定した熱変形温度が90℃以上のものである。
【0008】
アクリルフィルムの組成としては、上記の物性を有するようなものであれば特に限定されないが、下記に示すアクリル系樹脂組成物からなるものが好ましく使用できる。
【0009】
アクリル系樹脂組成物:
メタクリル酸メチル50〜100重量%とこれと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.2 l/gを越える熱可塑性重合体(I)0〜10重量部、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合性ビニル単量体0〜49.9重量%および共重合性の架橋性単量体0.1〜10重量%からなる弾性共重合体100重量部に、メタクリル酸エステル50〜100重量%とこれと共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%からなる単量体またはその混合物10〜400重量部が結合されている重合体であり、かつその粒径が0.2〜0.4μmであるゴム含有重合体(II)5.5〜25重量部、および炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸エステル50〜100重量%、アクリル酸エステル0〜50重量%およびこれと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜49重量%からなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1 l/g以下である熱可塑性重合体(III) 65〜94.5重量部からなり(ただし、(I)と(II)と(III) の合計を100重量部とする。)、ゴム含有重合体(II)中の弾性共重合体の割合が上記重合体成分(I)、(II) および(III) の合計に対して5〜18重量%であるアクリル系樹脂組成物。
【0010】
本発明において、アクリル系樹脂組成物を構成するのに用いられる熱可塑性重合体(I)は、メタクリル酸メチル50〜100重量%とこれと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.2l/gを越える熱可塑性重合体であり、フィルムの製膜性を向上せしめる成分である。
【0011】
熱可塑性重合体(I)は必須成分ではないが、充分なフィルムの成形性を得るためには、樹脂組成物100重量部中0.1重量部以上使用することが好ましい。しかし、10重量部を越えて使用すると樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎてフィルムの製膜性が悪くなり、透明性も低下するようになる。
【0012】
熱可塑性重合体(I)においては、還元粘度が重要であり、還元粘度が0.2l/g以下では、厚み精度の良好なフィルムを得ることが困難になる。このため熱可塑性重合体(I)の還元粘度は、通常0.2 l/gを越えて2.0 l/g以下とするのが好ましく、より好ましくは、1.2 l/g以下である。
【0013】
熱可塑性重合体(I)を構成するのに使用されるメタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体として、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物等が挙げられる。熱可塑性重合体(I)は上記の単量体を用い、乳化重合によって得ることが好ましい。乳化重合は、公知の方法で行うことができる。
【0014】
本発明において、アクリル系樹脂組成物を構成するのに用いられるゴム含有重合体(II)は、樹脂組成物に優れた耐衝撃性と伸度を付与する作用を有し、アクリル酸アルキルエステルをゴムの主成分として含む多層構造を有するグラフト共重合体である。
【0015】
ゴム含有重合体(II)は、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合性ビニル系単量体0〜49.9重量%および共重合性の架橋性単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を重合させて弾性体を製造し、その得られた弾性共重合体100重量部の存在下にメタクリル酸エステル50〜100重量%とこれと共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%からなる単量体またはその混合物10〜400重量部を1段もしくは2段以上で重合させることにより得られるものである。
【0016】
弾性共重合体を得るのに用いられるアクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜8のものが挙げられ、そのうちアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が好ましい。また、弾性共重合体を得るに際しては、49.9重量%未満の他の共重合性のビニル単量体を共重合させることができる。共重合性のビニル単量体の例としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル、スチレン、アクロニトリル等が挙げられる。さらに弾性共重合体を得るのに用いられる共重合性架橋性単量体は特に限定されないが、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌネート、ジビニルベンゼン、マレイン酸ジアリル、トリメチロールトリアクリレート、アリルシンナメート等が挙げられ、これらを単独または組み合わせて用いることができる。
【0017】
弾性共重合体にグラフトさせるのに用いられる単量体としては、メタクリル酸エステルを50重量%以上含有するものが使用される。メタクリル酸エステルの具体的例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。メタクリル酸エステルと50重量%以下の量で使用される共重合可能な他のビニル単量体としては特に限定されないが、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル、スチレン、アクリロニトリル等が好ましい例として挙げられる。グラフトさせる単量体または単量体混合物は、弾性共重合体100重量部に対し10〜400重量部、好ましくは20〜200重量部が使用され、1段もしくは2段以上で重合される。グラフトさせる単量体または単量体混合物が、弾性共重合体100重量部に対し10重量部未満では、弾性共重合体の凝集による透明性の低下が起り易くなる。
【0018】
ゴム含有重合体(II)の粒径は0.2〜0.4μmであり、好ましくは0.25〜0.35μmである。粒径が0.2μm未満では、得られるアクリルフィルムがもろくなり、フィルムの製膜が困難となる。一方、粒径が0.4μmを越えると得られるフィルムの透明性が低下するようになる。
【0019】
ゴム含有重合体(II)は、樹脂組成物中5.5〜25重量部使用されるが、特にゴム含有重合体(II)中の弾性共重合体の割合が重合体(I),(II)および(III) の合計に対して5〜18重量%の範囲であることが好ましい。弾性共重合体の割合が5重量%未満では得られるフィルムがもろくなって製膜が困難となり、一方、18重量%を越えるとフィルムの透明性が悪くなり、また、表面硬度も低下するようになる。
なお、上記のゴム含有重合体(II)は、通常の乳化重合法によって得ることができる。
【0020】
また、本発明において、アクリル系樹脂組成物を構成するのに使用される熱可塑性重合体(III) は、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸エステル50〜100重量%、アクリル酸エステル0〜50重量%およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜49重量%とからなり、重合体の還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1 l/g以下である重合体である。熱可塑性重合体(III) の還元粘度が0.1 l/gを越えると、フィルム原料樹脂の溶融粘度が高くなり過ぎて製膜性が困難となるため、還元粘度は0.05 l/g以上0.1 l/g以下であることが好ましい。還元粘度が0.05 l/gより低いとフィルムがもろくなり、フィルム製膜時、および印刷時にフィルムの切断を起こしやすくなる。
【0021】
熱可塑性重合体(III) を得るのに使用されるメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられるが、メタクリル酸メチルが最も好ましい。熱可塑性重合体(III) を得るのに使用されるアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。アクリル酸エステルは重合体中0〜50重量%で使用され、好ましくは0.1〜40重量%の範囲である。また、共重合可能な他のビニル単量体としては公知の単量体、例えばスチレン、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド化合物等が挙げられ、その使用量は重合体中0〜49重量%の範囲である。
【0022】
熱可塑性重合体(III) の重合方法は、特に限定されないが、通常の懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の方法で重合できる。
【0023】
熱可塑性重合体(III) は、樹脂組成物100重量部中65〜94.5重量部の範囲で使用されるが、65重量部未満では熱変形温度が低くなり、一方、94.5重量部を越えるとフィルムがもろくなり、フィルムの製膜時、あるいは印刷時にフィルムの切断を起しやすくなる。
【0024】
本発明で用いられるアクリルフィルムの製造法としては、溶融流延法や、Tダイ法、インフレーション法などの溶融押出法、カレンダー法などのいずれの方法を用いてもよいが、経済性の点からTダイ法で製造するのが好ましい。
【0025】
以上のような構成からなる本発明で用いられるアクリルフィルムにおいては、厚みが100〜300μmで、かつASTS D648にて測定された熱変形温度が90℃以上であることが重要である。フィルムの厚みが100μm未満では充分な深みのある成形品外観が得られず、特に複雑な形状に成形する場合、延伸によって充分な厚みが得られなくなる。さらにアクリルシラップと積層硬化する際に、アクリルシラップのモノマーによって侵され、クレイズが発生しやすくなる。一方、300μmを越えると剛性が大きくなるため、ラミネート性、二次加工性等が低下してフィルムとしての使用ができなくなる上に、単位面積あたりの重量も増大するため経済的にも不利であり、さらに製膜が困難で、安定してフィルムを製造することができなくなる。
【0026】
さらにアクリルフィルムの熱変形温度が90℃未満であると、アクリルフィルムと意匠性薄膜とを、アクリルシラップをバインダーとして固化接着する際に、アクリルフィルムがアクリルシラップに侵されやすく、クレイズが発生するようになる。クレイズが発生すると、それがわずかであっても、その後の熱成形によって欠陥部分が著しく拡大され、商品価値を低下させる。さらに熱変形温度が90℃未満であると、アクリルフィルム積層成形品の加熱時に残留応力による表面荒れが発生することがある。さらには耐熱性を必要とする車輌用途には使用できなくなる。したがって、アクリルフィルムの熱変形温度は100℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは110℃以上である。
【0027】
本発明で使用されるアクリルフィルムの熱変形温度は、ゴム含有重合体(II)の使用量によっても変わるが、主に本発明で使用される熱可塑性重合体(III) の熱変形温度により決まる。熱可塑性重合体(III) の熱変形温度については、熱可塑性重合体(III) の単量体組成を公知の方法で調整することによって調節できる。種々の条件によって異なるが、例えば、共重合成分としてアクリル酸メチルを使用する場合、熱変形温度を90℃以上とする場合においては、熱可塑性重合体(III) 中のメタクリル酸メチルの含有量を92重量%以上に、そして熱変形温度を100℃以上とする場合においては、熱可塑性重合体(III) 中のメタクリル酸メチルの含有量を95重量%以上とすることにより調節できる。また、熱変形温度を110℃以上とする場合においては、熱可塑性重合体(III) 中に、無水マレイン酸、フェニルマレイミドなどのマレイミド類を共重合させる必要がある。もちろん、熱変形温度を90℃以上、100℃以上とする場合においても、無水マレイン酸、フェニルマレイミドなどのマレイミド類を共重合させメタクリル酸メチルの含有量を減らすことも可能である。
【0028】
本発明で使用するアクリルフィルムにおいては、上記の物性を満たす範囲において、必要に応じ一般の配合剤、例えば安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色剤、艶消剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。特に基材の保護の点では、耐候性を付与するためには紫外線吸収剤が添加されていることが好ましい。使用される紫外線吸収剤の分子量は300以上であることが好ましく、特に好ましくは400以上である。分子量は300より小さな紫外線吸収剤を使用すると射出成形金型内で真空成形、または圧空成形を施すに際に揮発し、金型汚れを発生させることがある。種類については特に限定されないが、分子量400以上のベンゾトリアゾール系、または分子量400以上のトリアジン系が特に好ましく使用でき、前者の具体例としては、チバガイギー社製のチヌビン234、旭電化工業(株)製のアデカスタブLA−31、後者の具体例としては、チバガイギー社製のチヌビン1577等が挙げられる。
【0029】
さらに、アクリルフィルムには必要に応じて艶消しや着色加工したものを用いることができる。
【0030】
本発明において用いられる意匠性薄膜としては、成形品に付与する意匠性に応じて、突板(部分的に突起を有する木質シート状物)、紙、織物、プラスチックフィルムの中から選ぶことができる。これらの意匠性薄膜は必要に応じて、あらかじめ印刷や染色、着色等の処理を施しておくことができる。
【0031】
本発明において用いられるアクリルシラップは、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)20〜70重量部と該(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に可溶な重合体(B)および/またはオリゴマー(C)30〜80重量部とからなる(ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100重量部とする。)重合体溶液、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)40〜70重量部と重合体(B)および/またはオリゴマー(C)30〜60重量部とからなる重合体溶液である。
【0032】
アクリルシラップを構成するのに用いられる(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)(以下、成分(A)と略記する。)の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の水酸基含有単量体類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエル等の窒素含有単量体類;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルホリル等の官能基含有単量体類;(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の脂環型(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0033】
上記の(メタ)アクリル酸エステルは、1種または2種以上の組み合わせで使用されるが、さらにアクリルシラップの硬化性および硬化性の物性等を改良するため必要に応じて、(メタ)アクロイル基を1分子中に2個以上有する架橋性単量体、あるいは上記の(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体も使用できる。架橋性単量体の具体例としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリス[エチルオキシ(メタ)アクリレート]、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、架橋性単量体以外の単量体の具体例としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0034】
成分(A)は上記の単量体を用いて構成されるが、成分(B)の重合体および成分(C)のオリゴマーを溶解させ、溶解させて得たシラップの粘度を低くして注入作業を良好ならしめ、さらにその硬化物に適度な透明性、耐候性、耐熱性を付与せしめるために、成分(A)中メタアクリル酸メチルを40重量%以上に含有させて用いることが好ましい。
【0035】
成分(B)である重合体は、アクリルシラップの粘度および硬化時間を調節し、さらに硬化物の物性および耐久性の向上を目的として用いられるものである。成分(B)の使用量が多すぎると一般的に粘度が高く、また硬化時間が短くなるので、作業性が悪くなる。また、逆に、成分(B)の使用量が少なすぎると一般に硬化性が悪くなり、硬化収縮性も大きくなる。このため、成分(B)の使用は、アクリルシラップ中、成分(A)4070重量部に対して3060重量部の範囲であることが好ましい。
【0036】
成分(B)は、成分(A)に溶解する重合体で、アクリルシラップの硬化性および硬化物の物性に問題がなければいかなる重合体でも使用できるが、好ましいものとしては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0037】
(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体を得るのに用いられる(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類および(メタ)アクリル酸ベンジル等を挙げることができる。
【0038】
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体を得るに際して用いられ単量体としては、上記の単量体の外、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、リン酸(メタ)アクロイル等の酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリルアミド等の窒素含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル系化合物から選ばれる単量体が挙げられる。
これらの単量体は1種でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
成分(B)の重合体は、上記の単量体を公知の重合方法を用いて重合して得られたものが使用されるが、成分(A)への溶解性の点から乳化重合法、懸濁重合法で製造されたものの使用が好ましい。
【0040】
本発明において用いられる成分(C)のオリゴマーは、アクリルシラップの粘度および硬化時間を調節し、さらに硬化物の物性および耐久性の向上を目的として用いられるものである。成分(C)の使用量が多すぎると一般に粘度が高く、また硬化時間が短くなるので、作業性が悪くなる。また、逆に、成分(C)の使用量が少なすぎると一般に硬化性が悪くなり、硬化収縮も大きくなる。このため、成分(C)の使用割合は、アクリルシラップ中、成分(A)4070重量部に対して3060重量部の範囲であることが好ましい。
【0041】
本発明において用いられるオリゴマー(C)の具体例としては、例えばフタル酸、アジピン酸等の多塩基酸とエチレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリオールとポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体との反応で得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート、各種エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0042】
本発明で用いられるアクリルシラップは、加熱硬化触媒、または常温硬化触媒を使用して硬化させることができる。加熱硬化触媒としては、有機過酸化物とアゾ化合物が使用できるが、有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられ、好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドである。アゾ化合物の具体例としては、2,2′−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリル、2,2′アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上の組み合わせで使用される。
【0043】
また、常温硬化触媒としては、重合開始剤と促進剤の組み合わせによる公知のレドックス触媒が使用できる。重合開始剤としては、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド等が使用できるが、ジアシルパーオキサイドが好ましく、特にベンゾイルパーオキサイドが好適である。促進剤としては、芳香族第三級アミンが好ましく、具体例としてN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジエチル−P−トルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−P−トルイジン等が挙げられる。また、メチルエチルケトンパーオキサイドとナフテン酸コバルト等の金属石鹸の組み合わせも使用できる。
【0044】
本発明の成形品の基材となる熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、アクリルシラップと溶融接着可能なものが好ましい。その例としてABS樹脂、AS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂が挙げられるが、接着性の点からABS樹脂、AS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂が好ましく、さらに好ましくはABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂である。
【0045】
なお、成形品の基材となる熱可塑性樹脂として、アクリルシラップと溶融接着可能でない樹脂を用いる場合には、適当な接着剤を用いることによって接着することができる。
【0046】
次に本発明の成形品の製造法について説明する。
初めに、アクリルフィルムと意匠性薄膜とを、アクリルシラップを用いて積層する。この際、アクリルシラップは意匠性薄膜の両面に塗布されていることが望ましい。こうすることによって後の工程で、熱可塑性樹脂をインモールド成形する場合、アクリルシラップが意匠性薄膜と熱可塑性樹脂の間でもバインダーとなり、接着が容易となる。
【0047】
次いで、アクリルフィルムと意匠性薄膜との積層体を加熱した後、真空引き機能を持つ型内で真空成形を行う。加熱温度としてはアクリルフィルムが軟化する温度以上であることが望ましい。これはアクリルフィルムおよび意匠性薄膜の熱的性質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常60℃以上である。また、あまり温度が高いと表面外観が悪化したり、離型性が悪くなる。これもフィルムおよび意匠性薄膜の熱的性質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常200℃以下であることが好ましい。真空成形によりアクリルフィルムと意匠性薄膜との積層体に三次元形状を付与する場合、アクリルフィルムは高温時の伸度に富んでおり、非常に有利である。
【0048】
次いで、真空成形でアクリルフィルムと意匠性薄膜との積層体に三次元形状を付与した後、その型内の意匠性薄膜面に向けて溶融した熱可塑性樹脂を射出成形機等の手段により注入してインモールド成形を行い成形一体化させて本発明の成形品を製造する。この際、溶融接着性の悪い樹脂を用いる場合は、必要に応じて接着剤を用いることもできる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表わす。
【0050】
1)熱可塑性重合体の還元粘度
重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃で測定した。
【0051】
2)ゴム含有重合体の粒径
乳化重合にて得られたゴム含有重合体(II)のポリマーラテックスの最終粒径は大塚電子(株)製の光散乱光度計DLS−700を用い、動的光散乱法で測定した。
【0052】
3)フィルムの密着性
アクリルフィルムと意匠性薄膜をアクリルシラップで固化接着した積層体と、射出成形樹脂との密着性はJIS K5400に従って碁盤目剥離試験を行い、下記の基準にて評価した。
○…剥離なし
×…剥離あり
【0053】
4)フィルムの熱変形温度
フィルム製造用ペレットを射出成形にて、ASTM D648に基づく熱変形温度測定用試片を作製し、80℃で24時間アニール後、低荷重(4.6kg/cm2 )でASTM D648に従って測定した。
【0054】
5)積層体および積層成形品の外観評価
積層体および成形品の外観評価は目視により行い、下記の基準にて評価した。
○…クレイズ、汚れなし
△…クレイズ、汚れ少しあり
×…クレイズ、汚れあり
【0055】
6)積層成形品の加熱テスト
アクリルフィルム積層成形品を、90℃、100℃および110℃の加熱炉中で、それぞれ24時間加熱し、冷却後フィルムが積層されている面の平滑性を目視して下記の基準にて評価した。
○…変化なし
×…表面荒れあり
【0056】
7)積層成形品の耐候性
アイスバーUVテスター(大日本プラスチックス(株)製 メタルハライドランプタイプ)を用い、フィルム積層面から100mW/cm2 の強度で紫外線を照射した後、変色を目視して下記の基準にて評価した。
○…変化なし
△…やや変色あり
【0057】
また、実施例および比較例で用いた略記号は以下の物質を表わす。
MMA:メタクリル酸メチル
BuA:アクリル酸n−ブチル
BD:1,3−ブチレングリコールジメタクリレート
AMA:メタクリル酸アリル
St:スチレン
EA:アクリル酸エチル
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
NOM:n−オクチルメルカプタン
ABS:ABS樹脂、三菱レイヨン(株)製、ダイヤペット(登録商標)ABSバルクサム TM20
PC:ポリカーボネート樹脂、三菱ガス化学(株)製、ユーピロンS100
ABS/PC:ABS樹脂/ポリカーボネート樹脂、三菱レイヨン(株)製、ダイヤアロイ(登録商標)TS6
PPE:ポリフェニレンエーテル樹脂、三菱化学(株)製、レマロイB60HT
PA:ナイロン系樹脂、東レ(株)製、アミランCM1017
チヌビンP:チバガイギー社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、分子量225
チヌビン234:チバガイギー社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、分子量448
チヌビン1577:チバガイギー社製、トリアジン系紫外線吸収剤、分子量425
ユビナール408;BASF社製、ベンソフェノン系紫外線吸収剤、分子量326
【0058】
1.アクリルフィルムの製造
製造例1 熱可塑性重合体(I)の製造
反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込み、続いて乳化剤としてオレイン酸カリウム1部、開始剤として過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ。次いで、MMA40部、BuA10部、NOM 0.005部を仕込み、窒素雰囲気下、65℃にて3時間撹拌し、重合を完結させた。引き続いてMMA48部、BuA2部からなる単量体混合物を2時間にわたって滴下し、滴下終了後2時間保持を行い、重合を完結させた。得られたラテックスを0.25%硫酸水溶液に添加し、重合体を酸凝析した後、脱水、水洗、乾燥して、粉体状の重合体を回収した。得られた熱可塑性重合体(I)の還元粘度は0.38 l/gであった。
【0059】
製造例2 ゴム含有重合体(II)の製造
反応容器に下記の重合原料(イ)、および重合原料(ロ)の1/2量を仕込み、窒素雰囲気下80℃で90分間、撹拌を行いながら重合した。その後、重合原料(ロ)の残り1/2量を90分間にわたって連続的に添加し、さらに120分間重合を行い、弾性体ラテックスを得た。
【0060】
得られた弾性体ラテックスに、引き続いて下記に示す重合原料(ハ)を添加し撹拌した後、下記の重合原料(ニ)を80℃で45分間にわたって連続的に添加した。その後さらに80℃で1時間連続して重合を行い、ゴム含有重合体(II)ラテックスを得た。得られたゴム含有重合体(II)の粒径は0.29μmであった。
次いで、そのゴム含有重合体(II)ラテックスを塩化カルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行い、濾過、水洗、乾燥してゴム含有重合体(II)を得た。
【0061】
重合原料(イ):
脱イオン水 300部
N−アシルザルコシン酸 0.5部
ホウ酸 1.0部
炭酸ナトリウム 0.1部
ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5部
硫酸第一鉄 0.00024部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.00072部
重合原料(ロ):
BuA 80.0部
St 19.0部
AMA 1.0部
CHP 0.3部
重合原料(ハ):
脱イオン水 5部
N−アシルザルコシン 1.2部
重合原料(ニ):
MMA 76.6部
EA 3.2部
NOM 0.28部
CHP 0.24部
【0062】
製造例3 アクリルフィルム1〜12の製造
上記製造例にて得られた熱可塑性重合体(I)およびゴム含有重合体(II)、ならびに表1に示した熱可塑性重合体(III) を表1に示す割合でヘンシェルミキサーを用いて混合した。次いで、40mmφのスクリュー型押出機(L/D=26)を用いてシリンダー温度200℃〜260℃、ダイ温度250℃で溶融混練し、各種フィルム製造用ペレットを得た。次いで、その得られたペレットを80℃で一昼夜乾燥した後、Tダイを用いて表1に示した種々の厚みを有するアクリルフィルム1〜12を製膜した。
【0063】
【表1】
Figure 0003916275
【0064】
2.アクリルシラップの製造
製造例4 アクリルシラップ(a)の製造
メタクリル酸メチル30部およびメタクリル酸2−エチルヘキシル30部からなる混合物を40℃に加熱しながら、アクリル系共重合体粉末(組成:メタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチル=60/40(重量比)、重量平均分子量=14500)40部を加えて溶解させ、冷却して粘度450センチポイズ(20℃)の接着用アクリルシラップ(a)を得た。
【0065】
製造例5 アクリルシラップ(b)の製造
メタクリル酸メチル24.3部にエポン1004(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)を50.5部を加えて、80℃で加熱溶融した後、反応触媒としてトリエチルアミン1.0部を加え、さらにメタクリル酸4.2部を滴下しながら加え、8時間反応させて酸価5のエポキシメタクリレート樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に、さらにメタクリル酸メチル10部およびアクリル酸2−エチルヘキシル10部を加えて溶解させた後、冷却して粘度520センチポイズ(20℃)の接着用アクリルシラップ(b)を得た。
【0066】
製造例6 アクリルシラップ(c)の製造
メタクリル酸メチル67部およびアクリル酸2−エチルヘキシル15部を40℃に加熱しながら、アクリル系重合体粉末(組成:メタクリル酸メチル100%、重量平均分子量=85000)18部を加えて溶解させた後、冷却して粘度80センチポイズ(20℃)の接着用アクリルシラップ(c)を得た。
【0067】
[実施例1〜12、比較例1〜7]
上記のように得られた種々のアクリルフィルムと種々のアクリルシラップを用いて、表2に示した組み合わせで、種々の積層体を作製した。
なお、積層体は、ガラス板に上記のアクリルフィルムをのせ、その上に上記のアクリルシラップ100部に硬化触媒としてパーカドックス16(化薬アクゾー製)を2部配合したものを含浸させた突板(ノダ製、厚み200μm)をのせ、脱泡ローラーで空気泡を除去した後、その上に離型紙を貼り付けたガラス板をのせ、70℃の炉中で、1時間加熱硬化させて作製した。
【0068】
その後、それらの積層体を120〜180℃で2分間加熱し、真空引き機能を持つ金型で真空成形を行った。積層体を金型に配した状態で、表2に示した射出成形用樹脂を射出成形し(東芝機械(株)製、IS−200F型射出成形機、シリンダー温度250℃)、片側表面上にアクリルフィルムを有するインモールド成形による積層成形品を得た。
表2に得られた積層成形品の成形品外観および密着性についての評価結果を示す。
また、表3には実施例2,6〜8で得られた積層成形品についての加熱テスト試験結果を示す。
【0069】
[実施例13〜16]
表1に示すアクリルフィルム9〜12を用い、実施例1と同様にしてインモールド積層成形品を得た。
表2に得られた積層成形品の成形品外観および密着性についての評価結果を示す。また、表4に得られた成形品の耐候試験結果を示す。
【0070】
[実施例17〜18]
実施例2と同様に積層体を作製した後、その裏面に予め、接着剤としてポリウレタン系接着剤サイビノールUF30(サイデン化学工業(株)製)を20g/m2 となる量塗布し、乾燥させた後、PPE樹脂およびPA樹脂を射出成形して積層成形品を得た。
表2に得られた積層成形品の成形品外観および密着性についての評価結果を示す。
【0071】
【表2】
Figure 0003916275
【0072】
【表3】
Figure 0003916275
【0073】
【表4】
Figure 0003916275
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、高級感、深み感のある優れた表面外観を有する成形品を安価で、かつ容易に得ることができる。

Claims (2)

  1. 厚みが100〜300μmであり、かつASTM D648にて測定した熱変形温度が90℃以上であるアクリルフィルムと意匠性薄膜とを、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)20〜70重量部と該(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に可溶な重合体(B)および/またはオリゴマー(C)30〜80重量部とからなる(ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100重量部とする。)アクリルシラップをバインダーとして固化接着したアクリルフィルム積層体。
  2. 上記請求項1を熱可塑性樹脂とインサート成形法あるいはインモールド成形により成形一体化することにより得られるアクリルフィルム積層成形品。
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