JP3883234B2 - アクリルフィルム積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリルフィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
木質材料等の成形品においては、表面外観を良好にし、さらに耐久性を付与するために塗装を行うことが一般的である。しかしながら、溶剤を大量に取り扱う塗装工程は作業性が悪く、改善が求められている。そしてさらにその塗装には、熟練した作業員による技術を必要とし、深みや高級感のある十分な表面外観を得るためには数回から、多い物では十数回の繰り返し塗装が必要であり、そのために多大なコストがかかり、生産性も悪いものとなっている。また、近年作業環境の改善という点から、大量の有機溶剤を使用する塗装工程が問題となってきている。
【0003】
一方、塗装を行う代わりにプラスチックフィルムを成形品に接着して意匠性を付与する方法があり、メンブレンプレス機を用いた積層方法が広く用いられている。この方法は、種々の形状に適応できる点で有利であるが、加熱によって軟化したフィルムをシリコン等のゴムで直接押さえつけるために、ゴムの表面外観が転写されて光沢度を低下させ、鏡面光沢を必要とする場合には接着されたフィルムの表面を研磨し、再塗装することが必要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した如くの問題点を解決すべく鋭意検討を進めた結果、アクリルフィルムを用い、意匠性薄膜と特定のアクリルシラップからなるバインダーで固化接着することにより上記の問題点が解決し、優れた表面外観と深み感を有する積層体が得られることを見い出し本発明に到った。
【0005】
すなわち本発明は、アクリルフィルムと意匠性薄膜とを、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)2070重量部と該(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に可溶な重合体(B)および/またはオリゴマー(C)3080重量部とからなる(ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100重量部とする。)アクリルシラップをバインダーとして固化接着したアクリルフィルム積層体である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるアクリルフィルムとしては、特に限定されないが、製造時や後加工時の加工性やハンドリング性、深み感から、柔軟性、透明性に富んだものが好ましく、その例として例えば特公昭62−19309号公報、同63−20459号公報、特開昭63−77963号公報等に記載される、アクリル樹脂系の多層構造重合体より製造されるフィルムがあげられる。
【0007】
本発明においては、上記の特性を有するアクリルフィルムを使用することが好ましい。他のフィルム、例えば塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等を用いてもアクリルフィルムより透明性、深み感や高級感の点で劣るため、本発明の目的とする成形品を得ることが困難である。
【0008】
本発明で用いられるアクリルフィルムの製造法としては、溶融流延法や、Tダイ法、インフレーション法などの溶融押出法、カレンダー法などいずれの方法を用いてもよいが、経済性の点からTダイ法で製造するのが好ましい。
【0009】
アクリルフィルムの厚みは、100〜300μmであることが好ましく、この範囲より薄いと成形品外観として十分な深みが得られない。特に複雑な形状に成形する場合、延伸によって十分な厚みが得られなくなる。さらにアクリルシラップと積層硬化する際に、アクリルシラップ中の単量体によっておかされ、クレイズが発生しやすくなる。また、この範囲より厚いとコストが高くなるだけでなく、製膜が困難で安定してフィルムを製造できなくなる。
【0010】
上記のアクリルフィルムには必要に応じて、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、艶消し剤、染料、顔料等の添加剤を添加することができる。特に基材の保護の点では、耐候性を付与するためには紫外線吸収剤が添加されていることが好ましい。さらに、アクリルフィルムには必要に応じて艶消しや着色加工したものを用いることができる。
【0011】
本発明において用いられる意匠性薄膜としては、成形品に付与する意匠性に応じて、突板(部分的に突起を有する木質シート状物)、紙、織物、プラスチックフィルムの中から選ぶことができる。これらの意匠性薄膜は必要に応じて、あらかじめ印刷や染色、着色等の処理を施しておくことができる。
【0012】
本発明において用いられるアクリルシラップは、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)2070重量部と該(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に可溶な重合体(B)および/またはオリゴマー(C)3080重量部とからなる(ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100重量部とする。)重合体溶液であることが好ましく、さらには(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)40〜70重量部と重合体(B)および/またはオリゴマー(C)30〜60重量部とからなる重合体溶液であることが好ましい。
【0013】
アクリルシラップを構成するのに用いられる(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)(以下、成分(A)と略記する。)の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の水酸基含有単量体類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエル等の窒素含有単量体類;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルホリル等の官能基含有単量体類;(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の脂環型(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。
【0014】
上記の(メタ)アクリル酸エステルは、1種または2種以上の組み合わせで使用されるが、さらにアクリルシラップの硬化性および硬化物の物性等を改良するために必要に応じて、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する架橋性単量体、あるいは上記の(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体も使用できる。架橋性単量体の具体例としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスチトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリス[エチルオキシ(メタ)アクリレート]、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、架橋性単量体以外の単量体の具体例としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0015】
成分(A)は上記の単量体を用いて構成されるが、成分(B)の重合体および成分(C)のオリゴマーを溶解させ、溶解させて得たシラップの粘度を低くして注入作業を良好ならしめ、さらにその硬化物に適度な透明性、耐候性、耐熱性を付与せしめるために、成分(A)中メタアクリル酸メチルを40重量%以上を含有させて用いることが好ましい。
【0016】
成分(B)である重合体は、アクリルシラップの粘度および硬化時間を調節し、さらに硬化物の物性および耐久性の向上を目的として用いられるものである。成分(B)の使用量が多すぎると、一般的に粘度が高く、また硬化時間が短くなるので、作業性が悪くなる。また、逆に、成分(B)の使用量が少なすぎると一般に硬化性が悪くなり、硬化収縮率も大きくなる。このため、成分(B)の使用は、アクリルシラップ中、成分(A)4070重量部に対して3060重量部の範囲であることが好ましい。
【0017】
成分(B)は、成分(A)に溶解する重合体で、アクリルシラップの硬化性および硬化物の物性に問題がなければいかなる重合体でも使用できるが、好ましいものとしては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0018】
(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体を得るのに用いられる(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類および(メタ)アクリル酸ベンジル等を挙げることができる。
【0019】
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体を得るに際して用いられ単量体としては、上記の単量体の外、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、リン酸(メタ)アクロイル等の酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリルアミド等の窒素含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル系化合物から選ばれる単量体が挙げられる。
これらの単量体は1種でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
成分(B)の重合体は、上記の単量体を公知の重合方法を用いて重合して得られたものが使用されるが、成分(A)への溶解性の点から乳化重合法、懸濁重合法で製造されたものの使用が好ましい。
【0021】
本発明において用いられる成分(C)のオリゴマーは、アクリルシラップの粘度および硬化時間を調節し、さらに硬化物の物性および耐久性の向上を目的として用いられるものである。成分(C)の使用量が多すぎると一般に粘度が高く、また硬化時間が短くなるので、作業性が悪くなる。また、逆に、成分(C)の使用量が少なすぎると一般に硬化性が悪くなり、硬化収縮も大きくなる。このため、成分(C)の使用割合は、アクリルシラップ中、成分(A)4070重量部に対して3060重量部の範囲であることが好ましい。
【0022】
本発明において用いられるオリゴマーの具体例としては、例えばフタル酸、アジピン酸等の多塩基酸とエチレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリオールとポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体との反応で得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート、各種エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0023】
本発明におけるアクリルシラップは、加熱硬化触媒、または常温硬化触媒を使用して硬化させることができる。加熱硬化触媒としては、有機過酸化物とアゾ化合物が使用できるが、有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられ、好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドである。アゾ化合物の具体例としては、2,2′−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリル、2−2′アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上の組み合わせで使用される。
【0024】
また、常温硬化触媒としては、重合開始剤と促進剤の組み合わせによる公知のレドックス触媒が使用できる。重合開始剤としては、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド等が使用できるが、ジアシルパーオキサイドが好ましく、特にベンゾイルパーオキサイドが好適である。促進剤としては、芳香族第三級アミンが好ましく、具体例としてN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジエチル−P−トルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−P−トルイジン等が挙げられる。また、メチルエチルケトンパーオキサイドとナフテン酸コバルト等の金属石鹸の組み合わせも使用できる。
【0025】
本発明の成形品の基材となる熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、アクリルシラップと溶融接着可能なものが好ましい。その例としてABS樹脂、AS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂が挙げられるが、接着性の点からABS樹脂、AS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂が好ましく、さらに好ましくはABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂である。
【0026】
尚、成形品の基材となる熱可塑性樹脂として、アクリルシラップと溶融接着可能でない樹脂を用いる場合には、適当な接着剤を用いることによって接着することができる。
【0027】
次に本発明の成形品の製造法について説明する。
初めに、アクリルフィルムと意匠性薄膜とを、アクリルシラップを用いて積層する。この際、アクリルシラップは意匠性薄膜の両面に塗布されていることが望ましい。こうすることによって後の工程で、熱可塑性樹脂をインモールド成形する場合、アクリルシラップが意匠性薄膜と熱可塑性樹脂の間でもバインダーとなり、接着が容易となる。
【0028】
次いで、アクリルフィルムと意匠性薄膜との積層体を加熱した後、真空引き機能を持つ型内で真空成形を行う。加熱温度としてはアクリルフィルムが軟化する温度以上であることが望ましい。これはアクリルフィルムおよび意匠性薄膜の熱的性質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常60℃以上である。また、あまり温度が高いと表面外観が悪化したり、離型性が悪くなる。これもフィルムおよび意匠性薄膜の熱的性質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常160℃以下であることが好ましい。真空成形によりアクリルフィルムと意匠性薄膜との積層体に三次元形状を付与する場合、アクリルフィルムは高温時の伸度に富んでおり、非常に有利である。
【0029】
次いで、真空成形でアクリルフィルムと意匠性薄膜との積層体に三次元形状を付与した後、その型内の意匠性薄膜面に向けて溶融した熱可塑性樹脂を射出成形機等の手段により注入してインモールド成形を行い成形一体化させて本発明の成形品を製造する。この際、溶融接着性の悪い樹脂を用いる場合は、必要に応じて接着剤を用いることもできる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表わす。
【0031】
実施例および比較例におけるアクリルフィルムは、三菱レイヨン(株)製、ハイペット(登録商標)HBS−001(アクリル系樹脂)を80℃で一昼夜乾燥し、Tダイ付一軸押出機で成形したものを用いた。
【0032】
また、実施例および比較例における物性の評価は以下に示す方法により行った。
(1)表面光沢
表面光沢の測定はグロスメーター(ミノルタ(株)製、GM060)を用い、60°での表面光沢を測定した。
(2)密着性
積層体と射出成形樹脂の密着性の評価は、JIS K5400に従って碁盤目剥離試験を行い、下記の基準にて判定した。
○…剥離なし
×…剥離あり
【0033】
[実施例1]
(1)アクリルシラップ(a)の製造
メタクリル酸メチル30部およびメタクリル酸2−エチルヘキシル30部からなる混合物を40℃に加熱しながら、アクリル系共重合体粉末(組成:メタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチル=60/40(重量比)、重量平均分子量=14500)40部を加えて溶解させ、冷却して粘度450センチポイズ(20℃)の接着用アクリルシラップ(a)を得た。
【0034】
(2)積層体1の製造
次いで、ガラス板にアクリルフィルム(厚さ200μm)をのせ、その上に上記のアクリルシラップ(a)100部に硬化触媒としてパーカドックス16(化薬アクゾー製)を2部配合したものを含浸させた突板((株)ノダ製、平均厚み200μm)をのせ、脱泡ローラーで空気泡を除去した後、その上に離型紙を貼り付けたガラス板をのせ、70℃の炉中で、1時間加熱硬化させて積層体1を得た。得られた積層体1の外観は良好であった。
【0035】
(3)積層成形品の製造
次いで、その積層体1を130℃で2分間加熱し、真空引き機能を持つ金型で真空成形を行った。積層体1を金型に配した状態で、ABS樹脂を射出成形し(東芝機械(株)製、IS−220F型射出成形機、シリンダー温度250℃)、片側表面上にアクリルフィルムを有する積層成形品を得た。
表1に得られた積層成形品の表面光沢、密着性の測定結果を示す。積層成形品は、表面外観、深み感ならびに密着性に優れたものであった。
【0036】
[実施例2〜3]
実施例1の積層体1を用い、実施例1と同様の方法で真空成形した後、ABS樹脂の代わりに表1に示した種々の樹脂を用いて射出成形を行い、各種の積層成形品を得た。
尚、熱可塑性樹脂の射出成形温度は、樹脂の成形温度に合わせて220〜280℃の範囲で行った。表1に得られた積層成形品の表面光沢、密着性の測定結果を示す。積層成形品は、表面外観、深み感および密着性に優れたものであった。
【0037】
[実施例4]
実施例1と同様にして積層体1を作製した後、その裏面に接着剤としてポリウレタン系接着剤(サイデン化学工業(株)製、サイビノールUF30)を20g/m2 となる量塗布し、乾燥させた後、実施例1と同様にしてPPE樹脂を射出成形し、積層成形品を得た。
表1に得られた積層成形品の表面光沢、密着性の測定結果を示す。積層成形品は、表面外観、深み感および密着性に優れたものであった。
【0038】
[実施例5]
(1)アクリルシラップ(b)の製造
メタクリル酸メチル24.3部にエポン1004(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)を50.5部加えて、80℃で加熱溶融した後、反応触媒としてトリエチルアミン1.0部を加え、さらにメタクリル酸4.2部を滴下しながら加え、8時間反応させて酸価5のエポキシメタクリレート樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に、さらにメタクリル酸メチル10部およびアクリル酸2−エチルヘキシル10部を加えて溶解させた後、冷却して粘度520センチポイズ(20℃)の接着用アクリルシラップ(b)を得た。
【0039】
(2)積層体2の製造
次に、上記のアクリルシラップ(b)を使用して、実施例1の積層体1と同様の方法で、突板とアクリルフィルムを積層して一体化し、積層体2を得た。得られた積層体2の外観は良好であった。
【0040】
(3)積層成形品の製造
上記の積層体2を用い、実施例1と同様の方法で真空成形した後、ABS樹脂を射出成形して、積層成形品を得た。
表1に得られた積層成形品の表面光沢、密着性の測定結果を示す。積層成形品は、表面外観、深み感および密着性に優れたものであった。
【0041】
[実施例6]
積層体1と同様の方法で、突板の代わりに通常市販されている木目印刷した紙(厚さ80μm)を用い、積層体3を得た。
次いで、その積層体3を用い、実施例1と同様の方法で真空成形した後、ABS樹脂を射出成形して、積層成形品を得た。
表1に得られた積層成形品の表面光沢、密着性の測定結果を示す。積層成形品は表面外観、深み感および密着性に優れたものであった。
【0042】
[実施例7]
積層体1と同様の方法で、突板の代わりに木綿を素材とした通常市販されている一般的な織物を用い、積層体4を得た。
次いで、その積層体4を用い、実施例1と同様の方法で真空成形した後、ABS樹脂を射出成形して、積層成形品を得た。
表1に得られた積層成形品の表面光沢、密着性の測定結果を示す。積層成形品は表面外観、深み感および密着性に優れたものであった。
【0043】
[比較例1]
メタクリル酸メチル67部およびアクリル酸2−エチルヘキシル15部からなる単量体混合物を40℃に加熱しながら、アクリル重合体粉末(組成:メタクリル酸メチル100%、重量平均分子量=85000)18部を加えて溶解させた後、冷却して粘度80センチポイズ(20℃)の接着用アクリルシラップ(c)を得た。
【0044】
次に、このアクリルシラップ(c)を用いて、実施例1の積層体1と同様の方法で積層体5を作製したところ、アクリルフィルム表面にシワが発生して、外観が悪く、実用に供することのできるものではなかった。
【0045】
[比較例2]
アクリルフィルムの厚さを200μmから80μmに変更して、比較例1と同様にして積層体6を作製したところ、アクリルフィルム部分にクラックが発生し、実用に供することのできるものではなかった。
【0046】
[比較例3]
木質成形品(ウオールナット材)に、日本フーラー(株)製、真空プレス用接着剤(VP−10)100部と硬化剤(日本フーラー(株)製、HBF−70)5部との混合物をスプレイ塗布し(塗布量約100g/m2 )、常温で15分間乾燥させた後、メンブレンプレス機を用いて厚さ200μmのアクリルフィルムを接着した(プレスゴム表面温度80℃、プレス圧力5kgf/cm2 、プレス時間3分)。
表1に得られた積層成形品の表面光沢、密着性の測定結果を示す。密着性は良好であったが、表面光沢が小さく、外観に劣るものであった。
【0047】
【表1】
Figure 0003883234
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた表面光沢を有し、高級感、深み感のある表面外観を有する成形品を安価で、かつ容易に得ることができる。

Claims (2)

  1. アクリルフィルムと意匠性薄膜とを、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)2070重量部と該(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に可溶な重合体(B)および/またはオリゴマー(C)3080重量部とからなる(ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100重量部とする。)アクリルシラップをバインダーとして固化接着したアクリルフィルム積層体。
  2. 上記請求項1を熱可塑性樹脂とインサート成形法あるいはインモールド成形により成形一体化することにより得られるアクリルフィルム積層成形品。
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