JP2005007870A - サニタリー製品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクリル樹脂を表面層とする積層サニタリー製品であって、使用中に変形や剥離が生じにくく、水圧等による変形にも十分に耐え得る樹脂製品を製造し、提供する。
【解決手段】クロロホルム不溶分量が0〜95重量%でかつ荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂3にABS樹脂7が積層された板を目的形状に成形し、次いで得られる成形品のABS樹脂7側裏面にポリウレタン樹脂の補強層9を設けて、樹脂製サニタリー製品(バスタブや洗面台など)1とする。アクリル樹脂とABS樹脂の積層板は、真空成形、圧空成形、プレス成形などの方法により、サニタリー製品の形状に成形される。ポリウレタン樹脂の積層にあたっては、ABS樹脂の面を予め火炎処理すること、さらにはその後プライマーを塗布することが有利である。
【選択図】 図1
【解決手段】クロロホルム不溶分量が0〜95重量%でかつ荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂3にABS樹脂7が積層された板を目的形状に成形し、次いで得られる成形品のABS樹脂7側裏面にポリウレタン樹脂の補強層9を設けて、樹脂製サニタリー製品(バスタブや洗面台など)1とする。アクリル樹脂とABS樹脂の積層板は、真空成形、圧空成形、プレス成形などの方法により、サニタリー製品の形状に成形される。ポリウレタン樹脂の積層にあたっては、ABS樹脂の面を予め火炎処理すること、さらにはその後プライマーを塗布することが有利である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バスタブ(浴槽)や洗面台などに代表されるサニタリー製品及びその製造方法に関するものである。詳しくは、アクリル樹脂、ABS樹脂及びポリウレタン樹脂の3層構造からなる樹脂製のサニタリー製品及びその製造方法に関するものである。
古くから、バスタブや洗面台などのいわゆるサニタリー製品としては、陶器製のものが多く用いられ、またバスタブには、ステンレス製のものもあったが、最近では、軽量性や壊れにくさ、美観、設置作業の容易さなどの面から、熱可塑性樹脂で製造されたものを使用する例が増えてきている。このような樹脂製のサニタリー製品においては、表面光沢や耐久性、耐加水分解性などを重視する観点から、表面をアクリル樹脂層とすることが多い。そしてその場合、アクリル樹脂層は比較的薄くなるため、例えば、特開平 9-109287 号公報(特許文献1)に記載されるように、不飽和ポリエステル樹脂をベースとし、ガラス繊維で強化された樹脂(FRP)で裏面を補強することが多かった。
不飽和ポリエステル樹脂をベースとしたFRPで補強する場合には、強化材であるガラス繊維を積み重ね、そこに、硬化剤入りの不飽和ポリエステル樹脂を含浸させ、脱泡して仕上げるハンドレイアップ法や、スプレーガンを用いて硬化剤入りの不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維を同時に吹き付けて積層するスプレーアップ法が一般に採用されるが、これらの方法は手作業的な要素が多いため、生産性が悪い。また、作業中に樹脂分が環境中へ揮散しやすく、労働衛生上の問題もある。さらに、FRP補強時にガラス繊維を用いるため、得られた製品は、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及び無機物であるガラス繊維との複合物になることから、廃棄処分が困難であるという問題も生じている。
これに対し、特開平 11-151175号公報(特許文献2)には、クロロホルム不溶分量が0〜95重量%で、荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂を表層とし、その裏面をポリウレタン樹脂により補強したアクリル製バスタブ用積層体が開示されている。このようにアクリル樹脂の裏面をポリウレタン樹脂で補強した場合、製品形状や使用条件によっては、変形や剥離などが起こることが明らかになってきた。
さらに、例えば特開平 11-216075号公報(特許文献3)に示されるように、アクリル樹脂を基材とし、そこにプライマー層を介してポリウレタン樹脂からなるバックアップ層を設けたバスタブも公知であり、また、例えば特開 2002-17590 号公報(特許文献4)や特開 2002-18938 号公報(特許文献5)に示されるように、アクリル樹脂からなる表面層をABS樹脂でバックアップしたサニタリー製品も公知である。しかしながら、プライマー層を介してポリウレタン樹脂でバックアップした場合も、依然として変形や剥離などを生じることがあった。また、ABS樹脂によるバックアップでは、バスタブ製品において満水時の変形量が大きいなど、樹脂製品としての剛性が不足する場合があった。
特開平9−109287号公報
特開平11−151175号公報
特開平11−216075号公報
特開2002−17590号公報
特開2002−18938号公報
そこで本発明の目的は、アクリル樹脂を表面層とする積層サニタリー製品であって、使用中に変形や剥離が生じにくく、水圧等による変形にも十分に耐え得る樹脂製品を製造し、提供することにある。本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定のアクリル樹脂にABS樹脂を積層した積層体のABS樹脂面側に、さらにポリウレタン樹脂を積層することで、良好な製品が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明によれば、クロロホルム不溶分量が0〜95重量%でかつ荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂にABS樹脂を積層した板が目的形状に成形され、その成形品のABS樹脂側裏面にはポリウレタン樹脂からなる補強層が形成されている樹脂製サニタリー製品が提供される。
また本発明によれば、この樹脂製サニタリー製品の製造方法も提供され、この方法は、クロロホルム不溶分量が0〜95重量%でかつ荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂にABS樹脂が積層された板を目的形状に成形し、次いで得られる成形品のABS樹脂側裏面にポリウレタン樹脂からなる補強層を設けるものである。
本発明によれば、使用中に変形や剥離が生じにくく、高い耐久性を有する積層樹脂製サニタリー製品が提供される。そしてこの樹脂製サニタリー製品は、従来の不飽和ポリエステル樹脂系FRPで補強されたアクリル樹脂製サニタリー製品に比べ、製造時の生産性、廃棄時の処理の容易さなどの面で優れたものとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。図1に断面の模式図で示す如く、本発明の樹脂製サニタリー製品1は、アクリル樹脂3にABS樹脂7が積層され、そのアクリル樹脂3が表面層、すなわち、直接使用者の目に触れ、肌に接する側となり、そしてABS樹脂7側の裏面には、ポリウレタン樹脂からなる補強層9が設けられたものである。ここには、バスタブ又は洗面台をイメージした図がごく概略的に示されている。ここで、ABS樹脂7がない場合には、たとえアクリル樹脂3とポリウレタン樹脂からなる補強層9とを、プライマー層を介して積層したとしても、使用中に剥離や膨れなどを生じることがある。一方、ポリウレタン樹脂からなる補強層9を省略した場合には、バスタブ等の深絞り製品において、製品の剛性が不足するため、水圧によって大きな変形を生じることがある。
表面層となるアクリル樹脂は、メタクリル酸メチルを主な構成モノマーとする樹脂であって、必要に応じて共重合可能な他のモノマーを配合して重合することにより得られるものである。そして本発明においては、かかるアクリル樹脂として、クロロホルム不溶分量が0〜95重量%であり、かつ荷重たわみ温度が90℃以上のものを採用する。そのクロロホルム不溶分量は、好ましくは5重量%以上、また好ましくは90重量%以下である。さらに荷重たわみ温度は、好ましくは95℃以上である。
ここでいうクロロホルム不溶分量とは、樹脂数gを十分量のクロロホルムに浸漬して常温で48時間置いた後、クロロホルム不溶物を濾別し、乾燥させて得られるものの重量をもとの樹脂に対して重量%で表した値である。クロロホルム不溶分量が95重量%を超えると、熱成形性が悪化するため、好ましくない。また荷重たわみ温度とは、 JIS K 7191 に従って測定される値である。アクリル樹脂の荷重たわみ温度が90℃未満であると、バスタブなどのサニタリー製品使用時に、変形、白化、膨れなどの異常を生じることがあるため、好ましくない。
クロロホルム不溶分量を0〜95重量%にする手段としては、メタクリル酸メチルを主成分とするモノマーを重合させる際、それと共重合可能な、分子内に炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する多官能モノマーの使用量を調整する方法が挙げられる。このために用いる多官能モノマーの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基を(メタ)アクリレート化したもの、フタル酸ビス(ヒドロキシアルキル)を(メタ)アクリレート化したもののような、多官能の(メタ)アクリル酸エステル類の他、多官能のウレタンアクリレート類、エポキシアクリレート類、さらにはジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどを例示することができるが、これらの例示に限られるものではない。
これら多官能モノマーの使用量は、所望するサニタリー製品の仕様や要求性能に応じ、成形性や耐薬品性など他の物性とのバランス等を考慮して、化合物毎に適宜決められる。クロロホルム不溶分量を0重量%とする場合、多官能モノマーは使用しない。一方、クロロホルム不溶分量が0重量%を超え、好ましくは5重量%以上、また95重量%以下となるようにするためには、単量体混合物の重量を基準に、多官能モノマーを概略で0.002〜5重量% の範囲で用いる。
アクリル樹脂はこの他、必要に応じて、耐熱分解性の向上、成形性の向上などの物性改良の目的で、アクリル酸メチルと共重合可能な他の単官能モノマーを一部共重合させたものであってもよい。共重合可能な単官能モノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニルの如きアクリル酸アルキルエステル類のほか、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸、無水マレイン酸、スチレン、アクリロニトリル、シクロヘキシルマレイミドなどを挙げることができる。メタクリル酸メチル以外のこれら単官能モノマーの量は、必要に応じて適宜選択できるが、アクリル樹脂そのものの特性を損なわないためには、モノマー混合物の量を基準に、概略20重量%程度までである。アクリル酸アルキルエステル類を用いる場合は、アクリル樹脂の耐熱性を保持する観点から、10重量%以下の使用が好ましい。そこで、アクリル樹脂を製造する際、メタクリル酸メチルは、全単量体の量を基準に、好ましくは75重量%以上の割合となるように用いられる。
さらにこのアクリル樹脂は、用途や目的に応じて、公知の添加剤、例えば、連鎖移動剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、染料、顔料、無機系充填剤、可塑剤、抗菌剤、抗カビ剤などを含有することも可能である。
アクリル樹脂に積層されるABS樹脂は、アクリロニトリルとブタジエンとスチレンとの三元共重合体であり、重合順序や混合の仕方によって各種のものが存在する。例えば、アクリロニトリルとスチレンの共重合体にポリブタジエンを混合したもの、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンを共重合させてグラフト化したもの、このグラフト化物をアクリロニトリルとスチレンの共重合体に溶融混合したもの、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体にアクリロニトリルとスチレンの共重合体を溶融混合したものなどがある。いずれの場合も、アクリロニトリル/スチレン共重合体からなる相の中に主としてポリブタジエンからなるゴム相が小粒子として存在するのが一般的である。
かかるABS樹脂の中でも、本発明のサニタリー製品におけるABS樹脂層としては、ゴム相となるブタジエンの含量が15〜25重量%の範囲にあるもの、また、ポリブタジエン部分に相当するゴム相の平均粒子径が0.2〜0.8μm の範囲にあるものが好ましい。ABS樹脂におけるゴム相の平均粒子径は、 0.5μm 以下であるのが一層好ましい。なお、ゴム相の平均粒子径が異なる複数種のABS樹脂を混合して使用する場合は、混合後の平均粒子径が上記範囲に入るようにすればよい。このような、ブタジエン含量が15〜25重量%の範囲で、ゴム相の平均粒子径が0.2〜0.8μm の範囲、好ましくは0.2〜0.5μm の範囲であるABS樹脂を用いれば、表面層を構成するアクリル樹脂との密着性が良好となり、その結果、耐衝撃性などに優れた実用性能を有する樹脂製サニタリー製品を得ることができる。ABS樹脂には、着色剤、石目調材、またタルクやガラス繊維のような補強材などを適宜配合することもできる。
アクリル樹脂板にABS樹脂を積層して積層板とするには、アクリル樹脂板を金型の一方の面に固定し、その反対側に金型キャビティーを形成し、そのキャビティー内に溶融ABS樹脂を供給しながら、キャビティークリアランスが徐々に狭まるように型締めして成形する射出プレス成形、アクリル樹脂板とABS樹脂板を熱プレスするプレス成形、アクリル樹脂板の片面にABS樹脂を押し出しながらラミネートする押出ラミネート成形などの成形法が採用できる。また、アクリル樹脂とABS樹脂とをそれぞれ溶融状態から板状に押し出しながら積層する共押出成形法によっても、アクリル樹脂とABS樹脂の積層板を得ることができる。こうして得られる積層板を熱成形することで、本発明のサニタリー製品の表層を形成する成形体を得ることができる。
射出プレス成形によりアクリル樹脂/ABS樹脂積層板を製造する場合は、次の各工程を経て、本発明の樹脂製サニタリー製品が製造されることになる。
(1) クロロホルム不溶分量が0〜95重量%でかつ荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂板の表面を一方の金型の面に密着させ、アクリル樹脂板の裏面に、溶融樹脂供給口を有する他方の金型の面を最終型締め状態に至らない程度に近接させて、アクリル樹脂板の裏面と他方の金型の面との間にキャビティーを形成する。
(2) 上記のキャビティーに溶融樹脂供給口を介して溶融ABS樹脂の供給を開始し、引き続き両金型を最終型締め状態まで型締めしつつ、溶融ABS樹脂をキャビティー内に充填する。
(3) 型締め状態を維持しながら冷却して、溶融ABS樹脂を固化させ、アクリル樹脂板と積層一体化する。
(4) 得られるアクリル樹脂とABS樹脂の積層板を目的形状に成形する。
(5) 次いで得られる成形品のABS樹脂側裏面にポリウレタン樹脂からなる補強層を設ける。
(2) 上記のキャビティーに溶融樹脂供給口を介して溶融ABS樹脂の供給を開始し、引き続き両金型を最終型締め状態まで型締めしつつ、溶融ABS樹脂をキャビティー内に充填する。
(3) 型締め状態を維持しながら冷却して、溶融ABS樹脂を固化させ、アクリル樹脂板と積層一体化する。
(4) 得られるアクリル樹脂とABS樹脂の積層板を目的形状に成形する。
(5) 次いで得られる成形品のABS樹脂側裏面にポリウレタン樹脂からなる補強層を設ける。
射出プレス成形により、アクリル樹脂板にABS樹脂を積層する場合の製造工程を、図2に順を追って模式的な断面図で示す。この場合は、図2(A)に示すように、平板状のキャビティーを形成する雌型11と雄型12とで金型を構成する。雌型11の成形面には、製品表面となるアクリル樹脂板を成形面に密着固定するための真空吸引口14が設けられ、この真空吸引口14は真空吸引機(図示せず)に接続されている。この雌雄一対の金型は、通常その一方が固定され、他方が金型の開閉方向に可動となっており、図2に示す例では、雄型12が固定され、雌型11が上下方向に可動となっている。一方、雄型12の成形面中央部には、溶融樹脂供給口15が設けられ、この溶融樹脂供給口15は、溶融樹脂通路16を介して溶融樹脂射出機18に接続されている。
そして図2(B)に示すように、両金型を開いてその間にアクリル樹脂板2を置き、このアクリル樹脂板2を雌型11の成形面に密着させる。この際、図示の如く雌型11の成形面の所定位置に真空吸引口14を設けて、そこからの真空吸引によりアクリル樹脂板2を雌型11の成形面へ密着させるのが有効である。アクリル樹脂板2は、雰囲気温度で雌型11の成形面に密着させてもよいし、ある程度加熱しておいてもよいが、加熱する場合でも、その温度は、100℃程度又はそれ以下で十分である。
アクリル樹脂板2が雌型11の成形面に密着された状態で、図2(C)に示すように、雌型11を下方へ移動させて雄型12と嵌合し、アクリル樹脂板2の裏面と雄型12の成形面との間でキャビティー17を形成する。そして最終型締め状態に至る前の適当なキャビティークリアランスとなったときに、溶融樹脂射出機18から溶融樹脂通路16及び溶融樹脂供給口15を経由して、溶融ABS樹脂5の供給を開始する。この際、アクリル樹脂板2の裏面と雄型12の成形面との間隔が、最終型締め状態におけるキャビティー相当部分の厚み、換言すれば、積層板におけるABS樹脂層の厚みに対して、 1.1〜2倍程度の状態で、溶融ABS樹脂の供給を開始するのが好ましい。
また、溶融ABS樹脂の供給開始は、一旦型締めを停止した状態で行ってもよいし、型締めを継続しながら行ってもよいが、後者の場合でも溶融ABS樹脂の供給を開始するのに適当なキャビティークリアランスになるまで雌型11が移動した時点で、型締め速度を減ずるのが好ましい。溶融ABS樹脂の供給に先立って一旦型締めを停止した場合でも、その溶融ABS樹脂の供給がある程度進んだ状態で型締めを再開する必要がある。そして、キャビティー内に溶融ABS樹脂が存在する状態で型締めを継続する。この際の型締め圧力は、3〜15MPa 程度が適当である。
このようにキャビティー内に溶融ABS樹脂が存在する状態で、図2(D)に示すように、さらに型締めを継続しながら溶融ABS樹脂をキャビティー内に充填する。キャビティー内に溶融ABS樹脂が完全に充填された後は、引き続き型締め状態を維持しながら、ABS樹脂層6がその熱変形温度以下、例えば60℃程度又はそれ以下の温度になるまで冷却する。十分に冷却したら、型締めを解放して雌型11を上方へ引き上げ、アクリル樹脂2とABS樹脂6との積層板が取り出される。
なお、図2には、雌型11を上側で可動とし、雄型12を下側で固定し、雄型12の成形面から溶融ABS樹脂を供給する例を示したが、その他種々の変形が可能である。例えば、図2とは上下を全て逆にし、上側を固定の雄型とし、下側を可動の雌型として、雄型側から溶融ABS樹脂を供給する形にしたり、雌雄両金型の配置は図2と同様であるが、上側の雌型を固定型として、その成形面に溶融樹脂供給口を設け、下側の雄型を可動型とするとともに、その成形面にアクリル樹脂板を載置する形態にしたりすることも可能である。
ここでは、射出プレス成形によりアクリル樹脂とABS樹脂の積層板を製造する場合について詳しく説明したが、先述のとおり、プレス成形や押出ラミネート成形、共押出成形など、他の方法によっても、かかる積層板を製造することができる。こうして得られるアクリル樹脂2とABS樹脂6との積層板は、次いで、バスタブや洗面台などのサニタリー製品の形状に熱成形される。この成形は、例えば、真空成形、圧空成形、プレス成形などの方法によって行うことができる。図3には、真空成形によってサニタリー製品形状に成形する場合の製造工程を、順を追って模式的な断面図で示す。この場合は、図3(A)に示すような真空成形用の金型20を用いる。この真空成形用金型20は雌型とも呼ぶことができ、成形面22の所定位置には、成形すべき積層板を吸引して成形面22に密着させるための真空吸引口24が設けられており、この真空吸引口24は、真空吸引機(図示せず)に接続されている。
そしてこの金型20の上縁に、予め熱変形温度以上に加熱されたアクリル樹脂2とABS樹脂6との積層板を、図3(B)に示すように、ABS樹脂6が金型側となるように密着載置する。アクリル樹脂の熱変形温度は通常70〜110℃程度であり、ABS樹脂の熱変形温度は通常90〜110℃程度であるので、この積層板は、130〜220℃程度まで加熱しておくのが適当である。この状態で、積層板のABS樹脂6側と金型の成形面22とで囲まれる空間を、真空吸引口24を介して真空吸引する。真空吸引の継続により真空度が上がると、加熱軟化状態にある積層板は成形面22へ引き込まれ、最終的には図3(C)に示すように、成形面22に密着してアクリル樹脂層3とABS樹脂層7からなる積層成形物となる。この状態を維持しながら、積層成形物が熱変形温度より低い温度になるまで冷却する。成形物がもはや容易には変形しない程度の温度になったら、図3(D)に示すように、この成形物を金型20から離して取り出せばよい。このような真空成形では、金型の成形面22は、後でポリウレタン樹脂を積層する面となるABS樹脂層7の表面形状と一致することになる。
図3には、真空成形による例を示したが、他の方法によって積層板をサニタリー製品の形状に成形することも可能である。例えば、成形品の凸側を真空吸引しながら、その反対側の面に圧縮空気を吹き付ける圧空成形によっても、このような成形物を得ることができる。また、例えば、成形面がサニタリー製品の表面となるアクリル樹脂層の表面形状と一致する一般に雄型と呼ばれる金型を用い、その金型側から真空吸引するか、又はその金型と反対の側(ABS樹脂側)から圧縮空気を吹き付けて、積層板を金型形状に賦形させるドレープ(drape )成形なども採用できる。
なお添付図面では、作図の都合上コーナー部を角張った状態で示しているが、実用面では目的とするサニタリー製品の形状に応じて、これらの部分が丸みを帯びた形状となるように金型を設計すればよいことは、当業者なら容易に理解できるであろう。
こうして得られる成形品には、熱成形によるひずみを除去することを目的として、アニール処理を施すことができる。アニール処理は、例えば、成形品を構成する樹脂のうち荷重たわみ温度の低いほうを基準に、その樹脂の荷重たわみ温度よりも15〜30℃低い温度で、1時間以上、さらには2時間以上保持することにより行うのが好ましい。アニール処理時間を長くしても、性能面での悪影響はないので、生産性との兼ね合いで時間を決めればよいが、長くても5時間程度までで十分である。アニール処理後は、成形品を構成する樹脂のうち荷重たわみ温度の低いほうを基準に、少なくとも、その樹脂の荷重たわみ温度より50℃程度低い温度になるまで徐冷して冷却するのが好ましい。冷却速度は、12〜18℃/時間程度とするのが適当である。
サニタリー製品の形状に成形されたアクリル樹脂層3とABS樹脂層7からなる積層成形物の裏面であるABS樹脂面には、図1に示すようなポリウレタン樹脂からなる補強層9を形成する。ポリウレタン樹脂の積層には、例えば、速硬化性の無溶媒状ポリウレタン形成成分をスプレーする方法が好ましく用いられる。ポリウレタン樹脂層の厚みは、通常2〜25mm程度、好ましくは5〜15mm程度である。
ポリウレタン形成成分は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分で構成される。ポリイソシアネート成分は、一般に2.0 以上のNCO(イソシアナト)官能性を有するポリイソシアネート、好ましくは芳香族ポリイソシアネートであり、具体的には例えば、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合生成物をホスゲン化することによって製造されるポリフェニルメタンポリイソシアネートに、少量のアルキレンオキシドポリオールを反応させて得られるNCO(イソシアナト)プレポリマーなどが挙げられる。
一方、ポリオール成分は、ポリオール及び触媒を含有するものである。ポリオールは、好ましくはポリエーテルポリオールであり、例えば、多官能アルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたポリエーテルポリオールや、多官能脂肪族アミンにアルキレンオキシドを付加重合させたポリエーテルポリオールなどでありうる。また触媒は、ポリウレタンに通常用いられる第3級アミン、それも脂肪族第3級アミンであることができ、例えば、N−メチルモルホリン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。
このポリオール成分は通常、さらにポリアミンや無機充填材なども含有する。ポリアミンは、芳香族ポリアミン、特に分子内にアミノ基を2個有する芳香族アミンであることができる。無機充填材は、粉状であることが望ましく、例えば、珪酸アルミニウムカリウム、シリカ、ゼオライトなどが好ましく使用され、これら2種以上の混合物を用いてもよく、さらにはその他の無機充填材、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、クレー、二酸化チタンなどを混合して使用することもできる。無機充填材の量は、この無機充填材などを含むポリオール成分全体に対して、通常10〜40重量%程度であり、好ましくは20〜30重量%程度である。さらにこのポリオール成分は、水やシリコーンなどを含有することもある。
そこで、ポリウレタン形成成分は、例えば、芳香族ポリイソシアネートとアルキレンオキシドポリオールから形成されるNCO(イソシアナト)プレポリマーに基づく液状のポリイソシアネート成分並びに、ポリエーテルポリオール、第三級アミン触媒、ポリアミン及び無機充填材を含有する液状の粘性混合物であるポリオール成分からなる液状粘性組成物であるか、あるいは、上記液状のポリイソシアネート成分並びに、ポリエーテルポリオール、第三級アミン触媒、ポリアミン及び無機充填材に加えてさらに水とシリコーンを含有するポリオール成分からなる液状粘性組成物であることができる。ポリウレタン材料は通常、ここで説明したようなポリイソシアネート成分とポリオール成分とに分けて販売されているので、これらの中から、適当な組合せを選択して使用すればよい。
ポリウレタン樹脂層は、耐熱性が重視されるため、荷重たわみ温度が70℃以上のものを用いるのが好ましい。さらに好ましくは、荷重たわみ温度が75℃以上のものである。ここでいう荷重たわみ温度も、 JIS K 7191 に従って測定される値である。
ポリウレタン樹脂の積層には、前述したスプレー法のほか、RTM法など、公知の別の方法を用いることもできる。RTM法とは、レジン・トランスファー・モールディング(Resin Transfer Molding)法の略であり、一般に雌雄一対の型を用いて、両型により構成される間隙に予め補強材を配置し、クランプ後、適切な位置に設けた注入孔から、マトリックス樹脂を比較的低い圧力、例えば1MPa 以下の圧力で注入し、補強材と一体硬化させ、しかるのちに型を開き、脱型して成形品を得る方法である。ここで用いる補強材としては、例えば、ベニヤ材などを挙げることができるが、場合によってはガラス繊維のマットなどを用いることもできる。
ポリウレタン樹脂とABS樹脂層との接着力を高める目的で、ABS樹脂のポリウレタン樹脂が積層される面を前処理することが好ましい。例えば、ABS樹脂の表面を火炎処理する方法を挙げることができる。火炎処理とは、バーナーなどの炎を当てて、表面を酸化し、活性化させる処理である。また、火炎処理後にプライマーを塗布することも有効である。
プライマーは、ABS樹脂表面にスプレーや刷け塗りなどの方法により塗布され、ABS樹脂とポリウレタン樹脂の間に介在させる。プライマー層の厚みは、0.05mm 以上が好ましく、例えば0.05〜0.1mm程度とするのが一層好ましい。プライマーとして使用されるNCO(イソシアナト)プレポリマー及び/又は変性イソシアネートは、液状であることが好ましい。NCOプレポリマーは、イソシアネートとポリエーテルポリオールとを混合及び/又は反応して形成される。イソシアネートは、脂肪族イソシアネート及び芳香族イソシアネートのいずれであってもよい。また、一般の樹脂塗装ないし接着用のプライマーを使用することもでき、かかるプライマーの市販品の例としては、三井化学(株)製の“ユニストールP”などが挙げられる。
ポリウレタン樹脂とABS樹脂層との接着力を高める目的で、アクリル樹脂/ABS樹脂積層体からなる所定形状の成形物を、ポリウレタン樹脂の積層直前に予備乾燥することも有効である。この予備乾燥により、ABS樹脂表面の水分が除去され、ポリウレタン樹脂との密着がより強固となる。予備乾燥は通常40℃以上の温度で行われるが、その上限は、上記成形物を構成する樹脂のうち荷重たわみ温度の低いほうを基準に、その樹脂の荷重たわみ温度より10℃低い温度までである。また、予備乾燥の時間は通常10分以上であり、好ましくは30分〜2時間である。
アクリル樹脂/ABS樹脂積層体からなる所定形状の成形物のABS樹脂側にポリウレタン樹脂を積層して、0〜50℃の温度範囲で硬化させた後は、適当な温度、例えば、そのポリウレタン樹脂の荷重たわみ温度よりも10〜30℃低い温度でアニール処理するのが好ましい。このようなアニール処理を施すことにより、ポリウレタン硬化反応時に生じたひずみを低減することができると共に、ポリウレタン樹脂の架橋を促進して、その荷重たわみ温度を高めることもできる。さらに、周辺部のトリミング、排水溝の穴あけ加工、金具取り付け等の後加工を行って、サニタリー製品を得ることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部、並びに使用量の比は、いずれも重量基準である。
実施例1
厚さ5mmのアクリル樹脂板(住友化学工業(株)製の“スミペックス SA ”)を用いた。このアクリル樹脂約1gを十分量のクロロホルムに浸漬して、常温で48時間置いたのち、クロロホルム不溶物を濾別し、それを乾燥させて重量を測定したところ、アクリル樹脂中のクロロホルム不溶分量は約60%であった。また、このアクリル樹脂の荷重たわみ温度を JIS K 7191-2 のA法に従って測定したところ、100℃であった。図2(B)に示すように、このアクリル樹脂板2を雌型11の成形面に密着させ、この雌型11の下側に、図2(C)に示すように雄型12を嵌合してキャビティー17を形成し、さらにそこにABS樹脂(日本エイアンドエル(株)製の“GA501 ”)5を、シリンダー温度230℃で射出して射出プレス成形し、図2(D)に示すような形態で5mm厚のABS樹脂層を積層した。
厚さ5mmのアクリル樹脂板(住友化学工業(株)製の“スミペックス SA ”)を用いた。このアクリル樹脂約1gを十分量のクロロホルムに浸漬して、常温で48時間置いたのち、クロロホルム不溶物を濾別し、それを乾燥させて重量を測定したところ、アクリル樹脂中のクロロホルム不溶分量は約60%であった。また、このアクリル樹脂の荷重たわみ温度を JIS K 7191-2 のA法に従って測定したところ、100℃であった。図2(B)に示すように、このアクリル樹脂板2を雌型11の成形面に密着させ、この雌型11の下側に、図2(C)に示すように雄型12を嵌合してキャビティー17を形成し、さらにそこにABS樹脂(日本エイアンドエル(株)製の“GA501 ”)5を、シリンダー温度230℃で射出して射出プレス成形し、図2(D)に示すような形態で5mm厚のABS樹脂層を積層した。
このアクリル樹脂/ABS樹脂積層板を真空成形装置のクランプ枠で固定し、アクリル樹脂側表面温度が200℃、ABS樹脂側表面温度が160℃になるまで加熱した後、開口部が490mm×330mmで最大深さが260mmの真空成形用雌型を用い、図3に示すような工程を経て真空成形を行い、表側がアクリル樹脂層3で、裏側がABS樹脂層7である真空成形品を得た。
この成形品の裏面側となるABS樹脂層に対して、バーナーで火炎処理した。続いて二液型スプレーマシンを用いて、ポリウレタン樹脂層を5mm厚で形成させた。ポリウレタン樹脂のポリオール成分としては、住化バイエルウレタン(株)製の“ポリオール 7EB07”を用いた。また、ポリイソシアネート成分としては、住化バイエルウレタン(株)製の“イソシアネート 7EB10”を用いた。両者の配合比は、ポリオール成分100部に対してポリイソシアネート成分を88部とした。得られた成形品に80℃の温水を満たして連続500時間放置する耐湯試験を行ったところ、剥離、膨れ等の異常は認められなかった。なお、ここで積層したポリウレタン樹脂の荷重たわみ温度は、約80℃である。
比較例1
実施例1で用いたのと同じアクリル樹脂板をそのまま、真空成形装置のクランプ枠で固定し、最高表面温度が200℃になるまで加熱し、内寸が 1,190mm×545mmで最大深さが470mmの真空成形用雌型を用いて真空成形を行い、アクリル樹脂単層の真空成形品を作製した。この成形品の裏面側(凸面側)に、プライマー層として、住化バイエルウレタン(株)製の“スミジュール 44V20”と“SBU ポリオール 0759 ”とを150:100の割合で混合した溶液状物を塗布し、常温下で硬化させた。その後、実施例1と同じ方法でポリウレタン樹脂層を形成させた。得られた成形品について、実施例1と同じ方法で耐湯試験を行ったところ、試験開始後250時間までの評価で、アクリル樹脂とポリウレタン樹脂との界面において剥離が生じた。
実施例1で用いたのと同じアクリル樹脂板をそのまま、真空成形装置のクランプ枠で固定し、最高表面温度が200℃になるまで加熱し、内寸が 1,190mm×545mmで最大深さが470mmの真空成形用雌型を用いて真空成形を行い、アクリル樹脂単層の真空成形品を作製した。この成形品の裏面側(凸面側)に、プライマー層として、住化バイエルウレタン(株)製の“スミジュール 44V20”と“SBU ポリオール 0759 ”とを150:100の割合で混合した溶液状物を塗布し、常温下で硬化させた。その後、実施例1と同じ方法でポリウレタン樹脂層を形成させた。得られた成形品について、実施例1と同じ方法で耐湯試験を行ったところ、試験開始後250時間までの評価で、アクリル樹脂とポリウレタン樹脂との界面において剥離が生じた。
1……サニタリー製品、
2……アクリル樹脂版、
3……成形後のアクリル樹脂層、
5……溶融ABS樹脂、
6……板状ABS樹脂層、
7……成形後のABS樹脂層、
9……ポリウレタン樹脂からなる補強層、
11……雌型、
12……雄型、
14,24……真空吸引口、
15……溶融樹脂供給口、
16……溶融樹脂通路、
17……キャビティー、
18……溶融樹脂射出機、
20……真空成形用型、
22……金型の成形面。
2……アクリル樹脂版、
3……成形後のアクリル樹脂層、
5……溶融ABS樹脂、
6……板状ABS樹脂層、
7……成形後のABS樹脂層、
9……ポリウレタン樹脂からなる補強層、
11……雌型、
12……雄型、
14,24……真空吸引口、
15……溶融樹脂供給口、
16……溶融樹脂通路、
17……キャビティー、
18……溶融樹脂射出機、
20……真空成形用型、
22……金型の成形面。
Claims (9)
- クロロホルム不溶分量が0〜95重量%でかつ荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂にABS樹脂を積層した板が目的形状に成形され、その成形品のABS樹脂側裏面にはポリウレタン樹脂からなる補強層が形成されていることを特徴とする、樹脂製サニタリー製品。
- アクリル樹脂のクロロホルム不溶分量が5〜90重量%である請求項1記載の樹脂製サニタリー製品。
- ABS樹脂が15〜25重量%のブタジエン含量及び0.2〜0.8μm のゴム相の平均粒子径を有する請求項1又は2記載の樹脂製サニタリー製品。
- ポリウレタン樹脂の荷重たわみ温度が70℃以上である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製サニタリー製品。
- クロロホルム不溶分量が0〜95重量%でかつ荷重たわみ温度が90℃以上であるアクリル樹脂にABS樹脂が積層された積層板を目的形状に成形し、次いで得られる成形品のABS樹脂側裏面にポリウレタン樹脂からなる補強層を設けることを特徴とする、樹脂製サニタリー製品の製造方法。
- アクリル樹脂とABS樹脂との積層板の成形が、真空成形、圧空成形又はプレス成形により行われる請求項5記載の方法。
- ポリウレタン樹脂を積層するABS樹脂の面を予め火炎処理する請求項5又は6記載の方法。
- 火炎処理後、そのABS樹脂の面にさらにプライマーを塗布する請求項7記載の方法。
- ポリウレタン樹脂からなる補強層を積層して硬化させた後、ポリウレタン樹脂の荷重たわみ温度よりも10〜30℃低い温度でアニール処理する請求項5〜8のいずれかに記載の方法。
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-
2004
- 2004-05-21 JP JP2004151370A patent/JP2005007870A/ja active Pending
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